JP4260973B2 - 鮮度測定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は飲食物の鮮度を測定する方法に係り、特に味覚センサを用いて飲食物の鮮度を測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
飲食物の鮮度の測定は、化学分析等で行われている例があるが、測定時間が掛かることや測定感度の点で満足できるものではなく、主に官能検査で行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、官能検査は、識別力に個人差があることや評価の数値化に難があり客観性に乏しいといった問題点がある。
この発明の目的は、前述の問題点を解決して、測定時間が短くて済む、感度が官能検査に劣らない、評価が数値化できる飲食物の鮮度測定方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、この発明の鮮度測定方法は、請求項1に記載のものは、両親媒性物質を含む分子膜を有する味覚センサを用いて飲食物の鮮度を測定する鮮度測定方法であって、鮮度の基準となる第一の飲食物を所定の条件で保存する段階と、前記所定の条件で保存された前記第一の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第一の測定値を得る段階と、鮮度を測定する対象である第二の飲食物の溶液に前記味覚センサを浸漬してその味を測定し第二の測定値を得る段階と、前記第一の測定値と前記第二の測定値の差に基づいて前記第二の飲食物の鮮度を求める段階とを含んでいる。
【0005】
請求項2に記載のものは、両親媒性物質を含む分子膜を有する味覚センサを用いて飲食物の鮮度を測定する鮮度測定方法であって、鮮度の基準となる第一の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第一の測定値を得て該第一の測定値を記憶する段階と、鮮度を測定する対象である第二の飲食物の溶液に前記味覚センサを浸漬してその味を測定し第二の測定値を得る段階と、記憶された前記第一の測定値と前記第二の測定値の差に基づいて前記第二の飲食物の鮮度を求める段階とを含んでいる。
【0006】
請求項3に記載のものは、両親媒性物質を含む分子膜を有する味覚センサを用いて飲食物の鮮度を測定する鮮度測定方法であって、鮮度の基準となる第一の飲食物を所定の第一の条件で保存する前に該第一の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第一の測定値を得る段階と、鮮度を測定する対象である第二の飲食物を第二の条件の下に置く前に該第二の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第二の測定値を得る段階と、前記第一の飲食物を所定の第一の条件で保存する段階と、前記第一の条件で保存された前記第一の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第三の測定値を得る段階と、前記第二の条件の下に置かれた第二の飲食物の溶液に前記味覚センサを浸漬してその味を測定し第四の測定値を得る段階と、前記第一の測定値と前記第二の測定値の差と前記第三の測定値と前記第四の測定値の差との差に基づいて前記第二の飲食物の鮮度を求める段階とを含んでいる。
【0007】
請求項4に記載のものは、両親媒性物質を含む分子膜を有する味覚センサを用いて飲食物の鮮度を測定する鮮度測定方法であって、測定対象である飲食物の被測定溶液を複数準備する段階と、該複数の被測定溶液をそれぞれ異なる温度で所定時間保存する段階と、該所定時間保存された複数の被測定溶液のそれぞれについて前記味覚センサを浸漬してその味を測定し、該複数の被測定溶液それぞれの測定値を得る段階と、得られた複数の前記測定値と前記温度とに関連した回帰曲線を求める段階と、該回帰曲線に基づいて所望温度における鮮度の補正値を得る段階と、所望時間後の所望温度における鮮度の補正値を、回帰曲線に基づいて得られた所望温度における鮮度の補正値に前記所望時間と前記所定時間の比の値を掛けて、求める段階と、鮮度の基準となる第一の飲食物を所定の第一の条件で保存する前に該第一の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第一の測定値を得る段階と、鮮度を測定する対象である第二の飲食物を第二の条件の下に置く前に該第二の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第二の測定値を得る段階と、前記第一の飲食物を所定の第一の条件で保存する段階と、前記第一の条件で保存された前記第一の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第三の測定値を得る段階と、前記第二の条件の下に置かれた第二の飲食物の溶液に前記味覚センサを浸漬してその味を測定し第四の測定値を得る段階と、前記第一の測定値と前記第二の測定値の差と前記第三の測定値と前記第四の測定値の差との差および前記補正値に基づいて前記第二の飲食物の鮮度を求める段階とを含んでいる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する前に本発明に用いることとした味覚センサについて説明をする。
本願出願人は、先に他と共同して「味覚センサ及びその製造方法」の発明につき特許出願をし(特開平3-54446 )、その明細書及び図面によって、ある種の高分子重合体の表面マトリックス内に特定の分子配列をもって収納されたいわゆる脂質性分子群が、基本味と呼ばれる塩味、酸味、苦味、甘味に対して、感度を示すセンサとなることを示した。しかも、この種のセンサは、人間の五感の一つである味覚に代わり、味を測定できるものであることを示した。
【0009】
高分子重合体は、例えばポリ塩化ビニル(PVC)であり、それにジオクチルフェニルフォスフォネート(DOPP)のような可塑剤と脂質とを概ね2:3:1の重量比で混合したものをテトラヒドロフラン(THF)に溶融し、平底の容器に移して、板上で室温に三日間保持して、THFを揮発させ、脂質膜すなわち脂質がPVCの表面マトリックス内に収納された脂質性分子膜を得た。膜の厚さは約200μmである。
【0010】
脂質性分子膜の模式図を、化学物の設計法で使われている表現方法で表わしたものが図8である。脂質性分子2のうち円で示した球状部は親水基aすなわち親水性部位aであり、それから原子配列が長く延びる炭化水素の鎖構造b(例えばアルキル基)がある。図ではいずれの場合も2本の鎖が延びて一つの分子を表わしており、全体で分子群を構成している。この炭化水素の鎖の部分は、疎水性部位bである。このような脂質性分子群3が、膜部材4の表面のマトリックス5(表面の構造、平面的なひろがりをもったミクロな構造)の中に、一部はマトリックス内部に溶け込ませた形(例えば図8の2′)で収容されている。これらのような構造を持つ分子膜の原料となる脂質の例を表1に示す。
【0011】
【表1】
Figure 0004260973
【0012】
これらの脂質膜を用いたセンサプローブを用意する。
図9は前述のようにして得られた脂質膜1をセンサプローブ6に加工した概略構成を示す断面図である。基材7として外形8mm、長さ55mm、肉厚1mm、のポリ塩化ビニルの円筒を用いる。該円筒7の先端部7aを約60度の角度でカットする。該カットされた先端部7aに、その開口部7bを塞ぐように脂質膜1を、THFにPVCを溶解したものを接着剤として張り付ける。直径0.5mmの銀線の先を螺旋状に巻いたものを該円筒7の上部から挿入し電極8とする。緩衝層9として電解液(3.3mol/l の濃度の塩化カリウム溶液)を前記電極8の螺旋部分に8bが浸るところまで充填する。
【0013】
前記センサプローブを用いた味の測定系を図10に示す。
被測定溶液11はビーカーのような容器12に入れる。被測定溶液11中に前記センサプローブ6を入れた。この図では1本のセンサプローブであるが、マルチチャンネルで測定する場合は脂質の異なる脂質膜を有する(味に対する応答の異なる)複数本のセンサプローブを用いる。使用前に、塩化カリウム1mmol/l水溶液で電極電位を安定化した。測定の基準となる電位を発生する電極として参照電極13を用意し、それを被測定溶液11に入れる。センサプローブ6と参照電極13とは所定の距離を隔てて設置する。参照電極13の表面は、緩衝層14として飽和塩化カリウム溶液を寒天で固化したもので覆ってある。
【0014】
脂質膜1からの電気信号は、図10のリード線15によってバッファ増幅器17導かれる。バッファ増幅器17の出力は、A/D変換器18に加えられる。参照電極13からの電気信号もリード線16を介してA/D変換器18に加えられ、脂質膜1からの電位との差をディジタル信号に変換する。このディジタル信号はマイクロコンピュータ19で適当に処理され、またX−Yレコーダ20で表示される。
【0015】
次に、味覚センサを用いた測定の手順の一例を図11に基づいて説明する。
S1 基準液のセンサ電位V01 を測定する。
バッチ式測定(被測定溶液を例えばビーカー等にとって行う測定の方式)の場合、味覚センサを空中に一定回数出し入れた後、再度基準液のセンサ電位V01 を測定する。フロー式測定(例えば味覚センサのセットされた測定用のパイプに被測定溶液及び基準液をそれぞれ流して行う測定の方式)の場合、味覚センサに基準液一定時間流した後、再度基準液のセンサ電位V01 を測定する。
S2 所定時間被測定溶液Siにセンサを浸漬すると共に被測定溶液Siのセンサ電位Viを測定する。所定時間を設定するのは各被測定溶液Siで吸着の条件を同じにするためである。
S3 被測定溶液Siの測定結果△Vi=Vi-V01 を算出する。その後連続して被測定溶液を測定する場合はS1へ進む。
【0016】
なお、脂質は両親媒性物質の一種であり、表2に示す脂質以外の両親媒性物質も脂質の代わりに利用できる。
【0017】
【表2】
Figure 0004260973
【0019】
以上のような両親媒性物質の分子膜を備えた味覚センサを用いることにより飲食物の鮮度を測定する事が出来る。
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図1〜4に基づいて説明する。
図1は、本発明の鮮度測定方法の第一の実施の形態を示す流れ図であり、請求項1に対応するものである。
S11 鮮度の基準となる第一の飲食物を所定の条件で保存する段階である。
第一の飲食物は鮮度の基準となる値を提供するために保存される飲食物である。したがって、前記所定の条件は、時間が経過しても、第一の飲食物の味がなるべく変化しないような条件、温度なら例えば0℃〜5℃、である。
S12 前記所定の条件で保存された前記第一の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第一の測定値St を得る段階である。
第一の測定値St は、鮮度の基準となる値である。
S13 鮮度を測定する対象である第二の飲食物の溶液に前記味覚センサを浸漬してその味を測定し第二の測定値Si を得る段階である。
S14 前記第一の測定値と前記第二の測定値の差に基づいて前記第二の飲食物の鮮度を求める段階である。
【0021】
ここで、第一の実施の形態の鮮度測定方法による実験について述べる。
測定対象はスポーツドリンクとして市販されている缶入りの飲料である。味覚センサは、表4に示す脂質をそれぞれ含む脂質膜8種類を用いた8チャンネル(1ch〜8ch)の味覚センサを使用した。
【0022】
【表4】
Figure 0004260973
【0023】
基準液は鮮度の基準となるスポーツドリンクと同じ条件で保存されたスポーツドリンクを用いた。保存は冷蔵庫で行い、温度は0℃である。測定対象のスポーツドリンクは、温度30℃の条件下に1週間置かれたもの、同じく2週間置かれたもの、温度50℃の条件下に1週間置かれたもの、同じく2週間置かれたものの4種類である。
【0024】
測定手順は次のとおりである。
1) 保存液(基準液と同じもの)に味覚センサをほぼ10時間浸漬する。
2) 基準液(洗浄用)に味覚センサを10回出し入れし、洗浄する。
3) 基準液(測定用)に味覚センサを浸漬し、10秒後に味覚センサの電位を測定し、測定値をV0 とする。
4) 手順2)、3)を2回以上繰り返し、測定ごとに今回の測定値V0 と前回の測定値V0 の差が0.3mV以下かどうかを判断し、0.3mV以下(つまりV0 が安定したら)であれば、手順5)へ進む。
5) 所定の条件で保存された鮮度の基準となるスポーツドリンク(洗浄用)に味覚センサを10回出し入れし、洗浄する。
6) 所定の条件で保存された鮮度の基準となるスポーツドリンク(測定用)に味覚センサを浸漬し、10秒後に味覚センサの電位St を測定する。
7) 測定対象であるスポーツドリンク(洗浄用)に味覚センサを10回出し入れし、洗浄する。
8) 測定対象であるスポーツドリンク(測定用)に味覚センサを浸漬し、10秒後に味覚センサの電位Si を測定する。
9) 手順2)〜8)を所定の回数繰り返す。
【0025】
このようにして得られた測定値を主成分分析にかけると図5のような結果が得られた。図5で、PC1は第一主成分、PC2は第二主成分をそれぞれ表す。
30℃の条件下と50℃の条件下では、鮮度に対応するポイントP31,P32,P51,P32が時間の経過に従って、鮮度の基準となるポイントP0 から遠ざかって行くことが分かる。また、遠ざかる方向が異なることから、30℃の条件下と50℃の条件下では劣化の質が異なることが分かる。
【0026】
図2は、本発明の鮮度測定方法の第二の実施の形態を示す流れ図であり、請求項2に対応するものである。
S21 鮮度の基準となる第一の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第一の測定値St を得て該第一の測定値St を記憶する段階である。
第一の飲食物は鮮度の基準となる値を提供するための飲食物であり、第一の測定値St は鮮度の基準となる値である。第二の実施の形態では、第一の実施の形態のように、第一の飲食物を所定の条件で保存することを要しない。
S22 鮮度を測定する対象である第二の飲食物の溶液に前記味覚センサを浸漬してその味を測定し第二の測定値Si を得る段階である。
S23 記憶された前記第一の測定値と前記第二の測定値の差に基づいて前記第二の飲食物の鮮度を求める段階である。
【0027】
図3は、本発明の鮮度測定方法の第三の実施の形態を示す流れ図であり、請求項3に対応するものである。
S31 鮮度の基準となる第一の飲食物を所定の第一の条件で保存する前に該第一の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第一の測定値St を得る段階である。
第一の飲食物は鮮度の基準となる値を提供するために保存される飲食物である。したがって、前記所定の第一の条件は、時間が経過しても、第一の飲食物の味がなるべく変化しないような条件、温度なら例えば0℃〜5℃、である。
第一の測定値St は、鮮度の基準となる値である。
S32 鮮度を測定する対象である第二の飲食物を第二の条件の下に置く前に該第二の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第二の測定値Sa を得る段階である。第二の条件は、例えば、第二の飲食物が輸送されたり、倉庫に保管されたり、店頭に並べられたりするときの温度等の条件である。
S33 前記第一の飲食物を所定の条件で保存する段階である。
S34 前記第一の条件で保存された前記第一の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第三の測定値St'を得る段階である。
S35 前記第二の条件の下に置かれた第二の飲食物の溶液に前記味覚センサを浸漬してその味を測定し第四の測定値Sa'を得る段階である。
S36 前記第一の測定値と前記第二の測定値の差と前記第三の測定値と前記第四の測定値の差との差{(Sa'−St')−(Sa −St )}に基づいて前記第二の飲食物の鮮度を求める段階である。
【0028】
この方法によれば、飲食物の製造ロットの間に鮮度の測定に影響するような味の差があるときでも、全ロットについて第一の飲食物を保存する必要はなく、いずれかのロットの飲食物を代表として保管すれば足りる。ロット間の味の差は{(Sa'−St')−(Sa −St )}の演算をすることで吸収される。
【0029】
ここで、第三の実施の形態の鮮度測定方法による実験について述べる。
測定対象は缶入り緑茶である。味覚センサは、前述の表4に示す脂質をそれぞれ含む脂質膜8種類を用いた8チャンネル(1ch〜8ch)の味覚センサである。基準液は鮮度の基準となる緑茶と同じ条件で保存された緑茶を用いた。保存は冷蔵庫で行い、温度は1℃である。
【0030】
測定手順は次のとおりである。
1) 保存液(基準液と同じもの)に味覚センサをほぼ10時間浸漬する。
2) 基準液(洗浄用)に味覚センサを10回出し入れし、洗浄する。
3) 基準液(測定用)に味覚センサを浸漬し、10秒後に味覚センサの電位を測定し、測定値をSt とする。
4) 手順2)、3)を2回以上繰り返し、測定ごとに今回の測定値St と前回の測定値St の差が0.3mV以下かどうかを判断し、0.3mV以下(つまりSt が安定したら)であれば、手順5)へ進む。
5) 測定対象である緑茶(洗浄用)に味覚センサを10回出し入れし、洗浄する。
6) 測定対象である緑茶(測定用)に味覚センサを浸漬し、10秒後に味覚センサの電位Sa を測定する。
7) 30日後に、手順2)〜8)を繰り返して、基準液の測定値St'と測定対象である緑茶の測定値Sa'を得る。測定対象の緑茶は、30日の間、温度50℃の条件(第二の条件)下に置かれる。
緑茶の鮮度は{(Sa'−St')−(Sa −St )}と相関が高く、この値を鮮度の目安とすることができる。
【0031】
図4は、本発明の鮮度測定方法の第四の実施の形態を示す流れ図であり、請求項4に対応するものである。
S41 測定対象である飲食物の被測定溶液を複数準備する段階である。
S42 該複数の被測定溶液をそれぞれ異なる温度で所定時間保存する段階である。
S43 該所定時間保存された複数の被測定溶液のそれぞれについて前記味覚センサを浸漬してその味を測定し、該複数の被測定溶液それぞれの測定値を得る段階である。
S44 得られた複数の前記測定値と前記温度とに関連した回帰曲線を求める段階である。
S45 該回帰曲線に基づいて所望温度における鮮度の補正値を得る段階である。
S46 所望時間後の所望温度における鮮度の補正値を、回帰曲線に基づいて得られた所望温度における鮮度の補正値に前記所望時間と前記所定時間の比の値を掛けて、求める段階である。
【0032】
S47 鮮度の基準となる第一の飲食物を所定の第一の条件で保存する前に該第一の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第一の測定値St を得る段階である。
第一の飲食物は鮮度の基準となる値を提供するために保存される飲食物である。したがって、前記所定の第一の条件は、時間が経過しても、第一の飲食物の味がなるべく変化しないような条件、温度なら例えば0℃〜5℃、である。
第一の測定値St は、鮮度の基準となる値である。
S48 鮮度を測定する対象である第二の飲食物を第二の条件の下に置く前に該第二の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第二の測定値を得る段階である。第二の条件は、例えば、第二の飲食物が輸送されたり、倉庫に保管されたり、店頭に並べられたりするときの温度等の条件である。
S49 前記第一の飲食物を所定の条件で保存する段階である。
S50 前記第一の条件で保存された前記第一の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第三の測定値を得る段階である。
S51 前記第二の条件の下に置かれた第二の飲食物の溶液に前記味覚センサを浸漬してその味を測定し第四の測定値を得る段階である。
S52 前記第一の測定値と前記第二の測定値の差と前記第三の測定値と前記第四の測定値の差との差および前記補正値に基づいて前記第二の飲食物の鮮度を求める段階である。
【0033】
図6は、本発明の鮮度測定方法での各測定値の関係を示す図である。
図で、縦軸は味覚センサの出力を、横軸は飲食物の製造や出荷等の鮮度の基準となる日からの経過した日数を示している。また、St は鮮度の基準となる第一の飲食物の鮮度の基準となる日における測定値、Sa は鮮度を測定する対象である第二の飲食物の鮮度の基準となる日における測定値、St'は鮮度の基準となる第一の飲食物の所定日数経過後の測定値、Sa'は鮮度を測定する対象である第二の飲食物の所定日数経過後の測定値、Sa'' はSa を線分St St'に平行に移動して求めた所定日数経過後の点である。
【0034】
この図を用いて、前述の実施の形態について説明すると、第一の実施の形態では、鮮度の基準となる第一の飲食物をなるべく鮮度が落ちないような所定の条件で保存しているので、所定日数経過した時点での鮮度は、第二の飲食物としてサンプリングした飲食物の測定値Sa'とSt'との差を目安とする。第二の実施の形態では、鮮度の基準となる第一の飲食物を保存せずにSt を記憶しておいて、所定日数経過した時点での鮮度は、第二の飲食物としてサンプリングした飲食物の測定値Sa'とSt との差を目安とする。この実施の形態では、第一の飲食物の劣化によるyが測定結果に含まれない。第三の実施の形態では、{(Sa'−St')−(Sa −St )}、即ちxを鮮度の目安とする。この実施の形態では、製造ロットの間に味の差(Sa −St )があったとしても、{(Sa'−St')−(Sa −St )}を求めるので、全ロットについて第一の飲食物を準備する必要はない。第三の実施の形態も、第一の飲食物の劣化によるyが測定結果に含まれてしまう。このyが鮮度の測定に影響するような値になるものについては、次の第四の実施の形態のように、yについての補正を行う。
【0035】
図7は、本発明の鮮度測定方法の第四の実施の形態での補正係数を求める回帰曲線を示す図である。図で、縦軸は味覚センサの出力、横軸は保存温度である。
飲食物としては、缶入りの緑茶を用いた。10℃、20℃、30℃、40℃、50℃で3日間保存した緑茶をそれぞれ味覚センサで測定し、その測定値から図のような回帰曲線を求め、0℃や1℃の場合のyを推定する。例えば、1℃のとき3日間で0.1mVのセンサ出力だとすると、1℃30日間では1mVになる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、両親媒性物質を含む分子膜を有する味覚センサを用いて飲食物の鮮度を測定することとしたから、測定時間が短くて済む、感度が官能検査に劣らない、評価が数値化できる飲食物の鮮度測定方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鮮度測定方法の第一の実施の形態を示す流れ図である。
【図2】本発明の鮮度測定方法の第二の実施の形態を示す流れ図である。
【図3】本発明の鮮度測定方法の第三の実施の形態を示す流れ図である。
【図4】本発明の鮮度測定方法の第四の実施の形態を示す流れ図である。
【図5】本発明の鮮度測定方法の第一の実施の形態での実験結果を示す図である。
【図6】本発明の鮮度測定方法での各測定値の関係を示す図である。
【図7】本発明の鮮度測定方法の第四の実施の形態での補正係数を求める回帰曲線を示す図である。
【図8】脂質膜を化学物の設計で使われている表現方法で表した模式図である。
【図9】脂質膜を用いたセンサプローブの概略構成を示す断面図である。
【図10】測定系を示す図である。
【図11】測定手順を示す流れ図である。
【符号の説明】
1 脂質膜
2 脂質性分子
3 脂質性分子群
4 膜部材
5 マトリックス
6 センサプローブ
7 基材(円筒)
8 電極
9 緩衝層
10 測定系
11 被測定溶液
12 容器
13 参照電極
14 緩衝層
15 リード線
16 リード線
17 バッファ増幅器
18 A/D変換器
19 マイクロコンピュータ
20 X−Yレコーダ
21 シールド

Claims (4)

  1. 両親媒性物質を含む分子膜を有する味覚センサを用いて飲食物の鮮度を測定する鮮度測定方法であって、鮮度の基準となる第一の飲食物を所定の条件で保存する段階(S11)と、前記所定の条件で保存された前記第一の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第一の測定値を得る段階(S12)と、鮮度を測定する対象である第二の飲食物の溶液に前記味覚センサを浸漬してその味を測定し第二の測定値を得る段階(S13)と、前記第一の測定値と前記第二の測定値の差に基づいて前記第二の飲食物の鮮度を求める段階(S14)とを含む鮮度測定方法。
  2. 両親媒性物質を含む分子膜を有する味覚センサを用いて飲食物の鮮度を測定する鮮度測定方法であって、鮮度の基準となる第一の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第一の測定値を得て該第一の測定値を記憶する段階(S21)と、鮮度を測定する対象である第二の飲食物の溶液に前記味覚センサを浸漬してその味を測定し第二の測定値を得る段階(S22)と、記憶された前記第一の測定値と前記第二の測定値の差に基づいて前記第二の飲食物の鮮度を求める段階(S23)とを含む鮮度測定方法。
  3. 両親媒性物質を含む分子膜を有する味覚センサを用いて飲食物の鮮度を測定する鮮度測定方法であって、鮮度の基準となる第一の飲食物を所定の第一の条件で保存する前に該第一の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第一の測定値を得る段階(S31)と、鮮度を測定する対象である第二の飲食物を第二の条件の下に置く前に該第二の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第二の測定値を得る段階(S32)と、前記第一の飲食物を所定の第一の条件で保存する段階(S33)と、前記第一の条件で保存された前記第一の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第三の測定値を得る段階(S34)と、前記第二の条件の下に置かれた第二の飲食物の溶液に前記味覚センサを浸漬してその味を測定し第四の測定値を得る段階(S35)と、前記第一の測定値と前記第二の測定値の差と前記第三の測定値と前記第四の測定値の差との差に基づいて前記第二の飲食物の鮮度を求める段階(S36)とを含む鮮度測定方法。
  4. 両親媒性物質を含む分子膜を有する味覚センサを用いて飲食物の鮮度を測定する鮮度測定方法であって、測定対象である飲食物の被測定溶液を複数準備する段階(S41)と、該複数の被測定溶液をそれぞれ異なる温度で所定時間保存する段階(S42)と、該所定時間保存された複数の被測定溶液のそれぞれについて前記味覚センサを浸漬してその味を測定し、該複数の被測定溶液それぞれの測定値を得る段階(S43)と、得られた複数の前記測定値と前記温度とに関連した回帰曲線を求める段階(S44)と、該回帰曲線に基づいて所望温度における鮮度の補正値を得る段階(S45)と、所望時間後の所望温度における鮮度の補正値を、回帰曲線に基づいて得られた所望温度における鮮度の補正値に前記所望時間と前記所定時間の比の値を掛けて、求める段階(S46)と、鮮度の基準となる第一の飲食物を所定の第一の条件で保存する前に該第一の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第一の測定値を得る段階(S47)と、鮮度を測定する対象である第二の飲食物を第二の条件の下に置く前に該第二の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第二の測定値を得る段階(S48)と、前記第一の飲食物を所定の第一の条件で保存する段階(S49)と、前記第一の条件で保存された前記第一の飲食物の溶液に味覚センサを浸漬してその味を測定し第三の測定値を得る段階(S50)と、前記第二の条件の下に置かれた第二の飲食物の溶液に前記味覚センサを浸漬してその味を測定し第四の測定値を得る段階(S51)と、前記第一の測定値と前記第二の測定値の差と前記第三の測定値と前記第四の測定値の差との差および前記補正値に基づいて前記第二の飲食物の鮮度を求める段階(S52)とを含む鮮度測定方法。
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