JP4238117B2 - 着色表面処理ステンレス鋼板およびその製造方法 - Google Patents

着色表面処理ステンレス鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ハンダ性、耐食性、および熱放射性に優れた有色の表面処理皮膜をめっきステンレス鋼板に形成させてなる着色表面処理ステンレス鋼板およびその製造方法に関する。
近年、金属容器、家電機器シャーシ、キャビネット、電子部品基板などの各種の筐体用途に適用する表面処理金属板においては、鋼板を基板として、装飾的観点から黒色、白色、灰色などの無彩色、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、ピンク色などの彩色に着色した表面処理皮膜を鋼板上に形成させた着色表面処理鋼板が用いられている。これらの用途に用いられる表面処理鋼板は、所定の形状に成形加工した後の接着が必要な箇所、または他の部品や部材との接着にハンダ付けが行われる場合があるが、従来の着色表面処理鋼板においては着色した有色の表面処理皮膜のハンダ濡れ性が不良であり、ハンダ付けが必要とされる用途に適用することができなかった。
また、特に電子部品基板用の筐体用途においては、電子機器の小型化や高密度化にともなって、狭い筐体内部や間隙が殆ど無い状態で装填された部品の温度上昇を抑制する必要が生じている。そのため筐体用途においては、放熱性を有する材料が必要とされる。また、電子機器の小型化や高密度化にともなって筐体材料をゲージダウンして軽量化することも求められており、そのため、高強度が要求される用途には厚さが薄くても十分な強度を有し、切断端面に錆を生じることのないステンレス鋼板が用いらているが、ステンレス鋼板はハンダ濡れ性が不良であり、ハンダ付けが必要とされる用途に適用することができなかった。
ハンダの濡れ性に優れた鋼板の従来技術として、鋼板上に錫めっきを施し、次いで錫めっき上に亜鉛、ニッケル、コバルトのいずれか1種以上を主成分とするめっき、または亜鉛、ニッケル、コバルトのいずれか1種以上に錫、鉄、鉛、銅のいずれか1種以上を含有してなる、錫の標準電極電位より卑な電位を示す合金めっきを施した、ハンダ用二層めっき鋼板が開示されている(例えば、特許文献1参照)。このめっき鋼板はクロメート処理皮膜のような耐食性に優れた保護皮膜層を有していないため、耐食性が十分ではなく、腐食生成物の皮膜が生成することにより、ハンダ濡れ性も劣化するおそれがある。
また、鋼板上にSn−Zn合金層、または表面にNiめっきまたはFe−Ni拡散層のいずれかからなる表面処理層を形成させた表面処理鋼板上にSn−Zn合金層を形成させ、これらのSn−Zn合金層上にリン酸マグネシウムを主体とする無機皮膜を形成させてなる環境対応型電子部品用表面処理鋼板が開示されている(例えば、特許文献2参照)。このリン酸マグネシウムを主体とする無機皮膜もSn−Zn合金に対して高耐食性を付与することはできるが、その安定さ故に、特に塩素を含まない弱活性または非活性のフラックスを使用した場合のハンダ性に乏しい欠点を有している。
さらに、これらのハンダ用二層めっき鋼板や電子部品用表面処理鋼板は、表面処理皮膜を形成させる基板として鋼板を用いているため、切断面では鋼が露出するので、赤錆が発生しやすい欠点も有している。
本出願に関する先行技術文献情報として次のものがある。
特開昭63−277786号公報 特開2002−249885号公報
本発明は、優れたハンダ濡れ性、耐食性、および優れた熱放射性を有する着色表面処理ステンレス鋼板およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本発明の着色表面処理ステンレス鋼板は、板側からめっきの厚さが皮膜量で0.05〜1.0g/m であるニッケルストライクめっき、めっきの厚さが皮膜量で0.2〜50g/m であるニッケルめっきを順に形成させてなるめっきステンレス鋼板上にメニスコグラフ法によるハンダ濡れ性が10秒未満である有色の表面処理皮膜を形成してなり、熱放射率が0.1〜0.9であることを特徴としており、
上記(請求項1)の着色表面処理金属板において、めっきステンレス鋼板が、前記ニッケルめっきの上に、さらにめっきの厚さが皮膜量で1〜20g/m である錫めっきを形成させてなること(請求項2)、また
記(請求項1または2)の着色表面処理ステンレス鋼板において、有色の表面処理皮膜が、着色顔料とロジンを含有する水系ウレタン樹脂を塗布し乾燥してなる皮膜であること(請求項)を特徴とし、または
有色の表面処理皮膜が、着色顔料とロジンを含有する水系アクリル樹脂を塗布し乾燥してなる皮膜であること(請求項)を特徴とし、さらに
上記(請求項3または4)の着色表面処理金属板において、着色顔料が黒色顔料であること(請求項)を特徴とする。
そして本発明の着色表面処理ステンレス鋼板の製造方法は、ステンレス鋼板にめっきの厚さが皮膜量で0.05〜1.0g/m であるニッケルストライクめっきをする工程、その上にめっきの厚さが皮膜量で0.2〜50g/m であるニッケルめっきをする工程、その上にメニスコグラフ法によるハンダ濡れ性が10秒未満である有色の表面処理皮膜をする工程を有する、熱放射率が0.1〜0.9であることを特徴としており、
上記(請求項6)の着色表面処理ステンレス鋼板の製造方法において、前記ニッケルめっきの上にめっきの厚さが皮膜量で1〜20g/m である錫めっきをする工程をさらに有することを特徴とする。
本発明においては、強度および耐食性に優れたステンレス鋼板を基板とし、基板との密着性に優れるとともにハンダ濡れ性を有するめっき層を施してなるめっきステンレス鋼板に、ハンダ濡れ性に優れる水系ウレタン樹脂や水溶化ロジンを含有する水系アクリル樹脂に、無彩色や彩色の着色顔料をさらに含有させて塗布し乾燥して有色の表面処理皮膜を形成させているので、メニスコグラフ法によるハンダ濡れ性が10秒未満の優れたハンダ濡れ性、および熱放射率が0.1〜0.9の優れた熱放射率を有し、かつ色彩が鮮明で装飾性に優れている。そのため、優れた耐食性、ハンダ性および熱放射性を必要とする薄肉の電子機器筐体や電子部品基板として好適に適用できる。
以下、実施形態によって本発明を詳細に説明する。
めっき基板となるステンレス鋼板としては、JIS規格のSUS410、416、420、431、440などのマルテンサイト系ステンレス鋼板、SUS405、430、434などのフェライト系ステンレス鋼板、SUS301、304、309、310、316、321、329、347などのオーステナイト系ステンレス鋼板のいずれのステンレス鋼板も用いることができる。これらのステンレス鋼板に通常の脱脂および酸洗の前処理をそれぞれ施した後、ステンレス鋼板上に施すニッケルめっきの密着力を向上させるために、ウッド浴などを用いてストライクニッケルめっきを行う。ストライクニッケルめっきの厚さは皮膜量で0.05〜1.0g/mであることが好ましい。0.05g/m未満であるとステンレス鋼板に対するニッケルめっきの密着力に乏しくなり、1.0g/mを越えるてもニッケルめっきの密着力向上の効果が飽和し、コスト的に有利でなくなる。
引き続いてストライクニッケルめっき上にニッケルめっきを形成させる。ニッケルめっきは電解めっき法、または無電解めっき法のいずれのめっき法を用いて形成させてもよいが、予め電解法によるストライクニッケルめっきを行うので、ワット浴などを用いて電解めっき法で行うことが好ましい。このニッケルめっきの厚さは皮膜量で0.2〜50g/mであることが好ましい。0.2g/m未満では十分なハンダ強度が得られない。一方、皮膜量が50g/mを越えるとハンダ濡れ性およびハンダ強度の向上効果が飽和し、コスト的に有利でなくなる。
また、ニッケルめっき上にさらに錫めっきを形成させることにより、ハンダ濡れ性をさらに向上させることができる。錫めっきはフェロスタン浴やハロゲン浴などを用いて電解めっき法で行うことが好ましい。錫めっきの厚さは皮膜量で1〜20g/mであることが好ましい。1g/m未満ではハンダ濡れ性の向上効果が不十分である。一方、皮膜量が20g/mを越えるとハンダ濡れ性の向上効果が飽和し、コスト的に有利でなくなる。
このように、ステンレス鋼板上にストライクニッケルめっきを介してニッケルめっき、またはニッケルめっきと錫めっきを形成させることにより、ハンダ性に優れためっきステンレス鋼板が得られる。
以上のようにして得られるめっきステンレス鋼板は切断しても切断端面に錆が生じることがなく、耐食性に優れており、上記のようにニッケルめっきやニッケルめっき上にさらに錫めっきを形成させているので、ハンダ性にも優れており、家電機器シャーシ、キャビネットなどの筐体用途に好適に適用することができる。また、下記に示す熱放射性を向上させる着色表面処理皮膜を形成させることにより、熱放射率を0.1〜0.9程度まで向上させることができる。熱放射性を向上させる着色表面処理皮膜は、以下のようにしてこれらのめっきステンレス鋼板のめっき上に形成させる。
皮膜を構成する樹脂としては、水系ウレタン樹脂または水溶性ロジンを含有させた水系アクリル樹脂を用いることが好ましい。これらの水系樹脂の濃度としては、100〜900g/Lの範囲であることが好ましい。これらの水系ウレタン樹脂または水溶性ロジンを含有させた水系アクリル樹脂に着色顔料を含有させて上記めっき金属板のめっき上に塗布し乾燥して着色表面処理皮膜とする。着色顔料としては有機系、無機系のいずれも適用可能であり、黒色、白色などの無彩色、赤色、青色、黄色などの彩色の顔料を1種または2種以上添加して好みの色を発色させる。熱放射性を重視する場合は、黒色顔料を用いることが好ましい。樹脂中へ添加する量は樹脂の固形分に対して1〜50重量%であることが好ましい。含有量が1重量%未満では色によっては色調の鮮明性に乏しく、50重量%を越えるとハンダ性が不良となる。より好ましい添加量は3〜30重量%である。また、顔料に替えて有色のセラミック粉末を用いてもよい。有色のセラミック粉末としては、炭化チタン、窒化チタン、硼化チタン、炭化タングステン、窒化モリブデンおよびこれらのセラミック粉末を2種以上混合してなる混合粉末を用いることが好ましい。
水系アクリル樹脂に含有させる水溶性ロジンは、ロジンの主成分であるアビエチン酸分子内のカルボン酸基をアミン塩などにより中和してロジン石鹸とする方法により得られたものを、特に経時後のハンダ濡れ性を向上させるために水系アクリル樹脂中に含有させる。水系アクリル樹脂液中に50〜600g/Lの範囲で添加するのが好ましい。50g/L未満では経時後のハンダ濡れ性が不十分であり、600g/Lを越えると高粘度となり、ゲル化しやすく塗布が困難になる。
上記のようにして得られた何れかの樹脂液を、上記のめっきステンレス鋼板の片面あるいは両面に塗布する。この場合、表裏面において塗布膜厚を変えてもよい。塗布する方法としては、浸漬法、ロールコート法、カーテンフローコート法、スプレーコート法など、公知の方法を用いることができる。しかし、両面塗布を行う場合、本処理液が水系であることを活かして、連続めっき工程の後工程において、浸漬・絞りによる塗布を行う方法が容易で経済的である。これらのいずれかの塗布方法を用いて塗布した後、乾燥させてめっき金属板上に有色の表面処理皮膜を形成させ、着色表面処理金属板とする。乾燥後の皮膜厚さは0.05〜10μmであることが好ましい。皮膜の厚みが0.05μm未満では均一な着色外観が得られず、手指で触れた場合に指紋が付きやすくなる。10μmを越える場合はこれらの放熱性性向上の効果が飽和し、またハンダ濡れ性が低下するので好ましくない。
このようにして得られる本発明の着色表面処理ステンレス鋼板は、以下に示すメニスコグラフ法(MIL−STD−883B)によるハンダ濡れ性が10秒未満であることが好ましい。メニスコグラフ法によるハンダ濡れ性が10秒を越える場合は、加熱溶融したハンダが着色表面処理金属板の表面に十分に広がらず、ハンダ付けする相手材との十分な接着力が得られない。メニスコグラフ法によるハンダ濡れ性の測定は、以下のようにして行う。すなわち、SOLDERCHECKER(MODEL SAT−5000、RHESCA製)を使用し、上記の着色表面処理金属板から切り出した幅7mmのサンプルを塩素を含まない弱活性フラックスに浸漬し、その後250℃に保持したハンダ浴(JIS Z 3282:H60A)に前記のフラックスを塗布したサンプルを浸漬速度2mm/秒で、2mm浸漬させ、ハンダが濡れるまでの時間ゼロクロスタイムを測定し、ハンダ濡れ性(秒)とする。
また、めっきステンレス鋼板に着色表面処理皮膜を形成させて着色表面処理ステンレス鋼板とすることにより、熱放射率は0.1〜0.9まで向上する。
(供試板の作成)
[めっきステンレス鋼板]
ステンレス鋼板(JIS 304、板厚0.2mm)をめっき基板として、アルカリ水溶液中で電解脱脂し、次いで硫酸中に浸漬して酸洗した後、ウッド浴を用いて下記に示す条件でストライクニッケルめっきを施し、引き続いてワット浴を用いて下記に示す条件でニッケルめっきを施してニッケルめっきステンレス鋼板とした。このようにして得られたニッケルめっきステンレス鋼板の一部は、さらにフェロスタン浴を用いて下記に示す条件で錫めっきを施してニッケル・錫めっきステンレス鋼板とした。
<ストライクニッケルめっき>
浴組成
塩化ニッケル 240g/L
塩酸 100mL/L
浴温 50
電流密度 5A/dm
電解時間 7秒
<ニッケルめっき>
浴組成
硫酸ニッケル 300g/L
塩化ニッケル 45g/
ホウ酸 45g/
浴温 55℃
pH 3.0
電流密度 5A/dm
<錫めっき>
浴組成
硫酸第一錫 30g/L
フェノールスルホン酸 30g/L
エトキシ化−αナフトール 2g/L
浴温 40℃
pH 2.0
電流密度 5A/dm
以上のようにして表1にめっき番号A〜Eで示すめっきステンレス鋼板を作成した。
これらのめっき番号A〜Eのめっきステンレス鋼板に、表2に示す水系ウレタン樹脂または水溶性ロジンを含有させた水系アクリル樹脂に、表2に示す含有量で黄、黒、または赤系の着色顔料もしくは炭化チタンを含有する樹脂液を浸漬・絞り法を用いて塗布した後、90℃の温度で乾燥し、試料番号1〜10の試料を作成して下記の特性評価を行った。表3にその評価結果を示した。
[特性評価]
<ハンダ濡れ性>
SOLDERCHECKER(MODEL SAT−5000、RHESCA製)を用い、メニスコグラフ法(MIL−STD−883B)により評価した。すなわち、試料番号1〜10の試料から幅7mmの試片を切り出し、表3に示すように塩素を含まない弱活性フラックス(ラピックスRMA、日本半田工業製)に浸漬し、その後250℃に保持したハンダ浴(JIS Z 3282:H60A)に前記のフラックスを塗布した試片を浸漬速度2mm/秒で2mm浸漬させ、ハンダが濡れるまでの時間ゼロクロスタイムを測定し、下記に示す基準で半田濡れ性を評価した。濡れ時間は短い程半田付け性に優れることを示す。なお、試験は試料作製直後と恒温恒湿(60℃、95%RH)で500時間経時後の2通りで行った。×以外を合格範囲とした。
◎:5秒未満
○:5〜7秒未満
△:7〜10秒未満
×:10秒以上
[特性評価]
<ハンダ強度>
試料番号1〜10の試料から幅7mm、長さ50mmで切り出してL字型に折り曲げた試片2個を、評価面を向かい合わせてT字状になるように重ね、T字の縦棒の部分の間に厚さ0.5mmの鋼板を挟み、T字の縦棒の下部に0.5mmの空隙部を形成させた試片を作成した。この試片の空隙部に上記のハンダ濡れ性の評価に用いたのと同一のフラックスを塗布した後、SOLDERCHECKER(MODEL SAT−5000、RHESCA製)を用い、250℃に保持したハンダ浴(JIS Z 3282:H60A)に試片の空隙部を10mmの深さまで浸漬して5秒間保持して空隙部にハンダを充填した後取り出してTピール試験片とした。次いでテンシロンを用いて、Tピール試験片のT字の横棒部をチャックで挟んで引張ってT字の縦棒部のハンダ充填部を引き剥がしてハンダ強度を測定し、下記に示す基準でハンダ強度を評価した。
◎:4kgf/7mm以上
○:3〜4kgf/7mm未満
△:1〜3kgf/7mm未満
×:1kgf/7mm未満
<めっき密着性>
試料番号1〜10の試料から幅7mm、長さ50mmで試片を切り出して90°に折り曲げ、折り曲げ部(外側)にスコッチテープを貼り付け、次いで引き剥がした後、めっき皮膜の剥離の有無を肉眼観察し、下記に示す基準でめっき密着性を評価した。
○:剥離は認められない。
×:剥離が認められる。
<放熱性>
試料番号1〜10の試料から100mm×100mmの試片を切り出し、放射率計(Dand S AERD放射率計、京都電子工業製)を用いて熱放射率を測定し、下記の基準で放熱性を評価した。
◎:熱放射率0.5〜0.9
○:熱放射率0.1〜0.5未満
△:熱放射率0.05〜0.1未満
×:熱放射率0.05未満
<色彩鮮明性>
試料番号1〜10の試料について分光測色計(MODEL:CM−3500d、ミノルタ(株)製)を用い、L値、a値、b値を測定し、それぞれの測定値が表4に示すそれぞれの値の範囲内にあるものを合格基準とし○で示した。合格基準をはずれる値のものを不合格として×で示した。
これらの特性評価結果を前記表3に示す。
本発明の着色表面処理ステンレス鋼板は耐食性に優れるとともに、表3に示すように、ハンダ濡れ性に優れ、ハンダ強度が大きく、また放熱性に優れている。また、着色ステンレス鋼板として色彩鮮明性にも優れている。そのため、本発明の着色表面処理ステンレス鋼板は、ハンダ付けが可能な放熱性に優れた各種筐体として好適に適用できる。
本発明の着色表面処理ステンレス鋼板は、強度および耐食性に優れるているので切断端面に錆を生じることがなく、また、ハンダ濡れ性に優れ、ハンダ強度が大きく、また放熱性にも優れており、色彩鮮明性にも優れているので、ハンダ性が必要とされる薄肉軽量の電子機器筐体等の各種筐体に好適に適用できる。

Claims (7)

  1. 板側からめっきの厚さが皮膜量で0.05〜1.0g/m であるニッケルストライクめっき、めっきの厚さが皮膜量で0.2〜50g/m であるニッケルめっきを順に形成させてなるめっきステンレス鋼板上にメニスコグラフ法によるハンダ濡れ性が10秒未満である有色の表面処理皮膜を形成してなり、熱放射率が0.1〜0.9であることを特徴とする着色表面処理ステンレス鋼板。
  2. 前記めっきステンレス鋼板が、前記ニッケルめっきの上に、さらにめっきの厚さが皮膜量で1〜20g/m である錫めっきを形成させてなることを特徴とする請求項1に記載の着色表面処理金属板。
  3. 有色の表面処理皮膜が、着色顔料とロジンを含有する水系ウレタン樹脂を塗布し乾燥してなる皮膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の着色表面処理金属板。
  4. 有色の表面処理皮膜が、着色顔料とロジンを含有する水系アクリル樹脂を塗布し乾燥してなる皮膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の着色表面処理金属板。
  5. 着色顔料が黒色顔料であることを特徴とする請求項3または4に記載の着色表面処理金属板。
  6. ステンレス鋼板にめっきの厚さが皮膜量で0.05〜1.0g/m であるニッケルストライクめっきをする工程、
    その上にめっきの厚さが皮膜量で0.2〜50g/m であるニッケルめっきをする工程、
    その上にメニスコグラフ法によるハンダ濡れ性が10秒未満である有色の表面処理皮膜をする工程を有する、熱放射率が0.1〜0.9であることを特徴とする着色表面処理ステンレス鋼板の製造方法。
  7. 前記ニッケルめっきの上にめっきの厚さが皮膜量で1〜20g/m である錫めっきをする工程をさらに有することを特徴とする請求項6に記載の着色表面処理ステンレス鋼板の製造方法。
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