JP4232198B2 - 非鉄材料の高速切削加工ですぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具の製造方法 - Google Patents

非鉄材料の高速切削加工ですぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4232198B2
JP4232198B2 JP2003426154A JP2003426154A JP4232198B2 JP 4232198 B2 JP4232198 B2 JP 4232198B2 JP 2003426154 A JP2003426154 A JP 2003426154A JP 2003426154 A JP2003426154 A JP 2003426154A JP 4232198 B2 JP4232198 B2 JP 4232198B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cemented carbide
cutting
carbide substrate
dlc film
coated carbide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003426154A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005177959A (ja
Inventor
智行 益野
惠滋 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP2003426154A priority Critical patent/JP4232198B2/ja
Publication of JP2005177959A publication Critical patent/JP2005177959A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4232198B2 publication Critical patent/JP4232198B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Drilling Tools (AREA)
  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)

Description

この発明は、プラズマCVD(化学蒸着)成膜のダイヤモンド状炭素被膜(以下、DLC被膜という)が、同じ水素含有量で、相対的に高い硬さを有し、したがって主に各種のAl合金やCu合金などの非鉄材料の高速切削加工に用いた場合に、すぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具(以下、被覆超硬工具という)の製造方法に関するものである。
一般に、被覆超硬工具として、各種の非鉄材料などの被削材の旋削加工や平削り加工にバイトの先端部に着脱自在に取り付けて用いられるスローアウエイチップ、穴あけ切削加工などに用いられるドリルやミニチュアドリル、さらに面削加工や溝加工、肩加工などに用いられるソリッドタイプのエンドミルなどが知られており、また前記スローアウエイチップを着脱自在に取り付けて前記ソリッドタイプのエンドミルと同様に切削加工を行うスローアウエイエンドミル工具なども知られている。
また、被覆超硬工具として、炭化タングステン(以下、WCで示す)基超硬合金からなる基体(以下、超硬基体と云う)の表面に、プラズマCVD法により水素含有量が10〜15原子%のDLC被膜を0.6〜1.5μmの平均層厚で蒸着してなる被覆超硬工具が知られており、かかる被覆超硬工具を構成するDLC被膜における水素含有量が、強度(耐チッピング性)と硬さ(耐摩耗性)を考慮して10〜15原子%に定められていることも知られている。
また、上記の被覆超硬工具が、図2(a)および(b)にそれぞれ概略平面図および概略正面図で示される通り、一方側側壁に原料ガス導入口1、他方側側壁に排気口4をそれぞれ設けたプラズマCVD装置を用い、前記装置内の中央部に設置された回転テーブル5上に、これの中心軸から半径方向に所定距離離れた位置に外周部に沿って配置された支持体8に超硬基体6を装着し、装置内を排気して、例えば8×10−5Pa以下の真空に保持しながら、装置内に前回転テーブルを挟んで設置されたヒーター3で装置内を例えば200℃に加熱し、かつ前記回転テーブルで自転しながら回転する超硬基体6には−500〜−1500Vのバイアス電圧(バイアス電源7)を印加し、さらに装置内に初期プラズマを発生させた状態で、原料ガスとして例えばアセチレン(C)などの炭化水素と水素をそれぞれ例えばC:165〜240cc/minおよびH:50〜125cc/minの流量で導入して(この場合、相対的に炭化水素の導入割合を少なくして、水素の導入割合を多くすれば、DLC被膜中の水素含有量は多くなって、硬さが相対的に低いものとなり、反対に炭化水素の導入割合を多くして、水素の導入割合を少なくすれば、DLC被膜中の水素含有量は少なくなって、相対的に硬さの低いものとなる)、これを分解・プラズマ化(+Cイオンおよび+Hイオン)することにより、10〜15原子%の水素を含有し、18〜22GPaの硬さを有するDLC被膜を前記超硬基体の表面に0.6〜1.5μmの平均層厚で蒸着することにより製造されることも知られている。
特開平3−158455号公報 特開2001−62605号公報
近年の切削加工に対する省力化および省エネ化、さらに低コスト化の要求は強く、これに伴い、切削加工は高速化の傾向にあるが、上記の従来被覆超硬工具においては、これを構成するDLC被膜が耐チッピング性重視の面から水素含有量を10〜15原子%と相対的に高くして、高強度を具備するようにし、反面硬さを犠牲にしたものであるため、特に高速切削加工では摩耗進行が速く、この結果比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、上記の従来被覆超硬工具のDLC被膜に着目し、これの一段の耐摩耗性向上(硬さ向上)を図るべく、研究を行った結果、
(a) 図1(a)および(b)にそれぞれ概略平面図および概略正面図で示される通り、側壁外周に沿って所定間隔毎に複数の電磁コイル2を設け、一方側壁内周に沿っては同じくヒーター3を設け、かつ前記電磁コイルの横方向中央部には装置内に貫通して原料ガス導入口1をそれぞれ設けたプラズマCVD装置を用い、前記電磁コイルにより磁場9を形成して、超硬基体6の装着部における磁束密度を50〜300G(ガウス)とし(この場合前記磁束密度によって水素含有量が変化する)、かつ前記原料ガス導入口1よりの原料ガスをアセチレンだけとすると共に、その流量を150〜250cc/mの範囲内の一定量とする以外は、上記の従来プラズマCVD装置でのDLC被膜蒸着条件と同じ条件で、同じく水素含有量が10〜15原子%のDLC被膜を形成すると、この結果のDLC被膜は、水素含有量が同じ10〜15原子%であるにもかかわらず、25〜35GPaの相対的に高い硬さを有するようになること。
(b) 上記(a)のDLC被膜を0.6〜1.5μmの平均層厚で蒸着形成してなる被覆超硬工具においては、前記DLC被膜が、水素を従来DLC被膜と同じ10〜15原子%を含有するので、十分な強度を有し、かつ表面粗さで30nm以下のすぐれた表面平滑性を保持することから、すぐれた耐チッピング性を発揮し、しかも18〜22GPaの硬さを有する前記従来DLC被膜に比して相対的に高い25〜35GPaの硬さを有するので、一段とすぐれた耐摩耗性を発揮するようになること。
以上(a)および(b)に示される研究結果を得たのである。
この発明は、上記の研究結果に基づいてなされたものであって、装置側壁外周に沿って所定間隔毎に複数の電磁コイルを設け、一方装置側壁内周に沿っては前記電磁コイルと対をなしてヒーターを設け、かつ前記電磁コイルの横方向中央部には装置内に貫通して原料ガス導入口をそれぞれ設けると共に、装置内中央部に超硬基体の装着用回転テーブルを設けたプラズマCVD装置を用い、
前記回転テーブル上の中心軸から半径方向に所定距離離れた位置にリング状に配置された複数の支持体のそれぞれに前記超硬基体を装着し、前記ヒーターで装置内を加熱し、前記回転テーブル上で自転しながら回転する前記超硬基体にバイアス電圧を印加し、さらに装置内に初期プラズマを発生させた状態で、原料ガスとしてアセチレンだけを150〜250cc/mの範囲内の一定の流量で導入して、これを分解・プラズマ化し、一方前記電磁コイルには電流を印加して、前記超硬基体の設置部に磁束密度が50〜300G(ガウス)の磁場を形成することにより
水素含有量:10〜15原子%、
硬さ:25〜35GPa、
表面粗さ:30nm以下、
平均層厚:0.6〜1.5μm、
の特性を有するDLC被膜を前記超硬基体表面に形成してなる、非鉄材料の高速切削加工ですぐれた耐摩耗性を発揮する被覆超硬工具の製造方法に特徴を有するものである。
つぎに、この発明の方法において、被覆超硬工具を構成するDLC被膜を上記の通りに数値限定した理由を説明する。
すなわち、一般にDLC被膜の具備する強度と硬さは水素含有量によって変化し、水素含有量が10原子%未満になると、磁場成膜によって35GPaを越えた高硬度をもつようになるが、強度および表面粗さが低下し、Ra:30nm以下の表面粗さを確保することができず、切削加工時にチッピング(微少欠け)が発生し易くなり、一方水素含有量が15原子%を越えると、硬さが急激に低下し、磁場成膜によっても25GPa以上の高硬度を確保することができず、摩耗が急激に進行するようになることから、水素含有量を10〜15原子%と定め、磁場成膜によって同じ水素含有量でも硬さの一段と高いDLC被膜を形成するものである。
また、DLC被膜の平均層厚が0.6μm未満では、所望の耐摩耗性を長期に亘って確保することができず、一方その平均層厚が1.6μmを越えると、切刃部にチッピングが発生し易くなることから、その平均層厚を1〜10μmと定めた。
この発明は、DLC被膜の水素含有量が従来被覆超硬工具のそれと同じ10〜15原子%であるにもかかわらず、25〜35GPaの相対的に高い硬さを示し、したがって、各種のAl合金やCu合金などの高速切削で、チッピング(微少欠け)の発生なく、すぐれた耐摩耗性を長期に亘って発揮する被覆超硬工具の製造方法を提供するものである。
つぎに、この発明の被覆超硬工具の製造方法を実施例により具体的に説明する。
原料粉末として、いずれも1〜3μmの平均粒径を有するWC粉末、TiC粉末、VC粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr3 2 粉末、およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を、表1に示される配合組成に配合し、ボールミルで96時間湿式混合し、乾燥した後、100MPa の圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を6Paの真空中、温度:1400℃に1時間保持の条件で焼結し、研磨加工を施し、切刃すくい面を鏡面仕上げすることにより、いずれもWC基超硬合金からなり、かつISO規格・SPGN120308のチップ形状をもった超硬基体A−1〜A−10を製造した。
ついで、図1に示される側壁外周に沿って所定間隔毎に8個の電磁コイル2を設け、一方側壁内周に沿って前記電磁コイル2と対をなしてヒーター3を設け、かつ前記電磁コイルの横方向中央部には装置内に貫通して原料ガス導入口1をそれぞれ設けたプラズマCVD装置を用い、上記の超硬基体A−1〜A−10からなる超硬基体6を、アセトン中で超音波洗浄し、乾燥した状態で、前記装置内の回転テーブル5上に、これの中心軸から半径方向に所定距離離れた位置にリング状に配置された支持体8にそれぞれ装着し、装置内を排気して、6.5×10−5Paの真空に保持しながら、前記ヒーター3で装置内を200℃に加熱し、かつ20r.p.m.の回転速度で回転する前記回転テーブル上で同じく20r.p.m.の回転速度で自転しながら回転する超硬基体6には−700Vのバイアス電圧を印加し、さらに装置内に初期プラズマを発生させた状態で、原料ガスとしてアセチレン(C)を200cc/minの一定の流量で導入して、分解・プラズマ化し、一方前記電磁コイル2には3〜20Aの範囲内の所定の電流を印加し、磁場9を形成して、前記超硬基体6の設置部における磁束密度を50〜300G(ガウス)の範囲内の所定の磁束密度とする条件(前記磁束密度が高くなるほどDLC被膜中の水素含有量は高くなる)で表2に示される目標層厚のDLC被膜を形成することにより本発明法を実施し、本発明被覆超硬工具としての本発明被覆超硬チップ1〜10を製造した。
また、比較の目的で、図1に示される一方側側壁に原料ガス導入口1、他方側側壁に排気口4をそれぞれ設け、装置内中央部に設置された回転テーブル5を挟んでヒーター3を設けたプラズマCVD装置を用い、前記原料ガス導入口1から導入されるCガスおよびHガスの流量を、それぞれCガス:165〜240cc/minおよびH:50〜125cc/minの範囲内で変化させて、DLC被膜の水素含有量を調整し(この場合Cガス流量を相対的に多くして、Hガス流量を少なくすれば水素含有量は低くなる)、かつ電磁コイル2による磁場形成を行わない以外は同一の条件で表2に示される目標層厚のDLC被膜を形成することにより従来法を実施し、従来被覆超硬工具としての従来被覆超硬チップ1〜10をそれぞれ製造した。
ついで、この結果得られた本発明被覆超硬チップ1〜10および従来被覆超硬チップ1〜10について、これを構成するDLC被膜の水素含有量および硬さを反跳散乱分析法[Elastic Recoil Detection Analysis](水素含有量)およびナノインデンテーション法(硬さ)にてそれぞれ測定し、さらに表面粗さを原子間力顕微鏡[Atomic Force Micrscope]を用いて測定した。これらの測定結果を表1に示した。
さらに、上記DLC被膜の厚さを、走査型電子顕微鏡を用いて測定(縦断面測定)したところ、いずれも目標層厚と実質的に同じ平均層厚(5点測定の平均値)を示した。
つぎに、上記の本発明被覆超硬チップ1〜10および従来被覆超硬チップ1〜10を工具鋼製バイトの先端部に固定治具にてネジ止めした状態で、
被削材:JIS・A5052(組成は、質量%で、Si:0.25%、Fe:0.4%、Cu:0.1%、Mg:2.8%、Cr:0.35%、Alおよび不純物:残り)の丸棒、
切削速度:1000m/min.、
切り込み:8mm、
送り:0.4mm/rev.、
切削時間:90分、
の条件でのAl合金の乾式連続高速切削加工試験(通常の切削速度は600m/min.)、
被削材:JIS・ADC12(組成は、質量%で、Cu:2.5%、Si:10.2%、Alおよび不純物:残り)の丸棒、
切削速度:1000m/min.、
切り込み:8mm、
送り:0.4mm/rev.、
切削時間:30分、
の条件でのAl合金の乾式連続高速切削加工試験(通常の切削速度は600m/min.)、さらに、
被削材:JIS・C2100(組成は、質量%で、Zn:5.3%、Cuおよび不純物:残り)の丸棒、
切削速度:800m/min.、
切り込み:4mm、
送り:0.4mm/rev.、
切削時間:90分、
の条件でのCu合金の乾式連続高速切削加工試験(通常の切削速度は300m/min.)を行なった。いずれの切削加工試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。この測定結果を表2に示した。
Figure 0004232198
Figure 0004232198
原料粉末として、平均粒径:5.5μmを有する中粗粒WC粉末、同0.8μmの微粒WC粉末、同1.3μmのTaC粉末、同1.2μmのNbC粉末、同1.2μmのZrC粉末、同2.3μmのCr32粉末、同1.5μmのVC粉末、同1.0μmの(Ti,W)C(質量比で、TiC/WC=50/50)粉末、および同1.8μmのCo粉末を用意し、これら原料粉末をそれぞれ表3に示される配合組成に配合し、さらにワックスを加えてアセトン中で24時間ボールミル混合し、減圧乾燥した後、100MPaの圧力で所定形状の各種の圧粉体にプレス成形し、これらの圧粉体を、6Paの真空雰囲気中、7℃/分の昇温速度で1370〜1470℃の範囲内の所定の温度に昇温し、この温度に1時間保持後、炉冷の条件で焼結して、直径が8mm、13mm、および26mmの3種の超硬基体形成用丸棒焼結体を形成し、さらに前記の3種の丸棒焼結体から、研削加工にて、表4に示される組合せで、切刃部の直径×長さがそれぞれ6mm×13mm、10mm×22mm、および20mm×45mmの寸法、並びにいずれもねじれ角30度の4枚刃スクエアの形状をもった超硬基体(エンドミル)B−1〜B−8をそれぞれ製造した。
ついで、これらの超硬基体(エンドミル)B−1〜B−8を、アセトン中で超音波洗浄し、乾燥した状態で、同じく図1に示されるプラズマCVD装置に装入し、上記実施例1と同一の条件で、表4に示される目標層厚のDLC被膜を形成することにより本発明法を実施し、本発明被覆超硬工具としての本発明被覆超硬エンドミル1〜8をそれぞれ製造した。
また、比較の目的で、上記の超硬基体(エンドミル)B−1〜B−8を、アセトン中で超音波洗浄し、乾燥した状態で、同じく図2に示されるプラズマCVD装置に装入し、上記実施例1と同一の条件、すなわち原料ガス導入口1から導入されるCガスおよびHガスの流量を、それぞれCガス:165〜240cc/minおよびH:50〜125cc/minの範囲内で変化させて、DLC被膜の水素含有量を調整し、かつ電磁コイル2による磁場形成を行わない以外は同一の条件で表4に示される目標層厚のDLC被膜を形成することにより従来法を実施し、従来被覆超硬工具としての従来被覆超硬エンドミル1〜8をそれぞれ製造した。
つぎに、上記本発明被覆超硬エンドミル1〜8および従来被覆超硬エンドミル1〜8のうち、本発明被覆超硬エンドミル1〜3および従来被覆超硬エンドミル1〜3については、
被削材:平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・A2024(組成は、質量%で、Cu:4.2%、Mn:0.6%、Mg:1.5%、Alおよび不純物:残り)の板材、
切削速度:300m/min.、
切り込み(溝深さ):12mm、
テーブル送り:1000mm/分、
の条件でのAl合金の乾式高速溝加工試験(通常の切削速度は150m/min.)、本発明被覆超硬エンドミル4〜6および従来被覆超硬エンドミル4〜6については、
被削材:平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・AC4B(組成は、質量%で、Cu:2.9%、Si:8.5%、Alおよび不純物:残り)の板材、
切削速度:300m/min.、
切り込み(溝深さ):10mm、
テーブル送り:2000mm/分、
の条件でのAl合金の乾式高速溝加工試験(通常の切削速度は150m/min.)、本発明被覆超硬エンドミル7,8および従来被覆超硬エンドミル7,8については、
被削材:平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・C1020(純度:99.98質量%の純銅)の板材、
切削速度:160m/min.、
切り込み(溝深さ):30mm、
テーブル送り:1000mm/分、
の条件での純銅の乾式高速溝加工試験(通常の切削速度は80m/min.)、をそれぞれ行い、いずれの溝加工試験でも切刃部の外周刃の逃げ面摩耗幅が使用寿命の目安とされる0.1mmに至るまでの切削溝長を測定した。この測定結果を表4に示した。
また、表4には、DLC被膜の上記実施例1におけると同一の条件で測定した水素含有量、硬さ、および表面粗さを示しが、この測定結果は上記超硬基体(エンドミル)B−1〜B−8の試験片を用い、これの表面に同一の条件で形成したDLC被膜の示す値である。
さらに、上記DLC被膜の厚さに関しても、走査型電子顕微鏡による測定(縦断面測定)で、いずれも目標層厚と実質的に同じ平均層厚(5点測定の平均値)を示すことが確認された。
Figure 0004232198
Figure 0004232198
上記の実施例2で製造した直径が8mm(超硬基体B−1〜B−3形成用)、13mm(超硬基体B−4〜B−6形成用)、および26mm(超硬基体B−7、B−8形成用)の3種の丸棒焼結体を用い、この3種の丸棒焼結体から、研削加工にて、溝形成部の直径×長さがそれぞれ4mm×13mm(超硬基体C−1〜C−3)、8mm×22mm(超硬基体C−4〜C−6)、および16mm×45mm(超硬基体C−7、C−8)の寸法、並びにいずれもねじれ角30度の2枚刃形状をもった超硬基体(ドリル)C−1〜C−8をそれぞれ製造した。
ついで、これらの超硬基体(ドリル)C−1〜C−8の切刃に、ホーニングを施し、アセトン中で超音波洗浄し、乾燥した状態で、同じく図1に示されるプラズマCVD装置に装入し、上記実施例1と同一の条件で、表5に示される目標層厚のDLC被膜を形成することにより本発明法を実施し、本発明被覆超硬工具としての本発明被覆超硬ドリル1〜8をそれぞれ製造した。
また、比較の目的で、上記の超硬基体(ドリル)C−1〜C−8の切刃に、ホーニングを施し、アセトン中で超音波洗浄し、乾燥した状態で、同じく図2に示されるプラズマCVD装置に装入し、上記実施例1と同一の条件で、表5に示される目標層厚のDLC被膜を形成することにより従来法を実施し、従来被覆超硬工具としての従来被覆超硬ドリル1〜8をそれぞれ製造した。
つぎに、上記本発明被覆超硬ドリル1〜8および比較被覆超硬ドリル1〜8のうち、本発明被覆超硬ドリル1〜3および比較被覆超硬ドリル1〜3については、
被削材:平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・AC4B(組成は、質量%で、Cu:2.9%、Si:8.5%、Alおよび不純物:残り)の板材、
切削速度:200m/min.、
送り:0.6mm/rev、
穴深さ:10mm、
の条件でのAl合金の湿式高速穴あけ切削加工試験(通常の切削速度は80m/min.)、本発明被覆超硬ドリル4〜6および比較被覆超硬ドリル4〜6については、
被削材:平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・C2100((組成は、質量%で、Zn:4.9%、Cuおよび不純物:残り)の板材、
切削速度:300m/min.、
送り:0.6mm/rev、
穴深さ:16mm、
の条件でのCu合金の湿式高速穴あけ切削加工試験(通常の切削速度は90m/min.)、本発明被覆超硬ドリル7,8および比較被覆超硬ドリル7,8については、
被削材:平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・A5052(組成は、質量%で、Si:0.25%、Fe:0.4%、Cu:0.1%、Mg:2.8%、Cr:0.35%、Alおよび不純物:残り)の板材、
切削速度:220m/min.、
送り:0.7mm/rev、
穴深さ:40mm、
の条件でのAl合金の湿式高速穴あけ切削加工試験(通常の切削速度は100m/min.)、をそれぞれ行い、いずれの湿式穴あけ切削加工試験(水溶性切削油使用)でも先端切刃面の逃げ面摩耗幅が0.2mmに至るまでの穴あけ加工数を測定した。この測定結果を表5に示した。
また、表5には、DLC被膜の上記実施例1におけると同一の条件で測定した水素含有量、硬さ、および表面粗さを示しが、この測定結果は上記超硬基体(ドリル)C−1〜C−8の試験片を用い、これの表面に同一の条件で形成したDLC被膜の示す値である。
さらに、上記DLC被膜の厚さに関しても、走査型電子顕微鏡による測定(縦断面測定)で、いずれも目標層厚と実質的に同じ平均層厚(5点測定の平均値)を示すことが確認された。
Figure 0004232198
表1〜5に示される結果から、DLC被膜の硬さに関して、本発明被覆超硬工具と従来被覆超硬工具との間には水素含有量に実質的相違がない、すなわちいずれも10〜15原子%の水素含有量であるにもかかわらず、後者は18〜22GPaの硬さしか示さないのに対して、前者は25〜35GPaの相対的に高い硬さを示し、この結果本発明被覆超硬工具は、各種のAl合金や純銅およびCu合金の高速切削で、従来被覆超硬工具に比して、チッピング(微少欠け)の発生なく、すぐれた耐摩耗性を発揮することが明らかである。
上述のように、この発明の方法によれば、通常の条件での切削加工は勿論のこと、特に各種の被削材の切削加工を、高速切削条件で行なった場合にも、すぐれた耐摩耗性を発揮する被覆超硬工具を製造することができるものであるから、切削加工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に十分満足に対応できるものである。
この発明の被覆超硬工具のDLC被膜を形成するのに用いたプラズマCVD装置を示し、(a)は概略平面図、(b)は概略正面図である。 従来被覆超硬工具のDLC被膜を形成するのに用いたプラズマCVD装置を示し、(a)は概略平面図、(b)は概略正面図である。
符号の説明
1 原料ガス導入口
2 電磁コイル
3 ヒ―ター
4 排気口
5 回転テーブル
6 超硬基体
7 バイアス電源
8 支持体
9 磁場

Claims (1)

  1. 装置側壁外周に沿って所定間隔毎に複数の電磁コイルを設け、一方装置側壁内周に沿っては前記電磁コイルと対をなしてヒーターを設け、かつ前記電磁コイルの横方向中央部には装置内に貫通して原料ガス導入口をそれぞれ設けると共に、装置内中央部に炭化タングステン基超硬合金で構成された超硬基体の装着用回転テーブルを設けたプラズマCVD装置を用い、
    前記回転テーブル上の中心軸から半径方向に所定距離離れた位置にリング状に配置された複数の支持体のそれぞれに前記超硬基体を装着し、前記ヒーターで装置内を加熱し、前記回転テーブル上で自転しながら回転する前記超硬基体にバイアス電圧を印加し、さらに装置内に初期プラズマを発生させた状態で、原料ガスとしてアセチレンだけを150〜250cc/mの範囲内の一定の流量で導入して、これを分解・プラズマ化し、一方前記電磁コイルには電流を印加して、前記超硬基体の設置部に磁束密度が50〜300G(ガウス)の磁場を形成することにより
    水素含有量:10〜15原子%、
    硬さ:25〜35GPa、
    表面粗さ:30nm以下、
    平均層厚:0.6〜1.5μm、
    の特性を有するダイヤモンド状炭素被膜を前記超硬基体表面に形成してなる、非鉄材料の高速切削加工ですぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具の製造方法
JP2003426154A 2003-12-24 2003-12-24 非鉄材料の高速切削加工ですぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具の製造方法 Expired - Fee Related JP4232198B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003426154A JP4232198B2 (ja) 2003-12-24 2003-12-24 非鉄材料の高速切削加工ですぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003426154A JP4232198B2 (ja) 2003-12-24 2003-12-24 非鉄材料の高速切削加工ですぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005177959A JP2005177959A (ja) 2005-07-07
JP4232198B2 true JP4232198B2 (ja) 2009-03-04

Family

ID=34785772

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003426154A Expired - Fee Related JP4232198B2 (ja) 2003-12-24 2003-12-24 非鉄材料の高速切削加工ですぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4232198B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013073734A1 (ko) * 2011-11-14 2013-05-23 한국야금 주식회사 인써트의 양면 다이아몬드 코팅방법과 이 방법으로 제조한 다이아몬드 코팅 인써트

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5426898B2 (ja) * 2008-06-25 2014-02-26 パナソニック株式会社 摺動部材及びその製造方法
CN105683412B (zh) * 2013-07-15 2018-11-13 通用汽车环球科技运作有限责任公司 涂层工具以及制造和使用涂层工具的方法
CN113732366B (zh) * 2021-08-26 2022-11-29 中国工程物理研究院激光聚变研究中心 一种深小孔内壁超声振动加工刀具及其制备方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013073734A1 (ko) * 2011-11-14 2013-05-23 한국야금 주식회사 인써트의 양면 다이아몬드 코팅방법과 이 방법으로 제조한 다이아몬드 코팅 인써트

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005177959A (ja) 2005-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5344204B2 (ja) 表面被覆切削工具
JP5099586B2 (ja) 硬質被覆層がすぐれた耐欠損性を発揮する表面被覆切削工具
JP5207109B2 (ja) 硬質被覆層がすぐれた耐欠損性を発揮する表面被覆切削工具
JP5182501B2 (ja) 硬質被覆層がすぐれた耐欠損性を発揮する表面被覆切削工具
JP4711177B2 (ja) 潤滑性被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具
JP5239292B2 (ja) 硬質被覆層がすぐれた耐欠損性を発揮する表面被覆切削工具
JP5041222B2 (ja) 表面被覆切削工具
JP4232198B2 (ja) 非鉄材料の高速切削加工ですぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具の製造方法
JP5560513B2 (ja) 硬質被覆層がすぐれた耐欠損性を発揮する表面被覆切削工具
JP4518253B2 (ja) 非鉄材料の高速切削加工でダイヤモンド状炭素系被膜がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具の製造方法
JP4543373B2 (ja) 非鉄材料の高速切削加工ですぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具の製造方法
JP5309733B2 (ja) 硬質被覆層がすぐれた耐欠損性を発揮する表面被覆切削工具
JP2009220239A (ja) 硬質被覆層がすぐれた耐欠損性を発揮する表面被覆切削工具
JP4438546B2 (ja) 高速重切削で表面被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具
JP4530139B2 (ja) 潤滑性非晶質炭素系被膜がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具
JP5239392B2 (ja) 硬質被覆層がすぐれた耐欠損性を発揮する表面被覆切削工具
JP5239296B2 (ja) 硬質被覆層がすぐれた耐欠損性を発揮する表面被覆切削工具
JP4775757B2 (ja) 潤滑性非晶質炭素系被膜がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆サーメット製切削工具
JP5327534B2 (ja) 硬質被覆層の耐欠損性、耐剥離性に優れる表面被覆切削工具
JP2007160465A (ja) 高速切削加工で硬質潤滑層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具
JP4530138B2 (ja) 潤滑性非晶質炭素系被膜がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具
JP4530142B2 (ja) 高速重切削で表面被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具
JP4697389B2 (ja) 高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具
JP5240498B2 (ja) 硬質被覆層がすぐれた耐欠損性を発揮する表面被覆切削工具
JP5234515B2 (ja) 硬質被覆層がすぐれた耐欠損性、耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060331

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080703

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080806

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080925

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081117

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081130

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111219

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4232198

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111219

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111219

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111219

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121219

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131219

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees