JP4234005B2 - ポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、ポリオレフィン系樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、高い剛性を発現しつつ耐衝撃強度が飛躍的に向上し、工業材料分野を中心とした、生産合理化やコストダウンを実現することができるポリオレフィン系樹脂組成物(I)、高性能触媒の使用や特殊な重合法を採用することなく、工業材料分野で求められる高い剛性と耐衝撃強度を達成することができるポリオレフィン系樹脂組成物(II)、流動性、剛性及び耐衝撃性のバランスが高く、成形品の薄肉軽量化を実現することができる、無機充填剤強化ポリオレフィン系樹脂組成物(III)及び高い剛性を発現しつつ耐衝撃強度が飛躍的に向上し、自動車外装部品等の工業材料分野での薄肉軽量化を実現することができるポリオレフィン系樹脂組成物(IV)に関するものである。
背景技術
従来から、ポリプロピレン系樹脂は、軽量で、機械的強度及び成形性に優れる樹脂として知られているが、とりわけ高立体規則性触媒を用いて製造されたプロピレン単独重合体や、該プロピレン単独重合体からなるマトリックスに、エチレン−プロピレン共重合部を散在させたいわゆるプロピレン−エチレンブロック共重合体は、剛性と耐衝撃強度に優れ、コンテナ、パレット等の運搬資材や自動車用の内外装部品等の工業材料分野において、広く用いられるようになってきた。
最近、ドアトリムやピラー等の自動車用内装材では、生産合理化とコストダウンが求められており、従来より用いられていた、ポリプロピレン/ゴム/タルク配合系から、ポリプロピレン単独系へ転換することについての検討がさかんに行なわれている。
一方、その他の工業材料分野においても、薄肉軽量化の要求がさらに高まり、ポリプロピレン系樹脂における極めて高度な性能向上が求められている。この要求に対応するために、立体規則性の高い高性能触媒の適用や樹脂デザインの最適化がなされているが、単にこれらの方法を用いただけでは十分な性能を得るには到っておらず、より高い剛性を有し、耐衝撃強度等の物性が向上した工業材料が待望されていた。
また、最近、自動車用部品については、コストと品質の両面から、国内向上だけでなく広く海外の生産工場への、同一仕様、同一品質の部品及びその材料の供給が求められている。
これまで、国内向けの自動車材料については、各ポリプロピレンメーカー毎の超高性能触媒の使用や、各メーカー独自の特殊重合体法の採用により、要求される品質を満たすポリプロピレン樹脂を供給してきた。しかしながら、コストを重視する海外のポリプロピレンプラントにおいて、国内と同等の品質の材料を調達しようとする場合、大規模な設備改造、触媒転換、移行品処理などが必須となり、採算性の観点からは必ずしも有利とはいえない状況であった。
従って、各ポリプロピレンメーカーは、生産性が高く、コストの点で競争力のある海外の汎用ポリプロピレンをベース材として用いても、国内品と同等品質の自動車部品用材料を調製しうる技術が待望されていた。
また、従来より、自動車のセンターコンソール、カウルトップ、エアクリーナーケースなとには、ポリプロピレン樹脂にタルク等の無機充填剤を添加することにより強化した材料が用いられていたが、自動車の軽量化の進行に伴い、従来にも増して製品の薄肉軽量化に対応した、成形性の良好な高剛性かつ高耐衝撃性材料が求められている。
一般に、成形性を良好にするためにポリプロピレンの流動性を高めると、耐衝撃性が低下し、剛性の向上を目的として無機充填剤の添加量を増やすと、比重が大きくなり、本来の軽量化の目的を達成することができなくなる。従って、より良い成形性、剛性及び耐衝撃強度のバランスのとれた材料が待望されていた。
また、従来より、バンパー等に代表される自動車の外装部品には、ポリプロピレン樹脂にゴム成分を追添混合した、ゴム変性ポリプロピレン樹脂材料が用いられてきた。近年、自動車の軽量化の進行に伴い、従来にも増して製品の薄肉軽量化に対応した成形性の良好な高流動性で、高剛性かつ高衝撃性の材料が求められている。
一般的には、成形性を良好にするためにポリプロピレン樹脂の流動性を高めると衝撃強度が低下するため、より良い成形性、剛性、衝撃強度のバランスが取れた材料の開発が待望されていた。
なお、特開平5−320449号公報には、側鎖に重合性炭素−炭素二重結合を有する高分子重合体に、スチレン系単量体をグラフト共重合させたものであって、スチレン系単量体単位からなる連鎖の立体規則性が高度のシンジオタクチック構造を有するグラフト共重合体、熱可塑性樹脂及び無機充填剤からなる樹脂組成物が開示されており、熱可塑性樹脂としてポリプロピレンが例示されている。しかしながら、ポリプロピレンは単に例示されているに過ぎず、メルトフローレート等の限定はない。また、実施例で用いられている熱可塑性樹脂は、シンジオタクチックポリスチレンを主成分とし、エチレン−プロピレン共重合体を副成分とするものであって、特定のポリプロピレンを用いる本発明とは実質的に構成を異にする技術である。
発明の開示
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、高い剛性を発現しつつ耐衝撃強度が飛躍的に向上したポリオレフィン系樹脂組成物(I)を提供することを目的とするものである。また、本発明は、高性能触媒の使用や特殊な重合法を採用することなく、工業材料分野で求められる高い剛性と耐衝撃強度を達成することができるポリオレフィン系樹脂組成物(II)を提供することを目的とするものである。さらに、本発明は、高い剛性を発現しつつ耐衝撃強度が飛躍的に向上したポリオレフィン系樹脂組成物(III)及びポリオレフィン系樹脂組成物(IV)を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定構造のオレフィン系共重合体の特定量をポリプロピレン系樹脂に添加することにより、高い剛性を発現しつつ耐衝撃強度が飛躍的に向上したポリオレフィン系樹脂組成物(I)、高性能触媒の使用や特殊な重合法を採用することなく、工業材料分野で求められる高い剛性と耐衝撃強度を達成したポリオレフィン系樹脂組成物(II)、高い剛性を発現しつつ耐衝撃強度が飛躍的に向上したポリオレフィン系樹脂組成物(III)及びポリオレフィン系樹脂組成物(IV)が得られることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、(A)(a)メルトフローレート(MFR)が0.1〜200g/10分、(b)常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率[mmmm]が97.0%以上及び(c)常温(25℃)キシレン可溶成分量が4〜50質量%であるプロピレン(共)重合体99.9〜80質量%、
(B)アイソタクチック構造のプロピレン連鎖と、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、環状オレフィン及び芳香族ビニル単量体から選ばれる二種以上から構成される共重合連鎖が、グラフト結合及び/又はブロック結合されている共重合体0.1〜20質量%を含むことを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物(I)を提供するものである。
また、本発明は、(A)(a)メルトフローレート(MFR)が0.1〜200g/10分、(b)常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率[mmmm]が94.0%以上97.0%未満及び(c)常温(25℃)キシレン可溶成分量が4〜50質量%であるプロピレン(共)重合体99.9〜80質量%、
(B)アイソタクチック構造のプロピレン連鎖と、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、環状オレフィン及び芳香族ビニル単量体から選ばれる二種以上から構成される共重合連鎖が、グラフト結合及び/又はブロック結合されている共重合体0.1〜20質量%を含むことを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物(II)を提供するものである。
さらに、本発明は、(A)(a)メルトフローレート(MFR)が0.1〜200g/10分及び(b)常温(25℃)キシレン可溶成分量が4〜50質量%であるプロピレン(共)重合体99.9〜80質量%と、(B)アイソタクチック構造のプロピレン連鎖と、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、環状オレフィン及び芳香族ビニル単量体から選ばれる二種以上から構成される共重合連鎖が、グラフト結合及び/又はブロック結合されている共重合体0.1〜20質量%との混合物100質量部、及び
(C)無機充填剤3〜40質量部を含むポリオレフィン系樹脂組成物(III)を提供するものである。
さらにまた、本発明は、(A)(a)メルトフローレート(MFR)が0.1〜200g/10分、(b)常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率[mmmm]が94.0%以上であるプロピレン(共)重合体、(B)アイソタクチック構造のポリプロピレン連鎖と、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、環状オレフィン及び芳香族ビニル単量体から選ばれる二種以上から構成される共重合連鎖が、グラフト結合及び/又はブロック結合されている共重合体、(C)タルク、マイカ及びワラストナイトから選ばれる一種以上の無機充填剤及び(D)エチレン−炭素数3以上のα−オレフィン共重合体エラストマー、スチレン−ジエン共重合体を水素化したエラストマー及びジエン(共)重合体を水素化したエラストマーから選ばれる一種以上のゴム成分からなるポリオレフィン系樹脂組成物であって、(A)成分/(C)成分/(D)成分の質量比が95〜40/0〜30/5〜30である混合物100質量部に対し、(B)成分0.1〜20質量部からなり、優れた物性バランスを有することを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物(IV)を提供するものである。
発明を実施するための最良の形態
まず、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物(I)及び(II)について説明する。本発明のポリオレフィン系樹脂組成物(I)において、(A)成分のプロピレン(共)重合体は、(a)メルトフローレート(MFR)が0.1〜200g/10分、(b)常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率[mmmm]が97.0%以上及び(c)常温(25℃)キシレン可溶成分量が4〜50質量%を満たすものである。また、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物(II)において、(A)成分のプロピレン(共)重合体は、(a)メルトフローレート(MFR)が0.1〜200g/10分、(b)常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率[mmmm]が94.0%以上97.0%未満及び(c)常温(25℃)キシレン可溶成分量が4〜50質量%を満たすものである。
本発明のポリオレフィン系重合体(I)及び(II)で用いるプロピレン(共)重合体(A)は、その製造方法に特に制限はなく、それぞれ上記(a)〜(c)を満たすものであればよい。一般的には、特開昭58−138715号公報、特開昭61−209207号公報、特開昭62−104810号公報、特開昭62−104811号公報、特開昭62−104812号公報、特開昭62−104813号公報、特開平1−311106号公報、特開平1−318011号公報、特開平2−84404号公報等に記載されている、周期律表第4〜6族の遷移金属化合物と、周期律表第1〜3族及び第11〜13族の金属の有機金属化合物を必須成分とした、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒用いて得られる。(a)メルトフローレートについては、主として重合時に用いる水素等の連鎖移動剤の量で調節し、(b)常温(25℃)のキシレン不溶成分のメソペンタッド分率については、主として上記チーグラー・ナッタ触媒の種類によって調節する。(c)常温(25℃)キシレン可溶成分量については、プロピレン単独重合の場合は、主として上記(b)と同様に触媒の種類により調節し、他のオレフィンとの共重合においては、主としてそのコモノマー量や共重合部量により調節することができる。
プロピレン(共)重合体(A)は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、中和剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤等の添加剤を加えることができる。
プロピレン(共)重合体(A)において、MFRが0.1g/10分未満であると、組成物の成形が著しく困難となり、200g/10分を超えると、機械物性が不十分となる。本発明の効果が最大限に発揮されるためには、MFRは10〜200g/10分が好ましく、10〜100g/10分がさらに好ましい。MFRは、JIS K7210に準拠し、230℃、荷重21.18Nで測定した値である。
ポリオレフィン系樹脂組成物(I)の(A)成分における常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率[mmmm]については、十分な剛性を発現するための値を必要とする。このためには、97.0%以上が必須であり、好ましくは97.2%以上である。
また、ポリオレフィン系樹脂組成物(II)の(A)成分における常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率[mmmm]についても、適度の剛性を発現するための値を必要とする。このためには、94.0%以上が必須である。一方、97.0%以上のメソペンタッド率を得ようとすると、高性能触媒の使用や、低立体規則性成分の除去等の工程が必要となり、触媒コスト、用役コスト、生産性等が不利となる。このメソペンタッド分率は、好ましくは、94.0〜96.5%である。
一方、(A)成分における常温(25℃)キシレン可溶成分量が4質量%未満であると耐衝撃強度が不足し、50質量%を超えると剛性が劣り、好ましくない。運搬資材分野及び自動車の内装材料分野では、この常温(25℃)キシレン可溶成分量は4〜25質量%が、剛性と耐衝撃強度とのバランス上、好適であり、耐衝撃強度が重視されるバンパー等の自動車外装分野では、10〜50質量%が好適である。
上記常温(25℃)キシレン可溶成分及び不溶成分は、以下のようにして取得する。
▲1▼試料を5±0.05g精秤して1000ミリリットルナス型フラスコに入れ、BHT(酸化防止剤)1.0gを添加した後、回転子及びパラキシレン700ミリリットルを投入する。
▲2▼ナス型フラスコに冷却器を取り付け、回転子を作動させながら、140±5℃のオイルバスでフラスコを120分間加熱して、試料をパラキシレンに溶解させる。
▲3▼1000ミリリットルビーカーにフラスコの内容物を注いだ後、ビーカー内の溶液をスターラーで攪拌しながら、室温(25℃)になるまで放冷(8時間以上)後、析出物を濾別する。
▲4▼3000ミリリットルビーカーにメタノール2000ミリリットルを入れ、この中に上記▲3▼で得た濾液を注ぎ、室温(25℃)にてスターラーで攪拌しながら、2時間以上放置する。
▲5▼析出物を濾別し、5時間以上風乾後、真空乾燥機にて100±5℃で240〜270分間乾燥して、25℃キシレン可溶成分を回収する。
▲6▼一方、上記▲3▼で得た析出物全量を、再度BHT1.0gと共にパラキシレン700ミリリットルに上記▲2▼の方法に準じて溶解した後、3000ミリリットルビーカーに収容されたメタノール2000ミリリットル中に素早く熱いまま移し、2時間以上スターラーで攪拌後、室温(25℃)にて8時間以上放置する。
▲7▼析出物を濾別し、上記▲5▼の方法に準じて乾燥させ、常温(25℃)キシレン不溶成分を回収する。
25℃キシレンに対する可溶成分の含有量(W)は、試料重量をAg、前記▲5▼で回収した可溶成分の重量をCgとすれば、
W(質量%)=100×C/A
で表され、またキシレン不溶成分の含有量は(100−W)質量%で表される。
本発明で用いられるメソペンタッド分率[mmmm]とは、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,6,925(1973)」で提案された方法に準拠し、13C−NMRスペクトルのメチル基のシグナルにより測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのメソ分率である。13C−NMRスペクトルの測定は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,,687(1975)」で提案されたピークの帰属に従い、下記の装置及び条件にて行う。
装置:日本電子(株)製JNM−EX400型13C−NMR装置
方法:プロトン完全デカップリング法
濃度:220mg/ミリリットル
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼンと重ベンゼンの90:
10(容量比)混合溶媒
温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算:10000回
(B)成分の共重合体は、アイソタクチック構造のプロピレン連鎖と、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、環状オレフィン及び芳香族ビニル単量体から選ばれる二種以上から構成される共重合連鎖が、グラフト結合及び/又はブロック結合されているものである。
炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、プロピレン,1−ブテン,3−メチル−1−ブテン,4−フェニル−1−ブテン,1−ペンテン,3−メチル−1−ペンテン,4−メチル−1−ペンテン,3,3−ジメチル−1−ペンテン,3,4−ジメチル−1−ペンテン,4,4−ジメチル−1−ペンテン,1−ヘキセン,4−メチル−1−ヘキセン,5−メチル−1−ヘキセン,6−フェニル−1−ヘキセン,1−オクテン,1−デセン,1−ドデセン,1−テトラデセン,1−ヘキサデセン,1−オクタデセン,1−エイコセン,ビニルシクロヘキサン,5−エチリデン−2−ノルボルネン等のα−オレフィン類;ヘキサフルオロプロペン,テトラフルオロエチレン,2−フルオロプロペン,フルオロエチレン,1,1−ジフルオロエチレン,3−フルオロプペン,トリフルオロエチレン,3,4−ジクロロ−1−ブテン等のハロゲン置換α−オレフィンが挙げられる。
環状オレフィンとしては、シクロペンテン等の単環式環状オレフィン;ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,5,6−トリメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、5−エチリデンノルボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,5−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−シクロヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、5−クロロノルボルネン、5,5−ジクロロノルボルネン、5−フルオロノルボルネン、5,5,6−トリフルオロ−6−トリアルオロメチルノルボルネン、5−クロロメチルノルボルネン、5−メトキシノルボルネン、5,6−ジカルボキシノルボルネンアンハイドレート、5−ジメチルアミノノルボルネン、5−シアノノルボルネン等の多環式環状オレフィンが挙げられる。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン,p−メチルスチレン,p−エチルスチレン,p−プロピルスチレン,p−イソプロピルスチレン,p−ブチルスチレン,p−tert−ブチルスチレン,p−フェニルスチレン,o−メチルスチレン,o−エチルスチレン,o−プロピルスチレン,o−イソプロピルスチレン,m−メチルスチレン,m−エチルスチレン,m−イソプロピルスチレン,m−ブチルスチレン,メシチルスチレン,2,4−ジメチルスチレン,2,5−ジメチルスチレン,3,5−ジメチルスチレン等のアルキルスチレン類;p−メトキシスチレン,o−メトキシスチレン,m−メトキシスチレン等のアルコキシスチレン類;p−クロロスチレン,m−クロロスチレン,o−クロロスチレン,p−ブロモスチレン,m−ブロモスチレン,o−ブロモスチレン,p−フルオロスチレン,m−フルオロスチレン,o−フルオロスチレン,o−メチル−p−フルオロスチレン等のハロゲン化スチレン;トリメチルシリルスチレン,ビニル安息香酸エステル等を挙げることができる。
(B)成分の共重合体としては、グラフト結合点がオレフィン系マクロモノマー及び/又はポリエンから形成される共重合体〔(B)−1〕、重合過程で生成したブロック結合点を有する共重合体〔(B)−2〕、及び共重合体〔(B)−1〕で規定されたグラフト結合点と共重合体〔(B)−2〕で規定されたブロック結合点とを有する共重合体〔(B)−3〕が挙げられる。ここで、オレフィン系マクロモノマーとは、主鎖末端にビニル基を有するポリマーであり、触媒を選択することにより、例えばエチレンやプロピレンを重合させることにより得られるものである。また、重合過程で生成したブロック結合点とは、モノマー種、立体規則性及び共重合組成のうちの少なくとも一種が異なる連鎖が、共有結合を形成した状態をいう。
ポリエンとしては、1分子中に重合可能な炭素−炭素二重結合を少なくとも2個有するものであればよい。ポリエンとしては、1,3−ブタジエン,1,4−ペンタジエン,1,5−ヘキサジエン,1,6−ヘプタジエン,1,7−オクタジエン,1,8−ノナジエン,1,9−デカジエン,1,10−ウンデカジエン,1,11−ドデカジエン,1,13−テトラデカジエン,1,15−ヘキサデカジエン,4,4,−ジメチル−1,9−デカジエン,4,4,−ジメチル−1,9−デカジエン,1,5,9−デカトリエン,5−アリル−1,9−デカジエン,1,19−エイコジエン等のα,ω型ポリエン類;p−ジビニルベンゼン,m−ジビニルベンゼン,o−ジビニルベンゼン,ジ−(p−ビニルフェニル)メタン,1,3−ビス(p−ビニルフェニル)プロパン,1,5−ビス(p−ビニルフェニル)ペンタン等のスチレン型ポリエン類;5−ビニル−2−ノルボルネン,5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン,ジシクロペンタジエン,ジメチルジシクロペンタジエン,ジエチルジシクロペンタジエン,
Figure 0004234005
Figure 0004234005
Figure 0004234005
等の環状ポリエン類;p−(2−プロペニル)スチレン,m−(2−プロペニル)スチレン,p−(3−ブテニル)スチレン,m−(3−ブテニル)スチレン,o−(3−ブテニル)スチレン,p−(4−ペンテニル)スチレン,m−(4−ペンテニル)スチレン,o−(4−ペンテニル)スチレン,p−(5−プロペニル)スチレン,p−(7−オクテニル)スチレン,p−(1−メチル−3−ブテニル)スチレン,p−(2−メチル−3−ブテニル)スチレン,o−(2−メチル−3−ブテニル)スチレン,p−(3−メチル−3−ブテニル)スチレン,p−(2−エチル−3−ブテニル)スチレン,p−(2−エチル−4−ペンテニル)スチレン,p−(3−ブテニル)−α−メチルスチレン,m−(3−ブテニル)−α−メチルスチレン,o−(3−ブテニル)−α−メチルスチレン,4−ビニル−4’−(3−ブテニル)ビフェニル,4−ビニル−3’−(3−ブテニル)ビフェニル,4−ビニル−4’−(4−ペンテニル)ビフェニル,4−ビニル−2’−(4−ペンテニル)ビフェニル,4−ビニル−4’−(2−メチル−3−ブテニル)ビフェニル等の、スチレン残基とα−オレフィン残基を同一分子内に有するスチレン/α−オレフィン型ポリエン類;1,4−シクロヘキサジエン,1,5−シクロオクタジエン,1,5−シクロドデカジエン,4−ビニルシクロヘキサン,1−アリル−4−イソプロピリデンシクロヘキサン,3−アリルシクロペンテン,4−アリルシクロヘキセン及び1−イソプロペニル−4−(4−ブテニル)シクロヘキサンなどを挙げることができる。
本発明においては、この中で、炭素−炭素二重結合の反応性が高く、組成物製造時に熱安定性を低下させる原因となり易い残存不飽和基を低減することができる点から、α,ω型ポリエン類、スチレン型ポリエン類、環状ポリエン類及びスチレン/α−オレフィン型ポリエン類が好ましい。
上記共重合体(B)について、下記の[1]〜[4]において説明する。
[1](B)−1グラフト結合からなる共重合体
(1)共重合体の構造
マクロモノマーを経由する重合反応で形成されたグラフト共重合体、ポリエンに基づくグラフト構造が形成されたグラフト共重合体、あるいはマクロモノマーとポリエンの両者からグラフト構造が形成されたグラフト共重合体である。
(2)グラフト構造のパラメータ
▲1▼分岐長と分岐数
分岐長は、炭素数10〜主鎖長と同程度であることが好ましく、分岐数は、0.001〜5個/炭素1000個が好ましい。
分岐長を前記の範囲で調整する手段としては、グラフト共重合体製造時に使用するマクロモノマーやポリエンの量、種類及びグラフト共重合条件の調整が挙げられる。
分岐数は、マクロモノマーやポリエンの量を調整することにより、前記の範囲で調整することができる。
▲2▼非ニュートン性パラメータによる規定
微量なポリエン単位の含有量を測定する有効な方法として、動的粘弾性の角速度依存性から評価する方法を用いる。これは、ポリエン単位に基因する分岐を微量でも有するポリオレフィンは溶融粘度のせん断速度依存性が分岐を含まないポリオレフィンと比較して異なることを利用して測定するものである。
すなわち、ポリエン単位に基因する分岐が存在すると、溶融粘度のせん断速度依存性は分岐の存在しない系と比較して大きい。従って、ポリエンを使用せずにその他の製造条件は同一にして製造した重合体とグラフト共重合体とを比較することで、分岐を形成したポリエン単位を検出することができる。
また、この方法は分子量分布の影響を受けることが知られているが、この場合は、明らかに分岐を含まず単量体単位種が同一で、かつその構成比率がほぼ同一のポリオレフィンを用い、分子量分布に対する溶融粘度のせん断速度依存性を比較することで分岐を形成したポリエン単位を検出することができる。
この一例として挙げられる具体的な測定方法を記載する。
装置:溶融粘度測定装置 RMS800(レオメトリックス社製)
測定条件
温度:グラフト共重合体の融点またはガラス転移温度以上、
通常グラフト共重合体の最高融点より10〜60℃高い温度、
通常グラフト共重合体の最高ガラス転移温度より10〜200℃高い温

歪み:15%
角速度:0.01〜100rad/s
試料形状:コーンプレート
データ処理:
貯蔵弾性率が10パスカルとなる角速度をω
貯蔵弾性率が10パスカルとなる角速度をω
とし ω/10ωの値を算出する
<ポリエン単位の検出>
ケース1
比較試料がグラフト共重合体の製造時ポリエンを使用せずに製造したポリオレフィンの場合で、ポリエンを使用して製造したグラフト共重合体に対する分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]の比が0.8〜1.8倍の範囲にある場合
グラフト共重合体のω/10ωの値をN
比較試料ポリオレフィンのω/10ωの値をNとしたとき
下記の式(a)を満たす場合、ポリエン単位が存在する。
ケース2
比較試料が明らかに分岐を含まず、単量体単位種が同一でその構成比率がほぼ同一のポリオレフィンの場合
ここで単量体の構成比率がほぼ同一とは次の様な場合を示している。
(イ)グラフト共重合体のポリエン単位由来のシーケンス以外は同一のシーケンスをすべて含むポリオレフィンであって、グラフト構造以外のポリマー構造を有しており、その単量体組成がほぼグラフト共重合体と同じであるポリオレフィン、
(ロ)又はグラフト共重合体のポリエン単位由来のシーケンス以外は同一のシーケンスをすべて含むポリオレフィンがグラフト構造以外の混合物からなっており、その単量体組成がほぼグラフト共重合体と同じであるポリオレフィン混合物、
のいずれかである。
この比較試料のGPCから求めた分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]に対するN(比較試料のω/10ωの値)をプロットしこの関係から単調増加の関数 N=f(Mw/Mn)を最小2乗法により決定する。
この関係にグラフト共重合体の分子量分布(Mw/Mn)の値から得られるNが以下の式(a)を満たすとき、ポリエン単位を確認できる。
Figure 0004234005
/Nが1.05未満ではグラフト共重合体の相溶化能力が低く、組成物の物性を充分に発現させることに支障をきたすおそれがあり、一方80を超えると架橋構造を含むグラフト共重合体が副生し、ゲルが発生し、物性、組成物製造時の混合性に支障をきたす原因となる。
▲3▼分岐パラメータ(α)
分岐パラメータ(α)は、試料のGPC/MALLS(多角度光散乱)測定を行い、各溶出位置において、散乱光強度の傾きより<R1/2(半径の2乗平均の平方根)を求め、散乱光強度の切片より重量平均分子量Mを求め、<R1/2とMの対数をプロットし、最小2乗法によりその傾きα計算することにより求める。
このようにして、直鎖状重合体とグラフト共重合体のα値を求め、直鎖状重合体のα値を(α)、グラフト共重合体のα値を(α)としたときに、
[(α)/(α)]≧1.02
を満たすことが好ましい。より好ましくは、
[(α)/(α)]≧1.04
である。試料のGPC/MALLS測定は、例えば以下の条件で行う。
溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン
濃度 :0.3%(w/v)
溶解温度 :135℃
測定装置 :Waters社製 150−C(GPC)
Wyatt Technology社製 DAWN
EOSTM(多角度光散乱)
カラム :昭和電工(株)
ShodexUT806MLT
(7.8mmφ×50cm)
注入量 :300マイクロリットル
流速 :1.0ミリリットル/min
屈折率の濃度増分(dn/dc):−0.095
(3)ポリエンを含有する場合の規定
グラフト共重合体(B)−1において、140℃でのキシレン不溶部の量は0〜1.5質量%の範囲にあることが好ましい。このキシレン不溶部の量が1.5質量%を超えると樹脂組成物製造の際に、グラフト共重合体の溶融分散、溶液分散混合が不十分で設計した通りの組成物物性を引出すことに支障をきたす上、成形体の外観を悪化させ、応力集中による破壊強度の低下をもたらす原因となるおそれがある。したがって、該キシレン不溶部の量は、好ましくは0〜1.3質量%、より好ましくは0〜1.2質量%、さらに好ましくは0〜1.0質量%、特に好ましくは0〜0.5質量%、最も好ましくは0〜0.3質量%の範囲である。
なお、上記キシレン不溶部の量は、以下の方法に従って測定した値である。すなわち、グラフト共重合体2.0gを150メッシュのステンレス鋼製の容器に入れ、140℃、1リットルのパラキシレンに浸漬し、5時間攪拌しながら溶解する。溶解後、容器を引き上げ、容器ごと100℃で恒量になるまで減圧乾燥を実施する。容器内に残ったグラフト共重合体の重量を仕込みのグラフト共重合体重量で割り、その百分率をもってキシレン不溶部の量とする。
また、グラフト共重合体(B)−1において、ポリエン単位の含有量は、通常0〜0.45モル%の範囲にあることが好ましい。より好ましくは0〜0.40モル%、さらに好ましくは0〜0.35モル%、さらにより好ましくは0〜0.30モル%、特に好ましくは0〜0.25モル%、最も好ましくは0〜0.20モル%の範囲である。このポリエン単位の含有量が0.45モル%を超えると前記キシレン不溶部が1.5質量%を超えた場合と同様の問題点が生じるおそれがある。なお、ポリエン単位の含有量は、上述した方法により測定することができる。
さらに、グラフト共重合体(B)−1において、は、その中のポリエン単位に由来する炭素−炭素二重結合の残存量は、0〜0.15モル%の範囲にあることが必要である。なお、ここで定義する残存不飽和基はポリエン由来のものであり、製造過程で新たに生じた重合体末端の炭素炭素二重結合を含まない。上記残存量が0.15モル%を超えると得られる組成物の耐候性、熱安定性が低下する傾向を示す。この残存量は、好ましくは0〜0.13モル%、より好ましくは0〜0.11モル%、さらに好ましくは0〜0.09モル%、特に好ましくは0〜0.07モル%、最も好ましくは0〜0.05モル%の範囲である。
なお、ポリエン単位に由来する炭素−炭素二重結合の残存量は、赤外線吸収スペクトル、紫外線吸収スペクトル法による定法に従って測定する。
(4)好ましい共重合体(B)−1
▲1▼プロピレン部
プロピレン部は、プロピレン単独重合連鎖、あるいはプロピレンと、エチレン、炭素数4〜20のα−オレフィンから選ばれる一種以上のモノマーからなるプロピレン共重合連鎖であり、(A)成分のプロピレン(共)重合体のプロピレン部と同一のモノマー種であり、そのモノマー組成が類似していることが好ましい。すなわち、プロピレン共重合体(A)のコモノマー総和/プロピレン組成比(モル/モル)をa、共重合体(B)−1のプロピレン部のコモノマー総和/プロピレン組成比(モル/モル)をbとしたときに、a/bが0.3〜2.5の範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.5〜2.0である。
また、プロピレン部の立体規則性は、メソペンタッド分率[mmmm]で、40〜99.9%であることが好ましく、プロピレン共重合体(A)の立体規則性と類似していることが好ましい。したがって、プロピレン部のメソペンタッド分率は、より好ましくは60〜99.9%、更に好ましくは65〜99.9%、特に好ましくは70〜99.9%、最も好ましくは75〜99.9%である。メソペンタッド分率が40%未満であると、組成物としての物性、特に耐衝撃強度の向上効果が低下するおそれがある。なお、メソペンタッド分率の測定方法は、前記(A)成分の場合と同様である。
▲2▼共重合部
共重合部は、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、環状オレフィン及び芳香族ビニル単量体から選ばれる二種以上から構成される。本発明においては、プロピレンと、エチレン及び炭素数4〜20のα−オレフィンから選ばれる一種以上のモノマーからなるプロピレン共重合連鎖が好ましく、更に好ましくはプロピレン(共)重合体(A)の常温(25℃)キシレン可溶成分と同一のモノマー種であり、最も好ましくはプロピレンとエチレンとの共重合連鎖である。
共重合組成の好ましい範囲は、プロピレン(共)重合体(A)の常温(25℃)キシレン可溶成分のコモノマー総和/プロピレン組成比(モル/モル)をa、共重合部のコモノマー総和/プロピレン組成比(モル/モル)をcとしたときに、a/cが0.3〜2.5の範囲であり、より好ましくは0.5〜2.0である。共重合体(B)−1中に占めるポリプロピレン部の割合は1〜99質量%が好ましく、より好ましくは40〜98質量%である。
▲3▼共重合体(B)−1の分子量
分子量の指標である135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が、0.05〜10デシリットル/gの範囲にあるのが好ましく、より好ましくは0.05〜8デシリットル/g、さらに好ましくは0.06〜7デシリットル/g、最も好ましくは0.1〜6デシリットル/gである。この極限粘度が0.05デシリットル/g未満では、組成物としての物性、特に耐衝撃強度の向上効果が小さく、10デシリットル/gを超えると、組成物の製造の際に共重合体(B)−1の溶融分散性が低下する。
[2](B)−2ブロック結合からなる共重合体
(1)共重合体の構造
ブロック重合法によって製造された化学結合点を有する真のブロック共重合体を指す。真のブロック共重合体は、一例を挙げれば、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒を用い、触媒が重合可能な活性状態にある間に、プロピレンの重合を行い、引き続きプロピレンと、エチレン、炭素数4〜20のα−オレフィン、環状オレフィン及び芳香族ビニル単量体から選ばれる一種以上を共重合することによって製造することができる。
(2)ブロック構造の規定
▲1▼分光学的方法によりブロック結合点が確認できる共重合体
化学結合点そのものを検出する方法、例えば通常の核磁気共鳴スペクトル法により検出される。ブロック結合点には、通常2級炭素が存在するため、これらの特有な結合を検出することができる。
▲2▼ポリマー連鎖の溶解性の差に基づいてブロック構造が確認できる共重合体
ポリマー連鎖の溶解性の差を利用して検出する。どちらか一方のポリマー連鎖に対する溶解性が高い溶媒、または複数種の溶媒を混合し、溶解性を制御した混合溶媒を用いて溶解操作を行い、溶媒不溶成分に可溶成分が存在すること、または可溶成分中に溶媒不溶成分が存在することを確認する。または、これらの分別物に上記▲1▼の方法を適用することにより、ブロック結合点を検出する。
(3)好ましい共重合体(B)−2
▲1▼プロピレン部については、上記共重合体(B)−1と同様である。
▲2▼共重合部については、上記共重合体(B)−1と同様であるが、プロピレン部が共重合連鎖である場合は、共重合部は、プロピレン部と同種のモノマーを含有する。
▲3▼共重合体の分子量については、上記共重合体(B)−1と同様である。
[3](B)−3グラフト・ブロック結合からなる共重合体
(1)共重合体の構造
マクロモノマーを経由する重合反応で形成されたグラフト共重合点と、真のブロック結合によるブロック結合点を有するグラフト・ブロック共重合体、ポリエンに基づくグラフト共重合点と、真のブロック結合によるブロック結合点を有するグラフト・ブロック共重合体、あるいはマクロモノマーとポリエンの両者から誘導されるグラフト共重合点と、真のブロック結合、によるブロック結合点を有するグラフト・ブロック共重合体である。
(2)グラフト・ブロック構造のパラメータ
共重合体(B)−1と同様であり、好ましい範囲も同様である。
[4]好ましい共重合体(B)
(1)固体H−NMR測定による規定
グラフト共重合体、ブロック共重合体、あるいはグラフト・ブロック共重合体の固体H−NMR測定により求めた長時間緩和成分の緩和速度(1/R)と、グラフト共重合体、ブロック共重合体、あるいはグラフト・ブロック共重合体を構成するポリマー連鎖の物理的混合物からなる組成物の固体H−NMR測定により求めた長時間緩和成分の緩和速度(1/Rとの比[(1/R)/(1/R]が1.05以上であることが好ましい。該比が1.05未満では樹脂相溶性が悪く、所望の物性を有する組成物が得られないおそれがある。[(1/R)/(1/R]は、好ましくは1.06以上、より好ましくは1.07以上である。
なお、上記(1/R)及び(1/Rは、下記の固体H−NMR測定装置を用い、反転回復法(180°−τ−90°パルス法)により求める。
装置 :ブルカー社製CPX−90
測定核 :水素核(H)
測定周波数 :90MHz
測定温度 :通常その温度範囲は0〜150℃、望ましくは両方の
長時間緩和成分の緩和速度の差が最も大きくなる温度
で測定する。
90°パルス幅 :2.4〜2.5マイクロ秒
(2)好ましい共重合体
共重合体(B)としては、上記パラメータを満足するものであれば特に制限はないが、本発明においては、共重合体(B)−1及び共重合体(B)−3が特に好ましい。共重合体(B)−1及び共重合体(B)−3は、共重合体(B)−2と比較して、相溶化を高めるための分子構造として、分岐数、分岐種の制御範囲及び選択範囲が広いためである。
共重合体(B)にもプロピレン(共)重合体(A)と同様に、中和剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤等の添加剤を加えることができる。本発明において、プロピレン(共)重合体(A)と共重合体(B)の使用割合は、プロピレン(共)重合体(A)99.9〜80質量%に対して共重合体(B)が0.1〜20質量%であるが、プロピレン(共)重合体(A)は好ましくは99.8〜81質量%、より好ましくは99.7〜82質量%であり、共重合体(B)は好ましくは0.2〜19質量%、より好ましくは0.3〜18質量%である。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物(I)及び(II)の調製方法には特に制限はなく、プロピレン(共)重合体(A)及び共重合体(B)を別々にペレット化したものを混合し、成形機に供給してもよいし、プロピレン(共)重合体(A)と共重合体(B)を溶融混合した後にペレット化してもよいが、本発明の効果が最大限に発揮される点から、予めプロピレン(共)重合体(A)と共重合体(B)を溶融混合しておくことが好ましい。溶融混合は、二軸以上の多軸押出機により行なうことが好ましく、この押出機の回転方向は、同方向でも異方向でもよい。また、この溶融混合時に酸化防止剤等の添加剤を追加することもできる。
溶融混合時の各成分の供給法についても特に制限はなく、各成分を予めヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、タンブラーブレンダー、リボンブレンダーなどで混合した後、これを押出機に供給してもよく、あるいは直接フィーダーで供給してもよい。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物(III)の(A)成分のプロピレン(共)重合体は、(a)メルトフローレート(MFR)が0.1〜200g/10分及び(b)常温(25℃)キシレン可溶成分量が4〜50質量%を満たすものである。
本発明のポリオレフィン系重合体(III)で用いるプロピレン(共)重合体(A)は、その製造方法に特に制限はなく、上記(a)及び(b)を満たすものであればよいが、コストと性能のバランスの点から、プロピレン単独、あるいはプロピレンと少量の他のオレフィンとを前段重合後、後段でさらにプロピレンと他のオレフィンとの共重合を行なうことにより得られる、いわゆるプロピレンブロック共重合体が好ましい。一般的には、特開昭58−138715号公報、特開昭61−209207号工法、特開昭62−104810号公報、特開昭62−104811号公報、特開昭62−104812号公報、特開昭62−104813号公報、特開平1−311106号公報、特開平1−318011号公報、特開平2−84404号公報等に記載されている、周期律表第4〜6族の遷移金属化合物と、周期律表第1〜3族及び第11〜13族の金属の有機金属化合物を必須成分とした、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒用いて得られる。(a)メルトフローレートについては、主として重合時に用いる水素等の連鎖移動剤の量で調節し、(b)常温(25℃)キシレン可溶成分量については、プロピレン単独重合の場合は、主として上記チーグラー・ナッタ触媒の種類により調節し、他のオレフィンとの共重合においては、主としてそのコモノマー量や共重合部量により調節することができる。
ポリオレフィン系樹脂組成物(III)において、プロピレン(共)重合体(A)は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
プロピレン(共)重合体(A)において、MFRが0.1g/10分未満であると、組成物の成形が著しく困難となり、200g/10分を超えると、機械物性が不十分となる。本発明の効果が最大限に発揮されるためには、MFRは10〜200g/10分が好ましく、10〜100g/10分がさらに好ましい。MFRは、JIS K7210に準拠し、230℃、荷重21.18Nで測定した値である。
(A)成分における常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率[mmmm]については、特に制限はないが、より高度な物性バランスを得るためには94.0%以上が好ましく、更に高度な物性バランスを得ようとするなら97.0%以上が好ましい。
一方、(A)成分における常温(25℃)キシレン可溶成分量が4質量%未満であると耐衝撃強度が不足し、50質量%を超えると剛性が劣り、好ましくない。運搬資材分野、自動車の内装材料分野及び家電製品分野では、この常温(25℃)キシレン可溶成分量は4〜25質量%が、剛性と耐衝撃強度とのバランス上、好適であり、耐衝撃強度が重視されるバンパー等の自動車外装分野では、10〜50質量%が好適である。
ポリオレフィン系樹脂組成物(III)において、常温(25℃)キシレン可溶成分及び不溶成分の取得法、メソペンタッド分率の測定法、(B)成分については、上述したポリオレフィン系樹脂組成物(I)及び(II)と同様であるので、説明を省略する。
プロピレン(共)重合体(A)と共重合体(B)の使用割合は、プロピレン(共)重合体(A)99.9〜80質量%に対して共重合体(B)が0.1〜20質量%であるが、プロピレン(共)重合体(A)は好ましくは99.8〜81質量%、より好ましくは99.7〜82質量%であり、共重合体(B)は好ましくは0.2〜19質量%、より好ましくは0.3〜18質量%である。
ポリオレフィン系樹脂組成物(III)で用いられる(C)無機充填剤としては、繊維状無機充填材としてはガラス繊維,炭素繊維,アルミナ繊維等の繊維状無機充填剤、タルク,カーボンブラック,グラファイト,二酸化チタン,シリカ,マイカ,ワラストナイト,炭酸カルシウム,硫酸カルシウム,炭酸バリウム,炭酸マグネシウム,硫酸マグネシウム,硫酸バリウム,オキシサルフェート,酸化スズ,アルミナ,カオリン,炭化ケイ素,金属粉末等の粒状,粉状無機充填剤が挙げられる。本発明においては、タルク,マイカ,ワラストナイトが好ましく、特にタルクが好ましい。無機充填剤は、その平均粒径が10μm以下、アスペクト比が2以上のものが、剛性及び耐衝撃性の点から好適である。無機充填剤の添加量は、共重合体(B)とプロピレン(共)重合体(A)との合計量100質量部に対して3〜40質量部であるが、5〜30質量部が好ましい。無機充填剤の添加量が3質量部未満であると、剛性などの性能が不足し、40質量部を超えると、比重が大きくなりすぎるため、本来の軽量化の目的を達成することができなくなる。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物(III)の調製方法には特に制限はなく、プロピレン(共)重合体(A)及び共重合体(B)を別々にペレット化したものを混合し、無機充填剤(C)と共に成形機に供給してもよいし、プロピレン(共)重合体(A)と共重合体(B)を溶融混合した後にペレット化してもよいが、本発明の効果が最大限に発揮される点から、予めプロピレン(共)重合体(A)と共重合体(B)と無機充填剤(C)とを溶融混合しておくことが好ましい。溶融混合は、二軸以上の多軸押出機により行なうことが好ましく、この押出機の回転方向は、同方向でも異方向でもよい。また、この溶融混合時に酸化防止剤等の添加剤を追加することもできる。
溶融混合時の各成分の供給法についても特に制限はなく、各成分を予めヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、タンブラーブレンダー、リボンブレンダーなどで混合した後、これを押出機に供給してもよく、あるいは直接フィーダーで供給してもよい。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物(III)には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望に応じて、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、滑剤、造核剤、着色剤、難燃剤などの添加剤を加えることができる。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物(IV)の(A)成分のプロピレン(共)重合体は、(a)メルトフローレート(MFR)が0.1〜200g/10分、(b)常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率[mmmm]が94.0%以上を満たすものである。
本発明のポリオレフィン系重合体(IV)で用いるプロピレン(共)重合体(A)は、その製造方法に特に制限はなく、上記(a)及び(b)を満たすものであればよい。一般的には、特開昭58−138715号公報、特開昭61−209207号公報、特開昭62−104811号公報、特開昭62−104812号公報、特開昭62−104813号公報、特開平1−311106号公報、特開平1−318011号公報及び特開平2−84404号公報等に記載されている、周期律表第4〜6族の遷移金属化合物と、周期律表第1〜3及び11〜13族の金属の有機金属化合物を必須成分とした、いわゆるチグラー・ナッタ触媒を用いて得られる。(a)メルトフローレートについては主として、重合時に用いる水素等の連鎖移動剤の量で調節し、(b)常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率については主として、上記チーグラーナッタ触媒の種類によって調節する。(c)常温(25℃)キシレン可溶成分量については、プロピレン単独重合の場合には主として(b)同様、触媒の種類により調節し、他のオレフィンとの共重合においては主としてそのコモノマー量や共重合部量により調節することができる。
ポリオレフィン系樹脂組成物(IV)においては、プロピレン(共)重合体(A)は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、中和剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤等の添加剤を加えることができる。
プロピレン(共)重合体(A)において、MFRが0.1g/10分未満であると、組成物の成形が著しく困難となり、200g/10分を超えると、機械物性が不十分となる。
本発明の効果が最大限に発揮されるためには、MFRは10〜200g/10分が好ましく、10〜100g/10分がさらに好ましい。MFRは、JIS K7210に準拠し、230℃、荷重21.18Nで測定した値である。
(A)成分における常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率[mmmm]については、十分な剛性を発現するための値を必要とする。メソペンタッド分率が94.0%未満であると、最終的に得られたポリオレフィン系樹脂組成物の剛性が著しく低下するため、94.0%以上が必須であり、好ましくは97.0%以上である。
ポリオレフィン系樹脂組成物(IV)において、常温(25℃)キシレン可溶成分及び不溶成分の取得法、メソペンタッド分率の測定法、(B)成分については、上述したポリオレフィン系樹脂組成物(I)及び(II)と同様であるので、説明を省略する。
ポリオレフィン系樹脂組成物(IV)で用いる無機充填剤[(C)成分]は、タルク、マイカ、ワラストナイトなどを用いることができるが、特にタルクが好ましい。タルクは平均粒径が10マイクロメーター以下、アスペクト比が2以上のものが、ポリオレフィン系樹脂組成物(IV)の剛性、衝撃強度等の観点から好ましい。
無機充填剤の添加量は、(A)成分、無機充填剤及び(D)成分の合計量100質量部に対し、0〜30質量部である。30質量部を越えると、ポリオレフィン系樹脂組成物の比重が大きくなり、軽量化の目的を達成できなくなる。
ポリオレフィン系樹脂組成物(IV)で用いるゴム成分[(D)成分]としては、エチレン−プロピレン共重合体エラストマー、エチレン−ブテン共重合体エラストマー、エチレン−オクテン共重合体エラストマー等のエチレン−炭素数3以上のα−オレフィン共重合体エラストマー、スチレン−ブタジエン共重合体を水素化したエラストマー、スチレン−イソプレン共重合体を水素化したエラストマー等のスチレン−ジエン共重合体を水素化したエラストマー、1,2−ブタジエン/1,4−ブタジエン共重合体を水素化したエラストマー、ブタジエン/イソプレン共重合体を水素化したエラストマー等のジエン(共)重合体を水素化したエラストマー等が挙げられる。
これらゴム成分は一種のみでも、2種類以上組合せて用いることもできる。また、これらの中で、性能上、特にスチレンを1〜20質量%程度の割合で含有するエラストマーが好ましい。
ゴム成分の添加量は、(A)成分、無機充填剤及びゴム成分の合計量100質量部に対し、5〜30質量部であり、好ましくは15〜25質量部である。5質量部未満では、ポリオレフィン系樹脂組成物の衝撃強度が不足し、実用的でなく、30質量部を超えると、ポリオレフィン系樹脂組成物の剛性が低下し、薄肉軽量化を果たせない。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物(IV)の調製方法には特に制限はなく、プロピレン(共)重合体(A)、共重合体(B)、無機充填剤(C)及びゴム成分(D)をミキサーやブレンダーでドライブレンドした後に成形機に供給してもよいし、予め溶融混合した後ペレット化し、成形機に供給してもよいが、本発明の効果が最大限に発揮される点から、予めプロピレン(共)重合体(A)、共重合体(B)、無機充填剤(C)及びゴム成分(D)を十分に溶融混合しておくことが好ましい。
溶融混合は、二軸以上の多軸押出機により行なうことが好ましく、この押出機の回転方向は、同方向でも異方向でもよい。溶融混合時の各成分の供給法についても特に制限はなく、各成分を予めヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、タンブラーブレンダー、リボンブレンダーなどで混合した後、これを押出機に供給してもよく、あるいは直接フィーダーで供給してもよい。
また、ポリオレフィン系樹脂組成物(IV)には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望に応じ、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、滑剤、造核剤、着色剤及び難燃剤等の添加剤や、ガラス繊維、炭酸カルシウム等のタルク以外の強化材及び充填材も添加することができる。
次に、本発明を実施例及び比較例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
[1]触媒成分の調製
(1)アルミニウムオキシ化合物の調製
メチルアルミノキサンのトルエン溶液1000ミリリットル(1.47モル/リットル,アルベマール社製,トリメチルアルミニウム14.5質量%含有)を減圧下(約20mmHg)、60℃でトルエン(溶媒)及び遊離メチルアルミニウムを留去した。これに脱水トルエンを投入し、再溶解させて、溶媒を留去する前の容量に戻し、H−NMRによりメチルアルミノキサン中のトリメチルアルミニウムを定量したところ、3.6質量%であった。また、蛍光X線(ICP)法により全アルミニウム量を測定したところ、1.32モル/リットルであった。その後、この溶液を48時間静置し、不溶成分を沈降させ、溶液部分をG5ガラスフィルターで濾過し、トルエン可溶のメチルアルミノキサンを得た。このメチルアルミノキサンのIPC法により測定した濃度は1.06モル/リットルであった。
(2)担体の調製と担持メチルアルミノキサンの調製
SiO(富士シリシア(株)製,P−10)70gを140℃で15時間、微量窒素気流下で乾燥した。乾燥SiOを22.0g秤量し、脱水トルエン200ミリリットルに投入した。窒素雰囲気下、攪拌しながら0℃に温度を一定とした後、上記(1)で調製したメチルアルミノキサンのトルエン溶液200ミリリットルを60分間かけて滴下した。滴下終了後、室温まで温度を上げこの状態で30分間反応させ、更に70℃で3時間反応させた。反応終了後、60℃に保持し、固体成分を脱水トルエン200ミリリットルで2回、脱水ヘプタン200ミリリットルで2回洗浄し、50℃で減圧乾燥して32.8gのSiO担持メチルアルミノキサンを得た。再度、脱水ヘプタンを投入して、スラリー状で保存した。
(3)メタロセン担持触媒の調製
100ミリリットルのシュレンク管を乾燥させ、窒素置換した後、乾燥ヘプタン50ミリリットル、上記(2)のSiO担持メチルアルミノキサンをアルミニウム原子換算で10ミリモル加え、攪拌を開始した。これに、ラセミジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロリド[rac−SiMe(2−Me−4−Ph−Ind)ZrCl]をジルコニウム原子換算で10マイクロモル含むトルエン溶液1ミリリットルをゆっくり添加し、10分間反応させた。
[2]グラフト重合体〔共重合体(B)〕の製造
容量5リットルのステンレス鋼製耐圧オートクレーブに脱水ヘプタン2リットル、トリイソブチルアルミニウム2.5ミリモルを投入し、10分間室温で攪拌した。これに上記(3)で調製した担持触媒を全量投入した。
触媒の活性化のため25℃、プロピレン圧0.3MPa(ゲージ圧)で30分間予備重合を実施した後、脱圧、窒素ブローにより未反応のプロピレンを除去し、1,9−デカジエンを2.5ミリモル含むヘプタン溶液4.0ミリリットルを添加した。水素を0.02MPa(ゲージ圧)導入し、温度を60℃に設定した後、プロピレンを分圧で0.7MPa(ゲージ圧)導入し重合を開始した。温度を制御しながら30分間かけてプロピレン共重合体を製造した。
反応終了後、室温まで冷却し脱圧し、攪拌を停止し、液相部を抜き出した。更にトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(1.25モル/リットル)で、固体生成物をデカンテーション法により3回洗浄し、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(1.25モル/リットル)を加えて容量を2リットルとした。
次に、反応温度を35℃に制御しながらプロピレンを9ノルマルリットル/分、エチレンを1.5ノルマルリットル/分で供給し、全圧を0.7MPa(ゲージ圧)としてグラフト重合を30分間実施した。重合終了後、脱圧しグラフト重合体を、濾過、乾燥により回収したところ712gであった。このグラフト重合体のプロピレン連鎖のメソペンタッド分率は95.0%、極限粘度[η]は2.15デシリットル/gであった。第一段のプロピレン重合体の生成率は78質量%であった。
[3]グラフト重合体の分岐の評価
(1)比較試料(直鎖状重合体)の作製
上記[2]において、1,9−デカジエンを用いない以外は上記[2]と同様にして、比較試料を作製した。
(2)分岐の測定方法
明細書本文中の、▲3▼分岐パラメータ(α)の項に記載の方法及び条件を採用した。
(3)分岐の評価
比較試料を用い、上記(2)の方法で測定し、算出したα値を(α)とし、グラフト重合体について測定、算出したα値を(α)としたとき、その比[(α)/(α)]は1.09であった。この比が1を超えていることから、グラフト重合体であることを確認した。
[4]プロピレン−エチレンブロック共重合体〔プロピレン(共)重合体(A)〕の製造
特開平2−84404号公報の実施例1に記載の固体チタン触媒成分(予備重合品)、有機アルミニウム化合物(トリエチルアルミニウム)及びケイ素化合物(ジシクロペンチルジメトキシシラン)を触媒成分とし、連鎖移動剤として水素を用い、ヘプタン媒体中で回分式重合にてプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造した。
得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体のMFRは10.5g/10分、常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率は97.4%、常温(25℃)可溶成分は12質量%であった。
[5]ポリオレフィン系樹脂組成物の製造
上記[4]で得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体9.5kg、上記[2]で得られたグラフト重合体0.5kg、フェノール系酸化防止剤イルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)15g及び酸化防止剤P−EPQ(旭電化工業社製)7.5gを予め十分に混合しておき、スクリュー径32mmの二軸押出機TEX−30(日本製鋼所製)により、シリンダー設定温度200℃、回転数300回転/分、押出量10kg/30分の条件で混練し、ポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを製造した。得られた組成物の物性を下記の方法により測定した。結果を表1に示す。
(1)曲げ弾性率
JIS K7202に準拠して、射出成形試験片を作製し、曲げ弾性率を測定した。
(2)耐衝撃強度
JIS K7110に準拠して、射出成形試験片を作製し、23℃及び−20℃でのノッチ付きアイゾット衝撃強度を測定した。
(3)引張り伸び
JIS K7113に準拠して、射出成形試験片を作製し、引張り伸びを測定した。
実施例2
[1]プロピレン−エチレンブロック共重合体〔プロピレン(共)重合体(A)〕の製造
実施例1[4]に記載の方法と同様の方法でプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造した。その際、連鎖移動剤として用いる水素の添加量を調整して下記性状の共重合体を得た。
得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体のMFRは19.9g/10分、常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率は98.1%、常温(25℃)可溶成分は10.1質量%であった。
[2]ポリオレフィン系樹脂組成物の製造
実施例1において、共重合体(A)として上記[1]で得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体9.5kgを用いた以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを製造した。実施例1と同様にして測定した物性値を表1に示す。
実施例3
[1]プロピレン−エチレンブロック共重合体〔プロピレン(共)重合体(A)〕の製造
実施例1[4]に記載の方法と同様の方法でプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造した。その際、共重合部量を調整して下記性状の共重合体を得た。
得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体のMFRは11.6g/10分、常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率は97.2%、常温(25℃)可溶成分は16.6質量%であった。
[2]ポリオレフィン系樹脂組成物の製造
実施例1において、共重合体(A)として上記[1]で得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体9.5kgを用いた以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを製造した。実施例1と同様にして測定した物性値を表1に示す。
実施例4
[1]プロピレン−エチレンブロック共重合体〔プロピレン(共)重合体(A)〕の製造
実施例1[4]に記載の方法と同様の方法でプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造した。その際、水素の添加量及び共重合部量を調整して下記性状の共重合体を得た。
得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体のMFRは110.0g/10分、常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率は97.5%、常温(25℃)可溶成分は6.4質量%であった。
[2]ポリオレフィン系樹脂組成物の製造
共重合体(A)として上記[1]で得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体8.5kg、実施例1−[2]で得られたグラフト重合体1.5kg、フェノール系酸化防止剤イルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)15g及び酸化防止剤P−EPQ(旭電化工業社製)7.5gを予め十分に混合しておき、スクリュー系32mmの二軸押出機TEX−30(日本製鋼所製)により、実施例1と同様の条件で混練し、ポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを製造した。実施例1と同様にして測定した物性値を表1に示す。
比較例1
実施例1において、共重合体(B)を添加しない以外は実施例1と同様の条件で混練し、同様にしてペレットを製造し、物性を測定した。結果を表1に示す。
比較例2
実施例2において、共重合体(B)を添加しない以外は実施例2と同様の条件で混練し、同様にしてペレットを製造し、物性を測定した。結果を表1に示す。
比較例3
実施例3において、共重合体(B)を添加しない以外は実施例3と同様の条件で混練し、同様にしてペレットを製造し、物性を測定した。結果を表1に示す。
比較例4
実施例4において、共重合体(B)を添加しない以外は実施例4と同様の条件で混練し、同様にしてペレットを製造し、物性を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0004234005
実施例5
[1]触媒成分の調製
(1)アルミニウムオキシ化合物の調製
メチルアルミノキサンのトルエン溶液1000ミリリットル(1.47モル/リットル,アルベマール社製,トリメチルアルミニウム14.5質量%含有)を減圧下(約20mmHg)、60℃でトルエン(溶媒)及び遊離メチルアルミニウムを留去した。これに脱水トルエンを投入し、再溶解させて、溶媒を留去する前の容量に戻し、H−NMRによりメチルアルミノキサン中のトリメチルアルミニウムを定量したところ、3.6質量%であった。また、蛍光X線(ICP)法により全アルミニウム量を測定したところ、1.32モル/リットルであった。その後、この溶液を48時間静置し、不溶成分を沈降させ、溶液部分をG5ガラスフィルターで濾過し、トルエン可溶のメチルアルミノキサンを得た。このメチルアルミノキサンのIPC法により測定した濃度は1.06モル/リットルであった。
(2)担体の調製と担持メチルアルミノキサンの調製
SiO(富士シリシア(株)製,P−10)70gを140℃で15時間、微量窒素気流下で乾燥した。乾燥SiOを22.0g秤量し、脱水トルエン200ミリリットルに投入した。窒素雰囲気下、攪拌しながら0℃に温度を一定とした後、上記(1)で調製したメチルアルミノキサンのトルエン溶液200ミリリットルを60分間かけて滴下した。滴下終了後、室温まで温度を上げこの状態で30分間反応させ、更に70℃で3時間反応させた。反応終了後、60℃に保持し、固体成分を脱水トルエン200ミリリットルで2回、脱水ヘプタン200ミリリットルで2回洗浄し、50℃で減圧乾燥して32.8gのSiO担持メチルアルミノキサンを得た。再度、脱水ヘプタンを投入して、スラリー状で保存した。
(3)メタロセン担持触媒の調製
100ミリリットルのシュレンク管を乾燥させ、窒素置換した後、乾燥ヘプタン50ミリリットル、上記(2)のSiO担持メチルアルミノキサンをアルミニウム原子換算で10ミリモル加え、攪拌を開始した。これに、ラセミジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロリド[rac−SiMe(2−Me−4−Ph−Ind)ZrCl]をジルコニウム原子換算で10マイクロモル含むトルエン溶液1ミリリットルをゆっくり添加し、10分間反応させた。
[2]グラフト重合体〔共重合体(B)〕の製造
容量5リットルのステンレス鋼製耐圧オートクレーブに脱水ヘプタン2リットル、トリイソブチルアルミニウム2.5ミリモルを投入し、10分間室温で攪拌した。これに上記(3)で調製した担持触媒を全量投入した。
触媒の活性化のため25℃、プロピレン圧0.3MPa(ゲージ圧)で30分間予備重合を実施した後、脱圧、窒素ブローにより未反応のプロピレンを除去し、1,9−デカジエンを2.5ミリモル含むヘプタン溶液4.0ミリリットルを添加した。水素を0.02MPa(ゲージ圧)導入し、温度を60℃に設定した後、プロピレンを分圧で0.7MPa(ゲージ圧)導入し重合を開始した。温度を制御しながら30分間かけてプロピレン共重合体を製造した。
反応終了後、室温まで冷却し脱圧し、攪拌を停止し、液相部を抜き出した。更にトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(1.25モル/リットル)で、固体生成物をデカンテーション法により3回洗浄し、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(1.25モル/リットル)を加えて容量を2リットルとした。
次に、反応温度を35℃に制御しながらプロピレンを9ノルマルリットル/分、エチレンを1.5ノルマルリットル/分で供給し、全圧を0.7MPa(ゲージ圧)としてグラフト重合を30分間実施した。重合終了後、脱圧しグラフト重合体を、濾過、乾燥により回収したところ712gであった。このグラフト重合体のプロピレン連鎖のメソペンタッド分率は95.0%、極限粘度[η]は2.15デシリットル/gであった。第一段のプロピレン重合体の生成率は78質量%であった。
[3]グラフト重合体の分岐の評価
(1)比較試料(直鎖状重合体)の作製
上記[2]において、1,9−デカジエンを用いない以外は上記[2]と同様にして、比較試料を作製した。
(2)分岐の測定方法
明細書本文中の、▲3▼分岐パラメータ(α)の項に記載の方法及び条件を採用した。
(3)分岐の評価
比較試料を用い、上記(2)の方法で測定し、算出したα値を(α)とし、グラフト重合体について測定、算出したα値を(α)としたとき、その比[(α)/(α)]は1.09であった。この比が1を超えていることから、グラフト重合体であることを確認した。
[4]プロピレン−エチレンブロック共重合体〔プロピレン(共)重合体(A)〕の製造
特公平2−61483号公報の実施例1に記載の方法により得られたチタン触媒及び有機アルミニウム化合物(トリエチルアルミニウム)を用い、連鎖移動剤として水素を用い、ヘプタン媒体中で回分式重合にてプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造した。
得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体のMFRは4.0g/10分、常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率は94.0%、常温(25℃)可溶成分は17.3質量%であった。
[5]ポリオレフィン系樹脂組成物の製造
上記[4]で得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体9.5kg、上記[2]で得られたグラフト重合体0.5kgを、フェノール系酸化防止剤イルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)15g及び酸化防止剤P−EPQ(旭電化工業社製)7.5gを予め十分に混合しておき、スクリュー径32mmの二軸押出機TEX−30(日本製鋼所製)により、シリンダー設定温度200℃、回転数300回転/分、押出量10kg/30分の条件で混練し、ポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを製造した。得られた組成物の物性を実施例1と同様の方法により測定した。結果を表2に示す。
実施例6
[1]プロピレン−エチレンブロック共重合体〔プロピレン(共)重合体(A)〕の製造
実施例5[4]に記載の方法と同様の方法でプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造した。その際、水素の添加量及び共重合部量を調整して下記性状の共重合体を得た。
得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体のMFRは12.0g/10分、常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率は94.1%、常温(25℃)可溶成分は12.0質量%であった。
[2]ポリオレフィン系樹脂組成物の製造
実施例5において、共重合体(A)として上記[1]で得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体9.5kgを用いた以外は、実施例5と同様にしてポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを製造した。実施例5と同様にして測定した物性値を表2に示す。
実施例7
[1]プロピレン−エチレンブロック共重合体〔プロピレン(共)重合体(A)〕の製造
実施例5[4]に記載の方法と同様の方法でプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造した。その際、水素の添加量及び共重合部量を調整して下記性状の共重合体を得た。
得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体のMFRは34.0g/10分、常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率は95.7%、常温(25℃)可溶成分は10.2質量%であった。
[2]ポリオレフィン系樹脂組成物の製造
実施例5において、共重合体(A)として上記[1]で得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体9.5kgを用いた以外は、実施例5と同様にしてポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを製造した。実施例5と同様にして測定した物性値を表2に示す。
実施例8
[1]プロピレン−エチレンブロック共重合体〔プロピレン(共)重合体(A)〕の製造
実施例5[4]に記載の方法と同様の方法でプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造した。その際、水素の添加量及び共重合部量を調整して下記性状の共重合体を得た。
得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体のMFRは44.0g/10分、常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率は94.3%、常温(25℃)可溶成分は10.2質量%であった。
[2]ポリオレフィン系樹脂組成物の製造
実施例5において、共重合体(A)として上記[1]で得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体9.5kgを用いた以外は、実施例5と同様にしてポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを製造した。実施例5と同様にして測定した物性値を表2に示す。
実施例9
[1]プロピレン−エチレンブロック共重合体〔プロピレン(共)重合体(A)〕の製造
実施例5[4]に記載の方法と同様の方法でプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造した。その際、水素の添加量及び共重合部量を調整して下記性状の共重合体を得た。
得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体のMFRは110.0g/10分、常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率は95.5%、常温(25℃)可溶成分は10.5質量%であった。
[2]ポリオレフィン系樹脂組成物の製造
共重合体(A)として上記[1]で得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体8.5kg、実施例5−[2]で得られたグラフト重合体1.5kg、フェノール系酸化防止剤イルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)15g及び酸化防止剤P−EPQ(旭電化工業社製)7.5gを予め十分に混合しておき、スクリュー系32mmの二軸押出機TEX−30(日本製鋼所製)により、実施例5と同様の条件で混練し、ポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを製造した。実施例1と同様にして測定した物性値を表2に示す。
比較例5
実施例5において、共重合体(B)を添加しない以外は実施例5と同様の条件で混練し、同様にしてペレットを製造し、物性を測定した。結果を表2に示す。
比較例6
実施例6において、共重合体(B)を添加しない以外は実施例6と同様の条件で混練し、同様にしてペレットを製造し、物性を測定した。結果を表2に示す。
比較例7
実施例7において、共重合体(B)を添加しない以外は実施例7と同様の条件で混練し、同様にしてペレットを製造し、物性を測定した。結果を表2に示す。
比較例8
実施例8において、共重合体(B)を添加しない以外は実施例8と同様の条件で混練し、同様にしてペレットを製造し、物性を測定した。結果を表2に示す。
比較例9
実施例9において、共重合体(B)を添加しない以外は実施例9と同様の条件で混練し、同様にしてペレットを製造し、物性を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0004234005
実施例10
[1]触媒成分の調製
(1)アルミニウムオキシ化合物の調製
メチルアルミノキサンのトルエン溶液1000ミリリットル(1.47モル/リットル,アルベマール社製,トリメチルアルミニウム14.5質量%含有)を減圧下(約20mmHg)、60℃でトルエン(溶媒)及び遊離メチルアルミニウムを留去した。これに脱水トルエンを投入し、再溶解させて、溶媒を留去する前の容量に戻し、H−NMRによりメチルアルミノキサン中のトリメチルアルミニウムを定量したところ、3.6質量%であった。また、蛍光X線(ICP)法により全アルミニウム量を測定したところ、1.32モル/リットルであった。その後、この溶液を48時間静置し、不溶成分を沈降させ、溶液部分をG5ガラスフィルターで濾過し、トルエン可溶のメチルアルミノキサンを得た。このメチルアルミノキサンのIPC法により測定した濃度は1.06モル/リットルであった。
(2)担体の調製と担持メチルアルミノキサンの調製
SiO(富士シリシア(株)製,P−10)70gを140℃で15時間、微量窒素気流下で乾燥した。乾燥SiOを22.0g秤量し、脱水トルエン200ミリリットルに投入した。窒素雰囲気下、攪拌しながら0℃に温度を一定とした後、上記(1)で調製したメチルアルミノキサンのトルエン溶液200ミリリットルを60分間かけて滴下した。滴下終了後、室温まで温度を上げこの状態で30分間反応させ、更に70℃で3時間反応させた。反応終了後、60℃に保持し、固体成分を脱水トルエン200ミリリットルで2回、脱水ヘプタン200ミリリットルで2回洗浄し、50℃で減圧乾燥して32.8gのSiO担持メチルアルミノキサンを得た。再度、脱水ヘプタンを投入して、スラリー状で保存した。
(3)メタロセン担持触媒の調製
100ミリリットルのシュレンク管を乾燥させ、窒素置換した後、乾燥ヘプタン50ミリリットル、上記(2)のSiO担持メチルアルミノキサンをアルミニウム原子換算で10ミリモル加え、攪拌を開始した。これに、ラセミジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロリド[rac−SiMe(2−Me−4−Ph−Ind)ZrCl]をジルコニウム原子換算で10マイクロモル含むトルエン溶液1ミリリットルをゆっくり添加し、10分間反応させた。
[2]グラフト重合体〔共重合体(B)〕の製造
容量5リットルのステンレス鋼製耐圧オートクレーブに脱水ヘプタン2リットル、トリイソブチルアルミニウム2.5ミリモルを投入し、10分間室温で攪拌した。これに上記(3)で調製した担持触媒を全量投入した。
触媒の活性化のため25℃、プロピレン圧0.3MPa(ゲージ圧)で30分間予備重合を実施した後、脱圧、窒素ブローにより未反応のプロピレンを除去し、1,9−デカジエンを2.5ミリモル含むヘプタン溶液4.0ミリリットルを添加した。水素を0.02MPa(ゲージ圧)導入し、温度を60℃に設定した後、プロピレンを分圧で0.7MPa(ゲージ圧)導入し重合を開始した。温度を制御しながら30分間かけてプロピレン共重合体を製造した。
反応終了後、室温まで冷却し脱圧し、攪拌を停止し、液相部を抜き出した。更にトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(1.25モル/リットル)で、固体生成物をデカンテーション法により3回洗浄し、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(1.25モル/リットル)を加えて容量を2リットルとした。
次に、反応温度を35℃に制御しながらプロピレンを9ノルマルリットル/分、エチレンを1.5ノルマルリットル/分で供給し、全圧を0.7MPa(ゲージ圧)としてグラフト重合を30分間実施した。重合終了後、脱圧しグラフト重合体を、濾過、乾燥により回収したところ712gであった。このグラフト重合体のプロピレン連鎖のメソペンタッド分率は95.0%、極限粘度[η]は2.15デシリットル/gであった。第一段のプロピレン重合体の生成率は78質量%であった。
[3]グラフト重合体の分岐の評価
(1)比較試料(直鎖状重合体)の作製
上記[2]において、1,9−デカジエンを用いない以外は上記[2]と同様にして、比較試料を作製した。
(2)分岐の測定方法
明細書本文中の、▲3▼分岐パラメータ(α)の項に記載の方法及び条件を採用した。
(3)分岐の評価
比較試料を用い、上記(2)の方法で測定し、算出したα値を(α)とし、グラフト重合体について測定、算出したα値を(α)としたとき、その比[(α)/(α)]は1.09であった。この比が1を超えていることから、グラフト重合体であることを確認した。
[4]プロピレン−エチレンブロック共重合体〔プロピレン(共)重合体(A)〕の製造
特開平2−84404号公報の実施例1に記載の固体チタン触媒成分(予備重合品)、有機アルミニウム化合物(トリエチルアルミニウム)及びケイ素化合物(ジシクロペンチルジメトキシシラン)を触媒成分とし、連鎖移動剤として水素を用い、ヘプタン媒体中で回分式重合にてプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造した。
得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体のMFRは10.5g/10分、常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率は97.4%、常温(25℃)可溶成分は12質量%であった。
[5]ポリオレフィン系樹脂組成物の製造
上記[4]で得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体9.5kg、上記[2]で得られたグラフト重合体0.5kg、タルク(浅田製粉社製,商品名:JM156)1.0kg、フェノール系酸化防止剤イルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)15g及び酸化防止剤P−EPQ(旭電化工業社製)7.5gを予め十分に混合しておき、スクリュー径32mmの二軸押出機TEX−30(日本製鋼所製)により、シリンダー設定温度200℃、回転数300回転/分、押出量10kg/30分の条件で混練し、ポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを製造した。得られた組成物の物性を実施例1と同様の測定した。結果を表3に示す。
実施例11
[1]プロピレン−エチレンブロック共重合体〔プロピレン(共)重合体(A)〕の製造
特公平2−61483号公報の実施例1に記載の方法により得られたチタン触媒及び有機アルミニウム化合物(トリエチルアルミニウム)を用い、連鎖移動剤として水素を用い、ヘプタン媒体中で回分式重合にてプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造した。
得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体のMFRは34.0g/10分、常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率は95.7%、常温(25℃)可溶成分は10.2質量%であった。
[2]ポリオレフィン系樹脂組成物の製造
実施例10において、共重合体(A)として上記[1]で得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体9.5kgを用いた以外は、実施例10と同様にしてポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを製造した。実施例1と同様にして測定した物性値を表3に示す。
実施例12
[1]プロピレン−エチレンブロック共重合体〔プロピレン(共)重合体(A)〕の製造
実施例11[1]に記載の方法と同様の方法でプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造した。その際、水素の添加量及び共重合部量を調整して下記性状の共重合体を得た。
得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体のMFRは44.0g/10分、常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率は94.3%、常温(25℃)可溶成分は10.2質量%であった。
[2]ポリオレフィン系樹脂組成物の製造
実施例10において、共重合体(A)として上記[1]で得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体9.5kgを用い、タルク(浅田製粉社製,商品名:JM156)を2.0kg用いた以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを製造した。実施例10と同様にして測定した物性値を表3に示す。
実施例13
[1]プロピレン−エチレンブロック共重合体〔プロピレン(共)重合体(A)〕の製造
実施例10[4]に記載の方法と同様の方法でプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造した。その際、水素の添加量及び共重合部量を調整して下記性状の共重合体を得た。
得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体のMFRは110.0g/10分、常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率は97.5%、常温(25℃)可溶成分は6.4質量%であった。
[2]ポリオレフィン系樹脂組成物の製造
共重合体(A)として上記[1]で得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体9.5kg、実施例11−[2]で得られたグラフト重合体0.5kg、タルク(浅田製粉社製,商品名:JM156)2.0kg、フェノール系酸化防止剤イルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)15g及び酸化防止剤P−EPQ(旭電化工業社製)5gを予め十分に混合しておき、スクリュー系32mmの二軸押出機TEX−30(日本製鋼所製)により、実施例10と同様の条件で混練し、ポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを製造した。実施例10と同様にして測定した物性値を表3に示す。
比較例10
実施例10において、共重合体(B)を添加せず、かつ共重合体(A)の添加量を10kgとした以外は実施例10と同様の条件で混練し、同様にしてペレットを製造し、物性を測定した。結果を表3に示す。
比較例11
実施例11において、共重合体(B)を添加せず、かつ共重合体(A)の添加量を10kgとした以外は実施例10と同様の条件で混練し、同様にしてペレットを製造し、物性を測定した。結果を表3に示す。
比較例12
実施例12において、共重合体(B)を添加せず、かつ共重合体(A)の添加量を10kgとした以外は実施例12と同様の条件で混練し、同様にしてペレットを製造し、物性を測定した。結果を表3に示す。
比較例13
実施例13において、共重合体(B)を添加せず、かつ共重合体(A)の添加量を10kgとした以外は実施例13と同様の条件で混練し、同様にしてペレットを製造し、物性を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0004234005
以下、実施例14〜16において、プロピレン(共)重合体〔共重合体(A)〕の製造例、共重合体(B)の製造例及びポリオレフィン系樹脂組成物の製造例を示す。
1.プロピレン(共)重合体〔共重合体(A)〕の製造
実施例14−1
特開平2−84404号公報(実施例1)記載の固体チタン触媒成分(予備重合品)、有機Al化合物(トリエチルアルミニウム)及びケイ素化合物(ジシクロペンチルジメトキシシラン)を触媒成分とし、連鎖移動剤として水素を用い、ヘプタン媒体中で回分式重合にてプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造した。
得られたプロピレン共重合体のMFRは110g/10分、常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率は97.5%、常温(25℃)キシレン可溶成分は6.4質量%であった。
実施例14−2
特公平2−61483号公報(実施例1)記載の調製方法を用いて得られたチタン触媒及び有機Al化合物(トリエチルアルミニウム)を用い、連鎖移動剤として水素を用い、ヘプタン媒体中で回分式重合にてプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造した。得られたプロピレン共重合体のMFRは110g/10分、常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率は95.5%、常温(25℃)キシレン可溶成分は10.5質量%であった。
実施例14−3
実施例14−2に記載の方法と同様の方法でプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造した。その際、水素量を調整して下記性状の共重合体を得た。
得られたプロピレン共重合体のMFRは44.0g/10分、常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率は94.3%、常温(25℃)キシレン可溶成分は10.2質量%であった。
実施例14−4
実施例14−2に記載の方法と同様の方法でプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造した。その際、水素量を調整して下記性状の共重合体を得た。
得られたプロピレン共重合体のMFRは34.0g/10分、常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率は95.7%、常温(25℃)キシレン可溶成分は10.2質量%であった。
実施例14−5
実施例14−2に記載の方法と同様の方法でプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造した。その際、水素量及び共重合部量を調整して下記性状の共重合体を得た。
得られたプロピレン共重合体のMFRは12.0g/10分、常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率は94.1%、常温(25℃)キシレン可溶成分は12.0質量%であった。
実施例14−6
実施例14−1に記載の方法と同様の方法でプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造した。その際、水素量及び共重合部量を調整して下記性状の共重合体を得た。
得られたプロピレン共重合体のMFRは10.5g/10分、常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率は97.4%、常温(25℃)キシレン可溶成分は12.0質量%であった。
実施例14−7
実施例14−2に記載の方法と同様の方法でプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造した。その際、水素量及び共重合部量を調整して下記性状の共重合体を得た。
得られたプロピレン共重合体のMFRは4.0g/10分、常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率は94.0%、常温(25℃)キシレン可溶成分は17.3質量%であった。
2.共重合体(B)の製造
実施例15−1
[1]触媒成分の調製
(1)アルミニウムオキシ化合物の調製
メチルアルミノキサンのトルエン溶液1000ミリリットル(1.47モル/リットル、アルベマール社製、トリメチルアルミニウム14.5質量%含有)を減圧下(約2.67kPa)、60℃でトルエン及び遊離トリメチルアルミニウムを留去した。これに脱水トルエンを投入し、再溶解させて、溶媒を留去する前の容量に戻し、1H−NMRによりメチルアルミノキサン中のトリメチルアルミニウムを定量したところ、3.6質量%であった。また、蛍光X線(ICP)法により全アルミニウム量を測定したところ、1.32モル/リットルであった。
その後、この溶液を48時間静置し、不溶成分を沈降させ、溶液部分をG5ガラスフィルターで濾過し、トルエン可溶のメチルアルミノキサンを得た。このメチルアルミノキサンのIPC法により測定した濃度は1.06モル/リットルであった。
(2)担体の調製と担持メチルアルミノキサンの調製
SiO(富士シリシア(株)製、P−10)70gを140℃で15時間、微量の窒素気流下で乾燥した。乾燥SiOを22.0g秤量し、脱水トルエン200ミリリットルに投入した。窒素雰囲気下、攪拌しながら0℃に温度を一定とした後、上記(1)で調製したメチルアルミノキサンのトルエン溶液200ミリリットルを60分間かけて滴下した。滴下終了後、室温まで温度を上げこの状態で30分間反応させ、更に70℃で3時間反応させた。反応終了後、60℃に保持し、固体成分を脱水トルエン200ミリリットルで2回、脱水ヘプタン200ミリリットルで2回洗浄し、50℃で減圧乾燥して32.8gのSiO担持メチルアルミノキサンを得た。再度、脱水ヘプタンを投入して、スラリー状で保存した。
(3)メタロセン担持触媒の調製
100ミリリットルのシュレンク管を乾燥させ、窒素置換した後、乾燥ヘプタン50ミリリットル、上記(2)のSiO担持メチルアルミノキサンをアルミニウム原子換算で10ミリモル加え、攪拌を開始した。これに、ラセミジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロリド[rac−SiMe(2−Me−4−Ph−Ind)ZrCl]をジルコニウム原子換算で10マイクロモル含むトルエン溶液10ミリリットルをゆっくり添加し、10分間反応させた。
[2]グラフト共重合体〔共重合体(B)〕の製造
容量5リットルのステンレス鋼製耐圧オートクレーブに脱水ヘプタン2リットル、トリイソブチルアルミニウム2.5ミリモルを投入し、10分間室温で攪拌した。これに上記(3)で調製した担持触媒を全量投入した。
触媒の活性化のため25℃、プロピレン圧0.3MPa(ゲージ圧)で30分間予備重合を実施した後、脱圧、窒素ブローにより未反応のプロピレンを除去し、1,9−デカジエンを2.5ミリモル含むヘプタン溶液4.0ミリリットルを添加した。水素を0.02MPa(ゲージ圧)導入し、温度を60℃に設定した後、プロピレンを分圧で0.7MPa(ゲージ圧)導入し重合を開始した。温度を制御しながら30分間かけてプロピレン共重合体を製造した。
反応終了後、室温まで冷却し脱圧し、攪拌を停止し、液相部を抜き出した。更にトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(1.25モル/リットル)で、固体生成物をデカンテーション法により3回洗浄し、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(1.25モル/リットル)を加えて容量を2リットルとした。
次に、反応温度を35℃に制御しながらプロピレンを9ノルマルリットル/分、エチレンを15ノルマルリットル/分で供給し、全圧を0.7MPa(ゲージ圧)としてグラフト重合を30分間実施した。重合終了後、脱圧しグラフト共重合体を、濾過、乾燥により回収したところ収量は712gであった。このグラフト共重合体のプロピレン連鎖のメソペンタッド分率は95.0%、極限粘度[η]は2.15デシリットル/gであった。第一段のプロピレン重合体の生成率は78質量%であった。
[3]グラフト重合体の分岐の評価
(1)比較試料(直鎖状重合体)の作製
上記[2]において、1,9−デカジエンを用いない以外は上記[2]と同様にして、比較試料を作製した。
(2)分岐の測定方法
明細書本文中の、3.分岐パラメータ(α)の項に記載の方法及び条件を採用した。
(3)分岐の評価
比較試料を用い、上記(2)の方法で測定し、算出したα値を(α)Lとし、グラフト重合体について測定、算出したα値を(α)Bとしたとき、その比[(α)L/(α)B]は1.09であった。この比が1を超えていることから、グラフト重合体であることを確認した。
実施例15−2
容量5リットルのステンレス鋼製耐圧オートクレーブに脱水ヘプタン2リットル、トリイソブチルアルミニウム2.5ミリモルを投入し、10分間室温で攪拌した。これに実施例15−1[1]と全く同様に調製した担持触媒を全量投入した。
触媒の活性化のため25℃、プロピレン圧0.3MPa(ゲージ圧)で30分間予備重合を実施した後、脱圧、窒素ブローにより未反応のプロピレンを除去し、1,9−デカジエンを2.5ミリモル含むヘプタン溶液4.0ミリリットルを添加した。水素を0.02MPa(ゲージ圧)導入し、温度を60℃に設定した後、プロピレンを分圧で0.7MPa(ゲージ圧)導入し重合を開始した。温度を制御しながら30分間かけてプロピレン共重合体を製造した。
反応終了後、室温まで冷却、脱圧し、攪拌を停止し、液相部を抜き出した。更にトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(1.25モル/リットル)で、固体生成物をデカンテーション法により3回洗浄し、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(1.25モル/リットル)を加えて容量を2リットルとした。
次に、反応温度を35℃に制御しながらブテン−1、200gを供給し、エチレンを全圧が0.7MPa(ゲージ圧)となるように供給し続け、グラフト重合を2時間実施した。重合終了後、脱圧しグラフト共重合体を、濾過、乾燥により回収したところ収量は755gであった。このグラフト共重合体のプロピレン連鎖のメソペンタッド分率は95.5%、極限粘度[η]は2.65デシリットル/gであった。第一段のプロピレン重合体の生成率は80質量%であった。
実施例15−1に記載の分岐の評価方法と同様にして、[(α)L/(α)B]を求めたところは1.08であった。この比が1を超えていることから、グラフト重合体であることを確認した。
実施例15−3
実施例15−1[1]と全く同様に調製した担持触媒を用い、ブテン−1、200gをオクテン−1、210ミリリットルに代えた以外は、実施例15−2と同様にしてグラフト共重合体812gを得た。このグラフト共重合体のプロピレン連鎖のメソペンタッド分率は95.3%、極限粘度[η]は2.05デシリットル/gであった。第一段のプロピレン重合体の生成率は75質量%であった。
実施例15−1に記載の分岐の評価方法と同様にして、[(α)L/(α)B]を求めたところは1.08であった。この比が1を超えていることから、グラフト重合体であることを確認した。
実施例15−4
実施例15−1[1]と全く同様に調製した担持触媒を用いた。実施例2−1と同様にして、触媒の活性化のため25℃、プロピレン圧0.3MPa(ゲージ圧)で30分間予備重合を実施した後、脱圧、窒素ブローにより未反応のプロピレンを除去し、1,9−デカジエンを2.5ミリモル含むヘプタン溶液4.0ミリリットルを添加した。水素を0.02MPa(ゲージ圧)導入し、温度を60℃に設定した後、プロピレンを分圧で0.7MPa(ゲージ圧)導入し重合を開始した。温度を制御しながら30分間かけてプロピレン共重合体を製造した。
反応終了後、室温まで冷却し脱圧し、攪拌を停止し、液相部を抜き出した。更にトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(1.25モル/リットル)で、固体生成物をデカンテーション法により3回洗浄した。
次に、第二の触媒成分として(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロリド[Cp*(NtBu)SiMe2TiCl2)]30マイクロモルを含むトルエン溶液20ミリリットルを25℃のオートクレーブに滴下し、この温度で60分間重合を行った。
次に、反応温度を60℃に昇温し、スチレン200ミリリットルを加えた。更に、エチレンを供給しながら、反応温度を70℃まで昇温し、この温度に制御しながら、全圧を0.6MPa(ゲージ圧)となるようにエチレンを供給し続け、5時間重合を行った。得られたグラフト共重合体の収量は705gであり、このグラフト共重合体のプロピレン連鎖のメソペンタッド分率は95.0%、極限粘度[η]は2.50デシリットル/gであった。第一段のプロピレン重合体の生成率は91質量%であった。
実施例15−1に記載の分岐の評価方法と同様にして、[(α)L/(α)B]を求めたところは1.05であった。この比が1を超えていることから、グラフト重合体であることを確認した。
3.ポリオレフィン系樹脂組成物の製造
実施例16−1
実施例14−1のプロピレン(共)重合体6.0kg、実施例15−1のグラフト重合体0.2kg、タルク(浅田製粉(株)製、商品名JM156)1.0kg、エチレン−プロピレンゴム(日本合成ゴム社製、商品名EP02P)3.0kg、フェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガノックス1010)15g及び酸化防止剤(旭電化工業製、P−EPQ)5gを予め十分に混合しておき、スクリュー径32mmの二軸押出機TEX−30(日本製鋼所製)により、シリンダー設定温度200℃、回転数300回転/分、押出量10kg/30分の条件で混練し、ポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを製造した。得られた組成物の物性を実施例1と同様の方法により測定した。結果を表4に示す。
実施例16−2
実施例14−1のプロピレン(共)重合体7.0kg、エチレン−プロピレンゴム(日本合成ゴム社製、商品名EP02P)2.0kg、タルク(浅田製粉(株)製、商品名JM156)1.0kg及び実施例15−1のグラフト共重合体0.5kgを用いた他は、実施例16−1と同様にしてポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを製造し、物性を測定した。結果を表4に示す。
実施例16−3
実施例15−1のグラフト共重合体の量を1.5kgにかえた他は、実施例16−2と同様にしてポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを製造した。実施例16−1と同様にして測定した物性値を表4に示す。
実施例16−4
実施例14−2のプロピレン(共)重合体6.9kg、実施例15−2のグラフト共重合体0.3kg、タルク(浅田製粉(株)製、商品名JM156)0.6kg及びエチレン−ブテンゴム(日本合成ゴム社製、商品名EBM3021P)2.5kgを用いた他は、実施例16−1と同様にしてポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを製造し、物性を測定した。結果を表4に示す。
実施例16−5
実施例15−2のグラフト共重合体の量を1.2kgにかえた他は、実施例16−4と同様にしてポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを製造した。実施例16−1と同様にして測定した物性値を表4に示す。
実施例16−6
実施例14−4のプロピレン(共)重合体6.7kg、実施例15−3のグラフト共重合体0.5kg、タルク(浅田製粉(株)製、商品名JM156)2.3kg、エチレン−オクテンゴム(デュポンダウ社製、商品名エンゲージ8842)1.0kgをかえた他は、実施例16−1と同様にしてポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを製造し、物性を測定した。結果を表4に示す。
実施例16−7
実施例15−3のグラフト共重合体の量を1.0kgにかえた他は、実施例16−6と同様にしてポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを製造した。実施例16−1と同様にして測定した物性値を表4に示す。
実施例16−8
実施例14−3のプロピレン(共)重合体7.5kg、実施例15−4のグラフト共重合体0.5kg、タルク(浅田製粉(株)製、商品名JM156)2.0kg、SEBS(スチレン−エチレン−ブテン−ブロック共重合体)(シェル化学社製、商品名クレイトンG1657)0.5kgを用いた他は、実施例16−1と同様にしてポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを製造し、物性を測定した。結果を表4に示す。
実施例16−9
実施例14−3のプロピレン(共)重合体のかわりに、実施例14−4のプロピレン(共)重合体を用いた他は、実施例16−8と同様にしてポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを製造した。実施例16−1と同様にして測定した物性値を表4に示す。
比較例16−1
共重合体(B)を添加しない以外は、実施例16−2と同様にしてペレットを製造し、物性を測定した。結果を表4に示す。
比較例16−2
実施例14−6のプロピレン(共)重合体7.0kg、タルク(浅田製粉(株)製、商品名JM156)1.0kg、エチレン−プロピレンゴム(日本合成ゴム社製、商品名EP02P)2.0kgを用い、(共)重合体(B)を添加しない他は、実施例16−1と同様にしてペレットを製造し、物性を測定した。結果を表4に示す。
比較例16−3
共重合体(B)を添加しない以外は、実施例16−4と同様にしてペレットを製造し、物性を測定した。結果を表4に示す。
比較例16−4
実施例14−5のプロピレン(共)重合体6.9kg、エチレン−ブテンンゴム(日本合成ゴム社製、商品名EBM3021P)2.5kg、タルク(浅田製粉(株)製、商品名JM156)0.6kgを用い、(共)重合体(B)を添加しない他は、実施例16−1と同様にしてペレットを製造し、物性を測定した。結果を表4に示す。
比較例16−5
共重合体(B)を添加しない以外は、実施例16−6と同様にしてペレットを製造し、物性を測定した。結果を表4に示す。
比較例16−6
実施例14−7のプロピレン(共)重合体6.7kg、タルク(浅田製粉(株)製、商品名JM156)2.3kg、エチレン−オクテンゴム(デュポンダウ社製、商品名エンゲージ8842)1.0kgを用い、(共)重合体(B)を添加しない他は、実施例16−1と同様にしてペレットを製造し、物性を測定した。結果を表4に示す。
比較例16−7
共重合体(B)を添加しない以外は、実施例16−8と同様にしてペレットを製造し、物性を測定した。結果を表4に示す。
比較例16−8
実施例14−5のプロピレン(共)重合体7.5kg、タルク(浅田製粉(株)製、商品名JM156)2.0kg、SEBS(スチレン−エチレン−ブテン−ブロック共重合体)(シェル化学社製、商品名クレイトンG1657)0.5kgを用い、(共)重合体(B)を添加しない他は、実施例16−1と同様にしてペレットを製造し、物性を測定した。結果を表4に示す。
Figure 0004234005
産業上の利用可能性
本発明のポリオレフィン樹脂組成物(I)は、高い剛性を発現しつつ耐衝撃強度が飛躍的に向上したものであり、物性バランスに優れるものである。本発明のポリオレフィン樹脂組成物(II)は、高性能触媒の使用や特殊な重合法を採用することなく、工業材料分野で求められる高い剛性と耐衝撃強度を達成することができるものであり、物性バランスに優れるものである。本発明のポリオレフィン樹脂組成物(III)は、流動性、剛性及び耐衝撃性のバランスが高く、成形品の薄肉軽量化を実現することができるものである。本発明のポリオレフィン樹脂組成物(IV)は、高い剛性を発現しつつ耐衝撃強度が飛躍的に向上したものであり、物性バランスに優れるものである。

Claims (16)

  1. (A)(a)メルトフローレート(MFR)が0.1〜200g/10分、(b)常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率[mmmm]が97.0%以上及び(c)常温(25℃)キシレン可溶成分量が4〜50質量%であるプロピレン(共)重合体99.9〜80質量%、
    (B)アイソタクチック構造のプロピレン連鎖と、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、環状オレフィン及び芳香族ビニル単量体から選ばれる二種以上から構成される共重合連鎖が、グラフト結合及び/又はブロック結合されている共重合体0.1〜20質量%を含むことを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物。
  2. (B)成分が、そのアイソタクチック構造のプロピレン連鎖のメソペンタッド分率[mmmm]が40〜99.9%であり、デカリン中、135℃で測定した極限粘度[η]が0.05〜10デシリットル/gであり、共重合体中に占めるポリプロピレン部の割合が1〜99質量%である請求の範囲第1項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  3. (B)成分が、そのグラフト結合点がオレフィン系マクロモノマー及び/又はポリエンから形成される共重合体〔(B)−1〕、重合過程で生成したブロック結合点を有する共重合体〔(B)−2〕、及び共重合体〔(B)−1〕で規定されたグラフト結合点と共重合体〔(B)−2〕で規定されたブロック結合点とを有する共重合体〔(B)−3〕から選ばれる一種以上である請求の範囲第1項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  4. (A)成分のメルトフローレート(MFR)が10〜200g/10分、(B)成分の、デカリン中、135℃で測定した極限粘度[η]が0.1〜6デシリットル/gである、請求項2に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  5. (A)(a)メルトフローレート(MFR)が0.1〜200g/10分、(b)常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率[mmmm]が94.0%以上97.0%未満及び(c)常温(25℃)キシレン可溶成分量が4〜50質量%であるプロピレン(共)重合体99.9〜80質量%、
    (B)アイソタクチック構造のプロピレン連鎖と、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、環状オレフィン及び芳香族ビニル単量体から選ばれる二種以上から構成される共重合連鎖が、グラフト結合及び/又はブロック結合されている共重合体0.1〜20質量%を含むことを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物。
  6. (B)成分が、そのアイソタクチック構造のプロピレン連鎖のメソペンタッド分率[mmmm]が40〜99.9%であり、デカリン中、135℃で測定した極限粘度[η]が0.05〜10デシリットル/gであり、共重合体中に占めるポリプロピレン部の割合が1〜99質量%である請求の範囲第項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  7. (B)成分が、そのグラフト結合点がオレフィン系マクロモノマー及び/又はポリエンから形成される共重合体〔(B)−1〕、重合過程で生成したブロック結合点を有する共重合体〔(B)−2〕、及び共重合体〔(B)−1〕で規定されたグラフト結合点と共重合体〔(B)−2〕で規定されたブロック結合点とを有する共重合体〔(B)−3〕から選ばれる一種以上である請求の範囲第項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  8. (A)成分のメルトフローレート(MFR)が10〜200g/10分、(B)成分の、デカリン中、135℃で測定した極限粘度[η]が0.1〜6デシリットル/gである、請求項6に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  9. (A)(a)メルトフローレート(MFR)が0.1〜200g/10分及び(b)常温(25℃)キシレン可溶成分量が4〜50質量%であるプロピレン(共)重合体99.9〜80質量%と、
    (B)アイソタクチック構造のプロピレン連鎖と、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、環状オレフィン及び芳香族ビニル単量体から選ばれる二種以上から構成される共重合連鎖が、グラフト結合及び/又はブロック結合されている共重合体0.1〜20質量%との混合物100質量部、及び
    (C)無機充填剤3〜40質量部を含むポリオレフィン系樹脂組成物。
  10. (B)成分が、そのアイソタクチック構造のプロピレン連鎖のメソペンタッド分率[mmmm]が40〜99.9%であり、デカリン中、135℃で測定した極限粘度[η]が0.05〜10デシリットル/gであり、共重合体中に占めるポリプロピレン部の割合が1〜99質量%である請求の範囲第項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  11. (B)成分が、そのグラフト結合点がオレフィン系マクロモノマー及び/又はポリエンから形成される共重合体〔(B)−1〕、重合過程で生成したブロック結合点を有する共重合体〔(B)−2〕、及び共重合体〔(B)−1〕で規定されたグラフト結合点と共重合体〔(B)−2〕で規定されたブロック結合点とを有する共重合体〔(B)−3〕から選ばれる一種以上である請求の範囲第項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  12. (A)成分のメルトフローレート(MFR)が10〜200g/10分、(B)成分の、デカリン中、135℃で測定した極限粘度[η]が0.1〜6デシリットル/gである、請求項10に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  13. (A)(a)メルトフローレート(MFR)が0.1〜200g/10分、(b)常温(25℃)キシレン不溶成分のメソペンタッド分率[mmmm]が94.0%以上であるプロピレン(共)重合体、(B)アイソタクチック構造のポリプロピレン連鎖と、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、環状オレフィン及び芳香族ビニル単量体から選ばれる二種以上から構成される共重合連鎖が、グラフト結合及び/又はブロック結合されている共重合体、(C)タルク、マイカ及びワラストナイトから選ばれる一種以上の無機充填剤及び(D)エチレン−炭素数3以上のα−オレフィン共重合体エラストマー、スチレン−ジエン共重合体を水素化したエラストマー及びジエン(共)重合体を水素化したエラストマーから選ばれる一種以上のゴム成分からなるポリオレフィン系樹脂組成物であって、(A)成分/(C)成分/(D)成分の質量比が95〜40/0〜30/5〜30である混合物100質量部に対し、(B)成分0.1〜20質量部からなるポリオレフィン系樹脂組成物。
  14. (B)成分が、そのアイソタクチック構造のプロピレン連鎖のメソペンタッド分率[mmmm]が40〜99.9%であり、デカリン中、135℃で測定した極限粘度[η]が0.05〜10デシリットル/gであり、共重合体中に占めるポリプロピレン部の割合が1〜99質量%である請求の範囲第1項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  15. (B)成分が、そのグラフト結合点がオレフィン系マクロモノマー及び/又はポリエンから形成される共重合体〔(B)−1〕、重合過程で生成したブロック結合点を有する共重合体〔(B)−2〕、及び共重合体〔(B)−1〕で規定されたグラフト結合点と共重合体〔(B)−2〕で規定されたブロック結合点とを有する共重合体〔(B)−3〕から選ばれる一種以上である請求の範囲第1項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  16. (A)成分のメルトフローレート(MFR)が10〜200g/10分、(B)成分の、デカリン中、135℃で測定した極限粘度[η]が0.1〜6デシリットル/gである、 請求項14に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
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