JP4240686B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばCCD(固体撮像素子)を備えたビデオカメラ等に好適な撮像装置に関し、特に、画質を劣化させることなく、CCDからのデータの高速転送を実現可能とした撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えばビデオカメラ等に使用されるCCDの読み出し方式としては、垂直方向に2ラインずつ画素データを加算して出力する2行混合方式(インタライン方式)と、各ラインの画素データを加算せずに1ラインずつ出力する全画素独立読み出し方式(プログレッシブスキャン方式)とが知られている。
【0003】
例えば、NTSC映像方式(National Television System Committee)に対応した信号の出力を行う場合、2行混合方式では、CCDの水平ラインの各画素を、垂直方向に加算混合することで約250ライン分の信号を形成し、これを1フィールド期間に出力するようになっている。また、全画素独立読み出し方式では、水平ラインの各画素を垂直方向に加算混合することなく、約500ライン分の信号をそのまま1フィールド期間に出力するようになっている。
【0004】
ここで、例えばライン加算混合を行う方式、すなわちインタライン方式のCCDを使用した場合には、後段の信号処理において、CCDの読み出し時に加算された2ラインの信号から色分離を行うこととなる。このため、当該インタライン方式のCCDの前段に配置される補色フィルタの各色フィルタの配列は、図4或いは図5に示すような2種類の配列に限定される。なお、図4及び図5中のA,B,C,DはCCDの各画素に対応する各色フィルタの種類を表している。
【0005】
すなわち、図4の例は、ライン方向にA,B,A,B,・・・の順に色フィルタが配列したラインL1とC,D,C,D,・・・の順に色フィルタが配列したラインL2とを加算してoddフィールドのライン(n)が形成され、また、ライン方向にB,A,B,A,・・・の順に色フィルタが配列したラインL3とC,D,C,D,・・・の順に色フィルタが配列したラインL4とを加算してoddフィールドのライン(n+1)が形成され、以下同様に、oddフィールドを構成する各ラインが形成され、次いで、ライン方向にC,D,C,D,・・・の順に色フィルタが配列したラインL2とB,A,B,A,・・・の順に色フィルタが配列したラインL3とを加算してevenフィールドのライン(n)が形成され、また、ライン方向にC,D,C,D,・・・の順に色フィルタが配列したラインL4と次のラインL5とを加算してevenフィールドのライン(n+1)が形成され、以下同様に、evenフィールドを構成する各ラインが形成される場合の各色フィルタの配列状態を表している。
【0006】
また、図5の例は、ライン方向にA,B,A,B,・・・の順に色フィルタが配列したラインL1とC,D,C,D,・・・の順に色フィルタが配列したラインL2とを加算してoddフィールドのライン(n)が形成され、また、ライン方向にA,B,A,B,・・・の順に色フィルタが配列したラインL3とD,C,D,C,・・・の順に色フィルタが配列したラインL4とを加算してoddフィールドのライン(n+1)が形成され、以下同様に、oddフィールドを構成する各ラインが形成され、次いで、ライン方向にC,D,C,D,・・・の順に色フィルタが配列したラインL2とA,B,A,B,・・・の順に色フィルタが配列したラインL3とを加算してevenフィールドのライン(n)が形成され、また、ライン方向にD,C,D,C,・・・の順に色フィルタが配列したラインL4と次のラインL5とを加算してevenフィールドのライン(n+1)が形成され、以下同様にして、evenフィールドを構成する各ラインが形成される場合の各色フィルタの配列状態を表している。
【0007】
さらに図6には、これら図4や図5のような色フィルタ配列の一例として、Cy(シアン),G(グリーン),Ye(イエロー),Mg(マゼンタ)の各色フィルタからなる代表的な補色フィルタを使用した場合の各色フィルタの配列(色差線順次方式)を示す。
【0008】
すなわち、図6の例は、ライン方向にMg,G,Mg,G,・・・の順に色フィルタが配列したラインL1とCy,Ye,Cy,Ye,・・・の順に色フィルタが配列したラインL2とを加算してoddフィールドのライン(n)が形成され、また、ライン方向にMg,G,Mg,G,・・・の順に色フィルタが配列したラインL3とYe,Cy,Ye,Cy,・・・の順に色フィルタが配列したラインL4とを加算してoddフィールドのライン(n+1)が形成され、以下同様に、oddフィールドを構成する各oddフィールドのラインが形成され、次いで、ライン方向にCy,Ye,Cy,Ye,・・・の順に色フィルタが配列したラインL2とMg,G,Mg,G,・・・の順に色フィルタが配列したラインL3とを加算してevenフィールドのライン(n)が形成され、また、ライン方向にYe,Cy,Ye,Cy,・・・の順に色フィルタが配列したラインL4と次のラインL5とを加算してevenフィールドのライン(n+1)が形成され、以下同様に、evenフィールドを構成する各ラインが形成される場合の各色フィルタの配列状態を表している。
【0009】
ここで、上述した図6の例の配列において、n行及びn+1行の輝度信号Yn,Yn+1及び色差信号Cn,Cn+1は下記式で表すことができる。
【0010】
Yn=Mg+Cy+Ye+G
=Yn+1
Cn=B−G
Cn+1=R−G
一方、全画素独立読み出し方式、すなわちプログレッシブスキャン方式のCCDを使用した場合には、垂直方向の各ラインの画素を加算せずにCCDから信号が出力されるため、色フィルタの配列は自由度が高く、前述した図4や図5の配列だけでなく、図7や図8に示すような配列をも使用可能である。なお、図7及び図8中のA,B,C,DはCCDの各画素に対応する各色フィルタの種類を表している。
【0011】
すなわち、プログレッシブスキャン方式のCCDを使用した場合には、前述の図4に示した色フィルタ配列において、ライン方向にA,B,A,B,・・・の順に色フィルタが配列したラインL1、C,D,C,D,・・・の順に色フィルタが配列したラインL2、B,A,B,A,・・・の順に色フィルタが配列したラインL3、C,D,C,D,・・・の順に色フィルタが配列したラインL4、以下同様に、各ラインによりフレームを構成することができ、また、前述の図5に示した色フィルタ配列において、ライン方向にA,B,A,B,・・・の順に色フィルタが配列したラインL1、C,D,C,D,・・・の順に色フィルタが配列したラインL2、A,B,A,B,・・・の順に色フィルタが配列したラインL3、D,C,D,C,・・・の順に色フィルタが配列したラインL4、以下同様に、各ラインによりフレームを構成することができるだけでなく、図7や図8に示すような配列を使用してフレームを構成することも可能である。
【0012】
具体的に説明すると、図7の例は、ライン方向にA,B,A,B,・・・の順に色フィルタが配列したラインL1、C,D,C,D,・・・の順に色フィルタが配列したラインL2、B,A,B,A,・・・の順に色フィルタが配列したラインL3と、D,C,D,C,・・・の順に色フィルタが配列したラインL4、以下同様に、各ラインによりフレームが構成される場合の各色フィルタの配列状態を表している。
【0013】
また、図8の例は、ライン方向にA,B,A,B,・・・の順に色フィルタが配列したラインL1、C,D,C,D,・・・の順に色フィルタが配列したラインL2、A,B,A,B,・・・の順に色フィルタが配列したラインL3、C,D,C,D,・・・の順に色フィルタが配列したラインL4、以下同様に、各ラインによりフレームが構成される場合の各色フィルタの配列状態を表している。
【0014】
ここで、前述の図4,図5,図7,図8の各色フィルタ配列において例えばA=W(ホワイト)、B=G(グリーン),C=Cy(シアン),D=Ye(イエロー)としたとき、プログレッシブスキャン方式のCCDでの後段の信号処理では、以下の各式により、輝度信号Y及び色信号R(赤),G(緑),B(青)を生成することができる。
【0015】
Y=W+G+Cy+Ye
R=W+Ye−G−Cy
B=W+Cy−G−Ye
G=G+Cy+Ye−W
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したインタライン方式及びプログレッシブスキャン方式CCDの何れにおいても、ある限られた時間内に全ラインの画素データを出力しようとした場合には、水平転送の周波数を通常時よりも高くし、且つ、垂直転送の周波数も通常時よりも高くする必要があるが、CCDの転送周波数を高くすると、CCDの駆動回路及び信号処理回路が複雑となり、消費電力も増加し、さらには転送効率劣化による画質劣化などの問題も発生する。
【0017】
具体的には、例えば約500ライン分の信号をそのまま「1フィールド期間」に出力するプログレッシブスキャン方式のCCDの場合、信号の転送速度を2倍の転送速度に制御しようとすると、通常の2倍の駆動周波数で水平転送制御及び垂直転送制御を行う必要がある。
【0018】
また、プログレッシブスキャン方式のCCDにおいて、ある限られた時間内に全ラインの画素データを出力することを目的として、例えばインタライン方式のCCDと同様に垂直方向の2ラインを全て加算して出力ライン数を減らすような駆動を行うことを考えた場合、前述した図7や図8のような色フィルタ配列を使用すると、後段の信号処理の際に色の分離ができなくなってしまう。
【0019】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、低コスト、低消費電力で画質を劣化させずに、CCDからより多くのライン数を短時間に読み出し可能とし、また、CCDの各画素に対応する色フィルタ配列に関わらずに色分解を可能とする、撮像装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記した課題を解決するために、下記の構成(1)〜(6)を有する撮像装置を提供する。
(1) 全画素を独立して読み出すことが可能な固体撮像素子と、
前記固体撮像素子から垂直方向に隣接するラインの画素の信号を加算した撮像信号を出力する加算ラインと、垂直方向に隣接するラインの画素の信号を加算せずそれぞれ撮像信号としてそのまま出力する非加算ラインとを、フィールド毎に交互に切り替える駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、
前記固体撮像素子の各画素に対応する色フィルタを配列してなるフィルタ手段と、
前記フィルタ手段を通過した光を受光し、前記駆動信号に基づいて前記固体撮像素子からフィールド毎に交互に前記加算ラインと非加算ラインとが切り替えられ、前記加算ラインから出力される前記撮像信号と、前記非加算ラインから出力される前記撮像信号とに対し、色分解処理を施す信号処理手段と、
を有する撮像装置。
(2) 全画素を独立して読み出すことが可能な固体撮像素子と、
前記固体撮像素子から垂直方向に隣接するラインの画素の信号を加算した撮像信号を出力する加算ラインと、垂直方向に隣接するラインの画素の信号を加算せずそれぞれ撮像信号としてそのまま出力する非加算ラインとを、フィールド毎に交互に切り替える駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、
前記固体撮像素子の各画素に対応する色フィルタを通過した光を受光し、前記駆動信号に基づいて前記固体撮像素子からフィールド毎に交互に前記加算ラインと非加算ラインとが切り替えられ、前記加算ラインから出力される前記撮像信号と、前記非加算ラインから出力される前記撮像信号とに対し、色分解処理を施す信号処理手段と、
を有する撮像装置。
(3) 前記駆動信号発生手段は、
前記固体撮像素子の全撮像エリアのうちの一部のエリアについて、前記加算ラインと、前記非加算ラインとを、フィールド毎に交互に切り替える駆動信号を発生する上記(1)又は上記(2)記載の撮像装置。
(4) 前記固体撮像素子の各画素に対応する前記色フィルタは、それぞれ4色の補色フィルタであり、
前記加算ラインを構成する2つのラインと、前記非加算ラインを構成する2つのライン毎に、上下のラインそれぞれで2色の前記補色フィルタが使用されて上下のライン合わせて4色の前記補色フィルタが使用され、かつ、上下のラインそれぞれで2色の前記補色フィルタが水平方向に2色毎に繰り返し配列されており、
前記加算ラインを構成する2つのラインと、前記非加算ラインを構成する2つのラインとの間では、上のライン同士および下のライン同士の間で2色の前記補色フィルタの2色の組合せが同一であり、かつ、上のラインまたは下のラインのうちいずれか一方のライン同士の2色の前記補色フィルタの水平方向の配列が同じであり、他方のライン同士の2色の前記補色フィルタの水平方向の配列が逆である、上記(1)1乃至(3)のいずれか一に記載の撮像装置。
(5) 前記固体撮像素子の各画素に対応する前記色フィルタは、それぞれ4色の補色フィルタであり、
前記加算ラインを構成する2つのラインと、前記非加算ラインを構成する2つのライン毎に、上下のラインそれぞれで2色の前記補色フィルタが使用されて上下のライン合わせて4色の前記補色フィルタが使用され、かつ、上下のラインそれぞれで2色の前記補色フィルタが水平方向に2色毎に繰り返し配列されており、
前記加算ラインを構成する2つのラインと、前記非加算ラインを構成する2つのラインとの間では、上のライン同士および下のライン同士の間で2色の前記補色フィルタの2色の組合せが同一であり、かつ、上のライン同士および下のライン同士の間で、2色の前記 補色フィルタの水平方向の配列が同じである、上記(1)1乃至(3)のいずれか一に記載の撮像装置。
(6) 前記固体撮像素子の各画素に対応する前記色 フィルタは、それぞれ4色の補色フィルタであり、
前記加算ラインを構成する2つのラインと、前記非加算ラインを構成する2つのライン毎に、上下のラインそれぞれで2色の前記補色フィルタが使用されて上下のライン合わせて4色の前記補色フィルタが使用され、かつ、上下のラインそれぞれで2色の前記補色フィルタが水平方向に2色毎に繰り返し配列されており、
前記加算ラインを構成する2つのラインと、前記非加算ラインを構成する2つのラインとの間では、上のライン同士および下のライン同士の間で2色の前記補色フィルタの2色の組合せが同一であり、かつ、上のライン同士および下のライン同士の間で、2色の前記補色フィルタの水平方向の配列が逆である、上記(1)1乃至(3)のいずれか一に記載の撮像装置。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る撮影装置の好ましい実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
図1には、本発明の撮影装置の一実施の形態のブロック構成を示す。この図1において、被写体等からの光は、レンズやフォーカス機構等を備えた光学系1を通過し、W(ホワイト),Cy(シアン),G(グリーン),Ye(イエロー)の色フィルタが配列された補色フィルタ2を通過して、CCD3上に入射する。図1のCCD3は、全画素を独立して読み出すことが可能なプログレッシブスキャン方式のCCDである。ただし、本実施の形態の場合、制御部7の制御の元で駆動信号発生器6が発生する駆動信号により、当該CCD3からは、後述するようなライン順番で各画素の信号が読み出される。当該CCD3から読み出された撮像信号は、例えばDSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)等からなる信号処理部4に送られる。
【0025】
信号処理部4は、CCD3からの撮像信号に対して所定の信号処理を施す。当該所定の信号処理としては、例えば、色分離処理、画素切り出し処理、画像に対する各種演出効果処理、輝度信号のノイズ抑圧処理、カラーエンコード処理等を挙げることができる。なお、色分離処理とは、供給された撮像信号を色信号R(赤),G(緑),B(青)に分離する処理であり、画素切り出し処理とは、例えば図示しない手振れ検出回路にて検出されたカメラの振れ量及び振れ速度に対応する手振れ情報に基づいて、CCD3上から手振れを補正できる方向の各画素データにみを切り出す処理である。また、演出効果処理としては、例えば、記念写真的なスチル画像や、1画面内に複数の画像を並べるマルチ画面、セピア調の画像、白黒画像などを生成すること、或いは、画像のフェーダやワイプなどの画像処理を挙げることができる。さらに、カラーエンコード処理とは、撮像信号を例えばNTSC、PAL(Phase Alternation by Line)、SECAM(sequential a memoire color television system)などテレビジョン放送方式に対応する信号に変換する処理である。信号処理部4にて上述したような所定の信号処理が施されて生成された映像信号は、出力端子5からモニタ装置等に送られる。
【0026】
ここで、本実施の形態の撮像装置において、例えば図2に示すように、W,G,W,G,・・・の順に色フィルタが配列したラインS4n、Cy,Ye,Cy,Ye,・・・の順に色フィルタが配列したラインS4n+1、G,W,G,W,・・・の順に色フィルタが配列したラインS4n+2、Ye,Cy,Ye,Cy,・・・の順に色フィルタが配列したラインS4n+3、以下同様にして各ラインの色フィルタが配列された補色フィルタ2を使用した場合、制御部7の制御の元で駆動信号発生器6が発生する駆動信号により、CCD3からは、図3に示すように信号が読み出される。なお、nは整数である。
【0027】
すなわち、本実施の形態の撮像装置の場合、CCD3からの信号転送時には、図3に示すように、ラインS4nではW,G,W,G,・・・の各色フィルタに対応する画素信号が読み出され、ラインS4n+1ではCy,Ye,Cy,Ye,・・・の各色フィルタに対応する画素信号が読み出されるが、次のラインではラインS4n+2とS4n+3が加算された(G+Ye),(W+Cy),(G+Ye),(W+Cy)・・・の信号が転送される。以下の各ラインにおいても同様である。
【0028】
ここで、CCD3の出力をDmとすると、本実施の形態の撮像装置の場合CCD3からの信号転送動作は式(1)のように表すことができる。なお、mは整数である。
【0029】
D3m=S4n
D3m+1=S4n+1 (1)
D3m+2=(S4n+2+S4n+3)
すなわち、本実施の形態の撮像装置では、4ラインのうちの2ラインを加算して1ラインを生成し、他の加算していない2ラインと合わせて3ライン分をCCD3から出力するようにしているため、例えば前述した図7や図8を用いて説明した従来のプログレッシブスキャン方式のCCD転送動作を行う場合よりも、CCDの全ラインの読み出し時間を3/4に短縮可能となっている。
【0030】
次に、上述したようにしてCCD3から信号を読み出した場合、信号処理部4では、色分離処理として以下のようなことを行う。
【0031】
すなわち、色分離処理では、上述のライン加算により得られる1ライン、及び加算していない2ラインとからなる3ライン(CCD3上では4ライン)分の信号を使用し、以下のような各式(2)により、撮像信号から色信号R,B,G(若しくは式(3)によりR’,B’,G’、若しくは式(4)によりR”,B”,G”)を生成する。
【0032】
【数1】
R=W+Ye−3*G−3*Cy+(G+Ye)+(W+Cy)=4*r
B=W+Cy−G−Ye−(G+Ye)+(W+Cy)=4*b (2)G=Cy+Ye+G+(G+Ye)+(W+Cy)−3*W=4*g
R’=W+3*Ye+(W+Cy)−(G+Ye)−G−3*Cy
B’=W+Cy+(W+Cy)+(G+Ye)−3*G−3*Ye (3)G’=3*Cy+Ye+G+(G+Ye)−(W+Cy)−W
R”=3*W+3*Ye−(W+Cy)−(G+Ye)−G−Cy
B”=3*W+3*Cy−(W+Cy)−(G+Ye)−G−Ye (4)G”=Cy+3*Ye+3*G−(G+Ye)+(W+Cy)−3*W
また、色分離処理では、加算していないラインでは2ライン、加算されたラインでは1ラインを使用し、式(5)により、撮像信号から輝度信号(Y)を生成する。
【0033】
Y=W+G+Cy+Ye
=(W+Cy)+(G+Ye)
=2R+4G+2B (5)
なお、上述した実施の形態では、前記式(1)にて表される転送動作によりCCD3から信号を読み出す例を挙げたが、他の例として、例えばフィールド毎に下記式(6)及び式(7)にて表されるような信号転送動作を行うようにすることも可能である。ただしこの場合の式(6)のDmはオッド(odd)フィールドの各ラインを表し、式(7)のD’mはイーブン(even)フィールドの各ラインを表している。
【0034】
D3m=S4n
D3m+1=S4n+1 (6)
D3m+2=(S4n+2+S4n+3)
D’3m=(S4n+S4n+1)
D’3m+1=S4n+2 (7)
D’3m+2=S4n+3
すなわち、本実施の形態の撮像装置では、図2のラインS4n+2とS4n+3を加算して図3に示す1ライン(S4n+2+S4n+3)を構成したとしても、後段の信号処理部4において色の分離が可能となっている。
【0035】
また、本実施の形態の撮像装置において、上述のように加算を行う2つのラインは、上下隣り合う2種の色フィルタが垂直方向の列で常に同じとなるラインとしている。すなわち、図2の例では、ラインS4n+2とS4n+3、ラインS4n+6とS4n+7、・・・(なお、図2ではラインS4n+6とS4n+7の図示は省略している)の各ラインにおいて、それら各ライン内で上下隣り合う各色フィルタがGとYe、WとCy、GとYe、WとCy、・・・のように常に同じとなる配列になっており、本実施の形態では、図3に示すように、図2のラインS4n+2とS4n+3、ラインS4n+6とS4n+7、・・・を、上述の加算するラインとしている。したがって、例えば補色フィルタの各色フィルタの配列が例えば前述した図4、図5、図7、図8のような配列になっていたとしても、これら図4、図5、図7、図8の配列の補色フィルタにおいてそれぞれ上下隣り合う2種の色フィルタが垂直方向の列で常に同じとなるラインを加算するラインにすれば、色フィルタの配列によらずに、後段の信号処理部4にて色の分離が可能となる。
【0036】
上述したように、本発明実施の形態の撮像装置によれば、色フィルタの配列によらずに色の分離処理が可能となっている。
【0037】
なお、本実施の形態では、前述したような水平ライン間の加算(例えばS4n+2+S4n+3等)をCCDの読み出し時に行う例を挙げたが、加算処理を例えば垂直転送CCD内で行うようにしてもよい。ただし、この場合、前記式(1)に対応する処理を実行するためには、式(1)のS4n+3に対応した各画素については、垂直転送CCDへの転送を制御するゲートgtを他の画素とは別にそれぞれ設け、それら他の画素の信号を垂直転送CCDに転送した後、S4n+3に対応した各画素の信号を垂直方向に転送し、その際にゲートgtから垂直転送CCDに転送することにする。これにより、水平ライン間の加算(例えばS4n+2+S4n+3等)を垂直転送CCD内で行うようにした場合でも、式(1)の処理が実行可能となる。
【0038】
また、前述の式(6)、式(7)の信号転送動作に相当する処理は、水平転送CCD内において実行することも可能である。この場合、垂直転送CCDへの転送については通常と同様に従い、一方、水平転送CCDではS4n+2のラインの信号が転送された後、水平ブランキング期間にさらにS4n+3のラインの信号を水平転送CCDに転送するようにすればよい。
【0039】
さらに、上述の説明では、CCD3の全ての画素信号を使用した例を挙げたが、本発明は、CCD上の一部のエリア(すなわち画面上の一部の画像)の出力のみに適用することも可能である。このように、CCD上の一部のエリアの出力のみに適用することにより、例えば1フィールドに数回の画像を出力する際に、より多くのライン数を出力することが可能となる。
【0040】
ところで、本実施の形態では、前述した図7や図8等を用いて説明した従来のプログレッシブスキャン方式のCCD転送動作を行う場合よりも、CCDの全ラインの読み出し時間を3/4に短縮可能とした場合の例について説明を行っているが、ここで、そのような3/4倍の読み出し時間短縮を実現可能にすることで、例えば本実施の形態の撮像装置の具体例としてのビデオカメラ等において以下に説明するようなことが可能となる。
【0041】
すなわち、近年は、CCDの全有効画素エリアの一部のみを画像生成エリアとして使用し、当該画像生成エリアを除く残りの画素エリアを、例えばいわゆる手振れ補正時の手振れ補正エリアとして使用する方式のビデオカメラ等が多数存在している。当該手振れ補正機能付きのビデオカメラによれば、撮影時の手振れ(ビデオカメラの振れ)を検出し、当該検出により得られた振れ方向及び振れ量を補正するように、CCDの全有効画素エリア上で使用する画像生成エリアを移動させることによって、手振れ補正がなされた画像を生成することが行われている。
【0042】
一方で、手振れ補正エリアも全て含めた全有効画素エリアを画像生成のために使用できれば、手振れ補正エリアを除いた画像生成エリアのみで生成された画像よりも広い範囲が写った画像を得ることが可能となる。すなわち例えば、手振れ補正エリアを除いた画像生成エリアの大きさが例えば1フィールドで480ライン分であり、手振れ補正エリアを含めた全有効画素エリアの大きさが例えば1フィールドで640ライン分であったとすると、当該全有効画素エリアを使用して画像を生成できれば、手振れ補正エリアを除いた画像生成エリアのみで作られた画像よりも、0.75倍のワイド画像を得ることができる。
【0043】
しかしながら、上述のように全有効画素エリアを使用して画像を生成するためには、手振れ補正エリアを除いた画像生成エリアのみを使用して画像を作る場合よりも、1フィールド期間内にCCDから読み出すライン数を多くしなければならない。すなわち上述の例のように、画像生成エリアのみの大きさが1フィールドで480ライン分であり、全有効画素エリアの大きさが1フィールドで640ライン分であったとした場合、CCDの全有効画素エリアの640ライン分を1フィールド期間内に読み出すためには、480ライン分の画像生成エリアのみを読み出す場合の640/480(4/3≒1.33)倍のライン数を1フィールド期間内に読み出さなければならない。
【0044】
また、1フィールド期間内におけるCCDの読み出しライン数を増加させるには、CCDの水平転送の周波数を上げ、且つ、垂直転送周波数も上げなければならなくなる。すなわち、上述のように4/3≒1.33倍のライン数を1フィールド期間内に読み出すためには、水平転送周波数と垂直転送周波数を共に4/3≒1.33倍に高めなければならなくなる。さらに、CCDの転送周波数を高くすると、CCDの駆動回路及び信号処理回路は複雑化となり、また消費電力も増加し、転送効率劣化による画質劣化などの問題も発生することになる。
【0045】
これに対して、CCDの全ラインの読み出し時間を3/4に短縮可能とした本実施の形態の撮像装置を、そのような手振れ補正機能を備えたビデオカメラに適用すれば、CCDの全有効画素エリアを使用可能となり、手振れ補正エリアを除いた画像生成エリアのみで作られた画像よりも0.75倍のワイド画像を得ることを実現できることになる。
【0046】
その他、本実施の形態の撮像装置は、1フィールドに数回の画像を出力するような高速撮像にも応用可能であり、例えば前述したように従来よりもCCDの全ラインの読み出し時間を3/4に短縮可能とした場合には、1フィールドに従来の1.33倍のライン数を出力することが可能となる。
【0047】
なお、本実施の形態では、図7や図8で説明した従来例におけるCCD転送動作よりも、CCDの全ラインの読み出し時間を3/4に短縮可能とした場合の例について説明を行ったが、これは一例であり、本発明はさらに高速転送にも適用可能である。
【0048】
以上説明したように、本発明実施の形態の撮像装置によれば、CCDの画素配列(色フィルタの配列)に関わることなく、ある限られた時間内に、より多くのライン数の信号を出力することが可能になる。
【0049】
また、本発明実施の形態の撮像装置によれば、CCD上の一部のエリア(すなわち画面上の一部の画像)のみに適用することにより、1フィールドに数回の画像を出力した際より多くのライン数を出力することが可能になる。
【0050】
さらに、本発明の実施の形態においては、CCDの転送周波数を高くしているわけではないので、駆動信号発生器6や信号処理部4を複雑化させることなく、また、消費電力も増加せず、転送効率が劣化して画質が劣化するようなこともない。
【0051】
また、本発明の実施の形態によれば、プログレッシブスキャン方式のCCDにおいて、色フィルタの配列に制限が加えられるようなこともない。
【0052】
【発明の効果】
本発明に係る撮像装置では、垂直方向に隣接するラインの画素の信号を加算した撮像信号を出力する加算ラインと、垂直方向に隣接するラインの画素の信号を加算せずそれぞれ撮像信号としてそのまま出力する非加算ラインとを、フィールド毎に交互に切り替える駆動信号を発生し、固体撮像素子の各画素に対応する色フィルタを通過した光を受光し、その駆動信号に基づいて固体撮像素子からフィールド毎に交互に加算ラインと非加算ラインとが切り替えられ、前記加算ラインから出力される撮像信号と、前記非加算ラインから出力される撮像信号とに対し、色分解処理を施すようにしたので、低コスト、低消費電力で画質を劣化させずに、固体撮像素子からより多くのライン数を短時間に読み出し可能としている。
【0053】
特に、固体撮像素子の全撮像エリアのうちの一部のエリアについて、垂直方向に隣接するラインの画素の信号を加算した撮像信号を出力する加算ラインと、垂直方向に隣接するラインの画素の信号を加算せずそれぞれ撮像信号としてそのまま出力する非加算ラインとを、フィールド毎に交互に切り替える駆動信号を発生するようにした場合には、例えば1フィールドに数回の画像を出力する際に、より多くのライン数を固体撮像素子から出力することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態の撮像装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明実施の形態の撮像装置に設けられる補色フィルタの各色フィルタ配列の説明に用いる図である。
【図3】本発明実施の形態の撮像装置におけるCCDの転送動作の説明に用いる図である。
【図4】従来のインタライン方式CCDを使用したビデオカメラに設けられる補色フィルタの各色フィルタの一配列例を示す図である。
【図5】従来のインタライン方式CCDを使用したビデオカメラに設けられる補色フィルタの各色フィルタの他の配列例を示す図である。
【図6】従来のインタライン方式CCDを使用したビデオカメラにおいて、Cy,G,Ye,Mgの各色フィルタからなる代表的な補色フィルタを使用した場合の各色フィルタの配列(色差線順次方式)の説明に用いる図である。
【図7】従来のプログレッシブスキャン方式CCDを使用したビデオカメラに設けられる補色フィルタの各色フィルタの一配列例を示す図である。
【図8】従来のプログレッシブスキャン方式CCDを使用したビデオカメラに設けられる補色フィルタの各色フィルタの他の配列例を示す図である。
【符号の説明】
1…光学系、2…補色フィルタ、3…CCD、4…信号処理部、5…出力端子、6…駆動信号発生器、7…制御部
Claims (6)
- 全画素を独立して読み出すことが可能な固体撮像素子と、
前記固体撮像素子から垂直方向に隣接するラインの画素の信号を加算した撮像信号を出力する加算ラインと、垂直方向に隣接するラインの画素の信号を加算せずそれぞれ撮像信号としてそのまま出力する非加算ラインとを、フィールド毎に交互に切り替える駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、
前記固体撮像素子の各画素に対応する色フィルタを配列してなるフィルタ手段と、
前記フィルタ手段を通過した光を受光し、前記駆動信号に基づいて前記固体撮像素子からフィールド毎に交互に前記加算ラインと非加算ラインとが切り替えられ、前記加算ラインから出力される前記撮像信号と、前記非加算ラインから出力される前記撮像信号とに対し、色分解処理を施す信号処理手段と、
を有する撮像装置。 - 全画素を独立して読み出すことが可能な固体撮像素子と、
前記固体撮像素子から垂直方向に隣接するラインの画素の信号を加算した撮像信号を出力する加算ラインと、垂直方向に隣接するラインの画素の信号を加算せずそれぞれ撮像信号としてそのまま出力する非加算ラインとを、フィールド毎に交互に切り替える駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、
前記固体撮像素子の各画素に対応する色フィルタを通過した光を受光し、前記駆動信号に基づいて前記固体撮像素子からフィールド毎に交互に前記加算ラインと非加算ラインとが切り替えられ、前記加算ラインから出力される前記撮像信号と、前記非加算ラインから出力される前記撮像信号とに対し、色分解処理を施す信号処理手段と、
を有する撮像装置。 - 前記駆動信号発生手段は、
前記固体撮像素子の全撮像エリアのうちの一部のエリアについて、前記加算ラインと、前記非加算ラインとを、フィールド毎に交互に切り替える駆動信号を発生する請求項1又は請求項2記載の撮像装置。 - 前記固体撮像素子の各画素に対応する前記色フィルタは、それぞれ4色の補色フィルタであり、
前記加算ラインを構成する2つのラインと、前記非加算ラインを構成する2つのライン毎に、上下のラインそれぞれで2色の前記補色フィルタが使用されて上下のライン合わせて4色の前記補色フィルタが使用され、かつ、上下のラインそれぞれで2色の前記補色フィルタが水平方向に2色毎に繰り返し配列されており、
前記加算ラインを構成する2つのラインと、前記非加算ラインを構成する2つのラインとの間では、上のライン同士および下のライン同士の間で2色の前記補色フィルタの2色の組合せが同一であり、かつ、上のラインまたは下のラインのうちいずれか一方のライン同士の2色の前記補色フィルタの水平方向の配列が同じであり、他方のライン同士の2色の前記補色フィルタの水平方向の配列が逆である、請求項1乃至請求項3のいずれか一の請求項に記載の撮像装置。 - 前記固体撮像素子の各画素に対応する前記色フィルタは、それぞれ4色の補色フィルタであり、
前記加算ラインを構成する2つのラインと、前記非加算ラインを構成する2つのライン毎に、上下のラインそれぞれで2色の前記補色フィルタが使用されて上下のライン合わせて4色の前記補色フィルタが使用され、かつ、上下のラインそれぞれで2色の前記補色フィルタが水平方向に2色毎に繰り返し配列されており、
前記加算ラインを構成する2つのラインと、前記非加算ラインを構成する2つのラインとの間では、上のライン同士および下のライン同士の間で2色の前記補色フィルタの2色の組合せが同一であり、かつ、上のライン同士および下のライン同士の間で、2色の前記補色フィルタの水平方向の配列が同じである、請求項1乃至請求項3のいずれか一の請求項に記載の撮像装置。 - 前記固体撮像素子の各画素に対応する前記色 フィルタは、それぞれ 4色の補色フィルタであり、
前記加算ラインを構成する2つのラインと、前記非加算ラインを構成する2つのライン毎に、上下のラインそれぞれで2色の前記補色フィルタが使用されて上下のライン合わせて4色の前記補色フィルタが使用され、かつ、上下のラインそれぞれで2色の前記補色フィルタが水平方向に2色毎に繰り返し配列されており、
前記加算ラインを構成する2つのラインと、前記非加算ラインを構成する2つのラインとの間では、上のライン同士および下のライン同士の間で2色の前記補色フィルタの2色の組合せが同一であり、かつ、上のライン同士および下のライン同士の間で、2色の前記補色フィルタの水平方向の配列が逆である、請求項1乃至請求項3のいずれか一の請求項に記載の撮像装置。
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- 1999-10-13 JP JP29111599A patent/JP4240686B2/ja not_active Expired - Lifetime
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