JP4264584B2 - 搬送波同期回路および搬送波同期方法 - Google Patents

搬送波同期回路および搬送波同期方法 Download PDF

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Description

本発明は、搬送波同期回路および搬送波同期方法に関し、特に、局部発振器の周波数ドリフトが大きい場合、及び、周波数同期部の周波数検出精度があまり高くない場合においても、伝送品質を劣化させることなく、高速かつ安定的に搬送波との同期を確立する搬送波同期回路および搬送波同期方法に関する。
近年、携帯電話機のための通信や衛星波または地上波のデジタル放送、無線LAN(Local Area Network)通信といった無線デジタル伝送技術の発展がめざましい。無線デジタル信号伝送システムにおいては、高い伝送品質を実現するため、搬送波に対する安定した同期確立、及び、同期捕捉が極めて重要となる。
同期確立のためには、受信機の局部発振周波数(局部発振器の周波数)と搬送波周波数の周波数差、すなわち局部発振器の周波数誤差Δf、及び、伝送路及び送受信機のRF (Radio Frequency)回路等によって生じた位相偏移θを精度良く検出し、それらをそれぞれ相殺するように受信信号の周波数及び位相を制御することが必要となる。
搬送波同期手法の代表例としてPLL(Phase-Locked Loop)が用いられることが多いが、PLLで同期できる周波数誤差のレンジ(キャプチャレンジ)はあまり大きくないため、キャプチャレンジより周波数誤差が大きくなる場合には、よりキャプチャレンジの大きい他の搬送波同期手法を適用することが必要となる。
但し、一般的にキャプチャレンジを広くとると、周波数誤差の検出精度が粗くなるというトレードオフの関係が成り立つため、キャプチャレンジの大きい同期手法により、まず一定範囲の周波数誤差まで周波数を粗く引き込んだ後(すなわち、周波数同期をとった後)、PLLのような精度の高い同期手法により位相成分も含めた最終的な搬送波同期(位相同期)を図るという手法がよく用いられる(例えば、特許文献1,2参照)。
図1は、従来の搬送波同期回路の一例を示すブロック図である。
搬送波同期回路1は、周波数同期部2、ローパスフィルタ(LPF)3、および位相同期部4により構成されている。この搬送波同期回路1では、入力された受信信号が周波数同期部2において所定の範囲の周波数まで引き込まれた後、ローパスフィルタ3において、高周波成分を除去することにより、変調帯域外における熱雑音及び隣接チャネル等の干渉が抑圧され、位相同期部4において、PLL等による高精度な位相引き込みが行われることにより、搬送波同期が確立される。
周波数同期部2と位相同期部4について、より詳細に説明する。
周波数同期部2は、周波数誤差検出器(FD)11、数値制御発振器(NCO)12、および乗算器13により構成される。
周波数誤差検出器11には、ローパスフィルタ3からフィルタ処理後の信号が入力される。周波数誤差検出器11は、フィルタ処理後の信号から周波数誤差Δfを検出し、数値制御発振器12に出力する。ここで、周波数誤差検出器11における周波数誤差Δfの検出手法としては、例えば、非特許文献1に記載の手法等を採用することができる。数値制御発振器12は、周波数誤差検出器11からの周波数誤差Δfを周期とする位相回転子e j2πΔft (の信号)を生成し、乗算器13に出力する。
乗算器13は、周波数同期部2に入力される受信信号に対して、数値制御発振器12から出力される位相回転子e j2πΔftの複素共役(の信号)を乗算する。
従って、周波数同期部2では、周波数同期処理後の受信信号をフィルタ処理して得られる信号の周波数誤差Δfが検出され、その周波数誤差Δfを周期とする位相回転子e j2πΔftが生成される。そして、生成された位相回転子e j2πΔftの複素共役を受信信号と乗算することにより、周波数誤差Δfに起因する受信信号の位相回転が相殺される。
位相同期部4は、位相誤差検出器(PD)21、ループフィルタ22、数値制御発振器(NCO)23、および乗算器24により構成される。
位相誤差検出器21は、乗算器24が出力する信号の位相誤差を検出し、ループフィルタ22に出力する。ここで、周波数同期部2における周波数同期処理後に残留する周波数誤差をΔf'、伝送路及び送受信機のRF回路等で生じた位相偏移をθとすると、位相誤差検出器21で検出される位相誤差は(2πΔf't+θ)と表すことができる。
ループフィルタ22は、IIR(Infinite Impulse Response)型のループフィルタであり、位相誤差検出器21が出力する位相誤差(2πΔf't+θ)を平均化して、数値制御発振器23に出力する。
より具体的には、ループフィルタ22は、乗算器31および32、積分器33、遅延素子34、並びに加算器35により構成され、最初に、位相誤差検出器21から出力された位相誤差(2πΔf't+θ)(の信号)が、乗算器31または32でそれぞれg1倍またはg2倍される。即ち、乗算器31または32のそれぞれは、入力信号に対して係数g1またはg2の重みをそれぞれ付加する重み付け乗算器である。
積分器33は、乗算器32の出力である、g2倍された位相誤差(2πΔf't+θ)と、遅延素子34の出力である、1シンボル周期前の積分器33の出力とを加算し、遅延素子34および加算器35に出力する。遅延素子34は、積分器33からの出力を1シンボル周期だけ遅延(保持)し、積分器33に出力する。加算器35は、乗算器31の出力と、積分器33の出力を加算して、数値制御発振器23に出力する。
数値制御発振器23は、ループフィルタ22が出力する位相誤差(2πΔf't+θ)に相当する位相量の位相回転子e j(2πΔf ' t+θ)を生成し、乗算器24に出力する。乗算器24は、ローパスフィルタ3が出力するフィルタ処理後の受信信号に対して、数値制御発振器23から出力される位相回転子e j(2πΔf ' t+θ)の複素共役(の信号)を乗算する。
従って、位相同期部4では、周波数同期処理後の受信信号をフィルタ処理して得られる信号の位相誤差(2πΔf't+θ)が検出され、平均化される。そして、平均化後の位相誤差(2πΔf't+θ)の複素共役(の信号)を、ローパスフィルタ3から出力される受信信号と乗算することにより、受信信号に含まれる位相誤差(2πΔf ' t+θ)が相殺される。
以上のような、周波数同期部と位相同期部とを独立に備えた搬送波同期回路を用いることにより、比較的大きな周波数誤差が存在する場合であっても、確実かつ高精度に、搬送波同期を確立することが可能である。
特開平10−126455号公報 特開2002−111768号公報 U.Mengali and A.N.D'Andrea, Synchronization Techniques for Digital Receivers, Plenum Pub Corp出版, 1997/11, "Chapter3"
しかしながら、受信機(あるいはRF回路部分)が屋外に設置されるなどして、局部発振器が広い範囲の温度変化にさらされる場合、発振器の温度依存特性により、局部発振器が出力する信号の発振周波数も広い範囲をドリフトすることになる。この場合、温度変化の速度はあまり速くないため、PLLの同期補足能力により周波数ドリフトへの追従は十分可能であるものの、位相同期部の周波数補償はLPFによる帯域制限後であるがゆえに、周波数ドリフトによる帯域制限後の信号ロスは避けられない。従って、ドリフト範囲が変調帯域に比べて無視できない帯域に達すると、上記信号ロスによる伝送品質の劣化が顕著になるという問題があった。
また、前段の周波数同期部の周波数検出精度が変調帯域に比べてあまり高くない場合、後段の位相同期部でどれだけ高精度に残留周波数誤差を引き込めたとしても、やはり、中段の帯域制限による信号ロスを補償できないために、BER(Bit Error Rate)特性の劣化が避けられないという問題があった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、局部発振器の周波数ドリフトが大きい場合、及び、周波数同期部の周波数検出精度があまり高くない場合においても、伝送品質を劣化させることなく、高速かつ安定的に搬送波との同期を確立することができるようにするものである。
本発明の一側面の搬送波同期回路は、周波数同期手段と位相同期手段を少なくとも備える搬送波同期回路において、前記位相同期手段は、前記周波数同期手段による周波数同期処理後の残留周波数誤差を検出して、前記周波数同期手段に供給する残留周波数誤差検出手段を備え、前記周波数同期手段は、第1のタイミング以降において、前記残留周波数誤差検出手段から供給される前記残留周波数誤差に対する周波数引き込みを行う。
前記位相同期手段には、前記残留周波数誤差検出手段で検出された前記残留周波数誤差に基づいて、位相引き込みの収束状態を判定する収束状態判定手段をさらに設け、前記周波数同期手段には、前記収束状態判定手段の判定結果を取得し、前記残留周波数誤差に対する周波数引き込みを行うか否かを制御する周波数引き込み制御手段と、前記残留周波数誤差検出手段から供給される前記残留周波数誤差に対して所定の重みを付加する重み付け手段とを設け、前記周波数引き込み制御手段には、前記残留周波数誤差が収束したことを表す前記判定結果が取得された前記第1のタイミング以降において、前記重み付け手段により重み付けされた前記残留周波数誤差に対する周波数引き込みを行わせることができる。
前記周波数引き込み制御手段には、前記残留周波数誤差検出手段が検出した前記残留周波数誤差も取得し、前記残留周波数誤差が収束したことを表す前記判定結果が取得され、かつ、前記残留周波数誤差検出手段が検出した前記残留周波数誤差が第1の閾値以上になったときから前記第1の閾値以下の第2の閾値以下になるまで、前記重み付け手段により重み付けされた前記残留周波数誤差に対する周波数引き込みを行わせることができる。
前記周波数同期手段には、前記第1のタイミングより前の第2のタイミングにおいて、前記残留周波数誤差検出手段から供給される前記残留周波数誤差に対する周波数引き込みをさらに行わせ、前記周波数引き込み制御手段には、前記第2のタイミングにおいて前記残留周波数誤差に対する周波数引き込みを行う場合、前記重み付け手段により重み付けされていない前記残留周波数誤差に対する周波数引き込みを行わせ、前記位相同期手段には、前記第2のタイミングに開始された周波数引き込みが完了するまでの間、位相誤差の初期化を行わせることができる。
本発明の一側面の搬送波同期方法は、周波数同期手段と位相同期手段を少なくとも備える搬送波同期回路の搬送波同期方法において、前記位相同期手段において、前記周波数同期手段による周波数同期後の残留周波数誤差を検出して前記周波数同期手段に供給し、前記周波数同期手段において、所定のタイミング以降において、前記位相同期手段から供給される前記残留周波数誤差に対する周波数引き込みを行うステップを含む。
本発明の一側面においては、位相同期手段において、周波数同期手段による周波数同期後の残留周波数誤差が検出され、周波数同期手段において、所定のタイミング以降において、位相同期手段から供給される残留周波数誤差に対する周波数引き込みが行われる。
本発明の一側面によれば、局部発振器の周波数ドリフトが大きい場合、及び、周波数同期部の周波数検出精度があまり高くない場合においても、伝送品質を劣化させることなく、高速かつ安定的に搬送波との同期を確立することができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書又は図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書又は図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書又は図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
本発明の一側面の搬送波同期回路は、周波数同期手段(例えば、図2の周波数同期部51)と位相同期手段(例えば、図2の位相同期部52)を少なくとも備える搬送波同期回路(例えば、図2の搬送波同期回路41)において、前記位相同期手段は、前記周波数同期手段による周波数同期処理後の残留周波数誤差を検出して、前記周波数同期手段に供給する残留周波数誤差検出手段(例えば、図2のループフィルタ81)を備え、前記周波数同期手段は、第1のタイミング以降において、前記残留周波数誤差検出手段から供給される前記残留周波数誤差に対する周波数引き込みを行う。
前記位相同期手段には、前記残留周波数誤差検出手段で検出された前記残留周波数誤差に基づいて、位相引き込みの収束状態を判定する収束状態判定手段(例えば、図2の収束判定回路82)をさらに設け、前記周波数同期手段には、前記収束状態判定手段の判定結果を取得し、前記残留周波数誤差に対する周波数引き込みを行うか否かを制御する周波数引き込み制御手段(例えば、図2の帰還制御回路62)と、前記残留周波数誤差検出手段から供給される前記残留周波数誤差に対して所定の重みを付加する重み付け手段(例えば、図2の重み付け積分回路61)とを設け、前記周波数引き込み制御手段には、前記残留周波数誤差が収束したことを表す前記判定結果が取得された前記第1のタイミング以降において、前記重み付け手段により重み付けされた前記残留周波数誤差に対する周波数引き込みを行わせることができる。
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図2は、本発明を適用した搬送波同期回路の第1の実施の形態の構成例を示している。
なお、図2において、図1を参照して説明した搬送波同期回路1と対応する部分については同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図2の搬送波同期回路41は、周波数同期部51、ローパスフィルタ(LPF)3、および位相同期部52により構成されている。
周波数同期部51は、周波数誤差検出器(FD)11、数値制御発振器(NCO)12、乗算器13、重み付け積分回路61、帰還制御回路62、セレクタ回路63、および加算器64により構成されている。従って、周波数同期部51は、図1の周波数同期部2と比較して、重み付け積分回路61、帰還制御回路62、セレクタ回路63、および加算器64が新たに設けられている点が相違する。なお、重み付け積分回路61は、乗算器71、積分器72、および遅延素子73を有する。
一方、位相同期部52は、位相誤差検出器(PD)21、数値制御発振器(NCO)23、乗算器24、ループフィルタ81、および収束判定回路82により構成されている。従って、位相同期部52は、図1の位相同期部4と比較して、ループフィルタ22の代わりにループフィルタ81が設けられている点、および収束判定回路82が新たに設けられている点が相違する。
周波数同期部51の重み付け積分回路61には、位相同期部52のループフィルタ81から、周波数同期部51における周波数引き込み後の残留周波数誤差Δf'が供給され、乗算器71に入力される。
乗算器71は、ループフィルタ81からの残留周波数誤差Δf'に対して、重み付け係数mを乗算し、積分器72に出力する。積分器72は、乗算器71の出力と、遅延素子73の出力である、1シンボル周期前の積分器72からの出力とを加算し、その加算結果としての残留周波数誤差Δf'の重み付け積分値Δfeをセレクタ回路63および遅延素子73に出力する。遅延素子73は、積分器72からの出力である重み付け積分値Δfeを1シンボル周期だけ遅延(保持)し、積分器72に出力する。
帰還制御回路62は、位相同期部52の収束判定回路82から供給される収束ステートに従って、“0”または“1”を制御フラグとしてセレクタ回路63に出力する。後述するように、収束判定回路82からは、残留周波数誤差Δf'の収束状態に応じて“0”,“1”,“2”、または“3”のいずれかが、収束ステートとして供給される。帰還制御回路62は、収束判定回路82から供給される収束ステートが“3”である場合に、制御フラグ“1”をセレクタ回路63に出力し、それ以外の収束ステートが収束判定回路82から供給されている場合には、制御フラグ“0”をセレクタ回路63に出力する。
セレクタ回路63は、帰還制御回路62から供給される制御フラグに応じて、“0”または重み付け積分値Δfeのいずれかを加算器64に出力する。より具体的には、セレクタ回路63は、帰還制御回路62から供給される制御フラグが“0”である場合には、“0”を加算器64に出力し、帰還制御回路62から供給される制御フラグが“1”である場合には、積分器72からの重み付け積分値Δfeを加算器64に出力する。
後述するように帰還制御回路62がセレクタ回路63に制御フラグ“1”を出力すると、周波数同期部51では、位相同期部52における残留周波数誤差Δf'の周波数引き込みを行うが、位相同期部52から供給される残留周波数誤差Δf'を一度に引き込もうとすると、位相同期部52のPLLが十分追従できず、伝送品質の劣化をもたらすため、重み付け積分回路61により、残留周波数誤差Δf'の引き込み速度を重み係数mにより律速させた(遅くさせた)重み付け積分値Δfeが加算器64に出力される。
加算器64は、セレクタ回路63の出力と、周波数誤差検出器11の出力とを加算して、数値制御発振器12に出力する。従って、セレクタ回路63から“0”が出力されている場合には、重み付け積分回路61は無効化されるので、そのときの周波数同期部51の構成は図1の周波数同期部2と同様となる。一方、セレクタ回路63から重み付け積分値Δfeが出力されている場合には、加算器64は、周波数誤差(Δf+Δfe)を数値制御発振器12に出力する。
位相同期部52のループフィルタ81は、図1のループフィルタ22と同様の構成とされるが、積分器33の出力結果である残留周波数誤差Δf'を、周波数同期部51の乗算器71と収束判定回路82に出力する点だけが異なる。
収束判定回路82は、残留周波数誤差Δf'の変動量を所定のT時間間隔で監視し、以下の基準に従って収束ステート“0”,“1”,“2”、または“3”のいずれかを生成し、帰還制御回路62に出力する。
a1 < Δf'(t+T)−Δf'(t) の場合 収束ステート=“0”
a2 < Δf'(t+T)−Δf'(t) ≦ a1 の場合 収束ステート=“1”
a3 < Δf'(t+T)−Δf'(t) ≦ a2 の場合 収束ステート=“2”
Δf'(t+T)−Δf'(t) ≦ a3 の場合 収束ステート=“3”
ここで、a1,a2,a3は、a3<a2<a1を満たす固定値である。
即ち、収束判定回路82は、所定の時刻tの残留周波数誤差Δf'(t)と、時刻tからT時間経過後の時刻(t+T)の残留周波数誤差Δf'(t+T)との差Δf'(t+T)−Δf'(t)が、所定値a1より大きい場合には収束ステート“0”を、所定値a2より大きく所定値a1以下である場合には収束ステート“1”を、所定値a3より大きく所定値a2以下である場合には収束ステート“2”を、所定値a3以下である場合には収束ステート“3”を、帰還制御回路62に出力する。
位相同期部52における位相引き込みの収束に伴い残留周波数誤差Δf'も収束してくるので、収束ステートは、時間の経過とともに、“0”,“1”,“2”,“3”と遷移する。
なお、収束判定回路82は、残留周波数誤差Δf'を監視せず、単純に位相引き込み開始後の経過時間に応じて、収束ステートを“0”,“1”,“2”,“3”として出力させるようにしてもよい。
次に、図2の搬送波同期回路41の動作について説明する。
周波数同期部51への受信信号の入力が開始され、周波数同期部51による周波数同期処理が開始された初期段階では、位相同期部52における位相引き込みが収束せず、収束判定回路82から帰還制御回路62に供給される収束ステートは、“3”以外の値となっているため、帰還制御回路62は、制御フラグ“0”をセレクタ回路63に供給し、重み付け積分回路61を無効化する。
従って、周波数同期部51は、実質的に、図1の周波数同期部2と同様の構成となり、乗算器13が、入力されてくる受信信号に対して、数値制御発振器12から出力される位相回転子e j2πΔftの複素共役の信号を乗算し、ローパスフィルタ3に出力する。なお、最初(のシンボル周期)に入力された受信信号については、乗算器13は、入力された受信信号をそのままローパスフィルタ3に出力する。ローパスフィルタ3は、乗算器13から供給される信号に、所定の周波数帯域(高周波成分)を除去するフィルタ処理を施し、処理後の信号を、周波数同期部51の周波数誤差検出器11と、位相同期部52の乗算器24に出力する。
周波数誤差検出器11は、フィルタ処理後の信号の周波数誤差Δfを検出し、加算器64に出力する。加算器64は、周波数誤差Δfと“0”を加算して数値制御発振器12に出力する。即ち、加算器64は、周波数誤差Δfをそのまま数値制御発振器12に出力する。数値制御発振器12は、周波数誤差Δfを周期とする位相回転子e j2πΔft (の信号)を生成し、乗算器13に出力する。以上の乗算器13、ローパスフィルタ3、周波数誤差検出器11、および数値制御発振器12による処理(ループ)が、帰還制御回路62からセレクタ回路63に制御フラグ“1”が供給するまで繰り返される。
一方、位相同期部52においては、乗算器24は、ローパスフィルタ3からのフィルタ処理後の信号に、数値制御発振器23から出力される位相回転子e j(2πΔf ' t+θ)の複素共役の信号を乗算し、その乗算結果を、同期信号として後段のブロックに出力するとともに、位相誤差検出器21に出力する。なお、最初(のシンボル周期)に入力された信号については、乗算器24は、入力された信号をそのまま出力する。
位相誤差検出器21は、乗算器24が出力する信号の位相誤差(2πΔf't+θ)を検出してループフィルタ81に出力し、ループフィルタ81は、その位相誤差(2πΔf't+θ)を平均化して、数値制御発振器23に出力する。また、ループフィルタ81は、残留周波数誤差Δf'を収束判定回路82と周波数同期部51の乗算器71に出力する。
数値制御発振器23は、位相誤差(2πΔf't+θ)に相当する位相量の位相回転子e j(2πΔf ' t+θ)を生成し、乗算器24に出力する。
位相同期部52では、以上の乗算器24、位相誤差検出器21、ループフィルタ81、数値制御発振器23による処理(ループ)が繰り返し実行される。これにより、収束判定回路82から周波数同期部51の帰還制御回路62に、残留周波数誤差Δf'に応じた収束ステートが順次供給されることになる。位相同期処理を開始した初期段階では、帰還制御回路62に供給される収束ステートは“0”であるが、時間の経過とともに、収束ステートは“1”,“2”と遷移し、ついには、収束ステート“3”が収束判定回路82から帰還制御回路62に供給される。
収束判定回路82から帰還制御回路62に収束ステート“3”が供給されると、周波数同期部51の帰還制御回路62はセレクト回路63に制御フラグ“1”を供給し、これにより、セレクト回路63は、重み付け積分回路61からの出力である重み付け積分値Δfeを加算器64に出力する。
そして、上述した乗算器13、ローパスフィルタ3、周波数誤差検出器11、および数値制御発振器12のループにおいて、加算器64が、周波数誤差検出器11からの周波数誤差Δfとセレクタ回路63からの重み付け積分値(周波数誤差)Δfeを加算して得られる周波数誤差(Δf+Δfe)を数値制御発振器12に出力する。
次に、数値制御発振器12は、周波数誤差(Δf+Δfe)を周期とする位相回転子e j2π(Δf+Δfe )t(の信号)を生成して乗算器13に出力し、乗算器13は、周波数同期部2に入力される受信信号に対して、数値制御発振器12から出力される位相回転子e j2π(Δf+Δfe )tの複素共役(の信号)を乗算する。
従って、図2の搬送波同期回路41では、収束ステートが“3”となったとき、周波数同期部51において周波数誤差(Δf+Δfe)に対する周波数引き込みが行われるので、位相同期部52における残留周波数誤差はΔfeだけ小さくなる。
残留周波数誤差Δf'を周波数同期部51に帰還させた帰還ループによる周波数引き込みを開始してからn時間経過後の残留周波数誤差Δf'nは、次式(1)で表すことができる。
Δf'n=(1−m)nΔf's・・・・・・・・・・(1)
ここで、残留周波数誤差Δf'sは、帰還ループによる残留周波数誤差Δf'の周波数引き込みを開始する直前の位相同期部52の残留周波数誤差であり、時間n(n=0,1,2,・・・)は、シンボル周期を単位とする時間を表す。また、係数mは、乗算器71における重み係数である。
式(1)によれば、残留周波数誤差Δf'nは、時間nの経過とともに指数関数的に0に収束する。
また、式(1)からもわかるように、乗算器71の重み係数mを変更することにより、位相同期部52からの残留周波数誤差Δf'の引き込み速度を任意に設定することができる。
図3は、乗算器71の重み係数mを、0.001,0.002、または、0.004に設定した場合の残留周波数誤差Δf'nを示している。
図3の横軸は、シンボル周期を単位とする時間nを表し、縦軸は、残留周波数誤差Δf'nを表す。なお、図3では、Δf'sを基準(1)として残留周波数誤差Δf'nを示している。
図3によれば、重み付け係数mを小さくするほど、残留周波数誤差Δf'の引き込み速度を遅くすることができることがわかる。
以上のように、図2の搬送波同期回路41によれば、位相同期部52における残留周波数誤差Δf'を周波数同期部51に帰還させることにより、ローパスフィルタ3の前段、すなわち周波数同期部51において残留周波数誤差Δf'の周波数引き込みを実施することができるため、局部発振器の周波数ドリフトが大きい場合、および、周波数同期部51の周波数検出誤差が比較的大きい場合(周波数同期部51の周波数検出精度がさほど高くない場合)においても、ローパスフィルタ3における信号ロスを解消することができ、伝送品質を改善することが可能となる。
更に、搬送波同期回路41によれば、残留周波数誤差Δf'を一度に引き込むのではなく、重み付け係数mを用いて引き込み速度を律速させることにより、PLLの同期捕捉を妨げることなく残留周波数誤差Δf'を引き込むことができるため、引き込み過程においても安定した伝送品質を確保することが可能となる。
図4は、本発明を適用した搬送波同期回路の第2の実施の形態の構成例を示している。
図4において、図2に示した搬送波同期回路41と対応する部分については同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図4の搬送波同期回路41は、図2に示した搬送波同期回路41と比較して、帰還制御回路62に代えて帰還制御回路101が設けられている点、および、位相同期部52のループフィルタ81が、残留周波数誤差Δf'を乗算器71と収束判定回路82だけでなく帰還制御回路101にも供給する点が相違する。
帰還制御回路101は、残留周波数誤差Δf'の引き込みを開始するための閾値である開始閾値Th1と、残留周波数誤差Δf'の引き込みを終了するための閾値である終了閾値Th2(Th2≦Th1)を内部に記憶し、上述した収束ステートによる条件に加えて、残留周波数誤差Δf'の値にも応じて、制御フラグを決定し、セレクタ回路63に出力する。
より具体的には、帰還制御回路101は、収束判定回路82からの収束ステートが“3”であって、残留周波数誤差Δf'が開始閾値Th1以上となったとき、制御フラグ“1”をセレクタ回路63に出力(変更)し、残留周波数誤差Δf'が終了閾値Th2以下となったとき、制御フラグ“0”をセレクタ回路63に出力する(制御フラグ“0”に戻す)。
従って、図4の搬送波同期回路41では、収束判定回路82からの収束ステートが“3”であって、残留周波数誤差Δf'が開始閾値Th1以上となったとき、残留周波数誤差Δf'の周波数引き込み処理が開始され、残留周波数誤差Δf'が閾値Th2以下に収まったときに、残留周波数誤差Δf'の周波数引き込み処理が終了される。
ここで、開始閾値Th1は、残留周波数誤差Δf'の存在により伝送品質が劣化し始めるような値に設定され、終了閾値Th2は、帰還制御にヒステリシスを持たせるため、Th2≦Th1となるよう設定される。
周波数同期部51の重み付け係数mによる重み付け積分回路61により、残留周波数誤差Δf'の引き込みを律速させることができるものの、PLLの同期捕捉の維持を優先するあまり、重み付け係数mの下限値を小さくすること(すなわち量子化精度をより細かくすること)は、重み付け積分回路61の回路規模の増大につながること、および、伝送品質を改善するまでの収束時間を更に伸長させることになるため、回路規模や収束時間に対する要求によっては、残留周波数誤差Δf'の引き込みによる過渡的な伝送品質の劣化をある程度、許容する必要が生じる。
図4の搬送波同期回路41によれば、開始閾値Th1及び終了閾値Th2を用いて残留周波数誤差Δf'の引き込みを、残留周波数誤差Δf'により伝送品質の劣化が顕著となる場合のみに制限することにより、伝送品質劣化の懸念のない通常の動作環境では、冗長な引き込み処理を停止させることができ、より安定した伝送品質を実現することが可能となる。
図5は、本発明を適用した搬送波同期回路の第3の実施の形態の構成例を示している。
図5において、図2に示した搬送波同期回路41と対応する部分については同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
図5の搬送波同期回路41においては、周波数同期部51の帰還制御回路121とセレクタ回路122、および、位相同期部52のループフィルタ131が、図2の搬送波同期回路41と相違する。
帰還制御回路121は、収束判定回路82から供給される収束ステートが“0”または“1”のときは、セレクタ回路122に制御フラグ“0”を出力し、収束判定回路82から供給される収束ステートが“3”のときは、セレクタ回路122に制御フラグ“2”を出力する。
また、帰還制御回路121は、収束判定回路82から供給される収束ステートが、搬送波同期回路41が受信信号の搬送波同期処理を開始してから最初(以下、適宜、1通信の最初、と称する)に“2”となったときの1乃至数シンボル周期の間だけ、セレクタ回路122に制御フラグ“1”を、ループフィルタ131に初期化フラグ“1”を出力し、収束ステート“2”が収束判定回路82から供給されるそれ以外の期間では、セレクタ回路122に制御フラグ“0”を、ループフィルタ131に初期化フラグ“0”を出力する。従って、帰還制御回路121が次に制御フラグおよび初期化フラグを“1”にするのは、1度通信が終了(切断)し、次の受信で収束ステートが“2”となったときである。
ここで、初期化フラグ“1”は、位相誤差の初期化を実行する命令を表し、初期化フラグ“0”は、位相誤差の初期化を実行しない命令を表す。また、収束判定回路82から帰還制御回路121に供給される収束ステートが1通信の最初に“2”となったとき、ループフィルタ131から周波数同期回路51に出力された残留周波数誤差Δf'をΔf''と表す。
セレクタ回路122は、帰還制御回路121から供給される制御フラグが“0”である場合には、“0”を加算器64に出力する。また、帰還制御回路121から供給される制御フラグが“1”である場合には、位相同期部52のループフィルタ131から供給される残留周波数誤差Δf'を加算器64に出力する。ここで、帰還制御回路121が制御フラグ“1”をセレクタ回路122に出力するのは、上述したように、1通信の最初の収束ステート“2”が収束判定回路82から供給されたときであり、収束判定回路82から1通信の最初の収束ステート“2”が供給されたときの残留周波数誤差Δf'は即ちΔf''である。従って、帰還制御回路121から供給される制御フラグが“1”である場合には、位相同期部52のループフィルタ131から供給される残留周波数誤差Δf''をそのまま加算器64に出力する。
さらに、セレクタ回路122は、帰還制御回路121から供給される制御フラグが“2”である場合には、重み付け積分回路61の出力、即ち、重み付け積分値Δfeを加算器64に出力する。
ループフィルタ131は、第1の実施の形態におけるループフィルタ81と同様に、位相誤差(2πΔf't+θ)を平均化して、数値制御発振器23に出力するとともに、残留周波数誤差Δf'を収束判定回路82と周波数同期部51に出力する。但し、ループフィルタ131は、帰還制御回路121から初期化フラグ“1”が供給されている場合、数値制御発振器23に出力する位相誤差(2πΔf't+θ)を初期化(リセット)する。ループフィルタ131が初期化(リセット)されている間、数値制御発振器23に供給される位相誤差はゼロとなる。
従って、帰還制御回路121がセレクタ回路122に制御フラグ“0”を供給し、セレクタ回路122が“0”を加算器64に出力している場合には、図2に示した第1の実施の形態において、帰還制御回路62が制御フラグ“0”をセレクタ回路63に供給している場合と同様の構成となり、帰還制御回路121がセレクタ回路122に制御フラグ“2”を供給し、セレクタ回路122が重み付け積分値Δfeを加算器64に出力している場合には、図2に示した第1の実施の形態において、帰還制御回路62が制御フラグ“1”をセレクタ回路63に供給している場合と同様の構成となる。
次に、図5の搬送波同期回路41の動作について説明する。
周波数同期部51および位相同期部52による周波数引き込みおよび位相引き込みが開始され、収束判定回路82から帰還制御回路121に供給される収束ステートが“0”,・・・,“1”,・・・となり、その間、帰還制御回路121から、セレクタ回路122には制御フラグ“0”が、ループフィルタ131には初期化フラグ“0”が供給されている。
所定時間経過後、収束判定回路82から帰還制御回路121に1通信の最初の収束ステート“2”が供給されると、帰還制御回路121は、制御フラグ“1”をセレクタ回路122に出力するとともに、初期化フラグ”1”をループフィルタ131に出力する。
制御フラグ“1”が供給されたセレクタ回路122は、ループフィルタ131から供給される残留周波数誤差Δf''を加算器64に出力する。帰還制御回路121から初期化フラグ“1”が供給されたループフィルタ131は、数値制御発振器23に出力する位相誤差(2πΔf''t+θ)を初期化(リセット)する。
従って、厳密には、帰還制御回路121が制御フラグ“1”と初期化フラグ”1”を出力するタイミングは同時ではない。即ち、帰還制御回路121からセレクタ回路122に制御フラグ“1”が供給され、そのときの残留周波数誤差Δf''がループフィルタ131からセレクタ回路122に取り込まれた後に、初期化フラグ“1”が帰還制御回路121からループフィルタ131に出力される。
セレクタ回路122およびループフィルタ131に制御フラグ“1”および初期化フラグ”1”がそれぞれ供給されてから1乃至数シンボル周期後、帰還制御回路121は、制御フラグと初期化フラグを“0”に戻す。制御フラグと初期化フラグを“0”に戻すまでの1乃至数シンボル周期の期間とは、周波数同期部51が、残留周波数誤差Δf''の引き込みを完了するまでの時間である。
従って、制御フラグと初期化フラグが“0”に戻され、周波数同期引き込み処理および位相同期引き込み処理が再び開始されたとき、ループフィルタ131から供給される残留周波数Δf'2は、第1の実施の形態における同時刻の残留周波数Δf'よりΔf''だけ少ないもの(Δf'2=Δf'−Δf'')となる。
そして、それ以降、図5の搬送波同期回路41は、残留周波数Δf'の初期値をΔf'2として、第1の実施の形態における搬送波同期回路41と同様の処理を行う。
即ち、収束判定回路82から供給される収束ステートが“0”,・・,“1”,・・,“2”を経て“3”となったときに、帰還制御回路121からセレクタ回路122に制御フラグ“2”が供給され、位相同期部52における残留周波数Δf'の重み付け積分値Δfeが加算器64に供給され、(Δf+Δfe)に対する周波数引き込みが行われる。
第3の実施の形態における搬送波同期回路41の効果について説明する。
上述した第1の実施の形態では、周波数同期部51の周波数検出精度があまり高くなく、残留周波数誤差Δf'がある一定量より大きくなるような場合、重み付け積分回路61を用いてPLLの位相同期を維持したまま残留周波数誤差の引き込みを行おうとすると、その引き込みが収束して伝送品質が改善しきるまでに膨大な時間がかかってしまうことが懸念される。重み付け積分回路61の重み付け係数mを大きめに設定して、収束時間を早めようとした場合には、位相同期部52から周波数同期部51への帰還ループが不安定となり、処理がかえって発散してしまう可能性がある。
第3の実施形態における搬送波同期回路41では、初期の位相引き込みが十分収束しきる前に、それまでに蓄積した残留周波数誤差Δf''に対する周波数引き込みを瞬間的に実施し、残留周波数誤差をΔf'2にまで一気に減らしてしまう。また、残留周波数誤差Δf''に対する周波数引き込みを行っている間、ループフィルタ131に初期化フラグ“1”を供給し続けることにより、位相同期部52を初期状態にリセットした状態で動作を停止させる。そして、残留周波数誤差Δf''の周波数引き込みが完了した時点で、初期化を解除すると、あたかも、初めから残留周波数誤差がΔf'2であったかのように位相同期部52の位相引き込みが再開される。
例えば、Δf''が第1の実施の形態におけるΔf'の収束値の8乃至9割となるように収束ステートのトリガー(収束ステート“2”)を設定すると、Δf''に対する周波数引き込みにより、第1の実施の形態における残留周波数誤差Δf'の1乃至2割(=Δf'2)まで残留周波数誤差を一気に低減させた状態から、位相同期部52の位相引き込みを再開させることができる。
従って、位相引き込みの過程内で残留周波数誤差を大幅に低減させることができるため、周波数同期部51における周波数検出精度があまり高くない場合においても、高速かつ安定的に、搬送波との同期を確立することが可能となる。
なお、上述した第3の実施形態では、制御フラグが“2”である場合に、第1の実施の形態の制御フラグが“1”のときの処理を実行する構成としたが、その代わりに、第2の実施の形態の制御フラグが“1”のときの処理を実行する構成とすることも可能である。
以上のように、第1乃至第3の実施の形態における搬送波同期回路41によれば、位相同期部52が検出した残留周波数誤差Δf'を周波数同期部51に帰還させて、再度、残留周波数誤差Δf'に対する周波数引き込みを実施することにより、局部発振器の周波数ドリフトが大きい場合、及び、周波数同期部51の周波数検出精度があまり高くない場合においても、伝送品質を劣化させることなく、高速かつ安定的に、搬送波との同期を確立、維持することが可能となる。
上述した搬送波同期回路41は、例えば、携帯電話機のための通信、衛星波または地上波のデジタル放送、無線LAN(Local Area Network)通信といった無線デジタル通信における送信機または受信機の一部として利用される。
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
従来の搬送波同期回路の一例を示すブロック図である。 本発明を適用した搬送波同期回路の第1の実施の形態の構成例を示すブロック図である。 様々な重み係数mを与えたときの残留周波数誤差Δf'nを示す図である。 本発明を適用した搬送波同期回路の第2の実施の形態の構成例を示すブロック図である。 本発明を適用した搬送波同期回路の第3の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
41 搬送波同期回路, 51 周波数同期部, 52 位相同期部, 61 重み付け積分回路, 62 帰還制御回路, 63 セレクタ回路, 64 加算器, 81 ループフィルタ, 82 収束判定回路, 101 帰還制御回路, 121 帰還制御回路, 122 セレクタ回路, 131 ループフィルタ

Claims (7)

  1. 周波数同期手段と位相同期手段を少なくとも備える搬送波同期回路において、
    前記位相同期手段は、
    前記周波数同期手段による周波数同期処理後の残留周波数誤差を検出して、前記周波数同期手段に供給する残留周波数誤差検出手段を備え、
    前記周波数同期手段は、
    第1のタイミング以降において、前記残留周波数誤差検出手段から供給される前記残留周波数誤差に対する周波数引き込みを行う
    搬送波同期回路。
  2. 前記位相同期手段は、
    前記残留周波数誤差検出手段で検出された前記残留周波数誤差に基づいて、位相引き込みの収束状態を判定する収束状態判定手段をさらに備え、
    前記周波数同期手段は、
    前記収束状態判定手段の判定結果を取得し、前記残留周波数誤差に対する周波数引き込みを行うか否かを制御する周波数引き込み制御手段と、
    前記残留周波数誤差検出手段から供給される前記残留周波数誤差に対して所定の重みを付加する重み付け手段とを備え、
    前記周波数引き込み制御手段は、前記残留周波数誤差が収束したことを表す前記判定結果が取得された前記第1のタイミング以降において、前記重み付け手段により重み付けされた前記残留周波数誤差に対する周波数引き込みを行わせる
    請求項1に記載の搬送波同期回路。
  3. 前記周波数引き込み制御手段は、前記残留周波数誤差検出手段が検出した前記残留周波数誤差も取得し、前記残留周波数誤差が収束したことを表す前記判定結果が取得され、かつ、前記残留周波数誤差検出手段が検出した前記残留周波数誤差が第1の閾値以上になったときから前記第1の閾値以下の第2の閾値以下になるまで、前記重み付け手段により重み付けされた前記残留周波数誤差に対する周波数引き込みを行わせる
    請求項2に記載の搬送波同期回路。
  4. 前記周波数同期手段は、前記第1のタイミングより前の第2のタイミングにおいて、前記残留周波数誤差検出手段から供給される前記残留周波数誤差に対する周波数引き込みをさらに行い、
    前記周波数引き込み制御手段は、前記第2のタイミングにおいて前記残留周波数誤差に対する周波数引き込みを行う場合、前記重み付け手段により重み付けされていない前記残留周波数誤差に対する周波数引き込みを行わせ、
    前記位相同期手段は、前記第2のタイミングに開始された周波数引き込みが完了するまでの間、位相誤差の初期化を行う
    請求項2に記載の搬送波同期回路。
  5. 前記第1のタイミングは、前記残留周波数誤差検出手段から供給される前記残留周波数誤差の変動が所定の値以下となったタイミングである
    請求項1に記載の搬送波同期回路。
  6. 前記第1のタイミングは、前記位相同期手段が位相引き込みを開始してから所定時間が経過したタイミングである
    請求項1に記載の搬送波同期回路。
  7. 周波数同期部と位相同期部を少なくとも備える搬送波同期回路の搬送波同期方法において、
    前記位相同期部において、前記周波数同期部による周波数同期後の残留周波数誤差を検出して前記周波数同期部に供給し、
    前記周波数同期部において、所定のタイミング以降において、前記位相同期部から供給される前記残留周波数誤差に対する周波数引き込みを行う
    ステップを含む搬送波同期方法。
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