JP4233624B2 - 電子カメラ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、取り込んだ被写体画像を表示するための表示装置を有する電子カメラ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラのようにモニター用の表示装置を有する電子カメラ装置がある。
デジタルカメラで取り込まれた被写体像は、CCD等による光電変換、信号変換及び信号処理等を経て、被写体のモニター画像(スルー画像)を表示し、使用者が所望のタイミングでシャッターを押すと撮影がなされ、画像データとして記憶媒体に記録保存される(記録モード)。また、記録媒体に記録保存された画像情報を読み出して液晶ディスプレイ等からなる表示装置上に再生表示したり外部装置に出力することもできる(再生モード)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記デジタルカメラでは、通常、表示装置に表示されるスルー画像(又は撮影画像)の解像度は記録媒体に記録保存される撮影画像の解像度より低いので、記録画像より鮮明度が低い画像として表示される。ここで、市販のデジタルカメラのある機種を例にとると、撮影画像の解像度は640×480であり、スルー画像の解像度は220×279となっている。
【0004】
このため、使用者がシャッターを押した際に、撮影した画像が手振れ等によってピンボケになっていてもその時点で表示装置に表示される画像からは判断できない場合がある(ピンボケの程度がスルー画像の解像度でも判断できるほどの場合は判断可能)という問題点があった。
【0005】
なお、再生モードで画像(再生画像)を表示する場合に画像の一部を拡大表示できる機能を備えたデジタルカメラがある。このようなデジタルカメラを用いた場合には使用者は再生画像を一部拡大してピントの確認をすることができる。しかし、この場合には、記録モードで撮影を行ない、撮影画像の記録保存が終った後に再生モードに切換えてその記録画像を再生/拡大してピントを確認し、ピンボケがあれば再び記録モードに切換えて撮影し直すという手順を踏む必要があり、記録保存と記録保存された画像の再生に時間がかかることも加わって、ピント確認が使用者にとって煩わしいという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、撮影時の画像のピント確認や、ブレ等の画像状態の確認を簡単に行なうことのできる電子カメラ装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、オートフォーカス機構と、静止画を撮影する静止画撮影手段と、静止画の記録を指示する静止画記録指示手段と、この静止画記録指示手段により静止画の記録が指示された場合、前記静止画撮影手段により撮影された静止画を記録手段に記録する記録制御手段と、前記静止画記録指示手段により静止画の記録が指示された場合、前記記録制御手段により記録手段に記録される静止画の一部を表示手段に拡大表示させる表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記静止画記録指示手段により静止画の記録が指示された場合、前記オートフォーカス機構が合焦させるオートフォーカス位置に相当する画像部分を自動的に拡大表示させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の電子カメラ装置において、前記表示制御手段は、前記静止画記録指示手段により静止画の記録が指示された場合、前記記録制御手段により記録手段に記録される静止画全体に代えて、該静止画の前記オートフォーカス位置に相当する画像部分を拡大表示させるようにしてもよい。
また、本発明の電子カメラ装置において、前記表示制御手段は、前記静止画記録指示手段により静止画の記録が指示された場合、前記記録制御手段により記録手段に記録される静止画全体を表示手段に所定時間表示させた後、該静止画の前記オートフォーカス位置に相当する画像部分を拡大表示させるようにしてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
<回路構成例>
図1は、本発明の電子カメラ装置の一実施例としてのデジタルカメラの回路構成例を示すブロック図であり、デジタルカメラ100はレンズブロック50とカメラ本体60が接続部70を介して接続されてなる。
図1で、レンズブロック50は、撮像レンズ1,自動絞り機構7および合焦機構8を含む光学系10と、撮像素子としてのCCD(Charge Coupled Device)2,アンプ3,A/D変換回路4,およびCCD駆動回路5を有し、撮像レンズ1が図示しない被写体から取り込んだ光学像をCCD2に結像するように構成されている。また、CCD2が撮像レンズ1から入射された光を光電変換し、アンプ3を介してA/D変換回路4に出力してA/D変換した後、接続部70の端子71からカメラ本体60に出力するように構成されている。なお、駆動回路5は、接続部70の端子72を介してカメラ本体60から制御信号が入力されると、CCD2を駆動する。
【0014】
カメラ本体60は、タイミングジェネレータ12,DRAM(Dynamic Random Access Memory)13,フラッシュメモリ14,圧縮/伸張回路15,シグナルジェネレータ16,VRAM(Video Random Access Memory)17,D/A変換回路18,アンプ19,制御部20,操作部30,表示部兼ファインダとしての液晶ディスプレイ(LCD)40,I/Oポート25を有しており、接続部70の端子71を介してA/D変換回路4からの画像信号がタイミングジェネレータ12に供給されるように構成されている。
【0015】
タイミングジェネレータ12は端子部72を介して駆動回路5を制御し、CCD2を駆動し、また、A/D変換回路4から供給された画像データをDRAM13に書込む。また、DRAM13に書込まれるCCD2からの画像データは黄色(Ye)、シアン(Cy)、および緑(Gr)の色成分を有している。
【0016】
DRAM13には画像データを一時記憶する領域の他、本発明のフォーカス位置拡大処理を実行する際の画像拡大用ワークエリア等の作業用領域が確保されている。また、DRAM13に書込まれた画像データは、圧縮/伸張回路15で圧縮され、フラッシュメモリ14に書込まれ、記録される。
【0017】
DRAM13に書込まれた画像データは、また、そこから読み出されてシグナルジェネレータ16に供給され、ホワイトバランス調整が行なわれた後、色演算処理が施され、輝度信号Y、色差信号R−Y、B−Yからなるビデオデータが生成され、VRAM17に記憶される。
【0018】
シグナルジェネレータ16は、また、VRAM17に記憶された画像データを読み出してD/A変換回路18に出力し、D/A変換させた後、アンプ19を介して液晶ディスプレイ40に出力し画像表示させる。なお、アンプ19から出力されたビデオ信号は図示しない外部装置にも出力可能である。
【0019】
制御部20は、CPU21、RAM22およびROM23を有しており、CPU21は、上述の各回路および図示しない電源切換えスイッチ等にバスラインを介して接続し、ROM23に格納されている制御プログラムによりデジタルカメラ100全体の制御を行なうと共に、操作部30からの状態信号に対応してデジタルカメラ100の各機能の実行制御、例えば、ROM23内に格納された各モード処理手段の実行による各モード処理の実行制御や、本発明に基づくスルー画像や撮影画像のフォーカス位置の拡大表示等を実行する。
RAM22は、CPU21が各種の処理を実行する上で必要なプログラムおよびデータ等を適宜記憶する。
【0020】
操作部30は、図3に示すフォーカス位置ズームボタン36およびシャッターボタン37の他に、各種機能ボタンやカーソル移動ボタン、電源スイッチ等の各種ボタンや入力キーを備えており、使用者によって操作されると、対応の信号をCPU21に送出する。
【0021】
[オートフォーカス機構を設けた例]
図2は、デジタルカメラ100の合焦機構8をオートフォーカス機構とした場合の例であり、オートフォーカス機構8は、レンズ駆動信号によって駆動され、撮像レンズ1を前後に移動させるレンズ駆動部(例えば、ステップモータ)121と、制御部20からのAF制御信号によりレンズ駆動信号をレンズ駆動部121に与えるレンズ駆動制御部122を有している。そして、オートフォーカス機構8は撮像レンズ1の移動距離ΣΔXと画角情報を制御部20に与え、制御部20からAF(オートフォーカス)制御信号を受け取る。
【0022】
<外観例>
図3は、デジタルカメラ100の背面外観の一例を示す外観図である。
デジタルカメラ100の本体60の上面には、機能選択用の機能ボタン31〜33,プラスボタン34,マイナスボタン35,記録モードでフォーカス位置ズームボタンとなるボタン36およびシャッタボタン37が配設されており、背面には、カーソル移動キー38および液晶表示素子からなる液晶表示部40が配設されている。また、レンズブロック50の図示しない前面には、撮像レンズ1を配置した撮像部が設けられている。
【0023】
また、本体60側の図示しない側面には記録モードと再生モードを切換える処理モード切換えスイッチおよび色合調整ボタンの他、カメラがマニュアルフォーカス方式の場合にはフォーカス調整ボタンが配設されている。また、図示しない底部にはビデオ出力端子および電源収納口等が設けられている。
【0024】
デジタルカメラ100は、記録モードおよび再生モードを有しており、記録モードと再生モードの切換えは側面に設けられた処理モード切換えスイッチ(図示せず)の切換えによりなされる。
なお、処理モード切換えスイッチおよび各種キーやボタン操作による各モードへの分岐や機能の実行は、各ボタン等の操作により操作部30からCPU21に送られる状態信号を調べて対応のモード処理用回路或いはプログラムに分岐するモード判定モジュール(実施例ではプログラムで構成)によって行なわれる。
【0025】
<画像の確認>
本発明の電子カメラ装置では、記録モードでフォーカス位置を部分的に拡大して表示することにより、簡単にピント確認やブレ等の画像状態の確認を行なうことができる。なお、以下の各実施例ではフォーカス位置としてマニュアルフォーカス或いはオートフォーカス時に液晶ディスプレイ40に合焦確認のためのフォーカス枠を表示するようにし、そのフォーカス枠相当部分をフォーカス位置としている。
以下、マニュアルフォーカス(実施例1,2)およびオートフォーカス(実施例3)の場合について、図1のデジタルカメラ100を例として説明する。
【0026】
[実施例1] マニュアルフォーカスの場合
図4は、手動で合焦調整(マニュアルフォーカス)を行なう場合を例とするデジタルカメラ100の動作例を示すフローチャートであり、マニュアルフォーカスは記録モードで表示されるスルー画像を見て行なう使用者のフォーカス調整ボタン操作によってなされる。また、フォーカス確認は拡大表示されるスルー画像のフォーカス位置を基に使用者が行なう。なお、図5はマニュアルフォーカス時に表示されるスルー画像および拡大スルー画像の説明図である。
【0027】
図4のS1で、使用者がデジタルカメラ100の側面に設けられた処理モード切換えスイッチを「記録モード」側に切換えると、CPU21にその旨の状態信号が送られる。CPU21は受け取った状態信号が記録モード実行を意味する場合には被写体像の取り込みを開始する。
【0028】
S2で、CCD2から周期的に取り込んでくる1フレーム分の画像データが液晶ディスプレイ40上にスルー画像表示が開始される(図5(a))。これにより使用者は画像全体の構図や色合等を見てカメラを移動させてアングル調整を行なうことができる。なお、画面中央にはフォーカス確認用の矩形枠81が表示される。
【0029】
具体的には、図1で、CPU21は先ずタイミングジェネレータ12を制御し被写体像を取り込む。タイミングジェネレータ12は、CPU21からモニター指示信号を受け取ると端子72を介してCCD駆動回路5を駆動し、CCD2に画像データを取り込ませる。CCD2には使用者が撮像レンズ1を向けた被写体像が撮像レンズ1を介して結像しているので、CCD2をCCD駆動回路5で駆動することによりCCD2で光電変換された画像信号がアンプ3を介してA/D変換回路4に入力される。
A/D変換回路4は入力された画像信号をA/D変換し、端子71を介してタイミングジェネレータ12に供給する。タイミングジェネレータ12は、入力された画像データ(Ye,Cy,Gr)をDRAM13に一旦記憶する。CPU21はDRAM13に一旦記憶された画像データを読み出し、シグナルジェネレータ16に供給する。
【0030】
シグナルジェネレータ16はこの画像データのホワイトバランスを調整すると共に、エンコード処理してビデオデータ(Y,R−Y,B−Y)を生成し、VRAM17に描画させる。シグナルジェネレータ16は、また、VRAM17に描画したビデオデータを読み出してD/A変換回路18に供給する。
D/A変換回路18はこのビデオデータをD/A変換し、アンプ19を介して液晶ディスプレイ40に出力し、表示させる。このようにして、液晶ディスプレイ40には使用者が撮像レンズ1を介してモニターしている画像(スルー画像)80が表示される。この場合、リアルタイムに被写体像を表示する必要上、スルー画像用データを、例えば、DRAM13に記憶された画像データのうち、Ye成分のみを用いて輝度データと色差データを生成して、ビデオデータとし液晶ディスプレイ40に表示する。これにより撮像レンズ1を介した時々刻々と変化する画像(すなわち、スルー画像)を迅速に更新し、表示することが可能になる。また、使用者は構図が不満な場合にはカメラのアングルを変えて構図を直すことができる。
【0031】
S3で、使用者がフォーカス位置拡大ボタン36を押すと、ROM23に格納されているプログラムモジュールのうちのフォーカス位置拡大表示手段が読み出される。なお、図5(b’)のようにフォーカス位置を含む全体画像80とフォーカス位置の拡大画像83を画面上で区別し、重畳させて表示する場合にはステップS3を省略することができる。
つまり、ステップS2〜S4に代えて、図5(b’)に示す表示を行なうステップを設けるようにしてもよい。
【0032】
S4で、上記S2で表示されているスルー画像のフォーカス位置(画面中央のフォーカス枠81内に相当する部分)の拡大表示が開始される。なお、フォーカス位置拡大画像82を画面の一部分に表示される場合の表示位置はフォーカス位置を中心としてもよいし(図5(b))、画面の所定の場所(例えば、4隅のいずれか)としてもよい(図5(b’))。
【0033】
具体的には、画面の中心(i,j)を囲む矩形{(i−Δa,j+Δb)、(i+Δa,j+Δb)、(i−Δa,j−Δb)、(i+Δa,j−Δb)で示したフォーカス枠81(図5(a))の内部がフォーカス位置拡大表示手段により拡大されて拡大画像82として表示される。
フォーカス位置拡大表示手段は、DRAM13上のスルー画像データを取り出して画像拡大用ワークエリアに記憶させてから、フォーカス枠81に囲まれた画像部分に相当する部分を補間法等の拡大法を用いて拡大し、拡大が終了してから読み出してシグナルジェネレータ16に供給し、ホワイトバランス調整、色演算処理を実行させ、輝度信号Y、色差信号R−Y、B−Yからなるビデオデータを生成し、VRAM17に記憶させる。
【0034】
シグナルジェネレータ16は、また、VRAM17に記憶された画像データを読み出して液晶ディスプレイ40に出力し画像表示させる。これにより画面にフォーカス位置の拡大画像82を表示できる。
また、拡大倍率は実施例では固定倍率としモニター時に示されるフォーカス枠81の大きさの4×4(=16)倍としたが、可変倍率(例えば、2×2、3×3、4×4倍の3段階)とし、プラスボタン35を1回押す毎に倍率が変化(循環)するようにしてもよい。
【0035】
また、拡大画像82の表示位置を図5(b’)のようにフォーカス位置とは別にするようにフォーカス位置拡大表示手段を構成してもよい。この場合、フォーカス位置拡大表示手段はDRAM13上のスルー画像データからフォーカス枠81に相当する画像データ部分を取り出して補間法等の拡大法を用いて拡大し、DRAM13に設けた画像拡大用ワークエリアに記憶させてから読み出してシグナルジェネレータ16に供給し、ホワイトバランス調整、色演算処理を施し、輝度信号Y、色差信号R−Y、B−Yからなるビデオデータを生成する。
【0036】
シグナルジェネレータ16は、また、VRAM17に記憶された拡大画像データを読み出して液晶ディスプレイ40の画面の所定の位置(例えば右下隅)に塗り重ねるようにして画像表示させる。これにより図5(b’)に示すように画面右隅にスルー画像と重ねてフォーカス位置の拡大画像83が表示される。
【0037】
S5で、使用者はスルー画像或いはフォーカス位置の拡大画像82(または83)を見てピントを確認し、ピントが合っていない場合にはS6に移行し、ピントが合った場合にはS7に移行する。
S6では、使用者はフォーカス調整用ボタン(図示せず)を操作して合焦機構8にフォーカス調整指示を与え、S3に戻る。
【0038】
S7で、シャッターボタン37が押された場合には、画像の記録保存処理のためにS8に移行する。また、ピントが合っても使用者がシャッターボタン37を押さなければ依然として被写体像のスルー画像+拡大画像82が表示される(S3で拡大ボタンが押された場合)。使用者がカメラのアングルを変えたり他の被写体像にカメラを向けると上記S2〜S6が再び繰り返される。
【0039】
次に、シャッターボタン37を押し下げて撮影を行なってから記録保存の終了まで数秒間かかるので、S8で、CPU21はDRAM13に記憶されている画像データ(シャッター押し下げ時のスルー画像データ)をシグナルジェネレータ16に供給し、Ye成分,Cy成分,Gr成分の全てを用いて、より正確にビデオデータを生成させ、液晶ディスプレイ40に静止画84として表示する。使用者は表示された静止画84を見て画面全体の構図および色合の確認を行なうことができる(図5(c))。
【0040】
S9で、CPU21はこのビデオデータを圧縮/伸張回路15に供給し、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)方式で圧縮処理を実行させる。圧縮されたビデオデータはフラッシュメモリ14に記録される。1画像分の画像データの書込が終ると処理を終了する。
【0041】
上記ステップS3〜S6で、スルー画像のピント位置を拡大表示することにより、画像のモニター段階でピント合せができるので従来のデジタルカメラのように再生、拡大、撮直しといった煩わしさが解消される。
なお、本実施例では、拡大表示する画像部分を画面中心としたが、S6のピント合わせ操作によりピントが合う位置が変化していくので、このピントが合った位置を拡大表示するようしにてもよい。このようにすれば、フォーカス位置を任意に決定することができ、使用者は所望の画像部分が拡大表示され、ピントが合っていることを確認した後、シャッター操作を行なうことができる。
【0042】
[実施例2] 撮影画像(マニュアルフォーカス)によるフォーカス等確認
図6は、マニュアルフォーカスを行なう場合を例とするデジタルカメラ100の動作例を示すフローチャートであり、マニュアルフォーカスは記録モードで表示されるスルー画像を見て行なう使用者のフォーカス調整ボタンの操作によってなされる。また、フォーカス確認はシャッター操作後に拡大表示される撮影画像のフォーカス位置を基に使用者が行なう。なお、図7はマニュアルフォーカス時に表示される撮影画像および拡大画像の説明図である。
【0043】
図7で、ステップT1,T2は図4のS1,S2と同様である。
T3で、使用者はスルー画像90全体の構図を見てカメラを移動させてアングル調整を行なうと共にピントを確認し、ピントが合ったと考える場合にはT5でシャッターボタン37を押す。ピントが合っていない場合には、T4で、フォーカス調整のためフォーカス調整ボタンの操作を繰り返す。
【0044】
シャッターボタン37の押し下げから記録保存の終了まで数秒間(t秒)かかるので、先ず、T6で、CPU21はDRAM13に記憶されている画像データ(シャッター押し下げ時のスルー画像データ)をシグナルジェネレータ16に供給し、Ye成分,Cy成分,Gr成分の全てを用いて、高密度なビデオデータを生成させ、液晶ディスプレイ40に撮影画像としておおよそ0.5T秒間ぐらい表示する。ここで、表示される撮影画像92はスルー画像90よりも解像度が高いので、鮮明な画像が得られる。そこで、使用者は約0.5t秒程度の間に画像全体の構図や色合等をよく確認することができる(図7(b))。
【0045】
次に、T7で、CPU21はROM23に格納されているプログラムモジュールのうちのフォーカス位置拡大表示手段を読み出す。なお、本実施例では撮影画像の表示後、一定の時間をおいて自動的にROM23からフォーカス位置拡大表示手段を読み出すようにしているが、図4のステップS3のように使用者がフォーカス位置拡大ボタン36を押すと、ROM23に格納されているプログラムモジュールのうちのフォーカス位置拡大表示手段が読み出されるようにしてもよい。
T7では、上記T6で表示された撮影画像92のフォーカス位置(図7(a)で示されたフォーカス枠91内に相当する部分)が拡大表示される。フォーカス位置拡大画像92を画面全体に表示してもよいし(図7(c))、画面の所定の場所(例えば、フォーカス位置4隅のいずれか)としてもよい(図7(c’))。
【0046】
フォーカス位置拡大表示手段は、DRAM13上の撮影画像データを取り出して画像拡大用ワークエリアに記憶させてから、フォーカス枠91に相当する部分を補間法等の拡大法を用いて拡大し、拡大が終了してから読み出してシグナルジェネレータ16に供給し、ホワイトバランス調整、色演算処理を実行させ、輝度信号Y、色差信号R−Y、B−Yからなるビデオデータを生成させてVRAM17に記憶させる。
シグナルジェネレータ16は、また、VRAM17に記憶された画像データを読み出して液晶ディスプレイ40に出力し画像表示させる。これにより画面にフォーカス位置の拡大画像93を表示できる。なお、拡大倍率は実施例では固定倍率としたが可変倍率としてもよい。
【0047】
また、図7(c’)のように拡大画像92の表示位置をフォーカス枠91とは別にするようにフォーカス位置拡大表示手段を構成してもよい。この場合、フォーカス位置拡大表示手段はDRAM13上の撮影画像データからフォーカス枠91に相当する部分を取り出して画像拡大用ワークエリアを用いて補間法等の拡大法を用いて拡大し、フォーカス枠91に相当する部分を画像拡大用ワークエリアから読み出してシグナルジェネレータ16に供給し、ホワイトバランス調整、色演算処理を実行させ、輝度信号Y、色差信号R−Y、B−Yを生成させ、液晶ディスプレイ40に画像表示させる。これにより図7(c’)に示すように画面右隅に撮影画像92と重ねてフォーカス位置の拡大画像94が表示される。
【0048】
T8で、CPU21はこの撮影画像データを圧縮/伸張回路15に供給し圧縮処理を実行させる。圧縮された撮影画像データはフラッシュメモリ14に記録される。
1画像分の画像データの書込が終ると、T9で、使用者は撮影画像にピンボケやブレを発見していた場合には機能選択ボタン31を押してT2に戻って、記録モードを再開して撮直しを行なうことができる(T10)。
なお、上記ステップT7の部分拡大を先に行ない、その後でステップT6の全体表示を行なうようにT6,T7の順序を入替えてもよい。
【0049】
上記ステップT7,T8で、撮影画像のピント位置を拡大表示することにより、鮮明な画像でピントやズレの有無の確認ができ、ピンボケやズレがある場合には記録モードに戻って撮直しができるので、従来のデジタルカメラのような再生、拡大、撮直しといった煩わしさが解消される。
なお、実施例1で説明した図4のS1〜S7と図6のT5〜T10のステップを組み合わせて撮影前と撮影後、共にフォーカス位置の拡大表示を行なうようにしてもよい。
【0050】
[実施例3] オートフォーカスによる撮影画像のフォーカス等確認
図8は、図1のデジタルカメラ100の合焦機構8をオートフォーカス機構(図2)とした場合の動作例を示すフローチャートであり、フォーカス確認はシャッター押し下げ時に記録画像を表示し、そのフォーカス位置を拡大表示して行なう。なお、シャッター操作後のフォーカス確認時の画像の説明図は図7の場合と同様である。
【0051】
図8で、ステップU1,U2は図4のS1,S2と同様である。すなわち、U1で処理モードが記録モードに切換えられ撮影可能状態となると、U2でCCD2から周期的に取り込んでくる1フレーム分の画像データが液晶ディスプレイ40上に図7(a)に示すようにスルー画像90が表示される。
【0052】
U3で、オートフォーカス機構8は表示部40の所定の位置(通常は画面中央)に表示されるフォーカス枠91内に表示される被写体部分に自動的に焦点を合せる。
オートフォーカス機構8により合焦がなされると、U4で使用者はスルー画像90全体の構図を見てカメラを移動させてアングル調整を行なう。アングル調整をやり直す場合にはU2に戻ってスルー画像表示およびオートフォーカス機構8による合焦動作が行なわれる。構図や色合の調整が終って、U5でシャッターボタン37が押されるとU6に移行する。
【0053】
U6では、図6のステップT6の場合と同様に高密度なビデオデータを生成させ、液晶ディスプレイ40に撮影画像として一定時間表示する。表示される撮影画像はスルー画像よりも解像度が高いので使用者はその間に画像全体の構図や色合等をよく確認することができる。
【0054】
次に、U7で、図6のステップT7の場合と同様にフォーカス位置拡大表示手段により、オートフォーカス位置(図7(a)に示したフォーカス枠91に相当する部分)の自動拡大表示が一定時間なされる。
なお、図4のステップS3のように使用者がフォーカス位置拡大ボタン36を押すと、ROM23に格納されているプログラムモジュールのうちのフォーカス位置拡大表示手段が読み出されるようにしてもよい点も図6のステップT7の場合と同様である。
【0055】
以下、U8〜U10も図6のステップT8〜T10の場合と同様である。
上記ステップU6,U7で、撮影画像のピント位置を拡大表示することにより、鮮明な画像でピントやズレの有無の確認ができ、ピンボケやズレがある場合には記録モードに戻って撮直しができるので、図6のマニュアルフォーカスの場合と同様に、従来のデジタルカメラのような再生、拡大、撮直しといった煩わしさが生じない。
なお、上記実施例3では、シャッターオン後の撮影画像のフォーカス位置を拡大表示するようにしたが、スルー画像表示(オートフォーカス)中に拡大表示を行なうようにしてもよい。
【0056】
また、上記各実施例で、フォーカス位置拡大表示手段は予めスルー画像表示時に画面上に表示されるフォーカス枠をフォーカス位置相当部分として、その枠内の画像部分を拡大したが、フォーカス位置拡大表示手段にスルー画像或いは撮影画像の任意の部分をフォーカス位置として指定可能なフォーカス位置指定手段を設け、指定された部分をフォーカス位置として拡大するようにしてもよい。例えば、フォーカス枠を表示してフォーカス位置移動ボタンの操作によりフォーカス枠を移動させ、フォーカス枠内の画像部分をフォーカス位置として拡大/表示してもよい。
以上本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能であることはいうまでもない。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の電子カメラ装置によれば、取り込んだ被写体画像のフォーカス位置に相当する画像部分を拡大して表示できるので、ピントの確認が簡単にできる。
【0058】
また、取り込んだ被写体画像のモニター画像のフォーカス位置に相当する画像部分を拡大して表示することもできるので、マニュアルフォーカスの場合にモニター画像(スルー画像)中のフォーカス部分を拡大してピントを確認しながらフォーカス調整操作を行なうことができる。これにより、記録した画像を再生してピントを確認する手間を省くことができる。
【0059】
また、シャッター操作時に取り込まれた被写体画像のフォーカス位置に相当する画像部分を拡大して表示することもできるので、ピントの確認やシャッター操作時の手振れの有無の確認を鮮明な拡大画像で簡単に行なうことができる。これにより、記録した画像を再生してピントや手振れの有無を確認する手間を省くことができる。
【0060】
また、オートフォーカス機構を備えた電子カメラ装置についてもシャッター操作時に取り込まれた被写体画像のオートフォーカス位置に相当する画像部分を拡大して表示することができるので、シャッター操作時の手振れの有無の確認を鮮明な拡大画像で簡単に行なうことができる。これにより、記録した画像を再生して手振れの有無を確認する手間を省くことができる。
【0061】
また、シャッター操作時に取り込まれた被写体画像を所定時間表示した後に該被写体画像のフォーカス位置に相当する画像部分を拡大して表示することもできるので、ピントの確認やシャッター操作時の手振れの有無の確認のほか、構図や色合の再確認も鮮明な拡大画像で簡単に行なうことができる。これにより、記録した画像を再生してピントや手振れの有無を確認や、構図や色合の再確認をする手間を省くことができる。
【0062】
また、被写体画像のフォーカス位置を画面上で指定することもできる。これにより、被写体画像の任意の部分を拡大表示して画像中、小さくて良く認識できない部分や注目部分の拡大して見直すことができる。
【0063】
また、拡大表示開始手段を備えるように構成した場合には、使用者が全体画面を良く確認してから必要に応じてフォーカス位置の確認を行なうことができるので、使用者にとって不要なチェックを省くことができる。
【0064】
また、取り込んだ被写体画像の一部を拡大して表示できるので、記録した画像を再生して再生画像の一部を拡大して表示する場合に比べ、撮影現場での画像の撮影状態、例えば、ピント、手振れ、色合等のチェックが簡単な操作で迅速にできる。また、画面に表示された画像中、小さくて良く認識できない部分や注目部分を拡大して見直すこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子カメラ装置の一実施例としてのデジタルカメラの回路構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のデジタルカメラのオートフォーカス機構の説明図である。
【図3】図1のデジタルカメラの外観図である。
【図4】マニュアルフォーカスによるデジタルカメラの動作例を示すフローチャートである。
【図5】マニュアルフォーカス時に表示されるスルー画像および拡大画像の説明図である。
【図6】マニュアルフォーカスによるデジタルカメラの動作例を示すフローチャートである。
【図7】シャッター操作後に表示される撮影画像および拡大画像の説明図である。
【図8】オートフォーカスによるデジタルカメラの動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
8 オートフォーカス機構
14 フラッシュメモリ(記録媒体)
36 フォーカス位置拡大ボタン(拡大表示開始指示手段)
81,91 フォーカス枠(フォーカス位置)
80,80 スルー画像(モニター画像)
84,92 撮影画像(シャッター操作時に取り込まれた画像)
100 デジタルカメラ(電子カメラ装置)
Claims (3)
- オートフォーカス機構と、
静止画を撮影する静止画撮影手段と、
静止画の記録を指示する静止画記録指示手段と、
この静止画記録指示手段により静止画の記録が指示された場合、前記静止画撮影手段により撮影された静止画を記録手段に記録する記録制御手段と、
前記静止画記録指示手段により静止画の記録が指示された場合、前記記録制御手段により記録手段に記録される静止画の一部を表示手段に拡大表示させる表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記静止画記録指示手段により静止画の記録が指示された場合、前記オートフォーカス機構が合焦させるオートフォーカス位置に相当する画像部分を自動的に拡大表示させる
ことを特徴とする電子カメラ装置。 - 前記表示制御手段は、前記静止画記録指示手段により静止画の記録が指示された場合、前記記録制御手段により記録手段に記録される静止画全体に代えて、該静止画の前記オートフォーカス位置に相当する画像部分を拡大表示させることを特徴とする請求項1記載の電子カメラ装置。
- 前記表示制御手段は、前記静止画記録指示手段により静止画の記録が指示された場合、前記記録制御手段により記録手段に記録される静止画全体を表示手段に所定時間表示させた後、該静止画の前記オートフォーカス位置に相当する画像部分を拡大表示させることを特徴とする請求項1記載の電子カメラ装置。
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