JP4233694B2 - 内燃機関の蒸発燃料放出防止装置 - Google Patents

内燃機関の蒸発燃料放出防止装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の蒸発燃料放出防止装置に関し、特に燃料タンク内を負圧に維持することにより蒸発燃料の放出を防止するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の吸気管と燃料タンクとを直接接続する蒸発燃料通路を設けて、燃料タンク内を負圧(大気圧より低い圧力)に維持することにより、蒸発燃料の放出を防止する装置は、例えば特開平11−50919号公報に示されている。この公報に示された装置では、前記蒸発燃料通路にタンク圧制御弁を設け、燃料タンク内の燃料温度に応じて設定される目標圧力より燃料タンク内圧が高いときに、タンク圧制御弁の開弁制御が実行され、燃料タンク内圧を目標圧力に維持するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の装置では、前記目標圧力は燃料温度に応じて設定され、燃料温度が比較的高いときにも燃料タンク内圧を長時間に亘って目標圧力に保持するため、燃料中の揮発成分が減少し、燃料噴射弁から噴射される燃料に含まれる霧化しにくい成分の割合が大きくなるという問題があった。そのため、実際の空燃比が所望値からずれて内燃機関の燃焼状態を悪化させる場合があった。また、燃料温度が高くなると、燃料タンクから燃料を送り出す燃料ポンプ内で減圧沸騰が起き易くなり、燃料を円滑に供給することができなくなるという問題もあった。
【0004】
本発明はこの点に着目してなされたものであり、燃料タンク内の燃料成分の変化及び燃料ポンプにおける減圧沸騰を防止し、空燃比を所望値に正確に制御するとともに燃料の円滑な供給を確保できる蒸発燃料放出防止装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、燃料タンクと内燃機関の吸気系とを接続する蒸発燃料通路と、該蒸発燃料通路の途中に設けられ、該蒸発燃料通路を開閉する制御弁と、前記燃料タンク内の圧力が大気圧より低くなるように前記制御弁の開度を制御する制御手段とを備える内燃機関の蒸発燃料放出防止装置において、前記燃料タンク内の燃料の温度を検出する燃料温度検出手段と、前記燃料温度が所定温度より高い場合に、前記制御弁の開弁を禁止する禁止手段とを有することを特徴とする。
【0006】
ここで「所定温度」は、燃料ポンプでの減圧沸騰が起きやすくなる最低の温度、あるいは燃料タンク内の燃料の留出を10%以下に抑制しうる温度として、例えば40℃程度に設定される。
この構成によれば、燃料タンク内の燃料の温度が所定温度より高い場合に、蒸発燃料通路を開閉する制御弁の開弁が禁止されるので、燃料温度が上昇したときには、燃料タンクの密閉状態が維持され、燃料タンク内の燃料成分の変化及び燃料ポンプにおける減圧沸騰を防止し、空燃比を所望値に正確に制御するとともに燃料の円滑な供給を確保できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の蒸発燃料放出防止装置の構成を示す図である。同図において、1は例えば4気筒を有する内燃機関(以下単に「エンジン」という)であり、エンジン1の吸気管2の途中にはスロットル弁3が配されている。また、スロットル弁3にはスロットル弁開度(θTH)センサ4が連結されており、当該スロットル弁3の開度に応じた電気信号を出力して電子コントロールユニット(以下(ECU)という)5に供給する。
【0008】
燃料噴射弁6は、吸気管2の途中であってエンジン1とスロットル弁3との間の図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられている。また、各燃料噴射弁6は燃料供給管7を介して密閉構造の燃料タンク9内に設けられた燃料ポンプユニット8に接続されており、燃料ポンプユニット8は、燃料ポンプと、燃料ストレーナと、参照圧力を大気圧あるいはタンク内圧としたプレッシャーレギュレータとが一体に構成されたものである。燃料タンク9は給油のための給油口10を有しており、給油口10にはフィラーキャップ11が取付けられている。
【0009】
燃料噴射弁6はECU5に電気的に接続され、該ECU5からの信号によりその開弁時間が制御される。吸気管2のスロットル弁3の下流側には吸気管内絶対圧PBAを検出する吸気圧検出手段としての吸気管内絶対圧(PBA)センサ13、及び外気温としての吸気温TAを検出する吸気温(TA)センサ14が装着されている。また、燃料タンク9には、燃料タンク9内の圧力、すなわちタンク内圧PTANKを検出するタンク内圧力検出手段としてのタンク内圧センサ15と、燃料タンク9内の燃料の温度TGASを検出する燃料温度検出手段としての燃料温度(TGAS)センサ16とがそれぞれ設けられている。
【0010】
エンジン1の図示しないカム軸周囲又はクランク軸周囲にはエンジン回転数を検出するエンジン回転数(NE)センサ17が取付けられている。エンジン回転数センサ17はエンジン1のクランク軸の180度回転毎に所定のクランク角度位置でパルス(TDC信号パルス)を出力する。エンジン1の冷却水温TWを検出するエンジン水温センサ18及びエンジン1の排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ(以下「LAFセンサ」という)19が設けれられており、これらのセンサ13〜19の検出信号はECU5に供給される。LAFセンサ19は、排気中の酸素濃度(エンジン1に供給される混合気の空燃比)にほぼ比例する信号を出力する広域空燃比センサとして機能するものである。
【0011】
次に、燃料タンク9の内圧を負圧化するための構成を説明する。燃料タンク9は第1の蒸発燃料通路20を介して吸気管2のスロットル弁3の下流側に接続されており、蒸発燃料通路20の途中には燃料タンク9の内圧を制御すべく蒸発燃料通路20を開閉する第1の制御弁としてのタンク圧制御弁30が設けられている。タンク圧制御弁30は、その制御信号のオン−オフデューティ比(第1の制御弁の開度)を変更することにより燃料タンク9内で発生する蒸発燃料の吸気管2への供給流量を制御する電磁弁であり、制御弁30の作動はECU5により制御される。なお、制御弁30はその開度を連続的に変更可能なリニア制御タイプの電磁弁を使用してもよい。
【0012】
蒸発燃料通路20と燃料タンク9との接続部には、カットオフ弁21が設けられている。カットオフ弁21は、燃料タンク9の満タン状態のときや燃料タンク9の傾きが増加したときに閉弁するフロート弁である。
次に、給油時に燃料タンク9内で発生する蒸発燃料が大気へ放出されるのを防止するための構成を説明する。燃料タンク9には、チャージ通路31を介してキャニスタ33が接続され、キャニスタ33は、吸気管2のスロットル弁3の下流側にパージ通路32を介して接続されている。
【0013】
チャージ通路31の途中には、チャージ制御弁36が設けられている。チャージ制御弁36は、ECU5によりその作動が制御され、給油時に開弁し、それ以外のときは閉弁して、給油時に燃料タンク9内の蒸発燃料をキャニスタ33に導く。ただし、本実施形態ではエンジン1のアイドル運転状態においては、チャージ制御弁36が開弁され、キャニスタ33を介した燃料タンク内の負圧化が行われる。
【0014】
キャニスタ33は、燃料タンク9内の蒸発燃料を吸着するための活性炭を内蔵し、大気開放通路37を介して大気に連通可能となっている。
大気開放通路37の途中にはベントシャット弁(開閉弁)38が設けられている。ベントシャット弁38は、ECU5によりその作動が制御され、給油時またはパージ実行中に開弁し、それ以外のときは閉弁するいわゆる常閉弁である。だだし、エンジン1のアイドル運転状態においてキャニスタ33を介した燃料タンク内の負圧化を行うときは、閉弁される。
【0015】
パージ通路32のキャニスタ33と吸気管2との間には、第2の制御弁としてのパージ制御弁34が設けられている。パージ制御弁34は、その制御信号のオン−オフデューティ比(第2の制御弁の開度)を変更することにより流量を連続的に制御することができるように構成された電磁弁であり、その作動はECU5により制御される。
【0016】
ECU5は各種センサ等からの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理回路(以下「CPU」という)、CPUで実行される演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶手段のほか、燃料噴射弁6、タンク圧制御弁30、パージ制御弁34、チャージ制御弁36及びベントシャット弁38に駆動信号を供給する出力回路等から構成される。
【0017】
ECU5のCPUは、エンジン回転数センサ17、吸気管内絶対圧センサ13、エンジン水温センサ18などの各種センサの出力信号に応じてエンジン1に供給する燃料量制御等を行う。より具体的には、ECU5のCPUは、下記式(1)により要求燃料量TiREQを算出し、さらに下記式(2)により蒸発燃料通路20を介してパージされる燃料量(以下「タンクパージ燃料量」という)TiVACによる補正を行って、燃料噴射弁6の開弁時間TOUTを算出する。なお、要求燃料量TiREQ及びタンクパージ燃料量TiVACは、いずれも燃料量(質量)を燃料噴射弁6の燃料噴射時間に換算したものである。
TiREQ=TIM×KCMD×KAF×K1+K2 (1)
TOUT=TiREQ−TiVAC (2)
【0018】
ここに、TIMは燃料噴射弁6の基本燃料噴射時間であり、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じて設定されたTIマップを検索して決定される。TIマップは、マップ上のエンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに対応する運転状態において、エンジンに供給する混合気の空燃比がほぼ理論空燃比になるように設定されている。
【0019】
KCMDは目標空燃比係数であり、エンジン回転数NE、吸気管内絶対圧PBA、エンジン水温TW等のエンジン運転パラメータに応じて設定される。目標空燃比係数KCMDは、空燃比A/Fの逆数、すなわち燃空比F/Aに比例し、理論空燃比のとき値1.0をとるので、目標当量比ともいう。
【0020】
KAFは、LAFセンサ19の検出値から算出される検出当量比KACTが目標当量比KCMDに一致するようにPID制御により算出される空燃比補正係数である。この空燃比補正係数KAFにより、空燃比フィードバック制御が行われる。
【0021】
K1及びK2は夫々各種エンジンパラメータ信号に応じて演算される他の補正係数および補正変数であり、エンジン運転状態に応じた燃費特性、エンジン加速特性等の諸特性の最適化が図れるような所定値に決定される。
またECU5のCPUは、給油時やエンジン1の通常運転時等の状況に応じて概略以下のように電磁弁の動作制御を行う。まず、給油時は、上述したようにチャージ制御弁36及びベントシャット弁38が開弁される。これにより、給油に伴い燃料タンク9内に発生した蒸発燃料はチャージ制御弁36を介してキャニスタ33に吸蔵され、燃料分が除去された空気がベントシャット弁38を介して大気に放出される。従って、給油時における蒸発燃料の大気への放出を防止することができる。
【0022】
次にエンジン1の通常運転時は、チャージ制御弁36が閉弁され、ベントシャット弁38が開弁されると共に、パージ制御弁34が開弁制御され、吸気管2の負圧がキャニスタ33に作用する。これにより、大気がベントシャット弁38を介してキャニスタ33に供給され、キャニスタ33に吸着されていた燃料がパージ制御弁34を介して吸気管2にパージされる。従って、燃料タンク9内で発生した蒸発燃料は大気に放出されることなく吸気管2に供給され、燃焼室で燃焼する。またエンジン1の通常運転時は、所定の条件が満たされるとタンク圧制御弁30が、開弁され、吸気管2の負圧により燃料タンク9の内圧を負圧化する制御が行われる。また本実施形態では、パージ制御弁34を介したキャニスタパージ量と、タンク圧制御弁30を介したタンクパージ量との比率が、燃料タンク内圧の目標圧力と、検出したタンク内圧PTANKとの偏差に応じて制御される。
【0023】
図2は蒸発燃料通路20を介して燃料タンク内圧の負圧化を実行する条件を判定する処理のフローチャートであり、この処理はECU5のCPUで所定時間(例えば82msec)毎に実行される。
ステップS11ではエンジン1の始動モード、すなわちクランキング中であるか否かを判別し、始動モードであるときは、始動後の時間を計測するダウンカウントタイマtmNPCACTに所定時間TMNPCACT(例えば40秒)をセットしてスタートさせ(ステップS12)、負圧化(タンク圧制御弁30の開弁)を許可することを「1」で示す負圧化実行フラグFNPCACTを「0」に設定して(ステップS18)、本処理を終了する。
【0024】
エンジン1の始動モードでないときは、エンジン水温TWが所定水温TWNPCS(例えば65℃)より低いか否かを判別し、TW≧TWNPCSであるときは、ステップS12でスタートしたタイマtmNPCACTの値が「0」となったか否かを判別する。TW<TWNPCSであるとき、またはtmNPCACT>0であるときは、前記ステップS18に進んで負圧化を不許可とする。
【0025】
始動後所定時間TMNPCACTが経過したときは、ステップS14からステップS15に進み、燃料温度TGASが所定燃料温度TGASH(例えば40℃)以上か否かを判別し、TGAS<TGASHであるときは、タンク内圧PTANKが吸気管内絶対圧PBAに所定圧ΔPB(例えば20mmHg)を加算した圧力より高いか否かを判別する(ステップS16)。そして、TGAS≧TGASHであるとき、またはPTANK<PBA+ΔPBであるときは、前記ステップS18に進んで負圧化を不許可とする一方、TGAS<TGASHであり、かつPTANK≧PBA+ΔPBであるとき、負圧化を許可する(ステップS17)。
【0026】
上記所定燃料温度TGASHは、負圧化を実行すると燃料タンクから燃料を送り出す燃料ポンプ内で燃料の減圧沸騰が発生し易くなる最低の燃料温度であり、例えば40℃に設定される。また、夏に使用されるガソリンの常圧での10%留出温度は約50℃で、燃料タンク内圧の目標圧は460mmHg程度であるので、燃料温度TGASが40℃以下であれば、留出は10%以下に抑えることができる。すなわち、所定燃料温度TGASHは、燃料タンク内の燃料の留出を10%以下に抑制しうる温度として把握することもできる。
【0027】
ステップS15を設けて燃料温度TGASが所定温度TGASHより高いときは、負圧化、すなわちタンク圧制御弁30の開弁を禁止することにより、燃料ポンプでの減圧沸騰を防止して燃料噴射弁6への円滑な燃料供給を確保できるとともに、燃料中の揮発成分の蒸発量が多くなって燃料噴射弁6から噴射される燃料の成分が霧化し難い方向に変化することを防止することができる。なお、燃料温度TGASが所定燃料温度TGASHより高い場合に燃料タンクの負圧化を禁止しても、燃料タンク9は密閉構造となっているので、燃料の消費によってもタンク内の圧力は減少し、タンク内圧PTANKが大気圧以上となることはない。
【0028】
またタンク内圧PTANKが、吸気管内絶対圧PBAより所定圧ΔPB以上高い場合に負圧化を許可することとした(ステップS16)のは、以下の理由による。吸気管内絶対圧PBAは、エンジン運転状態により絶えず変動しているため、従来の装置のようにタンク内圧PTANKが吸気管内絶対圧PBAより高いときに負圧化を許可すると、タンク圧制御弁30が開弁された状態でPTANK<PBAとなる場合が発生し、タンク内圧PTANKが増加してしまうことがあった。そこで本実施形態では、タンク内圧PTANKが吸気管内絶対圧PBAより所定圧ΔPB以上高い場合にのみ負圧化を許可するようにしたので、このような事態を確実に回避することができる。ここで、所定圧ΔPBは、図2の処理の実行周期の間に吸気管内絶対圧PBAが変化しうる最大圧力より若干大きな値とする。吸気管内絶対圧の検出値PBAは、センサの応答遅れあるいはセンサ出力のサンプリング周期に起因する遅れがあるため、実際の吸気管内絶対圧と差圧ΔPDETが発生することを考慮し、上記所定圧ΔPBは、前記差圧ΔPDETとして想定される最大圧力より若干大きな値としてもよい。
【0029】
図3は、蒸発燃料通路20を介して吸気管2に供給される燃料量の目標値としての目標タンクパージ燃料量TQVACを算出する処理のフローチャートであり、この処理は所定時間(例えば82msec)毎にECU5のCPUで実行される。なお以下に説明する目標パージ燃料量TQPGB及び目標タンクパージ燃料量TQVACは、いずれも要求燃料量TiREQと同一次元、すなわち燃料噴射弁6の開弁時間に換算されている。
【0030】
ステップS21では、前記式(1)により要求燃料量TiREQを算出し、次いで要求燃料量TiREQに応じて図4(a)に示すTQPGBテーブルを検索し、目標パージ燃料量TQPGBを算出する(ステップS22)。目標パージ燃料量TQPGBは、蒸発燃料通路20を介して吸気管2に供給する目標タンクパージ燃料量TQVACと、キャニスタ33からパージする目標キャニスタパージ燃料量TQCPGとの和、すなわち燃料噴射弁6を介さずに供給する燃料量の最大許容値に相当する。TQPGBテーブルは、TiREQ≦TiREQ1の範囲では、要求燃料量TiREQが増加するほど目標パージ燃料量TQPGBが増加するように設定され、TiREQ>TiREQ1の範囲では、一定(TQPGB=1.5msec)となるように設定されている。また、TiREQ<TiREQ0の範囲では、燃料噴射弁6から噴射される燃料量がもともと少ないので、目標パージ燃料量TQPGBは0とされる。所定燃料量TiREQ0,TiREQ1は、それぞれ例えば1msec,8msecに設定される。
【0031】
ステップS23では、下記式(3)によりゲージ圧PTANKGを算出する。
PTANKG=PTANK−PA+PT (3)
ここで、PAは大気圧、PTは図4(b)に示すように燃料温度TGASに応じて設定されたPTテーブルを検索して算出される目標圧補正値である。目標圧補正値PTを加算することにより、タンク内圧の目標圧力が等価的に低圧方向に補正される。PTテーブルは、TGAS<TGAS1の範囲ではPT=0とされ、TGAS1≦TGAS≦TGAS2の範囲では、燃料温度TGASが上昇するほど補正値PTが増加するように設定されており、所定温度TGAS1,TGAS2はそれぞれ例えば30℃、50℃に設定される。
【0032】
ステップS24では、ゲージ圧PTANKGが0より大きいか否かを判別し、PTANKG≦0であるときは直ちに、またPTANKG>0であるときはPTANKG=0として(ステップS25)、ステップS26に進む。ステップS26では、ゲージ圧PTANKGに応じて図4(c)に示すKTQVACテーブルを検索し、タンクパージ率KTQVACを算出する。タンクパージ率KTQVACは、目標パージ燃料量TQPGBに対する目標タンクパージ燃料量TQVACの比率である。KTQVACテーブルは、PTANKG<PTANKG0の範囲では、KTQVAC=0、PTANKG0≦PTANK≦PTANKG1の範囲ではゲージ圧PTANKGが増加するほどタンクパージ率KTQVACが増加するように設定され、PTANKG>PTANKG1の範囲では、KTQVAC=0.75に設定されており、所定圧PTANKG0,PTNAK1は例えば−300mmHg,−215mmHgに設定される。
【0033】
続くステップS27では、燃料温度TGASに応じて図4(d)に示すKKTQVACテーブルを検索し、補正係数KKTQVACを算出する。KKTQVACテーブルは、TGAS<TGAS3に範囲では1に設定され、TGAS3≦TGAS≦TGAS4の範囲では、燃料温度TGASが上昇するほど補正係数KKTQVACが減少するように設定され、TGAS>TGAS4の範囲では0.5に設定されており、所定温度TGAS3,TGAS4はそれぞれ33℃、62℃に設定される。
【0034】
続くステップS28では、負圧化実行フラグFNPCACTが「1」であるか否かを判別し、FNPCACT=1であるときは、タンク内圧センサ等の負圧制御関連部品の異常が検出されているか否かを判別し(ステップS29)、異常が検出されていないときは、エンジン1への燃料供給を遮断するフュエルカット中か否かを判別し(ステップS30)、フュエルカット中でなければ、空燃比フィードバック制御の開始直後であることを「1」で示すフィードバック制御開始フラグFLAFFBDが「1」であるか否かを判別する(ステップS31)。そして、負圧化実行フラグFNPCACT=1であり、かつ異常が検出されおらず、かつフュエルカット中でなく、かつ空燃比フィードバック制御の開始直後でないときは、目標パージ燃料量TQPGB,タンクパージ率KTQVAC及び補正係数KKTQVACを下記式(4)に適用して目標タンクパージ燃料量TQVACを算出する(ステップS32)。
TQVAC=TQPGB×KTQVAC×KKTQVAC (4)
【0035】
またステップS28の答が否定(NO)またはステップS29〜S31のいずれかの答が肯定(YES)のときは、タンクパージ率KTQVAC及び目標タンクパージ燃料量TQVACをともに「0」として(ステップS33)、本処理を終了する。
【0036】
図3の処理によれば、タンク圧制御弁30の開弁制御により、ゲージ圧PTANKGが低下して目標圧力に相当する所定圧PTANKG0以下となると、タンクパージ率KTQVAC=0、したがって目標タンクパージ燃料量TQVAC=0となる。その結果、タンク圧制御弁30は閉弁され、ゲージ圧PTANKG=PTANKG0の状態が維持される。また目標圧補正値PTにより、ゲージ圧PTANKGが高くなった分だけ、図4(c)に破線で示すように、KTQVACテーブルの設定が等価的に低圧側に移動したと同様の作用が得られる。すなわち、タンク内圧の目標圧力が、目標圧補正値PTだけ低圧側に移動し、ゲージ圧PTANKGがその目標圧力に一致するまでタンク圧制御弁30の開弁制御が実行される。
【0037】
図5及び6は、タンク圧制御弁30の開弁デューティ比DOUTVACを算出する処理のフローチャートであり、本処理は所定時間(例えば82msec)毎にECU5のCPUで実行される。
ステップS41では、吸気管内絶対圧PBA及びタンク内圧PTANKに応じてDOUTVACPマップ及びDDOUTVACマップを検索し、後述するステップS55(図6)で使用する比例項DOUTVACP及び積分項DVACIの加減算項DDOUTVACを算出する。DOUTVACPマップは、吸気管内絶対圧PBAが高くなるほど、またタンク内圧PTANKが高くなるほど、比例項DOUTVACPが大きくなるように設定されている。またDDOUTVACマップは、吸気管内絶対圧PBAが高くなるほど加減算項DDOUTVACが減少し、タンク内圧PTANKが高くなるほど加減算項DDOUTVACが増加するように設定されている。
【0038】
ステップS42では、タンク内圧PTANKと吸気管内絶対圧PBAとの差圧DPTANK(=PTANK−PBA)に応じて図7(a)に示すDVAC0テーブルを検索し、タンク圧制御弁30の開弁開始デューティ比DVAC0を算出する。DVAC0テーブルは、差圧DPTANKが増加するほど開弁開始デューティ比DVAC0が減少するように設定されている。タンク圧制御弁30が同一開度でも差圧DPTANKが大きいほど流量は増加するため、差圧DPTANKが大きいほど開弁開始デューティ比DVAC0を小さくし、開弁開始時に大量のベーパが吸気管内に流入するのを防止している。
【0039】
続くステップS43では、バッテリ電圧VBに応じて図7(b)に示すDDVACVBテーブルを検索し、バッテリ電圧補正項DDVACVBを算出する。バッテリ電圧補正項DDVACVBは、バッテリ電圧VBが変化するとタンク圧制御弁30の動作も影響を受けるので、その影響を補正して所望の流量が得られるようにするために設けられている。DDVACVBテーブルは、バッテリ電圧VBが低下するほど、補正項DDVACVBが増加するように設定されている。
【0040】
続くステップS44では、エンジン回転数NEに応じて図7(c)に示すKDOUTVACテーブルを検索し、回転数補正係数KDOUTVACを算出する。KDOUTVACテーブルは、エンジン回転数NEが高くなるほど補正係数KDOUTVACが増加するように設定されている。
【0041】
ステップS45では、図3の処理で算出した目標タンクパージ燃料量TQVACが0より大きいか否かを判別し、TQVAC=0であるときは、積分項DVACI及び開弁デューティ比DOUTVACを共に0として本処理を終了する。
TQVAC>0であるときは、目標タンクパージ燃料量TQVACが、後述する図9の処理により算出される予測タンクパージ燃料量TiVACBより小さいか否かを判別する(ステップS47)。そして、TQVAC<TiVACBであるときは、積分項DVACIを下記式(5)により算出し(ステップS48)、逆にTQVAC≧TiVACBであるときは、下記式(6)により、積分項DVACIを算出する(ステップS49)。
DVACI=DVACI(n−1)−DDOUTVAC (5)
DVACI=DVACI(n−1)+DDOUTVAC (6)
【0042】
ここで、(n−1)は前回値であることを示すために付している。ステップS47〜S49により、積分項DVACIは、予測タンクパージ燃料量TiVACBが目標タンクパージ燃料量TQVACと一致するように、加減算項DDOUVACにより修正される。
【0043】
続くステップS51〜S54(図6)では、積分項DVACIのリミット処理を行う。すなわち、積分項DVACIが下限値DVACILMLより小さいときは、DVACI=DVACILMLとし(ステップS51,S54)、積分項DVACIが上限値DVACILMHより大きいときは、DVACI=DVACILMHとし(ステップS52,S53)、上下限値の間にあるときは直ちにステップS55に進む。
【0044】
ステップS55では、積分項DVACI、比例項DOUTVACP、補正係数KDOUTVAC、開弁開始デューティ比DVAC0及びバッテリ補正項DDVACVBを下記式(7)に適用して、開弁デューティ比DOUTVACを算出する。
DOUTVAC=DVACI+DOUTVACP×KDOUTVAC
+DVAC0+DDVACVB (7)
【0045】
続くステップS56〜S59では、開弁デューティ比DOUTVACのリミット処理を行う。すなわち、開弁デューティ比DOUTVACが0%より小さいときは、DOUTVAC=0%とし(ステップS56,S59)、開弁デューティ比DOUTVACが100%より大きいときは、DOUTVAC=100%とし(ステップS57,S58)、0〜100%の間にあるときは直ちに本処理を終了する。
【0046】
図5,6の処理により、タンク圧制御弁30の開弁デューティ比DOUTVACは、予想タンクパージ燃料量TiVACBが目標タンクパージ燃料量TQVACに一致するように制御される。
【0047】
図8は、予想タンクパージ燃料量TiVACBを算出してリングバッファに格納するとともに、エンジン回転数NEに応じてリングバッファに格納された予想タンクパージ燃料量の1つを選択して補正燃料量TiVACを算出する処理のフローチャートである。この処理は、TDC信号パルスの発生に同期してECU5のCPUで実行される。
【0048】
ステップS71では、図3のステップS29と同様にタンク内圧センサ等の負圧制御関連部品の異常が検出されているか否かを判別し、検出されていないときは、エンジン1が始動モードにあるか否かを判別する(ステップS72)。そして、異常を検出しているときまたは始動モードにあるときは、予想タンクパージ燃料量TiVACBを16個格納できるリングバッファの記憶値TiVACB(n−15)〜TiVACB(n)を全て「0」として(ステップS74、S76)、ステップS79に進む。
【0049】
異常が検出されておらず、かつ始動モードでもないときは、予想タンクパージ燃料量の今回値(最新値)TiVACB(n)を前回値TiVACB(n−1)とし(ステップS73)、次いで開弁デューティ比DOUTVACが0より大きいか、すなわちタンク圧制御弁30を開弁するか否かを判別し(ステップS75)、DOUTVAC=0であるときは、予想タンクパージ燃料量TiVACB(n)を0として(ステップS76)、ステップS79に進む。
【0050】
DOUTVAC>0であるときは、図9に示すTiVACB算出処理を実行し(ステップS77)、ステップS77で算出された最新のTiVACB値を今回値TiVACB(n)としてリングバッファに格納する(ステップS78)。
続くステップS79では、エンジン回転数NEに応じて図10(b)に示すNTNVPRテーブルを検索し、遅れTDC数NTNVPRを算出する。NTNVPRテーブルは、エンジン回転数NEが高くなるほど遅れTDC数NTNVPRが増加するように設定されている。タンク圧制御弁30の開度を変更しても、その結果として吸気管2に供給されるパージ燃料量が変化するまでには時間遅れがあり、その時間遅れをTDC数(TDC信号パルスの発生数)に換算すると、エンジン回転数NEが高いほどTDC数が多くなるからである。
【0051】
ステップS80では、リングバッファに格納されている、遅れTDC数NTNVPRだけ前の予想タンクパージ燃料量TiVACB(n−NTNVPR)を補正燃料量TiVACとし、次いで補正燃料量TiVACが上限値TIVACLMTより大きいか否かを判別する(ステップS81)。その結果TiVAC≦TIVACLMTであるときは直ちに、またTiVAC>TIVACLMTであるときは、TiVAC=TIVACLMTとして(ステップS82)、本処理を終了する。
【0052】
図9は図8のステップS77におけるTiVACB算出処理のフローチャートである。
ステップS91では、差圧DPTANK(=PTANK−PBA)に応じて図7(a)に示すDVAC0テーブルを検索して、開弁開始デューティ比DVAC0を算出するとともに、図10(a)に示すQVACFテーブルを検索して、開弁デューティ比DOUTVACを100%(全開)としたときの流量である全開流量QVACF(L/min:リットル/分)を算出する。QVACFテーブルは、差圧DPTANKが増加するほど、全開流量QVACFが増加するように設定されている。
【0053】
ステップS92では、バッテリ電圧VBに応じて図7(b)に示すDDVACVBテーブルを検索し、バッテリ電圧補正項DDVACVBを算出し、次いで下記式(8)に開弁デューティ比DOUTVAC、開弁開始デューティ比DVAC0、全開流量QVACF及びバッテリ電圧補正項DDVACVBを適用して、タンクパージ流量QNPCS(L/min)を算出する(ステップS93)。
QNPCS=(DOUTVAC−DVAC0−DDVACVB)
×QVACF/(100−DVAC0) (8)
【0054】
続くステップS94では、燃料温度TGAS及びタンク内圧PTANKに応じてNVPRマップを検索し、ベーパ濃度NVPR(%)を算出する。NVPRマップは、タンク内圧PTANKが低いほど、また燃料温度TGASが高いほどベーパ濃度NVPRが大きくなるように設定されている。
【0055】
ステップS96では、吸気管内絶対圧PBA及びタンク内圧PTANKに応じてKQ2VPRマップを検索して燃料ベーパの体積を質量に変換する変換係数KQ2VPR(g/L)を算出する。KQ2VPRマップは、吸気管内絶対圧PBAが高くなるほど係数KQ2VPRが減少し、タンク内圧PTANKが高くなるほど係数KQ2VPRが増加するように設定されている。
【0056】
ステップS97では、下記式(9)に変換係数KQ2VPR、タンクパージ流量QNPCS及びベーパ濃度NVPRを適用して、タンクパージ燃料の重量流量VPRVAC(g/min)を算出し、次いでその重量流量VPRVACを下記(10)に適用して燃料噴射弁6の燃料噴射時間に換算し、タンクパージ燃料量TiVACBを算出する(ステップS98)。
VPRVAC=KQ2VPR×QNPCS×NVPR (9)
TiVAC=KVPR2TI×VPRVAC/(2×NE) (10)
ここで、KVPR2TIは、燃料噴射弁6の特性により決まる変換係数である。
【0057】
図8,9の処理により算出される補正燃料量TiVACを前記式(2)に適用することにより、燃料タンクの負圧化を実行することによって吸気管2に供給されタンクパージ燃料量を差し引いた分の燃料が燃料噴射弁6から供給されるので、タンクパージの影響を受けることなく正確な空燃比制御を行うことができる。その結果、目標パージ燃料量TQPGBを要求燃料量TiREQに対して比較的大きくすることができ、燃料タンクの負圧化を迅速に行うことができる。
【0058】
図11はパージ制御弁34の開弁デューティ比DOUTCPを算出する処理のフローチャートであり、この処理は所定時間(例えば82msec)毎にECU5のCPUで実行される。
ステップS111では、エンジン回転数NE及び吸気管内絶対圧PBAに応じてDUBマップを検索し、開弁デューティ比のマップ値DUBを算出する。DUBマップは、エンジン回転数NEが高くなるほど、また吸気管内絶対圧PBAが高くなるほど、マップ値DUBが増加するように設定されている。
ステップS112では、マップ値DUB及び図3のステップS26で算出されるタンクパージ率KTQVACを下記式(11)に適用して、開弁デューティ比DOUTCPを算出する。
DOUTCP=DUB×(1−KTQVAC) (11)
【0059】
図11の処理によれば、キャニスタ33からのパージを制御するパージ制御弁34の開弁デューティ比DOUTPCは、タンクパージ率KTQVACが増加するほど減少する、換言すればタンクパージ率KTQVACが減少するほど増加するように制御される。一方、タンクパージ率KTQVACは、ゲージ圧PTANKGが、目標圧力PTANKG0に近づくほど減少するので、キャニスタ33からのパージ率である(1−KTQVAC)は逆に増加する。すなわち、ゲージ圧PTANKが目標圧力PTANKG0より高いほど、タンクパージ率KTQVACを増加させることにより、燃料タンクの負圧化を促進する一方、ゲージ圧PTANKGが目標圧力PTANKG0に近づくと、タンクパージ率KTQVACが減少して、キャニスタパージ率(1−KTQVAC)が増加するので、タンクパージとキャニスタパージとをその必要性に応じてバランスよく実行することができる。その結果、燃料タンク内の迅速な負圧化と、キャニスタの貯蔵能力の確保とをバランスよく実現することができる。
【0060】
また目標圧補正値PTを燃料温度TGASに応じて設定することにより、燃料温度TGASが高くなるほど、目標圧力PTANKG0を低くしたのと同様の作用を得ることができるので、燃料温度TGASが高い場合でも、エンジン停止後において燃料タンク内を確実に負圧状態に維持することができる。
【0061】
本実施形態では、図5及び6の処理が制御手段に相当し、図2のステップS15及びS18が禁止手段に相当する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば上述した実施形態では、燃料温度TGASが例えば40℃程度に設定される所定温度TGASHより低いことを条件の一つとして、燃料タンクの負圧化を許可するようにしたが(図2,ステップS15)、冬場は揮発性の高い燃料が供給されるので、外気温が低くなるほど所定燃料温度TGASHが低くなるように設定すると、供給される燃料の揮発性に応じて所定燃料温度TGASHが設定されることとなり、なお良い。
また、タンク内圧センサ15の配置は、図1に示すものに限るものではなく、例えばチャージ通路31のチャージ制御弁36と燃料タンク9との間に設けるようにしてもよい。
またチャージ制御弁36及びベントシャット弁38には、特開平11−50919号公報に示されるようにリリーフ弁を設けるようにしてもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、燃料タンク内の燃料の温度が所定温度より高い場合に、蒸発燃料通路を開閉する制御弁の開弁が禁止されるので、燃料温度が上昇したときには、燃料タンクの密閉状態が維持され、燃料タンク内の燃料成分の変化及び燃料ポンプにおける減圧沸騰を防止し、空燃比を所望値に正確に制御するとともに燃料の円滑な供給を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる蒸発燃料放出防止装置の構成を示す図である。
【図2】燃料タンクの負圧化の実行条件を判定する処理のフローチャートである。
【図3】目標タンクパージ燃料量(TQVAC)を算出する処理のフローチャートである。
【図4】図3の処理で使用するテーブルを示す図である。
【図5】タンク圧制御弁の開弁デューティ比(DOUTVAC)を算出する処理のフローチャートである。
【図6】タンク圧制御弁の開弁デューティ比(DOUTVAC)を算出する処理のフローチャートである。
【図7】図5の処理で使用するテーブルを示す図である。
【図8】タンク圧制御弁を介して吸気管に供給される燃料量を、燃料噴射弁の噴射時間に換算して算出する処理のフローチャートである。
【図9】予想タンクパージ燃料量を算出する処理のフローチャートである。
【図10】図8及び9の処理で使用するテーブルを示す図である。
【図11】キャニスタパージ制御弁の開弁デューティ比(DOUTCP)を算出する処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 内燃機関
2 吸気管
5 電子コントロールユニット(制御手段、禁止手段)
9 燃料タンク
16 燃料温度センサ(燃料温度検出手段)
20 第1の蒸発燃料通路
30 タンク圧制御弁(制御弁)

Claims (1)

  1. 燃料タンクと内燃機関の吸気系とを接続する蒸発燃料通路と、該蒸発燃料通路の途中に設けられ、該蒸発燃料通路を開閉する制御弁と、前記燃料タンク内の圧力が大気圧より低くなるように前記制御弁の開度を制御する制御手段とを備える内燃機関の蒸発燃料放出防止装置において、
    前記燃料タンク内の燃料の温度を検出する燃料温度検出手段と、
    前記燃料温度が所定温度より高い場合に、前記制御弁の開弁を禁止する禁止手段とを有することを特徴とする内燃機関の蒸発燃料放出防止装置。
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