JP4248063B2 - 多心光コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、いわゆるMT形光コネクタと称されるピン嵌合位置合わせ方式の光コネクタに関し、特に、グレーデッドインデックス型の光ファイバを用い、かつフィジカルコンタクトのコネクタ接合端面を持つ光コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
図1は従来例および本発明に共通の図であるが、この図に示すように、位置合わせピン(ガイドピン)を嵌合する穴(ガイドピン穴)1aを備えた概ね角形のフェルール1に光ファイバ2を挿通固定した光コネクタ3は、JIS C 5981のF12型多心光ファイバコネクタで用いられるものであり、一般にMT光コネクタとして知られている。4は光ファイバテープ心線、5は保護のための樹脂製ブーツである。
【0003】
また、この種のMT光コネクタをハウジングに装着して、プッシュオン・プルオフのワンタッチ操作でコネクタ接続を可能にした光コネクタは、いわゆるMPO光コネクタ(JIS C 5982のF13形多心光ファイバコネクタ)として知られているが、この種のMPO光コネクタでは一般に、コネクタ接合端面に屈折率整合剤を使用せずに、光ファイバ端面を直接接触させるいわゆるフィジカルコンタクト接続を行っている。
【0004】
このフィジカルコンタクト接合端面を形成するために、フェルール端面を研磨するが、従来は、図4に示すように、光ファイバ端面2aをフェルール端面1bから数μm程度突き出す研磨を行っている(図4中のh寸法が数μm)。2bは光ファイバ2のコア、2cは光ファイバ2のクラッドを示す。なお、このように光ファイバ端面2aをフェルール面1bから数μm突き出す研磨は、ガラスである光ファイバ2の硬度とエポキシ樹脂等を用いたフェルール1の硬度との差違に着目した特殊な研磨により可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の光コネクタ(MT光コネクタ)3を突き出し研磨すると、SM光ファイバ(シングルモード光ファイバ)を取り付けた光コネクタの場合は良好な光学特性が得られるのに対して、マルチモード光ファイバであるGI光ファイバ(グレーデッドインデックス型の光ファイバ)を取り付けた光コネクタの場合は光学特性が不良となる。これは、SM光ファイバのようにコア径が10μmと小さいものでは、光ファイバどうしを突き合わせた場合に、コア部どうしの接触が十分に行われるのに対して、GI光ファイバの場合は、コア径が50μmと大きいので、コアどうしの接触が互いの一部分のみで行われることに起因するものである。
【0006】
本発明は上記従来の欠点を解消するためになされたもので、グレーデッドインデックス型の光ファイバを取り付けたMT光コネクタにおいて、良好な光学特性を得ることのできる光コネクタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明は、位置合わせピンを嵌合する穴を備えた概ね角形のフェルールに、グレーデッドインデックス型の複数の光ファイバを挿通固定するとともに、コネクタ接合端面を、光ファイバの端面がフェルール端面から突き出る形で形成した多心光コネクタであって、
前記光ファイバのフェルール端面から突き出た突出部を、研磨加工により、先端面に光ファイバのコア径より25%以上大きな径の円形の平坦面を有し、先端面とフェルール端面との間が截頭円錐状湾曲面となるように形成したことを特徴とする。
ここで截頭円錐状湾曲面とは、円錐体の頂部側を水平に切り取った立体である截頭円錐体の外周面に近いがその外周面が外に凸に膨らんでいる態様の湾曲面であることを意味する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図3を参照して説明する。実施形態の光コネクタは、前述した図1の光コネクタ3であり、位置合わせピン(ガイドピン)を嵌合する穴(ガイドピン穴)1aを備えた概ね角形のフェルール1に光ファイバ2を挿通固定した構成であって、JIS C 5981のF12型多心光ファイバコネクタで用いられるものであり、一般にMT光コネクタとして知られているものである。4は光ファイバテープ心線である。なお、前記光ファイバ2は、この光ファイバテープ心線4の光ファイバ(裸ファイバ)の先端部そのものであるか、光ファイバテープ心線4の光ファイバに接続される別途収容固定した短尺光ファイバかのいずれかである。5は保護のための樹脂製のブーツである。
【0010】
本発明では、図3に示すように、光ファイバ2のフェルール端面から突き出た突出部を、研磨加工により、接合端面2aとなる先端面に光ファイバ2のコア2bの径dより大きな径Dの円形の平坦面2dを有し、先端面とフェルール端面との間が截頭円錐状湾曲面となるように形成する。ここで截頭円錐状湾曲面とは、円錐体の頂部側を水平に切り取った立体である截頭円錐体の外周面に近いがその外周面が外に凸に膨らんでいる態様の湾曲面であることを意味する。GI光ファイバのコア径は50μmであるが、このコア径の25%以上、すなわち62.5μm以上の径の平坦面を形成する。2cはクラッド、1はフェルール、1bはフェルール端面である。
【0011】
上記のように光ファイバ2の接合端面に平坦面2dを形成した光コネクタ3によれば、この平坦面2dの幅が光ファイバ2のコア2bの径dより大きいので、この光コネクタ3どうしを突き合わせた時、平面どうしの接触となり、したがって、グレーデッドインデックス型であるこの光ファイバ3のコア3b径が50μmと大きくても、コア2bの全面を確実に接触させることができる。これにより、光コネクタ3のフィジカルコンタクト接続が容易になる。
【0012】
なお、本発明の光コネクタ3は、図2に示すようなMPO光コネクタ10の光コネクタ部として使用して好適である。このMPO光コネクタ10は、上記の光コネクタ3と同様な構造の光コネクタ部3A、この光コネクタ部3Aを前後(図2の左右方向)に移動可能に収容するハウジング11、光コネクタ部3Aを押圧するばね12、ハウジング11の外周に設けた係合する概ね角筒状のカプリング13、カップリング13を押し付けるばね14、係合爪15aで前記ハウジング11の後部に取り付けられる後部ハウジング15、フェルール1の穴1aに通された位置合わせピン16をクランプするピンクランプ17等からなっている。この構成により、プッシュオン・プルオフのワンタッチ操作のコネクタ接続が可能となる。
【0013】
なお、上記実施形態以外の大口径光ファイバへの適用も可能である。
【0014】
【発明の効果】
本発明の多心光コネクタによれば、フェルール内に収容固定した光ファイバのフェルール端面から突き出た突出部を、研磨加工により、先端面に光ファイバのコア径より25%以上大きな径の円形の平坦面を有し、先端面とフェルール端面との間が截頭円錐状湾曲面となるように形成した形成したので、光コネクタどうしを突き合わせた時、平面どうしの接触となり、したがって、グレーデッドインデックス型であるこの光ファイバのコア径が50μmと大きくても、例えば62.5μm以上等とすれば、コアの全面を確実に接触させることができる。これにより、光コネクタ3のフィジカルコンタクト接続が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する光コネクタの一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の光コネクタの応用例を示すもので、図1の光コネクタ(いわゆるMT光コネクタ)を利用したいわゆるMPO光コネクタの主要部を水平断面で示した平面図である。
【図3】本発明の光コネクタにおける光ファイバの端面部分の拡大断面図(図1のA−A断面図相当)である。
【図4】従来の光コネクタにおける光ファイバの端面部分の拡大断面図(図1のA−A断面図相当)である。
【符号の説明】
1 フェルール
1a 穴(ガイドピン穴)
1b フェルール端面
2 光ファイバ(裸ファイバ)
2a 光ファイバの接合端面
2b コア
2c クラッド
3 光コネクタ
3A MPO光コネクタの光コネクタ部
4 光ファイバテープ心線
10 MPO光コネクタ
11 ハウジング
12 ばね
13 カップリング
16 ガイドピン
Claims (1)
- 位置合わせピンを嵌合する穴を備えた概ね角形のフェルールに、グレーデッドインデックス型の複数の光ファイバを挿通固定するとともに、コネクタ接合端面を、光ファイバの端面がフェルール端面から突き出る形で形成した多心光コネクタであって、
前記光ファイバのフェルール端面から突き出た突出部を、研磨加工により、先端面に光ファイバのコア径より25%以上大きな径の円形の平坦面を有し、先端面とフェルール端面との間が截頭円錐状湾曲面となるように形成したことを特徴とする多心光コネクタ。
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