JP4249753B2 - 光学式記録媒体、光学式記録媒体製造装置及び光学式記録媒体製造方法 - Google Patents

光学式記録媒体、光学式記録媒体製造装置及び光学式記録媒体製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、DVD等の光学式記録媒体の技術分野に属し、特に、記録トラックを蛇行して形成した光学式記録媒体の技術分野に属する。
近年、大容量の光学的情報記録媒体としてDVDが広く一般化している。そして、再生専用のDVDに加えて、記録情報を記録及び再生することができるDVD−RW(DVD‐Re-recordable)に関する規格が策定されつつある。このDVD−RWの規格に従った光ディスク上には、所定のパターンで記録トラックとしてのグルーブトラックが形成される。そして、グルーブトラックは、一定周期で蛇行して形成することによりウォブリングが施され、記録時に一定周波数のウォブル信号を抽出することにより、DVD−RWの回転に同期する基準信号として用いることができる。
一方、DVD−RWに対する記録が可能であることから、例えば、DVD―ROMに記録されている各種コンテンツデータをDVD−RWに不法複写することが可能である。画像や音楽などのコンテンツは、通常、著作権の保護対象であり、何らかの方法でDVD−RWに対する不法複写を防止することにより、著作権を有効に保護することが要請されている。
そこで、DVD−RW(Ver.1.0)の規格では、不法複写を防止するための方策を定めており、DVD−ROMにおける再生制御データ等が記録された記録領域に対応するDVD−RWの領域に、予め所定のデータをエンボスピット列(位相ピット列)として埋め込むこととしている。これによれば、かかる領域にたとえ他の再生制御データが上書き記録されたとしても、上書き記録されたデータの再生信号はエンボスピット列による再生信号と干渉して読み取ることができなくなり、実質的に他の再生制御データの上書き記録を不能としている。
しかしながら、かかるエンボスピット列が埋め込まれた領域は、グルーブが断続形成されていることに等しいため、その領域から抽出されるウォブル信号の出力レベルが、連続グルーブとされた記録データが記録される領域から抽出されるウォブル信号の出力レベルより低く、安定にDVD−RWの同期検出を行うことができなくなることが問題となる。
そこで、本発明は上述した問題点に鑑みて成されたものであり、グルーブトラックに施したウォブリングに基づくウォブル信号を常に一定にレベルに保ち、安定な同期制御を実現することができる光学式情報記録媒体を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の光学式記録媒体は、記録情報を光学的に記録可能な光学式記録媒体において、一定周波数のウォブル信号を抽出するために蛇行して形成されたグルーブトラックに、前記記録情報が記録される第1の領域と、前記記録情報の再生制御に必要な制御データに対応する位相ピット列が蛇行して配置され、当該位相ピット列が前記制御データの読み出しを可能とし、かつ当該位相ピット列上に上書き記録された他のデータの読み出しを妨げるピット深さで形成された第2の領域と、所定のデータに対応する位相ピット列が蛇行して配置されており、当該位相ピット列が前記光学式記録媒体上に対する記録位置を示すアドレス情報を含むプリピットの読み出しを可能とし、かつ当該位相ピット列上に上書き記録された他のデータの読み出しを妨げるピット深さで形成された第3の領域とを備え、前記第2の領域の蛇行振幅と前記第3の領域の蛇行振幅は、それぞれの領域から抽出されるウォブル信号の出力レベルが前記第1の領域から抽出されるウォブル信号の出力レベルと略同一となるように設定されることを特徴とする。
この発明によれば、光学式記録媒体を用いて、第1の領域には記録情報が記録されると共に、第2の領域と第3の領域には、それぞれ複数の位相ピットが形成され、不法複写の防止等の役割を担う。このとき、各領域が蛇行形状を有するので、ウォブル信号を抽出することができる。そして第2の領域と第3の領域ではピット深さが異なる場合であっても、そのウォブリング振幅が適切に設定されているので、基準となる第1の領域の場合と略同一のウォブル信号の出力レベルを得ることができる。よって、光学式記録媒体の異なる領域において常にウォブル信号の出力レベルを一定に保つことができ、高精度な同期制御に利用することができる。
請求項2に記載の光学式記録媒体は、請求項1に記載の光学式記録媒体において、少なくとも前記第1の領域及び前記第3の領域には、前記プリピットが形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用に加えて、プリピットが第2の領域以外の領域に形成されている。よって、プリピットの有無に応じて、第2の領域と第3の領域の位相ピットを大きく異なるピット深さで形成する場合であっても、上述のようにウォブル信号の出力レベルを同一に保つことができる。
請求項3に記載の光学式記録媒体は、請求項2に記載の光学式記録媒体において、前記第3の領域のピット深さは、前記第2の領域のグルーブトラックの深さと同一に設定されることを特徴とする。
この発明によれば、請求項1、2に記載の発明と同様の作用に加えて、第1の領域のグルーブトラックの深さと第3の領域のピット深さが同一になっている。よって、第1の領域と第3の領域は、互いの蛇行振幅のみを変えるだけで、上述のようにウォブル信号の出力レベルを同一に保つことができる。
請求項4に記載の光学式記録媒体は、請求項3に記載の光学式記録媒体において、前記第1の領域は、グルーブトラックの深さが30nmに設定され、前記第2の領域は、ピット深さが80nm、ピット列の平均デューティが略50%、蛇行振幅が前記第1の領域の蛇行振幅の略2.7倍にそれぞれ設定され、前記第3の領域は、ピット深さが30nm、ピット列の平均デューティが略80%、蛇行振幅が前記第1の領域の蛇行振幅の略1.3倍にそれぞれ設定されることを特徴とする。
この発明によれば、請求項3に記載の発明に対し、具体的な条件が与えられている。よって、特にDVD−RWを用いて構成する場合に好適な設計条件を与えることができる。
請求項5に記載の光学式記録媒体は、請求項2に記載の光学式記録媒体において、前記第3の領域の蛇行振幅は、前記第1の領域の蛇行振幅と同一に設定されていることを特徴とする。
この発明によれば、請求項1、2に記載の発明と同様の作用に加えて、第1の領域の蛇行振幅と第3の領域の蛇行振幅が同一になっている。よって、第1の領域のグルーブトラックの深さと第3の領域のピット深さを変えるだけで、上述のようにウォブル信号の出力レベルを同一に保つことができる。
請求項6に記載の光学式記録媒体は、請求項5に記載の光学式記録媒体において、前記第1の領域は、グルーブトラックの深さが30nmに設定され、前記第2の領域は、ピット深さが80nm、ピット列の平均デューティが略50%、蛇行振幅が前記第1の領域の蛇行振幅の略2.7倍にそれぞれ設定され、前記第3の領域は、ピット深さが50nm、ピット列の平均デューティが略80%、蛇行振幅が前記第1の領域の蛇行振幅と同一にそれぞれ設定されることを特徴とする。
この発明によれば、請求項5に記載の発明に対し、具体的な条件が与えられている。よって、特にDVD−RWを用いて構成する場合に好適な設計条件を与えることができる。
請求項7に記載の光学式記録媒体製造装置は、記録情報を光学的に記録可能な光学式記録媒体を、光ディスク原盤を用いて製造する光学式記録媒体製造装置において、一定周波数のウォブル信号により変調された光ビームを用いてグルーブトラックを蛇行させつつ前記光ディスク原盤にカッティングし、前記記録情報が記録される第1の領域を形成する第1の領域形成手段と、前記ウォブル信号により変調された光ビームを用いて、前記記録情報の再生制御に必要な制御データに対応する位相ピット列を、前記制御データの読み出しを可能とし、かつ当該位相ピット列上に上書き記録された他のデータの読み出しを妨げるピット深さにより、前記光ディスク原盤に蛇行させつつカッティングし、第2の領域を形成する第2の領域形成手段と、前記ウォブル信号により変調された光ビームを用いて、所定のデータに対応する位相ピット列を、前記光学式記録媒体上に対する記録位置を示すアドレス情報を含むプリピットの読み出しを可能とし、かつ当該位相ピット列上に上書き記録された他のデータの読み出しを妨げるピット深さにより、前記光ディスク原盤に蛇行させつつカッティングし、第3の領域を形成する第3の領域形成手段とを備え、前記第2の領域形成手段と前記第3の領域形成手段では、前記光ディスク原盤を用いて製造された光学式記録媒体の再生時に前記それぞれの領域から抽出されるウォブル信号の出力レベルが前記第1の領域から抽出されるウォブル信号の出力レベルと略同一となるように、光ビームに対する前記ウォブル信号による変調の度合を設定することを特徴とする。
また、請求項9に記載の光学式記録媒体製造装置は、記録情報を光学的に記録可能な光学式記録媒体を、光ディスク原盤を用いて製造する光学式記録媒体製造方法において、一定周波数のウォブル信号により変調された光ビームを用いてグルーブトラックを蛇行させつつ前記光ディスク原盤にカッティングし、前記記録情報が記録される第1の領域を形成する第1の領域形成工程と、前記ウォブル信号により変調された光ビームを用いて、前記記録情報の再生制御に必要な制御データに対応する位相ピット列を、前記制御データの読み出しを可能とし、かつ当該位相ピット列上に上書き記録された他のデータの読み出しを妨げるピット深さにより、前記光ディスク原盤に蛇行させつつカッティングし、第2の領域を形成する第2の領域形成工程と、前記ウォブル信号により変調された光ビームを用いて、所定のデータに対応する位相ピット列を、前記光学式記録媒体上に対する記録位置を示すアドレス情報を含むプリピットの読み出しを可能とし、かつ当該位相ピット列上に上書き記録された他のデータの読み出しを妨げるピット深さにより、前記光ディスク原盤に蛇行させつつカッティングし、第3の領域を形成する第3の領域形成工程と、を備え、前記第2の領域形成工程と前記第3の領域形成工程では、前記光ディスク原盤を用いて製造された光学式記録媒体の再生時に前記それぞれの領域から抽出されるウォブル信号の出力レベルが前記第1の領域から抽出されるウォブル信号の出力レベルと略同一となるように、光ビームに対する前記ウォブル信号による変調の度合を設定することを特徴とする。
請求項7と請求項9にそれぞれ記載の発明によれば、光学式記録媒体の製造に用いる光ディスク原盤に対し、グルーブトラックがカッティングされた第1の領域、複数の位相ピットが設けられた第2の領域及び第3の領域を形成する。このとき、各領域の形成に用いる光ビームのウォブル信号で変調するので、それぞれに蛇行パターンが形成される。そして、第2の領域と第3の領域ではカッティングするピット深さが異なる場合であっても、上記変調の度合が適切に設定されているので、基準となる第1の領域の場合と略同一の蛇行振幅で形成することできる。よって、スタンパを用いて製造された光学式記録媒体は、異なる領域において常にウォブル信号の出力レベルを一定に保つことができ、高精度な同期制御を行うことができる。
請求項8に記載の光学式記録媒体製造装置は、請求項7に記載の光学式記録媒体製造装置において、前記第1の領域形成手段及び前記第3の領域形成手段は、前記プリピットを形成することを特徴とする。
請求項10に記載の光学式記録媒体製造装置は、請求項9に記載の光学式記録媒体製造方法において、前記第1の領域形成工程及び前記第3の領域形成工程では、前記プリピットを形成することを特徴とする。
請求項8と請求項10にそれぞれ記載の発明によれば、請求項7と請求項9にそれぞれ記載の発明と同様の作用に加えて、プリピットが第1及び第3の領域において形成される。よって、プリピットの有無に応じて、第2の領域と第3の領域の位相ピットを、互いに異なるピット深さで形成する場合であっても、上述のようにスタンパを用いて製造された光学式記録媒体は、異なる領域において常にウォブル信号の出力レベルを一定に保つことができる。
本発明によれば、第1の領域、第2の領域、第3の領域を設けた光学式記録媒体に対し、各領域を蛇行形成することにより抽出されるウォブル信号のレベルを常に一定に保ち、同期制御を安定に行うことできる。
本発明の好適な実施の形態について、図1〜図14を参照して説明する。なお、以下では、記録情報を記録可能な光学式記録媒体としてのDVD−RWに対して本発明を適用した場合の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るDVD−RWの平面図であり、DVD−RWの出荷時における平面図である。図1に示すように、本実施形態に係るDVD−RW1には、出荷時にDVD−RW1に対して記録情報を記録する情報記録装置(不図示)のスピンドルモータに固定する際に用いられるクランプ孔CHがその中央に開口されている。また、DVD−RW1には、記録情報の再生制御に必要な制御データに対応するエンボスピット列が埋め込まれた第2の領域(再生専用領域RA)と、所定のデータに対応するエンボスピット列が埋め込まれた第3の領域(不可能領域UA)とが同心円状に形成されている。本実施例によれば、再生専用領域RAのエンボスピット列は制御データの読み出しが可能とされており、不可能領域UAのエンボスピット列は所定のデータの読み出しが不可能とされている。これらの再生専用領域RAと不可能領域UAとは、上述したようにDVD−RW1に対する不法複写を防止すべく、DVD−ROMの再生制御情報等の記録領域に相当するDVD−RW1上の領域であり、他の制御データを上書き記録不能とした領域である。
そして、上記情報記録装置において、DVD−RW1に記録情報を記録するに当たって最初に初期化処理が実行された後においては、DVD−RW1には、図1に破線で示すようにその内周側から、制御情報領域RIと、リードインエリアL1と、本発明の第1の領域としての記録領域DAとが形成されている。
制御情報領域R1には、DVD−RW1に対する記録情報の記録及び再生に用いられる制御情報が初期化時に記録される。具体的な制御情報としては、例えば、記録及び再生を行う光ビームの強度の設定情報や、記録に用いる記録制御情報などが含まれる。リードインエリアL1には、記録及び再生の開始を示す開始情報が初期化時に記録される。記録領域DAは、DVD−RW1に各種コンテンツ等の記録情報を実際に記録するための領域である。なお、図1において、出荷時に既に形成されている再生専用領域RA及び不可能領域UAのそれぞれの区画線を実線で示し、初期化後に形成される制御情報領域RI、リードインエリアLI、記録領域DAのそれぞれの区画線を破線で示して区別している。
DVD―RW1に対する上記の初期化処理が終了した時点では、再生専用領域RAと不可能領域UAは共にリードインエリアLIに含まれることになる。また、DVD−RW1全体に対する記録情報の記録が終了する際に、記録終了を示す終了情報が記録されるリードアウトエリアが、記録領域DAの最外周部に形成されることになる。
次に図2は、後述のプリピットが形成されたDVD−RW1の構造を示す断面図である。それぞれ、図2(a)は、記録領域DAにおけるDVD−RW1の構造を示す斜視図であり、図2(b)は、図2(a)の矢印方向からグルーブトラックを見た断面図である。
上記DVD−RW1においては、再生専用領域RAを除いた領域に、出荷時の段階でランドトラック3にプリピット4が形成される。このプリピット4は、DVD−RW1に記録する際の記録位置を示すアドレス情報がプリ情報として記録されている。
また、上記DVD−RW1のグルーブトラック2には、同様に出荷時の段階で、回転制御等の記録動作全般の同期制御に用いるウォブル信号を発生させるためのウォブリングが施されている。すなわち、DVD−RW1には、一定の周期で蛇行するグルーブトラック2が予め形成されている。
図2(a)、(b)において、DVD−RW1は相変化薄膜からなる記録層11を備えた相変化型の光ディスクであり、記録トラックとしてのグルーブトラック2と、グルーブトラック2に隣接するガイドトラックとしてのランドトラック3が基板9上に交互に形成されている。グルーブトラック2には、再生時又は記録時に、波長650nmの光ビームBが照射され、ランドトラック3の作用により光ビームBをグルーブトラック2に誘導させることができる。
図2(b)に示すように、グルーブトラック2は、基板9上に、樹脂層9A、反射層6、保護層8、記録層11、保護層5、保護膜7が順に積層された断面構造になっている。保護層5、8は、記録層11を挟むように配置され、記録層11を保護する機能を有する。反射層6は、照射された光ビームBを反射する役割を担う。保護膜7と樹脂層9Aは、上記の各層を外気等から保護するために設けられている。
このとき、グルーブトラック2の深さは記録層11の位置で20nm以上35nm以下とされており、また、隣接する2つのグルーブトラック2の中心線同士の間隔は、0.74μmとされている。
一方、上述したように、ランドトラック3には上記プリ情報に対応するプリピット4が出荷時の段階で形成されている。そして、情報記録装置がDVD−RW1に記録情報を記録する際には、プリピット4を検出して予め記録されているプリ情報を後述するように取得し、これに基づいて光ビ−ムBの最適出力等を設定すると共に、プリ情報としてのアドレス情報に基づいて記録情報の所定の記録位置に記録する。
また、図2(a)に示されるように、グルーブトラック2が蛇行して形成され、上記ウォブリングが施されている。グルーブトラック2のウォブリングに基づいて抽出されるウォブル信号は、比較的低い周波数(具体的には、140kHz)の周期信号になっている。また、グルーブトラック2の蛇行振幅としてのウォブリング振幅は一定に保たれているので、抽出されるウォブル信号のレベルも一定になる。そして、情報記録装置がDVD−RW1に記録情報を記録する際には、グル−ブトラック2からの検出信号からウォブル信号を抽出し、これを同期基準としてDVD−RW1の動作全般を制御する。
ここで、図2(a)に示すように、DVD−RW1に記録情報を記録するときは、グルーブトラック2の中心をトレースさせるように光ビームBを照射して、グルーブトラック2上に相変化ピットを所定のパターンで形成して記録情報を記録する。
このとき、光ビームBにより形成される光スポットSPは、図2(a)に示すように、グルーブトラック2に加え、光スポットSPの一部がランドトラック3にも照射可能なサイズになるような配置に設定される。そして、光スポットSPの反射光を用いてプッシュプル方式(DVD−RW1の回転方向に平行な分割線により分割された光検出器を用いたラジアルプッシュプル方式)により、プリピット4が担うプリ情報が検出される。なお、光ビームBをグルーブトラック2に追従させるためのトラッキングサーボ制御に関しても、上記プッシュプル方式に基づいて行われる。
次に、図3及び図4により、DVD−RW1上に形成された再生専用領域RAの構造について説明する。図3は、再生専用領域RAと不可能領域UAとの境界付近の構造を示す平面拡大図である。図4(a)は、図3のA−A’部から見た再生専用領域RAの断面図であり、図4(b)は、図3のB−B’部から見た再生専用領域RAの断面図である。なお、図4(a)は、図2(a)に対応する断面図であり、図4(b)は、図2(b)に対応する断面図である。
再生専用領域RAにおいては、図2に示すような連続するグルーブトラック2及びランドトラック3は形成されていない。一方、図3に示すように、再生専用領域RAには、DVD−RW1の再生時に用いる再生制御情報等を担うエンボスピット列としての複数の位相ピットPIが形成されている。この位相ピットPIに基づいて、光ビームBを照射したときに生じる回折に起因して反射光のレベルが変化することにより、位相ピットPIの有無を判別して再生制御情報等の検出が可能となる。
図3に示すように、再生専用領域RAに形成された位相ピットPIにより、中心線CLに沿って断続的に並ぶピット列は蛇行して配置され、一定の周期でウォブリングが施されている。そして、位相ピットPIのピット列が蛇行する周期は、図2に示すグルーブトラック2のウォブリング周期と同様の周期に設定されている。また、位相ピットPIのピット列のウォブリング振幅は、後述のようにウォブル信号のレベルを考慮して適切に設定されている。このように、再生専用領域RAにおける位相ピットPIのピット列をトレースする場合も、ウォブル信号の抽出が可能となる。
ここで、再生専用領域RA内の位相ピットPIの深さは、制御データの読み出しを可能とし、かつこの位相ピット列上に上書き記録された他の制御データの読み出しを妨げるため、記録層11の位置で60nm以上90nm以下とされている。また、DVD−RW1の半径方向に相隣接する位相ピットPIの中心線同士の間隔は、グルーブトラック2の場合と同様に0.74μmとされている。そして、本実施形態においては、再生専用領域RA内の位相ピットPIのピット列に基づくウォブル信号のレベルを、上記グルーブトラック2に施されたウォブリングに基づくウォブル信号と同様のレベルにすべく、位相ピットPIの深さを適切に設定しているが、詳しくは後述する。
なお、再生専用領域RAにおいて位相ピットPIが形成されていない部分は、図4(b)に示すように全くの平面とされている。
また、再生専用領域RAには、プリピット4は形成されていない。これは、後述するように位相ピットPIとプリピット4とが同じ深さに形成されるため、両者が同一の領域内に存在すると互いに光学的に干渉し合って双方の検出が困難となるからである。
次に、図3により、DVD−RW1に形成された不可能領域UAの構造について説明する。上述した不可能領域UAには、図3に示すように、再生専用領域RAと同様に連続するグルーブトラック2及びランドトラック3は形成されていない。一方、不可能領域UAには、エンボスピット列としての複数の位相ピットPI’が形成され、8−16変調された所定のデータに対応している。また、位相ピットP’のピット列にもウォブリングが施されている。
ここで、不可能領域UAの位相ピットPI’の深さは、プリピット4の読み出しを可能とし、かつこの位相ピット列上に上書き記録された他の制御データの読み出しを妨げるため、記録層11の位置で20nm以上35nm以下とされ、グルーブトラック2と同様になっている。このように構成された不可能領域UA内の記録層11に光ビームが照射され相変化ピットが形成された場合には、その上部にある位相ピットPI’との干渉に起因して、相変化ピットの内容を検出することができない。
なお、不可能領域UAには、上記プリピット4によりアドレス情報が記録されている。従って、記録時にDVD−RW1の回転に伴って記録領域DAに記録用の光ビームBが達するのに先立って、DVD−RW1上の記録位置を情報記録装置において把握できることとなる。
次に、図5により、本実施形態に係るDVD−RW1における記録フォーマットについて説明する。図5は、リードインエリアLIと記録領域DAが形成された後におけるDVD−RW1の記録フォーマットの一部を示す図である。
図5に示すように、上記の初期化処理が行われた後においては、リードインエリアLI内には、内周側から、イニシャルゾーンIZと、参照コードゾーンRZと、第1バッファゾーンB1と、上述した再生専用領域RA及び不可能領域UAと、第2バッファゾーンB2とが形成されている。このうち、イニシャルゾーンIZ、第1バッファゾーンB1、第2バッファゾーンB2には、全てのビット列にゼロデータが記録されている。また、参照コードゾーンRZには、上記開始情報等を含む参照コードが記録されている。
図5の左側に示すように、プリピット4が担うアドレス情報は、イニシャルゾーンIZ、参照コードゾーンRZ、第1バッファゾーンB1については内周側から順次インクリメントするように設定されている。これに対し、不可能領域UAと第2バッファゾーンB2については記録領域DAの最内周部(第2バッファゾーンB2の最外周部)から順次デクリメントするように設定されている。上述のように、プリピット4が形成されない再生専用領域RAにはアドレス情報が設定されないので、その前後でアドレス情報が不連続に設定されている。
一方、DVDフォーマットに対応するセクタ番号については、図5の右側に示すように設定される。すなわち、再生専用領域RAについては、出荷時に予め位相ピットPIによりセクタ番号が記録されるのに対し、再生専用領域RA及び不可能領域UAを除くリードインエリアLI内については、初期化後に連続的に配置されるセクタ番号が設定される。このとき、不可能領域UAについては、その最内周部と最外周部との間で連続して変化するようにセクタ番号が設定されている。
次に、図6により、再生専用領域RAにおける位相ピットPIの深さと光学的特性の関係について説明する。図6は、再生専用領域RAの位相ピットPIの深さに対し、位相ピットPIにより検出される検出信号の出力レベル及びプッシュプル方式に基づくトラッキングエラー信号の出力レベルとの関係についての実験結果を示す図である。
上述したように、再生専用領域RAにおいてトラッキングサーボ制御を正確に行いつつ、位相ピットにより記録されているセクタ情報等を検出するためには、検出信号とトラッキングエラー信号とが共に良好な出力レベルで検出される必要がある。図6において、検出信号及びトラッキングエラー信号の双方の出力レベルを許容範囲にするには、位相ピットPIの深さを60nm以上90nm以下(図6中B領域)に設定する必要がある。また、位相ピットPIの深さを70nm以上80nm以下(図6中A領域)に設定すれば、検出信号及びトラッキングエラー信号の双方の出力レベルを更に最適化することができる。
次に、図7を用いて、上述のような構造を有するDVD−RW1を製造するカッティング装置について説明する。図7は、本実施形態に係るカッティング装置の概略構成を示すブロック図である。
図7に示すように、本実施形態に係るカッティング装置は、ランドデータ発生器20と、パラレル/シリアル変換器21と、プリフォーマット用エンコーダ22と、クロック信号発生部23と、レーザ発生装置24と、光変調器25と、対物レンズ26と、スピンドルモータ29と、回転検出器30と、回転サーボ回路31と、送りユニット32と、位置検出器33と、送りサーボ回路34と、CPU40と、グルーブデータ発生器50と、ウォブル信号発生器51と、可変利得アンプ52と、スイッチ53とにより構成されている。
また、光ディスク原盤は、ガラス基板27と、このガラス基板27上にコーティングされたレジスト28とにより構成されている。レジスト28は、後述の光ビームBG、BLが照射されることにより感光され、光ビームBG、BLの強度の変化に対応した形状のピットが形成されるものである。
図7において、ランドデータ発生器20は、CPU40の制御の下、ランドトラック3に形成されるプリピット4のパターンに対応するパラレルデータを出力する。出力されたパラレルデータは、パラレル/シリアル変換器21によってシリアルデータに変換される。そして、このシリアルデータは、プリフォーマット用エンコーダ22に入力され、クロック信号発生部23から供給されるプリフォーマッティング用のクロック信号に基づいて、ランドトラック3やプリピット4を実際に光ディスク原盤上に形成するためのランドデータ信号SLが生成され、光変調器25に出力される。
一方、グルーブデータ発生器50は、CPU40の制御の下、グルーブトラック2、あるいは、予め形成すべき位相ピットPI、PI’のパターンに対応するグルーブデータを生成し、スイッチ53に対する制御信号として出力する。
また、ウォブル信号発生器51は、グルーブトラック2のウォブリングを施すためのウォブル信号を発生する。そして、ウォブル信号は、可変利得アンプ52によりCPU40の制御に基づく所定のウォブルゲインで増幅された後、スイッチ53に出力される。
上述のようにスイッチ53では、ゲインを付与されたウォブル信号とグランドレベルが入力され、グルーブデータ発生器50から出力されるグルーブデータに基づいて切り換え制御が行われる。これにより、実際に光ディスク原盤上にグルーブトラック2の形状を形成するためのグルーブデータ信号SGを光変調器25に出力する。
レーザ発生装置24は、光ディスク原盤に対し、グルーブトラックを形成するための第1の光ビームBGと、ランドトラック3のプリピット4を形成するための第2の光ビームBLを出射する。上述した光変調器25において、第1の光ビームBGに対してはグルーブデータ信号SGに基づく変調が施される一方、第2の光ビームBLに対してはランドデータ信号SLに基づく変調が施される。更に、レーザ発生装置24におけるレーザパワーは、CPU40の制御に従って所定のタイミングで制御される。そして、光ビームBG、BLは、対物レンズ26を介して光ディスク原盤上に集光される。
このとき、スピンドルモータ29が光ディスク原盤を回転させると共に、回転検出器30が光ディスク原盤の回転を検出する。これにより、回転サーボ回路31が光ディスク原盤の回転を制御すると共に、回転に同期した回転パルスを出力する。
位置検出器33は、送りユニット32の位置を検出し、その検出信号を送りサーボ回路34に出力する。送りサーボ回路34は、位置検出器33からの検出信号に基づいて、送りユニット32の位置情報を取得し、これにより送りユニット32の移動をサーボ制御する。
以上のような動作が行われることにより、螺旋状のトラックとエンボスピット列に対応する凹凸形状が光ディスク原盤上に形成され、かかる光ディスク原盤に基づいて光ディスク製造のための抜き型としてのスタンパディスクが作成されることになる。その後は、スタンパディスクを用いたレプリケーションプロセスが実行され、本発明に係るレプリカディスクとしてのDVD−RW1が大量生産される。
次に、図8〜図10に示すフローチャートにより、本実施形態に係るカッティング装置において行われる光ディスク原盤のカッティング処理について説明する。なお、この処理は図示しないメモリ手段に格納される制御プログラムに従って、主にCPU40により行われる。
図8に示すように、カッティング装置における処理が開始されると、可変利得アンプ52におけるウォブルゲインと、レーザ発生装置24におけるレーザパワーの初期設定を行う(ステップS1)。ここでは、標準的なウォブリング量でグルーブトラック2を形成する場合のウォブルゲインを設定すると共に、グルーブトラック2の深さが30nmとなるようなレーザパワーを設定する。
続いて、光ディスク原盤に対し、グルーブトラック2とランドトラック3のプリピット4の形成を開始する(ステップS2)。すなわち、回転サーボ回路31及び送りサーボ回路34を制御しつつ、レーザ発生装置24を駆動制御して、第1の光ビームBGと第2の光ビームBLの光ディスク原盤への照射を開始する。
そして、プリピット4に記録すべきアドレス情報を参照して、再生専用領域RAに到達したか否かを判定する(ステップS3)。図5に示されるように、再生専用領域RAの先頭アドレス002F20hを検出すればよい。ステップS3の判定の結果、再生専用領域RAに到達したときは(ステップS3;YES)、再生専用領域RAの形成処理を行う(ステップS4)。
ここで、図9により、ステップS4の具体的な処理を説明する。図9に示す再生専用領域RAの形成処理が開始されると、上述のように再生専用領域RAにはプリピット4がないので、プリピット4の形成を一時停止する(ステップS11)。よって、光ディスク原盤に対するレーザ発生装置24による第2の光ビームBLの照射は停止される。
次に、再生専用領域RAにおける位相ピットPIのピット列によるウォブリング振幅に適合するように、ウォブルゲインを設定する(ステップS12)。また、再生専用領域RAにおける位相ピットPIの深さに適合するように、レーザパワーを設定する(ステップS13)。なお、再生専用領域RAにおけるウォブリング振幅と位相ピットPIの深さの具体的な設定については後述する。
次に、再生専用領域RAに位相ピットPIを用いて記録すべきセクタ番号を002F200hにセットする(ステップS14)。これは、図5に示されるように、再生専用領域RAの先頭のセクタ番号に対応している。
次に、再生専用領域RAの位相ピットPIの形成を開始する(ステップS15)。これにより、再生専用領域RAには、位相ピットPIのピット列が所定のウォブリング振幅とピット深さで形成されることになる。
そして、ステップS15以降、上記のセクタ番号を参照して、不可能領域UAに到達したか否かを判定する(ステップS16)。図5に示されるように、不可能領域UAの先頭アドレス002FD0hに対応するセクタ番号を検出すればよい。ステップS16の判定の結果、不可能領域UAに到達したときは(ステップS16;YES)、図8のステップS5に移行する。
次に、図8に示すように、不可能領域UAの形成処理を行う(ステップS5)。 ここで、図10により、ステップS5の具体的な処理を説明する。図10に示す不可能領域UAの形成処理が開始されると、上述のように不可能領域UAにはプリピット4を形成する必要があるので、プリピット4により記録するアドレスを002FD0hにセットする。これは、上述したように、不可能領域UAの先頭アドレスに対応している。
そして、ステップS11にて一時停止されていたプリピット4の記録を再開する(ステップS22)。これ以降、光ディスク原盤に対するレーザ発生装置24による第2の光ビームBLの照射が行われる。
次に、不可能領域UAにおける位相ピットPI’のピット列によるウォブリング振幅に適合するように、ウォブルゲインを設定する(ステップS23)。また、再生専用領域RAにおける位相ピットPI’の深さに適合するように、レーザパワーを設定する(ステップS24)。なお、不可能領域UAにおけるウォブリング振幅と位相ピットPI’の深さの具体的な設定については後述する。
次に、不可能領域UAの位相ピットPI’の形成を開始する(ステップS25)。これにより、不可能領域UAには、位相ピットPI’のピット列が所定のウォブリング振幅と深さで形成されると共に、これに隣接してアドレス情報を担うプリピット4が形成されることになる。
そして、ステップS25以降は上記のアドレス情報を参照しつつ、第2バッファゾーンB2に到達したか否かを判定する(ステップS26)。図5に示されるように、第2バッファゾーンB2の先頭アドレス002FE0hを検出すればよい。ステップS26の判定の結果、第2バッファゾーンB2に到達したときは(ステップS26;YES)、図8のステップS6に移行する。
次に、図8に示すように、上述のように設定を変更したウォブルゲインとレーザパワーをステップS1と同様の初期設定状態に戻す(ステップS6)。これ以降は、標準的なウォブリング量であって、深さが30nmとなるグルーブトラック2が形成されることになる。
そして、ステップS6以降は上記のアドレス情報を参照しつつ、DVD−RW1における所定の記録終了位置に到達したか否かを判定する(ステップS7)。その結果、記録終了位置に到達したときは(ステップS7;YES)、図8〜図10のカッティング処理を終了する。
次に、本実施形態において、再生専用領域RAと不可能領域UAに関する具体的な構成の実施例を説明する。以下の実施例では、再生専用領域RAと不可能領域UAにおけるウォブル信号の出力レベルを最適化すべく、それぞれの位相ピットPI、PI’のピット列に対するウォブリング振幅及びピット深さを適宜に設定すべきパラメータとしている。
まず、図11及び図12を用いて、上記各パラメータとウォブル信号の出力特性との関係についてのシミュレーション結果を説明する。図11は、ピット深さ(グルーブ深さ)に対するプッシュプル方式に基づくトラッキングエラー信号の出力レベルの関係を求めたシミュレーション例である。また、図12は、ウォブリング振幅に対するウォブル信号の出力レベルの関係を求めたシミュレーション例である。
図11においては、グルーブトラック2が形成されるグルーブ部と、グルーブトラック2の代わりにデューティ80%及び50%の位相ピットからなる2種のピット列についての特性を比較して示している。なお、図11における3つの特性は、ウォブリング振幅を一定値とした場合に対応する。また、図11では、縦軸をトラッキングエラー信号の出力レベルとしているが、ウォブル信号とトラッキングエラー信号はそれぞれ出力レベルが比例するので、図11の縦軸をウォブル信号の出力レベルとしても同様のカーブとなる。
ここで、ピット列のデューティは、トラック方向の長さにおける位相ピット形成部分の比率の平均値を表している。セクタ情報等が記録される再生専用領域RAは、ピット配置に自由度がないため、概ねデューティ50%を想定する。一方、ピット配置がランダムである不可能領域UAは、ある程度デューティの調節が可能であり、よりグルーブ部に近い条件としてデューティ80%を想定する。なお、グルーブ部の場合は、デューティ100%とみなすことができる。
図11から明らかなように、ピット深さ(グルーブ深さ)が同一である場合は、デューティが小さくなると、出力レベルも小さくなる関係にある。これは、位相ピット部分が減ることにより、照射した光ビームに与える位相変化が小さくなるためである。
図11において、グルーブ部のグルーブ深さを、規格に対応して30nmに設定するものとする。また、再生専用領域RAでは、図6に示す光学的特性に基づく好適な範囲のうち、位相ピットPIの深さを80nmに設定するものとする。これに対し、不可能領域UAではプリピット4の検出性能を考慮して、位相ピットPI’のピット深さを小さくする必要がある。ここでは、不可能領域UAの位相ピットPI’の深さを30nmと50nmの2通りに設定するものとする。なお、図11において、それぞれ設定されたピット深さ(グルーブ深さ)の位置を点線にて示している。
次に、図12においては、ピット深さ(グルーブ深さ)を上記の条件に設定した場合、ウォブリング振幅を変化させた場合のウォブル信号の出力レベルの変化を示している。なお、不可能領域UAの位相ピットPI’の深さとして、30nmを設定した場合が条件Aに対応し、50nmに設定した場合が条件Bに対応する。
図12から明らかなように、ウォブリング振幅とウォブル信号の出力レベルは比例関係にある。また、図11の特性に対応して、同じウォブリング振幅であっても、グルーブ部及び不可能領域UAの条件B、不可能領域UAの条件A、再生専用領域RAの順に抽出されるウォブル信号の出力レベルが小さくなっていく。そこで、本実施形態では、ウォブリング振幅を調整することにより、図12に示すような上記条件の相違に起因するウォブル信号の出力レベルの低下を補償している。
以上の検討に基づき、本実施形態に係るDVD−RWの2つの実施例について図13及び図14により説明する。図13は、第1の実施例の構成を示す図であり、図14は、第2の実施例の構成を示す図である。
図13、図14に示す2つの実施例において、グルーブ部の条件と、再生専用領域RAの条件はそれぞれ共通になっている。すなわち、グルーブ深さが30nmに設定されると共に、ウォブリング振幅Xは標準として予め定められた所定量が設定されている。また、再生専用領域RAにおける位相ピットPIは、デューティ50%の条件の下、ピット深さが80nmに設定されると共に、ウォブリング振幅が2.7Xに設定されている。
そして、図13に示す第1の実施例では、不可能領域UAにおける位相ピットPI’は、デューティ80%の条件の下、ピット深さが30nmに設定されると共に、ウォブリング振幅が1.3Xに設定される。このとき、図12の下部に示すように、グルーブ部で抽出されるウォブル信号の出力レベルYに対し、不可能領域UAと再生専用領域RAでそれぞれ抽出されるウォブル信号が同様の出力レベルYとなることがわかる。
次に、図14に示す第2の実施例では、不可能領域UAにおける位相ピットPI’は、デューティ80%の条件の下、ピット深さが50nmに設定されると共に、ウォブリング振幅がXに設定される。この場合も、図13の下部に示すように、グルーブ部で抽出されるウォブル信号の出力レベルYに対し、不可能領域UAと再生専用領域RAでそれぞれ抽出されるウォブル信号が同様の出力レベルYとなることがわかる。
このように、第1の実施例と第2の実施例は、いずれも各領域のウォブル信号の出力レベルを略同一にすることできる。そして、第1の実施例では、グルーブ部と不可能領域UAは、共通のピット深さ(グルーブ深さ)30nmが設定されている。一方、第2の実施例では、グルーブ部と不可能領域UAは、共通のウォブリング振幅Xが設定されている。
以上説明したように、本実施形態に係るDVD−RW1によれば、不法複写を防止するための再生専用領域RAと不可能領域UAを設ける場合であっても、ピット深さやウォブリング振幅などの条件を適切に設定することで、それぞれの領域のウォブリングに基づくウォブル信号の出力レベルを一定に保つことができる。その結果、ウォブル信号を用いて記録再生を制御する際の同期制御の安定化を図ることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態では、記録情報を光学的に記録可能な光学式記録媒体としてDVD−RWを用いて説明したが、DVD−R等、別のフォーマットに基づく光学式記録媒体であっても本発明を適用可能である。
また、上述した光学式記録媒体製造装置としてのカッティング装置によれば、異なる光ビームBG、BLにより、光ディスク原盤上にプリピット4とグルーブトラック2をそれぞれカッティングするよう構成されているが、光変調器25により1本の光ビームをディスク半径方向に大きく回折させることにより、プリピット4を形成することもできる。また、かかる光学式記録媒体製造装置によれば、光ビームのパワー調整により位相ピットの深さを変更するよう構成されているが、光変調器25の制御により、それらを行わせることもできる。
本実施形態に係るDVD−RWの平面図である。 プリピットが形成されたDVD−RWの構造を示す図であり、(a)は斜視図で、(b)は断面図である。 再生専用領域及び不可能領域の構造を示す平面拡大図である。 再生専用領域の構造を示す断面図であり、(a)は位相ピットが形成されている部分の断面図であり、(b)は位相ピットが形成されていない部分の段面図である。 本実施形態に係るDVD−RWにおける記録フォーマットの一部を示す図である。 本実施形態に対応する実験結果を示す図である。 本実施形態に係るカッティング装置の概略構成を示すブロック図である。 本実施形態に係るカッティング装置において行われる光ディスク原盤のカッティング処理を示すフローチャートである。 本実施形態に係るカッティング装置において行われる光ディスク原盤のカッティング処理のうち、再生専用領域の形成処理を示すフローチャートである。 本実施形態に係るカッティング装置において行われる光ディスク原盤のカッティング処理のうち、不可能領域の形成処理を示すフローチャートである。 本実施形態に対応するシミュレーション結果のうち、ピット深さ(グルーブ深さ)に対するトラッキングエラー信号の出力レベルの関係を求めたシミュレーション例を示す図である。 本実施形態に対応するシミュレーション結果のうち、ウォブリング振幅に対するウォブル信号の出力レベルの関係を求めたシミュレーション例を示す図である。 本実施形態に係るDVD−RWにおける第1の実施例の構成を示す図である。 本実施形態に係るDVD−RWにおける第2の実施例の構成を示す図である。
符号の説明
1…DVD−RW
2…グルーブトラック
3…ランドトラック
4…プリピット
5、8…保護層
6…反射層
7…保護膜
9…基板
9A…樹脂層
11…記録層
20…ランドデータ発生器
21…パラレル/シリアル発生器
22…プリフォーマット用エンコーダ
23…クロック信号発生部
24…レーザ発生装置
25…光変調器
26…対物レンズ
27…ガラス基板
28…レジスト
29…スピンドルモータ
30…回転検出器
31…回転サーボ回路
32…送りユニット
33…位置検出器
34…送りサーボ回路
40…CPU
50…グルーブデータ発生器
51…ウォブル信号発生器
52…可変利得アンプ
53…スイッチCH…クランプ孔
RA…再生専用領域(第2の領域)
UA…不可能領域(第3の領域)
RI…制御情報領域
LI…リードインエリア
DA…記録領域(第1の領域)
B…光ビーム
BG…第1の光ビーム
BL…第2の光ビーム
SP…光スポット
PI、PI’…位相ピット
IZ…イニシャルゾーン
RZ…参照コードゾーン
B1…第1バッファゾーン
B2…第2バッファゾーン

Claims (10)

  1. 記録情報を光学的に記録可能な光学式記録媒体において、一定周波数のウォブル信号を抽出するために蛇行して形成されたグルーブトラックに、前記記録情報が記録される第1の領域と、前記記録情報の再生制御に必要な制御データに対応する位相ピット列が蛇行して配置され、当該位相ピット列が前記制御データの読み出しを可能とし、かつ当該位相ピット列上に上書き記録された他のデータの読み出しを妨げるピット深さで形成された第2の領域と、所定のデータに対応する位相ピット列が蛇行して配置されており、当該位相ピット列が前記光学式記録媒体上に対する記録位置を示すアドレス情報を含むプリピットの読み出しを可能とし、かつ当該位相ピット列上に上書き記録された他のデータの読み出しを妨げるピット深さで形成された第3の領域と、を備え、前記第2の領域の蛇行振幅と前記第3の領域の蛇行振幅は、それぞれの領域から抽出されるウォブル信号の出力レベルが前記第1の領域から抽出されるウォブル信号の出力レベルと略同一となるように設定されることを特徴とする光学式記録媒体。
  2. 少なくとも前記第1の領域及び前記第3の領域には、前記プリピットが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学式記録媒体。
  3. 前記第3の領域のピット深さは、前記第2の領域のグルーブトラックの深さと同一に設定されることを特徴とする請求項2に記載の光学式記録媒体。
  4. 前記第1の領域は、グルーブトラックの深さが30nmに設定され、前記第2の領域は、ピット深さが80nm、ピット列の平均デューティが略50%、蛇行振幅が前記第1の領域の蛇行振幅の略2.7倍にそれぞれ設定され、前記第3の領域は、ピット深さが30nm、ピット列の平均デューティが略80%、蛇行振幅が前記第1の領域の蛇行振幅の略1.3倍にそれぞれ設定されることを特徴とする請求項3に記載の光学式記録媒体。
  5. 前記第3の領域の蛇行振幅は、前記第1の領域の蛇行振幅と同一に設定されていることを特徴とする請求項2に記載の光学式記録媒体。
  6. 前記第1の領域は、グルーブトラックの深さが30nmに設定され、前記第2の領域は、ピット深さが80nm、ピット列の平均デューティが略50%、蛇行振幅が前記第1の領域の蛇行振幅の略2.7倍にそれぞれ設定され、前記第3の領域は、ピット深さが50nm、ピット列の平均デューティが略80%、蛇行振幅が前記第1の領域の蛇行振幅と同一にそれぞれ設定されることを特徴とする請求項5に記載の光学式記録媒体。
  7. 記録情報を光学的に記録可能な光学式記録媒体を、光ディスク原盤を用いて製造する光学式記録媒体製造装置において、一定周波数のウォブル信号により変調された光ビームを用いてグルーブトラックを蛇行させつつ前記光ディスク原盤にカッティングし、前記記録情報が記録される第1の領域を形成する第1の領域形成手段と、前記ウォブル信号により変調された光ビームを用いて、前記記録情報の再生制御に必要な制御データに対応する位相ピット列を、前記制御データの読み出しを可能とし、かつ当該位相ピット列上に上書き記録された他のデータの読み出しを妨げるピット深さにより、前記光ディスク原盤に蛇行させつつカッティングし、第2の領域を形成する第2の領域形成手段と、前記ウォブル信号により変調された光ビームを用いて、所定のデータに対応する位相ピット列を、前記光学式記録媒体上に対する記録位置を示すアドレス情報を含むプリピットの読み出しを可能とし、かつ当該位相ピット列上に上書き記録された他のデータの読み出しを妨げるピット深さにより、前記光ディスク原盤に蛇行させつつカッティングし、第3の領域を形成する第3の領域形成手段と、を備え、前記第2の領域形成手段と前記第3の領域形成手段では、前記光ディスク原盤を用いて製造された光学式記録媒体の再生時に前記それぞれの領域から抽出されるウォブル信号の出力レベルが前記第1の領域から抽出されるウォブル信号の出力レベルと略同一となるように、光ビームに対する前記ウォブル信号による変調の度合を設定することを特徴とする光学式記録媒体製造装置。
  8. 前記第1の領域形成手段及び前記第3の領域形成手段は、前記プリピットを形成することを特徴とする請求項7に記載の光学式記録媒体製造装置。
  9. 記録情報を光学的に記録可能な光学式記録媒体を、光ディスク原盤を用いて製造する光学式記録媒体製造方法において、一定周波数のウォブル信号により変調された光ビームを用いてグルーブトラックを蛇行させつつ前記光ディスク原盤にカッティングし、前記記録情報が記録される第1の領域を形成する第1の領域形成工程と、前記ウォブル信号により変調された光ビームを用いて、前記記録情報の再生制御に必要な制御データに対応する位相ピット列を、前記制御データの読み出しを可能とし、かつ当該位相ピット列上に上書き記録された他のデータの読み出しを妨げるピット深さにより、前記光ディスク原盤に蛇行させつつカッティングし、第2の領域を形成する第2の領域形成工程と、前記ウォブル信号により変調された光ビームを用いて、所定のデータに対応する位相ピット列を、前記光学式記録媒体上に対する記録位置を示すアドレス情報を含むプリピットの読み出しを可能とし、かつ当該位相ピット列上に上書き記録された他のデータの読み出しを妨げるピット深さにより、前記光ディスク原盤に蛇行させつつカッティングし、第3の領域を形成する第3の領域形成工程と、を備え、前記第2の領域形成工程と前記第3の領域形成工程では、前記光ディスク原盤を用いて製造された光学式記録媒体の再生時に前記それぞれの領域から抽出されるウォブル信号の出力レベルが前記第1の領域から抽出されるウォブル信号の出力レベルと略同一となるように、光ビームに対する前記ウォブル信号による変調の度合を設定することを特徴とする光学式記録媒体製造方法。
  10. 前記第1の領域形成工程及び前記第3の領域形成工程では、前記プリピットを形成することを特徴とする請求項9に記載の光学式記録媒体製造方法。
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