JP4243508B2 - バンク形成方法およびバンク形成システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レジストを用いたバンク形成方法およびバンク形成システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子デバイスである液晶パネルの製造工程において、ガラス基板にパターンである薄膜トランジスタ(TFT)を形成する場合、次のようにして素子形成領域にシリコン膜を形成していた。まず、ガラス基板の表面にトランジスタを形成するための多結晶シリコン膜をCVDなどによって成膜する。次に、多結晶シリコン膜の上にフォトレジストを塗布し、これを露光、現像して素子形成領域に対応した部分以外のフォトレジストを除去する。その後、フォトレジストをマスクとして多結晶シリコン膜をエッチングし、不要な多結晶シリコン膜を除去してフォトレジストの下方にのみ多結晶シリコン膜を残す。さらに、フォトレジストをアッシングして除去する。これにより、素子形成領域に多結晶シリコン膜が残される。その後、多結晶シリコン膜の上方に絶縁膜を介してゲート電極を形成し、また多結晶シリコン膜に不純物を拡散してソース、ドレインを形成することにより、多結晶シリコン膜をTFTにすることができる。
【0003】
ところが、上記したTFTを形成する方法は、多結晶シリコン膜をCVDなどによって形成するようにしており、真空装置を使用するために多くの時間とエネルギーとを必要とする。このため、TFTの製造効率を向上させることが困難で、製造コストも高くなる。そこで、水素化ケイ素などの液体材料を用いて多結晶シリコン膜を形成することが提案されている(特許文献1)。
【0004】
このように、近年は、電子デバイスの種々の分野において液体材料を用いた成膜、パターン形成が提案されている。たとえば、液晶パネルに使用するカラーフィルタや有機エレクトロルミネッセンスの製造において、素子領域の周囲にレジストからなるバンクを形成し、このバンクの中にカラーフィルタを形成するインクや液体状のエレクトロルミネッセンスを供給し、固化するようにしている(例えば、特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−32085号公報
【特許文献2】
特開2002−207114号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、液体材料を用いた成膜、パターン形成が発達するのに伴って、パターン形成用の各種の液体材料が開発され、300〜400℃の高温処理を必要とする材料の使用も検討されている。ところが、従来のバンクは、一般に通常のフォトレジストによって形成しており、200℃を超えるような高温においては、バンクが変形するなどの問題を生ずる。例えば、フォトレジストからなるバンクの中に、特許文献1に記載の液体材料を供給して焼成し、素子形成領域を得ようとする場合、250〜500℃の温度で処理する必要がある。しかし、従来のフォトレジストからなるバンクは、このような高温に耐えることができない。このため、従来のバンクでは、使用温度範囲が限られ、広範な液体材料を使用することができない。また、ITO(Indium Tin Oxide)からなる透明電極を液体材料によって形成する場合、フォトレジストからなるバンクが、ITOの原料を溶解または分散させた有機溶媒によって溶かされ、バンクとしての機能を維持することができない。
【0007】
本発明は、上記従来技術の欠点を解消するためになされたもので、より高温での使用が可能なフォトレジストからなるバンクを得ることを目的としている。
また、本発明は、耐薬品性を高められるようにすることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
フォトレジストは、一般にノボラック樹脂と感光剤としてのジアゾ化合物とを主成分としている。そして、発明者らは、フォトレジストの耐熱性、耐薬品性を向上させるために鋭意研究し、実験を重ねたところ、フォトレジストの硬化は、大気中に存在する水分やフォトレジスト内に溶存している水分子が大きく影響していることを見いだした。すなわち、フォトレジストは、水分の存在している雰囲気中で硬化させると、ジアゾ化合物がカルボン酸を形成して架橋反応が進まず、耐熱性、耐薬品性が得られないことが判明した。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
【0009】
本発明に係るバンク形成方法は、基板にレジストを塗布して乾燥させ、レジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、前記レジスト膜を露光、現像し、所定部分のレジスト膜を除去してバンクにするパターニング工程と、前記バンクを減圧下に配置して光または高エネルギー線を照射する重合工程と、重合させた前記バンクを、前記レジストの乾燥温度以上に加熱する熱硬化工程と、を有することを特徴としている。
【0010】
これにより、レジストからなるバンクは、水分の影響を受けない環境において重合、架橋反応が行なわれる。このため、バンク(レジスト)に含まれている感光剤であるジアゾ化合物がカルボン酸になるのを防ぐことができ、架橋反応が進行して緻密で耐熱性、耐薬品性に優れたバンクとすることができる。このため、使用できる液体成膜材料、パターン材料の種類が増加し、液体材料を用いて種々のパターンを形成することが可能となり、電子デバイスのコストを低減することができる。
【0011】
重合工程における光または高エネルギー線の照射は、前記バンクを前記レジストのポストベーク温度(最終乾燥温度)以下に加熱しつつ行ない、熱硬化工程は、前記バンクを前記ポストベーク温度以上に加熱して行なうとよい。バンクを加熱しつつ光や高エネルギー線を照射すると、重合反応、架橋反応が促進されて処理時間を短縮することができる。ただし、重合工程におけるバンクの加熱温度は、まだ重合が充分に進んでいないために耐熱性が充分でなく、レジストのポストベーク温度より高温に加熱すると変形するおそれがあるので、ポストベーク温度(例えば110〜130℃)以下にする。また、熱硬化工程における加熱温度は、重合工程においてバンクの重合、架橋反応がほぼ終了しているため、レジストのポストベーク温度以上の温度に加熱可能であり、これにより耐熱性、耐薬品性を向上することができる。
【0012】
光は、紫外線であってよい。紫外線は、光源の入手が容易であるばかりでなく、電子デバイスの既存の製造設備などに広く用いられており、設備費の負担を軽減できる。また、取り扱いが容易で安全である。そして、熱硬化工程における加熱温度は、バンク内に配置される液体成膜材料の焼成温度以上にすることが望ましい。これにより、液体成膜材料を加熱して薄膜化する焼成温度に耐えられるバンクを得ることができ、液体成膜材料による所望形状のパターニングを行なうことができる。さらに、熱硬化工程は、大気圧下において行なうことができる。大気圧下における加熱は、加圧や減圧などの操作をする必要がないので、大掛かりな装置を必要とせず、設備費用を低減できる。そして、熱硬化工程は、バンクを形成しているレジストの種類によって、大気中において、または窒素(N2)雰囲気などの不活性雰囲気、酸素(O2)雰囲気などの活性雰囲気において行なうことができる。バンクは、熱硬化工程後に撥液処理することが望ましい。これにより、液体成膜材料がバンクの上部に付着するのを防ぐことができ、バンクを除去する必要がある場合に、バンクの除去を容易に行なうことができる。
【0013】
そして、上記のバンク形成方法を実施するバンク形成システムは、基板にレジストを塗布する塗布手段と、前記レジストを乾燥させる乾燥手段と、乾燥した前記レジストに所定のパターンを焼き付ける露光手段と、露光した前記レジストを現像してバンクにする現像手段と、前記バンクを配置する真空容器と、前記真空容器中の前記バンクに光または高エネルギー線を照射して重合させる重合エネルギー供給手段と、重合させた前記バンクを前記レジストの乾燥温度以上に加熱して硬化させる熱硬化手段と、を有することを特徴としている。これにより、耐熱性、耐薬品性に優れたバンクを容易に形成することが可能となる。
【0014】
真空容器には、バンクを加熱する加熱手段を設けることができる。これにより、バンクを加熱しつつ光または高エネルギー線を照射でき、重合、架橋反応を促進させて重合、架橋反応時間を短縮することができる。また、前記バンク形成システムは、硬化したレジストの表面を撥液化する撥液処理手段を有するように構成できる。これにより、バンクの表面に液体パターン材料が付着するのを防止できる。
【0015】
そして、上記したバンク形成方法により形成したバンクを用いてパターンを形成した電子デバイスを製造できる。これにより、各種液体材料を用いたパターン形成がドライ及びウェットエッチングなしで可能となり、電子デバイスのコストを低減できる。
【0016】
また、上記したバンク形成方法により形成したバンクを有する電子デバイスを製造することにより、液晶パネルのカラーフィルタを製造する際や、有機エレクトロルミネッセンスパネルを製造する際に、バンクが有機溶媒などに侵されるのを防止することができ、良好なカラーフィルタを備えた液晶パネルや有機エレクトロルミネッセンスパネルなどの電子デバイスを得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係るバンク形成方法およびバンク形成システムの実施の形態を、添付図面に従って詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態に係るバンク形成システムの大略構成説明図である。図1において、バンク形成システム10は、塗布手段20、乾燥手段40、露光手段50、現像手段70、真空容器80、重合エネルギー供給手段である水銀ランプ100、熱硬化手段110、撥液処理手段130を有している。塗布手段20は、実施形態の場合、基板である透明ガラス基板22を配置する塗布テーブル24と、塗布テーブル24の上方に配置したレジスト供給装置26とを備えている。塗布テーブル24は、モータ28に接続してあって、矢印30のように回転する。すなわち、塗布手段20は、レジスト供給装置26から滴下される液状樹脂であるレジスト32をいわゆるスピンコートするようになっていて、ガラス基板22の上面に薄い塗布膜34を形成できるようにしてある。また、レジスト32は、例えばi線(波長365nmの紫外光)に感光するポジ型レジストが用いられる。なお、塗布手段20は、スリットコート、ディップコートなどの他の方法を用いることができる。
【0019】
乾燥手段40は、ガラス基板22に形成されたレジスト32の塗布膜34をプリベークするもので、実施形態の場合、ヒータ42を内蔵したホットプレート43によって構成してある。しかし、乾燥手段40は、熱風供給手段や赤外線ヒータなどによって構成してもよい。ホットプレート43は、ガラス基板22に塗布されたレジスト32を70〜90℃程度に加熱して乾燥し、塗布膜34を固化してレジスト膜46にする。
【0020】
露光手段50は、いわゆる縮小投影露光装置から形成してあって、水銀ランプなどからなる光源52を備えている。光源52の下方には、フィルタやコリメートレンズなどからなる光学系54が設けてあって、光源52の放射したi線などの露光用照射光56を平行光57にできるようにしてある。また、露光手段50は、光学系54の下方にマスク58を配置できるようにしてあるとともに、その下方に集光レンズ60が設けてある。集光レンズ60は、マスク58を透過した平行光57を集光し、ステージ62の上に配置したガラス基板22に設けてあるレジスト膜46にマスク58の像を縮小して結像する。ステージ62は、XY平面をステップ状に移動可能となっている。
【0021】
露光手段50の後段には、現像手段70が設けてある。この現像手段70は、アルカリ性溶液などからなる現像液72を貯留した現像液容器74を有する。そして、露光されたレジスト膜46は、ガラス基板22とともに現像液72に浸漬されることにより現像され、マスク58に対応したパターンを有するマスク(実施形態の場合バンク)にされる。レジスト膜46を現像してバンクを形成したガラス基板22は、ポストベーク後真空容器80に搬入される。
【0022】
真空容器80は、真空ポンプ82に接続してあって、内部を任意の圧力に減圧できるようにしてある。また、真空容器80は、内部にガラス基板22を配置する処理テーブル84を有する。この処理テーブル84には、加熱手段であるヒータ86が内蔵してあって、ガラス基板22を介してバンク(レジスト膜)90を加熱できるようにしてある。また、真空容器80の内部には、処理テーブル84の上方に重合エネルギー供給手段としての水銀ランプ100が配設してある。なお、重合エネルギー供給手段は、樹脂であるレジスト32の種類によって異なり、レジスト32の重合の開始、促進できるものであればよく、例えば遠紫外線照射装置、X線照射装置、γ線照射装置、電子線照射装置、イオン照射装置などによって構成することができる。また、ガラス基板22を配置する処理テーブル84は、モータなどによって回転可能に形成してよい。これにより、高エネルギー線をバンク90の全体に均一に照射することができる。
【0023】
重合させたバンク90は、熱硬化工程を行なう熱硬化手段110に移送される。熱硬化手段110は、実施形態の場合、ヒータ112を内蔵したホットプレート114によって構成してある。ホットプレート114は、ガラス基板22を介してバンク90を400℃程度の高温に加熱することが可能にしてある。また、この実施形態の場合、ホットプレート114は、大気圧中、大気圧下においてバンク90を所定温度に加熱するようになっている。なお、熱硬化手段110は、トンネル炉や赤外線ランプなどによって構成することができ、減圧状態や加圧状態で加熱してもよい。また、バンク90を構成しているレジストの種類によっては、窒素(N2)雰囲気などの不活性雰囲気、または酸素(O2)雰囲気などの活性雰囲気でバンク90を加熱し、熱硬化処理を行なうことができる。
【0024】
撥液処理手段130は、撥液ガス吐出ノズル132を備えている。撥液ガス吐出ノズル132は、ガラス基板22を配置する処理テーブル134の上方に配設してある。この撥液ガス吐出ノズル132は、ガラス基板22の幅と同程度以上の幅を有するスリット上に形成してあって、ラジカルなフッ素原子などを含む撥液処理ガス136をバンク90の表面に吹き付けることができるようにしてある。また、撥液ガス吐出ノズル132は、矢印138のように図1の左右方向に移動可能となっていて、バンク90の全体に撥液処理ガス136を吹き付けることができるようにしてある。なお、処理テーブルは、ヒータを内蔵したホットプレートによって構成されても良い。基板温度を管理することで安定な処理が可能となる。
【0025】
このように構成してあるバンク形成システム10においては、次のようにしてバンクを形成する。まず、ガラス基板22を用意し、ガラス基板22の前処理(洗浄、親液処置など)を行なう。その後、ガラス基板22に対するレジストの塗布工程を行なう。すなわち、ガラス基板22をバンク形成システム10の塗布手段20を構成している塗布テーブル24の上に配置する。そして、モータ28を駆動して塗布テーブル24を回転させるとともに、レジスト供給装置26によりガラス基板22の上にレジスト32を供給してスピンコートする。レジスト32は、この実施形態においては、ノボラック樹脂にジアゾ化合物を感光剤として添加したi線ポジレジストである。
【0026】
ガラス基板22の上に所定の厚さのレジスト32からなる塗布膜34を形成したならば、ガラス基板22をホットプレート43の上に配置し、塗布膜34の乾燥工程を行なう。この塗布膜34の乾燥(プリベーク)は、ホットプレート43に内蔵したヒータ42により、ガラス基板を70〜90℃程度に加熱して行なう。加熱時間は、数分間程度でよい。これにより、塗布膜34は、乾燥したレジスト膜46となる。
【0027】
次に、レジスト膜46の露光、現像するパターニング工程を行なう。このパターニング工程は、露光工程と現像工程とからなっている。そこで、まず、ガラス基板22を露光手段50のステージ62の上に配置したのち、光源52から露光用照射光56を放射する。そして、この照射光56を光学系54、マスク58、集光レンズ60を介してレジスト膜46に照射する(露光工程)。マスク58は、例えばカラーフィルタや有機エレクトロルミネッセンスパネルを製造するためのものである場合、フィルタ素子やエレクトロルミネッセンス素子を配置する領域が開口している格子状に形成してある。
【0028】
集光レンズ60は、レジスト膜46にマスク58の像を縮小して結像する。このため、レジスト膜46は、マスク58の格子状パターンが焼き付けられ、マスク58の開口に対応した部分に紫外線が照射され、可溶性となる。その後、ガラス基板22は、現像手段70を構成している現像液72に浸漬され、現像工程が行なわれる。これにより、レジスト膜46は、露光用照射光56の照射された部分が現像液72に溶解し、格子状にパターニングされてバンク90にされる。
【0029】
現像液72を洗い流したのち、パターニングされたバンク90は、ホットプレート43に内蔵したヒータ42により、110〜130℃程度に加熱しポストベークを行う。その後、真空容器80に搬入され、バンク90の重合工程が行なわれる。この重合工程は、真空容器80の内部に設けた水銀ランプ100を点灯し、水銀ランプ100の放射する紫外線をバンク(レジスト膜)90に照射して行なう。この際、真空ポンプ82を駆動して真空容器80の内部を減圧するとともに、ヒータ86によってバンク90を所定の温度に加熱する。バンク90の加熱温度は、100℃以上であってバンク90を構成しているレジスト32にダメージを与えない温度が望ましい。実施形態の場合、バンク90の加熱は、通常のレジスト膜のポストベーク温度(最終乾燥温度)である110〜130℃で行なうようにしている。また、真空容器80内の圧力は、できるだけ低いほうがよく、1333kPa(10Torr)以下にすることが望ましい。これにより、バンク90の脱水が行なわれ、重合反応、架橋反応が進んで硬化度の高い緻密な耐熱性、耐薬品性に優れたバンクとすることができる。
【0030】
すなわち、レジスト32は、図2(1)に示したように、一般に高分子量ノボラック樹脂Hと低分子量ノボラック樹脂L、およびジアゾ化合物からなる感光剤Pを主成分としている。このようなレジスト32は、大気中などの水分が存在する雰囲気において紫外線を照射して硬化させると、同図(2)に示したように、ジアゾ化合物の感光剤Pが空気中に存在する水分やレジスト32中に溶存している水分子と反応し、カルボキシ基(−COOH)を有するカルボン酸を形成する。このため、重合反応、架橋反応が進まず、緻密な樹脂とすることができないため、充分な耐熱性、耐薬品性を得ることができない。
【0031】
一方、上記の実施形態のように、レジスト32からなるバンク90を減圧した真空容器80中に配置すると、バンク90の周囲に水分が存在しないばかりでなく、バンク90中に溶存していた水分子が減圧した真空容器80中に放出され、バンク90が脱水される。このため、バンク90に紫外線を照射すると、図2(3)に示したように、感光剤Pがカルボン酸を形成するのを阻止することができる。このため、各樹脂の分子間における架橋反応が促進され、緻密で耐熱性、耐薬品性に優れたバンク90とすることができる。したがって、従来、半導体装置の製造工程などにおいて通常に使用されていたフォトレジストからなるバンク90であったとしても、より耐熱性、耐薬品性に優れたものとすることができる。
【0032】
上記の重合工程を終了したバンク90は、必要に応じてさらに熱硬化工程を行なうことができる。この熱硬化工程は、熱硬化手段110を構成しているホットプレート114により、バンク90をフォトレジストのいわゆるポストベーク温度以上(例えば200〜400℃)に加熱して行なう。これにより、バンク90の架橋反応が一層進められ、非常に緻密で耐熱性、耐薬品性に優れたバンクとすることができる。このため、通常のフォトレジストからなるバンク90であったとしても、400℃程度の高温雰囲気においても使用可能なバンクを形成することができるとともに、nブチルアルコールやアセチルアセトンなどの有機溶媒に溶解することがないバンクを形成することができる。
【0033】
なお、この熱硬化工程における加熱温度は、バンク90の内部に供給する液体成膜材料(図示せず)を加熱して薄膜にする焼成温度を考慮して設定することができ、液体成膜材料の焼成温度以上の温度に加熱することが望ましい。これにより、液体成膜材料を焼成した際に、バンク90の熱による損傷を防止することができ、液体成膜材料を所望の形状を有するパターンにすることが可能で、良好なパターニングを行なうことができる。
【0034】
熱硬化工程を終了したならば、バンク90に撥液処理工程を行ない、バンク90の表面を撥液化することが望ましい。この撥液処理工程は、ガラス基板22を処理テーブル134の上に配置し、撥液ガス吐出ノズル132により撥液処理ガス136をバンク90に吹き付けるとともに、撥液ガス吐出ノズル132を矢印138のように移動させて行なう。撥液処理ガス136は、フッ素の単原子(F)などの活性なフッ素を含むガスからなっている。この撥液処理ガス136は、実施形態の場合、いわゆる大気圧プラズマによって生成している。すなわち、フッ素ガス(F2)または四フッ化炭素ガス(CF4)などのフッ素系ガスとヘリウムガス(He)との混合ガスを、図示しない放電チャンバに大気圧状態で導入して放電させ、フッ素を活性化させることにより得ることができる。この撥液処理は、処理テーブル134に内蔵したヒータにより、必要に応じて基板を加熱して行う。これにより、安定な処理が可能となる。
【0035】
このバンク90を撥液処理することにより、バンク90内に液体成膜材料を供給するときに、バンク90の上面に液体成膜材料が付着するのを防止することができる。したがって、バンク90を除去する場合に、除去を容易に行なうことができる。また、バンク90をカラーフィルタのバンクとして使用する場合に、カラーフィルタ用のインクが上部に付着するのを防止でき、高さ寸法のばらつきをなくすことができる。
【0036】
したがって、このようにして形成したバンクを用いて水素化ケイ素などの液体材料を焼成(熱処理)することにより、素子領域を容易に形成することができる。また、液体パターン材料を用いた配線の形成などを容易に行なうことが可能で、半導体装置などの電子デバイスの製造工程の簡略化が図れ、製造コストを低減することができる。さらに、バンク90を格子状に形成し、格子内にカラーフィルタ素子や有機エレクトロルミネッセンス素子、液晶素子などを配置することにより、実施形態に係るバンクを有する電子デバイスを得ることができる。
【0037】
なお、上記実施形態においては、樹脂がi線ポジ型のレジスト32である場合について説明したが、i線ネガ型のレジストや遠紫外線やX線、電子線、イオン線などの高エネルギー線によって感光するレジストを硬化させる場合にも適用することができる。
【0038】
【実施例】
東京応化工業株式会社製のi線ポジレジスト(TSMR−8900)をガラス基板にスピンコートし、これを90℃において30秒間乾燥(プリベーク)して厚さ1.1μmのレジスト膜を形成した。その後、レジスト膜をフォトリソグラフィー法によってパターニングし、130℃において30秒間乾燥(ポストベーク)をして図3(1)に示したような、紙面と直行した方向に長いバンク120をガラス基板122の上に形成した。さらに、ガラス基板122を真空容器中に配置し、真空容器内を約26.7kPa(0.2Torr)に減圧するとともに、ガラス基板122を110℃に加熱し、照度30mW/cm2の紫外線を300秒照射してバンク120の重合を行なった。次に、上記紫外線の照射処理をしたバンク120を400℃において10分間加熱し、熱硬化処理を行なったところ、同図(2)に示したように、バンク120はわずかに収縮したが、ほとんど形状の変化は見られなかった。なお、上記のバンク120は、この400℃における熱処理を多数回繰り返しても、形状異常は見られなかった。
【0039】
さらに、上記のように400℃において熱硬化処理をした各バンク120の間に、透明電極用のITO溶液を供給した。ITO溶液は、アセチルアセトンインジウム(In(acac)3)と有機錫(DBTDA)とをアセチルアセトンに溶解し、0.3mol/Lの濃度に調整したものを用いた。また、錫とインジウムとの比(Sn/In)は7.5重量%に調整した。このITO溶液を各バンク120間に供給したのち、ITO溶液を350℃において10分間加熱(焼成)した。その後、バンク120を大気圧酸素プラズマによって除去し、ITOからなる配線パターンを形成したところ、良好な形状を有する配線パターンを得ることができた。
【0040】
なお、上記の実施例と比較するために、従来の方法により上記のi線ポジレジストからなるバンクを形成した。すなわち、上記のi線ポジレジストをガラス基板にスピンコートとして乾燥させ、厚さ1.1μmのレジスト膜を形成したのち、これをリソグラフィー法によってパターニングし、図4(1)に示したようなバンク124を形成した。次に、バンク124を設けたガラス基板122を加熱炉に導入し、バンク124を110℃において大気圧下で300秒間重合を行なった。その後、バンク124を350℃において10分間加熱して熱硬化処理したところ、図4(2)に示したように、バンク124が溶融して変形してしまった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態に係るバンク形成システムの概略構成説明図である。
【図2】 実施形態のバンク形成方法の作用を説明する図である。
【図3】 実施の形態に係るバンクの説明図である。
【図4】 従来のバンクの説明図である。
【符号の説明】
10………バンク形成システム、20………塗布手段、22、122………基板(ガラス基板)、26………レジスト供給装置、32、46………レジスト、レジスト膜、40………乾燥手段、42………ヒータ、43………ホットプレート、50………露光手段、52………光源、58………マスク、70………現像手段、72………現像液、80………真空容器、86………加熱手段(ヒータ)、90、120、124………バンク、100………重合エネルギー供給手段(水銀ランプ)、110………熱硬化手段、114………ホットプレート、130………撥液処理手段(撥液ガス吐出ノズル)、136………撥液処理ガス。

Claims (7)

  1. 基板にノボラック樹脂と感光剤としてのジアゾ化合物とを主成分としているレジストを塗布して乾燥させ、レジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
    前記レジスト膜を露光、現像し、所定部分のレジスト膜を除去してバンクにするパターニング工程と、
    前記バンクを減圧下に配置して光または高エネルギー線を照射する重合工程と、
    重合させた前記バンクを、前記レジストの乾燥温度以上に加熱する熱硬化工程と、
    を有し、
    前記重合工程における光または高エネルギー線の照射は、前記バンクを前記レジストのポストベーク温度以下に加熱しつつ行ない、
    前記熱硬化工程は、前記バンクを前記ポストベーク温度以上に加熱して行なう、
    ことを特徴とするバンク形成方法。
  2. 請求項1に記載のバンク形成方法において、
    前記光は、紫外線であることを特徴とするバンク形成方法。
  3. 請求項1ないし2のいずれかに記載のバンク形成方法において、
    前記熱硬化工程における加熱温度は、前記バンク内に配置される液体成膜材料の焼成温度以上であることを特徴とするバンク形成方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のバンク形成方法において、
    前記熱硬化工程は、大気圧下において行なうことを特徴とするバンク形成方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のバンク形成方法において、
    前記バンクは、前記熱硬化工程後に撥液処理することを特徴とするバンク形成方法。
  6. 基板にレジストを塗布する塗布手段と、
    前記レジストを乾燥させる乾燥手段と、
    乾燥した前記レジストに所定のパターンを焼き付ける露光手段と、
    露光した前記レジストを現像してバンクにする現像手段と、
    前記バンクを配置する真空容器と、
    前記真空容器中の前記バンクを前記レジストのポストベーク温度以下に加熱する手段を備え、当該加熱されたバンクに光または高エネルギー線を照射して重合させる重合エネルギー供給手段と、
    重合させた前記バンクを前記レジストの乾燥温度以上に加熱して硬化させる熱硬化手段と、
    を有することを特徴とするバンク形成システム。
  7. 請求項6に記載のバンク形成システムにおいて、
    加熱硬化した前記バンクの表面を撥液化する撥液処理手段を有することを特徴とするバンク形成システム。
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