JP2008024852A - 蛍光体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光効率の高い蛍光体を製造することができる蛍光体の製造方法を提供する。
【解決手段】一般式がM′〔M′はCa,Sr,Baの中から選ばれた少なくとも一種以上のアルカリ土類金属元素〕のアルカリ土類金属ボレートと、一般式がM″X〔M″はCa,Sr,Baの中から選ばれた少なくとも一種以上のアルカリ土類金属元素、XはF,Cl,Brの中から選ばれた少なくとも一種以上のハロゲン元素〕のハロゲン化アルカリ土類金属化合物と、ユーロピウム化合物とを含む混合物を焼結する。このようにして、一般式が(M1−a−bEuMnBOX〔MはCa,Sr,Baの中から選ばれた少なくとも一種以上のアルカリ土類金属元素、XはF,Cl,Brの中から選ばれた少なくとも一種以上のハロゲン元素、0.001≦a≦0.3、0≦b≦0.3〕で表わされる蛍光体を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、2価ユーロピウムで賦活されたハロボレート系の蛍光体、2価ユーロピウム及び2価マンガンで共賦活されたハロボレート系の蛍光体の製造方法に関するものである。
発光ダイオード(LED)を用いたLEDランプは、信号灯、携帯電話、各種電飾、車載用表示器、あるいは各種の表示装置など、多くの分野に利用されている。またLEDと蛍光体とを組み合わせて形成した白色LEDは、液晶のバックライト、小型ストロボ等への応用が盛んになってきている。この白色LEDは最近では照明装置への利用も試みられており、長寿命・水銀フリーといった長所を活かすことにより、環境負荷の小さい蛍光灯代替光源として期待されている。
白色LEDの構成としては、青色LEDと黄色蛍光体を組み合わせたものが挙げられる(例えば特許文献1参照)。これはLEDからの青色光と、このLEDから発せられた青色光の一部を黄色蛍光体で変換させた黄色光とを混色することにより、白色を得ることができるようにしたものである。そのため蛍光体としては、LEDから発光される420nm〜470nmの波長の青色光により効率よく励起され、黄色に発光する蛍光体が求められている。また、黄色蛍光体を用いずに緑色蛍光体と赤色蛍光体を混合し、RGB3波長型の白色光にすることにより、演色性を改善した白色LEDの構成も提案されている(例えば特許文献2参照)。この場合には、420nm〜470nm波長の青色光により励起可能な緑色及び赤色に発光する高効率な蛍光体が求められる。
もう一つの白色LEDの構成として、350nm〜420nmの波長域の紫外LEDと青色蛍光体、緑色蛍光体、及び赤色蛍光体を組み合わせたものが挙げられる。このような構成においても光の三原色RGBを含むために高い演色性の白色光を得ることができる。この方式においては350nm〜420nmの波長域の近紫外光により励起可能な青色、緑色及び赤色に発光する高効率な蛍光体が求められる。
以上のように、350nm〜470nmの近紫外波長域から青色波長域までの広い範囲に亘って効率よくLEDからの光を吸収し、緑色、黄色あるいは赤色に効率よく発光する蛍光体が望まれている。そしてこのような蛍光体として、本出願人は、特願2006−018186において、2価ユーロピウムで賦活されたハロボレート系の蛍光体、2価ユーロピウム及び2価マンガンで共賦活されたハロボレート系の蛍光体を提案している。
特許第3503139号公報 特開2002−531956号公報
上記のように特願2006−018186で提案した、2価ユーロピウムで賦活されたハロボレート系の蛍光体の製造は、例えば組成が(Ca0.95Eu0.05BOCl蛍光体を製造する場合、CaCO粉末、HBO粉末、Eu粉末を化学量論組成比となるように、また塩素源のCaClを化学量論組成比の1.1倍〜1.5倍の量となるように秤量し、これらを混合したものを焼結することによって行なわれている。
しかしこのように焼結を行なうにあたって、焼結温度が1000℃より高温になると溶融が生じるため、1000℃以下の低い温度で焼結する必要があり、このためにホウ素の結合が十分でなく、その結果、得られた蛍光体は副生成物を含んだものとなり、発光効率が低下するおそれがあるという問題を有するものであった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、2価ユーロピウムで賦活されたハロボレート系の蛍光体、2価ユーロピウム及び2価マンガンで共賦活されたハロボレート系の蛍光体を、高発光効率化を実現して製造することができる蛍光体の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る蛍光体の製造方法は、
一般式が(M1−a−bEuMnBOX …(1)
〔ただし、一般式(1)中、MはCa,Sr,Baの中から選ばれた少なくとも一種以上のアルカリ土類金属元素であり、XはF,Cl,Brの中から選ばれた少なくとも一種以上のハロゲン元素であり、aは0.001≦a≦0.3、bは0≦b≦0.3である〕
で表わされる蛍光体を製造する方法であって、
一般式がM′ …(2)
〔ただし、一般式(2)中、M′はCa,Sr,Baの中から選ばれた少なくとも一種以上のアルカリ土類金属元素である〕
で表されるアルカリ土類金属ボレートと、
一般式がM″X …(3)
〔ただし、一般式(3)中、M″はCa,Sr,Baの中から選ばれた少なくとも一種以上のアルカリ土類金属元素であり、XはF,Cl,Brの中から選ばれた少なくとも一種以上のハロゲン元素である〕
で表されるハロゲン化アルカリ土類金属化合物と、
ユーロピウム化合物とを含む混合物を焼結する工程を有することを特徴とするものである。
この方法で製造された蛍光体は、副生成物を含まず、高い発光効率となるものであり、また温度特性においても優れたものとなるものである。
また本発明の請求項2に係る蛍光体の製造方法は、
一般式が(M1−a−bEuMnBOX …(1)
〔ただし、一般式(1)中、MはCa,Sr,Baの中から選ばれた少なくとも一種以上のアルカリ土類金属元素であり、XはF,Cl,Brの中から選ばれた少なくとも一種以上のハロゲン元素であり、aは0.001≦a≦0.3、bは0≦b≦0.3である〕
で表わされる蛍光体を製造する方法であって、
一般式がM′ …(4)
〔ただし、一般式(4)中、M′はCa,Sr,Baの中から選ばれた少なくとも一種以上のアルカリ土類金属元素である〕
で表されるアルカリ土類金属ボレートにユーロピウムを賦活したユーロピウム賦活アルカリ土類金属ボレートと、
一般式がM″X …(5)
〔ただし、一般式(5)中、M″はCa,Sr,Baの中から選ばれた少なくとも一種以上のアルカリ土類金属元素であり、XはF,Cl,Brの中から選ばれた少なくとも一種以上のハロゲン元素である〕
で表されるハロゲン化アルカリ土類金属化合物とを含む混合物を焼結する工程を有することを特徴とするものである。
この方法で製造された蛍光体は、副生成物を含まず、高い発光効率となるものであり、また温度特性においても優れたものとなるものである。さらには、蛍光体へ賦活されたユーロピウム量の制御が容易になり、発光効率の安定した蛍光体を得ることができるものである。
本発明によれば、副生成物を含まず、高い発光効率を有すると共に、また温度特性においても優れた、2価ユーロピウムで賦活されたハロボレート系の蛍光体や、2価ユーロピウム及び2価マンガンで共賦活されたハロボレート系の蛍光体を製造することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
請求項1の発明は、
一般式がM′ …(2)
で表されるアルカリ土類金属ボレートと、
一般式がM″X …(3)
で表されるハロゲン化アルカリ土類金属化合物と、ユーロピウム化合物とを含む混合物を焼結することによって、
一般式が(M1−a−bEuMnBOX …(1)
で表される蛍光体を製造するようにしたものである。
本発明で製造される一般式(1)の蛍光体において、MはCa,Sr,Baの中から選ばれた少なくとも一種以上のアルカリ土類金属元素であり、Ca,Sr,Baのうち一種を単独で用いてもよいし、適当な比率で二種以上を組み合わせても良い。またXはF,Cl,Brの中から選ばれた少なくとも一種以上のハロゲン元素であり、F,Cl,Brのうち一種を単独で用いてもよいし、適当な比率で二種以上を組み合わせても良い。また、式(1)において、ユーロピウムの賦活濃度aは0.001≦a≦0.3の範囲であることが好ましく、この濃度範囲において十分な発光強度を得ることができるものである。またマンガンを共賦活することもでき、その賦活濃度bは0<b≦0.3の範囲であることが好ましい。
そして蛍光体の製造に用いる材料の一つである一般式(2)のアルカリ土類金属ボレートにおいて、M′はCa,Sr,Baの中から選ばれた少なくとも一種以上のアルカリ土類金属元素であり、Ca,Sr,Baのうち一種を単独で用いてもよいし、適当な比率で二種以上を組み合わせても良く、これは一般式(1)中のMの組成により決定される。
この一般式(2)で表されるアルカリ土類金属ボレートの製造方法について説明する。まず焼成物が一般式(2)で表されるようになる組成で、アルカリ土類金属とホウ素化合物を配合して混合する。このアルカリ土類金属化合物としては、酸化物、炭酸塩、水酸化物などを用いることができ、ホウ素化合物としては、酸化ホウ素、ホウ酸等を使用することができる。
例えばアルカリ土類金属ボレートとしてCaを製造する場合、原料粉末として例えば、CaCOとHBOを化学量論組成比となるように、好ましくはHBOを化学量論組成比の1.02倍〜1.5倍の量となるように秤量し、良く混合する。そして得られた混合粉末を石英等の容器に充填して、1000〜1300℃で1〜5時間、酸化性ガス雰囲気中で焼成し、焼成後の粉末を粉砕・水洗・乾燥することによって、目的とする組成のアルカリ土類金属ボレートを得ることができるものであり、これが一般式(1)のハロボレート系蛍光体を製造する際の中間体となるものである。
また、蛍光体の製造に用いる材料の他の一つである一般式(3)のハロゲン化アルカリ土類金属化合物において、M″はCa,Sr,Baの中から選ばれた少なくとも一種以上のアルカリ土類金属元素であり、Ca,Sr,Baのうち一種を単独で用いてもよいし、適当な比率で二種以上を組み合わせても良く、これは一般式(1)中のMの組成により決定される。またXはF,Cl,Brの中から選ばれた少なくとも一種以上のハロゲン元素であり、F,Cl,Brのうち一種を単独で用いてもよいし、適当な比率で二種以上を組み合わせても良い。M′とM″は同一の組成でもよく、異なる組成であってもよい。
例えば、目的とする蛍光体の一般式(1)中のMがCa、XがClであり、a=0.025、b=0の、(Ca0.975Eu0.025BOCl蛍光体を製造する場合、一般式(2)のアルカリ土類金属ボレートにおいてM′はCa、一般式(3)のハロゲン化アルカリ土類金属化合物においてM″はCa、XはClである。
そして、一般式が(2)で表されるアルカリ土類金属ボレートと、一般式が(3)で表されるハロゲン化アルカリ土類金属化合物と、Euなどのユーロピウム化合物を、焼成物が一般式(1)で表される組成で配合して混合し、この混合物を焼成することによって、ハロボレート系蛍光体を製造することができるものである。
例えば一般式(1)中のMがCa、XがClであるCaBOCl:Eu2+蛍光体を製造する場合、Caと、Euを化学量論組成比となるように、またCaClを化学量論組成比の1.1倍〜1.5倍の量となるように秤量し、良く混合する。そして得られた混合粉末を石英等の容器に充填し、700〜1000℃で1〜5時間、非酸化性ガス雰囲気中で焼成する。非酸化性ガス雰囲気としては、例えば水素/窒素混合ガス等の弱還元性ガス雰囲気が好ましい。このように焼成して得られた焼成物を粉砕・洗浄・乾燥することによって、目的とする組成の蛍光体粉末を得ることができるものである。
上記のようにしてハロボレート系蛍光体を製造するにあたって、中間体である一般式(2)のアルカリ土類金属ボレートを製造する際に、1000℃以上の高温で焼成するため、ホウ素の結合が促進され、ホウ素が不足なく結合したアルカリ土類金属ボレートを得ることができる。従って、これに一般式(3)のハロゲン化アルカリ土類金属化合物と、ユーロピウム化合物を混合して焼成して得られるハロボレート系蛍光体は、副生成物を含まず、高い発光効率を有するものである。またこのように焼結温度が高い工程を含むので、蛍光体の結晶欠陥を減少することが可能になり、蛍光体の温度特性を向上することができるものである。
次に、請求項2の発明は、
一般式がM′ …(4)
で表されるアルカリ土類金属ボレートにユーロピウムを賦活したユーロピウム賦活アルカリ土類金属ボレートと、
一般式がM″X …(5)
で表されるハロゲン化アルカリ土類金属化合物とを含む混合物を焼結することによって、
一般式が(M1−a−bEuMnBOX …(1)
で表される蛍光体を製造するようにしたものである。
本発明で製造される一般式(1)の蛍光体において、MはCa,Sr,Baの中から選ばれた少なくとも一種以上のアルカリ土類金属元素であり、Ca,Sr,Baのうち一種を単独で用いてもよいし、適当な比率で二種以上を組み合わせても良い。またXはF,Cl,Brの中から選ばれた少なくとも一種以上のハロゲン元素であり、F,Cl,Brのうち一種を単独で用いてもよいし、適当な比率で二種以上を組み合わせても良い。また、式(1)において、ユーロピウムの賦活濃度aは0.001≦a≦0.3の範囲であることが好ましく、この濃度範囲において十分な発光強度を得ることができるものである。またマンガンを共賦活することもでき、その賦活濃度bは0<b≦0.3の範囲であることが好ましい。
そして蛍光体の製造に用いる材料の一つである一般式(4)のユーロピウム賦活アルカリ土類金属ボレートは、(M′1−a−bEuMnの一般式で表されるものであり、M′はCa,Sr,Baの中から選ばれた少なくとも一種以上のアルカリ土類金属元素であって、Ca,Sr,Baのうち一種を単独で用いてもよいし、適当な比率で二種以上を組み合わせても良く、これは一般式(1)中のMの組成により決定される。
この一般式(4)のユーロピウム賦活アルカリ土類金属ボレートの製造方法について説明する。まず焼成物が一般式(4)で表されるようになる組成で、アルカリ土類金属とホウ素化合物、及びユーロピウム化合物を配合して混合する。このアルカリ土類金属化合物としては、酸化物、炭酸塩、水酸化物などを用いることができ、ホウ素化合物としては、酸化ホウ素、ホウ酸等を使用することができる。さらにユーロピウム化合物としては、一般にEuを使用することができる。
例えばユーロピウム賦活アルカリ土類金属ボレートとしてCa:Eu化合物を製造する場合、原料粉末として例えば、CaCO、HBO及びEuを化学量論組成比となるように、好ましくはHBOを化学量論組成比の1.02倍〜1.5倍の量となるように秤量し、良く混合する。そして得られた混合粉末を石英等の容器に充填して、1000〜1300℃で1〜5時間、酸化性ガス雰囲気中で焼成し、焼成後の粉末を粉砕・水洗・乾燥することによって、目的とする組成のユーロピウム賦活アルカリ土類金属ボレートを得ることができるものであり、これが一般式(1)のハロボレート系蛍光体を製造する際の中間体となるものである。
また、蛍光体の製造に用いる材料の他の一つである一般式(5)のハロゲン化アルカリ土類金属化合物において、M″はCa,Sr,Baの中から選ばれた少なくとも一種以上のアルカリ土類金属元素であり、Ca,Sr,Baのうち一種を単独で用いてもよいし、適当な比率で二種以上を組み合わせても良く、これは一般式(1)中のMの組成により決定される。またXはF,Cl,Brの中から選ばれた少なくとも一種以上のハロゲン元素であり、F,Cl,Brのうち一種を単独で用いてもよいし、適当な比率で二種以上を組み合わせても良い。M′とM″は同一の組成でもよく、異なる組成であってもよい。
例えば、目的とする蛍光体の一般式(1)中のMがCa、XがClであり、a=0.025、b=0の、(Ca0.975Eu0.025BOCl蛍光体を製造する場合、一般式(4)のユーロピウム賦活アルカリ土類金属ボレートにおいてM′はCa、一般式(5)のハロゲン化アルカリ土類金属化合物においてM″はCa、XはClである。
そして、一般式が(4)で表されるユーロピウム賦活アルカリ土類金属ボレートと、一般式が(5)で表されるハロゲン化アルカリ土類金属化合物とを、焼成物が一般式(1)で表される組成で配合して混合し、この混合物を焼成することによって、ハロボレート系蛍光体を製造することができるものである。
例えば一般式(1)中のMがCa、XがClであるCaBOCl:Eu2+蛍光体を製造する場合、Ca:Eu化合物にCaClを化学量論組成比の1.1倍〜1.5倍の量となるように秤量し、良く混合する。そして得られた混合粉末を石英等の容器に充填し、700〜1000℃で1〜5時間、非酸化性ガス雰囲気中で焼成する。非酸化性ガス雰囲気としては、例えば水素/窒素混合ガス等の弱還元性ガス雰囲気が好ましい。このように焼成して得られた焼成物を粉砕・洗浄・乾燥することによって、目的とする組成の蛍光体粉末を得ることができるものである。
上記のようにしてハロボレート系蛍光体を製造するにあたって、中間体である一般式(4)のユーロピウム賦活アルカリ土類金属ボレートを製造する際に、1000℃以上の高温で焼成するため、ホウ素の結合が促進され、ホウ素が不足なく結合したユーロピウム賦活アルカリ土類金属ボレートを得ることができる。従って、これに一般式(5)のハロゲン化アルカリ土類金属化合物を混合して焼成して得られるハロボレート系蛍光体は、副生成物を含まず、高い発光効率を有するものである。またこのように焼結温度が高い工程を含むので、蛍光体の結晶欠陥を減少することが可能になり、蛍光体の温度特性を向上することができるものである。
また、上記のようにユーロピウムはアルカリ土類金属に予め賦活してあるため、ユーロピウムの分散性が高まり、無輻射遷移確率が低減して、蛍光体の発光効率を高めることができるものである。さらに、ユーロピウムを賦活するにあたり、ユーロピウム化合物とハロゲン化アルカリ土類金属化合物を同時に焼成する場合には、ユーロピウムの一部は未反応のハロゲン化アルカリ土類金属化合物へ固溶し、焼結後の洗浄工程においてハロゲン化アルカリ土類金属化合物と共に除去されることになり、蛍光体に賦活されるユーロピウム量を制御することが難しく、発光効率にばらつきが生じるおそれがあるが、アルカリ土類金属にユーロピウムを予め賦活しておくことにより、洗浄工程でユーロピウムが除去されることがなくなり、蛍光体へ賦活されたユーロピウム量を制御することが容易になって、発光効率が安定した発光体を製造することが容易になるものである。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
一般式(1)において、M=Ca、X=Cl、a=0.025、b=0の、(Ca0.975Eu0.025BOCl蛍光体を、以下の方法で製造した。
まず、CaCOとHBOの各粉末をモル比で3:2.1の比率で秤量して混合し、この混合粉末を石英るつぼに入れ、大気雰囲気にて1100℃で3時間焼成した。このようにして得られた焼成物を粉砕し、純水で洗浄することによって、Ca粉末を得た。
次に、このCa及びEu、CaClの各粉末をモル比で0.97:0.05:1.2の比率で秤量し、混合した。この混合粉末を石英るつぼに入れ、水素濃度2%の水素/窒素混合ガス雰囲気下において、950℃で2時間焼成した。そして得られた焼成物を粉砕し、純水で洗浄することによって、蛍光体の粉末を得た。
(実施例2)
実施例1と同じ組成の蛍光体を、以下の方法で製造した。
まず、CaCO、HBO、Euの各粉末をモル比で2.9:2.1:0.05の比率で秤量して混合し、この混合粉末を石英るつぼに入れ、大気雰囲気にて1100℃で3時間焼成した。このようにして得られた焼成物を粉砕し、純水で洗浄することによって、Ca:Eu粉末を得た。
次に、このCa:Eu及びCaClの各粉末をモル比で1:1.2の比率で秤量し、混合した。この混合粉末を石英るつぼに入れ、水素濃度2%の水素/窒素混合ガス雰囲気下において、950℃で2時間焼成した。そして得られた焼成物を粉砕し、純水で洗浄することによって、蛍光体の粉末を得た。
(比較例1)
実施例1と同じ組成の蛍光体を、以下の方法で製造した。
まず、CaCO、Eu、HBO、CaClの各粉末をモル比で1.45:0.025:1:0.6の比率で秤量し、混合した。次にこの混合粉末を石英るつぼに入れ、水素濃度2%の水素/窒素混合ガス雰囲気下において、950℃で2時間焼成した。そして得られた焼成物を粉砕し、純水で洗浄することによって、蛍光体の粉末を得た。
上記のように実施例1,2及び比較例1で得た蛍光体について、発光特性を蛍光分光光度計で測定して評価した。このとき、波長460nmの単色光を励起光源とし、波長460nmから波長750nmまでの範囲で発光スペクトルを測定した際の発光ピーク波長と発光強度を測定した。結果を表1に示す。表1において、発光強度は比較例1の発光強度を100としたときの相対強度として示した。
また実施例1,2及び比較例1で得た蛍光体の温度特性を、室温(25℃)での発光強度と、100℃雰囲気での発光強度を比較して評価した。室温(25℃)での発光強度を100としたときの、100℃雰囲気での発光強度の相対値を、表1に示す。
Figure 2008024852
表1にみられるように、実施例1,2の蛍光体は、比較例1の蛍光体よりも発光強度が高く、発光効率が優れていることが確認される。また温度特性も、実施例1,2の蛍光体は、比較例1の蛍光体よりも優れていることが確認される。

Claims (2)

  1. 一般式が(M1−a−bEuMnBOX …(1)
    〔ただし、一般式(1)中、MはCa,Sr,Baの中から選ばれた少なくとも一種以上のアルカリ土類金属元素であり、XはF,Cl,Brの中から選ばれた少なくとも一種以上のハロゲン元素であり、aは0.001≦a≦0.3、bは0≦b≦0.3である〕
    で表わされる蛍光体を製造する方法であって、
    一般式がM′ …(2)
    〔ただし、一般式(2)中、M′はCa,Sr,Baの中から選ばれた少なくとも一種以上のアルカリ土類金属元素である〕
    で表されるアルカリ土類金属ボレートと、
    一般式がM″X …(3)
    〔ただし、一般式(3)中、M″はCa,Sr,Baの中から選ばれた少なくとも一種以上のアルカリ土類金属元素であり、XはF,Cl,Brの中から選ばれた少なくとも一種以上のハロゲン元素である〕
    で表されるハロゲン化アルカリ土類金属化合物と、
    ユーロピウム化合物とを含む混合物を焼結する工程を有することを特徴とする蛍光体の製造方法。
  2. 一般式が(M1−a−bEuMnBOX …(1)
    〔ただし、一般式(1)中、MはCa,Sr,Baの中から選ばれた少なくとも一種以上のアルカリ土類金属元素であり、XはF,Cl,Brの中から選ばれた少なくとも一種以上のハロゲン元素であり、aは0.001≦a≦0.3、bは0≦b≦0.3である〕
    で表わされる蛍光体を製造する方法であって、
    一般式がM′ …(4)
    〔ただし、一般式(4)中、M′はCa,Sr,Baの中から選ばれた少なくとも一種以上のアルカリ土類金属元素である〕
    で表されるアルカリ土類金属ボレートにユーロピウムを賦活したユーロピウム賦活アルカリ土類金属ボレートと、
    一般式がM″X …(5)
    〔ただし、一般式(5)中、M″はCa,Sr,Baの中から選ばれた少なくとも一種以上のアルカリ土類金属元素であり、XはF,Cl,Brの中から選ばれた少なくとも一種以上のハロゲン元素である〕
    で表されるハロゲン化アルカリ土類金属化合物とを含む混合物を焼結する工程を有することを特徴とする蛍光体の製造方法。
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