JP4227324B2 - 露光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等、微細なパターンを有するデバイスの製造工程において用いられる露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工程において用いられる露光装置で、レチクルパターンをシリコンウエハ上に投影して転写する投影露光装置の従来例を図8および図9に示す。図9は、図8の装置における要部のより詳細な構成を示す。図8および図9において、81は露光パターンの原版となるレチクル、82はレチクル81を搭載し、スリット状の露光光に対してレチクルをスキャン露光させるレチクルステージ、83はレチクル81をレチクルステージ82にクランプする手段であるレチクルクランプである。
【0003】
84はレチクル81をレチクルステージ82上のレチクルアライメントマークに位置合わせするためのレチクルアライメントスコープ、85はレチクル81上のパターンを、シリコン基板より成るウエハ86上に縮小投影する縮小投影レンズ、87はウエハ86を搭載し、レチクルステージ82と同期して、前記スリット状露光光に対してスキャン移動露光するウエハステージである。88はウエハ81上の複数のアライメントマークを検出し、ウエハ上のパターン重ね合わせ精度を計測するためのオフアクシスアライメントスコープである。
【0004】
以上の従来の構成においては、レチクル81をレチクルクランプ83にクランプするため、図9(1)(2)に示すように、レチクルクランプ83には、レチクルクランプパッド83Aが構成され、レチクルクランプパッド83Aをバキュームパッドにすることにより、レチクル81をレチクルクランプ83真空吸引クランプする。そのレチクル81をクランプした際またはそのレチクルを用いて露光した際、図9(3)に示すように、レチクル自身の自重タワミおよび面歪みおよび露光熱歪みにより、ウエハ上に投影したレチクル面上のパターンの、像面湾曲、パターン横ずれ、ディストーションおよびパターン面内デフォーカスが悪化し、ウエハ上パターン精度が悪化する問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例に示すように、従来の露光装置では、レチクルをクランプし、レチクル面上のパターンをウエハ上に投影する際に、レチクル自身の自重タワミおよび面歪みおよび露光熱歪みにより、像面湾曲、パターン横ずれ、ディストーション、パターン面内デフォーカスが悪化し、ウエハ上パターン精度が悪化する問題があった。また、ウエハをクランプした際にも、同様に、ウエハチャック平坦度悪化および露光熱歪みによりウエハ平坦度が悪化し、像面湾曲、パターン横ずれ、ディストーション、パターン面内デフォーカスが悪化し、ウエハ上パターン精度が悪化する問題があった。
【0006】
本発明は、レチクル(原版)面およびウエハ(基板)面の少なくとも一方の平面度による像の歪を補正することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する本発明の露光装置は、原版面に描かれたパターンを、投影光学系を介して基板面に投影し、該パターンの像により該基板面を露光する露光装置において、該原版面および該基板面の少なくとも一方の平面度を検出する手段と、該原版面と該基板面との間に設けられた、前記像の歪を補正するための光学手段と、4つの駆動手段であって、それぞれが前記光学手段を保持するパッドと該パッドを支持するヒンジ又は回転軸受けとを含み且つ前記ヒンジ又は前記回転軸受けに支持された前記パッドをチルト駆動する、4つの駆動手段と、前記平面度を検出する手段からの信号に基づいて、該原版面および該基板面の少なくとも一方の平面度による該基板面での前記像の歪を補正するように、前記4つの駆動手段を制御する制御手段とを具備することを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明の露光装置は、前記光学手段の変位を検出する手段を備え、前記制御手段は、前記変位を検出する手段の検出信号により前記4つの駆動手段を制御することを特徴とする。
さらに、本発明の露光装置は、前記平面度を検出する手段は、露光する直前の前記平面度を検出することを特徴とする。
さらに、本発明の露光装置は、前記光学手段は、平行ガラス基板からなることを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明の露光装置は、前記原版の種類を識別し、各々に最適な補正量を選択する手段を有することを特徴とする。
さらに、本発明の露光装置は、前記制御手段による制御を原版交換毎、基板交換毎あるいはショット毎に行なうことを特徴とする。
さらに、本発明の露光装置は、8つの駆動手段であって、それぞれが前記光学手段を保持するパッドと該パッドを支持するヒンジ又は回転軸受けとを含み且つ前記ヒンジ又は前記回転軸受に支持された前記パッドをチルト駆動する、8つの駆動手段を有することを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明のデバイスの製造方法は、前記露光装置を用いて、原版面に描かれたパターンを、投影光学系を介して基板面に投影し、該パターンの像により該基板面を露光するステップを有することを特徴とする。
【0011】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明する。
[第1の実施例]
図1は本発明の一実施例に係るステップアンドスキャンタイプの投影露光装置(スキャナ)の概略構成を示す。また、図2は図1の露光装置におけるレチクルステージ部分のより詳細な構成を示す。
【0012】
図1および図2において、1はレチクルで露光パターンの原版である。1A(図2)はスリット状の露光光を透過させる露光スリット、2はレチクル1を搭載し、上記スリット状の露光光に対してレチクル1をスキャン露光させるレチクルステージである。2A(図2)はレチクルステージ2上に設けられたレチクルアライメント基準マーク、3はレチクル1をレチクルステージ2にクランプする手段であるレチクルクランプ、3A(図2)はレチクル1を真空吸引するためレチクルクランプ3に配設されたレチクルクランプパッド、4はレチクル1をレチクルステージ1上のレチクルアライメント基準マーク2Aに位置合わせするレチクルアライメントスコープである。5はレチクルステージ2上方の露光スリット1A近傍に設定されるレチクル1の露光前移動位置に設けられ、レチクルの平面度を計測するレチクル平面度検出手段である。
【0013】
6はレチクル1上のパターンをシリコン基板より成るウエハ7上に縮小投影する縮小投影レンズ、8はウエハ7を搭載し、レチクルステージ2と同期して、前記スリット状露光光に対してスキャン移動露光するウエハステージ、9はウエハ7上の複数のアライメントマークを検出し、ウエハ7上のパターン重ね合わせ精度を計測するオフアクシスアライメントスコープである。
【0014】
10はレチクルアライメントスコープ4によりレチクル1をレチクルアライメント基準マーク2Aにアライメントする際のマーク検出信号を検出するマーク検出手段、11はマーク検出手段10のマーク検出信号に基づいてアライメントマーク合わせ込み量を演算する演算処理回路、12は演算処理回路11で演算されたアライメントマーク合わせ込み量に従いレチクルステージ2を駆動する駆動制御手段である。
【0015】
13はレチクル平面度検出手段5の検出信号に基づいてレチクル1の平面度を検出するレチクル平面度検出回路、14はレチクル1と縮小投影レンズ6との間に設けられたレチクルベンド(bend)補正光学系である。レチクルベンド補正光学系14は、平行ガラス基板より成り、レチクルベンド補正光学系微動駆動手段14Aによりクランプおよび駆動される。14Bはレチクルベンド補正光学系制御回路および微動駆動ドライバ、14Cは補正光学系変位センサ15によりレチクルベンド補正光学系14の変位を検出するレチクルベンド補正光学系変位検出回路である。
【0016】
以上の構成においては、レチクルクランプ3にレチクルクランプパッド3Aが構成されており、レチクル1を真空吸引することによりレチクルクランプ3にクランプする。そのクランプする際および露光の際、レチクル1は、図3(1)Aに示すような、自身の自重タワミ変形や露光熱歪変形(破線→実線)、図3(2)Aに示すような、露光熱歪変形(破線→実線)、または図3(3)Aに示すような、変形レチクルやレチクルクランプ変形や露光熱歪変形などを発生する。
【0017】
この時、図1に示すレチクル平面度検出手段5により、露光直前のレチクル1の平面度を計測し、レチクル平面度検出回路13により、レチクル平面度を計測する。次に、レチクルベンド補正光学系制御回路および微動駆動ドライバ14Bはレチクル平面度検出回路13からの信号を補正制御駆動信号に変換し、この補正制御駆動信号に基づいてレチクルベンド補正光学系微動駆動手段14Aはパターン歪をキャンセルするようにレチクルベンド補正光学系14を補正駆動する。
【0018】
レチクルベンド補正光学系微動駆動手段14Aによる駆動補正の様子を、図3(1)B、(2)Bおよび(3)Bに示す。ここで、変形したレチクル1からのパターン像を補正するために、レチクルベンド補正光学系微動駆動手段14Aにより、レチクルベンド補正光学系14が図示のように変位駆動されることにより、パターン歪を補正する。
【0019】
図4は、レチクルベンド補正光学系微動駆動手段14の構成例を示す。図4(1)の例では、レチクルベンド補正光学系(平行ガラス基板)14を保持するクランプパッド14Iの下部にヒンジ14Eが設けられ、ヒンジ14Eを形成するための切り欠き部14JにはPZT(圧電素子)14Dがヒンジ14Eを挟んで対称に設けられ、それぞれのPZT14Dを鉛直方向に伸縮駆動することにより、クランプパッド14Iをチルト駆動し、レチクルベンド補正光学系14をパターン補正方向に変位させる。
【0020】
微動駆動手段14Aの他の例では、図4(2)に示すように、レチクルベンド補正光学系14を保持するクランプパッド14Iの下部の片側に切り欠き14Jが設けられ、切り欠き部にPZT(圧電素子)14Dが設けられ、このPZT14Dを鉛直方向に伸縮駆動することにより、レチクルベンド補正光学系14を補正駆動することが出来る。また、さらに他の例では、図4(3)に示すように、レチクルベンド補正光学系14のクランプパッド14Iの下部に、回転軸受け14Gが設けられ、回転中心の下方には図に示すように、水平方向に与圧付勢する与圧バネ14H、および逆方向に水平方向に駆動するPZT(圧電素子)14Fを設け、PZT14Fの伸縮駆動により、レチクルベンド補正光学系14を補正駆動することが出来る。
【0021】
[第2の実施例]
図5(1)(2)に示すように、レチクルベンド補正光学系微動駆動手段14として、上記第1の実施例に示す駆動手段の配置の他に、スキャン方向あるいは露光スリット1Aと同心状に、駆動手段を配置することにより、より精度の高い補正駆動を行なうことも可能である。
【0022】
[第3の実施例]
図6に示すように、上記第1の実施例における2次曲線近似の変形以外に、レチクル1の単純な1次傾きに対しても、当然パターンオフセット補正方向に、チルト補正駆動が可能である。
【0023】
[第4の実施例]
図7に示すように、ウエハ7の平面度を検出するウエハ平面度検出手段17およびウエハ平面度検出回路16をさらに設け、ウエハ平面度検出回路16からの信号により、レチクルベンド補正光学系制御回路および微動駆動ドライバ14Bから、ウエハ7上のパターン歪を補正する方向に、レチクルベンド補正光学系微動駆動手段14Aに駆動信号を送り、レチクルベンド補正光学系14を補正駆動するように構成してもよい。つまり、レチクル1とウエハ7の相互の歪を相殺する方向に、レチクルベンド補正光学系14を補正駆動することも可能である。もちろん、レチクル平面度とウエハ平面度のどちらか一方の検出信号による補正制御等も可能である。
【0024】
以上説明したように、第1〜第4の実施例によれば、レチクルベンド補正光学系による露光パターンの歪補正を行なうことにより、露光時のパターン横ずれやディストーションを補正し、正確で安定したマスクパターンの投影像を得て、解像度の高いパターンの露光を可能にする。
【0025】
<半導体生産システムの実施例>
次に、半導体デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の生産システムの例を説明する。これは半導体製造工場に設置された製造装置のトラブル対応や定期メンテナンス、あるいはソフトウェア提供などの保守サービスを、製造工場外のコンピュータネットワークを利用して行なうものである。
【0026】
図10は全体システムをある角度から切り出して表現したものである。図中、101は半導体デバイスの製造装置を提供するベンダ(装置供給メーカ)の事業所である。製造装置の実例として、半導体製造工場で使用する各種プロセス用の半導体製造装置、例えば、前工程用機器(露光装置、レジスト処理装置、エッチング装置等のリソグラフィ装置、熱処理装置、成膜装置、平坦化装置等)や後工程用機器(組立て装置、検査装置等)を想定している。事業所101内には、製造装置の保守データベースを提供するホスト管理システム108、複数の操作端末コンピュータ110、これらを結んでイントラネットを構築するローカルエリアネットワーク(LAN)109を備える。ホスト管理システム108は、LAN109を事業所の外部ネットワークであるインターネット105に接続するためのゲートウェイと、外部からのアクセスを制限するセキュリティ機能を備える。
【0027】
一方、102〜104は、製造装置のユーザとしての半導体デバイスメーカの製造工場である。製造工場102〜104は、互いに異なるメーカに属する工場であっても良いし、同一のメーカに属する工場(例えば、前工程用の工場、後工程用の工場等)であっても良い。各工場102〜104内には、それぞれ、複数の製造装置106と、それらを結んでイントラネットを構築するローカルエリアネットワーク(LAN)111と、各製造装置106の稼動状況を監視する監視装置としてホスト管理システム107とが設けられている。各工場102〜104に設けられたホスト管理システム107は、各工場内のLAN111を工場の外部ネットワークであるインターネット105に接続するためのゲートウェイを備える。これにより各工場のLAN111からインターネット105を介してベンダ101側のホスト管理システム108にアクセスが可能となり、ホスト管理システム108のセキュリティ機能によって限られたユーザだけがアクセスが許可となっている。具体的には、インターネット105を介して、各製造装置106の稼動状況を示すステータス情報(例えば、トラブルが発生した製造装置の症状)を工場側からベンダ側に通知する他、その通知に対応する応答情報(例えば、トラブルに対する対処方法を指示する情報、対処用のソフトウェアやデータ)や、最新のソフトウェア、ヘルプ情報などの保守情報をベンダ側から受け取ることができる。各工場102〜104とベンダ101との間のデータ通信および各工場内のLAN111でのデータ通信には、インターネットで一般的に使用されている通信プロトコル(TCP/IP)が使用される。なお、工場外の外部ネットワークとしてインターネットを利用する代わりに、第三者からのアクセスができずにセキュリティの高い専用線ネットワーク(ISDNなど)を利用することもできる。また、ホスト管理システムはベンダが提供するものに限らずユーザがデータベースを構築して外部ネットワーク上に置き、ユーザの複数の工場から該データベースへのアクセスを許可するようにしてもよい。
【0028】
さて、図11は本実施例の全体システムを図10とは別の角度から切り出して表現した概念図である。先の例ではそれぞれが製造装置を備えた複数のユーザ工場と、該製造装置のベンダの管理システムとを外部ネットワークで接続して、該外部ネットワークを介して各工場の生産管理や少なくとも1台の製造装置の情報をデータ通信するものであった。これに対し本例は、複数のベンダの製造装置を備えた工場と、該複数の製造装置のそれぞれのベンダの管理システムとを工場外の外部ネットワークで接続して、各製造装置の保守情報をデータ通信するものである。図中、201は製造装置ユーザ(半導体デバイスメーカ)の製造工場であり、工場の製造ラインには各種プロセスを行なう製造装置、ここでは例として露光装置202、レジスト処理装置203、成膜処理装置204が導入されている。なお図11では製造工場201は1つだけ描いているが、実際は複数の工場が同様にネットワーク化されている。工場内の各装置はLAN206で接続されてイントラネットを構成し、ホスト管理システム205で製造ラインの稼動管理がされている。一方、露光装置メーカ210、レジスト処理装置メーカ220、成膜装置メーカ230などベンダ(装置供給メーカ)の各事業所には、それぞれ供給した機器の遠隔保守を行なうためのホスト管理システム211、221、231を備え、これらは上述したように保守データベースと外部ネットワークのゲートウェイを備える。ユーザの製造工場内の各装置を管理するホスト管理システム205と、各装置のベンダの管理システム211、221、231とは、外部ネットワーク200であるインターネットもしくは専用線ネットワークによって接続されている。このシステムにおいて、製造ラインの一連の製造機器の中のどれかにトラブルが起きると、製造ラインの稼動が休止してしまうが、トラブルが起きた機器のベンダからインターネット200を介した遠隔保守を受けることで迅速な対応が可能で、製造ラインの休止を最小限に抑えることができる。
【0029】
半導体製造工場に設置された各製造装置はそれぞれ、ディスプレイと、ネットワークインターフェースと、記憶装置にストアされたネットワークアクセス用ソフトウェアならびに装置動作用のソフトウェアを実行するコンピュータを備える。記憶装置としては内蔵メモリやハードディスク、あるいはネットワークファイルサーバーなどである。上記ネットワークアクセス用ソフトウェアは、専用または汎用のウェブブラウザを含み、例えば図12に一例を示す様な画面のユーザインターフェースをディスプレイ上に提供する。各工場で製造装置を管理するオペレータは、画面を参照しながら、製造装置の機種(401)、シリアルナンバ(402)、トラブルの件名(403)、発生日(404)、緊急度(405)、症状(406)、対処法(407)、経過(408)等の情報を画面上の入力項目に入力する。入力された情報はインターネットを介して保守データベースに送信され、その結果の適切な保守情報が保守データベースから返信されディスプレイ上に提示される。またウェブブラウザが提供するユーザインターフェースはさらに図示のごとくハイパーリンク機能(410〜412)を実現し、オペレータは各項目の更に詳細な情報にアクセスしたり、ベンダが提供するソフトウェアライブラリから製造装置に使用する最新バージョンのソフトウェアを引出したり、工場のオペレータの参考に供する操作ガイド(ヘルプ情報)を引出したりすることができる。
【0030】
次に上記説明した生産システムを利用した半導体デバイスの製造プロセスを説明する。図13は半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行なう。ステップ2(マスク製作)では設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意したマスクとウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組立て工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これを出荷(ステップ7)する。前工程と後工程はそれぞれ専用の別の工場で行ない、これらの工場毎に上記説明した遠隔保守システムによって保守がなされる。また前工程工場と後工程工場との間でも、インターネットまたは専用線ネットワークを介して生産管理や装置保守のための情報がデータ通信される。
【0031】
図14は上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を成膜する。ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では上記説明した露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。ステップ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行なうことによって、ウエハ上に多重に回路パターンを形成する。各工程で使用する製造機器は上記説明した遠隔保守システムによって保守がなされているので、トラブルを未然に防ぐと共に、もしトラブルが発生しても迅速な復旧が可能で、従来に比べて半導体デバイスの生産性を向上させることができる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、レチクル(原版)面およびウエハ(基板)面の少なくとも一方の平面度による像の歪を補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る投影露光装置の構成を示す概念図である。
【図2】 図1の装置におけるレチクルステージ部分のより詳細な構成図である。
【図3】 図1の装置におけるレチクルの各種変形およびその補正方法を説明する図である。
【図4】 図1の装置における補正光学系微動駆動手段の構成を示す図である。
【図5】 図1の装置における補正光学系微動駆動手段の他の構成例を示す図である。
【図6】 図1の装置におけるレチクルの他の変形状態例およびその補正方法を説明する図である。
【図7】 本発明の第4の実施例に係る投影露光装置の構成を示す概念図である。
【図8】 従来の投影露光装置の構成を示す概念図である。
【図9】 図8の装置におけるレチクルステージ部分のより詳細な構成図である。
【図10】 半導体デバイスの生産システムをある角度から見た概念図である。
【図11】 半導体デバイスの生産システムを別の角度から見た概念図である。
【図12】 ユーザインターフェースの具体例である。
【図13】 デバイスの製造プロセスのフローを説明する図である。
【図14】 ウエハプロセスを説明する図である。
【符号の説明】
1:レチクル、1A:露光スリット(またはスリット露光光)、2:レチクルステージ、2A:レチクルアライメント基準マーク、3:レチクルクランプ、3A:レチクルクランプパッド、4:レチクルアライメントスコープ、5:レチクル平面度検出手段、6:縮小投影レンズ、7:ウエハ、8:ウエハステージ、9:オフアクシスアライメントスコープ、10:マーク検出手段、11:演算処理回路12:駆動制御手段、12:レチクル平面度検出回路、14:レチクルベンド補正光学系、14A:レチクルベンド補正光学系微動駆動手段、14B:レチクルベンド補正光学系制御回路および微動駆動ドライバ、14C:レチクルベンド補正光学系変位検出手段、14D:PZT(圧電素子)、14E:ヒンジ、14F:PZT(圧電素子)、14G:回転軸受け、14H:与圧バネ、14I:レチクルベンド補正光学系クランプパッド、14J:切り欠き部、15:補正光学系変位センサ、16:ウエハ平面度検出手段、17:ウエハ平面度検出回路、81:レチクル、82:レチクルステージ:82A:レチクルアライメント基準マーク、83:レチクルクランプ、83A:レチクルクランプパッド、84:レチクルアライメントスコープ、85:縮小投影レンズ、86:ウエハ、87:ウエハステージ、88:オフアクシスアライメントスコープ。
Claims (8)
- 原版面に描かれたパターンを、投影光学系を介して基板面に投影し、該パターンの像により該基板面を露光する露光装置において、
該原版面および該基板面の少なくとも一方の平面度を検出する手段と、
該原版面と該基板面との間に設けられた、前記像の歪を補正するための光学手段と、
4つの駆動手段であって、それぞれが前記光学手段を保持するパッドと該パッドを支持するヒンジ又は回転軸受けとを含み且つ前記ヒンジ又は前記回転軸受けに支持された前記パッドをチルト駆動する、4つの駆動手段と、
前記平面度を検出する手段からの信号に基づいて、該原版面および該基板面の少なくとも一方の平面度による該基板面での前記像の歪を補正するように、前記4つの駆動手段を制御する制御手段と
を具備することを特徴とする露光装置。 - 前記光学手段の変位を検出する手段を備え、前記制御手段は、前記変位を検出する手段の検出信号により前記4つの駆動手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
- 前記平面度を検出する手段は、露光する直前の前記平面度を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の露光装置。
- 前記光学手段は、平行ガラス基板からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の露光装置。
- 原版の種類を識別し、各々に最適な補正量を選択する手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の露光装置。
- 前記制御手段による制御を原版交換毎、基板交換毎あるいはショット毎に行なうことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の露光装置。
- 8つの駆動手段であって、それぞれが前記光学手段を保持するパッドと該パッドを支持するヒンジ又は回転軸受けとを含み且つ前記ヒンジ又は前記回転軸受に支持された前記パッドをチルト駆動する、8つの駆動手段を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の露光装置。
- 請求項1〜7のいずれか1つに記載の露光装置を用いて、原版面に描かれたパターンを、投影光学系を介して基板面に投影し、該パターンの像により該基板面を露光するステップを有することを特徴とするデバイスの製造方法。
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