JP4258931B2 - チャイルドシート検知装置およびチャイルドシート検知方法 - Google Patents
チャイルドシート検知装置およびチャイルドシート検知方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チャイルドシート検知装置およびチャイルドシート検知方法に係り、特に、車両シート上にチャイルドシートが装着されているか否かを検知するうえで好適なチャイルドシート検知装置およびチャイルドシート検知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、特開平9−226516号に開示される如く、車両衝突時におけるエアバック装置の作動/不作動を制御すべく、車両シート上にチャイルドシートが装着されているか否かを検知するチャイルドシート検知装置が知られている。このチャイルドシート検知装置は、チャイルドシートの底面に設けられた受動素子と、車両シートの座面に設けられた検出素子と、を備えている。上記のチャイルドシート検知装置は、検出素子が受動素子を検知した場合に、車両シート上にチャイルドシートが装着されていると検知する。この場合には、車両が衝突しても、エアバック装置の展開が禁止される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のチャイルドシート検知装置では、チャイルドシートおよび車両シートに、それぞれ受動素子または検出素子を設ける必要がある。このため、上記従来のチャイルドシート検知装置は、複雑な構成を有するものとなってしまう。
【0004】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、車両シート上にチャイルドシートが装着しているか否かの判定を簡素な構成で精度よく行うことが可能なチャイルドシート検知装置およびチャイルドシート検知方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、車両シート上に配置される複数のセルにより構成されるシートセンサを用いて、車両シートの座面に作用する圧力分布状態を検出する座圧分布検出手段と、前記車両シート上に所定以上に大きな物体が存在している状況下、車両に所定以上の加速度が生じた際、前記座圧分布検出手段の検出結果として全セルのうち荷重が所定以上に変化するセルの数が所定数に満たない場合に、前記車両シート上にシートベルトにより固定されたチャイルドシートが装着されていると判定するチャイルドシート装着判定手段と、を備えることを特徴とするチャイルドシート検知装置により達成される。
【0006】
また、上記の目的は、車両シート上に配置される複数のセルにより構成されるシートセンサを用いて、車両シートの座面に作用する圧力分布状態を検出する座圧分布検出ステップと、前記車両シート上に所定以上に大きな物体が存在している状況下、車両に所定以上の加速度が生じた際、前記座圧分布検出ステップでの検出結果として全セルのうち荷重が所定以上に変化するセルの数が所定数に満たない場合に、前記車両シート上にシートベルトにより固定されたチャイルドシートが装着されていると判定するチャイルドシート装着判定ステップと、を備えることを特徴とするチャイルドシート検知方法により達成される。
【0007】
これらの態様の発明において、車両シートの座面に作用する圧力分布状態が検出される。車両シート上に所定以上に大きな物体が存在している状況下、車両に所定上の加速度が生じた際、車両シートの座面に作用する圧力分布状態が基準状態を越えて変化しない場合は、車両シート上にチャイルドシートが装着されていると判定される。一般に、車両シートに乗員が着座している状況下で車両が加減速する場合は、乗員の体勢が不安定となることで、車両シートの座面における圧力分布状態が大きく変化する。一方、車両シート上にチャイルドシートが装着されている状況下で車両が加減速する場合は、チャイルドシートはシートベルトにより車両シートに確実に固定されているため、車両シートの座面における圧力分布状態はほぼ一定に維持される。従って、車両シートの座面における圧力分布状態の変化に基づいて車両シート上にチャイルドシートが装着しているか否かを判定することが可能である。このため、本発明によれば、車両シート上のチャイルドシートの有無を簡素な構成で精度よく判定することができる。
尚、上記したチャイルドシート検知装置において、車両始動時、前記車両シート上の物体が角張っているか否かに基づいて、前記車両シート上に前記チャイルドシートが装着されているか否かを判定する始動時装着判定手段を備え、前記チャイルドシート装着判定手段は、車両走行時、前記座圧分布検出手段により検出される前記圧力分布状態の変化に基づいて、前記車両シート上に前記チャイルドシートが装着されているか否かを判定することとしてもよい。
更に、上記したチャイルドシート検知方法において、車両始動時、前記車両シート上の物体が角張っているか否かに基づいて、前記車両シート上に前記チャイルドシートが装着されているか否かを判定する始動時装着判定ステップを備え、前記チャイルドシート装着判定ステップは、車両走行時、前記座圧分布検出手段により検出される前記圧力分布状態の変化に基づいて、前記車両シート上に前記チャイルドシートが装着されているか否かを判定することとしてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例であるチャイルドシート検知装置を搭載する車両を助手席側の車両シート10の車幅方向中央を通る平面で切断した際の断面図を示す。本実施例のシステムは、電子制御ユニット(以下、ECUと称す)12を備えている。車両シート10は、車室フロアに固定されたロアシートレール14により車両前後方向に移動可能に案内されている。
【0009】
図1に示す如く、ECU12には、エアバッグモジュール16およびインジケータ18が接続されている。エアバッグモジュール16は、車室内のインストルメントパネル20内に収納されており、ECU12から所定の駆動信号が供給されることにより作動する。また、インジケータ18は、インストルメントパネル20の表面に配設されており、ECU12から所定の点灯信号が供給されることにより点灯する。ECU12は、エアバッグモジュール16の作動を禁止する場合にインジケータ18を点灯させる。
【0010】
ECU12には、車両の始動・停止を切り換えるためのイグニションスイッチ(以下、IGスイッチと称す)22が接続されている。IGスイッチ22は、その状態がオフ、オン、およびスタータオンの3つの状態に順に切り替わるように構成されている。ECU12は、IGスイッチ22の出力信号に基づいてIGスイッチ22がオン状態にあるか否かを判別し、IGスイッチ22がオン状態にあると判別する場合に車両を始動させる。
【0011】
ECU12には、また、前後加速度センサ30、横加速度センサ32、および、上下加速度センサ34が接続されている。前後加速度センサ30は、車両の重心付近に作用する車両進行方向の加速度に応じた信号を出力する。横加速度センサ32は、車両の重心付近に作用する車幅方向の加速度に応じた信号を出力する。また、上下加速度センサ34は、車両の重心付近に作用する鉛直方向の加速度に応じた信号を出力する。ECU12は、前後加速度センサ30、横加速度センサ32、および、上下加速度センサ34の出力信号に基づいて、車両に作用する前後加速度GX 、横加速度GY 、および上下加速度GZ を検出する。
【0012】
図2は、本実施例のチャイルドシート検知装置を備える車両シート10の上面図を示す。図2に示す如く、車両シート10は、着座乗員の尻部を支えるシートクッション40と、着座乗員の背部を支えるシートバック42とを備えている。シートクッション40およびシートバック42は、共に、クッション性のある部材により構成されている。シートクッション40は、その下面において、剛体により構成されるシートクッションパン(図示せず)に保持されている。
【0013】
シートクッション40内の表皮近傍には、該シートクッション40表面の全領域にわたって設けられたシートセンサ44が埋設されている。シートセンサ44は、上記全領域を一定区画ずつに区切る複数(例えば60個)のセル46により構成されている。セル46は、自己の区画上のシートクッション40に所定値未満の荷重が作用する場合は電流が流通せず、所定値以上の荷重が作用する場合にその荷重に応じた電流が流通するように構成されている。
【0014】
各セル46は、それぞれ、ECU12に電気的に接続されている。ECU12は、シートセンサ44の各セルに流通する電流値に基づいて各セルにおける荷重Wijを検出すると共に、それらの荷重の和に基づいて車両シート10のシート座面に作用する荷重WTOTAL を検出する。尚、iは各セル46の車幅方向の番地を、jは各セル46の車両前後方向の番地を、それぞれ表している。
【0015】
図1に示す如く、シートクッション40内の表皮近傍には、また、車幅方向に延在する2本の加圧導電ケーブル48,50が互いに平行に並んで埋設されている。加圧導電ケーブル48,50は、可撓性を有する所定厚さのゴム部材と、該ゴム部材の下面に塗布された導電インクとを備えている。導電インクは、ゴム部材がある程度撓んだ状態で塗布される。このため、加圧導電ケーブル48,50は、シートクッション40の中央付近に上方から荷重が作用した際にその中央部が下方に向けて凸状となるように撓むことができる。また、加圧導電ケーブル48は、その曲率半径が所定値を下回った場合、すなわち、鋭角に撓んだ場合に、電流の流通が停止するように構成されている。
【0016】
各加圧導電ケーブル48,50は、それぞれ、ECU12に電気的に接続されている。ECU12は、加圧導電ケーブル48,50の何れかにおいて電流の流通が停止しているか否か、あるいは、すべての加圧導電ケーブル48,50に電流が流通しているか否かを判別する。
ところで、車両シート10上にチャイルドシート(以下、CRSと称す)が装着されているか否かを判定する手法としては、車両シート10のシート座面に作用する荷重WTOTAL が所定しきい値より小さい場合に車両シート10上にCRSが装着されていると判断することが考えられる。しかしながら、CRSは、走行中に車両シート10に対して移動しないようにシートベルトにより車両シート10に確実に固定されるため、車両シート10のシート座面に作用する荷重WTOTAL が大きくなる場合がある。このため、上記の手法では、車両シート10上にCRSが装着されているか否かを正確に判定することができないおそれがある。
【0017】
また、CRSに受動素子を設けると共に、車両シート10に検出素子を設け、検出素子が受動素子を検知した場合に車両シート10上にCRSが装着されていると判断することが考えられる。しかしながら、かかる手法では、CRSおよび車両シート10に受動素子または検出素子を設ける必要があり、CRSの装着の有無を判定するうえで複雑な構成が必要となってしまう。
【0018】
本実施例においては、IGスイッチ22がオフ状態からオン状態に変化すると、ECU12は、まず、加圧導電ケーブル48,50の曲率半径が所定値を下回っているか否か、すなわち、加圧導電ケーブル48,50に電流が流通しているか否かに基づいて、車両シート10上にCRSが装着されているか否かを判定する。
【0019】
図3(A)は、車両シート10に乗員が着座している場合の加圧導電ケーブル48,50の撓み具合いを示した図である。また、図3(B)は、車両シート10上にCRSが装着されている場合の加圧導電ケーブル48,50の撓み具合いを示した図である。
車両シート10上にCRSが装着されている場合、CRSは、走行中に車両シート10に対して移動しないようにシートベルトにより車両シート10に確実に固定されているため、シートクッション40に作用する荷重は大きくなっている。この場合、シートクッション40は、下方に向けて大きく変形する。また、車両シート10に乗員が着座する場合も、乗員の体重により、シートクッション40は、下方に向けて大きく変形する。
【0020】
シートクッション40に埋設された加圧導電ケーブル48,50は、車両シート10上の物体からの荷重に応じて撓み変形する。一般に、車両シート10に接する乗員の尻部は丸みを帯びている一方、CRSの底面端部は角張っている。このため、図3(A)に示す如く、車両シート10に乗員が着座している場合は、加圧導電ケーブル48,50に、乗員の尻部の形状に応じた曲率半径の大きい撓みが生ずる(図3(A)におけるA点)。一方、図3(B)に示す如く、車両シート10上にCRSが装着されている場合は、加圧導電ケーブル48,50に、CRSの底面端部の形状に応じた曲率半径の小さい撓みが生ずる(図3(B)におけるB点)。従って、加圧導電ケーブル48,50の、電流の流通が停止する撓み具合いを適当に設定することで、車両シート10上にCRSが装着されているか否かを判定することが可能となる。
【0021】
ECU12は、加圧導電ケーブル48,50に電流が流通しているか否かに基づいて、すなわち、車両シート10上の物体が角張っているか否かに基づいて車両シート10上にCRSが装着されているか否かを判定し、その結果、車両シート10上にCRSが装着されていると判定した場合はエアバッグモジュール16の作動を禁止すると共に、インジケータ18を点灯させ、一方、車両シート10に乗員が着座していると判定した場合はエアバッグモジュール16の作動を許可する。
【0022】
図4(A)は、車両に作用する横加速度GY の時間変化の一例を示す。図4(B)は、車両シート10上にCRSが装着されている状況下において横加速度GY が図4(A)に示す如く変化する場合にシートセンサ44の各セル46に作用する荷重Wijの結果を示す。また、図4(C)は、車両シート10に乗員が着座している状況下において横加速度GY が図4(A)に示す如く変化する場合にシートセンサ44の各セル46に作用する荷重Wijの結果を示す。尚、図4(B)および(C)には、シートセンサ44内のすべてのセル46の代表として、4個のセル46に作用する荷重Wijの結果が示されている。
【0023】
車両シート10上にCRSが装着されている場合は、図4(B)に示す如く、各セル46に作用する荷重Wijは、横加速度GY が変化するにもかかわらず、ほぼ一定に維持される。これは、CRSがシートベルトにより車両シート10に確実に固定されているためである。一方、車両シート10に乗員が着座している場合は、図4(C)に示す如く、各セル46に作用する荷重Wijは、横加速度GY の変化に伴って大きく変化する。これは、横加速度GY の変化に伴って乗員に大きな慣性力が作用するためである。
【0024】
図5(A)は、車両シート上にCRSが装着されている状況下において車両に所定の横加速度GY が生じた場合に車両シート10のシート座面に作用する荷重の分布変化の一例を表した図を示す。また、図5(B)は、車両シート10に乗員が着座している状況下において車両に所定の横加速度GY が生じた場合に車両シート10のシート座面に作用する荷重の分布変化の一例を表した図を示す。尚、図5(A)および(B)においては、荷重が所定の第1しきい値を超える場合を斜線領域で、荷重が上記所定の第1しきい値より大きい所定の第2のしきい値を超える場合を梨地領域で、それぞれ示している。
【0025】
車両走行中のカーブ等により車両に所定値以上の横加速度GY が生じると、車両シート10のシート座面に作用する荷重の分布は、車両シート10上にCRSが装着されている場合(図5(A))にはほぼ一定に維持される一方、車両シート10に乗員が着座している場合(図5(B))には、車幅方向の一方(図5(B)において左側)で荷重が小さくなる傾向となり、かつ、他方(図5(B)において右側)で荷重が大きくなる傾向となる。
【0026】
このように、車両に所定値以上の横加速度GY が生じる状況下においては、車両シート10上にCRSが装着されている場合と、車両シート10に乗員が着座している場合とで、車両シート10のシート座面に作用する荷重の分布変化が異なる。従って、車両に所定値以上の横加速度GY が生じる状況下で車両シート10のシート座面に作用する荷重の分布変化を検出することで、車両シート10上にCRSが装着されているか否かを精度よく検出することが可能となる。
【0027】
そこで、本実施例のシステムは、車両始動時に加圧導電ケーブル48,50に電流が流通しているか否かに基づいてCRSの装着の有無を判定した後、車両走行中において、車両シート10のシート座面に作用する荷重Wijの分布変化に基づいて、具体的には、シートセンサ44の各セル46に流通する電流値の変化に基づいて車両シート10上におけるCRSの装着の有無を判定する点に特徴を有している。
【0028】
本実施例において、ECU12は、車両シート10に作用する荷重Wijの分布変化に基づいてCRSの装着の有無を判定した後は、その結果に基づいてエアバッグモジュール16およびインジケータ18を作動させる。
図6は、車両シート上にCRSが装着されているか否かに従ってエアバッグモジュール16の展開の可否を判定すべく、本実施例においてECU12が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図6に示すルーチンは、所定時間毎に繰り返し起動される定時割り込みルーチンである。図6に示すルーチンが起動されると、まずステップ100の処理が実行される。
【0029】
ステップ100では、▲1▼シートセンサ44のすべてのセル46のうちで電流の流通するセル46が所定値n0 個以上存在し(n(Wij>0)≧n0 )、かつ、▲2▼車両シート10のシート座面に作用する荷重WTOTAL が所定しきい値C0 以上であるか否かが判別される。尚、所定値n0 は、車両シート10上に何れかの物体が存在すると判断できる程度の小さな値に設定されており、また、所定しきい値C0 は、大人が車両シート10に着座した場合の荷重WTOTAL の下限値に設定されている。
【0030】
上記▲1▼の条件が成立しない場合は、車両シート10上に何ら物体が存在していないと判断できる。この場合は、エアバッグモジュール16の作動を許可する必要はないと判断できる。従って、上記ステップ100でかかる判別がなされた場合は、次にステップ112の処理が実行される。
また、上記▲2▼の条件が成立しない場合は、車両シート10に子供が着座していると判断できる。この場合は、エアバッグモジュール16の作動を禁止することが適切である。従って、上記ステップ100でかかる判別がなされた場合は、次にステップ112の処理が実行される。
【0031】
一方、上記ステップ100において条件▲1▼(n(Wij>0)≧n0 )、および、条件▲2▼(W≧C0 )が共に成立する場合は、車両シート10上に大きな物体が存在していると判断できる。上記ステップ100でかかる判別がなされた場合は、次にステップ102の処理が実行される。
ステップ102では、前回のルーチンから今回のルーチンにかけてIGスイッチ22がオフ状態からオン状態に切り換わったか否かが判別される。その結果、IGスイッチ22がオフ状態からオン状態に切り換わった場合は、車両が停止状態で始動されたと判断できる。この場合は、車両シート上におけるCRSの装着の有無を、加圧導電ケーブル48,50に電流が流通しているか否かに基づいて判定することが適切である。従って、かかる判別がなされた場合は、次にステップ104の処理が実行される。
【0032】
ステップ104では、加圧導電ケーブル48,50に電流が流通しているか否かが判別される。加圧導電ケーブル48,50に電流が流通している場合は、加圧導電ケーブル48,50が鋭角に撓んでおらず、車両シート10上に底面端部が角張っていない物体が存在していると判断できる。この場合は、車両シート10に乗員が着座していると判断でき、CRSが装着されていないと判断できる。従って、かかる判別がなされた場合は、次にステップ106の処理が実行される。
【0033】
ステップ106では、車両シート10に乗員が着座していることを表すフラグをオン状態とする処理が実行される。
ステップ108では、車両衝突時におけるエアバッグモジュール16の展開を許可する処理が実行される。本ステップ108の処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。
【0034】
上記ステップ104において加圧導電ケーブル48,50に電流が流通していない場合は、加圧導電ケーブル48,50が鋭角に撓んでおり、車両シート10上に底面端部が角張っている物体が存在していると判断できる。この場合は、車両シート10上にCRSが装着されていると判断できる。従って、かかる判別がなされた場合は、次にステップ110の処理が実行される。
【0035】
ステップ110では、車両シート10上にCRSが装着されていることを表すフラグをオン状態とする処理が実行される。
ステップ112では、車両衝突時におけるエアバッグモジュール16の展開を禁止する処理が実行される。本ステップ112の処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。
【0036】
上記の処理によれば、車両の始動時に、加圧導電ケーブル48,50に電流が流通しているか否かに基づいて、車両シート10上にCRSが装着されているか否かを判定することができる。
上記ステップ102において、前回のルーチンから今回のルーチンにかけてIGスイッチ22がオフ状態からオン状態に切り換わっていない場合、すなわち、IGスイッチ22がオン状態に維持されている場合は、車両が運転中であると判断できる。かかる判別がなされた場合は、次にステップ114の処理が実行される。
【0037】
ステップ114では、車両の横加速度GY の絶対値が所定値GY0以上であるか否かが判別される。その結果、|GY |≧GY0が成立しないと判別された場合は、今回のルーチンは終了される。一方、|GY |≧GY0が成立すると判別された場合は、次にステップ116の処理が実行される。
ステップ116では、次式(1)および(2)を共に満たすセル46がしきい値m0 個以上存在するか否かが判別される。尚、しきい値m0 は、車両に所定値GY0以上の横加速度が生じた場合に、車両シート10に乗員が着座していると判断できる、乗員に作用する慣性力により荷重が変動するセル46の数の最小値であり、例えば5個に設定される。
【0038】
Wij≦Wijmax /2 ・・・(1)
ΔWij≦−α ・・・(2)
但し、Wijmax は、車両に所定値GYO以上の横加速度が生じる前の各セル46に作用した荷重Wijの最大値であり、セル46ごとに設定される。ΔWijは、単位時間当たりの荷重Wijの変化量(Wij2 −Wij1 )である。また、αは、車両に所定値GYO以上の横加速度が生じた場合に各セル46に作用する荷重Wijが大きく変動していると判断できる変化量ΔWijの最小値であり、一定の正数値に設定されている。
【0039】
各セル46において、上記(1)式および(2)式の条件が共に成立する場合は、荷重Wijが減少方向に大きく変化していると判断できる。一方、上記条件の何れかが成立しない場合は、荷重Wijがあまり変化していないと判断できる。荷重Wijが減少方向に大きく変化するセル46が多数存在する場合は、シート座面に作用する荷重の分布が減少傾向にあると判断でき、車両の横加速度による慣性力により乗員の体勢が不安定になっていると判断できる。この場合は、車両シート10上に乗員が着座していると判断できる。
【0040】
従って、上記ステップ116において、上記(1)式および(2)式の条件を共に満たすセル46がしきい値m0個以上存在すると判別される場合は、次に上記ステップ106の処理が実行され、車両シート10に乗員が着座していることを表すフラグをオン状態とする処理が実行される。
一方、上記ステップ116において、上記(1)式および(2)式を共に満たすセル46がしきい値m0個以上存在しない場合は、車両にある程度大きな横加速度が生じているにもかかわらず、シート座面に作用する荷重の分布がほぼ一定に維持されていると判断でき、車両シート10上の物体の状態が安定していると判断できる。この場合は、車両シート10上にCRSが装着されていると判断できる。従って、上記ステップ116において上記(1)式および(2)式を共に満たすセル46がしきい値m0個以上存在しないと判別された場合は、次に上記ステップ110の処理が実行され、車両シート10上にCRSが装着されていることを表すフラグをオン状態とする処理が実行される。
【0041】
上記の処理によれば、車両の始動後に車両に所定値以上の横加速度GY が生じる状況下において、シート座面に作用する荷重の分布が大きく変化する場合には、車両シート10に乗員が着座していると判定し、エアバッグモジュール16の作動を許可することができる。また、上記の状況下において荷重分布がほぼ一定に維持される場合には、車両シート10上にCRSが装着されていると判定し、エアバッグモジュール16の作動を禁止することができる。
【0042】
すなわち、本実施例において、車両シート10上におけるCRSの装着の有無は、車両始動時は車両シート10上の物体が角張っているか否かに基づいて判定され、車両走行中は車両に所定値以上の横加速度GY が生じる状況下での車両シート10に作用する荷重Wijの分布変化に基づいて判定される。
本実施例においては、車両シート10のシート座面に作用する荷重を検出するためのセンサ(具体的には、シートセンサ44)以外のセンサを用いることなく、車両シート10上におけるCRSの装着の有無が判定される。従って、本実施例によれば、車両シート10上にCRSが装着されているか否かの判定を簡素な構成で精度よく行うことが可能となる。
【0043】
また、本実施例においては、シート座面に作用する荷重の分布が変化するか否かに従って、車両シート10上におけるCRSの装着の有無が判定される。かかる構成においては、車両に横加速度が生じる際のシート座面に作用する荷重の分布変化を検出するために、車幅方向に並んだ少なくとも2つのセル46を設けることとすれば十分である。このため、本実施例によれば、シートセンサ44に多数のセル46を設けることは不要である。従って、本実施例によれば、シートセンサ44について部品点数の増加を抑制でき、車両シート10上におけるCRSの装着の有無を判定するためのシートセンサ44を簡素な構成で実現することが可能となる。
【0044】
尚、上記の実施例においては、横加速度GY の絶対値が所定値GY0以上であることが特許請求の範囲に記載された「所定の状態」に、上記ステップ116の条件が特許請求の範囲に記載された「基準状態」に、それぞれ相当していると共に、ECU12が、シートセンサ44の各セル46に流通する電流値に基づいて車両シート10のシート座面に作用する荷重Wijの分布状態を検出することにより特許請求の範囲に記載された「座圧分布検出手段」および「座圧分布検出ステップ」が、上記ステップ116において肯定判定がなされることにより特許請求の範囲に記載された「チャイルドシート装着判定手段」および「チャイルドシート装着判定ステップ」が、それぞれ実現されている。
【0045】
ところで、上記の実施例においては、荷重の変化量ΔWijのしきい値αを、一定値に維持することとしているが、車両の横加速度GY に応じて適宜変更することとしてもよい。横加速度GY が大きくなるほど各セル46における荷重Wijの変化が著しくなる。従って、しきい値αを横加速度GY に応じて変更することとすれば、車両シート10上におけるCRSの装着の有無を精度よく判定することが可能となる。
【0046】
また、上記の実施例においては、車両シート10のシート座面に作用する荷重の分布が減少傾向を示しているか否かを判別することにより、車両シート10上におけるCRSの装着の有無を判定することとしているが、荷重分布が増加傾向を示しているか否かを判別することにより、あるいは、それらを組み合わせて車両シート10上におけるCRSの装着の有無を判定することとしてもよい。
【0047】
また、上記の実施例においては、車両の横加速度GY の絶対値が所定値GY0以上である状況下で車両シート10上にCRSが装着されているか否かを判定することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、車両の前後加速度GX の絶対値や上下加速度GZ の絶対値が所定値以上である状況下でCRSの装着の有無を判定することとしてもよい。この場合は、前後加速度GX の絶対値または上下加速度GZ の絶対値が所定値以上であることが、特許請求の範囲に記載された「所定の状態」に相当する。
【0048】
更に、上記の実施例においては、横加速度センサ22の出力信号に基づいて検出された横加速度GY の絶対値が所定値GY0以上である場合に車両シート10上にCRSが装着されているか否かを判定することとしているが、横加速度GY の絶対値が所定値GY0以上であると予測される状態で、具体的には、ステアリングホイールが操作された状況下その操作量が所定値以上である場合にCRSの装着の有無を判定することとしてもよい。更に、車両の前後加速度GX の絶対値や上下加速度GZ の絶対値が所定値以上であると予測される状態で、具体的には、アクセル操作やブレーキ操作が所定量以上行われた場合にCRSの装着の有無を判定することも可能である。これらの場合、ステアリング操作、アクセル操作、またはブレーキ操作の操作量が所定量以上であることが、特許請求の範囲に記載された「所定の状態」に相当する。
【0049】
【発明の効果】
上述の如く、請求項1および2記載の発明によれば、車両シート上にチャイルドシートが装着されているか否かの判定を簡素な構成で精度よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるチャイルドシート検知装置を搭載する車両を助手席側の車両シートの車幅方向中央を通る平面で切断した際の断面図である。
【図2】本実施例のチャイルドシート検知装置を備える車両シートの上面図である。
【図3】車両シートに乗員が着座している場合と、車両シート上にCRSが装着されている場合とで、加圧導電ケーブルの撓み具合いを比較した図である。
【図4】車両シート上にCRSが装着されている場合と、車両シートに乗員が着座している場合とで、車両に車幅方向の加速度が生じる状況下でシートセンサの各セルに作用する荷重を比較した図である。
【図5】車両シート上にCRSが装着されている場合と、車両シートに乗員が着座している場合とで、車両に車幅方向の加速度が生じた状況下で車両シートのシート座面に作用する荷重の分布変化を比較した図である。
【図6】車両シート上にCRSが装着されているか否かに従ってエアバッグモジュールの展開の可否を判定すべく、本実施例において実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。
【符号の説明】
10 車両シート
12 電子制御ユニット(ECU)
22 横加速度センサ
40 シートクッション
44 シートセンサ
46 セル
Claims (4)
- 車両シート上に配置される複数のセルにより構成されるシートセンサを用いて、車両シートの座面に作用する圧力分布状態を検出する座圧分布検出手段と、
前記車両シート上に所定以上に大きな物体が存在している状況下、車両に所定以上の加速度が生じた際、前記座圧分布検出手段の検出結果として全セルのうち荷重が所定以上に変化するセルの数が所定数に満たない場合に、前記車両シート上にシートベルトにより固定されたチャイルドシートが装着されていると判定するチャイルドシート装着判定手段と、
を備えることを特徴とするチャイルドシート検知装置。 - 車両始動時、前記車両シート上の物体が角張っているか否かに基づいて、前記車両シート上に前記チャイルドシートが装着されているか否かを判定する始動時装着判定手段を備え、
前記チャイルドシート装着判定手段は、車両走行時、前記座圧分布検出手段により検出される前記圧力分布状態の変化に基づいて、前記車両シート上に前記チャイルドシートが装着されているか否かを判定することを特徴とする請求項1記載のチャイルドシート検知装置。 - 車両シート上に配置される複数のセルにより構成されるシートセンサを用いて、車両シートの座面に作用する圧力分布状態を検出する座圧分布検出ステップと、
前記車両シート上に所定以上に大きな物体が存在している状況下、車両に所定以上の加速度が生じた際、前記座圧分布検出ステップでの検出結果として全セルのうち荷重が所定以上に変化するセルの数が所定数に満たない場合に、前記車両シート上にシートベルトにより固定されたチャイルドシートが装着されていると判定するチャイルドシート装着判定ステップと、
を備えることを特徴とするチャイルドシート検知方法。 - 車両始動時、前記車両シート上の物体が角張っているか否かに基づいて、前記車両シート上に前記チャイルドシートが装着されているか否かを判定する始動時装着判定ステップを備え、
前記チャイルドシート装着判定ステップは、車両走行時、前記座圧分布検出手段により検出される前記圧力分布状態の変化に基づいて、前記車両シート上に前記チャイルドシートが装着されているか否かを判定することを特徴とする請求項3記載のチャイルドシート検知方法。
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