JP4227384B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタなどの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術を説明する。図9は従来の中間転写ベルト方式のカラー画像形成装置の一例である。1は像担持体としての感光体ドラムで、アルミなどからなる芯金の外周面に有機感光体(OPC)またはA−Si、CdS、Se等から成る光導電体を塗布して構成されており、外周速度V(以下、プロセス速度と呼ぶ)で矢印C1方向へ回転する。また、3は感光体ドラム1の表面に潜像を形成するための露光装置で、3aは露光位置である。
【0003】
60は中間転写体としての中間転写ベルトで、EPDM、NBR、ウレタン、シリコンゴムなどのゴム、またはPI、PC、PVDF、ETFE、PET、PC/PAT、ETFE/PC、ETFE/PAT、PC/PATなどの樹脂から成っている。中間転写ベルト60は、二次転写対向ローラでもある駆動ローラ6b、張架ローラ6cの2本のローラ上に張架され、駆動ローラ6bが不図示のモーターにより回転することにより、矢印C3方向にプロセス速度Vで駆動される。また、中間転写ベルト60は、周方向に1ヶ所、周方向に垂直な方向の端部に、光学センサ5によって中間転写ベルト60の表面と識別できる位置検知部材5aを設けてあり、回転時においては、位置検知部材5aが検知部5bを通過するのを光学センサ5で検知(以下、TOP検知)した後、それを基準に本体内部で時間をカウントすることによって、回転位相を認識することができる。
【0004】
T1は感光体ドラム1と中間転写ベルト60との接触部、すなわち一次転写部T1である。L1は感光体ドラム1の露光位置3aから反時計回りに一次転写部T1までの距離であり、Sは中間転写ベルト60上の一次転写部T1から上流に距離L1の位置とする。7bは、軸上に導電性スポンジ層を設けた一次転写手段としての一次転写ローラであり、中間転写ベルト60を介して感光体ドラム1に接している。
【0005】
100b、101bは中間転写ベルト60に従動し同周速で回転する帯電手段としての帯電ローラ(第一帯電手段100b、第二帯電手段101b)で、周長は100L、101Lであり、中間転写ベルト60に対して不図示の当接離間の機構を有し、所望の時間に当接できる。100a、101aはそれぞれ帯電ローラ100b、101bに電圧を印加する直流電圧電源、交番電圧電源である。尚駆動ローラ6bを対向電極とすることによって、これらの帯電ローラ100b、101bによって帯電を行う際の帯電効率を上げている。
【0006】
L2、L3は、それぞれ中間転写ベルト60上における帯電ローラ100b、101b、一次転写ローラ7bの隣のローラとの間の距離である。尚、本画像形成装置の画像最大周長をLx1とする。
【0007】
以下、図9に沿って画像形成動作について説明する。感光体ドラム1は不図示の駆動手段によって矢印C1方向に駆動され、帯電ローラ2により所定の電位に均一に帯電される。中間転写ベルト60のTOP検知をしたタイミングで、露光装置3により露光が開始され、イエローの画像模様に従った信号による光が、表面を均一に帯電された感光体ドラム1に走査され、潜像が形成される。
【0008】
潜像形成開始後、さらに感光体ドラム1が矢印C1方向に回転すると、支持体4に支持された現像装置4a、4b、4c、4dのうち、イエロートナーが入った現像装置4aが感光体ドラム1に対向するよう支持体4は矢印C2方向に回転し、選択された現像装置4aの負極性のトナーによって可視化される。
【0009】
現像されたトナー像は、さらに感光体ドラム1が矢印C1方向に回転し、一次転写部T1に来た時、一次転写ローラ7bに、感光体ドラム1の芯金を対向電極として、高圧電源7aから正極性のバイアスが印加されることによって、中間転写ベルト60上に一次転写される。感光体ドラム1上の転写残トナーは、感光体ドラムクリーナー13によりクリーニングされる。
【0010】
露光開始から(L1/V)だけ経過した後には、感光体ドラム1上の画像の書き始めの点と、中間転写ベルト60上の露光開始時にSを通過した点6S(不図示)は、T1の位置で一致する。即ち、中間転写ベルト60に対して画像は6Sを先端に反時計回りに形成される。
【0011】
イエロートナー像の現像が終了すると、現像器の切換え動作を行う。画像先端が現像部に達してから(Lx1/V)だけ時間が経過し、現像が終了したら、支持体4が反時計方向に回転し、次のマゼンタトナーが入った現像装置4bが感光体ドラム1に対向する位置に位置決めされる。さらに次のTOP検知が行われたら同様の動作を繰り返し、マゼンタ色、シアン色、ブラック色について現像、転写が行われ、中間転写ベルト60上には複数色のトナー像が形成される。
【0012】
このとき、4色の画像は全て6Sを画像の先端として転写されるので、4色のトナー像のレジは取られている。4色のトナー像が中間転写ベルト60上に転写されると、中間転写ベルト60の移動と同期を取って、レジストローラRから転写材Pが搬送され、一次転写ローラ7bと同様な構成から成る二次転写手段としての二次転写ローラ9が転写材Pを介して中間転写ベルト60に当接し、二次転写対向ローラ6dを対向電極として、不図示の高圧電源から正極性バイアスが印加され、中間転写ベルト60上の4色のトナー像は一括して転写材P上に二次転写される。
【0013】
4色のトナー像が転写された転写材Pは、従来公知の加熱、加圧の定着装置11によって溶融固着されカラー画像が得られる。尚、モノカラー画像は、以上のプロセスに対して一色だけ現像、一次転写を行い、同様に二次転写、定着を行うことによって得られる。(以下、モノカラー印字モード)
次に二次転写の際に転写されずに中間転写ベルト60上に残ったトナー、すなわち二次転写残トナーのクリーニング行程を図9に沿って示す。尚、ここでは帯電ローラを2本有する装置を示した。従来の帯電ローラを1本しか用いない装置では、正極性の交番電圧のみで二次転写残トナーの帯電を行ったため、保持する電荷量の少ないトナーが飛散することがあったが、本構成はトナー飛散を抑制し、さらに以下に示すように帯電性能の向上も図ったものである。
【0014】
二次転写残トナーには、直流電圧電源100aより正極性の直流電圧の印加された帯電ローラ(第一帯電手段)100bにより、正極性の電荷が付与される。尚、この帯電後に個々のトナー粒子が持つ電荷量は不均一であるが、トナー飛散を抑制しつつ帯電を行うことができる。
【0015】
続いて二次転写残トナーは、交番電圧電源101aより正極性の交番電圧の印加された帯電ローラ(第二帯電手段)101bにより、再び正極性の電荷が付与される。この帯電によって、トナー粒子の電気極性は正極性を保持しつつ、個々の粒子の持つ電荷量は均一化される。
【0016】
続いて二次転写残トナーは一次転写部T1へ進み、次のページの1色目の一次転写のために正極性バイアスの印加された一次転写ローラ7bによって感光体ドラムへ静電的に転写され、中間転写ベルト60より除去される。そして、感光体ドラム1へ転写された二次転写残トナーは感光体ドラムクリーナー13に回収され、中間転写ベルト60上の二次転写残トナーの除去は完了する。
【0017】
以上の通常のページ間における二次転写残トナーの除去行程を図10に示す。尚、図中では1から4色目の現像を「Dev1〜4」、一次転写を「Tr1−1〜4」、二次転写を「Tr2」、二次転写残トナーの帯電を「Ch2」、その一次転写部での回収を「RET」で示した。画像を形成するための一連の動作、すなわち印字シーケンスは、以上の画像形成行程、二次転写残トナー除去行程の繰り返しによって画像形成行程を繰り返して行う連続画像形成行程と、該連続画像形成行程の後に、中間転写体のクリーニングを行う後回転行程の、少なくとも二つの行程からなる(例えば、特許文献1参照。)。
【0018】
【特許文献1】
特開平9−44007号公報(図20)
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、第一帯電手段に、二次転写残トナーを帯電する際に帯電しきれなかった負極性のトナーが付着し、さらに複数のページにわたって連続して画像を形成すると、付着トナーは蓄積する。蓄積が進むと、トナーが落ちて装置内部や転写材を汚したり、付着トナーが第一帯電手段の帯電性能を徐々に低下させ、二次転写残トナーの帯電不良によって回収不良が発生し、中間転写体のクリーニング性を低下させ、画像不良を引き起こした。特に、二次転写残トナーが多くなる、画像の印字率の高い場合や、二次転写性が低下する高温高湿、低音低湿環境下で、顕著であった。
【0019】
そこで本発明の目的は、第一帯電手段へ付着した残トナーの蓄積に起因する画像不良などの不具合を抑制することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための、本発明の代表的な構成は、トナー像を担持する像担持体と、回動可能な中間転写体と、トナー像を前記像担持体から前記中間転写体上に一次転写するための一次転写手段と、トナー像を前記中間転写体から転写材上に二次転写するための二次転写手段と、二次転写後に転写材に転写されず前記中間転写体上に残った残トナーを帯電する第一帯電手段と、前記第一帯電手段よりも前記中間転写体回動方向下流側に配置され前記残トナーを帯電する第二帯電手段と、前記第一帯電手段にトナーの帯電極性と同極性の直流電圧とトナーの帯電極性と逆極性の直流電圧を切換えて印加する第一の電圧電源と、前記第二帯電手段にトナーの帯電極性と逆極性の交番電圧を印加する第二の電圧電源と、を有し、トナー像を転写材上に形成し、前記残トナーを前記像担持体に転写して回収する画像形成装置において、
前記第一帯電手段が前記残トナーを帯電する際に前記第一帯電手段に付着した前記残トナーを前記中間転写体に再転写するために前記第一の電圧電源が前記第一の帯電手段にトナーの帯電極性と同極性の電圧を印加し、前記第一帯電手段の回転周期は、前記第二帯電手段の回転周期よりも短いことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施形態について説明する。尚、従来の技術と同様の構成については同様の符号を付すことで説明を省略する。
【0022】
(第1実施形態)
図1は本発明に係る画像形成装置の一例を示す図であり、電子写真プロセスを利用したカラーの画像形成装置を示す。102b、103bは不図示の駆動機構によってそれぞれ周速Va、Vbで回転する、帯電手段としての帯電ローラ(第一帯電手段102b、第二帯電手段103b)で、周長は両方102Lであり、中間転写体としての中間転写ベルト60に対して不図示の当接離間の機構を有し、所望の時間に当接できる。102a、103aはそれぞれ帯電ローラ102b、103bに電圧を印加する直流電圧電源、交番電圧電源である。その他の記号が示す部材は図9と同様である。尚、Va、Vbの間には以下の関係がある。
【0023】
Va>Vb ・・・▲1▼
【0024】
図2は、本発明における付着トナー除去行程の一例としての、後回転行程における、各バイアスの印加タイミングを示す図である。本発明における印字シーケンスは、従来例と同様の画像形成行程、二次転写残トナー除去行程に、後回転時の付着トナー除去行程のみ、本発明特有の構成を採用したものである。以下、図2に沿って付着トナー除去行程について説明する。
【0025】
帯電ローラ102bにおいては、二次転写残トナーの帯電後、吐出しバイアスへ切換えて、帯電ローラ102bの周上全面から付着トナーを吐出す。また帯電ローラ103bにおいては、吐出しトナーがニップを通過する時間帯に付着トナー帯電用のバイアスを印加する。さらに、この付着トナーの帯電によって帯電ローラ103bに付着したトナーが吐出されるまで、バイアスを印加しつづける。一次転写ローラ7bへの回収バイアスの印加は、帯電ローラ103bからの吐出しトナーの回収を終えるまで行う。
【0026】
具体的には、プロセス速度Vが120mm/s、帯電ローラ周速Va、Vbが200mm/s、150mm/s、帯電ローラ周長102Lが60.0mm、L2、L3が12.0mm、94.2mmである場合の付着トナー除去行程において、帯電ローラ102bにおいて、二次転写残トナーの帯電後、ローラ周期(102L/Va)=0.300sの間吐出しバイアスを印加する。また帯電ローラ103bにおいて、帯電ローラ102bにおける吐出し開始からL2/V=0.100s後に、吐き出しトナー帯電用のバイアスの印加を開始し、(吐出し時間)+(帯電ローラ103bの周期)=102L×(1/Va+1/Vb)=0.700sの間印加する。一次転写ローラ7bへの回収バイアスの印加は、帯電ローラ103bの吐出し終了からL3/V=0.785s後まで行う。
【0027】
本構成では、帯電ローラ102bに付着したトナーを吐出しバイアスによって吐出すことによって、付着トナーの蓄積に起因する画像不良の発生を抑制できた。また本構成は、帯電ローラ102bからのトナーの吐出し時間が、帯電ローラ103bの周期より短いことによっても利点を持つ。
【0028】
以下、図3に沿って説明する。図3(a)と図3(c)は、帯電ローラ102bからのトナーの吐出し時間が、帯電ローラ103bの周期より長い場合(比較例)と短い場合(本実施形態)の、帯電ローラ102bから付着トナーを吐出す様子を示し、図3(b)と図3(d)は、さらに吐出されたトナーが帯電ローラ103bによって帯電される様子を示す。31、35は帯電前のトナー、32、36は帯電済みのトナー、33、37は帯電しきれずに帯電ローラ103bに付着したトナーを示す。また、34、38は帯電ローラ103bと中間転写ベルト60のニップ部を示す。H1は帯電ローラ103b上の付着トナー37の先端を示す。
【0029】
帯電ローラ102bからのトナーの吐出時間が、帯電ローラ103bの周期より長い場合には、図3(b)に示すように、帯電ローラ102bから吐出されたトナーを帯電ローラ103bによって帯電するプロセスにおいて、付着トナー33がニップ部34において未帯電トナー31の帯電を妨害してしまい、像担持体としての感光体ドラムへの回収不良、さらには画像不良が発生してしまうのに対し、本構成では、帯電ローラ102bからのトナーの吐出し時間が、帯電ローラ103bの周期より短い。このため、図3(d)に示すように、帯電ローラ102bから吐出されたトナーを帯電ローラ103bによって帯電するプロセスにおいて、付着トナー37の先端H1が、ニップ部38に進入する前に、該帯電プロセスは終了する。このため、帯電ローラ102bからの吐出しトナー全てを確実に帯電することができる。従って、吐出しトナーの感光体ドラムへの回収も確実に行うことができ、中間転写ベルトを画像印字率や環境などによらず常に画像不良のない高画質な印字を提供できる。
【0030】
また本構成は、帯電ローラ103bの電圧オフタイミングが、帯電ローラ103bからのトナー吐出しの後であることによっても利点を持つ。以下、図4を用いて説明する。図4(a)、(b)、(c)は帯電ローラ102bからの吐出しトナーを帯電ローラ103bで帯電した後の帯電ローラ103bの電圧オフタイミングを場合分けした図であり、それぞれ、帯電しきれずに帯電ローラ103bに付着したトナーがニップ部に進入する前と、ニップ部を通り中間転写ベルトに吐出されている時(比較例)と、吐出した後(本実施形態)の様子を示す。
【0031】
図4(d)は図4(c)の後の様子をあらわす。M1は帯電済みのトナー、M2は帯電しきれずに付着したトナー、M3は付着した後に吐き出されたトナーを示す。M5は電圧オフ時に帯電ローラ103b上に残留しているトナーであり、M6は残留トナーM5が吐出されたものである。N1は電圧オフ時にニップ部を通過したトナーを示す。N2はトナーN1のうち帯電ローラ103bに残りつづけているもので、N3は残留トナーN2が帯電ローラ103bの周期で中間転写ベルト上に吐出されたものである。
【0032】
図4(c)に示すように、帯電ローラ103bに付着したトナーがニップ部を通過している時に電圧オフし、その瞬間にニップ部を通過したトナーN1は、その後図4(d)のN2に示すように帯電ローラ103b上に残留し、その一部が中間転写ベルト上に吐出されつづけ、さらに吐出されたトナーN3は感光体ドラムに回収されないため、中間転写ベルトを汚し、画像不良などが発生する。尚、電圧オフ時の残留トナーM5は、M3同様に、M6のように一度に吐出され、感光体ドラムに回収される。
【0033】
それに対し本構成では、図4(b)に示すように、帯電ローラ103bに付着したトナーがM3のように吐出された後に電圧オフし、全て感光体ドラムに回収されるため、高画質な印字を提供できている。さらに図4(a)に示すように、帯電ローラ103bに付着したトナーがニップ部に進入する前に電圧オフしても、付着トナーM2は吐出され、感光体ドラムに回収されるため、高画質な印字を提供できる。尚、電圧オフの代わりにバイアスを切換えたり、離間する場合においても、図4(a)、(b)のタイミングで行うことによって、同様の効果を得られる。したがって、本実施形態では付着トナー除去行程で後回転を終了する構成を示したが、この後さらに帯電ローラ102b、103b、一次転写ローラ7bに印加する電圧を切換え、中間転写ベルトのクリーニングをしてから後回転を終了したり、印字シーケンスを継続する場合においても採用できる。
【0034】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を説明する。図5は、本発明に係る画像形成装置の一例としての、電子写真プロセスを利用したカラーの画像形成装置を示す図である。104b、105bは中間転写ベルト60に従動し同周速で回転する、帯電手段としての帯電ローラ(第一帯電手段104b、第二帯電手段105b)で、周長は104L、105Lであり、中間転写ベルト60に対して不図示の当接離間の機構を有し、所望の時間に当接できる。104a、105aはそれぞれ帯電ローラ104b、105bに電圧を印加する直流電圧電源、交番電圧電源である。その他の記号が示す部材は図9と同様である。尚、104L、105Lの間には以下の関係がある。
【0035】
105L>104L ・・・▲2▼
【0036】
図6は、本発明における付着トナー除去行程の一例としての、後回転行程における各バイアスの印加タイミングを示す図である。本発明における印字シーケンスは、従来例と同様の画像形成行程及び二次転写残トナー除去行程に加えて、後回転時の付着トナー除去行程として本発明特有の構成を採用したものである。以下、図6に沿って付着トナー除去行程について説明する。
【0037】
帯電ローラ104bにおいては、二次転写残トナーの帯電後、吐き出しバイアスへ切換えて、帯電ローラ104bの周上全面から付着トナーを吐出す。また帯電ローラ105bにおいては、吐出しトナーがニップを通過する時間帯に付着トナー帯電用のバイアスを印加する。さらに、この付着トナーの帯電によって帯電ローラ105bに付着したトナーが吐出されるまで、バイアスを印加しつづける。一次転写ローラ7bへの回収バイアスの印加は、帯電ローラ105bからの吐出しトナーの回収を終えるまで行う。
【0038】
具体的には、プロセス速度Vが120mm/s、帯電ローラ周長104L、105Lが48.0mm、60.0mm、L2、L3が12.0mm、94.2mmである場合の付着トナー除去行程において、帯電ローラ104bにおいて、二次転写残トナーの帯電後、ローラ周期(104L/V)=0.400sの間吐出しバイアスを印加する。また帯電ローラ105bにおいて、帯電ローラ104bにおける吐出し開始からL2/V=0.100s後に、吐き出しトナー帯電用のバイアスの印加を開始し、(吐出し時間)+(帯電ローラ105bの周期)=(104L+105L)/V=0.900sの間印加する。一次転写ローラ7bへの回収バイアスの印加は、帯電ローラ105bの吐出し終了からL3/V=0.785s後まで行う。
【0039】
本構成では、第1実施形態と同様の効果を、帯電ローラに駆動源を用いることなく得られた。
【0040】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態を説明する。図7は、本発明に係る画像形成装置の一例としての、電子写真プロセスを利用したカラーの画像形成装置を示す図である。106b、107bは中間転写ベルト60に従動し同周速で回転する、帯電手段としての帯電ローラ(第一帯電手段106b、第二帯電手段107b)で、周長は106L、107Lであり、中間転写ベルト60に対して不図示の当接離間の機構を有し、所望の時間に当接できる。106a、107aはそれぞれ帯電ローラ106b、107bに電圧を印加する直流電圧電源、交番電圧電源である。その他の記号が示す部材は図9と同様である。尚、106L、107Lの間には以下の関係がある。
【0041】
106L>107L ・・・▲3▼
【0042】
図8は、本発明における付着トナー除去行程の一例としての、後回転行程における、各バイアスの印加タイミングを示す図である。本発明における印字シーケンスは、従来例と同様の画像形成行程及び二次転写残トナー除去行程に、後回転時の付着トナー除去行程のみ本発明特有の構成を採用したものである。以下、図8に沿って付着トナー除去行程について説明する。
【0043】
帯電ローラ106bにおいては、二次転写残トナーの帯電後、吐き出しバイアスへ切換えて、帯電ローラ107bの周期より短い時間だけ付着トナーを吐出す。また帯電ローラ107bにおいては、吐出しトナーがニップを通過する時間帯に付着トナー帯電用のバイアスを印加する。さらに、この帯電によってローラに付着したトナーを吐出しきるまで、バイアスを印加しつづける。帯電ローラ107bからの吐出しが終了したら、さらに帯電ローラ106bにおいて、一度目の吐出しの際に吐出せなかった付着トナーを吐出し、帯電ローラ107bにおいても同様に、吐出しトナーの帯電、吐出しを行う。以下、帯電ローラ106bの付着トナーが全て吐出されるまで行う。一次転写ローラ7bへの回収バイアスの印加は、全てのトナーの回収を終えるまで行う。
【0044】
具体的には、プロセス速度Vが120mm/s、帯電ローラ周長106L、107Lが72.0mm、60.0mm、L2、L3が12.0mm、94.2mmである場合の付着トナー除去行程において、帯電ローラ106bにおいて、二次転写残トナーの帯電後、ローラ周期の半分(106L/(2×V))=0.300sの間吐出しバイアスを印加する。また帯電ローラ107bにおいて、帯電ローラ106bにおける吐出し開始からL2/V=0.100s後に、吐き出しトナー帯電用のバイアスの印加を開始し、(吐出し時間)+(帯電ローラ107bの周期)=(106L/2+107L)/V=0.800sの間印加する。またさらにこのタイミングを起点として、帯電ローラ106b、107bへのバイアス印加を同様に繰り返し、残りの付着トナーの吐出しと帯電を行う。一次転写ローラ7bへの回収バイアスの印加は、帯電ローラ107bの吐出し終了からL3/V=0.785s後まで行う。
【0045】
本構成では、二つの帯電手段の周期の関係によらず、第2実施形態と同様の効果を得ることができた。尚、ここでは、第一帯電手段に付着したトナーの吐出しを、2回に分けてローラ全面について行う構成を示したが、第一と第二帯電手段の周期の関係によっては、2回ではローラ全面から吐出せない場合もあるので、その場合は必要に応じて数回に分けるとよい。
【0046】
また、ここでは、1回の後回転時に第一帯電手段の全面をクリーニングする構成を示したが、要は画像不良などの不具合が発生しないように付着トナーの蓄積量を抑制すればよいので、必ずしも後回転時ごとにローラ全面についてクリーニングせずとも、1回の後回転行程では1回だけ吐出しを行い、数回の後回転行程に分けてローラ全面をクリーニングするようにしてもよい。
【0047】
さらにここでは第一帯電手段の周期が第二帯電手段より長い構成、すなわち1回の吐出し行程ではローラ全面についてクリーニングできない構成を示したが、周期の関係によらず、本構成のように、1回の吐出し行程で第一帯電手段から第二帯電手段の回転周期より短い時間だけ吐出しを行ってもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、前記第一帯電手段が前記残トナーを帯電する際に前記第一帯電手段に付着した前記残トナーを前記中間転写体に再転写するために前記第一の電圧電源が前記第一の帯電手段にトナーの帯電極性と同極性の電圧を印加し、前記第一帯電手段の回転周期は、前記第二帯電手段の回転周期よりも短いことを特徴とするため、前記第一帯電手段へ付着した残トナーの蓄積に起因する画像不良などの不具合を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の画像形成装置の概略構成を示す図。
【図2】第1実施形態の付着トナー除去行程における各バイアスの印加タイミングを示す図。
【図3】付着トナー除去行程における、付着トナーの吐出しと、その帯電に関する概略を示す図。
【図4】付着トナー除去行程における、付着トナーの吐出しと、電圧オフタイミングに関する概略を示す図。
【図5】第2実施形態の画像形成装置の概略構成を示す図。
【図6】第2実施形態の付着トナー除去行程における各バイアスの印加タイミングを示す図。
【図7】第3実施形態の画像形成装置の概略構成を示す図。
【図8】第3実施形態の付着トナー除去行程における各バイアスの印加タイミングを示す図。
【図9】従来の残トナーを帯電する手段を有する画像形成装置の一例を示す図。
【図10】従来のページ間プロセスにおける各バイアスの印加タイミングを示す図。
【符号の説明】
P …転写材、R …レジストローラ、T1 …一次転写部、V …プロセス速度、
1 …感光体ドラム、2 …帯電ローラ、3 …露光装置、3a …露光位置、
4 …支持体、4a …現像装置、4b …現像装置、4c …現像装置、
4d …現像装置、5 …光学センサ、5a …位置検知部材、
5b …検知部、6b …駆動ローラ、6c …張架ローラ、
6d …二次転写対向ローラ、7a …高圧電源、7b …一次転写ローラ、
9 …二次転写ローラ、11 …定着装置、13 …感光体ドラムクリーナー、
31 …未帯電トナー、32 …帯電済トナー、33 …付着トナー、
34 …ニップ部、35 …未帯電トナー、36 …帯電済トナー、37 …付着トナー、
38 …ニップ部、60 …中間転写ベルト、
102a …直流電圧電源、102b …帯電ローラ、
103a …交番電圧電源、103b …帯電ローラ、
104a …直流電圧電源、104b …帯電ローラ、
105a …交番電圧電源、105b …帯電ローラ、
106a …直流電圧電源、106b …帯電ローラ、
107a …交番電圧電源、107b …帯電ローラ、
Claims (4)
- トナー像を担持する像担持体と、回動可能な中間転写体と、トナー像を前記像担持体から前記中間転写体上に一次転写するための一次転写手段と、トナー像を前記中間転写体から転写材上に二次転写するための二次転写手段と、二次転写後に転写材に転写されず前記中間転写体上に残った残トナーを帯電する第一帯電手段と、前記第一帯電手段よりも前記中間転写体回動方向下流側に配置され前記残トナーを帯電する第二帯電手段と、前記第一帯電手段にトナーの帯電極性と同極性の直流電圧とトナーの帯電極性と逆極性の直流電圧を切換えて印加する第一の電圧電源と、前記第二帯電手段にトナーの帯電極性と逆極性の交番電圧を印加する第二の電圧電源と、を有し、トナー像を転写材上に形成し、前記残トナーを前記像担持体に転写して回収する画像形成装置において、
前記第一帯電手段が前記残トナーを帯電する際に前記第一帯電手段に付着した前記残トナーを前記中間転写体に再転写するために前記第一の電圧電源が前記第一の帯電手段にトナーの帯電極性と同極性の電圧を印加し、
前記第一帯電手段の回転周期は、前記第二帯電手段の回転周期よりも短いことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
前記第一帯電手段の周速は、前記第二帯電手段の周速よりも速いことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は請求項2記載の画像形成装置において、
前記第一帯電手段の周長は、前記第二帯電手段の周長よりも短いことを特徴とする画像形成装置。 - トナー像を担持する像担持体と、回動可能な中間転写体と、トナー像を前記像担持体から前記中間転写体上に一次転写するための一次転写手段と、トナー像を前記中間転写体から転写材上に二次転写するための二次転写手段と、二次転写後に転写材に転写されず前記中間転写体上に残った残トナーを帯電する第一帯電手段と、前記第一帯電手段よりも前記中間転写体回動方向下流側に配置され前記残トナーを帯電する第二帯電手段と、前記第一帯電手段にトナーの帯電極性と同極性の直流電圧とトナーの帯電極性と逆極性の直流電圧を切換えて印加する第一の電圧電源と、前記第二帯電手段にトナーの帯電極性と逆極性の交番電圧を印加する第二の電圧電源と、を有し、トナー像を転写材上に形成し、前記残トナーを前記像担持体に転写して回収する画像形成装置において、
前記第一帯電手段が前記残トナーを帯電する際に前記第一帯電手段に付着した前記残トナーを前記中間転写体に再転写するために前記第一の電圧電源が前記第一の帯電手段にトナーの帯電極性と同極性の電圧を印加し、
前記第一の電圧電源が前記第一の帯電手段にトナーの帯電極性と同極性の電圧を印加する時間を、前記第二帯電手段の回転周期より短くすることを特徴とする画像形成装置。
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