JP4228676B2 - Simoxウェーハの製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、SIMOX(Separation by IMplanted OXygen)ウェーハの製造方法に関する。更に詳しくは、表面の金属汚染を低減しかつ埋込み酸化膜の絶縁耐圧特性の優れたSIMOXウェーハの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、SOI(Silicon On Insulator)ウェーハの製造方法の1つとして、SIMOX法(例えば、特許文献1参照)が知られている。このSIMOX法では、加速エネルギー約200keVかつドーズ量約2×1018atoms/cm2で酸素イオンを注入し、アズ・インプラ(酸素イオンの注入後であって熱処理前の状態)で化学量論的な埋込み酸化膜(Buried OXide、以下、BOXという)を形成した後、SOI層の結晶性回復及びBOXの改質のために熱処理を施す。この方法で製造されたSIMOXウェーハは高ドーズSIMOXウェーハと呼ばれる。
しかし、この高ドーズSIMOXウェーハでは、SOI層に貫通転位が多く発生したり、酸素イオンの注入時間が長く製造コストが増大するなどの問題点があった。
【0003】
そこで、SOI層における貫通転位の低減や製造コストの低減について多くの検討が行われ、低ドーズSIMOX技術が提案された(例えば、特許文献2参照)。この低ドーズSIMOX技術では、加速エネルギー180keVかつドーズ量4×1017atoms/cm2で酸素イオンを注入した後に、熱処理を施すことにより、連続するBOXを形成できる。この連続するBOXの形成は、加速エネルギーが180keVであって、ドーズ量が4×1017atoms/cm2程度である場合に限って可能であるため、このドーズ量はドーズ・ウィンドウと呼ばれる。
しかし、上記低ドーズSIMOXウェーハではBOXの厚さが薄いため、BOXの信頼性が低下する問題点があった。
【0004】
この点を解消するために開発されたのがITOX(Internal Thermal OXidation)技術である(例えば、特許文献3及び4参照)。このITOX技術とは、BOXの膜厚が酸素イオンのドーズ量により計算される理論的膜厚になるアニール処理を濃度1%以下の酸素を含むアルゴンガス雰囲気中で行った後に、濃度1%を越える酸素を含むアルゴンガス雰囲気中で酸化処理を施すことにより、BOXを厚膜化する技術である。このITOX技術の導入により、低ドーズSIMOXウェーハのBOXの信頼性が向上した。
しかし、上記ITOX技術を導入した低ドーズSIMOX法であっても、酸素イオンのドーズ量が4×1017atoms/cm2と未だ多いため、イオン注入時間が1バッチ処理当り数時間も掛かるのに加えて、ITOX処理を施す必要があるため、熱処理時間も長くなり、生産効率が低下し製造コストが増大する問題点があった。
【0005】
一方、SIMOXウェーハの製造方法において、酸素イオンの注入を2段階に分けて行う方法が開示されている(例えば、特許公報5参照)。この2段階酸素イオン注入法では、シリコンウェーハを200〜700℃に加熱した状態で1回目の酸素イオンの注入を行い、次にシリコンウェーハを25〜200℃に冷却した状態で2回目の酸素イオン注入を行う。この2段階酸素イオン注入法では、1回目の酸素イオン注入時にシリコンウェーハを加熱することでシリコンウェーハ表面を単結晶のまま維持し、2回目の酸素イオン注入によりシリコンウェーハ内にアモルファス層を形成する。次にこのシリコンウェーハを高温で酸化処理することにより、シリコンウェーハにSOI構造を形成する。この熱処理により、上記アモルファス層から多結晶、双晶、積層欠陥からなる高密度欠陥層が形成される。この高密度欠陥層が形成された領域は酸素の拡散が速いので、酸素イオンのドーズ量から理論的に予想される厚さの2倍程度の厚さまでBOXを厚く形成できる。この方法によって製造されたSIMOXウェーハは、MLD(Modified Low Dose)−SIMOXと呼ばれている。
【0006】
【特許文献1】
泉勝俊、他2名,「CMOS Device Fabricated on Buried SiO2 Layers Formed by Oxygen Implantation into Silicon」エレクトロニクス・レターズ(Electronics Letters),1978年,第14巻,p.593−594
【0007】
【特許文献2】
中嶋定夫、他1名,「Analysis of buried oxide layer formation and mechanism of threading dislocation generation in the substoichiometric oxygen dose region」,ジャーナル・オブ・マテリアルズ・リサーチ(Journal of Mterials Research),1993年,第8巻,p.523−534
【0008】
【特許文献3】
中嶋定夫、他6名,「Thickness Increment of Buried Oxide in a SIMOX Wafer by High-temperature Oxidation」,プロシーディング・1994・アイイーイーイー・インターナショナル・エスオーアイ・コンフェレンス(Proceedings 1994 IEEE International SOI Conference),1994年,p.71−72
【0009】
【特許文献4】
特開平7−263538号公報
【0010】
【特許文献5】
米国特許第5930643号明細書
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のいずれのSIMOX法であっても、これらのSIMOX法で高品質なBOXを形成するために、熱処理時にウェーハを1300℃以上という高温に保持しなければならず、熱処理時にウェーハが金属汚染を受けてウェーハ表面に金属不純物が付着し易くなる問題点があった。この金属不純物をウェーハ表面から除去する方法として、酸素を含む雰囲気に塩化水素系ガスを混合する方法がデバイス製造において実用化されており、この方法は一般に塩酸酸化法と呼ばれている。
しかし、本発明者らが、熱処理時の酸素を含む不活性ガス雰囲気に塩化水素系ガスを一定量混合して、MLD−SIMOXを作製したところ、ウェーハ表面の金属汚染は低減できるものの、BOXの絶縁耐圧特性が低下してしまう問題点があることが分かった。
【0012】
本発明の目的は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ウェーハ表面の金属汚染を低減でき、かつBOXの絶縁耐圧特性を向上できる、SIMOXウェーハの製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明者らは、酸素を含む不活性ガス雰囲気への塩化水素系ガスの混合方法について検討を重ねた。その結果、酸素イオンを注入したシリコンウェーハに熱処理を行う工程のうち、酸素の含有量の多い高酸素分圧ガス雰囲気で酸化処理を行う工程において塩化水素系ガスを混合すると、ウェーハ表面の酸化膜が厚くなってBOXの厚膜化が抑制され、BOXの絶縁耐圧特性が低下してしまうけれども、酸素の含有量の少ない低酸素分圧ガス雰囲気での処理時に塩化水素系ガスを混合しても、BOXの絶縁耐圧特性は低下しないことを見出した。特に熱処理の最終工程である降温時に塩化水素系ガスを混合すると、ウェーハ表面の金属汚染を効果的に低減できることを見出した。
【0014】
また、本発明者らは、MLD−SIMOX法において、1回目の酸素イオンのドーズ量が多いと、BOXにシリコン島が発生しBOXの絶縁耐圧特性が低下してしまうけれども、1回目の酸素イオンのドーズ量を低ドーズSIMOX法のドーズ量の半分以下である2×1017atoms/cm2以下にしても、連続するBOXを形成でき、しかもBOXの厚さが薄くなるにも拘らず、BOXの絶縁耐圧特性を向上できることを見出した。
【0015】
請求項1に係る発明は、図1及び図2に示すように、シリコンウェーハ11に酸素イオンを注入した後に、シリコンウェーハ11に所定の熱処理を行うことにより、シリコンウェーハ11の内部にBOX14を形成するSIMOXウェーハの製造方法の改良である。
その特徴ある構成は、所定の熱処理が、シリコンウェーハ11を酸素分圧比5%未満の低酸素分圧ガス雰囲気で昇温する工程と、シリコンウェーハ11を酸素分圧比5%以上の高酸素分圧ガス雰囲気で酸化処理を行う工程及びシリコンウェーハ11を酸素分圧比5%未満の低酸素分圧ガス雰囲気でアニール処理を行う工程のいずれか一方又は双方と、シリコンウェーハ11を酸素分圧比5%未満の低酸素分圧ガス雰囲気で降温する工程とを含み、上記昇温工程とアニール処理工程と降温工程のうち少なくとも1の工程で塩化水素系ガスを酸素分圧比5%未満の低酸素分圧ガスに混合するところにある。
【0016】
この請求項1に記載されたSIMOXウェーハの製造方法では、酸素分圧比を5%未満にした昇温工程とアニール処理工程と降温工程のうち少なくとも1の工程で低酸素分圧ガスに多くの塩化水素系ガスを混合しても、BOX14の絶縁耐圧特性は低下しないので、この塩化水素系ガスがウェーハ11表面の汚染金属であるFeやCuなどと結合し、塩化鉄や塩化銅などのガスとなってウェーハ11から除去される。この結果、ウェーハ11表面の金属汚染を低減することができる。特に所定の熱処理の最終工程である降温工程時に低酸素分圧ガスに多くの塩化水素系ガスを混合すると、熱処理後のウェーハ11表面の金属汚染を低減することができる。なお、所定の熱処理に酸化工程を含む場合、酸化処理時に酸素分圧比を5%以上にすることにより、高酸素分圧ガスに含まれる酸素をBOX14を形成するために利用できるけれども、この高酸素分圧ガスに多くの塩化水素系ガスを混合すると、BOX14の厚膜化が抑制されて、BOX14の絶縁耐圧特性が低下してしまうため、塩化水素系ガスを混合しないか、或いは混合してもその混合量を抑制する。
【0017】
請求項2に係る発明は、図1に示すように、酸素イオンの注入工程が、シリコンウェーハ11を200℃以上に加熱した状態で酸素イオンを5×1016〜2×1017atoms/cm2のドーズ量で注入する第1注入工程と、この第1注入工程に引き続いて行いシリコンウェーハ11を200℃未満に冷却した状態で酸素イオンをドーズ量1×1014〜5×1016atoms/cm2で注入する第2注入工程とを含むSIMOXウェーハの製造方法である。
【0018】
この請求項2に記載されたSIMOXウェーハの製造方法では、1回目の酸素イオンのドーズ量を5×1016〜2×1017atoms/cm2と従来の低ドーズSIMOX法のドーズ量より少なくしたので、BOX14に発生するシリコン島を低減できるとともに、酸素イオンの注入時の金属汚染を低減できかつ酸素イオンの注入時間を短縮できる。また2回目の酸素イオンのドーズ量を1回目の酸素イオンのドーズ量より少なくしたので、BOX14に発生するシリコン島を低減できる。
【0019】
請求項3に係る発明は、図1及び図2に示すように、酸素イオンの注入工程が、シリコンウェーハ11を200℃以上に加熱した状態で酸素イオンを5×1016〜2×1017atoms/cm2のドーズ量で注入する第1注入工程と、この第1注入工程に引き続いて行いシリコンウェーハ11を200℃未満に冷却した状態で酸素イオンをドーズ量1×1014〜5×1016atoms/cm2で注入する第2注入工程とを含み、所定の熱処理が、シリコンウェーハ11を酸素分圧比5%未満の低酸素分圧ガス雰囲気で昇温する工程と、シリコンウェーハ11を酸素分圧比5%以上の高酸素分圧ガス雰囲気で酸化処理を行う工程及びシリコンウェーハ11を酸素分圧比5%未満の低酸素分圧ガス雰囲気でアニール処理を行う工程のいずれか一方又は双方と、シリコンウェーハ11を酸素分圧比5%未満の低酸素分圧ガス雰囲気で降温する工程とを含み、上記昇温工程とアニール処理工程と降温工程のうち少なくとも1の工程で塩化水素系ガスを酸素分圧比5%未満の低酸素分圧ガスに混合するSIMOXウェーハの製造方法である。
【0020】
この請求項3に記載されたSIMOXウェーハの製造方法では、上記2段階の酸素イオンの注入により、BOX14に発生するシリコン島を低減でき、酸素イオンの注入時の金属汚染を低減でき、かつ酸素イオンの注入時間を短縮できるとともに、低酸素分圧ガス雰囲気中で行われる熱処理時にこの低酸素分圧ガスに多くの塩化水素系ガスを混合しても、BOX14の絶縁耐圧特性は低下しないので、ウェーハ11表面の金属汚染を低減することができる。この結果、清浄で電気特性の優れたウェーハ11を得ることができる。
【0021】
また塩化水素系ガスを、酸素分圧比5%以上の高酸素分圧ガス処理時に全ガス量に対して0〜0.02容量%混合し、酸素分圧比5%未満の低酸素分圧ガス処理時に全ガス量に対して0.02〜10容量%混合することが好ましい。
更に塩化水素系ガスの液体ソース材料としてトランス−ジクロロエチレンを用いることが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、SIMOXウェーハの製造方法は、シリコンウェーハ11に酸素イオンを注入する工程と、このウェーハ11に所定の熱処理を行う工程とを含む。この実施の形態では、MLD−SIMOX法にてウェーハ11を製造する方法を説明する。なお、SIMOXウェーハをMLD−SIMOX法ではなく、ITOX−SIMOX法などの他のSIMOX法で製造する場合にも適用できる。
【0023】
MLD−SIMOX法では、酸素イオン注入を2段階に分けて行う。1回目の酸素イオンの注入はウェーハ11を200℃以上、好ましくは300〜600℃に加熱した状態で酸素イオンのドーズ量が5×1016〜2×1017atoms/cm2、好ましくは1.25×1017〜1.75×1017atoms/cm2で行う(第1注入工程)。2回目の酸素イオンの注入は1回目の酸素イオンの注入に引き続いて行い、ウェーハ11を200℃未満、好ましくは25〜100℃に冷却した状態で酸素イオンのドーズ量が1×1014〜5×1016atoms/cm2、好ましくは5×1014〜1×1016atoms/cm2で行う(第2注入工程)。
【0024】
1回目の酸素イオンの注入においてウェーハ11を200℃以上に加熱したのは、ウェーハ11表面を単結晶のまま維持してウェーハ11中に酸素の高濃度層12(図1(a))を形成するためであり、2回目の酸素イオンの注入においてウェーハ11を200℃未満に冷却したのは、ウェーハ11中にアモルファス層13(図1(b))を形成するためである。また1回目の酸素イオンのドーズ量を5×1016〜2×1017atoms/cm2の範囲に限定したのは、熱処理後のBOX14に発生するシリコン島を低減するためであり、第1注入工程より第2注入工程の酸素イオンのドーズ量を少なくしたのは、2回目の酸素イオンのドーズ量が多いと、1回目及び2回目の酸素イオンの合計ドーズ量が多くなって、BOX14に発生するシリコン島が増加してしまうからである。
【0025】
一方、上記所定の熱処理は、酸素分圧比5%未満、好ましくは酸素分圧比0.5〜4%の低酸素分圧ガス雰囲気で昇温する工程と、酸素分圧比5%以上、好ましくは酸素分圧比20〜80%の高酸素分圧ガス雰囲気で酸化処理を行う工程と、酸素分圧比5%未満、好ましくは酸素分圧比0.5〜4%の低酸素分圧ガス雰囲気でアニール処理を行う工程と、酸素分圧比5%未満、好ましくは酸素分圧比0.5〜4%の低酸素分圧ガス雰囲気で降温する工程とを含む。この実施の形態では、ウェーハ11を酸化処理した後に、引き続いてウェーハ11をアニール処理する。また高酸素分圧ガスには塩化水素系ガスを混合しないで、低酸素分圧ガスのみに塩化水素系ガスを混合する。なお、高酸素分圧ガスは分圧比5%以上の酸素を含む不活性ガスをいい、低酸素分圧ガスは分圧比5%未満の酸素を含む不活性ガスをいい、不活性ガスとしては、窒素ガスやアルゴンガスが挙げられる。
【0026】
塩化水素系ガスの液体ソース材料としては、HClガスの他に、Trans−LCやトリクロロエチレン(TCA)を用いることができるけれども、TCAは地球のオゾン層を破壊する物質として利用が制限されるようになっており、Trans−LCを用いることが好ましい。Trans−LCの最小プロセス温度は750℃であるため、昇温工程及び降温工程を含む所定の熱処理のうち750℃以上でTrans−LCを混合する。またTrans−LCのキャリヤーガスとしては、窒素ガスやアルゴンガスを使用することが好ましい。更に上記塩化水素系ガスは、酸化処理時、即ち酸素分圧比5%以上の高酸素分圧ガス処理時に全ガス量に対して0〜0.02容積%、好ましくは0〜0.01容積%混合し、アニール処理時、即ち酸素分圧比5%未満の低酸素分圧ガス処理時に全ガス量に対して0.02〜10容量%、好ましくは0.02〜1容量%混合する。
【0027】
上記塩化水素系ガスは、石英容器に貯留した液状のTrans−LCを窒素ガスやアルゴンガスなどでバブリングして生成され、この状態で高酸素分圧ガス又は低酸素分圧ガスに混合する。なお、キャリヤガスの流量の2倍程度の酸素が最小限必要とされる。
【0028】
ウェーハ11の酸化処理時において酸素分圧比を5%以上に限定しかつ塩化水素系ガスの混合流量を0〜0.02容量%に限定したのは、BOXの絶縁耐圧特性の低下を防止するためである。また酸素分圧比が5%未満の処理時に塩化水素系ガスの混合流量を0.02〜10容量%に限定したのは、BOXの絶縁耐圧特性を低下させずにウェーハ11表面の金属汚染を低減するためである。
【0029】
上記酸化処理及びアニール処理は、ウェーハ11を1300℃以上、好ましくは1320〜1350℃に加熱し、この状態に4〜16時間、好ましくは8〜12時間保持して行う。これによりウェーハ11中にBOX14が形成される(図1(c))。上記酸素分圧比や熱処理時間を上記範囲内で変えることにより、表面酸化膜15及び16の厚さを調節でき、これによりSOI層17の厚さを制御できるようになっている。
【0030】
なお、ウェーハをアニール処理した後に酸化処理してもよい。この場合、酸化処理の後の降温工程の雰囲気は、酸素分圧比5%未満の低酸素分圧ガスに塩化水素系ガスを混合した雰囲気であることが好ましい。また、酸化処理時の加熱温度とアニール処理時の加熱温度は同一であっても、或いは異なってもよく、異なる場合(図2の一点鎖線及び二点鎖線で示す。)には、酸化処理とアニール処理との間の昇温工程及び降温工程における雰囲気が酸素分圧比5%未満の低酸素分圧ガスに塩化水素系ガスを混合した雰囲気であることが好ましい。
また、上記所定の熱処理は、アニール処理工程を含まない昇温工程と酸化処理工程と降温工程により構成してもよく、或いは酸化処理工程を含まない昇温工程とアニール処理工程と降温工程により構成してもよい。
【0031】
上記MLD−SIMOX法にて製造されたSIMOXウェーハでは、1回目の酸素イオンのドーズ量を従来の低ドーズSIMOX法のドーズ量(4×1017atoms/cm2)より少ない5×1016〜2×1017atoms/cm2とすることにより、BOX14に発生するシリコン島を低減できるので、BOX14の絶縁耐圧特性を向上できるとともに、酸素イオンの注入時の金属汚染を低減できかつ酸素イオンの注入時間を短縮できるので、ウェーハ11の製造コストを低減できる。また2回目の酸素イオンのドーズ量を1回目の酸素イオンのドーズ量より少なくすることにより、BOX14に発生するシリコン島を低減できるので、BOX14の絶縁耐圧特性を向上できる。更に酸化処理時の高酸素分圧ガスに塩化水素系ガスを混合しなかったので、塩化水素系ガスによるBOX14の絶縁耐圧特性の低下を防止でき、熱処理の昇温時、アニール処理時及び降温時の低酸素分圧ガスに塩化水素系ガスを混合したので、BOX14の絶縁耐圧特性を低下させることなく、ウェーハ表面の汚染金属であるFeやCuなどを塩化鉄や塩化銅などのガスとして除去できる。この結果、ウェーハ11表面の金属汚染を低減できる。従って、ウェーハ表面の金属汚染を低減でき、かつSIMOXウェーハ中のBOXの絶縁耐圧を向上できるので、清浄で電気特性の優れたウェーハ11を得ることができる。
【0032】
【実施例】
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
図1に示すように、シリコンウェーハ11をMLD−SIMOX法により製造した。先ずウェーハ11に酸素イオン注入を2段階に分けて行った。1回目の酸素イオン注入は、ウェーハ11を真空中で400℃に加熱し、酸素イオンのドーズ量を3×1017atoms/cm2として行った。2回目の酸素イオン注入は、1回目の酸素イオン注入に引き続いて行い、ウェーハ11の温度を室温まで下げ、酸素イオンのドーズ量を2×1015atoms/cm2として行った。これによりウェーハ11表面を単結晶のまま維持してウェーハ11中に酸素の高濃度層12及びアモルファス層13を形成した。
【0033】
次にウェーハ11を熱処理炉に収容し、昇温工程で1℃/分の昇温速度で1340℃まで昇温し、酸化処理工程で1340℃に10時間保持し、アニール処理工程で1340℃に5時間保持した後に、降温工程で1℃/分の降温速度で600℃まで降温した。なお、ウェーハ11のアニール処理工程において、熱処理炉に分圧比4%の酸素を含むアルゴンガスを25slm供給しかつTrans−LCを供給する際にキャリヤガス流量5sccm供給し、両者を混合して処理した。またウェーハ11の昇温工程及び降温工程において、熱処理炉に分圧比4%の酸素を含むアルゴンガスのみを25slm供給して処理した。更にウェーハ11の酸化処理工程において、熱処理炉に分圧比40%の酸素を含むアルゴンガスのみを25slm供給して処理した。このように製造されたウェーハ11を実施例1とした。
【0034】
<実施例2>
ウェーハの降温工程において、熱処理炉に分圧比4%の酸素を含むアルゴンガスを25slm供給しかつTrans−LCをキャリヤ−ガス流量で5sccm供給し、両者を混合して処理した。またウェーハの昇温工程及びアニール工程において、熱処理炉に分圧比4%の酸素を含むアルゴンガスのみを25slm供給して処理した。更にウェーハの酸化処理工程において、熱処理炉に分圧比40%の酸素を含むアルゴンガスのみを25slm供給して処理した。上記以外は実施例1と同様にしてウェーハを製造した。このウェーハを実施例2とした。
【0035】
<実施例3>
ウェーハの昇温工程において、熱処理炉に分圧比4%の酸素を含むアルゴンガスを25slm供給しかつTrans−LCを供給する際にキャリヤ−ガス流量5sccm供給し、両者を混合して処理した。またウェーハのアニール工程及び降温工程において、熱処理炉に分圧比4%の酸素を含むアルゴンガスのみを25slm供給して処理した。更にウェーハの酸化処理工程において、熱処理炉に分圧比40%の酸素を含むアルゴンガスのみを25slm供給して処理した。上記以外は実施例1と同様にしてウェーハを製造した。このウェーハを実施例3とした。
【0036】
<比較例1>
ウェーハの昇温工程、アニール処理工程及び降温工程において、熱処理炉に分圧比4%の酸素を含むアルゴンガスのみを25slm供給して処理した。またウェーハの酸化処理工程において、熱処理炉に分圧比40%の酸素を含むアルゴンガスのみを25slm供給して処理した。上記以外は実施例1と同様にしてウェーハを製造した。このウェーハを比較例1とした。
【0037】
<比較例2>
ウェーハの昇温工程、アニール工程及び降温工程において、熱処理炉に分圧比4%の酸素を含むアルゴンガスを25slm供給しかつTrans−LCを供給する際にキャリヤ−ガス流量5sccm供給し、両者を混合して処理した。またウェーハの酸化処理工程において、熱処理炉に分圧比40%の酸素を含むアルゴンガスのみを25slm供給しかつTrans−LCを供給する際にキャリヤ−ガス流量5sccm供給し、両者を混合して処理した。上記以外は実施例1と同様にしてウェーハを製造した。このウェーハを比較例2とした。
【0038】
<比較例3>
ウェーハの酸化処理工程において、熱処理炉に分圧比40%の酸素を含むアルゴンガスを25slm供給しかつTrans−LCを供給する際にキャリヤ−ガス流量5sccm供給し、両者を混合して処理した。またウェーハの昇温工程、アニール処理工程及び降温工程において、熱処理炉に分圧比4%の酸素を含むアルゴンガスのみを25slm供給して処理した。上記以外は実施例1と同様にしてウェーハを製造した。このウェーハを比較例3とした。
【0039】
<試験1及び評価>
実施例1〜3及び比較例1〜3のMLD−SIMOXウェーハ中のBOXの絶縁耐圧を測定した。その結果を図3に示す。
図3から明らかなように、比較例1(Trans−LCを熱処理時に全く混合しなかった例)ではBOXの絶縁耐圧が88Vと比較的高い値を示したけれども、比較例2(昇温工程、酸化処理工程、アニール工程及び降温工程の全てでTrans−LCをキャリヤ−ガス流量で5sccm混合した例)では70Vに低下し、比較例3(酸化処理工程でTrans−LCをキャリヤ−ガス流量で5sccm混合した例)では77Vに低下した。これらに対し、実施例1(アニール処理工程でTrans−LCをキャリヤ−ガス流量で5sccm混合した例)ではBOXの絶縁耐圧が90Vと殆ど低下せず、実施例2(降温工程でTrans−LCをキャリヤ−ガス流量で5sccm混合した例)ではBOXの絶縁耐圧が92Vと殆ど低下せず、更に実施例3(昇温工程でTrans−LCをキャリヤ−ガス流量で5sccm混合した例)ではBOXの絶縁耐圧が89Vと殆ど低下しないことが分かった。
【0040】
<試験2及び評価>
実施例1〜3及び比較例1〜3のウェーハ中のFe濃度をSPV(Surface Photo Voltage)法により測定し、ウェーハ表面のCu濃度をAAS(Atomic Absorption Spectroscopy)法により測定した。その結果を図4(a)及び(b)に示す。
【0041】
図4(a)から明らかなように、比較例2(昇温工程、酸化処理工程、アニール工程及び降温工程の全てでTrans−LCをキャリヤ−ガス流量で5sccm混合した例)ではウェーハ中のFe濃度の平均値(最大値)が約2×109atoms/cm3(約7×109atoms/cm3)まで低減したけれども、比較例1(Trans−LCを熱処理時に全く混合しなかった例)ではウェーハ中のFe濃度の平均値(最大値)が約9×1010atoms/cm3(約6×101 1atoms/cm3)と比較的多く検出され、比較例3(酸化処理工程でTrans−LCをキャリヤ−ガス流量で5sccm混合した例)ではウェーハ中のFe濃度の平均値(最大値)が約2×1010atoms/cm3(約8×1010atoms/cm3)と比較的多く検出された。これらに対し、実施例1(アニール処理工程でTrans−LCをキャリヤ−ガス流量で5sccm混合した例)ではウェーハ中のFe濃度の平均値(最大値)が約7×109atoms/cm3(約1.5×1010atoms/cm3)と低減し、実施例2(降温工程でTrans−LCをキャリヤ−ガス流量で5sccm混合した例)ではウェーハ中のFe濃度の平均値(最大値)が約3×1010atoms/cm3(約7×1010atoms/cm3)と低減することが分かった。なお、実施例3(昇温工程でTrans−LCをキャリヤ−ガス流量で5sccm混合した例)ではウェーハ中のFe濃度の平均値(最大値)が約8×1010atoms/cm3(約2×1011atoms/cm3)と比較的多く検出されたのは、昇温後の酸化処理以降にウェーハに汚染金属であるFeが混入したためである。
【0042】
図4(b)から明らかなように、比較例2(昇温工程、酸化処理工程、アニール工程及び降温工程の全てでTrans−LCをキャリヤ−ガス流量で5sccm混合した例)ではウェーハ表面のCu濃度の平均値が約1×109atoms/cm2以下と比較的少なかったけれども、比較例1(Trans−LCを熱処理時に全く混合しなかった例)ではウェーハ表面のCu濃度の平均値が約7×109atoms/cm2と比較的多く検出され、比較例3(酸化処理工程でTrans−LCをキャリヤ−ガス流量で5sccm混合した例)ではウェーハ表面のCu濃度の平均値が約8×109atoms/cm2と比較的多く検出された。これらに対し、実施例1(アニール処理工程でTrans−LCをキャリヤ−ガス流量で5sccm混合した例)ではウェーハ表面のCu濃度の平均値が約7×109atoms/cm2と低減し、実施例2(降温工程でTrans−LCをキャリヤ−ガス流量で5sccm混合した例)ではウェーハ表面のCu濃度の平均値が約1×109atoms/cm2以下に低減することが分かった。なお、実施例3(昇温工程でTrans−LCをキャリヤ−ガス流量で5sccm混合した例)ではウェーハ表面のCu濃度の平均値が約1.5×1010atoms/cm2と比較的多く検出されたのは、昇温後の酸化処理以降にウェーハに汚染金属であるCuが混入したためである。
【0043】
<実施例4>
1回目の酸素イオンのドーズ量を1.25×1017atoms/cm2とし、2回目の酸素イオンのドーズ量を2×1015atoms/cm2としたことを除いて、比較例2と同様にしてウェーハを製造した。このウェーハを実施例4とした。
<実施例5>
1回目の酸素イオンのドーズ量を1.5×1017atoms/cm2とし、2回目の酸素イオンのドーズ量を2×1015atoms/cm2としたことを除いて、比較例2と同様にしてウェーハを製造した。このウェーハを実施例5とした。
【0044】
<実施例6>
1回目の酸素イオンのドーズ量を1.75×1017atoms/cm2とし、2回目の酸素イオンのドーズ量を2×1015atoms/cm2としたことを除いて、比較例2と同様にしてウェーハを製造した。このウェーハを実施例6とした。
<実施例7>
1回目の酸素イオンのドーズ量を2.0×1017atoms/cm2とし、2回目の酸素イオンのドーズ量を2×1015atoms/cm2としたことを除いて、比較例2と同様にしてウェーハを製造した。このウェーハを実施例7とした。
【0045】
<比較例4>
1回目の酸素イオンのドーズ量を2.25×1017atoms/cm2とし、2回目の酸素イオンのドーズ量を2×1015atoms/cm2としたことを除いて、比較例2と同様にしてウェーハを製造した。このウェーハを比較例4とした。
<比較例5>
1回目の酸素イオンのドーズ量を2.5×1017atoms/cm2とし、2回目の酸素イオンのドーズ量を2×1015atoms/cm2としたことを除いて、比較例2と同様にしてウェーハを製造した。このウェーハを比較例5とした。
【0046】
<試験3及び評価>
実施例4〜7、比較例4及び比較例5のMLD−SIMOXウェーハ中のBOXの絶縁耐圧を測定した。BOXの絶縁耐圧の測定は上記試験1と同様にして行った。その結果を図5に示す。
図5から明らかなように、ドーズ量の低下に伴ってBOXの絶縁耐圧特性が向上し、特にドーズ量を2×1017atoms/cm2以下に低減することによって、良好なBOXの絶縁耐圧特性が得られることが分かった。
【0047】
<実施例8〜11>
1回目の酸素イオンのドーズ量を1.75×1017atoms/cm2とし、2回目の酸素イオンのドーズ量を2×1015atoms/cm2として、ウェーハに酸素イオンを注入したことを除いて実施例2と同様にして、ウェーハを4枚製造した。これらのウェーハを実施例8〜11とした。
【0048】
<試験4及び評価>
実施例8〜11のMLD−SIMOXウェーハ中のBOXの絶縁耐圧を測定した。BOXの絶縁耐圧の測定は上記試験1と同様にして行った。その結果を図6に示す。
図6から明らかなように、シリコン島を低減できるイオン注入条件と、BOXの絶縁耐圧特性を低下させないでSIMOXウェーハ表面の金属汚染を除去できる熱処理条件とを組み合わせて作製した実施例8〜11のウェーハでは、極めて優れたBOXの絶縁耐圧特性が得られ、いずれも0.14μm厚のBOXが形成され、その絶縁耐圧は100V以上もあった。
【0049】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、シリコンウェーハの昇温工程とアニール処理工程と降温工程のうち少なくとも1の工程で塩化水素系ガスを酸素分圧比5%未満の低酸素分圧ガスに混合したので、BOXの絶縁耐圧特性を低下させることなく、ウェーハ表面又はウェーハ中の汚染金属であるFeやCuなどを塩化鉄や塩化銅などのガスとして除去できる。
【0050】
また第1注入工程でシリコンウェーハを200℃以上に加熱した状態で酸素イオンを5×1016〜2×1017atoms/cm2のドーズ量で注入し、第2注入工程でシリコンウェーハを200℃未満に冷却した状態で1×1014〜5×1016atoms/cm2のドーズ量で注入すれば、BOXに発生するシリコン島を低減できるので、BOXの絶縁耐圧特性の低下を防止できるとともに、イオン注入時の金属汚染を低減でき、かつイオン注入時間を短縮できるので、ウェーハの製造コストを低減できる。
【0051】
更に上記2段階の酸素イオンを注入した後に、低酸素分圧ガス雰囲気中で行われる熱処理時に塩化水素系ガスを酸素分圧比5%未満の低酸素分圧ガスに混合すれば、BOXに発生するシリコン島を低減でき、酸素イオンの注入時の金属汚染を低減でき、かつ酸素イオンの注入時間を短縮できるとともに、BOX14の絶縁耐圧特性を低下させずに、ウェーハ表面の金属汚染を低減することができる。この結果、清浄であって電気特性の優れたウェーハを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態のSIMOXウェーハの製造工程の一部を示す断面構成図。
【図2】その熱処理工程のタイミングチャートを示す図。
【図3】熱処理工程における塩化水素系ガスの混合がウェーハのBOXの絶縁耐圧に及ぼす影響を示す図。
【図4】(a)熱処理工程における塩化水素系ガスの混合がウェーハの金属(Fe)汚染除去に及ぼす影響を示す図。
(b)熱処理工程における塩化水素系ガスの混合がウェーハの金属(Cu)汚染除去に及ぼす影響を示す図。
【図5】MLD−SIMOX法における1回目の酸素イオンのドーズ量がBOXの絶縁耐圧に及ぼす影響を示す図。
【図6】MLD−SIMOX法により所定の条件で製造されたウェーハのBOXの絶縁耐圧を示す図。
【符号の説明】
11 シリコンウェーハ
12 酸素の高濃度層
13 アモルファス層
14 BOX(埋込み酸化膜)
15,16 表面酸化層
17 SOI層

Claims (5)

  1. シリコンウェーハ(11)に酸素イオンを注入した後に、前記シリコンウェーハ(11)に所定の熱処理を行うことにより、前記シリコンウェーハ(11)の内部に埋込み酸化膜(14)を形成するSIMOXウェーハの製造方法において、
    前記所定の熱処理が、前記シリコンウェーハ(11)を酸素分圧比5%未満の低酸素分圧ガス雰囲気で昇温する工程と、前記シリコンウェーハ(11)を酸素分圧比5%以上の高酸素分圧ガス雰囲気で酸化処理を行う工程及び前記シリコンウェーハ(11)を酸素分圧比5%未満の低酸素分圧ガス雰囲気でアニール処理を行う工程のいずれか一方又は双方と、前記シリコンウェーハ(11)を酸素分圧比5%未満の低酸素分圧ガス雰囲気で降温する工程とを含み、前記昇温工程と前記アニール処理工程と前記降温工程のうち少なくとも1の工程で塩化水素系ガスを前記酸素分圧比5%未満の低酸素分圧ガスに混合することを特徴とするSIMOXウェーハの製造方法。
  2. シリコンウェーハ(11)に酸素イオンを注入した後に、前記シリコンウェーハ(11)に所定の熱処理を行うことにより、前記シリコンウェーハ(11)の内部に埋込み酸化膜(14)を形成するSIMOXウェーハの製造方法において、
    前記酸素イオンの注入工程が、前記シリコンウェーハ(11)を200℃以上に加熱した状態で前記酸素イオンを5×1016〜2×1017atoms/cm2のドーズ量で注入する第1注入工程と、この第1注入工程に引き続いて行い前記シリコンウェーハ(11)を200℃未満に冷却した状態で前記酸素イオンをドーズ量1×1014〜5×1016atoms/cm2で注入する第2注入工程とを含むことを特徴とするSIMOXウェーハの製造方法。
  3. シリコンウェーハ(11)に酸素イオンを注入した後に、前記シリコンウェーハ(11)に所定の熱処理を行うことにより、前記シリコンウェーハ(11)の内部に埋込み酸化膜(14)を形成するSIMOXウェーハの製造方法において、
    前記酸素イオンの注入工程が、前記シリコンウェーハ(11)を200℃以上に加熱した状態で前記酸素イオンを5×1016〜2×1017atoms/cm2のドーズ量で注入する第1注入工程と、この第1注入工程に引き続いて行い前記シリコンウェーハ(11)を200℃未満に冷却した状態で前記酸素イオンをドーズ量1×1014〜5×1016atoms/cm2で注入する第2注入工程とを含み、
    前記所定の熱処理が、前記シリコンウェーハ(11)を酸素分圧比5%未満の低酸素分圧ガス雰囲気で昇温する工程と、前記シリコンウェーハ(11)を酸素分圧比5%以上の高酸素分圧ガス雰囲気で酸化処理を行う工程及び前記シリコンウェーハ(11)を酸素分圧比5%未満の低酸素分圧ガス雰囲気でアニール処理を行う工程のいずれか一方又は双方と、前記シリコンウェーハ(11)を酸素分圧比5%未満の低酸素分圧ガス雰囲気で降温する工程とを含み、前記昇温工程と前記アニール処理工程と前記降温工程のうち少なくとも1の工程で塩化水素系ガスを前記酸素分圧比5%未満の低酸素分圧ガスに混合することを特徴とするSIMOXウェーハの製造方法。
  4. 塩化水素系ガスを、酸素分圧比5%以上の高酸素分圧ガス処理時に全ガス量に対して0〜0.02容量%混合し、酸素分圧比5%未満の低酸素分圧ガス処理時に全ガス量に対して0.02〜10容量%混合する請求項1又は3記載のSIMOXウェーハの製造方法。
  5. 塩化水素系ガスの液体ソース材料としてトランス−ジクロロエチレンを用いた請求項1、3又は4いずれか1項に記載のSIMOXウェーハの製造方法。
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