JP4270480B2 - アクリル系重合体の製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は実質的に溶媒を用いないアクリル系重合体の製造方法に関する。さらに詳しくは本発明は、実質的に溶媒を用いることなく、かつ熱分解型重合開始剤を用いて反応を制御不能にさせることなく安定に重合反応を進行させる方法に関する。
【0002】
【従来技術】
アクリル系モノマーは、良好な重合性を有しており、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、光重合法、UV重合法等種々の反応方式で重合することができる。
例えば、アクリル系重合体を製造する方法として、アクリル系モノマーとメルカプタン類との混合物を、酸素の存在下に20〜200℃の範囲内の温度に加熱して、塊状重合を行う方法(特公昭50-401号公報参照)、アクリル系モノマーとメルカプタン類とを含み、開始剤を実質的に含まない混合物を窒素雰囲気下で重合する方法(特許第258251号公報参照、バッチ式反応缶ではなく、押し出しタイプのバレル装置を使用して高温領域(150℃近傍)で重合する方法(特公平2-55448号公報参照)、バッチ式反応缶に光ファイバーでUV光を照射して、UV光のパルス照射により重合させる方法(特開平7-330815号公報参照)、バッチ式反応缶にUVを照射しつつ反応温度を段階的に変化させながらUV塊状重合する方法(特開平11-49811号公報参照)等が提案されている。
【0003】
しかしながら、このようなアクリル系モノマーは、反応性が高いことから、熱分解型重合開始剤を用いた工業的規模の既存のバッチ式反応缶中で反応させようとしても、反応装置内における発熱が激しく、この反応熱を反応系外に除去することが難しく、反応缶中で熱分解型重合開始剤を用いて有効に反応を制御しながらアクリル系モノマーを塊状重合することはできなかった。
【0004】
また、バレル式装置を用いた反応では、反応温度を高温領域に設定する必要があり、温度制御の精度が低くなることに伴って、得られる重合体の分子量分布が広くなり、得られる重合体の分子量が多分散になるとの問題点がある。
さらに、UV照射装置を用いたバレル式装置では、温度制御が難しく、高精度の反応制御を行うことができない。さらに、UV照射装置を設けたバッチ式反応缶では、スケールアップに伴う発熱を制御するための除熱設備に多大なコストがかかり、既存設備を用いてアクリル系重合体を大量に生産する方法には向いていない。
【0005】
ところで、アクリル系モノマーを用いた塊状重合は、生成した重合体に溶剤が含有されず、さらに生成した重合体中に界面活性剤などが含有されないことから、生成した重合体からの溶剤などの分離操作を必要とせず、また、耐水性などの特性を低下させる原因となりやすい界面活性剤のような他の成分を含有しないことから、反応の形態からみれば好ましい反応形態である。
【0006】
しかしながら、熱分解性重合開始剤を用いた塊状重合では、使用されるモノマーの反応性が高いために、熱重合反応を制御することが極めて困難であり、重合反応の暴走が生じやすい。暴走反応は、反応を制御することができないことから急速に反応温度が上昇するなど状態が急速に変化することから、非常に危険であると共に、生成する重合体の分子量分布が広くなり、また、得られる重合体の分子量も低くなるという傾向がある。
【0007】
このようなアクリル系モノマーを用いた塊状重合法について、特開昭53-2589号公報には、(メタ)アクリル酸エステルと架橋性形成モノマーとを混合物またはシロップを重合させて熱硬化性アクリル樹脂を製造するに際して、まず150℃以下の温度で重合率が60%以上の予備重合体を製造してこれを槽型反応器から取り出し、この予備重合体を重合率差が10〜60%になるように設定された多段重合工程で重合する熱硬化性アクリル樹脂の製造方法が開示されている。そして、この公報に示された実施例では、アゾビスイソブチロニトリル、tert-ブチルパーオキシラウレートなどがモノマー100重量部に対して0.01〜0.3重量部程度使用されている。このアゾビスブチロニトリルの10時間半減期温度は66℃であり、tert-ブチルパーオキシラウレートの10時間半減期温度は98.3℃であり、このように10時間半減期温度の高い熱分解型重合開始剤を上記のように単量体に対して0.01〜0.3重量部程度の量で使用すれば、反応開始と同時に反応系の温度が急速に上昇し、高性能の冷却装置を用いなければ反応が暴走してしまう。従って、この公報に記載の発明では、充分な冷却能力を有する冷却装置を備えた反応装置を用いて、各工程で反応が暴走しないように充分に冷却しながら多段で重合反応を進める必要がある。このため、この公報に記載の方法では、反応系を冷却するために高性能の設備が必要となる。
【0008】
また、特開昭58-87171号公報には、アクリル系単量体に100重量部に対して70℃における半減期が0.1〜1000時間であり重合初期温度における半減期が0.1〜5時間のラジカル重合開始剤を0.00005〜0.5重量部使用して40〜120℃でアクリル系単量体を重合させる第1段階と、70℃における半減期が1000時間より長く、かつ重合初期温度における半減期が2時間以上であるラジカル重合開始剤を0.0001〜1重量部添加して、第1段階よりも高くかつ100〜200℃の温度で重合させる第2段階とからなる重量平均分子量10万〜60万のアクリル系感圧性接着剤を製造する方法が開示されている。そして、この公報記載の発明で使用されている重合開始剤としては、アセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、tert-ブチルパーオキシ(2-エチルヘキサノエート、tert-ブチルパーオキシラウレート、tert-ブチルパーオキシアセテート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物が例示されている。
【0009】
この公報記載の発明で使用されている重合開始剤は、熱重合開始剤であるが、10時間半減期温度は43〜102℃の範囲内にあり、この熱重合開始剤で使用されている熱重合開始剤の10時間半減期温度に選択性はない。むしろ、この公報における重合開始剤に関する記載は、その使用量が特徴的であり、熱重合開始剤を非常に少量使用することから多量に使用しうることが記載されている。このような熱重合開始剤を使用して、反応温度を40〜120℃に制御しようとしても、使用する反応開始剤の活性に起因してその発熱量も著しく異なる。例えば、実施例で使用されているようなtert-ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等を使用した場合には、反応の開始と同時に反応系の温度が急峻に上昇することから、こうした発熱を抑えるためには非常に高性能の冷却装置を必要とするという問題がある。
【0010】
また、特許第2752458号公報には、メチルメタクリレートを主成分とするモノマー混合物を完全混合型反応器に仕込み、モノマー中の溶存酸素を1ppm以下とし、重合温度における半減期が0.5〜120秒のラジカル重合開始剤を使用して、特定の攪拌力で攪拌しながら、ラジカル重合開始剤の半減期と平均滞留時間が特定の範囲内になるように平均滞留時間を設定して、130〜160℃の範囲内の温度でモノマー転化率が45〜70%になるように重合させるメタクリル系ポリマーの製造方法が開示されている。
【0011】
そして、この公報に記載されている実施例において、具体的に使用されているラジカル重合開始剤は、2,2-アゾビスイソブチロニトリル、tert-ブチルパーオキシイソブチレート、ラウロイルパーオキサイドなどであり、10時間半減期温度は41℃を超えるものである。このため例えば実施例および図2では、冷却装置として例えば−5℃の冷媒で冷却された熱交換装置を使用するなど、暴走反応を抑えるために非常に高性能の冷却装置が使用されている。
【0012】
このように従来の塊状重合方法では、使用する重合開始剤を選択するという技術的思想はなく、発生した熱を高性能の冷却装置を用いて反応系外に搬送して暴走反応を抑制するという方法が採用されていた。従って、こうした方法では、冷却装置が非常に高価になるという問題がある。また、反応が均一に進行しにくい工業的規模のアクリル系重合体の製造においては、相当高性能の冷却装置を使用したとしても、反応タンク全体を均一に冷却することは非常に難しく、反応装置内の一部で反応が暴走すれば、その暴走反応は、反応系全体に波及する虞があり、実験室レベルで安定に進行する反応においてもスケールアップにおける工業的な製造方法において、そのまま適応することはできない。
【0013】
【発明の目的】
本発明は、塊状重合方法において、反応を暴走させることなく安定に進行させることができる方法を提供することを目的としている。
特に本発明は、工業的規模でアクリル系重合体を製造する際に、反応を暴走させることなく安定に反応を進行させることができる方法に関する。
【0014】
【発明の概要】
本発明はアクリル系アルキルエステルを主成分とする重合性不飽和結合を有するモノマーを塊状重合させる方法であって、10時間半減期温度が41.0℃以下の重合開始剤を、
上記重合性不飽和結合を有するモノマー100重量部に対して、0.0001〜 . 重量部の範囲内の量で添加して、使用するモノマー 100 重量部に対して0.001〜10重量部の量の連鎖移動剤の存在下に、該重合性不飽和結合を有するモノマーの重合反応を開始させ、反応開始後は、該重合開始剤が消費されることによる該反応系の自己発熱を利用して反応物の最高温度を100〜140℃の範囲内の温度に到達させた後、該重合性不飽和結合するモノマーを新たに添加する冷却操作により、該反応物の温度を100℃未満に急冷して、該重合に使用した重合性不飽和結合を有するモノマーの15〜50重量%を重合させる方法である。
【0015】
また、本発明はアクリル系アルキルエステルを主成分とする重合性不飽和結合を有するモノマーを塊状重合させる方法であって、10時間半減期温度が41.0℃以下の重合開始剤を、上記重合性不飽和結合を有するモノマー100重量部に対して、0.0001〜 . 重量部の範囲内の量で添加して、使用するモノマー 100 重量部に対して0.001〜10重量部の量の連鎖移動剤の存在下に、該重合性不飽和結合を有するモノマーの重合反応を開始させ、反応開始後は、該重合開始剤が消費されることによる該反応系の自己発熱を利用して反応物の最高温度を100〜140℃の範囲内の温度に到達させた後、該重合性不飽和結合するモノマーを添加する冷却操作により、該反応物の温度を100℃未満に急冷して、該重合に使用した重合性不飽和結合を有するモノマーの15〜50重量%を重合させる方法である。
【0016】
さらに、本発明では、上記重合開始剤が消費されて反応系の温度が100℃よりも低くなった後、さらに10時間半減期温度が41.0℃以下の重合開始剤を、反応系に残存する重合性不飽和結合を有するモノマー100重量部に対して、0.0001〜0.5重量部の範囲内の量で添加して反応液を再び調製し、重合反応を再び開始させ、反応開始後は、該重合開始剤が消費されることによる該反応系の自己発熱を利用して反応系の最高温度を100〜140℃の範囲内の温度に到達させ、該重合体および重合性不飽和結合を有するモノマーとを合わせた総重量の15〜50重量%をさらに重合させる操作を少なくとも1回行うことが好ましい。
【0017】
このように10時間半減期温度の低い重合開始剤を少量使用することにより、きわめて短時間で重合開始剤が消費されることから、本発明の塊状重合反応は暴走することなく進行する。
そして、このような反応を繰り返すことにより、最終的に重合率を95.0%以上にすることができる。
【0018】
【発明の具体的説明】
次に本発明の塊状重合方法について具体的に説明する。
本発明の方法ではモノマーとして重合性不飽和結合を有するモノマーを使用する。この重合性不飽和結合を有するモノマーはアクリル系アルキルエステルを主成分とするものであり、このような重合性不飽和結合を有するモノマーの例としては、以下に示す化合物を挙げることができる。
【0019】
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシルのようなアクリル酸アルキルエステル;
アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジルのようなアクリル酸アリールエステル;
アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸プロポキシエチル、アクリル酸 ブトキシエチル、アクリル酸エトキシプロピルのようなアクリル酸アルコキシアルキル;
アクリル酸およびアクリル酸アルカリ金属塩などの塩;
エチレングリコールのジアクリル酸エステル、ジエチレングリコールのジアクリル酸エステル、トリエチレングリコールのジアクリル酸エステル、ポリエチレングリコールのジアクリル酸エステル、プロピレングリコールのジアクリル酸エスエル、ジプロピレングリコールのジアクリル酸エステル、トリプロピレングリコールのジアクリル酸エステルのような(ポリ)アルキレングリコールのジアクリル酸エステル;
トリメチロールプロパントリアクリル酸エステルのような多価アクリル酸エステル;
アクリロニトリル;
アクリル酸シクロヘキシルのような脂環式アルコールのアクリル酸エステル;
2-ビニル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-2-オキサゾリンのようなオキサゾリン基含有重合性化合物;
アクリロイルアジリジン、アクリル酸 -2- アジリジニルエチルのようなアジリジン基含有重合性化合物;
アリルグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジルエーテルアクリル酸グリシジルエーテル、アクリル酸-2-エチルグリシジルエーテルのようなエポキシ基含有ビニル単量体;
アクリル酸-2-ヒドロキシエチルアクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸またはメタクリル酸とポリプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールとのモノエステルのようなヒドロキシル基含有ビニル化合物;
フッ素置換メタクリル酸アルキルエステル、フッ素置換アクリル酸アルキルエステル等の含フッ素ビニル単量体;
アクリル酸を除く、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸のような不飽和カルボン酸、これらの塩並びにこれらの(部分)エステル化合物および酸無水物;
2-クロルエチルビニルエーテル、モノクロロ酢酸ビニルのような反応性ハロゲン含有ビニル単 量体;
ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルアリルアミン、2-メトキシエトキシトリメトキシシランのような有機ケイ素基含有ビニル化合物単量体;
その他、ビニル基を重合したモノマー末端にラジカル重合性ビニル基を有するマクロモノマー類等(例えば、フッ素系モノマー、シリコン含有モノマー、マクロモノマー、スチレン、シリコーン等)を例示することができる。
【0020】
これらの重合性不飽和化合物は、単独であるいは組み合わせて使用することができる。これらの重合性不飽和結合を有するモノマーは、反応条件において、液体であっても固体であってもよく、また気体であってもよいが、操作の簡便さから反応の際に液体であるモノマーを用いることが好ましい。
上記のような化合物の中でも特に反応速度が高く、塊状重合しにくいモノマーであっても本発明の方法を採用することにより、安定に塊状重合を行うことができる。例えば、2-エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸との混合物のように反応速度の高いモノマーの組み合わせにおいても本発明の方法は有効に利用することができる。なお、本発明の塊状重合法において使用される重合性不飽和結合を有するモノマー中におけるアクリル系アルキルエステルの含有量に特に制限はないが、本発明の方法では、全モノマー中(100重量部中)に0.1〜100重量部、好適には1〜100重量部の範囲内の量でアクリル系アルキルエステルを含有するモノマーを塊状重合するのに特に適している。
【0021】
本発明の方法では、上記の不飽和結合を有するモノマーは、実質的に反応溶媒を使用せずに反応させる。
本発明の方法では、上記不飽和結合を有するモノマーを、特定の重合開始剤を使用して重合させる。
本発明では、重合開始剤として、10時間半減期温度が41.0℃以下、好ましくは20〜37.0℃の範囲内にある重合開始剤を使用する。
【0022】
このような重合開始剤の例としては、
イソブチリルパーオキサイド(10時間半減期温度:32.7℃)、
α,α'-ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(10時間半減期温度:35.9℃)、
クミルパーオキシネオデカノエート(10時間半減期温度:36.5℃)、
ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート(10時間半減期温度:40.3℃)、
ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(10時間半減期温度:40.5℃)、
ジ-sec-ブチルパーオキシジカーボネート(10時間半減期温度:40.5℃)、
1,1,3,3,-テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート(10時間半減期温度:40.7℃)、
ビス(4-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(10時間半減期温度:40.8℃)
および
2,2'-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(10時間半減期温度:30.0℃)を挙げることができる。
【0023】
これらの重合開始剤単独であるいは組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、
イソブチリルパーオキサイド(10時間半減期温度:32.7℃)、
α,α'-ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(10時間半減期温度:35.9℃)、
クミルパーオキシネオデカノエート(10時間半減期温度:36.5℃)、
2,2'-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(10時間半減期温度:30.0℃)を使用することが好ましく、さらに、2,2'-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(10時間半減期温度:30.0℃)を使用することが特に好ましい。
【0024】
上記重合開始剤は熱重合開始剤であって、しかもその10時間半減期温度が著しく低い。例えば、従来から一般に使用されている重合開始剤であるtert-ブチルパーオキシイソプチレートの10時間半減期温度は72.1℃であり、ベンゾイルパーオキサイドの10時間半減期温度は74℃であり、2,2'-アゾビスイソブチロニトリルの10時間半減期温度は66℃である。このような10時間半減期温度の高い熱重合開始剤を使用すると、塊状重合反応においては、反応開始直後から反応が急速に進行し、反応の制御が非常に難しくなる
本発明では上記のような10時間半減期温度の高い熱重合開始剤を使用するのではなく、10時間半減期温度が著しく低い熱重合開始剤を少量使用して重合反応を進行させる。
【0025】
即ち、本発明では、このような重合開始剤を重合性不飽和結合を有するモノマー100重量部に対して、0 . 0005〜0 . 1重量部の範囲内、さらに好ましくは0.001〜0.05重量部の範囲内の量で使用する。本発明におけるこのような重合開始剤の使用量は、通常の塊状重合などにおける反応開始剤の使用量と比較して非常に少量であり、この重合開始剤によって反応するモノマーの量は少量であり、その重合発熱量は、反応系から放出される熱量を下回る。従って、例えば最初に反応系を加熱して反応を開始させた後はこの反応系に外部から熱を加える操作は通常は行わない。反応が開始されればこの反応系では上記重合開始剤が消費されることによって発熱するが、本発明では重合開始剤の使用量が少ないため、その発熱 量は少なく反応が暴走するほど反応系の温度が急激に上昇することはなく、また10時間半減期温度が低い重合開始剤を使用することから非常に短時間で重合開始剤が消費され、急峻に反応物の温度が上昇して重合開始剤がすべて消費されてしまえば、それ以上反応物の温度は上昇しない。なお、重合開始剤の量が上記下限値を大きく逸脱すると、原料であるモノマーが貯蔵中などに反応が進行しないように通常配合されている重合禁止剤によって、重合開始剤が消費され、有効に重合反応が進行しない。
【0026】
そして、反応開始後は、該重合開始剤が消費されることによる該反応系の自己発熱を利用して反応物の最高温度を100〜140℃の範囲内、好ましくは100〜130℃の範囲内の温度に到達させ、この温度範囲の上限を超えないようにする。通常は、重合反応を開始するために加熱した後、加熱あるいは加温操作を停止し重合反応が進行することに伴う自己発熱を利用して反応系の温度を100〜140℃の範囲、好ましくは100℃以上130℃未満の範囲内に到達させる。なお、本発明の方法では、反応が進行し始めた後は、特に加熱あるいは冷却をする必要はないが、反応系の最高温度を上記範囲内にするように、加熱あるいは冷却することを排除するものではない。
【0027】
反応系の温度が140℃を超えると、熱重合による反応の暴走が始まり、この熱暴走反応を制御することが困難になる。また、最高温度が100℃に満たないと、この塊状重合反応により好ましい重合率まで重合を進行させることができず、反応系に開始剤が残留し反応物の貯蔵中に重合が進行してしまう等の問題がある。反応のスケールが大きくなった場合、特に反応原料が1000kgを超えるような工場レベルでの製造において、反応系の温度が例えば150℃に近くなると、通常の冷却装置を用いたのでは、反応の暴走を止めることはほとんど困難であり、多量の重合禁止剤を投入するなどの方法によらなければ暴走反応を停止することが難しくなり、さらに反応温度が180℃を超えればこの暴走反応は停止できない。即ち、従来使用されているような10時間半減期温度の高い重合開始剤を使用すると、100〜140℃の温度では開始剤が完全に消費されず、反応系の温度は上昇し、この反応系の温度上昇によって新たに熱重合が進行し、さらに反応系の温度が上昇してついには反応を制御することが不可能になってしまう。塊状重合における反応の暴走である。
【0028】
本発明では、41.0℃以下という10時間半減期温度の低い重合開始剤を少量使用することによって引き起こされる重合反応によって生ずる反応熱を主として利用して反応系の温度を100〜140℃の範囲内に急速に上昇させ、短時間で重合開始剤を消費させて、反応最高温度を反応制御可能な140℃以下に抑制している。
【0029】
そして、本発明では、このような反応の最高到達温度を100〜140℃の範囲内に保持する時間は短いことが好ましく、本発明の方法では、反応の最高到達温度を上記範囲内に通常は30秒〜2分間維持する。最高到達温度が上記温度範囲に維持される時間が上記下限を大きく下回って短いと重合反応が有効に進行しないことがあり、また上記上限を大きく上回って長いと、好ましくない熱重合物が生ずることがある。
【0030】
このようにして上記選択された重合開始剤を少量する1回の重合反応で、原料として使用したモノマーの15〜50重量%が重合した部分重合物を得ることができる。
そして、新たな重合開始剤を加えてこの工程を繰り返すことにより、各段階において、重合体と重合性不飽和結合を有するモノマーとをあわせた量の15〜50重量%が反応し、こうした操作を繰り返すことにより、最終的には使用モノマーの少なくとも95.0%を重合させることが可能であり、本発明の方法によれば、使用したモノマーをほぼ全部を重合させることが可能になる。しかも、各工程における反応は、穏和な条件下で進行するために、暴走した塊状重合の生成物のように、短い鎖のポリマーが多数発生するといったことはなく、分子量の揃った均一なポリマーを製造することができる。
【0031】
本発明の方法では、重合開始剤を配合したときに重合反応が進行しうる温度にモノマーを加熱あるいは加温し、このモノマー中に上記所定の反応開始剤を上記規定する量添加して重合反応を進行させる。重合開始剤を添加する際のモノマーの温度は通常は20〜80℃、好ましくは35〜70℃、特に好ましくは40〜65℃の範囲内にある。こうして加熱あるいは加温したモノマーに重合開始剤を、通常は攪拌下に加える。
【0032】
上記例は、モノマーを加熱して重合開始剤を添加する例であるが、このモノマーと重合開始剤との混合及び加熱は、任意の順序で行うことができる。例えば、モノマーと重合開始剤とを混合した後、反応が開始される温度に加熱することもできるし、また、上記のようにモノマーを反応が開始される温度に加熱した後重合開始剤を添加混合することもできる。
【0033】
本発明の方法において重合反応を有効に開始させるのに必要なモノマーの加熱温度は、通常は20〜80℃、好ましくは35〜70℃、特に好ましくは40〜65℃である。このような温度に加熱することにより重合開始剤が有効に作用しはじめ本発明の方法の重合反応が有効に進行し始める。
こうして一旦重合反応が開始した後は、重合開始剤が連鎖的に分解して反応が進行して反応系の温度は一気に100〜140℃の範囲内になるので、通常の場合、反応開始後は加熱あるいは加温する必要はなく、また、本発明で規定する重合開始剤を本発明の規定に従って使用する限り、その最高温度は140℃を超えることはないので特に冷却を必要とはしない。しかしながら、本発明はこうした段階における反応系の温度を調整するための加熱操作、加温操作あるいは冷却操作などの温度調整操作を排除するものではない。
【0034】
こうして重合反応が開始し、こうして反応が開始すると自己発熱により、反応系の温度は急峻に上昇する。そして、その最高到達温度が100〜140℃になると、添加した重合開始剤はほぼ完全に消費されることから反応の進行に伴う発熱量は低下し、反応系からの放熱量の方が大きくなる。従って、それ以上反応系の温度は上昇せず、そのまま放置すると反応系の温度は100℃よりも低くなる。本発明では最高温度まで達した反応物を放置して冷却することもできるが、本発明ではできるだけ短時間で反応系の温度を100℃よりも低くすることが好ましく、このために、反応系の温度が一旦最高温度にまで達した後は、反応装置に設けられた冷却装置を使用することもできるし、あるいは、加熱されていないモノマーを反応系に添加して(モノマーシンニング)反応系の温度を短時間で100℃よりも低くする方法を採用することもできるし、両者を組み合わせるなど、公知の冷却操作あるいは手段により反応系に温度を100℃以下にすることもできる。モノマーシンニングには、その反応系に含有されているモノマーを使用することが好ましく、この場合に使用されるモノマーの量は、最初に仕込んだモノマー100重量部に対して、通常は10〜50重量部、好ましくは20〜30重量部である。
【0035】
このように反応させることにより、仕込みモノマーの15〜50重量%が重合した部分重合シロップが得られる。このようにして得られる部分重合シロップは、通常1〜500ポイズの粘稠な液体(23℃、B型粘度計を用いて測定)として得られる。
本発明の方法では、上記のようにして得られた部分重合シロップを100℃未満の温度に冷却した後、上述の10時間半減期温度が41.0℃以下の重合開始剤を本発明で規定するように少量添加して混合し、再び加熱して重合を再開させる操作を行うことができる。この操作を繰り返すことにより、部分重合シロップの重合率は次第に高くなり、最終的には本発明の方法により95.0重量%以上ののモノマーを重合させることができる。
【0036】
こうして多段で重合することにより、得られる部分重合シロップ(部分重合物、あるいは最終的には重合体)は、上記工程を繰り返すごとにその粘度は高くなり、例えば上記操作を一回行うことにより、その粘度は、その操作を行う前の原料の粘度に対して、通常は約5倍〜10倍程度になり、反応物中の残留モノマーの含有率は低下する。
【0037】
本発明の重合方法では、上記のように重合性不飽和結合を有するモノマーと特定の重合開始剤を特定量使用するものであるが、本発明ではさらにノルマルドデシルメルカプタン、ブチルメルカプタン、3-メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、チオグリコール酸エステルのような連鎖移動剤を併用することが好ましい。このような連鎖移動剤は、使用するモノマー100重量部に対して、通常は、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部の範囲内の量で使用される。
【0038】
なお、本発明の方法では、重合反応は攪拌下に行うことが好ましく、また、反応は、窒素ガスなどの不活性雰囲気下で行うことが好ましい。さらに、使用原料中に溶存する酸素は、反応の進行を妨げることがあるので、本発明の方法に先立って、使用原料中の溶存酸素を除去してから使用することが好ましい。
本発明の方法によれば、10時間半減期温度の低い特定の重合開始剤を少量使用して、主として重合熱を利用して反応物の最高温度を100〜140℃、好ましくは100℃以上130℃未満の範囲内に制御しているので、塊状重合においても反応が暴走することなく、穏和な条件で反応を行うことができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明の方法は、重合性不飽和結合を有するモノマーを塊状重合させる方法であって、10時間半減期温度が非常に低い重合開始剤を少量使用して、この重合開始剤による重合反応を開始した後は、この発熱反応の進行に伴う反応熱を主として利用して反応系の最高温度を100〜140℃に一気に到達させて、添加した重合開始剤を消費し、使用したモノマーの15〜50重量%を重合させる方法である。このように本発明の方法は、種々の重合開始剤の中から特定の10時間半減期温度の重合開始剤を選択して重合を行うことにより、従来の装置をそのまま使用して、しかも、通常の場合、冷却および加熱操作を行うことなく、暴走させることなく塊状重合を行うことができる。
【0040】
【実施例】
次に本発明を実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0041】
【実施例1】
攪拌機と温度計と窒素ガス導入管および冷却管を備えた容量0.2リットルの四つ口フラスコに2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)92g、アクリル酸(AA)8g、ノルマルドデシルメルカプタン0.06gを投入して、窒素気流中で50℃になるまで昇温し加熱を停止した。
【0042】
次いで、重合開始剤として2,2'-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(10時間半減期温度30℃/トルエン中)0.0025gを攪拌下に投入して均一に混合した。
重合開始剤添加した後、攪拌を続けることにより、3分後に重合熱による温度上昇が見られたが、フラスコを冷却せずに発熱するままにして反応させることにより、反応系の温度が118℃に達した。さらに攪拌を続けることにより、反応系に添加した重合開始剤は消費されこれ以上の反応系の温度上昇は見られず、反応の暴走は見られなかった。この反応物について、重合開始剤を分析したところ、添加した重合開始剤の全量が失活したことが確認された。
【0043】
冷却剤として、25℃の2-EHAを23gおよび25℃のAAを2g添加すると共に、外部冷却器を用いて反応系の温度を100℃以下まで急冷して引き続き外部冷却を続けて部分重合シロップを得た。この得られた部分重合シロップは、ポリマー分が28%であり、粘度が50ポイズの粘稠な樹脂液であった。
【0044】
【比較例1】
実施例1において、重合開始剤の使用量を0.00005gに変えた以外は同様にして重合反応を行おうとしたが、30分経過しても反応液は発熱せず、重合反応は進行しなかった。
【0045】
【比較例2】
実施例1において、重合開始剤の使用量を2gに変えた以外は同様にして重合反応を行ったところ、フラスコ内の反応物の温度が一気に154℃まで達し、さらに徐々に温度が上昇し続けていた。反応物の温度が180℃に達した時点で、これ以上の反応の継続は、反応制御不能に陥ると判断して反応禁止剤を投入して、反応を強制的に中止した。
【0046】
【比較例3】
実施例1において、重合開始剤として10時間半減期温度が30℃である2,2'-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)の代わりに、10時間半減期温度が66℃である2,2'-アゾビスイソブチロントリルを使用した以外は同様にして重合反応を行ったところ、フラスコ内の反応物の温度が一気に158℃まで達し、さらに徐々に温度が上昇し続けていた。反応物の温度が180℃に達した時点で、これ以上の反応の継続は、反応制御不能に陥ると判断して反応禁止剤を投入して、反応を強制的に中止した。
【0047】
【比較例4】
実施例1において、重合開始剤として10時間半減期温度が30℃である2,2'-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)の代わりに、10時間半減期温度が74℃であるベンゾイルパーオキサイドを使用した以外は同様にして重合反応を行ったところ、フラスコ内の反応物の温度が一気に166℃まで達し、さらに徐々に温度が上昇し続けていた。反応物の温度が180℃に達した時点で、これ以上の反応の継続は、反応制御不能に陥ると判断して反応禁止剤を投入して、反応を強制的に中止した。
【0048】
【比較例5】
実施例1において、25℃の2-EHAおよび25℃のAAを使用しなかった以外は同様にして重合を行ったが、反応物の温度を100℃未満に冷却するのに20分間を要し、この間に熱重合反応が進行して反応物の粘度が高くなった。
得られた部分重合物はポリマー分30%、粘度74ポイズの粘稠な樹脂液であった。
【0049】
【実施例2】
実施例1で得られた部分重合シロップを、窒素気流中で、外部冷却装置およびモノマーシンニングにより50℃まで冷却した後、2,2'-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)0.005gを投入して均一に混合した。
重合開始剤添加した後、攪拌を続けることにより、3分後に重合熱による温度上昇が見られたが、フラスコを冷却せずに発熱するままにして反応させることにより、反応系の温度が117℃に達した。さらに攪拌を続けることにより、反応系に添加した重合開始剤は消費されこれ以上の反応系の温度上昇は見られず、反応の暴走は見られなかった。この反応物について、重合開始剤を分析したところ、添加した重合開始剤の全量が失活したことが確認された。
【0050】
冷却剤として、25℃の2-EHAを23gおよび25℃のAAを2g添加すると共に、外部冷却器を用いて反応系の温度を100℃以下まで冷却して引き続き外部冷却を続けて部分重合シロップを得た。
この得られた部分重合シロップは、ポリマー分が50%であり、粘度が310ポイズの粘稠な樹脂液であった。

Claims (12)

  1. アクリル系アルキルエステルを主成分とする重合性不飽和結合を有するモノマーを塊状重合させる方法であって、
    10時間半減期温度が41.0℃以下の重合開始剤を、上記重合性不飽和結合を有するモノマー100重量部に対して、0.0001〜 . 重量部の範囲内の量で添加して、使用するモノマー 100 重量部に対して0.001〜10重量部の量の連鎖移動剤の存在下に、
    重合性不飽和結合を有するモノマーの重合反応を開始させ、反応開始後は、該重合開始剤が消費されることによる該反応系の自己発熱を利用して反応物の最高温度を100〜140℃の範囲内の温度に到達させて、該使用した重合性不飽和結合を有するモノマーの15〜50重量%を重合させる方法。
  2. アクリル系アルキルエステルを主成分とする重合性不飽和結合を有するモノマーを塊状重合させる方法であって、
    10時間半減期温度が41.0℃以下の重合開始剤を、上記重合性不飽和結合を有するモノマー100重量部に対して、0.0001〜 . 重量部の範囲内の量で添加して、使用するモノマー 100 重量部に対して0.001〜10重量部の量の連鎖移動剤の存在下に、
    該重合性不飽和結合を有するモノマーの重合反応を開始させ、反応開始後は、該重合開始剤が消費されることによる該反応系の自己発熱を利用して反応物の最高温度を100〜140℃の範囲内の温度に到達させた後、該重合性不飽和結合するモノマーを新たに添加する冷却操作により、該反応物の温度を100℃未満に急冷して、該重合に使用した重合性不飽和結合を有するモノマーの15〜50重量%を重合させる方法。
  3. 上記重合性不飽和結合を有するモノマーを20〜80℃の温度に加熱または加温し、該加熱された重合性不飽和結合を有するモノマーに、上記重合開始剤を添加した後は、加熱操作または加温操作を停止し、該重合開始剤が消費されることによる該反応系の自己発熱を利用して反応物の最高温度を100〜140℃に到達させることを特徴とする請求項第1項または第2項記載の方法。
  4. 上記10時間半減期温度が41.0℃以下の重合開始剤が、イソブチリルパーオキサイド、α,α'-ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-sec-ブチルパーオ キシジカーボネート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ビス(4-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートおよび2,2'-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)よりなる群から選ばれる少なくとも一種類の重合開始剤であることを特徴とする請求項第1項または第2項記載の方法。
  5. 重合開始剤が、10時間半減期温度が20〜41.0℃の範囲内にあることを特徴とする請求項第1項または第2項記載の方法。
  6. 上記重合反応が開始した後は、反応系を系外から加熱および冷却することなく、重合開始剤が消費されることによる反応熱によって反応系の温度を100℃以上140℃未満の範囲内の温度に到達させることを特徴とする請求項第1項または第2項記載の方法。
  7. 上記重合開始剤が消費されて反応系の温度を100℃よりも低くした後、さらに10時間半減期温度が41.0℃以下の重合開始剤を、反応系に残存する重合性不飽和結合を有するモノマー100重量部に対して、0.0001〜0.5重量部の範囲内の量で添加して反応液を再び調製し、重合反応を再び開始させ、反応開始後は、該重合開始剤が消費されることによる該反応系の自己発熱を利用して反応系の最高温度を100〜140℃の範囲内の温度に到達させ、該重合体と重合性不飽和結合を有するモノマーとを合わせた総重量の15〜50重量%をさらに重合させる操作を少なくとも1回行うことを特徴とする請求項第1項または第2項記載の方法。
  8. 上記自己発熱による反応系の温度を100以上140℃未満範囲内に保持することを特徴とする請求項第1項、第2項または第7項記載の方法。
  9. 上記重合開始剤の10時間半減期温度が20〜37.0℃の範囲内にあることを特徴とする請求項第1項、第2項または第7項記載の方法。
  10. 反応液が100〜140℃の範囲内で最高温度に達した後、該反応液に加熱されていないモノマーを添加して反応液の温度を100℃以下に急冷することを特徴とする請求項第1項、第2項または第7項記載の方法。
  11. 上記操作を繰り返して、使用した重合性不飽和結合を有するモノマーの95.0重量%以上を重合させることを特徴とする請求項第7項記載の方法。
  12. 上記重合性不飽和結合を有するモノマーが、
    アクリル酸アルキルエステル、
    アクリル酸アリールエステル、
    アクリル酸アルコキシアルキル、
    アクリル酸およびアクリル酸アルカリ金属塩、
    (ポリ)アルキレングリコールのジアクリル酸エステル、
    多価アクリル酸エステル、
    アクリロニトリル、
    脂環式アルコールのアクリル酸エステル、
    オキサゾリン基含有重合性化合物、
    アジリジン基含有重合性化合物、
    エポキシ基含有ビニル単量体、
    ヒドロキシル基含有ビニル化合物、
    含フッ素ビニル単量体、
    アクリル酸を除く不飽和カルボン酸、これらの塩並びにこれらの(部分)エステル化合物および酸無水物、
    反応性ハロゲン含有ビニル単量体、
    有機ケイ素基含有ビニル化合物単量体、
    上記以外のビニル基を重合したモノマー末端にラジカル重合性ビニル基を有するマクロモノマー類であり、
    該重合性不飽和結合を有するモノマーを、全モノマー(100重量部)中に0.1〜100重量部の範囲内の量で用いることを特徴とする請求項第 1 項、第 2 項または第 7 項記載の方法。
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