JP4259417B2 - ステアリング支持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ステアリングホイール、ステアリングシャフト、ステアリングギヤボックスを含んで構成されたステアリング装置に適用されるステアリング支持構造に関する。
前面衝突時における入力荷重が大きい場合、ステアリングギヤボックス及びステアリングシャフトを介してステアリングホイールが特定の変位挙動を示すことがある。この種の変位挙動から乗員を保護するべく、従来から種々の技術が開発されている。
例えば、下記特許文献1に開示された技術では、図6及び図7に示されるように、左右一対のフロントサイドメンバ100間に車両幅方向を長手方向として配置されるフロントクロスメンバ102の底壁部102Aに車両幅方向に長い長孔104が形成されている。これにより、フロントクロスメンバ102は、上部よりも下部の方が低剛性化されている。そして、このフロントクロスメンバ102の前壁部102Bにブラケット106を介してステアリングギヤボックス108が取り付けられている。
上記構成によれば、図6に示されるように、前面衝突時、図示しないエンジンユニットを介してステアリングギヤボックス108に車両後方側への所定値以上の荷重が入力されると、その荷重はブラケット106を介してフロントクロスメンバ102に入力される。フロントクロスメンバ102の上部は下部よりも相対的に剛性が高いため、上部は車両前後方向にはあまり潰れず、下部が車両前後方向に大きく潰れる。この塑性変形量の差により、ステアリングギヤボックス108に連結されたステアリングシャフト110に車両前方側への回転変位が生じ、ステアリングシャフト110の上端部に固定されたステアリングホイール112が車両前方側(図6の矢印B方向側)へ引き込まれる。つまり、乗員から遠ざかる方へ(二点鎖線図示位置から実線図示位置へ)ステアリングホイール112が変位される。これにより、前面衝突時における乗員胸部の保護性能を高めている。
特開2002−104247号公報
しかしながら、上記先行技術による場合、フロントクロスメンバ102の底壁部102Aに車両幅方向に沿って長い長孔104を形成して剛性を意図的に落としているが、フロントクロスメンバ102はフロントサイドメンバ100と共に車体構造部材(車体骨格部材)として機能する部材であるため、車体の剛性確保の観点からは好ましくない。
本発明は上記事実を考慮し、車体剛性に影響を与えることなく、前面衝突時にステアリングホイールとの関係における乗員胸部の保護性能を高めることができるステアリング支持構造を得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係るステアリング支持構造は、エンジンルームとキャビンとを隔成するダッシュパネルを貫通した状態で車体側に軸線回りに回転可能に支持されたステアリングシャフトと、このステアリングシャフトの後端部に固定され操舵力が付与されるステアリングホイールと、ステアリングシャフトの前端部に配置されステアリングシャフトを介して伝達された回転力を操舵角変更のための出力に変換するステアリングギヤボックスと、を含んで構成されたステアリング装置に適用されるステアリング支持構造であって、ステアリングシャフトをステアリングギヤボックスよりも車両上方側となる所定位置にて車両幅方向に沿う中心線回りに回動可能に支持する支持手段と、ダッシュパネルの裏面側に車両幅方向を長手方向として配置されると共に当該ダッシュパネルとで閉断面部を構成するクロスメンバによって構成され、前面衝突時にステアリングギヤボックスよりも車両前方側に配置されたユニットが車両後方側へ所定量以上変位してステアリングギヤボックスの中心位置より下側の下部に当接した際に、当該ユニットの当接部位とでステアリングギヤボックスの下部を挟み込んでステアリングギヤボックスを車両上方側へ押し出す変位手段と、を有することを特徴としている。
請求項2記載の本発明に係るステアリング支持構造は、エンジンルームとキャビンとを隔成するダッシュパネルを貫通した状態で車体側に軸線回りに回転可能に支持されたステアリングシャフトと、このステアリングシャフトの後端部に固定され操舵力が付与されるステアリングホイールと、ステアリングシャフトの前端部に配置されステアリングシャフトを介して伝達された回転力を操舵角変更のための出力に変換するステアリングギヤボックスと、を含んで構成されたステアリング装置に適用されるステアリング支持構造であって、ステアリングシャフトをステアリングギヤボックスよりも車両上方側となる所定位置にて車両幅方向に沿う中心線回りに回動可能に支持する支持手段と、ステアリングギヤボックスよりも車両前方側に配置されたユニットが前面衝突時に車両後方側へ所定量以上変位することによりステアリングギヤボックスを車両上方側へ変位させてステアリングシャフトを支持手段の中心線回りに回動させる変位手段と、を有し、前記変位手段は、前記ユニットと前記ダッシュパネルとを車両前後方向に連結すると共にステアリングギヤボックスの下方に配置され、前面衝突時の荷重が入力されることにより中間部で屈曲して当該屈曲部がステアリングギヤボックスを車両上方側へ突き上げるブラケットである、ことを特徴としている。
請求項1記載の本発明によれば、ステアリングシャフトはダッシュパネルを貫通した状態で車体側に支持されており、後端部にはステアリングホイールが固定され、前端部にはステアリングギヤボックスが配置されている。乗員がステアリングホイールを操作すると、それに伴ってステアリングシャフトが軸線回りに回転され、ステアリングギヤボックスに回転力が伝達される。ステアリングギヤボックスでは、入力された回転力が操舵角変更のための出力に変換され、これにより操舵角が変更される。
ここで、前面衝突すると、その際の衝突荷重によってエンジンルーム内に配置されたユニットが車両後方側へ変位することがある。ユニットの車両後方側にはステアリングギヤボックスが配置されており、又ダッシュパネルの裏面側には車両幅方向を長手方向として配置されると共に当該ダッシュパネルとで閉断面部を構成するクロスメンバが設けられている。なお、この閉断面部はダッシュパネルの一般部に比べて剛性が高くなる。このため、ユニットが所定量以上車両後方側へ変位してステアリングギヤボックスの中心位置より下側の下部に当接すると、当該ユニットの当接部位と変位手段であるクロスメンバとでステアリングギヤボックスの下部を挟み込む。そして、更にユニットの当接部位が車両後方側へ変位しようとすることにより、ステアリングギヤボックスが車両上方側へ押し出される。ステアリングギヤボックスと連結されたステアリングシャフトは、支持手段によってステアリングギヤボックスよりも車両上方側となる所定位置にて回動可能に支持されているため、ステアリングギヤボックスが車両上方側へ変位すると、ステアリングシャフトが車両幅方向に沿う中心線回りに車両下方側へ回動される。その結果、ステアリングシャフトの後端部に固定されたステアリングホイールが乗員の胸部から離間する方向へ変位される。
しかも、本発明では、従来技術のように車体構成部材の剛性を意図的に低下させて構成を成立させるものとは異なるので、車体剛性が犠牲になることもない。むしろ、ダッシュパネルの裏面側にクロスメンバを配置して閉断面部を形成しているので、車体剛性も高くなる。その結果、ステアリングギヤボックスの下部をユニットの当接部と変位手段であるクロスメンバとで挟み込んで車両上方側へ押し出すという動作が確実に行われる。
請求項2記載の本発明によれば、ユニットとダッシュパネルとはステアリングギヤボックスの下方に配置されたブラケットによって車両前後方向に連結されている。そして、前面衝突時の入力荷重が所定値以上であると、ブラケットが中間部で屈曲してステアリングギヤボックスを車両上方側へ突き上げる。
従って、本発明によれば、ユニットがステアリングギヤボックスに干渉する以前の時点、つまりユニットが車両後方側へ変位し始めた時点からブラケットの屈曲が始まり、ステアリングギヤボックスを車両上方側へ突き上げさせることができる。このため、前面衝突時の早い段階で、ステアリングシャフトを車両幅方向に沿った中心線回りに回動させることが可能となる。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係るステアリング支持構造は、ステアリングシャフトをステアリングギヤボックスよりも車両上方側となる所定位置にて車両幅方向に沿う中心線回りに回動可能に支持する支持手段と、ダッシュパネルの裏面側に車両幅方向を長手方向として配置されると共に当該ダッシュパネルとで閉断面部を構成するクロスメンバによって構成され、前面衝突時にステアリングギヤボックスよりも車両前方側に配置されたユニットが車両後方側へ所定量以上変位してステアリングギヤボックスの中心位置より下側の下部に当接した際に、当該ユニットの当接部位とでステアリングギヤボックスの下部を挟み込んでステアリングギヤボックスを車両上方側へ押し出す変位手段と、を有するので、前面衝突時にステアリングホイールを乗員の胸部から離間する方向へ変位させることができ、その結果、車体剛性に影響を与えることなく、前面衝突時にステアリングホイールとの関係における乗員胸部の保護性能を高めることができるという優れた効果を有する。
また、請求項1記載の本発明に係るステアリング支持構造は、ダッシュパネルの裏面側に車両幅方向を長手方向として配置され当該ダッシュパネルとで閉断面部を構成するクロスメンバによって変位手段を構成したので、ステアリングギヤボックスの車両上方側への押出し効果の確実化及び車体剛性の向上の両立を図ることができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係るステアリング支持構造は、ユニットとダッシュパネルとを車両前後方向に連結すると共にステアリングギヤボックスの下方に配置され、前面衝突時の荷重が入力されることにより中間部で屈曲して当該屈曲部がステアリングギヤボックスを車両上方側へ突き上げるブラケットによって上述した変位手段を構成したので、前面衝突時にステアリングホイールを乗員の胸部から離間する方向へ変位させることができ、その結果、車体剛性に影響を与えることなく、前面衝突時にステアリングホイールとの関係における乗員胸部の保護性能を高めることができると共に、前面衝突時の早い段階でステアリングシャフトを車両幅方向に沿った中心線回りに回動させることができ、その結果、前面衝突時にステアリングホイールとの関係における乗員胸部の保護性能をより一層高めることができるという優れた効果を有する。
〔第1実施形態〕
以下、図1を用いて、本発明に係るステアリング支持構造の第1実施形態について説明する。なお、図1に付記した矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示している(後述する図2以降も同じ)。
図1に示されるように、エンジンユニット10等が配設されるエンジンルーム12と乗員を収容するキャビン14とは、ダッシュパネル16によって隔成されている。ダッシュパネル16は略垂直に配置されており、その下端部は図示しないフロアパネルにスポット溶接により結合されている。なお、ダッシュパネル16の上端部は、図示しないウインドシールドガラスの下縁に沿って車両幅方向に配置されるカウルの下面側にスポット溶接により結合されている。
上述したダッシュパネル16の運転席側の所定位置には、略円筒形状に形成されたステアリングコラムチューブ18を挿通させるための開口部20が形成されている。この開口部20を利用してステアリングコラムチューブ18が斜めに配置されている。ステアリングコラムチューブ18内の軸方向の適宜位置には図示しないベアリングが複数個配設されており、これによりステアリングコラムチューブ18内にステアリングシャフト22がその軸線回りに回転可能に収容されている。ステアリングシャフト22の後端部には、操舵角変更操作用のステアリングホイール24が固定されている。従って、乗員(ドライバ)がステアリングホイール24を回転操作すると、同一回転方向に同一回転量だけステアリングシャフト22が回転するようになっている。
一方、ステアリングシャフト22の前端部はエンジンルーム12内に配置されており、ステアリングギヤボックス26に連結されている。ステアリングギヤボックス26はエンジンユニット10とダッシュパネル16との間に配置されており、ステアリングシャフト22を介して入力された回転力を操舵角変更のための出力に変換している。因みに、ステアリングギヤボックス26はラックアンドピニオン形式及びリサーキュレーティングボール形式のいずれでもよいが、一般に採用されることが多いラックアンドピニオン形式を例にすれば、ステアリングギヤボックス26内には車両幅方向に沿って移動可能に配置されたラックバーの一部及びこれに噛み合うピニオンシャフトが収容されており、かかるピニオンシャフトにステアリングシャフト22の前端部が連結されることになる。
なお、ステアリングシャフト22は、通常は、ステアリングメインシャフトとインターミディエイトシャフトといった複数本のシャフトで構成されており、ユニバーサルジョイントによって回転力を伝達可能に連結される構成を採っている。
上述したステアリングコラムチューブ18は、車両幅方向を長手方向として配置された高強度部材であるインパネリインフォース28に支持されている。具体的には、インパネリインフォース28はパイプ状に形成されており、図示しないインストルメントパネルの内方に配設されている。インパネリインフォース28における運転席側の所定位置には、ステアリングコラムチューブ18及びステアリングシャフト22を支持する支持手段としてのステアリングサポート30が配置されている。ステアリングサポート30は通常インパネリインフォース28の下側に斜めに配置されており、その下面前後にはウエルドナット32が予め溶着されている。
また、上記インパネリインフォース28にはその上方側から支持手段としてのクランプ34が被嵌されており、ボルト36がウエルドナット32に螺合されることにより、ステアリングサポート30が所定の締結力でインパネリインフォース28に固定されている。但し、ボルト36の締付トルクよりも高い荷重がステアリングサポート30に作用すると、ステアリングコラムチューブ18はインパネリインフォース28(中心線O)回りに回転することが可能である。
上述したダッシュパネル16のキャビン側の面には、車両幅方向を長手方向とする断面ハット形状の変位手段及び高剛性部としてのクロスメンバ38がスポット溶接等により固定されている。これにより、クロスメンバ38とダッシュパネル16とで閉断面部40が形成されている。上記クロスメンバ38の上壁部38Aは、前述したステアリングギヤボックス26の中心位置Pよりも車両下方側に配置されている。また、前述したエンジンユニット10の上部後端10A(この部分が本発明における干渉部に相当する)も、ステアリングギヤボックス26の中心位置Pよりも車両下方側に配置されている。さらに、エンジンユニット10の上部後端10A、クロスメンバ38の上壁部38A、ステアリングギヤボックス26の中心位置Pよりも下側に位置する下部26Aの三者は、高さ方向(車両上下方向)にオーバーラップするように配置されている。
〔本実施形態の作用並びに効果〕
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
乗員(ドライバ)がステアリングホイール24を回転させると、これに伴ってステアリングシャフト22が軸線回りに回転される。ステアリングシャフト22の回転力はステアリングギヤボックス26に伝達され、ラックアンドピニオン形式のステアリングギヤボックスであれば、ステアリングシャフト22の回転運動がラックバーの直線運動に変換される。これにより、ラックバーが車両幅方向の右側又は左側へ移動され、操舵角が変更される。
ここで、上記車両が前面衝突すると、その際の衝突荷重によってエンジンルーム12内に配置されたエンジンユニット10が車両後方側へ変位することがある。エンジンユニット10の車両後方側にはステアリングギヤボックス26が配置されているため、エンジンユニット10が所定量以上車両後方側へ変位すると、エンジンユニット10の上部後端10Aがステアリングギヤボックス26の下部26Aに干渉し、当該ステアリングギヤボックス26の下部26Aをダッシュパネル16側へ押し付ける。ダッシュパネル16側には高強度のクロスメンバ38の上壁部38Aが配置されているため、ステアリングギヤボックス26の下部26Aはエンジンユニット10の上部後端10Aとクロスメンバ38の上壁部38Aとで挟持された状態となる。
そして、更にエンジンユニット10の上部後端10Aが車両後方側へ変位しようとすることにより、ステアリングギヤボックス26に車両上方側への押上げ力が作用する。このため、ステアリングギヤボックス26が車両上方側へ押し出されるかたちとなり(移動後の中心位置をP’で示す)、当該車両上方側への突き上げ力がクランプ34の締結力を超えると、ステアリングコラムチューブ18ひいてはステアリングシャフト22がインパネリインフォース28の中心線O回りに図1において時計方向(矢印A方向)へ回動される。その結果、ステアリングシャフト22の後端部に固定されたステアリングホイール24が乗員の胸部から離間する方向へ変位される。すなわち、ステアリングホイール24は、実線図示位置から二点鎖線図示位置に変位される。
しかも、本実施形態に係るステアリング支持構造では、従来技術のように車体構成部材の剛性を意図的に低下させて構成を成立させるものとは異なるので、車体剛性が犠牲になることもない。
以上より、本実施形態に係るステアリング支持構造によれば、前面衝突時にステアリングホイール24を乗員の胸部から離間する方向へ変位させることができ、その結果、車体剛性に影響を与えることなく、前面衝突時にステアリングホイール24との関係における乗員胸部の保護性能を高めることができる。
また、本実施形態に係るステアリング支持構造では、変位手段としてクロスメンバ38をダッシュパネル16に設定する構成を採ったので、ステアリングギヤボックス26の下部26Aをエンジンユニット10の上部後端10Aとクロスメンバ38の上壁部38Aとで挟み込んで車両上方側へ押し出すという動作が確実に行われる。従って、前面衝突時にステアリングシャフト22を確実に図1の矢印A方向へ回動させることができる。
さらに、本実施形態に係るステアリング支持構造では、断面ハット形状のクロスメンバ38をダッシュパネル16の裏面側に取り付けることにより、この部分に閉断面部40が形成される。従って、クロスメンバ38が配設された部分はダッシュパネル16の一般部16Aに比べて剛性が高くなるため、車体全体の剛性を高めることができる。すなわち、本実施形態によれば、ステアリングギヤボックス26の車両上方側への押出し効果の確実化及び車体剛性の向上の両立を図ることができる。
〔第2実施形態〕
以下、図2を用いて、第2実施形態について説明する。なお、この第2実施形態は参考例とする。また、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
この図に示されるように、本実施形態では、高剛性部としてクロスメンバ38の替わりにフロアトンネル部50を利用した点に特徴がある。
具体的に説明すると、フロアトンネル部50は図示しないフロアパネルの中央部に車両前後方向を長手方向として配置されており、本実施形態では、その前端部50Aをダッシュパネル16に沿って車両上方側へ立ち上げ、ダッシュパネル16にスポット溶接等によって結合させている。そして、フロアトンネル部50の前端部50Aの上壁部50A’をステアリングギヤボックス26の中心位置Pよりも下方側に配置させている。なお、フロアトンネル部50は断面ハット形状をしているため、ダッシュパネル16に結合された状態では、当該前端部50Aとダッシュパネル16とで閉断面部52が形成される。
上記構成によっても、前述した第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。すなわち、前面衝突時にエンジンユニット10の上部後端10Aが車両後方側へ変位し、ステアリングギヤボックス26の下部26Aに干渉すると、当該下部26Aがエンジンユニット10の上部後端10Aとフロアトンネル部50の前端部50Aの上壁部50A’との間に挟み込まれ、なおもエンジンユニット10の上部後端10Aが車両後方側へ変位しようとすることにより、ステアリングギヤボックス26の下部26Aが車両上方側へ押し出される。その結果、ステアリングコラムチューブ18、ひいてはステアリングシャフト22がインパネリインフォース28回りに矢印A方向側へ回動し、ステアリングホイール24が車両下方側へ(実線図示位置から二点鎖線図示位置へ)回転変位する。
以上より、本実施形態に係るステアリング支持構造によっても、前面衝突時にステアリングホイール24を乗員の胸部から離間する方向へ変位させることができ、その結果、車体剛性に影響を与えることなく、前面衝突時にステアリングホイール24との関係における乗員胸部の保護性能を高めることができる。
また、本実施形態によっても、フロアトンネル部50の前端部50Aをダッシュパネル16に沿って立ち上げさせ、ダッシュパネル16に結合させることにより閉断面部52が形成される構成であるため、当該前端部50Aが配設された部分はダッシュパネル16の一般部16Aに比べて剛性が高くなる。従って、車体全体の剛性を高めることができる。よって、本実施形態によっても、ステアリングギヤボックス26の車両上方側への押出し効果の確実化及び車体剛性の向上の両立を図ることができる。
加えて、本実施形態に係るステアリング支持構造の場合、反力を確保するための高剛性部、即ちフロアトンネル部50の前端部50Aがダッシュパネル16に結合されているだけでなく、前端部50Aと一体を成すフロアトンネル部50の本体部50Bがフロアパネルに結合されているため、フロアパネルでの結合剛性を前記反力確保に効かせることができる。従って、第1実施形態の場合よりも、より高い剛性を確保することができるというメリットがある。
〔第3実施形態〕
以下、図3〜図5を用いて、本発明に係るステアリング支持構造の第3実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
これらの図に示されるように、本実施形態では、エンジンユニット10とダッシュパネル16との間に変位手段としてのブラケット60を介在させた点に特徴がある。
具体的に説明すると、図5に示されるように、ブラケット60は、車両前後方向を長手方向として形成されかつ断面コ字状とされた鋼板のプレス成形品によって構成されている。ブラケット60は側面視では略「へ」の字状をなしており、前部60A、中間部60B、後部60Cを備えている。前部60Aの前端部には互いに離反する方向へ屈曲された左右一対のフランジ部62が形成されており、かかるフランジ部62がエンジンユニット10の後端面にボルト64で固定されている。また、後部60Cの後端部には互いに離反する方向へ屈曲された左右一対のフランジ部66が形成されており、かかるフランジ部66がダッシュパネル16の前面にボルト68及びナット70で固定されている。また、ブラケット60の中間部60Bには両側部が無く頂壁部のみによって構成されており、このためブラケット60は中間部60Bにて低剛性化されている。
図1に示されるように、上述したブラケット60は、ステアリングギヤボックス26の下方でかつ平面視でステアリングギヤボックス26と重なる位置に配置されている。
また、ダッシュパネル16の裏面側には、ブラケット60の後部60Cが固定される位置を補強するための断面ハット形状の補強部材72がスポット溶接等により固定されている。なお、この補強部材72は、第1実施形態で用いたクロスメンバ38で代用することも可能である。
上記構成によれば、組付状態では、図3に示されるように、エンジンユニット10とダッシュパネル16とは、ステアリングギヤボックス26の下方に配置されたブラケット60によって車両前後方向に連結されている。
この状態から図4に示されるように、前面衝突時となり、エンジンユニット10を介して所定値以上の荷重がブラケット60に入力されると、ブラケット60は剛性が低い中間部60Bを起点として屈曲し、車両上方側へ山形に折れ曲がる。このため、ブラケット60の中間部60Bがステアリングギヤボックス26の下部26Aを車両上方側へ突き上げる。これにより、ステアリングコラムチューブ18ひいてはステアリングシャフト22がインパネリインフォース28回りに図4の矢印A方向へ回動される。よって、本実施形態によっても、前面衝突時にステアリングホイール24を乗員の胸部から離間する方向へ変位させることができ、その結果、車体剛性に影響を与えることなく、前面衝突時にステアリングホイール24との関係における乗員胸部の保護性能を高めることができる。
特に、本実施形態の場合、エンジンユニット10がステアリングギヤボックス26の下部26Aに干渉する以前の時点、つまりエンジンユニット10が車両後方側へ変位し始めた時点からブラケット60の屈曲が始まり、ステアリングギヤボックス26の下部26Aを車両上方側へ突き上げさせることができるため、前面衝突時の早い段階でステアリングシャフト22をインパネリインフォース28回りに回動させることができる。その結果、本実施形態によれば、前面衝突時にステアリングホイール24との関係における乗員胸部の保護性能をより一層高めることができる。
さらに、本実施形態の場合、ステアリングギヤボックス26の下部26Aに対するブラケット60の車両上下方向の離間距離を縮める等すれば、ステアリングシャフト22の回動開始時期を早めることができるだけでなく、ステアリングシャフト22の回転量を増やすことも可能になる。従って、ブラケット60の形状や長さ、配設位置等を調整することにより、種々の観点からのチューニングを比較的容易に行うことができるというメリットもある。また、ブラケット60の塑性変形によるエネルギー吸収効果も期待できる。
〔実施形態の補足説明〕
なお、上述した各実施形態に係るステアリング支持構造では、エンジンユニット10を例にして説明したが、必ずしもエンジンの一部を構成する部分である必要はなく、エンジン以外の他の部分のユニットであってもよい。
補足すると、一般にはステアリングギヤボックス26は図1等に図示した位置よりも車両前方側に配置されることが多いが、昨今ではエンジンルーム12内のスペースを狭くしたショートオーバーハングタイプの車両が種々開発されており、その場合、エンジンユニット10等がダッシュパネル16にかなり接近した位置に配置されることから、本発明はそのような車種に対して特に有効である。
また、上述した各実施形態に係るステアリング支持構造では、ステアリングコラムチューブ18の回転中心としてインパネリインフォース28を利用したが、これに限らず、インパネリインフォース28とは別個独立の回転中心を設定してもよい。
さらに、上述した第1実施形態に係るステアリング支持構造では、クロスメンバ38をダッシュパネル16の裏面側(後面側)に配設したが、これに限らず、ダッシュパネル16の表面側(前面側)にクロスメンバ38を配設してもよい。
第1実施形態に係るステアリング支持構造の全体構成を示す一部を断面とした側面図である。 第2実施形態に係るステアリング支持構造の全体構成を示す一部を断面とした側面図である。 第3実施形態に係るステアリング支持構造の全体構成を衝突前の状態で示す一部を断面とした側面図である。 第3実施形態に係るステアリング支持構造の全体構成を衝突後の状態で示す一部を断面とした側面図である。 図3及び図4に示されるブラケットを示す拡大斜視図である。 従来例に係るステアリング支持構造の全体構成を示す一部を断面とした側面図である。 図6に示されるステアリング支持構造の要部を裏面側から観て示す斜視図である。
符号の説明
10 エンジンユニット
10A 上部後端(当接部位
12 エンジンルーム
14 キャビン
16 ダッシュパネル
22 ステアリングシャフト
24 ステアリングホイール
26 ステアリングギヤボックス
26A 下部
28 インパネリインフォース(車体側)
30 ステアリングサポート(支持手段)
34 クランプ(支持手段)
38 クロスメンバ(変位手段)
40 閉断面部
60 ブラケット(変位手段)
60B 中間部

Claims (2)

  1. エンジンルームとキャビンとを隔成するダッシュパネルを貫通した状態で車体側に軸線回りに回転可能に支持されたステアリングシャフトと、このステアリングシャフトの後端部に固定され操舵力が付与されるステアリングホイールと、ステアリングシャフトの前端部に配置されステアリングシャフトを介して伝達された回転力を操舵角変更のための出力に変換するステアリングギヤボックスと、を含んで構成されたステアリング装置に適用されるステアリング支持構造であって、
    ステアリングシャフトをステアリングギヤボックスよりも車両上方側となる所定位置にて車両幅方向に沿う中心線回りに回動可能に支持する支持手段と、
    ダッシュパネルの裏面側に車両幅方向を長手方向として配置されると共に当該ダッシュパネルとで閉断面部を構成するクロスメンバによって構成され、前面衝突時にステアリングギヤボックスよりも車両前方側に配置されたユニットが車両後方側へ所定量以上変位してステアリングギヤボックスの中心位置より下側の下部に当接した際に、当該ユニットの当接部位とでステアリングギヤボックスの下部を挟み込んでステアリングギヤボックスを車両上方側へ押し出す変位手段と、
    を有することを特徴とするステアリング支持構造。
  2. エンジンルームとキャビンとを隔成するダッシュパネルを貫通した状態で車体側に軸線回りに回転可能に支持されたステアリングシャフトと、このステアリングシャフトの後端部に固定され操舵力が付与されるステアリングホイールと、ステアリングシャフトの前端部に配置されステアリングシャフトを介して伝達された回転力を操舵角変更のための出力に変換するステアリングギヤボックスと、を含んで構成されたステアリング装置に適用されるステアリング支持構造であって、
    ステアリングシャフトをステアリングギヤボックスよりも車両上方側となる所定位置にて車両幅方向に沿う中心線回りに回動可能に支持する支持手段と、
    ステアリングギヤボックスよりも車両前方側に配置されたユニットが前面衝突時に車両後方側へ所定量以上変位することによりステアリングギヤボックスを車両上方側へ変位させてステアリングシャフトを支持手段の中心線回りに回動させる変位手段と、
    を有し、
    前記変位手段は、前記ユニットと前記ダッシュパネルとを車両前後方向に連結すると共にステアリングギヤボックスの下方に配置され、前面衝突時の荷重が入力されることにより中間部で屈曲して当該屈曲部がステアリングギヤボックスを車両上方側へ突き上げるブラケットである、
    ことを特徴とするステアリング支持構造。
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