JP4231486B2 - X−yステージ装置 - Google Patents

X−yステージ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4231486B2
JP4231486B2 JP2005036634A JP2005036634A JP4231486B2 JP 4231486 B2 JP4231486 B2 JP 4231486B2 JP 2005036634 A JP2005036634 A JP 2005036634A JP 2005036634 A JP2005036634 A JP 2005036634A JP 4231486 B2 JP4231486 B2 JP 4231486B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slider
axis
axis direction
guide
end side
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005036634A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005195606A (ja
Inventor
雅彦 堀内
良幸 冨田
靖 小梁川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP2005036634A priority Critical patent/JP4231486B2/ja
Publication of JP2005195606A publication Critical patent/JP2005195606A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4231486B2 publication Critical patent/JP4231486B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

本発明は、特定の方向に移動可能なスライダを有するステージ装置に関する。
図9は従来のX−Yステージ装置、即ちX方向及びY方向にそれぞれ移動可能な2つのスライダを有するステージ装置の一例を示している。
図において、ベース1の上面には、互いに平行に2本のガイドレール2が固定されている。ここで、直交する2軸方向をX軸方向とY軸方向とした場合、ガイドレール2はY軸方向に平行に配されており、各ガイドレール2には、Yスライダ3の両端の可動部3Aが、ガイドレール2に沿ってY軸方向にスライド自在に嵌合されている。また、Yスライダ3には、X軸方向にスライド自在にXスライダ4が嵌合されている。
各ガイドレール2は矩形断面をなしており、その4つの周側面がY軸方向に平行な案内面となっている。そして、各案内面にYスライダ3の角筒状の可動部3Aの4つの内側面が対向しており、その対向面間にエアベアリング(静圧空気軸受)が配されている。同様に、Yスライダ3の案内部3Bは矩形断面をなしており、その4つの周側面がX軸方向に平行な案内面となっている。そして、各案内面に角筒状のXスライダ4の4つの内側面が対向しており、その対向面間にエアベアリングが配されている。
このように、Yスライダ3がガイドレール2に対してY軸方向に可動であり、Xスライダ4がYスライダ3に対してX軸方向に可動であることにより、Xスライダ4がX−Y平面内の任意の位置に移動可能となっている。
図10は、特開2000−155186号公報(特許文献1)に記載されている別の従来のX−Yステージ装置の例を示している。
このX−Yステージ装置の固定部分は、上面をエアベアリング案内面11Aとしたベース11と、該ベース11の上面に互いに平行に固定された2本のガイドレール12である。
ここで、互いに直交する3軸方向をX軸、Y軸、Z軸方向とし、X軸及びY軸を含む平面(Z軸と直交する平面)をX−Y平面とした場合、ベース1の上面の静圧空気軸受案内面1Aは、X−Y平面上に配されている。また、一対のガイドレール12はY軸方向に配されており、各ガイドレール12の対向側面には、Y軸方向と平行な(X軸と直交する)第1案内面12Aが設けられている。
これら対向する一対の第1案内面12Aに沿ってY軸方向に直線案内される部分は、両端にT字状部を持つYスライダ13と、継手14を介してYスライダ13のT字状部の側面に設けられたガイド用の4つのエアベアリング15と、Yスライダ13の下面に設けられたリフト用の3つのエアベアリング16である。
また、Y軸方向に直線案内されながらX軸方向にも直線案内される部分は、Yスライダ13に組み合わされたXスライダ17と、Z軸回りの回転1自由度を持つ継手18を介してXスライダ17に設けられたガイド用の4つのエアベアリング19と、Xスライダ17の下面に設けられたリフト用のエアベアリング20である。
上記の構成により、Yスライダ13は、ガイド用のエアベアリング15によって、ガイドレール11に対するX軸方向の拘束を非接触に受ける。また、Yスライダ13は、リフト用のエアベアリング16による浮上力とYスライダ13の自重とによって、ベース11に対するZ軸方向の拘束を非接触に受ける。従って、この2方向の拘束により、Yスライダ13は、Y軸方向にのみ運動(直線案内)可能となる。
同様に、Xスライダ17は、ガイド用のエアベアリング19によって、Yスライダ13に対するY軸方向の拘束を非接触に受ける。また、Xスライダ17は、リフト用のエアベアリング20による浮上力とXスライダの自重とによって、ベース11に対するZ軸方向の拘束を非接触に受ける。従って、この2方向の拘束によって、Xスライダ17は、Yスライダ13に対してX軸方向にのみ運動(直線案内)可能となる。
このように、上述したX−Yステージ装置においては、例えばXスライダ4、17上に載せたワークを、X軸方向及びY軸方向に駆動制御することができるが、さらに、X軸方向及びY軸方向の駆動制御に加えて、Z軸回りの回転θzを僅かの角度範囲で制御したい場合がある。例えば、X−Y座標に対してワークがずれて置かれた際に、ワークを置き直すことなく、X−Y座標側をワークに合わせて補正できるようにする場合である。
そのような場合、従来ではXスライダ4、17の上に、図11に示すようなθテーブル30を別途用意して取り付けていた。このθテーブル30は、ベース板31に対して回動テーブル32が矢印N方向に回動可能に保持されており、アクチュエータ33を駆動することにより、回動テーブル32を回動制御できるようにしたものである。
特開2000−155186号公報
ところで、上述した従来のステージ装置では、特定の方向(上記例ではY軸方向)のガイドレール2、12を2本設けており、各ガイドレール2、12に形成した案内面によってYスライダ3、13のY軸方向の直線運動を案内するようにしている。つまり、両サイド支持方式を採用している。
この結果、図9のX−Yステージ装置の場合、矩形断面の2本のガイドレール2のX軸方向と直交する各両側面に案内面を形成して、これら案内面によってX軸方向の位置を拘束しながら、Yスライダ3のY軸方向の直線運動を案内するようにしている。従って、Yスライダ3のX軸方向の位置を拘束するのに4つの案内面が関与している。
また、図10のX−Yステージ装置の場合、2本のガイドレール12の対向側面に第1案内面12Aを形成して、これら対向する第1案内面12AによってX軸方向の位置を拘束しながら、Yスライダ13のY軸方向の直線運動を案内するようにしている。従って、Yスライダ3のX軸方向の位置を拘束するのに2つの案内面が関与している。
しかし、2本のガイドレール2、12を使用して、それらに高い面精度と平坦度が要求されるエアベアリング用の案内面を設けると、加工コストが高くなる。また、2本のガイドレール2、12の組み付けに際しても、2本のガイドレール2、12の平行度に高い精度が要求されるため、組み付けコストも高くなる。従って、Yスライダ3、13のZ軸回りの回転θzを抑えるためには、駆動系の位置決め精度を含めて全体に高い製造精度が必要となり、製造コストのアップを招くという問題がある。また、ガイドレール2、12が2本の場合は、案内部分の数が増える関係から、どうしても可動部質量が重くなって、応答性が低下するという問題もある。それに対し、応答性の低下を抑えるために駆動力を高めると、オーバーシュートの問題が発生するおそれが新たに生じる。
以上の説明では、理解を容易にするために、最も一般的な適用例であるX−Yステージを例に取ったが、これらの問題は、例えば上記Yスライダに相当するスライダを1個のみ有するステージ装置(単一の軸に沿って移動する1個のスライダのみを有するステージ装置)においても、全く同様に生じ得る問題である。
本発明は、上記事情を考慮し、製造精度をそう高く設定しなくても、スライダを、移動させようとする軸のみに沿って応答性良く、且つ精度良く移動・位置決めすることのできる、低コストのステージ装置を提供することを目的とする。
互いに直交する2軸方向をX軸方向、Y軸方向とし、X軸とY軸とを含む平面をX−Y平面とした場合、前記Y軸方向に平行な案内面を有したガイドレールと、一端が前記案内面に沿って移動自在に支持され、且つ、他端が自由端として前記X軸方向に延在されたYスライダと、を有し、該Yスライダが、Y軸方向に沿って互いに平行に配置されて互いに対して並進変位自在な一対の第1、第2リンクと、該第1、第2リンクを連結する連結リンクからなる平行リンク機構を含んで構成されており、前記第1、第2リンクのうちの一方のリンクが当該Yスライダの一端側に配されて、前記ガイドレールの案内面に沿って移動自在に支持されていることにより、上記課題を解決したものである。
本発明では、ガイドレールを敢えて片側だけに絞り、そのガイドレールに片持式にYスライダを支持させ、YスライダのX軸方向の位置決めを片端側(一端側)のみとして、他端側は基本的にガイドフリーにしている。
従って、ガイドレールが片側に絞られたことによる構造の単純化が実現できる。また、ガイドレールが片側のみにしか存在しないため、相互の平行度を確保しながらの組み付けが不要となるし、ベアリングの数も減らせて、結果的に加工コストや組付コストを含めた製造コスト全体の低減が図れる。さらに、ガイドレールを片側だけのガイド方式にしたので、可動部質量も軽くなり、同じ駆動動力ならそれだけ応答性が高まる。
また、Y軸方向に沿った第1、第2リンクを有する平行リンク機構を採用したために、例えば一端側の第1リンクと他端側の第2リンクとを2つの駆動手段によって独立してY軸方向に駆動した際に、第1、第2リンクを並進させることができる。つまり、第1、第2リンクの双方をY軸方向に対して斜めになることなく、平行に変位させることができる。
従って、Yスライダの他端側が自由端であるのに拘わらず、Y軸方向に対してYスライダは一端側と他端側は平行を保ちつつ駆動させることができる。
本発明では、更に、前記Yスライダの一端側をY軸方向に駆動する第1Y軸駆動手段と、前記Yスライダの他端側をY軸方向に駆動する第2Y軸駆動手段と、を有するのが好ましい。
このように構成すると、(少なくとも座標系の補正のような微少な範囲においては)θzを任意の値に積極的に制御することにができ、Yスライダを若干回転させることができるようになる。即ち、Yスライダの他端側が自由端で、且つ、Y軸方向の第1Y軸駆動手段と第2Y軸駆動手段によって駆動を行う構成とすることにより、この回転(以下、この明細書ではこの回転を「θz」という)を、θz方向の専用の駆動アクチュエータを敢えて設けることなく実現することができるようになり、その分のコストが不要となる。また、θテーブルの取り付けが不要であるから、全体重量の軽減を図ることができ、加減速性能の低下を最小限にとどめることができる。
なお、この構成では、Yスライドの両端を位置決めする第1、第2のY軸駆動手段の位置決め精度が確保されてさえいれば、当該駆動手段に対するオープン指令だけで相応の精度が確保できる。
しかしながら、その一方で、この構成では、第1、第2のY軸駆動手段自体の精度に装置全体の精度(特にZ軸回りの精度)が依存するようになるため、該第1、第2のY軸駆動手段に高精度(高コスト)のものを採用しなければならない。
そこで、更に前記Yスライダの一端側のY軸方向の位置を検出する第1位置検出手段と、前記Yスライダの他端側のY軸方向の位置を検出する第2位置検出手段と、前記第1及び第2位置検出手段の検出信号に基づいて前記第1及び第2Y軸駆動手段を制御する制御手段と、を備えた構成とすることにすれば、特にZ軸回りの回転θzを、Yスライダの一端側(ガイド端側)と他端側(自由端側)を独立して位置決めしながら駆動できるようになる。
即ち、この構成に依れば、Yスライダのガイド端側(一端側)の位置を第1位置検出手段により検出し、自由端側(他端側)の位置を第2位置検出手段により検出する。そして、それらの両方の検出結果に基づいて、ガイド端側のY軸方向の動きと自由端側のY軸方向の動きを同期させる。それにより、自由にYスライダのZ軸回りの回転θzを制御できるようになる。例えば、ガイド端側を所定の要求位置にまで駆動し、自由端側をθz=0となるように、位置検出信号に基づいてフィードバック制御すれば、片持式のガイドでありながら、Y軸方向の位置精度を従来よりも簡単に高めることができる。
言い換えると、Y軸方向の位置精度あるいはYスライダのθz方向の精度は、ガイド部分の性能に頼らずに、位置検出手段と駆動手段の組み合わせによって出すようにすることができ、ガイド部分には、YスライダのX軸方向の位置決め機能だけを期待するようにできる。
この結果、構造の簡素化及びローコスト化と高精度化とを両立させることができる。
又、Z軸回りの回転θzの変化の大きさに拘わらず、前記平行リンク機構の第2リンクが常にY軸方向に平行に変位することから、例えば、Yスライダの他端側に位置する第2リンクの位置を第2位置検出手段によって検出する際に、検出異常が発生しにくくなり、常に良好な検出を行うことができて、それに基づくθz制御の精度向上が図れる。
また、本発明は、前記連結リンクが互いに平行な一対の第3、第4リンクであって、前記第1、第2リンクと連結されることにより平行四辺形の平行リンク機構となるように構成することもできる。この構成によれば、平行リンク機構は、Y軸方向に沿った第1、第2リンクと、X軸方向に沿った第3、第4リンクとを有しており、Yスライダの一端側に位置する第1リンクを、ガイドレールの第1案内面に沿って移動自在に支持(拘束)することにより、他の3つのリンクを互いに向かい合ったリンク同士の平行を維持しながら自由に変位させることができる。
又、本発明は、前記平行リンク機構が、それぞれのリンクがX−Y平面内で曲げ変形可能な弾性ヒンジにより連結されている構成とすることもできる。
この構成に依れば、平行リンク機構の連結ヒンジとして、弾性ヒンジを採用したので、バックラッシュのない高精度な位置決め性能が得られる。又、弾性ヒンジは常に元の位置に戻ろうとする性質があるため、制御系の収束性(安定性)を高く維持することができる。
本発明は、前記第1Y軸駆動手段及び第2Y軸駆動手段が、それぞれ非接触で前記Yスライダの一端側及び他端側に駆動力を伝達するリニアモータで構成されているのが好ましい。
この構成に依れば、リニアモータでYスライダを非接触的に駆動するようにしているので、Yスライダの自由端側の動きを許容できる点で最適であり、応答性も高めることができる。しかも、非接触なので転動疲労もないし、位置決め精度も高くできる。
以上説明したように、この発明によれば、ガイドレールを敢えて片側だけに絞った片持式のガイドであるため、従来例のような相互の平行度を確保しながらのガイドレールの組み付けが不要となるし、ベアリング等の部品点数も減らせるので、結果的に、加工コストや組付コストを含めた製造コスト全体の低減及びメンテナンス性の向上が図れる。また、ガイドレールが片側のみとなってガイド部分の数が減るので、可動部質量が軽くなり、応答性が高まるというメリットもある。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施形態に係るステージ装置を、X−Yステージ装置のYスライダの駆動に係る部分に適用した状態を示す平面図、図2は図1のII矢視図、図3は図1のIII矢視図である。また、図4は図1のIV部分の拡大概略斜視図である。
図1〜図3に示すように、このX−Yステージ装置は、ベース101と、該ベース101上に川の字状に並べられた磁性体製の3枚の長方形状のスライドベース102、103、104と、端部に位置するスライドベース102上に固定された1本の磁性体製のガイドレール110と、このガイドレール110に一端が拘束され他端が自由端として延在する平面視T字形のYスライダ120と、Yスライダ120に組み付けられたXスライダ130とを備えている。
互いに直交する3軸方向をX軸、Y軸、Z軸方向とし、X軸とY軸を含む平面をX−Y平面とした場合、スライドベース102、103、104は、X−Y平面上に配されており、スライドベース102、103、104の上面が、Z軸方向と直交する基準案内面(第3案内面及び第4案内面)105となっている。そして、各スライドベース102、103、104は、各々長手方向をY軸方向に沿わせてこの順にX軸方向に並んでいる。
ガイドレール110は、これらスライドベース102、103、104のうちの片方の端部に位置するスライドベース102上に、Y軸方向に沿って固定されている。このガイドレール110の内側の側面(ベース101の中心側を向いた側面)には、図4に示すように、Y軸方向に平行な(X軸方向に直交する)第1案内面110Aが形成されている。
T字形のYスライダ120は、ガイドレール110に沿ってY軸方向に延在するヘッド部121と、ヘッド部121の長さ方向の中間よりX軸方向に延在する直線案内部122とからなる。直線案内部122は、中央のスライドベース103を横断するようにX軸方向に延在しており、図3に示すように、下面側に配された弾性ヒンジプレート200の上に、Yスライダ本体220を積み重ねた2段構造をなしている。
図5は弾性ヒンジプレート200の平面図で、(a)は変形前の状態、(b)は変形した状態を示している。
図5に示すように、弾性ヒンジプレート200は、Y軸方向に沿って互いに平行な一方の対の第1、第2リンク201、202を配すると共に、X軸方向に沿って互いに平行な他方の対の第3、第4リンク203、204を配し、隣り合うリンク間をX−Y平面内でのみ回動可能な弾性ヒンジ(連結ヒンジ)205、206、207、208で結合した平行四辺形の平行リンク機構として構成されている。
また、第1リンク201と第2リンク202の中間部には、第1リンク201及び第2リンク202と平行に中間リンク209が配されており、中間リンク209の両端が、第3リンク203と第4リンク204の長さ方向中間部に弾性ヒンジ210、211を介して連結されている。
弾性ヒンジ205〜208、210、211は、曲げ変形方向をすべてX軸方向に揃えて設けられている。この場合の弾性ヒンジプレート200は、一枚の金属プレート(必ずしも薄くはない)に、5つのリンク201〜204、209と、各リンクをつなぐブリッジ状の6つの弾性ヒンジ205〜208、210、211とを一体に切り出し形成したものであり、第1リンク201の外側及び第2リンク202の外側に一体の取付ブラケット214、215を有している。また、Y軸方向に沿った2つのリンク203、204のうち片方の第3リンク203には、Yスライダ本体220を結合するためのボルト孔212が設けられている。
そして、図1に示すように、弾性ヒンジプレート200の第1リンク201が取付ブラケット214によりヘッド部121に結合され、第2リンク202がYスライダ120の他端側に自由端として配されている。
また、この弾性ヒンジプレート200の上に、ほぼ同じ大きさの矩形板状のYスライダ本体220が載っている。Yスライダ本体220と弾性ヒンジプレート200とは、第3リンク203でのみ互いに結合され、他の部位は相対的にスライドできるようになっている。即ち、Yスライダ本体220に通したボルト221を第3リンク203のボルト孔212にねじ込むことで、Yスライダ本体220と弾性ヒンジプレート200とが結合されている。従って、Yスライダ本体200の下面側で弾性ヒンジプレート200は自由に変形できる。
そして、Yスライダ本体220の第3リンク203側の片側面に、X軸方向と平行な(Y軸方向と直交する)第2案内面120Aが形成されている。
Yスライダ120の一端側に位置する第1リンク201と結合されたヘッド部121には、図4に拡大して示すように、底面にリフトエアベアリング123とリフトプリロードマグネット124とが配され、ガイドレール110の第1案内面110Aに対向する側面に、ガイドエアベアリング125とガイドプリロードマグネット126とが配されている。また、図1に示すように、Yスライダ120の他端側に位置する第2リンク202及び取付ブラケット215の底面には、リフトエアベアリング127とリフトプリロードマグネット128とが配されている。
3つのリフトエアベアリング(リフト用のガスベアリング)123、123、127は、Yスライダ120をX−Y平面内にて移動可能に支持するためのもので、スライドベース102、104の基準案内面105に対してエア(他のガスでもよい)を吹き出すことにより、Yスライダ120に浮上力を与える。各リフトエアベアリング123、123、127の近傍に配置されたリフトプリロードマグネット(磁力発生手段)124、124、128は永久磁石よりなり、基準案内面105とYスライダ120との間に前記浮上力に対抗するプリロードとして磁気吸引力を発生させる。
従って、エアベアリング作用による浮上力と磁気吸引力とによって、Yスライダ120は、基準案内面105上に所定高さで非接触で支持される。即ち、リフトプリロードマグネット124、128による磁気吸引力は、Yスライダ120と基準案内面105の距離が増大するに従い減少し、リフトエアベアリング123、127のエア吹き出しによる浮上力は距離の増大と共に減少する。しかも、磁気吸引力と浮上力は逆向きの力であるから、両者のバランスがとれた高さ(浮上隙間=ギャップ)でYスライダ120が移動可能に支持される。
また、ガイドエアベアリング(ガイド用のガスベアリング)125及びガイドプリロードマグネット(磁力発生手段)126は、Yスライダ120の一端側のヘッド部121をガイドレール110の第1案内面110Aに沿ってY軸方向に移動自在に支持しながらX軸方向に拘束力を発揮するためのものであり、ガイドエアベアリング125は、ガイドレール110の第1案内面110Aに対してエアを吹き出すことにより、Yスライダ120のヘッド部121に浮上力を与え、永久磁石よりなるガイドプリロードマグネット126は、ガイドレール110の第1案内面110AとYスライダ120のヘッド部121との間に前記浮上力に対抗するプリロードとして磁気吸引力を発生させ、前記と同じ原理で、浮上力と磁気吸引力のバランスにより、ガイドレール110の第1案内面110AからYスライダ120を一定量だけ浮上させて非接触状態でガイドする。
前記リフトエアベアリング123、リフトプリロードマグネット124、ガイドエアベアリング125、ガイドプリロードマグネット126は、それぞれが対で設けられており、Yスライダ120のヘッド部121の長さ方向の中心線(直線案内部122の幅方向の中心線でもある)に対して対称に配置されている。
この場合、リフトエアベアリング123が一番外側に配置され、その内側にリフトプリロードマグネット124及びガイドプリロードマグネット126が配置され、そのさらに内側にガイドエアベアリング125が配置されている。
つまり、対をなすリフトエアベアリング123、123間の距離ができるだけ大きくなるように設定されている。これは、リフトエアベアリング123、123間の距離を大きくすると、Yスライダ120のX軸回りの回転θxを抑制する(θx方向の剛性を高める)ことができるからである。
なお、エアを吹き出して浮上力を発生するリフトエアベアリング123、127とガイドエアベアリング125は、図4に示すように、球面継手129を介してYスライダ120に接続されている。
このような構成により、Yスライダ120は、スライドベース102〜104上に浮上した状態で、Y軸方向にのみ移動自在とされている。そして、図1に示すように、Yスライダ120の一端側と他端側にそれぞれ独立して、Yスライダ120の一端側をY軸方向に駆動する第1Y軸リニアモータ(第1Y軸駆動手段)141と、他端側をY軸方向に駆動する第2Y軸リニアモータ(第2Y軸駆動手段)142とが設けられている。なお、リニアモータ141、142は、ベース101側と非接触でYスライダ120に対し駆動力を伝達することができるものである。
また、Yスライダ120の一端側と他端側にはそれぞれ、Yスライダ120の一端側のY軸方向の位置を検出する第1Y軸リニアエンコーダ(第1位置検出手段)143と、Yスライダ120の他端側のY軸方向の位置を検出する第2Y軸リニアエンコーダ(第2位置検出手段)144とが設けられており、図示しない制御手段が、これらリニアエンコーダ143、144の検出信号に基づいて、第1Y軸リニアモータ141及び第2Y軸リニアモータ142を制御するようになっている。
第1Y軸リニアモータ141は、Yスライダ120を構成する弾性ヒンジプレート200の第1リンク201(実際には第1リンク201と結合されたヘッド部121)を駆動するように設けられ、第2Y軸リニアモータ142は、Yスライダ120を構成する弾性ヒンジプレート200の第2リンク202(実際には第2リンク202と結合された部材)を駆動するように設けられている。
同様に、第1Y軸リニアエンコーダ143は、Yスライダ120を構成する弾性ヒンジプレート200の第1リンク201(実際には第1リンク201と結合されたヘッド部121)のY軸方向の位置を検出するように設けられ、第2Y軸リニアエンコーダ144は、Yスライダ120を構成する弾性ヒンジプレート200の第2リンク202(実際には第2リンク202と結合された部材)のY軸方向の位置を検出するように設けられている。
一方、Xスライダ130は、図3に示すように側壁131と上壁132とを有する断面逆L字形に形成されており、Yスライダ120の直線案内部122の上に被さるように載っている。Xスライダ130の側壁131は、Yスライダ本体220の第2案内面120Aに対向する位置にあり、この側壁131の内面には、第2案内面120Aに対向させて、2つのガイドエアベアリング133と、それらの間に1つのガイドプリロードマグネット134とが配されている。また、Xスライダ130には3つのリフトエアベアリング135が配置されている。3つのリフトエアベアリング135は、Yスライダ120と干渉しない位置で、Xスライダ130をバランス良く支持できる位置に配されている。なお、ガイドエアベアリング133とリフトエアベアリング135は、球面継手136、137を介してXスライダ130に接続されている。
3つのリフトエアベアリング(リフト用のガスベアリング)135は、Xスライダ130をX−Y平面内にて移動可能に支持するためのもので、スライドベース103の基準案内面105に対してエアを吹き出すことにより、Xスライダ130に浮上力を与える。そして、エアベアリング作用による浮上力とXスライダ130の自重とのバランスによって、Xスライダ130を、基準案内面105上に所定高さで非接触状態で支持する。
また、ガイドエアベアリング(ガイド用のガスベアリング)133及びガイドプリロードマグネット(磁力発生手段)134は、Xスライダ130をYスライダ120の第2案内面120Aに沿ってX軸方向に移動自在に支持しながらY軸方向に拘束力を発揮するためのものであり、ガイドエアベアリング133は、Yスライダ120の第2案内面120Aに対してエアを吹き出すことにより、Xスライダ130に第2案内面120Aに対する浮上力(離反力)を与え、永久磁石よりなるガイドプリロードマグネット134は、Yスライダ120の第2案内面120AとXスライダ130の側壁131との間に前記浮上力に対抗するプリロードとして磁気吸引力を発生させ、浮上力と磁気吸引力のバランスにより、Yスライダ120の第2案内面120AからXスライダ130を一定量だけ浮上させて非接触状態でガイドする。
このような構成により、Xスライダ130は、スライドベース103上に浮上した状態で、Yスライダ本体220に案内されてX軸方向にのみ移動自在とされている。そして、図3に示すように、Yスライダ本体220の上面に設置したX軸リニアモータ151によって、Xスライダ130がX軸方向に駆動されるようになっている。また、Xスライダ130には、Xスライダ130のX軸方向の位置を検出するX軸リニアエンコーダ152が設けられており、図示しない制御手段が、このX軸リニアエンコーダ152の検出信号に基づいて、X軸リニアモータ151を制御するようになっている。
次に制御系について説明する。
Yスライダ120のY軸方向の位置制御、並びに、Xスライダ130のX軸方向の位置制御は、Y軸リニアモータ141、142やX軸リニアモータ151の推力を、Y軸リニアエンコーダ143、144やX軸リニアエンコーダ152の検出信号に基づいてフィードバック制御することで行うことができる。
Xスライダ130の位置制御については従来と特に変わりないが、Yスライダ120の位置制御については特徴があるので以下に説明する。
先にも述べたように、Yスライダ120は、片端部(一端側)のみをガイドレール110によってガイドするという構造上の特徴ゆえに、Z軸回りの回転θzを生じやすい構造になっている。特に、Yスライダ120には弾性ヒンジプレート200が含まれており、微小角度(±1〜3deg)ではあるが、この弾性ヒンジプレート200によって、積極的にZ軸回りの回転自由度(θz)を得られるようにしている。
また、この実施形態のX−Yステージ装置では、位置決め精度及び水平方向案内精度を確保する制御方式として、Yスライダ120の一端側(第1リンク201側)と他端側(第2リンク側)に2組の計測・駆動系を設けて、Y−θ制御方式を採用している。ここで、θはθzのことである。
その詳細を図6を用いて説明する。
第1Y軸リニアエンコーダ143の測定値をY1FB、第2Y軸リニアエンコーダ144の測定値をY2FBとすると、Y軸方向のフィードバック値YFBは、
YFB =(Y1FB+Y2FB)/2
となる。
また、回転角が微小であることを考慮すると、θ軸(θz)のフィードバック値θFBは、
θFB =(Y1FB−Y2FB)/L
となる。
そこで、フィードバック値YFB、θFBとY軸・θ軸への目標値Yref、θrefとの偏差演算を行い、Y軸・θ軸への力指令値FY、Fθを算出する。この力指令値から、各リニアモータ141、142への力指令値FY1、FY2の演算式は次式のようになる。
FY1 =FY +Fθ
FY2 =FY −Fθ
従って、上式の演算結果を各モータアンプ147、148に出力することにより、Yスライダ120のY−θ方向の制御を行う。
次に作用を説明する。
このX−Yステージ装置において、固定部分は、ベース101、スライドベース102〜104、ガイドレール110である。また、Y軸方向に直線案内される部分は、Yスライダ120、リフトエアベアリング123、ガイドエアベアリング125、リフトプリロードマグネット124、ガイドプリロードマグネット126である。また、Y軸方向に直線案内されながらX軸方向にも直線案内される部分は、Xスライダ130、ガイドエアベアリング133、ガイドプリロードマグネット134、リフトエアベアリング135である。
従って、このステージ装置においては、第1Y軸リニアモータ141及び第2Y軸リニアモータ142を駆動すると、Yスライダ120が、ガイドレール110によってX軸方向に拘束されながらY軸方向に駆動される。その際、リフトエアベアリング123、127及びリフトプリロードマグネット124、128の作用により、Yスライダ120は、スライドベース102〜104の基準案内面105に対して一定の浮上隙間を確保しながら非接触状態で案内される。また、ガイドエアベアリング125及びガイドプリロードマグネット126の作用により、Yスライダ120は、ガイドレール110の第1案内面110Aに対して一定の浮上隙間(ギャップ)を確保しながら非接触状態で案内される。
ここで、このX−Yステージ装置では、ガイドレール110を敢えて1本だけに限定して設けており、そのガイドレール110に片持式にYスライダ120の弾性ヒンジプレート200を支持させている。そして、Yスライダ120のX軸方向の位置決めを、片端側(一端側)のみとして、他端側は基本的にガイドフリーにしている。
従って、この支持構造の特徴から、Yスライダ120は、X−Y平面に直交する軸(Z軸)回りの回転自由度(θzの自由度)を得ることになる。そして、このステージ装置では、Yスライダ120の弾性ヒンジプレート200の一端側(第1リンク201側)と他端側(第2リンク側)とを独立して位置制御できるように計測・駆動系を2組設けている。これにより、自由にYスライダ120のZ軸回りの回転θzを制御できるようになる。
例えば、先に述べたように、第1、第2Y軸リニアエンコーダ143、144の位置検出信号に基づいて第1、第2Y軸リニアモータ141、142をフィードバック制御すれば、片持式のガイドでありながら、Y軸方向の位置精度を、従来よりも高めることができる。
また、片持式のガイドであるという特徴を生かすことで、第1、第2Y軸リニアエンコーダ143、144の位置検出信号に基づいて第1、第2Y軸リニアモータ141、142をフィードバック制御することにより、Yスライダ120を構成する弾性ヒンジプレート200上のYスライダ本体220を、Z軸回りに積極的に回転制御(θz制御)することができるようになる。
即ち、弾性ヒンジプレート200に図5(a)の矢印のような力が働くと、図5(b)に示すように、弾性ヒンジ205〜208、210、211が曲げ変形して、リニアモータを連結した第1、第2リンク201、202は回転することなく並進変位のみし、別の2つのX軸方向に沿った第3、第4リンク203、204に回転変位(回転θz)が得られる。この場合のθz方向の回転位置は、第1、第2リンク201、202のY軸方向の変位をY1、Y2とすると、次式により得られる。
θz=sin-1〔(Y1−Y2)/L〕 但し、L:ヒンジ間距離
ここで、Yスライダ本体220と弾性ヒンジプレート200は第3リンク203でのみ連結されており、他のリンク201、202、204はフリーとなっている。このため、Yスライダ本体220は、第3リンク203と共にθz方向に回転することになる。
なお、ヒンジ間距離Lと第1、第2Y軸リニアエンコーダ143、144の分解能の組み合わせにより、θz方向の任意の駆動分解能を得ることができる。また、弾性ヒンジプレート200に中間ヒンジ209を設けたことで、軽量でありながら十分な剛性を確保しており、Yスライダ本体220の第2案内面120Aのθz回転精度を高めることに寄与している。
この場合、弾性ヒンジプレート200が平行リンク機構であるために、次のような作用効果を得ることができる。
即ち、図7(a)に示すように、第1リンク201と第2リンク202を第1Y軸リニアモータ141と第2Y軸リニアモータ142によって独立してY軸方向に駆動した際に、第1、第2リンク201、202は並進することになるが、第1リンク201がY軸方向に平行な姿勢で拘束されているため、自由端側の第2リンク202も、Y軸方向に対して斜めになることなく、平行に変位することになる。
従って、Z軸回りの回転θzの変化の大きさに拘わらず、第2リンク202が常にY軸方向に平行に変位することによって、Yスライダ120の他端側に位置する第2リンク202の位置を第2Y軸リニアエンコーダ144によって検出する際に、検出異常が発生しにくくなる。
例えば、第2Y軸リニアエンコーダ144の可動側(ここでは第2リンク202)に発光部、固定側に受光部を設けたとすると、可動側の第2リンク202から出射する検出光Kは、第2リンク202に対して垂直に出ていき、受光部に達する。
このとき、弾性ヒンジプレートを用いない図7(b)の例の場合は、θzの変位が大きくなるに従い、発光側と受光側との光軸がずれ(斜めに光Kが届くことになり)、検出異常が生じやすくなる。
これに対し、図7(a)の弾性ヒンジプレート200を用いた場合は、前述したように第2リンク202がY軸方向に平行に変位するので、常に発光側と受光側の平行度が保たれ、検出異常が生じることがない。従って、常に良好な検出を行うことができ、それに基づくθz制御の精度向上が図れる。
また、Yスライダ120の動きとは別に、X軸リニアモータ151を駆動すると、Xスライダ130がYスライダ本体220によってY軸方向に拘束されながらX軸方向に駆動される。その際、リフトエアベアリング135の作用により、Xスライダ130は、スライドベース102〜104の基準案内面105に対して一定の浮上隙間を確保しながら非接触状態で案内される。また、ガイドエアベアリング133及びガイドプリロードマグネット134の作用により、Xスライダ130は、Yスライダ120の第2案内面120Aに対して一定の浮上隙間(ギャップ)を確保しながら非接触状態で案内される。
そして、Yスライダ120のY軸方向の駆動制御と、Xスライダ130のYスライダ120に対するX軸方向の駆動制御とにより、Xスライダ130がX−Y平面内の任意の位置に駆動制御される。
この場合、特にリニアモータ141、142でYスライダ120を非接触的に駆動するようにしているので、Yスライダ120の自由端側の動きを許容できる点で最適であり、応答性も高めることができる。しかも、非接触なので転動疲労がなく、位置決め精度も高くできる。
また、このX−Yステージ装置の場合、ガイドレール110が1本に絞られているので、構造が単純化される上、加工精度をあまり高くしないでも、必要十分なY軸方向の位置決め精度を出せるようになる。また、ガイドレール110が1本であるために、従来のように相互の平行度を確保しながらの2本のガイドレールを組み付けるといった組み付けの面倒が不要となる。また、ベアリングの数も減らせるので、結果的に、加工コストや組付コストを含めた製造コスト全体の低減が図れる。また、ガイドレール110が1本になったので、可動部質量が軽くなり、応答性が高まる。
また、Yスライダ120のガイドエアベアリング125による案内系にマグネットプリロード方式を採用しているので、案内剛性を高めることができる上、Yスライダ120のガイドレール110からの浮上隙間(浮上量)を精度良く一定に保つことができ、Yスライダ120のX軸方向の位置決め精度を高めることができる。
また、図10の従来例のように、両サイドの2本のガイドレールに対してYスライダを突っ張ることでX軸方向の位置決めを行う方式を採用するのではなく、片側のみのガイドレール110の1つの案内面110Aだけで、Yスライダ120をX軸方向に精度良く位置決めすることができるようになるので、Yスライダ120をガイドする案内面の数を最小にし、エアベアリングの数も半減することができる。従って、当然、Yスライダ120の質量を軽くすることができて、応答性を高めることができる。
同様に、Xスライダ130のガイドエアベアリング133による案内系にもマグネットプリロード方式を採用しているので、同案内系の剛性を高めることができる上、Xスライダ130のYスライド120からの浮上隙間(浮上量)を精度良く一定に保つことができ、Xスライダ130のY軸方向の位置決め精度を高めることができる。
また、図10の従来例のように、浮上力とプリロードとをバランスさせるために、Yスライダの両横面に設けた2つの案内面を逆U字状断面のXスライダで挟み込む方式を採用するのではなく、1つの案内面120Aだけで、Xスライダ130をY軸方向に精度良く位置決めすることができるようになるので、Xスライダ130をガイドする案内面の数を最小にし、エアベアリングの数も半減することができる。従って、当然、Xスライダ130の質量を軽くすることができて、応答性を高めることができる。
また、このX−Yステージ装置では、Yスライダ120のヘッド部121に設けたリフトエアベアリング123のベアリング間隔を、ガイドエアベアリング125のベアリング間隔よりも大きく設定しているので、X軸回りのYスライダ120の回転θxを抑制する点では好ましくなる。つまり、リフトエアベアリング123のベアリング間隔を大きくしたことにより、ステージのピッチング運動θxによる運動誤差を低減することができる。また、これによりスライドベース102〜104の加工誤差を平均化することができ、垂直方向の真直度の低下を防止できる。
また、先に述べたように、Z軸回りの回転θzを任意の値に積極的に制御することができることから、X−Yガイド系を実施的に回転させることができるようになり、例えば、X−Y座標に対してワークがずれて置かれた場合に、ワークを置き直すことなく、X−Y座標側をワークに合わせて補正することができるようになる。
また、θz方向の駆動制御を、Y軸方向の2つのリニアモータ141、142によって行う構成としているので、図11のθテーブルのような別の装置を取り付ける必要がなく、その分のコストが不要となる。また、θテーブルのような別の装置が不要であるから、全体重量の軽減を図ることができ、加減速性能の低下を最小限にとどめることができる。
また、θテーブルを積み重ねないですむので、アッベ誤差の増大を抑制することができるし、重心位置が高くならないから、X軸回りの回転振動(ピッチング)が生じにくくなって、位置決めする際の整定時間を短縮できる。
平行リンク機構として弾性ヒンジプレート200を採用したから、バックラッシュのない高精度なθz位置決め性能が得られる。特に、弾性ヒンジ205〜208の曲げ方向をX軸方向に揃えたことにより、中間リンク209の両端の弾性ヒンジ210、211を含めて全部の弾性ヒンジの曲げ方向がX軸方向に揃うので、各弾性ヒンジにおける曲げ変形性能が統一しやすくなり、加工の容易さと共に、θz制御の際の精度向上に寄与することができる。
また、平行リンク機構は第1〜第4のリンク201〜204、中間リンク209、及び、全部の弾性ヒンジ205〜208、210、211を組み合わせて作られるが、すべて1枚の金属プレートから切り出して一体に形成することで、平行リンク機構としての精度向上及び製作の容易化が図れる。また、1枚のプレートとしての簡単な構造であるので、軽量化及び低コスト化が図れる。
なお、弾性ヒンジプレートの構造は平行リンク機構を構成するものであれば、特に形状的に制限されるものではなく、要はY軸方向に沿って互いに平行な一対のリンクを有していれば良い。従って、図8に示す弾性ヒンジプレート300のように、第1〜第4の4つのリンク301〜304を互いに連結する弾性ヒンジ305〜308の曲げ変形の方向をY軸方向に揃えたものとしてもよい。この場合は、前記の4つの弾性ヒンジ305〜308の向きが、中間リンク309の両端の弾性ヒンジ310、311の向きと異なってしまうが、平行リンク機構としての機能には差違はない。
以上、本発明の実施形態に係るステージ装置がX−Yステージ装置に適用された例を示して説明してきたが、本発明は、Xスライダを有しない(Yスライダのみを有する一軸のステージ装置)にも適用可能なのは言うまでもない。
製造精度をそう高く設定しなくても、スライダを、移動させようとする軸のみに沿って応答性良く、且つ精度良く移動・位置決めすることのできる、低コストのステージ装置として利用できる。
本発明の実施形態に係るステージ装置を、X−Yステージ装置に適用した平面図 図1のII矢視図 図1のIII矢視図 図1のIV矢視部分の概略拡大斜視図 弾性ヒンジプレートの平面図 X−Yステージ装置におけるYスライダの駆動制御系のブロック図 弾性ヒンジプレートの作用説明図 弾性ヒンジプレートの別の例を示す平面図 従来のX−Yステージ装置の一例を示す斜視図 別の従来のX−Yステージ装置の例を示す斜視図 従来のX−Yステージ装置に取り付けるθテーブルの平面図
符号の説明
101…ベース
102〜104…スライドベース
105…基準案内面
110…ガイドレール
110A…第1案内面
120…Yスライダ
120A…第2案内面
121…ヘッド部(一端側)
123…リフトエアベアリング(リフト用のガスベアリング)
124…リフトプリロードマグネット(磁力発生手段)
125…ガイドエアベアリング(ガイド用のガスベアリング)
126…ガイドプリロードマグネット(磁力発生手段)
127…リフトエアベアリング(リフト用のガスベアリング)
128…リフトプリロードマグネット(磁力発生手段)
129…球面継手
130…Xスライダ
133…ガイドエアベアリング
134…ガイドプリロードマグネット
135…リフトエアベアリング
136,137…球面継手
141…第1Y軸リニアモータ(第1Y軸駆動手段)
142…第2Y軸リニアモータ(第2Y軸駆動手段)
143…第1Y軸リニアエンコーダ(第1Y軸位置検出手段)
144…第2Y軸リニアエンコーダ(第2Y軸位置検出手段)
151…X軸リニアモータ
152…X軸リニアエンコーダ
200…弾性ヒンジプレート
201…第1リンク
202…第2リンク
203…第3リンク
204…第4リンク
205〜208…弾性ヒンジ
209…中間リンク
210,211…弾性ヒンジ
220…Yスライダ本体
300…弾性ヒンジプレート
301…第1リンク
302…第2リンク
303…第3リンク
304…第4リンク
305〜308…弾性ヒンジ
309…中間リンク
310,311…弾性ヒンジ

Claims (6)

  1. 互いに直交する2軸方向をX軸方向、Y軸方向とし、X軸とY軸とを含む平面をX−Y平面とした場合、
    前記Y軸方向に平行な案内面を有したガイドレールと、
    一端が前記案内面に沿って移動自在に支持され、且つ、他端が自由端として前記X軸方向に延在されたYスライダと、を有し、
    該Yスライダが、Y軸方向に沿って互いに平行に配置されて互いに対して並進変位自在な一対の第1、第2リンクと、該第1、第2リンクを連結する連結リンクからなる平行リンク機構を含んで構成されており、
    前記第1、第2リンクのうちの一方のリンクが、当該Yスライダの一端側に配されて、前記ガイドレールの案内面に沿って移動自在に支持されている
    ことを特徴とするX−Yステージ装置。
  2. 請求項1において、更に、
    前記Yスライダの一端側をY軸方向に駆動する第1Y軸駆動手段と、前記Yスライダの他端側をY軸方向に駆動する第2Y軸駆動手段と、を有する
    ことを特徴とするステージ装置。
  3. 請求項1または2において、更に、
    前記Yスライダの一端側のY軸方向の位置を検出する第1位置検出手段と、
    前記Yスライダの他端側のY軸方向の位置を検出する第2位置検出手段と、
    前記第1及び第2位置検出手段の検出信号に基づいて、前記第1Y軸駆動手段及び第2Y軸駆動手段を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とするステージ装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記連結リンクは互いに平行な一対の第3、第4リンクであって、前記第1、第2リンクと連結されることにより平行四辺形の平行リンク機構となる
    ことを特徴とするステージ装置。
  5. 前記1〜4のいずれかにおいて、
    前記平行リンク機構は、それぞれのリンクがX−Y平面内で曲げ変形可能な弾性ヒンジにより連結されている
    ことを特徴とするX−Yステージ装置。
  6. 請求項2において、
    前記第1Y軸駆動手段及び第2Y軸駆動手段が、それぞれ非接触で前記Yスライダの一端側及び他端側に駆動力を伝達するリニアモータで構成されている
    ことを特徴とするステージ装置。
JP2005036634A 2005-02-14 2005-02-14 X−yステージ装置 Expired - Fee Related JP4231486B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005036634A JP4231486B2 (ja) 2005-02-14 2005-02-14 X−yステージ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005036634A JP4231486B2 (ja) 2005-02-14 2005-02-14 X−yステージ装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000391044A Division JP3673169B2 (ja) 2000-12-22 2000-12-22 X−yステージ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005195606A JP2005195606A (ja) 2005-07-21
JP4231486B2 true JP4231486B2 (ja) 2009-02-25

Family

ID=34824745

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005036634A Expired - Fee Related JP4231486B2 (ja) 2005-02-14 2005-02-14 X−yステージ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4231486B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106960690A (zh) * 2016-08-08 2017-07-18 哈尔滨工业大学 基于圆弧铰链夹持与多自由度解耦的圆柱度仪水平导轨驱动装置

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4987465B2 (ja) * 2006-12-29 2012-07-25 新日本製鐵株式会社 下部槽又は中間槽の芯合わせ装置および芯合わせ方法
JP2010159146A (ja) * 2009-01-09 2010-07-22 Canon Machinery Inc 搬送装置
JP5026455B2 (ja) 2009-03-18 2012-09-12 住友重機械工業株式会社 Xyステージ装置、半導体検査装置、及び半導体露光装置
KR101588973B1 (ko) * 2014-10-13 2016-01-27 에스엔유 프리시젼 주식회사 유기물 증착 장치
JP6723642B2 (ja) * 2016-05-16 2020-07-15 住友重機械工業株式会社 ステージ装置
JP6761279B2 (ja) 2016-05-16 2020-09-23 キヤノン株式会社 位置決め装置、リソグラフィー装置および物品製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106960690A (zh) * 2016-08-08 2017-07-18 哈尔滨工业大学 基于圆弧铰链夹持与多自由度解耦的圆柱度仪水平导轨驱动装置
CN106960690B (zh) * 2016-08-08 2019-02-15 哈尔滨工业大学 基于圆弧铰链夹持与多自由度解耦的圆柱度仪水平导轨驱动装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005195606A (ja) 2005-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4231486B2 (ja) X−yステージ装置
TWI310328B (en) Gantry positioning system
US5760564A (en) Dual guide beam stage mechanism with yaw control
JP3673169B2 (ja) X−yステージ装置
CN104105941A (zh) 具有被约束的配重的坐标测量机
US7243571B2 (en) Ultra-precision positioning system
US6150740A (en) Linear motion carriage system and method with bearings preloaded by inclined linear motor with high attractive force
US7504794B2 (en) Planar motor
KR101210452B1 (ko) 스테이지
KR100570445B1 (ko) 엑스-와이 스테이지 장치
JP4962779B2 (ja) ステージ装置およびその浮上制御方法と、ステージ装置を用いた露光装置
JP4323087B2 (ja) X−yステージ装置
JP4335704B2 (ja) X−yステージ装置
IL261177A (en) Stage navigation bar that compensates for comment
CN114123851A (zh) 一种六自由度调姿平台
JP4735576B2 (ja) 摩擦駆動搬送装置
KR20120058273A (ko) 유연기구를 이용한 회전 오차 보상 스테이지
JPS60127932A (ja) Xyステ−ジ
JP6662089B2 (ja) ステージ装置
JP5677360B2 (ja) 三次元座標測定機
JP6025905B2 (ja) 三次元座標測定機
JP5717914B1 (ja) 三次元座標測定機
JP5676045B2 (ja) 三次元座標測定機
JP4962780B2 (ja) ステージ装置およびその浮上制御方法と、ステージ装置を用いた露光装置
JP4784905B2 (ja) Xy位置決め装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080819

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081020

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081202

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081205

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111212

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111212

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121212

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121212

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131212

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees