以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係るカメラの内部構成を図1のブロック図で示す。即ち、この図1のカメラはレンズ交換式の一眼レフレクスカメラを想定して図示したものである。つまり、このカメラは、カメラ本体10と、このカメラ本体10に対して着脱自在に構成された交換式の撮影レンズ部20とから構成されている。
撮影レンズ部20内には、被写体100の像をカメラ本体10側に入射させるための撮影レンズ21、この撮影レンズ21のピント位置を制御するレンズ制御アクチュエータ22、撮影レンズ21のピント位置やズーム位置を検出するエンコーダ23、撮影レンズ21を介して入射する光の量を調節する絞り24、絞り24を駆動制御する絞り制御アクチュエータ25、及びレンズ制御アクチュエータ22や絞り制御アクチュエータ25等の制御を行うレンズ内マイクロコンピュータ(レンズ内CPU)26が内蔵されている。これらは、従来周知のものを用いればよい。
また、カメラ本体10の中には、撮影レンズ21を介して入射した被写体100の像を、スクリーン34、ペンタプリズム35、及び接眼レンズ36で構成された光学ファインダに導くためのメインミラー33が設けられている。即ち、メインミラー33で反射された被写体100の像は、図2(a)のようにしてスクリーン34に投影される。ユーザ110は、このスクリーン34に投影された像を、ペンタプリズム35と接眼レンズ36とを介して観察することができる。
更に、メインミラー33は、ミラー制御アクチュエータ39により図2(b)のように撮影光路上から退避することが可能なように構成されている。また、フォーカルプレーンシャッタ(以下、シャッタと称する)37も撮影光路上から進退可能に構成されている。即ち、シャッタ37は、メインミラー33の退避動作に伴って、図2(b)のように、撮像素子2の遮光位置から退避する。このシャッタ37の駆動は、シャッタ制御アクチュエータ38によって行われる。
また、撮像素子2の前側には、振動部としての圧電アクチュエータ32によって振動する保護ガラス31が設けられている。即ち、保護ガラス31を圧電アクチュエータ32によって振動させることで、保護ガラス31に付着したゴミやホコリを払い落とすようにしている。
CCD等で構成される撮像素子2では、被写体100の像が光電変換により電気信号に変換される。撮像素子2から出力された電気信号(像信号)は、アナログ/デジタル(A/D)変換部3によってデジタル信号に変換される。その後、デジタル画像処理部4において、A/D変換部3から出力されたデジタル信号に対して、ホワイトバランスをはじめとする色の調整やガンマ変換、シャープネス処理等の画像処理が行われて画像データが生成される。更に、この画像データは、デジタル画像処理部4において画像圧縮され記録部5に記録される。
また、デジタル画像処理部4において生成された画像データは、表示制御部6を介してLCDなどの表示手段であるモニタ部7に表示させることも可能である。
これらの一連の撮影シーケンスや上記した各アクチュエータ制御は、カメラ本体10内の制御部であるマイクロコンピュータ(ボディ内CPU)1によってなされる。また、圧電アクチュエータ32や、光源40を駆動するための発光制御部41等も、ボディ内CPU1によって制御される。即ち、ボディ内CPU1は、撮影者が操作するレリーズスイッチ(SW)1aや、撮影レンズ部20をカメラ本体10から取り外すためのレンズ交換SW1b、カメラのモードを動画モード等に切り換えるための選択SW1c等の状態に従って、予めプログラムされたソフトウェアに基づいた所定のシーケンスの制御を行う。
ここで、撮影シーケンス時には、レンズ内CPU26とボディ内CPU1とで通信が行われる。即ち、ボディ内CPU1からの指示に従ってレンズ内CPU26は、絞り制御やレンズ制御を行う。また、ボディ内CPU1は、レンズ内CPU26から通信された情報に従って、絞り値を決定したりピント位置を制御したりする。
ここで、図1のようなレンズ交換式のカメラでは、レンズ交換時にカメラ内部に空気中のゴミやホコリ等が侵入しやすく、一眼レフレクス形式のカメラにおいては、このような問題が既にユーザの間で話題となっている。このため、撮影前の撮像素子面のクリーニングは重要であり、プロのカメラマン等は充分な時間をかけてこのクリーニング作業を行っている。
このクリーニング作業を怠ると、撮像素子面にゴミ等が付着し、その結果、図3のように、画面101内にゴミ102が写り込み、被写体100の美しい画像を損ねてしまうことになる。
そこで、第1の実施形態では、図2(c)のように撮影レンズ21をカメラ本体から取り外した時には、撮像素子2の前面をシャッタ37で覆うことによってゴミ等の付着を防止している。また、一眼レフレクス形式のカメラの場合には、上記したようにメインミラー33によって光路を制御している。そこで、第1の実施形態では、レンズ交換時に、図2(c)のように、メインミラー33を撮像素子2の前の位置に移動させることによって撮像素子2へのゴミ等の付着を防ぐようにする。
また、第1の実施形態では、撮像素子2にゴミ等が付着しているか否かをユーザ110が確認できるようになっている。この場合には、図2(d)のように、光源40を発光させ、この光をメインミラー33の裏面で反射させる。これにより、撮像素子2にモニタ用の光を照射する。そして、モニタ部7に表示された画像によってユーザ110は、撮像素子2にゴミ等が付着しているかどうかを確認できる。
このような工夫によって、ゴミ等の付着を防ぎ、なおかつ、撮影に先立って撮像素子2にゴミ等が付着していないことを確認可能なレンズ交換式のカメラを提供することができる。
ここで、カメラが下向きになっている時には、撮影レンズ21が外れている時でも、空気中のゴミ等がカメラ本体内に入りにくいと考えられる。そこで、第1の実施形態では、カメラ本体10内にカメラの姿勢を検出するための姿勢検出部42を設けておき、図4のように、レンズが外され、カメラが下向きの時には、保護ガラス31を振動させて、ゴミ等をカメラ本体10の外部に落とすようにしている。なお、姿勢検出部42としては、重力により移動する球体の位置によって姿勢を検出する手法や、水銀スイッチを用いる手法などが知られている。
また、第1の実施形態では、ユーザ110がクリーニングSW1dを操作した時にも、保護ガラス31の振動制御が行われる。これにより、ユーザ110が任意のタイミングで撮像素子2のクリーニングを行える。
ここで、撮像素子2は、図5(a)のように複数の画素2aから構成されているが、近年のカメラでは、画素の数が500万画素を超えるものもある。このため、1つ1つの画素のデータ読み出しに所定の時間がかかるとすると、1番始めにデータ読み出しした画素と、最後にデータ読み出しする画素との間にtEの時間差が生じてしまう。この時間差のため、図6(a)のように、光電変換結果の転送を行っていると、本来、e0であった電荷が、転送されている間の光入射によりe1(e1>e0)に変化してしまう。これを防止するために、シャッタ37により、光電変換結果(電荷)読み出し時には撮像素子2に光が入射しないようにする。即ち、図6(b)のように、シャッタ37を用いて撮像素子2を遮光する。なお、撮像素子2の画素数が多くなる程、データ読み出し時の誤差(e1−e0)は大きくなる。逆に画素数が少ない場合は、tEが短くなるので、データ読み出し時の誤差は小さく、無視することも可能である。
また、動画表示の際、ユーザ110の目に見た感覚で不自然がないように画素のデータ読み出しを行うことができるのであれば、シャッタ37がなくとも画像を逐次取り込んで、その結果を表示することができる。そこで、図5(b)のように、撮像素子2の全画素のうち、斜線部の画素2bのデータのみを読み出すようにしたり、図5(c)のように、幾つかの画素の出力を合わせた画素2cを1画素として読み出すようにしたりしてもよい。これらの場合、分解能は多少粗くなるが自然な動画撮影を行うことが可能である。このように、デジタルカメラでも、分解能を粗くすれば動画撮影が可能である。
一方、静止画時は、シャッタ機構の有効利用によって、高分解能の撮影が可能である。即ち、静止画時では、通常時は図2(a)の状態であり、撮影時に図2(b)の状態になる。そして、撮影終了後の画像読み出し時や記録時等では、図2(a)の状態に戻る。この時、モニタ部7を使用することができない。一方、動画時は、図2(b)の状態とし、ペンタプリズム35等の光学ファインダは使わず、電子的な表示が行われるモニタ部7を見ながら撮影することになる。ここで、第1の実施形態では、レンズ交換が行われた場合には、動画時であっても図2(c)のようにシャッタ37を閉じて、撮像素子2を保護するようにしている。このとき、上述のように、ゴミ等が侵入していないことが、図2(d)で説明したような光源40の制御及びシャッタ37の制御によって、モニタ部7上で確認できる。ユーザ110は、レンズ交換後にゴミが付着していないことを確認してから撮影を行うことができるので、安心して撮影を行うことができる。
図7及び図8に第1の実施形態に係るカメラのメイン制御のフローチャートを示す。これはカメラのボディ内CPU1によって制御されるものである。
まず、ボディ内CPU1は、当該カメラの撮影モードが動画モードであるか否かを判定する(ステップS1)。この判定は、ユーザ110によって操作される選択SW1cの設定に従って行われる。動画モードである場合には、メインミラー33やシャッタ37を撮影光路上から退避させるために、ボディ内CPU1は、メインミラーをアップし(ステップS2)、シャッタ37を開いて(ステップS3)、図2(b)のような状態にする。この後、ボディ内CPU1は、撮像素子2に入射する像のコントラストに従ってレンズを動かし、コントラストのピークでピント合わせする、所謂コントラストAFを行う(ステップS4)。これにより、ピントの合った画像が得られる。次に、露出制御を行う(ステップS5)。これは、撮像素子2に入射する光の量を調整するべく絞り24を制御したり、撮像素子2の読み出しタイミング等を制御することにより行う。
この後、ボディ内CPU1は、レリーズSW1aの状態により撮影開始操作がなされたか否かを判定する(ステップS6)。撮影開始操作がなされたと判定した場合に、ステップS6からステップ7に分岐して、記録部5への画像データの記録を開始させる(ステップS7)。ボディ内CPU1は、ユーザ110から撮影終了操作がなされたか否かを判定し(ステップS8)、撮影終了操作がなされるまで、ステップS7の画像記録を継続させる。一方、撮影終了操作がなされたと判定した場合には記録部5への記録を終了させる(ステップS9)。そして、ステップS1に戻る。
ここで、動画モード時では、データ読み出し時間の関係により、撮像素子2の全画素を利用しない。
また、ステップS1の判定において、動画モード以外であると判定した場合に、ボディ内CPU1は、撮影開始操作がなされたか否かを判定する(ステップS10)。撮影開始操作がなされたと判定した場合には、ステップS10からステップS11に分岐して、ボディ内CPU1は静止画撮影を行う。このために、まずボディ内CPU1は、撮影レンズ21のピント合わせを行う(ステップS11)。ここで、ステップS11のピント合わせは、所謂TTL位相差方式のAFによって行うことを前提としている。なお、TTL位相差方式のAFは周知の技術であるので、図1にはその装置構成を図示せず、またその説明も省略する。ピント合わせの後、ボディ内CPU1は、メインミラー33をアップする(ステップS12)。その後、所定の露出時間だけシャッタ37を開く(ステップS13)。そして、メインミラー33をダウンする(ステップS14)。即ち、ステップS13のフォーカルプレーンシャッタ37の開閉時間によって、露出制御を行う。これによって、全画素が等しいタイミングで露出量制御されるので、高画質の撮影が可能である。この後、撮像素子2からデータを読み出して画像処理を行い(ステップS15)。処理した画像データを記録部5に記録させる(ステップS16)。その後、ボディ内CPU1は、撮影結果をすぐにモニタ部7に表示させる(ステップS17)。
このように静止画も動画も最適な方法で撮影可能なカメラであっても、レンズ交換時には、ゴミやホコリ等がカメラ本体10内部に侵入することがある。これらが撮像素子2に付着してしまうと、きれいな満足のいく写真撮影ができなくなる。そこで第1の実施形態では、レンズ交換時のホコリ対策をステップS18以下の処理で行っている。
即ち、ボディ内CPU1は、レンズ交換操作が開始されたか否かを判定する(ステップS18)。これは、ユーザ110がレンズ固定用のロックピンに連動するスイッチ(レンズ交換SW1b)を操作したか否かによって判定する。レンズ交換操作が開始されたと判定した場合には、ステップS18からステップS19に分岐する。そして、ボディ内CPU1は、カメラが図4のように下向きであるか否か、又はカメラモードがクリーニングモードであるか否かを判定する(ステップS19)。即ち、カメラが下向きの場合にはゴミやホコリが入りにくいので、ステップS19からステップS20に分岐する。そして、ボディ内CPU1は、メインミラー33をアップし、更にシャッタ37を開いた後(ステップS20)、撮像素子2の前方に配置された保護ガラス31を圧電アクチュエータ32によって振動させて(ステップS21)、ホコリをとばすようにする。これは、レンズ交換が終了(この判定はボディ内CPU1とレンズ内CPU26との通信状態により判定可能である)するまで断続的に行えばよい。
その後、ボディ内CPU1は、カメラが下向きであるか、又はカメラモードがクリーニングモードであるか否かを再び判定する(ステップS22)。この判定の結果、カメラが下向きであると判定した場合に、ボディ内CPU1は、レンズ交換操作が終了したか否かを判定する(ステップS23)。ステップS23の判定において、レンズ交換操作が終了した場合には、ステップS27に移行する。
また、ステップS19又はステップS22の判定において、カメラが下向きでなく、クリーニングモードでもないと判定した場合に、ボディ内CPU1は、メインミラー33をダウンし(ステップS24)、更にシャッタ37を閉じる(ステップS25)。そして、レンズ交換操作が終了したか否かを判定し(ステップS26)、レンズ交換操作が終了するまで待機する。
レンズ交換操作が終了した後は、念のため、再度保護ガラス31を振動させて(ステップS27)、撮像素子2の前の保護ガラス31に付着したホコリ等を払い落とすようにする。ここで、ステップS19からS24に分岐してステップS27の動作が行われた場合には、シャッタ37が閉じている。このときシャッタ37と保護ガラス31の間の隙間の下部や周辺に粘着テープ等を設けておき、払い落としたホコリ等を、粘着テープに付着させるようにしてもよい。このような構造をとるようにすれば、払い落としたホコリ等が撮影に影響することがない。
以後の制御は、ホコリ対策の結果をユーザ110が確認するためのものである。即ち、ユーザ110は、ホコリ等が写り込むか否かをモニタ部7上で確認できる。ここで、図2(d)で示した例では、光源40を設けて、撮像素子2に基準光を入射させたが、図8では、動画モードと同様の、ミラーアップ(ステップS28)及びシャッタ開(ステップS29)の制御を行い、モニタ部7上でユーザ110が撮像結果を確認できる。
しかし、例えば500万画素の1つ1つの画素をチェックする事は大変であるし、動画用の撮像では分解能が不足する。そこで、ここでは撮像動作を繰り返して像信号を検出し(ステップS30)、均一の像信号が取得されているか否かを判定する(ステップS31)。この判定において、均一の像信号が取得されていると判定した場合に、ボディ内CPU1は、絞り24を絞り込むように指示した後(ステップS32)、ステップS11からステップS16で説明した静止画モードで撮影を行い(ステップS33)、この結果をモニタ部7上に表示させる(ステップS34)。即ち、このホコリ等の確認画像の表示においては、ホコリがよく見えるようにユーザは、モニタ部7の画面の明るさが均一になるようにする。また、確認画像の表示の際には、絞り24の絞り込みも行われ、よりホコリが見えやすい状態になる。例えば、ユーザ110が、レンズ交換後に、カメラを空の方に向けることで撮像素子2が均一に照明される。
静止画モードによる表示の結果は、動画モードと違って、間引きなどの処理が行われていないので、正しいホコリのモニタを行うことができる。ここで、モニタ部7上に表示された画像を適宜拡大してチェックすることができるようにしてもよい。
一方、ステップS31の判定において、撮像素子2で取得される像信号が均一でないと判定した場合に、ボディ内CPU1は、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS35)。この判定において所定時間が経過したと判定した場合も電力消費を抑えるために、ステップS32に移行して静止画モードの撮影を行い、得られた結果をモニタ部7上に表示させる。ステップS35の判定において所定時間が経過していない場合には、ステップS30に戻る。
また、ステップS23の判定において、レンズ交換操作が終了していない場合に、ボディ内CPU1は、現在手動クリーニングが行われているか否かを判定する(ステップS36)。この判定手法については、後で詳述する。このステップS36の判定において、手動クリーニングが行われていないと判定した場合には、ステップS37に分岐し、保護ガラス31の振動を禁止する(ステップS37)。
また、手動クリーニング中は、ミラーアップやシャッター開の状態を維持するためのエネルギーが必要なので、ボディ内CPU1は、バッテリーチェックを行ってバッテリ容量が充分であるか否かを判定する(ステップS38)。この判定において、バッテリ容量が充分でないと判定した場合には、警告を行う(ステップS39)。このような制御により、手動クリーニング中に、突然シャッタが閉じてしまうような事故を防止する。
また、ステップS36の判定において、手動クリーニングを行わない場合には、保護ガラス31の振動を開始させて(ステップS40)、ステップS22に戻る。また、ステップS38の判定において、バッテリ容量が充分である場合にもステップS22に戻る。
このように、手動クリーニングを行う際には、保護ガラス31の振動が禁止されるので、振動中の保護ガラス31に綿棒などが接触してしまうような事故を防ぐ事が可能である。
なお、レンズ交換後のホコリ等の確認をボディ内CPU1に行わせるようにしても良い。図9は、このような確認用の静止画撮影の制御手順について示したフローチャートである。これは、図8のステップS32以後の制御である。即ち、ボディ内CPU1は、図8で説明したのと同様に絞り24を絞りこんで(ステップS41)、静止画撮影を行った後(ステップS42)、画像内の微小粒状部(即ちゴミやホコリの画像)を検出する(ステップS43)。この検出は、パターン判定等の技術を用いて行うことができる。また、次のようにしても検出できる。
図10(a)は、横軸に画素、縦軸に明るさを示した像信号のグラフである。このような明るさが均一になっている信号の中で一部のみ暗くなっている部分が微小粒状部であるので、この位置を検出すればよい。即ち、ゴミやホコリ等は、図11のように所定画素のみを隠す形で付着するので、得られる像信号は、図10(b)に示すような一般の被写体の像信号とは明らかに異なり、図10(a)のように全体的に均一な像信号の中に、一部だけ暗くなる部分が現れる信号となる。
このようにして、微小粒状部を検出した後、ボディ内CPU1は、検出した微小粒状部を拡大表示する(ステップS44)。
このようにしてゴミやホコリ等のパターンを検出して、その部分を拡大表示するようにすれば、ユーザ110が画像を時間をかけて見わたさなくても、撮像素子2にホコリ等が付着しているか否かををすぐに判断することができる。なお、ゴミやホコリ等のパターンが検出できなかった時には、その旨をモニタ部7に表示させるようにしてもよい。
このような手法によれば、撮像面上のホコリ等の付着のありなしを迅速に判定可能である。ホコリ等が付着していると判定され、ホコリ等の画像が拡大表示された時には、撮影レンズを外し、カメラを下向けにした状態で、クリーニングモードに設定して、保護ガラス31の振動により、ホコリ等を払い落とすようにすればよい。
しかし、時として、粘着質のホコリ等がカメラ内に舞い込むこともある。このような場合、単に保護ガラス31の振動ではホコリ等を払い落とせない事がある。そこで、ユーザ110は、図12のように、撮影レンズ21を取り外す。そして、カメラをクリーニングモードにしてメインミラー33を退避させ、更にシャッタ37を開放状態にして、図13のようにカメラ本体10内をクリーニングする。この時、綿棒120等を利用したり、ピンセットに紙を巻きつけて、保護ガラス31上を拭き取ることになる。しかし、この状態で図16(a)のように、圧電アクチュエータ32が作動してしまうと、矢印で示した方向に保護ガラス31が振動してしまう。この場合、ホコリ130を払い落とす効果はあっても、綿棒120の押圧により、振動している保護ガラス31を符号31aに示すように破壊してしまう可能性がある。従って、図13のように手動クリーニングを行っている際には、保護ガラス31の振動を停止させる事が好ましい。
したがって、ここでは、図14(a)や図14(b)に示すように、撮像素子2の出力を利用して手動クリーニングが行われているか否かを判定する。即ち、撮像素子2に入射する像150aの形が変化するか否かにより、ユーザ110が綿棒120等をカメラ本体10内に入れているか否かを判定する。ここで、図14(a)は綿棒120がカメラ本体内部に入っていない状態の像の状態を示し、図14(b)は綿棒120がカメラ本体内部に入って来た時の像の状態を示す。
このような判定を行うための構成として、図12に示すように、カメラ本体10内部に照明部40aを設けておく。この照明部40aは、図15(a)に示すように保護ガラス面に補助光を照射できるように配置しておく。ここで、照明部40aには、図2(d)で説明したホコリ発見用の光源40を利用してもよいし、別のものを利用してもよい。
このような構成において照明部40aからの光が妨げられた時に、綿棒120などの異物が侵入したか否かの判定を行う。このとき、撮像素子2に入射する光は、図15(b)に示すように綿棒120などで妨げられる。その結果、図14(a)で示す像150aが図14(b)に示すような分布がない像150bに変化するのでカメラ本体内部に異物が侵入していることを判定できる。このときに、保護ガラス31の振動を停止させるようにすればよい。
このような手動クリーニング判定は、図17に示すようなフローチャートに従って行われる。即ち、ボディ内CPU1は、現在の判定が1回目のものであるか否かを判定する(ステップS51)。この判定において、1回目の判定である場合には、照明部40aから補助光を照射し(ステップS52)、その時に撮像素子2で取得された撮像信号をI1とする(ステップS53)。この後、所定時間待機した後(ステップS54)、再度補助光を照射して(ステップS55)、そのときに撮像素子で取得された撮像信号をI2とする(ステップS56)。
次に、ボディ内CPU1は、撮像信号I1と撮像信号I2との間に変化があるか否かを判定し(ステップS57)、変化がある場合にはステップS57をステップS58に分岐して、綿棒などの異物が侵入している、即ち手動クリーニング中であると判定して(ステップS58)、図8に戻って保護ガラス31の振動を禁止する。一方、ステップS57の判定において、I1とI2との間に変化がない場合には、ステップS57をステップS59に分岐して手動クリーニング中でないと判定して(ステップS59)、図8に戻る。そして、圧電アクチュエータ32によって保護ガラス31が振動するので、ホコリ130等がカメラ外に払い落とされる。
また、この手動クリーニング判定は、図8で繰り返し行われるので、1回めの判定においては、基準像として撮像信号I1を取り込む必要があるが、2回め以降の判定においては最後にとりこんだ撮像信号I2をI1として(ステップS60)利用すればよい。これにより、2回目以後の手動クリーニング判定ではステップS51の判定をステップS54に分岐するので、2回目以後は撮像信号I1を取り込む必要がない。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、圧電アクチュエータの振動によるホコリ落としと綿棒等による拭き取り式のホコリ除去とを併用しながら、カメラ内部の薄い保護ガラスを傷める事なく長く利用できる信頼性の高い高画質のカメラを提供する事が可能である。
即ち、カメラ内部のクリーニングには、単に保護ガラス31を振動させることによってホコリ等を払い落とす場合とユーザが保護ガラス面を何かで拭き取るような方法でホコリ等を拭い取るような場合とがあるが、第1の実施形態では、これら何れの手法を用いても保護ガラスを破壊することがなく、ユーザはより美しい撮像面での撮影を安全に行うことが可能である。
ここで、第1の実施形態では、撮像素子の出力を利用して、綿棒等の異物がカメラ内部に侵入したか否かを判定したが、図18のように、専用のセンサ40cを設けておき、照明部40bからの光が綿棒120等によって遮断されるか否かをセンサ40cで検出することにより、異物の侵入を判定するようにしてもよい。この場合には、センサ40cを配置するためのスペースが必要となるが、撮像素子の出力を利用するよりも消費エネルギーを低減させることが可能である。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。上記した第1の実施形態では、手動クリーニングの例を示したが、第2の実施形態は、専用のクリーナをカメラに取り付けてクリーニングする例への応用である。
図19に、クリーナ200がカメラ本体10に取り付けられた状態の図を示す。クリーナ200内には、クリーナ内部のクリーナCPU201や照明204や、その他各駆動部等に電力を供給するための電源202が設けられている。この電源202からの電力を受けて、カメラ内のCPU1とクリーナCPU201との通信が開始されて、クリーニング動作が開始される。
このときの制御を図20のフローチャートに示す。このフローチャートは、2つのCPUが随時通信してお互いに情報をやりとりし、それぞれのタイミングで適当なCPUが、各ステップの制御を実行する。まず、カメラのボディ内CPU1は、クリーナ200が取り付けられたか否かを判定する(ステップS61)。クリーナ200が取り付けられていない場合には、図7のステップS1に移行する。
一方、クリーナ200が取り付けられていると判定した場合に、ボディ内CPU1は保護ガラス31の振動を禁止する(ステップS62)。その後、メインミラー33をアップし(ステップS63)、シャッタ37を開状態にして(ステップS64)、次に、クリーナCPU201に、以下の作動制御を行わせるための情報を通信する(ステップS65)。
ここで、ボディ内CPU1とクリーナCPU201との間の通信は、ステップS61のクリーナ200が取り付けられているか否かの判定や、後で説明するホコリ検出時にも行われるが、説明の単純化のために、ここで代表させて示している。
ステップS65の通信によって、ミラーアップやシャッタ開動作が終了したことを表わす通信が行われると、それを受けてクリーナCPU201は、光源駆動部203を介してクリーナ内の照明204を駆動させて光照射を行う(ステップS66)。この後、クリーナCPU201は、クリーナ内部の図示しない撮像素子によって撮像を行い(ステップS67)、この結果に基づいてホコリ検出を行う(ステップS68)。そして、クリーナCPU201は保護ガラス31にホコリ等が付着しているか否かを判定する(ステップS69)。
ステップS69の判定においてホコリが付着している場合には、クリーナCPU201は、モータ駆動部205を介してリニアモータ206を駆動させる(ステップS70)。このとき、クリーナ部211が、保護ガラス31上を移動してクリーニングが行われる。次に、クリーナCPU201は、ファン駆動部208を介してファン207を回転させる(ステップS71)。これにより、クリーニング動作によって払い落とされたホコリ等が、回転するファン207によって吸引用パイプ210から吸い出され、排気穴209から外部に排出される。
以後は、ステップS69の判定において、保護ガラス31にホコリ等が付着していないと判定されるまで、このような動作が繰り返される。ステップS69の判定において、ホコリ等が付着していない場合には、ステップS69をステップS72に分岐して、クリーニングを終了する(ステップS72)。ここで、クリーナ部211は伸縮自在な構成となっているが、ここでは、その伸縮機構について図示を省略している。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、専用のクリーナを利用しても適切なCPU通信によって、保護ガラスの振動を停止させるので、保護ガラスを傷つける事なく、撮像面のゴミ等の付着の問題を対策することができる。
以上実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
更に、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
1…ボディ内マイクロコンピュータ(ボディ内CPU)、1a…レリーズスイッチ(SW)、1b…レンズ交換SW、1c…選択SW、1d…クリーニングSW、2…撮像素子、3…アナログ/デジタル(A/D)変換部、4…デジタル画像処理部、5…記録部、6…表示制御部、7…モニタ部、10…カメラ本体、20…撮影レンズ部、21…撮影レンズ、22…レンズ制御アクチュエータ、23…エンコーダ、24…絞り、25…絞り制御アクチュエータ、26…レンズ内マイクロコンピュータ(レンズ内CPU)、31…保護ガラス、32…圧電アクチュエータ、33…メインミラー、34…スクリーン、35…ペンタプリズム、36…接眼レンズ、37…フォーカルプレーンシャッタ(シャッタ)、38…シャッタ制御アクチュエータ、39…ミラー制御アクチュエータ、40…光源、41…発光制御部、42…姿勢検出部、200…クリーナ、201…クリーナCPU、202…電源、203…光源駆動部、204…照明、205…モータ駆動部、206…リニアモータ、207…ファン、208…ファン駆動部、209…排気穴、210…吸引用パイプ、211…クリーナ部