JP4225083B2 - 蛍光体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号灯、照明、ディスプレイ、インジケーターや各種光源などに使用される蛍光体に関する。特に、白色、緑色などに発光する発光素子を用いた発光装置において使用される蛍光体に関する。
【0002】
【従来の技術】
励起された蛍光体から再放射される光は、その蛍光体の種類によって種々の分光分布を持たせることができるので、蛍光体は適当な励起光源と組み合わせることによって、いろいろな応用分野が開発されている。
【0003】
この応用分野の中で蛍光体からの再放射光をそのまま照明用として利用する用途(ランプ)などがある。照明用として蛍光体を使用する場合、エネルギーの高い励起光源を使用する。蛍光体は、励起光源からの光を吸収し、波長変換することにより、蛍光体固有の発光波長を有する光を放出する。励起光源からの光を波長変換するため、変換効率は高いほど好ましい。
【0004】
蛍光体から発光色については、光の三原色(赤色、緑色、青色)を利用すると全ての色味を表現できる。そのため種々の色のうち、特に、赤色、緑色、青色に発光する蛍光体について、幅広く開発が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、蛍光体が、ディスプレイや照明までも含めた光源として利用されるには、いままでの緑色の発光効率では十分でなく、さらなる輝度の向上や量産性の改良が求められている。特に、紫外線領域は、可視光の長波長領域よりもエネルギーが高いため、紫外線領域で発光する蛍光体が求められている。また、いままでの緑色に発光する蛍光体は、耐候性に極めて弱い。また、従来の緑色発光蛍光体は、発光効率が低く、実用的レベルまで到達されていない。さらに、従来の緑色発光蛍光体は、ライフ特性が劣り、長期間使用することができない。このように、長波長の紫外線領域から可視光の短波長領域で励起され、他の青色などと比較して緑色を十分な輝度で発光する蛍光体は知られていない。そのため、緑色蛍光体の混合割合を多くしないといけなくなり、相対輝度が低下する場合がある。また、耐光性についても充分でなく、ライフ特性についても大きな問題があった。
【0006】
以上のことから、本発明は、発光効率の高い新規蛍光体の提供を図ることである。また、耐光性やライフ特性にも優れた蛍光体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述のような問題を解決するために、耐光性に比較的安定なアルカリ土類金属などのII価元素のシリケ−トを母体とし、Euの付活剤を添加することにより、上述した問題を解決できると見出し新規の青色から緑色に発光スペクトルを有する蛍光体を完成した。
【0008】
本発明は、Euで賦活されるアルカリ土類金属ケイ酸塩蛍光体は、アルカリ土類金属の含有量に対して、酸素の含有量は、モル比で、(アルカリ土類金属の含有量):(酸素の含有量)=1:1から1:3であることを特徴とするアルカリ土類金属ケイ酸塩蛍光体に関する。より好ましくは、(アルカリ土類金属の含有量):(酸素の含有量)=1:1.5から1:2.5である。該範囲の組成を有することにより、青紫色から緑色系領域に主発光波長を有する蛍光体を提供することができる。また、組成を変えることにより、色調を変化させることができる。
【0009】
本発明は、2(Ba1−X−YEu)O・nMgO・SiO(但し、Mは、Be、Ca、Sr、Znから選ばれる少なくとも1種以上を有する。Xは、0.0001≦X≦0.3、Yは、0<Y≦0.6、nは、0≦n≦3.0、である。)の一般式で現される蛍光体に関する。本発明の蛍光体は、460nm以下、特に350nm〜430nmの紫外から青色領域の励起光により励起され、470nm〜560nmの青色から黄緑色系に発光スペクトルを有する蛍光体を提供することができる。特に、380〜420nmの励起光により励起され、発光ピーク波長が490〜510nmの青緑から緑色系に発光する蛍光体を提供することができる。該蛍光体は、発光効率が極めて高く、耐候性及びライフ特性に極めて優れている。
【0010】
本発明は、2(Ba1−XEu)O・nMgO・SiO(但し、Xは、0.0001≦X≦0.3、nは、0≦n≦3.0、である。)の一般式で現される蛍光体に関する。BaとII価からなる元素との混晶系とするよりも、Baのみを用いる方が、発光輝度等の発光効率の高い蛍光体を提供することができるからである。
【0011】
前記蛍光体には、Li、Na、K、Rb、Cs、F、Cl、Br、Iの少なくとも1種以上を有することが好ましい。F、Cl等の元素を添加することにより、該元素がフラックスとして働き、発光効率の向上を図ることができるからである。
【0012】
以上のように、発光効率が良好で、耐光性、ライフ特性に優れた青色から緑色系の発光スペクトルを有する蛍光体を提供することができるという技術的意義を有する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る蛍光体及びその製造方法を、実施の形態及び実施例を用いて説明する。だたし、本発明は、この実施の形態及び実施例に限定されない。
【0014】
本発明に係る蛍光体は、2(Ba1−X−YEu)O・nMgO・SiOの一般式で現される。具体的には、2(Ba1−XEu)O・SiO、2(Ba1−X−YEuSr)O・SiO、2(Ba1−X−YEuCa)O・SiO、2(Ba1−X−Y−SEuCaSr)O・SiO、2(Ba1−X−Y−S−TEuCaSrZn)O・SiO、2(Ba1−X−Y−S−T−UEuCaSrZnBe)O・SiO、2(Ba1−XEu)O・MgO・SiO、2(Ba1−X−YEuSr)O・MgO・SiO、2(Ba1−X−YEuCa)O・3MgO・SiO、2(Ba1−X−Y−SEuCaSr)O・2MgO・SiO、2(Ba1−X−Y−S−TEuCaSrZn)O・MgO・SiO、2(Ba1−X−Y−S−T−UEuCaSrZnBe)O・3MgO・SiO等があるが、これら蛍光体に限定されず、種々の組合せのものも使用できる。これら蛍光体中には、融剤が添加されていることが好ましいが、添加されていなくてもよい。Xは、0.0001≦X≦0.3の範囲で使用できるが、0.002≦X≦0.02であることが好ましい。Ca、Sr等を示すMは、添加されていない方が好ましい。Yは、0<Y≦0.6の範囲で使用できるが、0<Y≦0.01であることが好ましい。nは、0≦n≦3.0、である。n=0のとき、つまりMgOが添加されていない場合もある。
【0015】
Mは、Be、Ca、Sr、Znから選ばれる少なくとも1種以上を有する。Ba、MgもII価の元素であるため、混晶となりやすく、結晶成長を高めたり、粒径を大きくしたりするなどの作用を有する。Be、Ca、Sr、Znは、所望により配合比を変えることができる。本蛍光体組成に含有されているBa、Mg、Be、Ca、Sr、Znの原料は、単体の他、酸化物、窒化物、イミド、アミド等の化合物を使用することができる。
【0016】
本蛍光体の組成にSiを用いることにより安定で結晶性の良好な蛍光体を提供することができる。Siの原料は、酸化物、酸化物、窒化物、イミド、アミド等の化合物を使用することができる。
【0017】
発光中心に希土類元素であるユウロピウムEuを用いる。ユウロピウムは、主にII価とIII価のエネルギー準位を持つ。本発明の蛍光体は、アルカリ土類金属系のシリケートの母体に対して、Eu2+を付活剤として用いる。Eu2+は、酸化されやすく、不純になりやすいという性質するため、窒素、水素雰囲気下等、グローブボックス内で混合を行うことが望ましい。一般に、III価のEuの組成で市販されている。実施例では、酸化ユウロピウムを用いているが、ユウロピウム単体、窒化ユウロピウムを用いることもできる。
【0018】
融剤として、Li、Na、K、Rb、Cs、F、Cl、Br、Iを使用する。これらは、フッ化バリウム、フッ化ユウロピウム、臭化アンモニウムなどの化合物として使用することができるほか、金属ナトリウム、金属カリウム等の単体としても添加することができる。但し、混合、焼成等の製造工程において、これら添加物の拡散を促すため、微小粒径に粉砕したり、湿式混合、乾式混合等したりすることが好ましい。該融剤は、Eu2+の拡散を促進し、発光輝度、量子効率等の発光効率の向上を図る。該融剤は、原料中に含有されているか、ユウロピウムと湿式混合等するか、又は、製造工程中に融剤を添加し、原料と共に焼成する。但し、該融剤は、焼成後の組成中に含有されていないか、含有されていても当初含有量と比べて少量しか残存していない場合もある。これは、焼成工程において、該融剤が飛散したためであると思われる。
【0019】
本発明に係る蛍光体は、励起源からの光により励起され、該光の一部を吸収して青色から黄緑色領域の光を発する。特に、紫外から青色系の光により、青緑色から緑色系の光を発する。例えば、励起源に青色系の光を用い、本発明に係る蛍光体と、赤色系に発光する蛍光体とを備える白色領域に発光色を有する発光装置を造ることができる。ここで、赤色系に発光する蛍光体は、励起源からの青色光の一部を吸収して赤色領域に光を発する。該発光装置は、蛍光体粒子間を通過してきた励起源からの青色光と、蛍光体の緑色光、蛍光体の赤色光との混色により、白色に発光する。蛍光体の種類や、蛍光体の量等を変えることにより、発光色を変化させることができる。
【0020】
(蛍光体の製造方法)
次に、本発明に係る蛍光体2(Ba0.99Eu0.01)O・MgO・SiOの製造方法を説明するが、本製造方法に限定されない。上記蛍光体には、融剤が含有されている。
【0021】
原料のBaCO、MgCOを所望量、秤量する(P1)。原料のBa、Mgは、焼成により炭素が二酸化炭素として飛散しBaO、MgOが組成中に残存すること、及び、原料を入手しやすいこと等から、炭酸バリウム、炭酸マグネシウムを使用しているが、単体、又は、イミド化合物、アミド化合物などの化合物を使用することもできる。また原料Ba、Mg等には、K、Na、Fなどの元素を含有するものでもよい。原料は、後の混合工程で混合しやすいように、平均粒径が1〜15μm程度に予め細かく粉砕しておくことが好ましいが、この範囲に限定されない。粉砕は、空気中でも行うことができるが、アルゴン、又は、窒素雰囲気中、グローブボックス内で行う方が好ましい。
【0022】
原料のSiOを所望量、秤量する(P2)。原料のSiは、酸化物を使用するが、単体、又は、窒化物化合物、イミド化合物、アミド化合物などを使用することもできる。例えば、Si、Si(NH、MgSiなどである。原料のSiには、K、Na、Fなどの元素を含有するものでもよい。Siも、原料のBa、Mgと同様に、粉砕は、空気中でも行うことができるが、アルゴン、又は、窒素雰囲気中、グローブボックス内で行う方が好ましい。Si化合物の平均粒径は、約1〜15μmであることが好ましい。
【0023】
原料のEuを所望量、秤量する(P3)。Euの化合物として、酸化ユウロピウムを使用するが、金属ユウロピウム、窒化ユウロピウムなども使用可能である。このほか、原料のZは、イミド化合物、アミド化合物を用いることもできる。酸化ユウロピウムは、高純度のものが好ましいが、市販のものも使用することができる。粉砕後のアルカリ土類金属の窒化物、窒化ケイ素及び酸化ユウロピウムの平均粒径は、約1〜15μmであることが好ましい。
【0024】
融剤BaFを所望量、秤量する(P4)。融剤として使用するF、Br等は、フッ化バリウム、フッ化ユウロピウム、臭化アンモニウムなどを使用するが、これに限定されず、イミド化合物、アミド化合物を用いることもできる。
【0025】
P1〜P4の秤量の順序は、問わない。
【0026】
原料のBaCO、MgCO、SiO、Eu、及び、融剤のBaFを混合する(P5)。P1〜P4で秤量した原料を、ボールミルなどの混合機に投入し、乾式で充分に混合する。混合機内は、空気雰囲気でも良いが、アルゴン、又は、窒素雰囲気中で行うことが好ましい。また、EuとBaFを湿式混合することもできる。ボールミルなどの混合機に投入した混合物全体が均一になるように約10分〜15分間、混合し続ける。
【0027】
次に、上記混合物を坩堝に詰め、還元雰囲気中にて焼成する(P6)。焼成は、管状炉、小型炉、高周波炉、メタル炉などを使用することができる。焼成温度は、800から1400℃の範囲であることが好ましい。焼成は、徐々に昇温を行い800から1400℃で数時間焼成を行う一段階焼成を使用することが好ましいが、500から800℃で一段階目の焼成を行い、徐々に加熱して800から1400℃で二段階目の焼成を行う二段階焼成(多段階焼成)を使用することもできる。坩堝は、SiC、石英、アルミナ等の材質の坩堝を用いることができる。
【0028】
得られた焼成品を粉砕、分級、洗浄、表面処理、ふるい等の処理を行う(P7)。以上の工程により、本発明に係る蛍光体を得た。得られた焼成品を0.1〜15μm程度に粉砕する。分級、洗浄、表面処理、ふるい等の処理を行う方が、より粒度の揃った、単位数量当たりの輝度の高い蛍光体を製造することができるため、好ましい。
【0029】
以上の製造方法を使用することにより、目的とする蛍光体を得ることが可能である。
【0030】
以下、本発明の実施例について詳述する。
【0031】
【実施例1】
原料として、BaCO、MgCO、SiO、Eu、融剤としてBaFを用い、2(Ba0.99Eu0.01)O・SiOの組成比となるように、秤量し、混合を行った。
BaCO:195.4g
SiO:30.1g
Eu:1.8g
BaF:2.3g
上記の原料を所定量、秤量し、ボールミルの混合機によって、乾式で充分に混合した。この混合原料をアルミナ坩堝に詰め、窒素雰囲気中にて300℃/hrで約1000℃まで昇温を行い、約1000℃で約3時間焼成を行った。得られた焼成品を粉砕、分散、篩過して目的の蛍光体粉末を得た。得られた蛍光体を365nmで励起したときの発光色は緑色であり、発光輝度は比較例ZnS:Cu蛍光体(日亜化学工業株式会社製)に対して140%であった。また、得られた蛍光体を400nmで励起したときの発光輝度は、比較例に対して128%であった。
【0032】
比較例として、従来、緑色の発光色を示す蛍光体として使用されているZnS:Cu蛍光体(日亜化学工業株式会社製)を製造し、使用した。該蛍光体は、耐候性、ライフ特定に乏しく長時間しようできるものではない。
【0033】
【実施例2乃至4】
実施例2乃至4は、実施例1と同様の原料を用い、BaCOとEuとの配合量を変えて、下記の組成比となるように、秤量し、混合を行った。
実施例2 2(Ba0.998Eu0.002)O・SiO
実施例3 2(Ba0.995Eu0.005)O・SiO
実施例4 2(Ba0.98Eu0.02)O・SiO
【0034】
【実施例5】
原料として、BaCO、SrCO、SiO、Eu、融剤としてBaFを用い、2(Ba0.50Sr0.49Eu0.01)O・SiOの組成比となるように、秤量し、混合を行った。実施例5も実施例1と同様の製造方法により、製造を行った。
BaCO:98.7g
SrCO:72.3g
SiO:30.1g
Eu:1.8g
BaF:2.0g
【0035】
【実施例6乃至11】
実施例6及び7は、実施例5と同様の原料を用い、実施例8乃至10は、実施例5で使用するSrCOに変えて、CaCOを用いた。実施例11は、実施例5乃至10で使用するSrCOと、CaCOを用いた。実施例6乃至11は、BaCOと、SrCO又は/及びCaCOと、Euとの配合量を変えて、下記の組成比となるように、秤量し、混合を行った。
実施例6 2(Ba0.70Sr0.29Eu0.01)O・SiO
実施例7 2(Ba0.40Sr0.59Eu0.01)O・SiO
実施例8 2(Ba0.70Ca0.29Eu0.01)O・SiO
実施例9 2(Ba0.50Ca0.49Eu0.01)O・SiO
実施例10 2(Ba0.40Ca0.59Eu0.01)O・SiO
実施例11 2(Ba0.40Sr0.29Ca0.30Eu0.01)O・SiO
【0036】
【実施例12】
原料として、BaCO、SrCO、CaCO、ZnO、SiO、Eu、融剤としてBaFを用い、2(Ba0.49Sr0.20Ca0.20Zn0.10Eu0.01)O・SiOの組成比となるように、秤量し、混合を行った。実施例12も実施例1と同様の製造方法により、製造を行った。
【0037】
表1は、365nm及び400nmの励起源を用いて、実施例1乃至12の蛍光体を励起させたときの色度座標、及び、発光輝度を示す。
【0038】
【表1】
Figure 0004225083
365nmの紫外線領域の励起源を用いて本発明に係る蛍光体を励起させたとき実施例1は、比較例と比べて140%もの発光輝度を示した。また、実施例3の発光輝度も139%、実施例4の発光輝度も137%と高い発光輝度を示した。また、紫外線LEDに使用される波長域、紫外から青色系領域の400nmに発光スペクトルを有する励起源を用いて本発明に係る蛍光体を励起させたとき、実施例1の発光輝度は128%、実施例3の発光輝度は132%と高い発光輝度を示した。
【0039】
【実施例13】
原料として、BaCO、MgCO、SiO、Eu、融剤としてBaFを用い、2(Ba0.99Eu0.01)O・MgO・SiOの組成比となるように、秤量し、混合を行った。実施例13も実施例1と同様の製造方法により、製造を行った。
BaCO:195.4g
MgCO:84.3g
SiO:30.1g
Eu:1.8g
BaF:3.1g
上記の原料を所定量、秤量し、ボールミルの混合機によって、乾式で充分に混合した。この混合原料をアルミナ坩堝に詰め、窒素雰囲気中にて300℃/hrで約1000℃まで昇温を行い、約1000℃で約3時間焼成を行った。得られた焼成品を粉砕、分散、篩過して目的の蛍光体粉末を得た。得られた蛍光体を365nmで励起したときの発光色は緑色であり、発光輝度は比較例ZnS:Cu蛍光体(日亜化学工業株式会社製)に対して135%であった。また、得られた蛍光体を400nmで励起したときの発光輝度は、比較例に対して123%であった。
【0040】
【実施例14乃至18】
実施例14〜18は、実施例13と同様の原料を用い、BaCO、MgCO、及びEuとの配合量を変えて、下記の組成比となるように、秤量し、混合を行った。
実施例14 2(Ba0.998Eu0.002)O・MgO・SiO
実施例15 2(Ba0.995Eu0.005)O・MgO・SiO
実施例16 2(Ba0.98Eu0.02)O・MgO・SiO
実施例17 2(Ba0.99Eu0.01)O・2MgO・SiO
実施例18 2(Ba0.99Eu0.01)O・3MgO・SiO
【0041】
【実施例19】
原料として、BaCO、SrCO、MgCO、SiO、Eu、融剤としてBaFを用い、2(Ba0.50Sr0.49Eu0.01)O・MgO・SiOの組成比となるように、秤量し、混合を行った。実施例19も実施例13と同様の製造方法により、製造を行った。
BaCO:98.7g
SrCO:72.3g
MgCO:84.3g
SiO:30.1g
Eu:1.8g
BaF:2.9g
【0042】
【実施例20乃至27】
実施例20及び21は、実施例19と同様の原料を用い、実施例22乃至24は、実施例19で使用するSrCOに変えて、CaCOを用いた。実施例25乃至27は、実施例19乃至24で使用するSrCOと、CaCOを用い、MgCOの配合量を変えた。実施例20乃至27は、BaCOと、SrCO又は/及びCaCOと、Euと、MgCOとの配合量を変えて、下記の組成比となるように、秤量し、混合を行った。
実施例20 2(Ba0.70Sr0.29Eu0.01)O・MgO・SiO
実施例21 2(Ba0.40Sr0.59Eu0.01)O・MgO・SiO
実施例22 2(Ba0.70Ca0.29Eu0.01)O・MgO・SiO
実施例23 2(Ba0.50Ca0.49Eu0.01)O・MgO・SiO
実施例24 2(Ba0.40Ca0.59Eu0.01)O・MgO・SiO
実施例25 2(Ba0.40Sr0.29Ca0.30Eu0.01)O・MgO・SiO
実施例26 2(Ba0.40Sr0.29Ca0.30Eu0.01)O・2MgO・SiO
実施例27 2(Ba0.40Sr0.29Ca0.30Eu0.01)O・3MgO・SiO
【0043】
【実施例28乃至30】
原料として、BaCO、SrCO、CaCO、MgCO、ZnO、SiO、Eu、融剤としてBaFを用い、下記の組成比となるように、秤量し、混合を行った。実施例28乃至30は、MgCOの配合量を変えた。実施例28乃至30も実施例1と同様の製造方法により、製造を行った。
実施例28 2(Ba0.49Sr0.20Ca0.20Zn0.10Eu0.01)O・MgO・SiO
実施例29 2(Ba0.49Sr0.20Ca0.20Zn0.10Eu0.01)O・2MgO・SiO
実施例30 2(Ba0.49Sr0.20Ca0.20Zn0.10Eu0.01)O・3MgO・SiO
表2は、365nm及び400nmの励起源を用いて、実施例13乃至30の蛍光体を励起させたときの色度座標、及び、発光輝度を示す。
【0044】
【表2】
Figure 0004225083
365nmの紫外線領域の励起源を用いて本発明に係る蛍光体を励起させたとき実施例13は、比較例と比べて140%もの発光輝度を示した。また、実施例15の発光輝度も139%、実施例16の発光輝度も137%と高い発光輝度を示した。また、紫外線LEDに使用される波長域、紫外から青色系領域の400nmに発光スペクトルを有する励起源を用いて本発明に係る蛍光体を励起させたとき、実施例13の発光輝度は128%、実施例15の発光輝度は132%と高い発光輝度を示した。
【0045】
図1は、実施例13の蛍光体の発光スペクトルを示す図である。図2は、実施例13の蛍光体の励起スペクトルを示す図である。
【0046】
400nmの励起源を使用した。励起源として400nmを使用したのは、紫外から青色光領域に発光スペクトルを有する紫外線LEDに応用するためである。
【0047】
【実施例31乃至35】
実施例31乃至35の蛍光物質は、実施例1とほぼ同様な方法により製造を行った。実施例31の蛍光物質は、2(Ba0.78Sr0.21Eu0.01)O・SiOである。実施例32の蛍光物質は、2(Ba0.79Sr0.20Eu0.01)O・SiOである。実施例33の蛍光物質は、2(Ba0.64Sr0.05Ca0.3Eu0.01)O・MgO・SiOである。実施例34の蛍光物質は、2(Ba0.69Sr0.1Ca0.2Eu0.01)O・MgO・SiOである。実施例35の蛍光物質は、2(Ba0.64Sr0.05Ca0.3Eu0.01)O・SiOである。図3は、実施例31乃至35の蛍光物質を400nmの励起光源で発光させたときの発光スペクトルを示す図である。図4は、実施例31乃至35の蛍光物質の反射スペクトルを示す図である。図5乃至9は、それぞれ実施例31乃至35の蛍光物質の励起スペクトルを示す図である。図10は、実施例31の蛍光物質を撮影したSEM写真(走査電子顕微鏡写真)である。図11は、実施例35の蛍光物質を撮影したSEM写真である。比較例として、SrAl:Euの蛍光物質を基準に用いた。比較例のSrAl:Euの蛍光物質は、実施例31乃至35の蛍光物質と同条件で測定し、比較例の蛍光物質の発光輝度、エネルギー効率、量子効率を100%として、その相対値で表した。ただし、比較例と実施例との色調は、異なる。その測定結果を、表3に示す。
【0048】
【表3】
Figure 0004225083
励起光源として、約400nmに発光ピーク波長を有する発光素子を用い、実施例31乃至35の蛍光物質に照射する。その結果、表3に示す色調を有する発光装置を提供することができる。実施例31及び32は、緑色領域に発光ピーク波長を有する。また、実施例31及び32は、高い発光輝度及びエネルギー効率、量子効率を示した。実施例33及び35は、青紫色から青色系領域に発光ピーク波長を有する。実施例34は、青色から青緑色領域に発光ピーク波長を有する。実施例31乃至35の蛍光物質の反射率は、430nmよりも短波長領域では、30%以下の反射率を示す。特に、実施例31乃至33及び35の蛍光物質の反射率は、430nmよりも短波長領域では、20%以下の反射率を示す。これにより、蛍光物質に入射してきた光の70%以上を吸収し、波長変換を行い、励起光源と異なる発光スペクトルを持つ。
【0049】
【発明の効果】
以上のことから、本発明は、発光効率の高い新規蛍光体の提供を図ることである。また、耐光性やライフ特性にも優れた蛍光体を提供することである。
【0050】
【発明の効果】
以上のことから、本発明は、紫外から青色系領域の励起源を用い本発明に係る蛍光体を励起すると、青色〜緑色領域に発光スペクトルを有する発光効率の高い新規な蛍光体を提供することができる。また、耐光性やライフ特性にも優れた蛍光体を提供することができる。このように、本発明は、極めて重要な技術的意義を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例13の蛍光体の発光スペクトルを示す図である。
【図2】 実施例13の蛍光体の励起スペクトルを示す図である。
【図3】 実施例28乃至32の蛍光物質を400nmの励起光源で発光させたときの発光スペクトルを示す図である。
【図4】 実施例28乃至32の蛍光物質の反射スペクトルを示す図である。
【図5】 実施例28の蛍光物質の励起スペクトルを示す図である。
【図6】 実施例29の蛍光物質の励起スペクトルを示す図である。
【図7】 実施例30の蛍光物質の励起スペクトルを示す図である。
【図8】 実施例31の蛍光物質の励起スペクトルを示す図である。
【図9】 実施例32の蛍光物質の励起スペクトルを示す図である。
【図10】 実施例28の蛍光物質を撮影したSEM写真である。
【図11】 実施例32の蛍光物質を撮影したSEM写真である。

Claims (3)

  1. 350nm〜460nmの紫外から青色領域の励起光により励起される、下記の一般式で現される蛍光体。
    2(Ba1−X−YEu)O・nMgO・SiO
    (但し、Mは、Be、Ca、Sr、Znから選ばれる少なくとも1種以上を有する。
    Xは、0.0001≦X≦0.3、
    Yは、0<Y≦0.6、
    nは、1.0≦n≦3.0、である。)
  2. 350nm〜460nmの紫外から青色領域の励起光により励起される、下記の一般式で現される蛍光体。
    2(Ba1−XEu)O・nMgO・SiO
    (但し、Xは、0.0001≦X≦0.3、
    nは、1.0≦n≦3.0、である。)
  3. 前記蛍光体には、Li、Na、K、Rb、Cs、F、Cl、Br、Iの少なくとも1種以上を有することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の蛍光体。
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