JP4256018B2 - アルミニウム・ステンレス鋼クラッド材およびその製造方法 - Google Patents

アルミニウム・ステンレス鋼クラッド材およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、電気二重層キャパシターの負極材等の電子部品材料として利用される、ステンレス鋼板に高硬度のアルミニウム板をクラッドしたアルミニウム・ステンレス鋼クラッド材に関する。
【0002】
【従来の技術】
ステンレス鋼板の表面にアルミニウム板を圧接したクラッド材は、各種の電子部品材料として使用されているが、特に電気二重層キャパシター(二次電池)の負極材として多用されている。
【0003】
この種のアルミニウム・ステンレス鋼クラッド材は、特開昭63−56372号公報や特公平4−64796号公報に記載されているように、冷間あるいは温間にてステンレス鋼板にアルミニウム板を重ね合わせて圧接し、接合強度を向上させるために400℃以上の温度にて加熱保持する熱処理が施される。かかる熱処理を施すことにより、アルミニウム・ステンレス鋼クラッド材は、ケ−ス等の所定の形状にプレス成形を行うことができるようになる。なお、従来、前記クラッド材の硬質アルミニウム板は、主に純Alが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、電気二重層キャパシターの寿命向上に対する研究が進展するにつれて、充放電特性を改善するには、充放電に伴う負極の反りを抑制することが有効であり、そのためには負極材を構成するクラッド材のアルミニウムの硬度が高いことが必要であることがわかってきた。
【0005】
ところが、アルミニウム・ステンレス鋼クラッド材を構成するアルミニウム板を硬度の高い硬質アルミニウム板で形成すると、圧接後の熱処理によって硬質アルミニウム板の硬度が低下してしまい、所期の硬度を確保できないという問題がある。
【0006】
このため、圧接後の熱処理を省略すべく、特開平8−306392号公報に記載されているように、ステンレス鋼板と硬質アルミニウム板との間に軟質アルミニウム箔を介して10mmHg以下の減圧下で同時圧接する方法が試みられている。
【0007】
しかし、かかる方法を実施するには特殊な圧接装置が必要であり、またステンレス鋼板と硬質アルミニウム板との間に本来不要な軟質アルミニウム箔を装入して同時圧接を行うなど圧接作業性が悪く、生産性が低下するという問題がある。
【0008】
本発明はかかる問題に鑑み、減圧圧接や軟質アルミニウム箔の同時圧接を行うことなく製造することができ、高硬度のアルミニウム板を備え、しかも良好なプレス成形性を有するアルミニウム・ステンレス鋼クラッド材およびその製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
ステンレス鋼板とHv40以上の硬質アルミニウム板とを冷間圧接や温間圧接するだけでは、圧接後に400℃以上の高温の軟化熱処理を施さない限り良好な接合性、プレス成形性が得られないが、本発明者は、素材のステンレス鋼板として軟化させたものを用い、圧接後の熱処理として硬質アルミニウム板の硬度を過度に低下させない温度の下で、ステンレス鋼板と硬質アルミニウム板との接合性を向上させる熱処理条件を鋭意研究した結果、本発明を完成させるに至ったものである。
【0010】
すなわち、本発明のアルミニウム・ステンレス鋼クラッド材は、後述する製造方法によって製造されたものであり、ステンレス鋼板の一方の表面にAlを主成分とするAl基金属からなる硬質アルミニウム板を接合したクラッド材であって、前記ステンレス鋼板の硬度がHv400以下であり、一方前記硬質アルミニウム板の硬度がHv40以上であり、かつ前記ステンレス鋼板と前記硬質アルミニウム板との接合強度が0.3kgf/cm以上とされたものである。ここに、接合強度とは、図4に示すように、クラッド材を構成するステンレス鋼板と硬質アルミニウム板とを反対方向に5mm/min で引き剥がす際に要する荷重P(kgf )を板幅W(cm)で除した、板幅1cm当たりの引き剥がし荷重をいう。
【0011】
この発明のクラッド材によると、図1に示すように、クラッド材を構成するステンレス鋼板1と硬質アルミニウム板2とは0.3kgf/cm以上の良好な接合強度で接合されており、かかる接合強度とステンレス鋼板1の硬度がHv400以下であることと相まって、プレス成形の際に剥離やずれの生じにくい、良好なプレス成形性が得られる。また、硬質アルミニウム板2はHv40以上であるので、ステンレス鋼板1と硬質アルミニウム板2との間に軟質のアルミニウム層を有しないことと相まって、電気二重層キャパシターの負極材として優れた充放電特性、充放電サイクル寿命を備える。なお、本発明者らの研究により、クラッド材をケース状にプレス成形するには、少なくとも0.3kgf/cmの接合強度が必要であることが見い出された。
【0012】
前記ステンレス鋼板1の硬度は、より良好な冷間プレス成形性を得るためには、軟質であるほどよく、好ましくはHv350以下、より好ましくはHv300以下とするのがよい。一方、前記硬質アルミニウム板2の硬度は、充放電に伴う負極の反りを防止し、充放電特性を向上させるとともに充放電サイクルの寿命を伸ばすには、できるだけ硬度が高いほうがよく、好ましくはHv60以上、より好ましくはHv70以上、さらに好ましくはHv80以上にするのがよい。また、接合強度は、電気二重層キャパシターの負極ケースとしてプレス成形する際に硬質アルミニウム板とステンレス鋼板との界面剥離、成形に伴うずれ等を防止するためには、高いほうがよく、好ましくは0.5kgf/cm以上、より好ましくは0.7kgf/cm以上にするのがよい。
【0013】
本発明のクラッド材を構成するステンレス鋼板1としては、SUS304等のオーステナイト系ステンレス鋼やSUS430等のフェライト系ステンレス鋼が耐食性、冷間加工性に優れるため好適である。また、硬質アルミニウム板2を形成するAl基金属としては、導電性、加工性の良好なものであればよく、JISA1060,1080等の純Al(合金系統1000系)のほか、Alを85wt%以上、好ましくは90wt%以上含有する各種のAl合金を使用することができる。かかるAl合金としては、例えばJISA3003,3004等のAl−Mn合金(合金系統3000系)、JISA4042等のAl−Si合金(合金系統4000系)、JISA5005,5052等のAl−Mg合金(合金系統5000系)をあげることができる。なお、本発明のクラッド材を電気二重層キャパシターの負極ケースとして用いる場合、ステンレス鋼板1の板厚は30〜500μm 、硬質アルミニウム板の板厚は50〜600μm 程度とされる。
【0014】
また、請求項2に記載したアルミニウム・ステンレス鋼クラッド材は、請求項1に記載した発明において、ステンレス鋼板の一方の表面にNiを主成分とするNi基金属からなるニッケル層を介して硬質アルミニウム板が接合されたものである。
【0015】
このクラッド材によると、アルミニウムとニッケルとは原子の拡散性が良好であるため、図2に示すように、ステンレス鋼板1にニッケル層3を介して硬質アルミニウム板2を接合することで、接合強度を容易に向上させることができ、プレス成形性がより一層向上する。
【0016】
前記Ni基金属としては、導電性の良好なものであればよく、純Niのほか、好ましくはNiを90wt%含有する各種Ni合金を使用することができる。ニッケル層3の層厚は、好ましくは1μm 以上、より好ましくは5μm 以上あればよい。なお、ニッケル層3をステンレス鋼板1と硬質アルミニウム板2との間に形成する方法としては、予めニッケル層を形成したステンレス鋼素板(素材)に硬質アルミニウム素板(素材)を圧接すればよい。ステンレス鋼素板にニッケル層を形成するには、ニッケル箔をクラッドしてもよく、あるいはニッケルめっきを施してもよい。
【0017】
また、請求項3に記載したアルミニウム・ステンレス鋼クラッド材は、請求項1または2に記載した発明において、ステンレス鋼板の他方の表面にNiを主成分とするNi基金属からなるニッケル層が積層形成されたものである。
【0018】
このクラッド材によると、図3(A) あるいは図3(B) に示すように、ステンレス鋼板1の他方の表面にNiを主成分とするNi基金属からなるニッケル層4が積層形成されているので、この面における耐食性が優れたものとなり、本発明のクラッド材を電気二重層キャパシターの負極ケース材等として用いる場合に、優れた耐食性が得られ、腐食による導電性の低下を防止することができる。
【0019】
前記Ni基金属としては、耐食性の良好なものであればよく、請求項2の場合と同様、純Niのほか、好ましくはNiを90wt%含有する各種Ni合金を使用することができる。ニッケル層4の層厚も好ましくは1μm 以上、より好ましくは5μm以上あればよい。なお、図3(B) に示すように、ステンレス鋼板1の両面にニッケル層3、4を形成しておくことで、硬質アルミニウム板2を接合する側のニッケル層3は請求項2に記載した硬質アルミニウム板の接合促進層として機能させることができる。
【0020】
上記アルミニウム・ステンレス鋼クラッド材は、請求項5に記載された製造方法によって製造される。この製造方法は、硬度がHv350以下のステンレス鋼素板の一方の表面にAlを主成分とするAl基金属で形成され、硬度がHv40以上の硬質アルミニウム素板を重ね合わせ、圧下率2〜50%にて圧接した後、150〜300℃で1min 〜48hr保持する接合熱処理を行い、その後徐冷するものである。
【0021】
この発明において、ステンレス鋼素板の硬度がHv350以下に規制されるのは、軟質のステンレス鋼素板を用いることにより、圧接後に高温焼鈍を行うことなく、圧接後のステンレス鋼板の硬度をHv400以下にして、冷間プレス成形性を確保するためである。圧接前のステンレス鋼素板はできるだけ完全に再結晶焼鈍されたものを用いるのがよく、好ましくはHv300以下、より好ましくはHv250以下、さらに好ましくはHv200以下のものを使用するのがよい。一方、硬質アルミニウム板は、クラッド材を電気二重層キャパシターの負極材として用いる場合、硬度が高い方がよく、圧接前の硬質アルミニウム素板は硬度がHv40以上、好ましくはHv70以上、より好ましくはHv90以上のものを用いるのがよい。なお、ステンレス鋼素板、硬質アルミニウム素板の材質は請求項1で説明したものと同様であり、硬質アルミニウム素板を純Alで形成した場合でも、適宜の加工硬化を付与することで高硬度化することができる。
【0022】
ステンレス鋼素板と硬質アルミニウム素板との圧接の際の圧下率は、両板が搬送過程で剥がれない程度に接合されておればよく、過度の圧下はステンレス鋼素板に過度の加工硬化を生じさせてクラッド材の形状および冷間プレス成形性を劣化させる。このため、圧下率の下限を2%、好ましくは5%、より好ましくは10%とし、その上限を50%、好ましくは40%、より好ましくは30%とする。
【0023】
圧接方法としては、冷間圧接、温間圧接のいずれも適用することができる。温間圧接は冷間圧接に比して、同じ接合強度を得るには圧下率を低くすることができる。なお、好ましい温間圧接条件としては、ステンレス鋼素板を100〜500℃、硬質アルミニウム素板を150℃以上、再結晶温度未満に加熱すればよい。加熱時間はライン速度(素材搬送速度)によって決まるが、通常、10秒を超えることはなく、この程度の加熱時間では硬質アルミニウム素板の硬度はほとんど低下しない。
【0024】
圧接後の接合熱処理は、本発明の重要な要件であり、硬質アルミニウム素板の硬度を可及的に低下させることなく、硬質アルミニウム素板をステンレス鋼素板に強固に接合するために必須のものである。後述の実施例から明らかなとおり、加熱温度が150℃未満では48hrを超えて保持しても0.3kgf/cm以上の接合強度を得ることが困難になる。一方、300℃超では、1min 以上の保持によっても硬質アルミニウム板が急速に軟化するようになり、硬度の維持が困難になる。このため、接合温度の下限を150℃以上、好ましくは180℃以上、より好ましくは220℃以上とし、一方その上限を300℃、好ましくは280℃、より好ましくは260℃とする。また、保持時間は、0.3kgf/cm以上の接合強度を確保するには150℃の温度で最低1min は必要であり、一方48hr超の保持はエネルギー消費が大きく、また生産性の低下を招来する。このため、保持時間の下限を1min 、好ましくは10min 、より好ましくは0.5hrとし、その上限を48hr、好ましくは24hr、より好ましくは12hrとする。
【0025】
接合熱処理後は、ステンレス鋼板と硬質アルミニウム板との熱膨張率差を配慮して、過度の熱歪を蓄えないように徐冷する。冷却速度は10℃/hr以下と遅くてもよいが、生産性を考慮すると、30℃/hr以下、好ましくは20℃/hr以下とするのがよい。
【0026】
前記請求項2あるいは3に記載されたアルミニウム・ステンレス鋼クラッド材は前記請求項5に記載した製造方法において、硬度がHv350以下で、かつ片面あるいは両面にNiを主成分とするNi基金属からなるニッケル層が積層形成されたステンレス鋼素板を用い、このステンレス鋼素板の一方のニッケル層の表面に前記硬質アルミニウム素板を重ね合わせて圧接することにより製造される
【0027】
この発明によると、硬質アルミニウム素板は原子の拡散が生じやすいニッケル層を介して圧接され、接合熱処理が施されるので、高い接合強度が容易に得られる。
【0028】
前記ニッケル層はステンレス鋼素板の片面あるいは両面にニッケル箔をクラッドすることにより形成してもよく、またニッケルめっきにより形成してもよい。ニッケル層をクラッドする場合、ニッケル箔を圧接後に接合強度の向上と、軟化のために通常1000℃以上で焼鈍される。めっきの場合は、軟化焼鈍を施したステンレス鋼素板を母材として、これにニッケルめっきを施せばよい。ニッケル層を形成するNi基金属としては、請求項2と同様、純Niのほか、Ni90wt%以上の各種Ni合金を使用することができる。ニッケル層の層厚は、好ましくは1μm 以上、より好ましくは5μm 以上にすればよい。
【0029】
なお、ステンレス鋼素板と硬質アルミニウム素板との接合性をさらに向上させるには、ステンレス鋼板の接合面を圧接前に研磨等により清浄化するのがよい。また、接合熱処理の際に、表面酸化を防止するには窒素等の不活性ガス雰囲気下にて加熱保持すればよい。
【0030】
【実施例】
(実施例A)
非酸化性雰囲気下で1100℃にて完全に再結晶焼鈍を行ったSUS304製のステンレス鋼素板(硬度Hv180、板幅20mm、板厚670μm )にAl合金製の硬質アルミニウム素板(硬度Hv85、板幅20mm、板厚670μm )を重ね合わせ、常温にて一対のロール間に通して圧下率25%で圧接し、最終板厚1mm(ステンレス鋼板500μm 、硬質アルミニウム板500μm )の複合材を得た。この複合材におけるステンレス鋼板の硬度はHv320であり、一方硬質アルミニウム板の硬度はHv90であった。
【0031】
次に、前記複合材を窒素ガス雰囲気下で150〜320℃、1min 〜48hr保持する接合熱処理を行い、冷却速度10℃/hr以下で室温まで炉冷した。この熱処理によって得られた、図1に示す形態のクラッド材を用いて、ステンレス鋼板1と硬質アルミニウム板2との接合強度および硬質アルミニウム板2の硬度変化を調べた。その結果を図5および図6に示す。前記接合強度は、図4に示すように、クラッド材を構成するステンレス鋼板と硬質アルミニウム板とを引張試験機を用いて反対方向に5mm/min で引き剥がし、このとき要した荷重P(kgf )を板幅W(cm)で除した値(幅1cm当たりの引き剥がし荷重)である。なお、クラッド材のステンレス鋼板の硬度も調べたが、前記熱処理の前後でほとんど硬度変化は無かった。
【0032】
図5より、高温で長時間の熱処理を行うほど、接合強度が向上し、少なくとも150℃×1min の加熱により、0.3kgf/cmの接合強度が得られることがわかる。一方、図6より、高温で長時間の熱処理を行うほど、軟化する傾向が見られるが、320℃では1min 以上の加熱により急激に硬度が低下する。これに対して、300℃未満の温度では急激な硬度低下は生じておらず、48hrの加熱でもHv70程度の高硬度が維持されていることがわかる。
【0033】
(実施例B)
実施例Aと同様の条件で、アルミニウム・ステンレス鋼複合材を製作した後、窒素ガス雰囲気下で220℃×1min の接合熱処理を施し、室温まで炉冷した。このようにして製作された図1に示す形態のクラッド材の接合強度を調べたところ0.5kgf/cmであった。
【0034】
一方、ステンレス鋼板に純Niからなるニッケル層がクラッドされたステンレス鋼板素材を用いて、ニッケル層側に硬質アルミニウム素板を重ね合わせて圧下率25%で圧接し、上記と同様、窒素ガス雰囲気下で220℃×1min の接合熱処理を施した後、室温まで炉冷して、図2に示すように、ステンレス鋼板1にニッケル層3を介して硬質アルミニウム板2を接合したクラッド材を製作した。使用したステンレス鋼素板、硬質アルミニウム素板の材質は実施例Aと同様である。このクラッド材におけるステンレス鋼板の板厚は450μm 、ニッケル層の厚さは100μm 、硬質アルミニウム板の板厚は450μm であった。このクラッド材の接合強度を調べたところ、1.8kgf/cmであり、ニッケル層を介在させることで、接合強度が3倍以上に向上することが確認された。
【0035】
【発明の効果】
本発明のアルミニウム・ステンレス鋼クラッド材によれば、Hv400以下の軟質のステンレス鋼板を備え、しかも接合強度が0.3kgf/cm以上あるので、ケース状に冷間プレス成形することができ、冷間加工性に優れる。しかも軟質アルミニウム層を備えず、硬質アルミニウム板の硬度がHv40以上であるので、電気二重層キャパシターの負極材として用いることによって優れた充放電特性が得られ、また充放電サイクルの寿命を伸ばすことができる。また、本発明の製造方法によれば、素材の硬質アルミニウム板の硬度落ちを可及的に抑制しつつ、プレス成形に必要な接合強度を確保することができ、前記クラッド材を容易に製造することができ、また減圧圧接や軟質アルミニウム層を設ける必要もなく、生産性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のアルミニウム・ステンレス鋼クラッド材の要部断面図である。
【図2】 硬質アルミニウム板がニッケル層を介してステンレス鋼板に接合されたアルミニウム・ステンレス鋼クラッド材の要部断面図である。
【図3】 ステンレス鋼板の非クラッド面にニッケル層が形成されたアルミニウム・ステンレス鋼クラッド材の要部断面図である。
【図4】 クラッド材の接合強度の測定要領を示す説明図である。
【図5】 実施例における、種々の保持時間の下での熱処理温度と接合強度との関係を示すグラフである。
【図6】 実施例における、種々の熱処理温度の下での保持時間と硬質アルミニウム板の硬度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ステンレス鋼板
2 硬質アルミニウム板
3 ニッケル層
4 ニッケル層

Claims (7)

  1. ステンレス鋼板の一方の表面にAlを主成分とするAl基金属からなる硬質アルミニウム板を接合したクラッド材であって、
    前記ステンレス鋼板の硬度がHv400以下であり、一方前記硬質アルミニウム板の硬度がHv40以上であり、かつ前記ステンレス鋼板と前記硬質アルミニウム板との接合強度が0.3kgf/cm以上であり、
    前記クラッド材は、硬度がHv350以下のステンレス鋼素板の一方の表面に、Alを主成分とするAl基金属で形成され、硬度がHv40以上の硬質アルミニウム素板を重ね合わせ、圧下率2〜50%にて圧接した後、150〜300℃で1 min 〜48hr保持する接合熱処理を行い、その後徐冷することによって製造された、アルミニウム・ステンレス鋼クラッド材。
  2. 前記クラッド材は、前記ステンレス鋼板の一方の表面にNiを主成分とするNi基金属からなるニッケル層を介して前記硬質アルミニウム板が接合されたものであり、
    前記クラッド材の製造に際し、前記ステンレス鋼素板として一方の表面に前記Ni基金属からなるニッケル層が形成されたものを用い、前記ニッケル層に前記硬質アルミニウム素板を重ね合わせて圧接した、請求項1に記載したアルミニウム・ステンレス鋼クラッド材。
  3. 前記クラッド材は、前記ステンレス鋼板として他方の表面にNiを主成分とするNi基金属からなるニッケル層が積層されたものであり、
    前記クラッド材の製造に際し、前記ステンレス鋼素板として他方の表面に前記Ni基金属からなるニッケル層が形成されたものを用いた、請求項1または2に記載したアルミニウム・ステンレス鋼クラッド材。
  4. 電気二重層キャパシターの負極ケース用のクラッド材である請求項1から3のいずれか1項に記載したアルミニウム・ステンレス鋼クラッド材。
  5. 硬度がHv350以下のステンレス鋼素板の一方の表面にAlを主成分とするAl基金属で形成され、硬度がHv40以上の硬質アルミニウム素板を重ね合わせ、圧下率2〜50%にて圧接した後、150〜300℃で1min 〜48hr保持する接合熱処理を行い、その後徐冷するアルミニウム・ステンレス鋼クラッド材の製造方法。
  6. 硬度がHv350以下で、かつ片面あるいは両面にNiを主成分とするNi基金属からなるニッケル層が積層形成されたステンレス鋼素板を用い、このステンレス鋼素板の一方のニッケル層の表面に前記硬質アルミニウム素板を重ね合わせて圧接する請求項5に記載したアルミニウム・ステンレス鋼クラッド材の製造方法。
  7. 電気二重層キャパシターの負極ケース用のクラッド材の製造方法である請求項5又は6に記載したアルミニウム・ステンレス鋼クラッド材の製造方法。
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