JP4239360B2 - 電子回路ユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、体内に、大電力部品であるパワートランジスタが搭載されたヒートシンクを、その長手方向の複数箇所にて該筐体に熱的接続状態に取付けるようにした電子回路ユニットに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
例えば自動車に搭載されるエンジンECU等の電子回路ユニットは、電子部品が実装された回路基板を、保護用の筐体内に収納して構成されている。この場合、回路基板上に実装される電子部品には、パワートランジスタ等の消費電力の大きな(発熱の大きな)大電力部品があり、その発熱が自身あるいは比較的熱に弱いマイコン等の他の電子部品に悪影響を与えないような放熱構造が必要となる。ちなみに、一例をあげると、大電力半導体素子の耐熱温度が150℃であるのに対し、制御回路に使用されるマイコンのような半導体素子の動作保証温度は110℃となっている。
【0003】
ところで、近年の自動車の環境対策や高度情報化対応等の機能向上の要求に伴い、上記したECUに搭載される回路規模は大きくなってきており、その一方、ECUの小形化,軽量化も求められている。そこで、本出願人において、図10に示すような、VICPと称される電子回路ユニット1の構造が開発されてきている。
【0004】
この電子回路ユニット1においては、セラミック基板2上に、パワートランジスタ等の大電力部品3や図示しないチップコンデンサ、厚膜抵抗体などを組込んだ混成集積回路(HIC)4を、機能毎に複数個(この場合2個)設け、それら複数個の混成集積回路4を、例えばアルミニウム製の1個の大形(横長)のヒートシンク5に搭載し、そのヒートシンク5を筐体6に熱的に接続する構成とされている。この場合、前記筐体6は、例えばアルミダイカストにより下面が開放したほぼ矩形箱状に形成され、その上壁部の内面に、この場合3箇所のねじボス部6aが形成されている。
【0005】
前記ヒートシンク5は、前記各ねじボス部6aに対しねじ7により取付けられるようになっており、このとき、ねじボス部6aの下面に密着状態に面接触することにより筐体6に熱的接続状態とされるようになっている。これにて、前記大電力部品3の熱がセラミック基板2を介してヒートシンク5に伝わり、更に筐体6に伝達されて筐体6の外面から外部に放熱されるようになっているのである。尚、前記混成集積回路4は、図示しないマイコン等(図示せず)が実装されたプリント基板8に電気的に接続され、そのプリント基板8は、前記ねじ7によりヒートシンク5といわゆる共締めされて筐体6に取付けられている。また、前記筐体6の下面開口部には、蓋9が取外し可能に取付けられている。
【0006】
しかしながら、上記構成では、次の点で改善の余地が残されていた。即ち、前記ヒートシンク5の上面及び筐体6のねじボス部6aの下面の加工精度は、さほど厳密なものではなく、その全体が必ずしも厳密に同一平面上にくるとは限らない。このため、一部の取付部においては、ヒートシンク5がねじボス部6aの下面に密着するものの、残りの取付部においては、両者の間に隙間ができるといった事態が起こることが考えられる。
【0007】
このようにヒートシンク5とねじボス部6aの下面との間に隙間が発生すると、熱伝達性に劣るものとなり放熱性が低下してしまう。この場合、ヒートシンク5及び筐体6は、共に剛体なので、ねじ止め時に上記隙間を矯正するといったことも容易ではない。そうかといって、矯正を容易とするために筐体6の上壁部の厚みを薄くすれば、筐体6の熱容量が小さくなって所期の放熱性能を確保することができなくなる。
【0008】
また、このような欠点を解消するために、例えば特開平6−169188号公報に見られるように、コイルバネの弾性力によって、電子部品に固着された放熱部材を、ケースに接触させるといった構造を採用することも考えられる。ところが、これでは、構造が複雑となってコストアップを招くと共に、ねじ止めほどの大きな接触力や接触面積を得ることは期待できない。仮に大きなばね力を持たせたとしても、それを支えるために頑強な構造が必要となる等、採用するには問題が多くなる。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、大電力部品が搭載されたヒートシンクを筐体に複数箇所にて取付けるものにあって、複数の取付部におけるヒートシンクと筐体との密着性を高めることができて良好な放熱性を確保することができながらも、簡単で安価な構成で済ませることができる電子回路ユニットを提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の電子回路ユニットは、大電力部品であるパワートランジスタが搭載されたヒートシンクを筐体に複数箇所にて取付けるものにあって、筐体に、たわみ変形しやすくするための溝を設けたところに特徴を有する。これによれば、筐体は、溝形成部分が屈曲点となるようにたわみ変形しやすくなり、筐体の取付部とヒートシンクとの間に隙間が生ずる場合でも、そのたわみ変形によって取付部の接触面の角度やヒートシンクに対する接離方向の位置を調整して隙間をなくすように矯正することができ、取付部とヒートシンクとの密着性を高めることができる。
【0011】
そして、筐体においては、溝以外の部分を厚肉とすることができるので、所期の放熱性能を確保することができ、また、筐体の一部に溝を設けるだけの簡単で構成で済む。この結果、請求項1の発明によれば、複数の取付部におけるヒートシンクと筐体との密着性を高めることができて良好な放熱性を確保することができながらも、簡単で安価な構成で済ませることができるという優れた効果を得ることができる。
【0012】
この場合、筐体をたわみ変形し易くするといった観点からは、溝は筐体の内面側及び外面側のどちらに形成されていても良いのであるが、溝を筐体の外面側に設けることによって、筐体の外面において放熱面積が増加することによる放熱性の向上や、送風がある場合の乱流の発生による放熱効率の向上といった付加的なメリットを得ることができる(請求項2の発明)。
【0013】
また、ヒートシンクを筐体の取付部に取付けるための手段としては、ねじ止め、リベット止め、かしめ、溶接等を採用できるが、なかでもねじ止めを採用した場合には、ねじの締付け力によって、筐体をいわば自動的にたわませることができ、矯正を容易に行なうことができる(請求項3の発明)。
【0014】
ここで、前記溝については、次のような形態に形成することがより好ましいものとなる。即ち、溝は、取付部を避けた位置に形成することが望ましく(請求項4の発明)、これにより、筐体の取付部部分の肉厚を厚くして熱伝達性ひいては放熱性を良好とすることができる。溝は、取付部が並ぶ方向と直交する方向に延びて形成することが望ましく(請求項5の発明)、これにより、筐体を目的とする矯正方向にたわみ変形させやすくすることができ、取付部が並ぶ方向にたわみ変形しにくくなる。
【0015】
尚、上記溝は、筐体の取付部を有する面のほぼ全体に延びて形成することが望ましく、溝を短く形成する場合と比較して、筐体をたわみ変形させやすくすることができる。溝を、隣合う取付部同士間に2本以上設けることが望ましく(請求項6の発明)、これによれば、筐体は、隣合う取付部同士間の2箇所以上で曲折するようにたわみ変形できるようになるので、1箇所でたわみ変形する場合と比べてたわみ変形を自在に行なわせることができ、矯正を良好に行なうことができる。取付部から溝までの距離を、各取付部について均等とするようにすれば(請求項7の発明)、各取付部に接触する筐体の厚肉部分の面積を均等とすることができ、各取付部からの筐体への熱伝導が均一に行なわれ、均等な放熱を行なうことができる。
【0016】
溝を、取付部を中心とした円形状に設けることもできる(請求項8の発明)。これによれば、筐体をいずれの方向にもたわみやすくすることができる。取付部が縦横に配置された場合には、溝を、縦横に格子状に延びて設けることができ(請求項9の発明)、これにより、筐体が縦方向及び横方向の双方にたわみ変形しやすくなり、各取付部における接触面の角度の矯正を良好に行なうことが可能となる。
【0017】
そして、前記筐体は、アルミダイカストにより製造することができるのであるが、その際、溝を同時に形成するようにすれば(請求項10の発明)、溝付きの筐体を極めて簡単且つ安価に製造することができる。さらには、上記大電力部品を、セラミック基板上に実装して混成集積回路として構成しても良く、このとき、ヒートシンクに複数個の混成集積回路を搭載する構成とすることができる(請求項11の発明)。これにより、放熱効果に優れるものとなると共に、全体の小形化を図ることができる。、ヒートシンクを、外部接続用のコネクタの近傍に位置して設ければ、混成集積回路からコネクタまでの配線を短く済ませることができ、小形化により一層効果的となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を自動車のエンジンECUに適用したいくつかの実施例について、図1ないし図9を参照しながら説明する。
<第1の実施例>
まず、本発明の第1の実施例について、図1ないし図5を参照して述べる。
【0019】
図5は、本実施例に係る電子回路ユニットたるエンジンECU11の全体構成を概略的に示している。このECU11は、例えばアルミニウム等の熱伝導性の良い材料から、薄形の矩形箱状に構成された筐体(ケース)12内に、メイン基板としてのプリント基板13や、後述する複数個の混成集積回路(HIC)14等を収容して構成される。尚、筐体12の底部は、取外可能な蓋32(図1参照)により塞がれるようになっている。
【0020】
詳しい説明は省略するが、前記プリント基板13には、図示しない配線パターンが形成されていると共に、その表面にマイコン15やロジックIC16等の多数個の電子部品が実装され、前記複数個の混成集積回路14と併せて、エンジン制御に係る各種の機能を実現する制御回路が構成されるようになっている。また、前記筐体12の背壁部には、開口部12aが形成されており、前記プリント基板13上の後辺部には、その開口部12aの内側に位置して、外部との接続用のコネクタ17が配設されている。
【0021】
ここで、前記混成集積回路14は、制御回路のうちパワー部のような、パワートランジスタ等の消費電力の大きな(発熱の大きな)大電力部品を含む回路からなり、機能毎に複数個例えば4個(図1等では便宜上2個のみ図示)が設けられる。図1等にも示すように、この混成集積回路14は、配線パターン(図示せず)が形成されたセラミック基板18上に、大電力部品たるパワートランジスタ19や、他の半導体素子、厚膜抵抗体、チップコンデンサ(いずれも図示せず)等の複数の部品を実装して構成されている。また、図5にのみ示すように、このセラミック基板18の下辺部には、前記プリント基板13との電気的接続用の多数本のクリップ23が設けられている。
【0022】
これら複数個の混成集積回路14は、例えばアルミニウム等の熱伝導性の良い材料からなる1個の横長なヒートシンク24の表面(前面)に、横方向に並んで、例えば接着により搭載(実装)され、HIC組立体25として構成されるようになっている。尚、混成集積回路14をヒートシンク24に搭載する際の接着剤としては、例えばシリコン系接着剤等の熱伝導性の良い熱硬化性接着剤が用いられる。
【0023】
そして、このHIC組立体25は、前記プリント基板13上の後部寄り部位 (前記コネクタ17の前部近傍)に位置して左右方向に延びた状態に取付けられると共に、前記ヒートシンク24が前記筐体12に複数箇所の取付部12aにて熱的接続状態に取付けられる。即ち、図1〜図3は、ヒートシンク24(HIC組立体25)の筐体12への取付構造を省略して示しており、ここでは便宜上、ヒートシンク24に2個の混成集積回路14が搭載されたものとしている。
【0024】
前記筐体12の上壁部内面(下面)には、左右両端寄り部分及びそれらの中間部の3箇所に位置して取付部12bが下方に突出するように一体に設けられている。これら取付部12bは、いわゆるねじボス部からなり、矩形ブロック状の突部の中心にねじ穴を有して構成されている。これに対し、図1及び図2に示すように、前記ヒートシンク24には、前記取付部12bに対応して、上下方向に貫通するねじ挿通孔24aが複数箇所に位置して形成されており、前記プリント基板13には、それに対応する取付孔13aが形成されている。
【0025】
筐体12に対するヒートシンク24(HIC組立体25)の取付けは、図で3箇所において、ねじ26を、下方から前記取付孔13a及びねじ挿通孔24aを通し、取付部12bに締付けることにより行なわれる。これにて、ヒートシンク24が筐体12にねじ止めされ、このとき、ヒートシンク24の上面が取付部12bの下面に密着状態(面接触状態)とされるのある。
【0026】
また、詳しく図示はしないが、前記各混成集積回路14の各クリップ23の先端部(下端部)が、プリント基板13に形成されたスルーホールに挿入されて下面側で噴流はんだ付けされ、もって各混成集積回路14がプリント基板13に電気的に接続されるようになっている。このとき、図5に示すように、プリント基板13の上面側には、各クリップ23のピッチを揃えるための整列板27が設けられるようになっている。
【0027】
さて、図1及び図3に示すように、本実施例では、前記筐体12の上壁部の外面側(上面)には、該筐体12のたわみ変形を容易とするための複数本(図で4本)の溝33が形成されている。これら溝33は、断面が半円状(U字状)をなし、取付部12bを避けた(離れた)位置であって隣合う取付部12b同士間に各2本ずつが、前記取付部12bの並ぶ方向(左右方向)とは直交する方向(前後方向)に、筐体12の上壁部(上面)の前後方向ほぼ全体に渡って延びて形成されている。また、このとき、図3に示すように、取付部12bから最も近い溝33までの距離aが、各取付部12bについて均等とされている。
【0028】
なお、詳しい説明は省略するが、この筐体12は、アルミダイカスト(鋳造成形)により製造されるようになっており、このとき、成形型は前記溝33に対応した突条部を有していて、筐体12の成形時に、溝33が同時に一体的に形成されるようになっている。この場合、筐体12は比較的厚肉(例えば厚み寸法が1.5mm)に形成され、前記溝33は、例えば幅寸法が2mm程度、深さ寸法が1mm程度に形成されている。
【0029】
次に、上記構成の作用について図4も参照して述べる。上記のように構成されたECU11にあっては、使用時の大電力部品(パワートランジスタ19)の発熱がセラミック基板18及びヒートシンク24を介して、取付部12bから筐体12に伝達され、筐体12の外面部から外部に良好に放熱されるようになる。従って、放熱効果に優れ、プリント基板上のマイコン15等の部品に対する熱による悪影響を未然に防止することができる。
【0030】
また、上記構成にあっては、パッケージ形の大電力部品(パワートランジスタ19)を個々にヒートシンクに取付ける場合と異なり、混成集積回路14としたことによる小形化を図ることができ、これに加えて、各混成集積回路14をコネクタ17のごく近い位置に配設できるので、プリント基板13の大電流が流れる配線が短く済んで配線に要する面積が格段に小さくなり、ECU11全体としての小形化を図ることができるのである。
【0031】
しかして、上記したヒートシンク24の上面及び筐体12の取付部12bの下面の加工精度は、さほど厳密なものではないため、各面のうねり等の要因により、全ての取付部12bにおいてヒートシンク24がぴったりと密着するとは限らず、いくつかの取付部12bにおいては、両者の間が離れたり、斜めに接触したりして隙間ができるといった事態が起こる虞がある。このような隙間が生じていると、ヒートシンク24から筐体12への熱伝達性に劣るものとなり、放熱性が低下してしまうことになる。
【0032】
ところが、本実施例では、筐体12に溝33を設けたことにより、筐体12は、溝33形成部分が屈曲点となるようにたわみ変形しやすくなる。このため、筐体12の取付部12bとヒートシンク24との間にずれが生ずる場合でも、そのたわみ変形によって取付部12bの接触面の角度やヒートシンク24に対する接離方向の位置を調整して隙間をなくすように矯正することができ、全ての取付部12bとヒートシンク24とを密着させることができる。
【0033】
この場合、各取付部12bにおけるヒートシンク24のねじ止め時に、ねじ26の締付け力によって、筐体12をいわば自動的にたわませることができ、矯正が容易に行なわれる。このとき、溝33は、取付部12bが並ぶ方向(左右方向)と直交する前後方向に筐体12の上面のほぼ全体に延びて形成されているので、筐体12を目的とする矯正方向(左右方向)にたわみ変形させやすくすることができる。
【0034】
また、溝33を、隣合う取付部12b同士間に2本ずつ設けるようにしたので、筐体12が、隣合う取付部12b同士間の2箇所以上で曲折するようにたわみ変形させることができ、1箇所でたわみ変形する場合と比べてたわみ変形を自在に行なわせることができて矯正がより良好に行なわれるのである。図4には、筐体12の上壁部のたわみ変形による矯正の様子を模式的に示しており、取付部12b間に溝33を2本設けた場合には(a)、1本の溝22を設けた場合(b)と比較して、各取付部12bの下面の角度を自在に矯正しやすくなるのである。
【0035】
そして、筐体12においては溝33以外の部分が厚肉に構成されているので、筐体の厚みを薄くするものと異なり、所期の放熱性能を確保することができる。このとき、溝33を、取付部12bから離れた位置に形成したので、取付部12b部分の肉厚を厚くして熱伝達性ひいては放熱性を良好とすることができ、また、取付部12bから溝33までの距離を、各取付部12bについて均等としたことにより、各取付部12bに接触する筐体12の厚肉部分の面積を均等とすることができ、各取付部12bからの筐体12への熱伝導が均一に行なわれ、均等な放熱が行なわれるようになる。
【0036】
しかも、溝33は筐体12の外面側に設けられているので、内面側に設けた場合と比べて、筐体12の外面において放熱面積が増加することによる放熱性の向上や、送風がある場合の乱流の発生による放熱効率の向上といった付加的なメリットも得ることができる。
【0037】
さらに、コイルバネの弾性力によって放熱部材をケースに接触させるといった従来例で述べた構造と異なり、筐体12の一部に溝33を設けるだけの簡単且つ安価な構成で、ヒートシンク24と筐体12との密着性を高めて良好な放熱性を確保することができる。また、本実施例では筐体12の製造にアルミダイカストを採用したので、溝33付きの筐体12を極めて簡単且つ安価に製造することができる。
【0038】
このように本実施例によれば、パワートランジスタ19といった発熱部品が搭載されたヒートシンク24を筐体12に複数箇所の取付部12bにて取付けるものにあって、筐体12にたわみ変形しやすくするための溝33を設けたので、複数の取付部12bにおけるヒートシンク24と筐体12との密着性を高めることができて良好な放熱性を確保することができながらも、簡単で安価な構成で済ませることができる等の優れた効果を得ることができるものである。
【0039】
<第2〜第5の実施例>
図6ないし図9は、夫々本発明の第2ないし第5の実施例を示している。尚、これらの実施例においては、電子回路ユニット(ECU11)の内部構造等については、上記第1の実施例とほぼ共通するので、同一部分には同一符号を付して新たな図示や詳しい説明を省略し、以下、上記第1の実施例と異なる点についてのみ説明することとする。
【0040】
図6は、本発明の第2の実施例を示しており、上記第1の実施例と異なる点は、筐体12の上面に、たわみ変形しやすくするための溝34を、各取付部12bを中心とした円形状に夫々(3箇所に)設けたところにある。これによれば、溝34を設けたことにより、筐体12をいずれの方向にもたわみやすくすることができる。従って、本実施例によっても、上記第1の実施例と同様に、複数の取付部12bにおけるヒートシンク24と筐体12との密着性を高めることができて良好な放熱性を確保することができながらも、簡単で安価な構成で済ませることができるという優れた効果を得ることができる。
【0041】
図7は、本発明の第3の実施例を示している。この実施例においては、筐体12の上面に、やはり各取付部12bを中心とした円形状に溝35を設けるのであるが、この溝35を、同心円状に複数本この場合各3本ずつ形成するようにしている。これによれば、筐体12をより一層たわみやすくすることができる。
【0042】
図8は、本発明の第4の実施例を示している。この第4の実施例においては、ヒートシンク36が前後方向に厚い大形のものとされ、これに伴い、筐体37の上壁部下面には、縦(前後)方向に2列、横(左右)方向に3列の合計6個の取付部37aが設けられている。そして、筐体37の上面に、たわみ変形しやすくするための溝38を、各取付部37aを中心とした円形状に夫々(6箇所に)設けるようにしている。かかる構成によっても、各取付部37aにおけるヒートシンク36と筐体37との密着性を高めることができて良好な放熱性を確保することができながらも、簡単で安価な構成で済ませることができるという優れた効果を得ることができる。
【0043】
図9は、本発明の第5の実施例を示している。この実施例でも、上記第9の実施例と同様に、大形のヒートシンク36に対して、筐体37には取付部37aが縦横に配置されている。そして、筐体37の上面には、各取付部37a間に位置して、縦(前後)方向に延びる溝39、及び横(左右)方向に延びる溝40が、各2本ずつ格子状をなすように形成されている。
【0044】
このような構成によっても、溝39,40を、縦横に格子状に延びて設けたことにより、筐体37が縦方向及び横方向の双方にたわみ変形しやすくなり、各取付部37aにおける接触面の角度の矯正を良好に行なうことが可能となる。各取付部37aにおけるヒートシンク36と筐体37との密着性を高めることができて良好な放熱性を確保することができながらも、簡単で安価な構成で済ませることができるという優れた効果を得ることができる。
【0045】
尚、上記各実施例では、溝33等を筐体12の外面側に形成するようにしたが、筐体をたわみ変形しやすくするという所期の目的のためには、筐体の内面側に溝を形成しても良く、内面側及び外面側の双方に形成しても良い。また、溝については、取付部の並び方向に直交して直線状に延びるのではなく、斜め方向に延びたり、曲線的に延びるように形成しても良い。溝の断面形状としても、U字状,上向きのコ字状,V字状等であっても良く、さらには、溝の本数や設ける位置、長さ、幅寸法,深さ寸法についても、目的とするたわみやすさが得られるように自在に設定できる。
【0046】
そして、上記各実施例では、ヒートシンク24等を筐体12の取付部12bに取付けるための手段として、ねじ止めを採用するようにしたが、リベット止め、かしめ、溶接等を採用することもできる。ねじ止めの場合であっても、筐体12の上面側からねじ止めする構成とすることもでき、ねじ止め箇所(取付部)が2箇所、あるいは4箇所以上であっても本発明を適用することができる。
【0047】
また、上記実施例では、大電力部品(パワートランジスタ19)等をセラミック基板18に実装した混成集積回路14として構成したが、パッケージ形の単独の大電力部品を個々にヒートシンクに搭載するものにも本発明を適用することができる。その他、混成集積回路14のプリント基板13に対する接続構造等の内部構造などについても種々の変形が可能であり、また、自動車用のECUに限らず電子回路ユニット全般に広く適用することができる等、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すもので、ヒートシンクの筐体への取付構造を示す縦断正面図
【図2】図1のI−I線に沿う縦断右側面図
【図3】ECUの平面図
【図4】取付部間に2本の溝を設けた場合(a)の矯正のしやすさを、1本の溝を設けた場合(b)と比較して示す模式図
【図5】ECUの構成を筐体の一部を破断した状態で概略的に示す斜視図
【図6】本発明の第2の実施例を示す図3相当図
【図7】本発明の第3の実施例を示す図3相当図
【図8】本発明の第4の実施例を示す図3相当図
【図9】本発明の第5の実施例を示す図3相当図
【図10】従来例を示す図1相当図
【符号の説明】
図面中、11はECU(電子回路ユニット)、12,37は筐体、12b,37aは取付部、13はプリント基板、14は混成集積回路、15はマイコン、17はコネクタ、18はセラミック基板、19はパワートランジスタ(大電力部品)、24,36はヒートシンク、25はHIC組立体、33,34,35,38,39,40は溝を示す。

Claims (11)

  1. 体内に、大電力部品であるパワートランジスタが搭載されたヒートシンクを、該筐体の複数箇所の取付部にて熱的接続状態に取付けるようにし、前記パワートランジスタから発生した熱が前記ヒートシンクを介して該筐体に伝わり、該筐体の外面から外部に放熱させるようにした構造の電子回路ユニットであって、
    前記筐体に、たわみ変形しやすくするための溝を設けたことを特徴とする電子回路ユニット。
  2. 前記溝は、前記筐体の外面側に設けられていることを特徴とする請求項1記載の電子回路ユニット。
  3. 前記ヒートシンクは、ねじ止めにより前記筐体に取付けられることを特徴とする請求項1又は2記載の電子回路ユニット。
  4. 前記溝は、前記取付部を避けた位置に形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電子回路ユニット。
  5. 前記溝は、前記取付部が並ぶ方向と直交する方向に延びて形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電子回路ユニット。
  6. 前記溝は、隣合う取付部同士間に2本以上が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の電子回路ユニット。
  7. 前記取付部から前記溝までの距離が、各取付部について均等とされていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の電子回路ユニット。
  8. 前記溝は、前記取付部を中心とした円形状に設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電子回路ユニット。
  9. 前記取付部が縦横に配置されると共に、前記溝は、縦横に格子状に延びて設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電子回路ユニット。
  10. 前記筐体は、アルミダイカストにより製造され、その際、前記溝が同時に形成されるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の電子回路ユニット。
  11. 前記パワートランジスタは、セラミック基板上に実装されて混成集積回路を構成するようになっていると共に、前記ヒートシンクには、複数個の混成集積回路が搭載されていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに載の電子回路ユニット。
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