JP4262301B2 - 変速装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、無段階変速する自動変速モードと、マニュアル式多段変速機と同様の段階的な変速比制御(以下、これを有段変速制御という)をする有段変速モードに切り換え可能な自動変速機を備えた変速装置において、モード選択や有段変速時のシフト操作に使用する切り換え用スイッチの有利な構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平9−203460号には、定容量の斜板式油圧ポンプと可変容量の斜板式油圧モーターとの間を油圧閉回路で接続した静油圧式自動変速機(以下、HFTと略称する場合がある)からなる自動変速機と、これに直列に接続されたサブミッションで変速装置を構成するとともに、自動変速機に、無段階変速する自動変速モードと、多段に変速する有段変速モードを備え、これらのモードをモードスイッチで切り換え、有段変速モードにすると有段変速制御が始まり、シフトスイッチを操作して予め多段階に設定されている目標変速比を選択することによりあたかもマニュアル式有段変速機のように制御するようになっている。
【0003】
また、特開平9−264416号には、モードスイッチとシフトスイッチをそれぞれ別々に設けてステアリングハンドルへ配置してある。さらにバギー車などのバーハンドル車両では、シフトスイッチを左ハンドルへ設け、モードスイッチをシフトスイッチと離れた位置のハンドルカバーへ設けた例がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来例のようにモードスイッチとシフトスイッチを別々に形成すると、それぞれの用途のために専用のスイッチを設けなければならず、部品点数が多くなる。またこれらは使用機会や方法を異にするので誤用を防止できるようにすることも望まれる。さらにバーハンドル車両の場合、モード切り換え用スイッチをハンドルと別の場所に設けると操作のたびにハンドルから手を離さなければならず操作が煩雑になるので、ハンドルを握ったままで操作できるようにすることも望まれる。そこで本願発明はこのような要請の実現を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願発明に係る変速装置は、無段変速モードと有段変速モードを含む複数の変速モードを備えた自動変速機と、前記自動変速機に接続して前進、中立及び後退を含む複数の走行レンジに切り換え可能なサブミッションと、前記自動変速機の複数の変速モードのいずれかを選択して切り換えるためのモードスイッチと、前記有段変速モード時に変速段を切り換えるためのシフトスイッチと、を備えた変速装置において、前記シフトスイッチと前記モードスイッチの各機能を共通のスイッチに集約し、前記共通のスイッチをシフトスイッチ又はモードスイッチとして選択的に使用し、
前記シフトスイッチを前記モードスイッチとして使用する条件は、車両停止時において走行レンジが中立時のみまたは、走行レンジ(D又はL)においてブレーキスイッチの作動を確認したときのみに前記シフトスイッチを前記モードスイッチとして使用して走行モードを変更可能としたことを特徴とする。
【0006】
なお、上記の場合において、通常時は前記共通スイッチをシフトスイッチとして用い、ブレーキの作動を確認したとき、又は走行レンジが中立時のみ前記共通スイッチを前記モードスイッチとして機能するように構成することもできる。さらに前記走行レンジの前進側を1段のみとすることもできる。
【0007】
【発明の効果】
本願発明によれば、共通のスイッチにシフトスイッチとモードスイッチの各機能を集約し、これら機能を選択的に実行できるようにしたので、それぞれの用途毎にスイッチを設ける必要が無く、部品点数を削減できる。また、スイッチの設置場所を一ヶ所にできるのでスイッチの取付及び使用が便利になる。
【0008】
また、通常時は共通スイッチをシフトスイッチとして用い、ブレーキの作動を確認したときのみ共通スイッチをモードスイッチに変更すればマニュアル制御としての使用可能性がない条件のときのみモードスイッチとして利用でき、走行レンジであっても誤用を防止できる。さらに、走行レンジが中立時のみ共通スイッチをモードスイッチに変更使用すれば、やはりスイッチの誤用を防止できる。
【0009】
さらにまた、自動変速機をロー側へワイドレシオに設定すれば、一般的に前進側をロー(L)及びドライブ(D)等の2段以上に構成されているサブミッションの前進側レンジを1段のみにすることができ、前進側におけるレンジ切り換えが不要になり、従来一般的であったサブミッションにおけるロー(L)レンジとドライブ(D)レンジ等を切り換える度にハンドルから手を放す煩わしさがなくなった。しかも共通スイッチだけで変速モード切り換え及び有段変速モード時の変速段切り換えができるので、前進側変速操作に関してはハンドルから全く手を放さずに操作できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて自動2輪車及び4輪バギー車等のバーハンドルが設けられた車両用に構成された変速装置に関する一実施例を説明する。図1は本実施例の制御システム図、図2は本実施例が適用される静油圧式自動変速機における可動斜板の傾斜角度制御機構部分を示す図、図3は無断変速制御の流れ図、図4はRC(ライディングコンディション)の決定方法を示す図、図5は変速マップ、図6は有段変速制御の流れ図、図7は各種モードを示す図、図8は制御装置のさらに詳細な制御システム図、図9はモード切り換え順序を示す図、図10はモード変更制御のフローチャートである。
【0011】
まず、図1において、静油圧式自動変速機の制御の概略を説明する。静油圧式自動変速機1は定容量油圧ポンプ2と可変容量油圧モータ3を駆動軸4上に一体化し、定容量油圧ポンプ2と可変容量油圧モータ3の間を油圧閉回路で接続したものである。エンジン5のクランク軸6に設けられた駆動ギヤ7で定容量油圧ポンプ2の被動ギヤ8を回転させることにより発生する油圧で可変容量油圧モータを変速回転させ、駆動軸4へ変速して出力するようになっており、このとき、可変容量油圧モータ3に内蔵された可動斜板(後述)の傾斜角度を傾斜角度制御機構10にて変化させることにより、変速比を任意に変更できるようになっている。
【0012】
傾斜角度制御機構10は制御モータ11の出力を減速ギヤ12へ伝達し、ボールネジ13とスライダ14を介して可変容量油圧モータ3に内蔵された可動斜板の傾斜角度を変化させるようになっている。静油圧式自動変速機1の変速出力は駆動軸4の出力ギヤ4aから2次減速機であるサブミッション15へ伝達され、サブミッション15の変速出力は変速出力軸16上の出力ギヤ17から最終出力軸18上の最終出力ギヤ18aへ伝達される。最終出力軸18の軸端に設けられたベーベルギヤ18bから車軸19上のベーベルギヤ19aへ伝達され、駆動輪19bを回転駆動する。
【0013】
サブミッション15はサブミッションレバー20を手動操作してシフター21を駆動することにより切り換えが行われ、前進側L又はD、後進R、並びに中立Nの各走行レンジの設定切り換えを行うようになっている。Lレンジは低速走行用、Dレンジは通常走行用、Nは中立、Rはリバースである。RレンジへシフトするとLOWレシオに固定される。サブミッションレバー20によるL、D,Nの各走行レンジ選択はシフター21に設けられたシフトポジションセンサー27により検出され、その検出信号が制御装置22へ入力される。また、リバース(R)にシフトすると、リバーススイッチ20aにて検出され、その検出信号が制御装置22へ入力される。
【0014】
このうち前進側はL、D各レンジについては、ハンドルに設けられているモードマップスイッチ29により後述する各種走行モード用に予め設定された変速モードの切り換えができる。モードマップスイッチ29は本願発明におけるモードスイッチに相当し、これによって切り換えられる走行モードには大別して自動変速モードと有段変速モードがある。有段変速モードを選択するとハンドルへ設けられているシフトスイッチ28によりマニュアル操作でシフトアップ及びシフトダウンできる。
【0015】
なお、本実施例におけるシフトスイッチ28とモードマップスイッチ29は後述するように共通のスイッチとして構成され、例えば、バーハンドルの左側グリップ(図示省略)近傍に設けられ、左手でグリップを握ったまま操作できる。また、右側グリップG近傍にはブレーキスイッチ50が設けられ、ハンドルのブレーキレバーLを握ってブレーキを作動したときこれを検出し、この検出信号は制御装置22へ入力される。
【0016】
図7は予め用意されている走行モードを説明するものであり、サブミッションレバー20によりLレンジを選択した場合、モードマップスイッチ29を変速モードD1又はD2へ切り換えると、Lレンジ専用の無段変速モードであるLレンジ用オートモードになる。またESPに切り換えるとLレンジ用ESPモードになる。この変速モードはLレンジ専用のマニュアルモードであり、Lレンジにて前進側5速のマニュアル変速が可能である。
【0017】
Dレンジの場合は、モードマップスイッチ29を変速モードD1に切り換えるとスポーツモードとなり、通常走行に適したものになる。モードマップスイッチ29を変速モードD2に切り換えるとユーティリティモードになり、牽引又はクルーズ走行に適したモードになる。ESPに切り換えると通常走行用のマニュアルモードになり、前進側5速のマニュアル変速が可能である。なおモードマップスイッチ29は便宜上図1及び図7に機械式のロータリースイッチとして示してある、実際はこのようなものは存在せず、後述するようにシフトスイッチ28として示す共通のボタン式スイッチの中にシフトスイッチと機能を集約して一体化されものとして構成されている。
【0018】
これら無段及び有段変における実際の変速は傾斜角度制御によって行われる。この傾斜角度制御は、制御装置22により各種センサ類からの信号に基づいて傾斜角度制御機構10の制御モータ11を駆動制御することにより行われる。また制御装置22は、計器盤Mへそのインジケータに対する表示信号を出力する。なおセンサ類については後述する。
【0019】
次に、図2により傾斜角度制御機構10について説明する。傾斜角度制御機構10の制御モータ11は定容量油圧ポンプ2のハウジング30に支持され、その出力ギヤ31はトルクリミッタ32の入力ギヤ33を介してギヤ34からボールネジ駆動ギヤ35へ伝達される。ボールネジ駆動ギヤ35はボールネジ13と一体回転し、ボールネジ13が正転又は逆転することにより、ナットが形成されているスライダ14が軸上を軸方向いずれか側へ移動する。ボールネジ13は油圧モータ3のハウジング36に両端を支持されている。
【0020】
スライダ14には可変容量油圧モータ3のハウジング36から外方へ突出するアーム37の一端が回動自在に取付けられ、アーム37の他端はハウジング36内に支持されている斜板ホルダ38と一体化している。斜板ホルダ38はハウジング36に形成された凹曲面部39上へ転動自在に支持されているため、アーム37が回動すると一体に凹曲面部39上を回動して角度を変化させる。
【0021】
可動斜板40はベアリング41,42を介して斜板ホルダ38の内側へ回転自在に保持され、斜板ホルダ38の角度が変化することにより、可動斜板40の回転面が駆動軸4の軸線となす角度である傾斜角度を変化させる。なお。図示の状態は90°であり、変速レシオが1.0であるTOP状態を示す。
【0022】
この可動斜板40には、可変容量油圧モータ3の油圧プランジャー43が押し当てられる。油圧プランジャー43はドラム状の回転体44の円周方向へ複数設けられ、定容量油圧ポンプ2側の油圧で可動斜板40側へ突出して押し当てられ、可動斜板40の傾斜角度に応じて回転体44へ回転力を与える。回転体44は外周部で駆動軸4とスプライン結合45をしており、回転体44の回転により駆動軸4を回転駆動するようになっている。
【0023】
次に、制御装置22における無段変速時の変速制御について図3により説明する。まず、スロットルセンサ23(図1)より送られるスロットル信号からRC(ライディングコンディション)を作成する。RCとはスロットル信号の値に対して増加・減少する値であり、基本的に、
・スロットルを開ける→RC増加
・スロットルを閉じる→RC減少
の関係があり、これを図4に示す。図中のTHはスロットル開度(%)、縦軸はスロットル開度及びRC(各%)、横軸は時間である。また、これとは別にスピードセンサ25から送られる車速信号より車速を計算する。
【0024】
続いて、これらRCと車速に基づき、予め内蔵している変速マップを参照して目標Neを決定する。変速マップの一例を図5に示し、予め数種類のものを用意してある。例えば、Lレンジモード専用、スポーツモード専用、ユーティリティモード専用等各種のモードを内蔵するものであり、これらは、モードマップスイッチ29により選択できる。
【0025】
さらに、回転センサ24(図1)より送られたNe信号により実Neを計算し、この実Neと先の目標Neを比較して制御モータ11の正逆いずれかの回転方向とDUTY(デューティ)を決定する。具体的には可動斜板の方向にて次のように決定する。
・実Ne>目標Ne→可動斜板をTOP側へ動かす
・実Ne<目標Ne→可動斜板をLOW側へ動かす
【0026】
また、デューティは下式により決定する。
DUTY=K1×|実Ne−目標Ne| (K1は係数)
ここで、デューティとは、制御モータ11に流す電流の割合を示し、制御モータ11のスピードコントロールに用いる。DUTYが100%で制御モータ11は最大スピード、0%で停止となる。
【0027】
その後、このモーター回転方向とDUTY並びに角度センサ26(図1)からの角度信号に基づいて計算された可動斜板の角度に基づいて制御モータ11を制御する。具体的には、モーター回転方向とDUTYにより制御モータ11を駆動し、可動斜板の角度よりLOWとTOPの各レシオを測定してTOPレシオからはずれたとき、制御モータ11を止める。
【0028】
本実施例においては有段変速モードによる有段変速制御が可能である。有段変速制御とは、無段変速機においてあたかもマニュアル式多段変速機のように変速比を手動で切り換えることのできる変速制御を意味する。このような有段変速制御は、これまで説明した場合と同様に制御装置22の制御により可動斜板40の傾斜角度を制御して行うが、その際、段階的に行うように制御内容を変化させるだけで足りる。
【0029】
このような有段変速モードと自動変速モードの切り換えはモードマップスイッチ29で行い、有段変速モード時の有段変速操作はシフトスイッチ28を押すことにより行える。シフトスイッチ28には、シフトアップボタン28aとシフトダウンボタン28b(図1)を備え、そのいずれかを押す毎に一段づつシフトアップ又はシフトダウンするようになっている。
【0030】
図6はこの有段変速制御における制御装置22の制御手順を示し、まず、角度センサ26からの斜板角度信号により傾斜角度を計算する。シフトスイッチ28からのシフト信号によりシフトアップ又はシフトダウンを内容とするシフト命令を決定する。この決定はシフトスイッチ28のシフトアップボタン28aが押されればシフトアップ命令とし、シフトダウンボタン28bが押されればシフトダウン命令とする。
【0031】
次に、上記傾斜角度とシフト命令に基づき、メーター表示の決定及び目標斜板角度を決定する。メーター表示は、傾斜角度により、マニュアル変速機におけるシフト段数に比定するギア段数を決定し、メーターMのインジケータへの表示信号を決定し、これをメータMへ出力してメータM上に決定したギア段数を表示させる。
【0032】
目標斜板角度の決定は、シフト命令の入力があった場合において、現在のギア表示信号に対して、次の条件ににより定められる。
(1)シフトアップ命令→1段シフトアップ
(2)シフトダウン命令→1段シフトダウン
【0033】
続いて、上記により決定された目標斜板角度と傾斜角度とを比較して、制御モータ11の正逆回転方向とDUTYを以下により決定する。
(1)傾斜角度>目標斜板角度→可動斜板40をLOW側へ動かす
(2)傾斜角度<目標斜板角度→可動斜板40をTOP側へ動かす
なお、DUTYは次の式により決定する。
DUTY=K2×|傾斜角度ー目標斜板角度| (K2は係数)
【0034】
その後、このモーター回転方向とDUTYに基づき、制御モータ11を駆動制御して可動斜板40を所定角度に傾ける。これにより、静油圧式自動変速機1はマニュアル式多段変速機の有段変速に比定した有段変速を行うことができる。
【0035】
本実施例において、シフトスイッチ28とモードマップスイッチ29は共通する1個のスイッチとして構成され、走行中はシフトスイッチ28として使用し、一定の条件の時のみ機能変更することによりモードマップスイッチ29として使用できるようになっている。なおモードマップスイッチ29は本願発明におけるモードスイッチの一具体例である。
【0036】
図8は、傾斜角度制御機構10による変速制御のために制御装置22へ入力される信号を発生するスイッチ及びセンサ類の構成を説明するため図1の一部についてさらに詳細に示した制御システム図であり、これを図1と併せて説明する。制御装置22の入力側には、前述したギヤポジションセンサ27、シフトスイッチ28及び
【0037】
他の入力信号としては、図1に示すように、エンジン5の吸気側に設けられるスロットルセンサ23からのスロットル開度、クランク軸6に近接して設けられた回転センサ24からのNe、最終出力ギヤ19に近接して設けられたスピードセンサ25からの車速、可変容量油圧モータ3に設けられた角度センサ26からの斜板角度、シフター21のシフトドラム21aと一体に設けられたシフトポジションセンサー27が検出するシフトポジションの各信号がある。このうち、スロットルセンサ23と角度センサ26はそれぞれポテンショメータとして構成されている。
【0038】
さらに、モーター電源側としてバッテリ51がヒューズ52を介して接続され、かつメインスイッチ53が並列にヒューズ54を介してバッテリ51と接続し、かつヒューズ52を介して制御装置22と接続される。符号55はキルスイッチである。また、制御装置22の出力側には制御モータ11が接続され、その回転が制御装置22により制御される。またエンジン5の点火プラグへ接続するイグニッションコイル56(図1)が制御装置22により制御される。
【0039】
シフトスイッチ28はシフトアップスイッチ28aとシフトダウンスイッチ28bをトグルに選択できるスイッチであり、このいずれか側を押すたびにシフトアップ命令又はシフトダウン命令を制御装置22へ信号出力するようになっているが、前述のように機能変更することによりモードマップスイッチ29として使用できる。
【0040】
図9はこの機能変換によりシフトスイッチ28から変化した後のモードマップスイッチ29における変速モード及びその切り換え順序を示すものであり、シフトアップスイッチ28aを押すと、ESP→D2→D1の順に変速モードが変化してロータリー式に循環し、シフトダウンスイッチ28bを押すと逆に変速モードが変化する。
【0041】
図10は、シフトスイッチ28とモードマップスイッチ29の切換制御をするためのフローチャートであり、スタート後、まず車両が停止しているか否かをスピードセンサ25の入力から判断し(S・1)、NOならばモードマップスイッチ29の変更は不可として走行モードを確定し(S・7)、その後スタートへ戻る。YESならば、さらに走行レンジが中立(N)か否かをシフトポジションセンサー27により判別する(S・2)。YESならば(S・5)へジャンプし、NOならば、続いてギヤポジションか走行レンジであるDかLのいずれであるかを判別する(S・3)。(S・3)において、NOであれば(S・7)へ移行する)。YESであれば続いてブレーキスイッチのON/OFFによってブレーキ動作を判別する(S・4)。
【0042】
NOであれば、走行開始の可能性があり、モード変更条件を満たさないから(S・7)へ移る。YESであれば、モード変更条件を満たすので、シフトスイッチ28のシフトアップスイッチ28a又はシフトダウンスイッチ28bのいずれかが押されたか否かを判別する(S・5)。
【0043】
NOであれば、モード変更の意思がないので(S・7)へ移り、YESであればモード変更の意思があるのでシフトスイッチ28からモードマップスイッチ29に機能を変更して図7のように走行モードの切り換えを可能にし(S・6)、その後スタートへ戻る。
【0044】
このように、シフトスイッチ28をモードマップスイッチ29と兼用にしたので、共通する1個のスイッチを多機能化でき、各用途毎にスイッチをそれぞれ形成する必要がなくなるから、部品点数を削減でき車体への取付も容易になる。しかもバギー車などに適用する場合、バーハンドル上へシフトスイッチ28及びモードマップスイッチ29の双方を一緒に配設できるので、ハンドルを握ったまま一方の手だけで操作できる。
【0045】
また、この設置側を例えば左ハンドルとすれば、ブレーキレバーL(図1)を右ハンドルに設けることにより、右手でブレーキを操作し、同時に左手でシフトスイッチ28から変更したモードマップスイッチ29を操作できるので操作性に優れている。
【0046】
そのうえ、車両停止かつブレーキスイッチ50が例えばONすることによりブレーキの作動確認時のみシフトスイッチ28からモードマップスイッチ29へモード変更を可能にしたので、シフトスイッチ28としての使用可能性が少ない状態の下でのみ変更することにより、誤動作を確実に防止できる。
【0047】
さらに、車両停止かつ走行レンジが中立(N)のときのみシフトスイッチ28をモードマップスイッチ29として変更使用可能にすることにより、やはり走行中にシフトスイッチ28をモードマップスイッチ29として誤用することを確実に防止できる。
【0048】
図11〜13に別実施例を示す。図11は図1に、図12は図9に、図13は図10にそれぞれに対応している。なお、共通機能部分には共通符号を用い、かつ共通部分の説明は原則として省略し、前実施例との相違点を中心に説明する。この実施例はサブミッションの15の走行レンジのうち前進側をドライブ(D)レンジ1段のみにしたことを特徴とする。
【0049】
すなわち図11に示すように、サブミッション15のサブミッションレバー20は走行レンジを、前進側D、後進R、並びに中立Nの各レンジの設定切り換えを行うようになっている。前進側は通常走行用のDレンジ1段のみであるが、前実施例のロー(L)レンジを含むようロー側へワイドレシオ化されている。
【0050】
図12はシフトスイッチ28から機能変換されたをモードマップスイッチ29における変速モード及びその切り換え順序を示すものであり、シフトアップスイッチ28aを押すと、D1→D2→ESP→L→ESP(L)→D1の順にモードが変化してロータリー式に循環し、シフトダウンスイッチ28bを押すと逆に変化する。
【0051】
これら各レンジのうち、D1、D2、ESPは図9にて説明したものと同じ設定であり、前実施例のDレンジに割り当てられていたモードである。L及びESP(L)は、前実施例のLレンジに割り当てられていたモードであり、Lはオート(無段変速)モード、ESP(L)はマニュアルモードである(図7のLレンジ部分参照)。
【0052】
図13は、シフトスイッチ28とモードマップスイッチ29の切換制御をするためのフローチャートであり、スタート後、まず車両が停止しているか否かをスピードセンサ25の入力から判断し(S・11)、次にギヤポジションが走行(D)レンジ(N)か否かをシフトセンサ27により判別し(S・12)、続いてブレーキスイッチ50のON/OFFによってブレーキ動作がされているかを判別し(S・13)、さらにシフトスイッチ28が押された(S・14)を順に判別する。すべてYESならば変速モードを切り換えられる。この間にNOがあればモードマップスイッチ29の変更は不可として走行モードを確定し(S・16)、その後スタートへ戻る。
【0053】
次に本実施例の作用を説明する。本実施例ではサブミッション15における前進側の走行レンジをロー側へワイドレシオ化することにより前進1段のみとしたので、前進時には走行レンジの手動切り換え無しに、モードマップスイッチ29の切り換え操作のみで前進側の変速操作が全て可能になった。一方、本実施例のようにワイドレシオ化されていない一般的なサブミッションでは、サブミッションレバーによりシフトポジションをD又はLにするため手動で走行レンジを切り換えなければならなかった。
【0054】
したがって、一般的なサブミッションのようにロー(L)レンジとドライブ(D)レンジを切り換える度にハンドルから手を放す煩わしさがなくなった。しかもシフトスイッチ28だけで変速モード切り換え及び有段変速モード時の変速段切り換えができるので、変速操作に関してはハンドルから全く手を放さずに前進側走行が可能になり、操作の煩わしさがなくなり、快適操作を実現できる。
【0055】
なお、本願発明は上記の各実施例に限定されるものではなく、発明の原理内において種々に変形や応用が可能である。また、静油圧式自動変速機システムだけでなく、CTVシステムや電子制御ベルコン等にも応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】静油圧式自動変速機全体の制御システム図
【図2】傾斜角度制御機構を示す図
【図3】本実施例における無断変速制御の流れ図
【図4】RCの決定方法を示す図
【図5】変速マップを示す図
【図6】有段制御の流れ図
【図7】走行モードを説明する図
【図8】制御装置の詳細な制御システム図
【図9】モード切り換え順序を示す図
【図10】モード変更制御のフローチャート
【図11】別実施例に係る図1に対応する
【図12】同図9に対応する図
【図13】同図10に対応する図
【符号の説明】
1:静油圧式自動変速機、2:定容量油圧ポンプ、3:可変容量油圧モータ、4:駆動軸、15:サブミッション、20:サブミッションレバー、20a:リバーススイッチ、22:制御装置、23:スロットルセンサ、24:回転センサ、25:スピードセンサ、26:角度センサ、27:シフトポジションセンサ、28:シフトスイッチ、29:モードマップスイッチ(モードスイッチ)、50:ブレーキスイッチ
Claims (5)
- 無段変速モードと有段変速モードを含む複数の変速モードを備えた自動変速機と、前記自動変速機に接続して前進、中立及び後退を含む複数の走行レンジに切り換え可能なサブミッションと、前記自動変速機の複数の変速モードのいずれかを選択して切り換えるためのモードスイッチと、前記有段変速モード時に変速段を切り換えるためのシフトスイッチと、を備えた変速装置において、前記シフトスイッチと前記モードスイッチの各機能を共通のスイッチに集約し、前記共通のスイッチをシフトスイッチ又はモードスイッチとして選択的に使用し、
前記シフトスイッチを前記モードスイッチとして使用する条件は、車両停止時において走行レンジが中立時のみまたは、走行レンジ(D又はL)においてブレーキスイッチの作動を確認したときのみに前記シフトスイッチを前記モードスイッチとして使用して走行モードを変更可能としたことを特徴とする変速装置。 - 前記走行レンジの前進側が1段のみであることを特徴とする請求項1に記載した変速装置。
- バーハンドルが設けられた車両で、左ハンドルに前記シフトスイッチを設け、右ハンドルにブレーキレバーと前記ブレーキスイッチを設けたことを特徴とする請求項1に記載した変速装置。
- 前記モードスイッチはDレンジ用のスポーツモード(D1)、ユーティリティモード(D2)とマニュアルモード(ESP)よりなり、前記シフトスイッチの操作により前記モードをロータリー式に循環し変更可能としたことを特徴とする請求項1に記載した変速装置。
- 前記モードスイッチはDレンジ用のスポーツモード(D1)、ユーティリティモード(D2)とLレンジ用のオートモード(L)とマニュアルモード(ESP)よりなり、前記シフトスイッチの操作により前記モードをロータリー式に循環し変更可能としたことを特徴とする請求項1に記載した変速装置。
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