JP4219035B2 - 連結エレメント - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チューブ及び/又は容器の開口部に設けられた、特に実験装置に設けられた隣接した連結区分を連結するための請求項1の従来技術部分による連結エレメントに関する。これらの連結エレメントは、連結区分を互いに実質的に液密に及び/又液密に保持しなければならない。特に実験装置の場合には、実験技術に関し、迅速に解放できることが必要とされる。連結区分は、多くの場合、全ての方向で軸線方向に或る程度ずれることができるように、球形グランド継手(spherical ground joint)を有する。従って、連結エレメントは、撓み連結部(flex connection) とも呼ばれる。
【0002】
【従来の技術】
周知の連結エレメントは、大抵の場合、ルーズフランジ(loose flange)を持つ従来のフランジ連結部として形成されている。しかしながら、ルーズフランジの取り付けは、連結区分の性質により、困難である。連結エレメントに関し、ねじ込みを行う場合には、分離を行うために、二つの連結区分を完全に外さなければならない。これには時間がかかり、両手を用いなければ行うことができず、そのため、操作を行う者は、例えば取り外されるべきガラス製のフラスコしっかりと保持することができない。
【0003】
チューブ連結部での漏れをシールするための米国特許第3,910,610号から、互いに分離可能な二つのセグメントを各々有する二つの保持カラーを適用することが知られている。互いに分離可能なセグメントは同じに形成されており、互いに係合する端区分を有する。このような設計の連結部を簡単に解放することは、係合のため、可能でない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、安価に製造でき且つ連結部の安全性を損なうことなく片手で簡単に操作できる上述の種類の連結エレメントを提供することである。この目的は、本発明によれば、請求項1に記載の特徴を持つ連結エレメントによって達成される。ファスニングエレメントは、一方のファスニングエレメントを解放することによって、一方の保持カラーを、連結区分を互いから分離できる程大きく開放できるように分離可能なセグメント及び保持カラーを同時に連結する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
有利には、隣接したセグメントは、相互に重なった端区分を含み、これらの端区分の各々には、ファスニングエレメントを接合するための開口部が設けられており、重なった端区分の開口部は、閉鎖状態では合致して延びる。部品が突出していないこの比較的平らな構造が得られ、閉鎖したセグメントは全体としてコンパクトなユニットを形成する。
【0006】
ファスニングエレメントは、好ましくは、保持カラーを貫通するねじボルトであり、これらのボルトには少なくとも一つのねじナットが設けられている。しかしながら、張力ばね、クリップ、等の変形例のファスニングエレメントが考えられる。
【0007】
少なくとも一つのねじボルトの保持カラー間に圧縮コイルばねが設けられている場合には、二つの保持カラーが張力により離されており、そのため、解放中に一緒に落下することがない。これにより、連結区分の着脱が簡単になる。
【0008】
更に、ねじヘッド又はねじボルトのねじナットと保持カラーとの間には、更に、圧縮コイルばねが取り付けられているのがよい。ねじを締め付けると、これにばね力が作用し、この手段により、とりわけ、過剰の圧縮が加わらないようにする。しかしながら、圧縮コイルばね以外でこのような緩衝効果を得るため、ばねディスク等の他のばねエレメントを適用することもできる。このようなエレメントをねじヘッド又はねじボルトに直接組み込むことも考えられる。
【0009】
連結エレメントを特に簡単に取り扱うことができ、重なった端区分の開口部が外側に向かって半径方向に連続的に形成されており、ねじボルトを横方向外方にに案内して出すことができる。かくして、ナットは常にねじボルト上にあり、ねじボルトをU字形状ボルトから横方向に案内して出すことができるようにする場合にだけ外す必要がある。空間的な理由により、ほとんどの場合に困難なねじボルトの軸線方向引き抜きをもはや必要としない。
【0010】
重なった端区分は、これらの端区分と向き合ったねじボルトを案内して外した後、残りのねじボルトの軸線を中心として枢動して外すことができるように、継手をなして互いに係合している場合に、別の利点を得ることができる。これによって、残りのねじボルトは、実際には継手の軸線を形成し、この場合、継手の機能は、接合ヘッド又は接合装置等の特定の形状の端区分によって支持される。保持カラーを完全に分解することは、実際には、クリーニングの目的でしか必要とされない。一方の側が開放した開口部に連結区分を導入し且つ案内して出すためには、セグメントを枢動させて開放するだけで十分である。
【0011】
重なった端区分は、開口部の領域において、外側及び/又は内側にポケット穴を備えている。外側に設けられたポケット穴には、ねじヘッド及びねじナットが支持され、内側に設けられたポケット穴には、例えば、圧縮コイルばねが支持される。ポケット穴は、これと同時に、外側に繋がる開口部の幅よりも大きな直径を有する。これは、大抵の場合、ねじボルトの幅と一致する。これによって、締め付け時にねじがポケット穴に支持されているため、ねじボルトが横方向に引き出されることがない。製造技術の理由により、個々のセグメントの端区分が、同じであるが横方向で逆に連結された区分が互いに積極的嵌合で嵌合するように、両方向で対称に形成されている場合に特に有用である。かくして、保持カラーは、全く同じセグメントで形成されており、これらのセグメントは、互いに積極的嵌合で嵌合するため、転回されなければならない。
【0012】
連結区分の直径が大きい場合には、保持カラーは、三つのファスニングエレメントによって互いに保持された好ましくは同じに形成された三つのセグメントを含むのが有利である。これによって、連結セグメントを移動して外すことができるようにするために、セグメントを過度に大きく枢動させる必要がなくなる。更に、三つのセグメントを備えている場合には、セグメントを一つの位置で枢動させて開放するために一つのファスニングエレメントを取り外すだけで十分である。
【0013】
通常の場合には、連結エレメントは同じに形成された二つの保持カラーを含む。しかしながら、連結されるべき連結区分の形体によれば、保持カラーは様々な形状をとることができる。保持カラーのセグメントは、プラスチック材料や金属で製造でき、又は特定の場合には、セラミック材料で製造できる。
【0014】
特定の用途では、分離可能なセグメントを備えた保持カラーを一つだけ有し、ファスニングエレメント用のカウンターベアリングが剛性カウンターベアリングエレメントであることが考えられる。このようなカウンターベアリングエレメントは、例えば、チューブ連結ピースが連結された実験装置に緩く又はしっかりと配置できる。
【0015】
本発明のこの他の個々の特徴及び利点は、実施例の以下の説明及び添付図面から得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は、先ず最初に、二つの保持カラー5、5' を持つ連結エレメント1を示す。これらの保持カラーは、夫々、二つのセグメント9a、9b、及び9a' 、9b' の各々を含む。図3乃至図8は、連結エレメントが更に正確に連結区分なしで示してある。連結されるべき区分2、2' は、例えば、ガラスチューブ又は実験設備である。この構造では、連結区分2にはボールヘッド3が設けられており、連結区分2' にはボールソケット4が設けられている。これらを備えた二つの連結区分は、連結エレメント1とともに、全ての方向に或る程度曲げることができる一種のボール−ソケット継手を形成する。
【0017】
二つの保持カラー5及び5' は全く同じに形成されており、そのため、下文において、各場合に一方の保持カラーだけを説明する。保持カラーは、二つのセグメント9a、9bを含み、これらのセグメントは、連結区分を中心として約180°で各々配置される。セグメントには、重なり端区分10a、10bが設けられている。各端区分には開口部11が配置されている。しかしながら、これらの開口部は外側まで半径方向に延びるU字形状スロットをなしている。
【0018】
二つの保持カラー5、5' は、開口部11に導入されたねじヘッド7及びナット8を含む2本のねじボルト6で互いに保持されている。連結エレメントを接合するため、セグメント9a及び9bを枢動させ、連結区分上で移動できるまで大きく開く。次いで、セグメントを互いに折畳む。これは、関連したねじボルトが開口部11から取り外されているときにだけ可能である。次いで、連結区分2、2' を密封連結するのに必要な圧力に達するまで、ナット8を締める。
【0019】
二つのねじボルトのうちの一方に圧縮コイルばね16が2つの保持カラー5、5' 間に配置されているということが図2からわかる。これにより、保持カラーは、直径により常に正しい距離で離間される。更に、図2では、開口部11の領域の内側にポケット穴12が設けられているということがわかる。しかしながら同じポケット穴が外側にも配置されており、そのため、詳細には示してないねじヘッド7又はナット8のネックがポケットに部分的に入り込むことができる。内側のポケット穴は、圧縮コイルばね16の端部を受け入れるのに役立つ。圧縮コイルばねに張力が加えられているため、又はねじが締め付けられているため、明らかに、ねじボルトを横方向に引き抜くことができない。
【0020】
図3及び図4を参照し、端区分10a、10bを更に詳細に説明する。これらの端区分は、実際には、両側継手ベアリング(double-sided joint bearing)として形成されており、各端区分には、円弧状ベアリングヘッド14a及び円弧状ベアリングソケット15aが形成されている。これらのヘッド及びソケットの円弧は、同じ直径を有する。各セグメントにおいて、端区分に設けられたベアリングヘッド及びベアリングソケットは、各場合において、反対方向に対称に形成されている。このことは、端区分の第1平面19には、一方の端区分のベアリングヘッド、及び他方の端区分のベアリングソケットが配置され、隣接した平面20上では逆の配置がなされているということを意味する。同じであるけれども横方向で互いに逆に接合されたセグメントは、明らかに、隣接した端区分を互いに無性係合する。ここで、セグメントが矢印aの方向に枢動して開放できるようにする回転継手が形成される。ベアリングヘッド14a及びベアリングソケット15aの円弧の中心は、閉鎖位置のねじボルト6の中心と一致する。U字形状開口部11は、枢動開放時には互いから遠ざかる方向に回転するが、ねじボルト用開口部は存在し続ける。
【0021】
セグメント9a又は9bの内壁13は、同様の円弧をなして形成されており、これらの内壁の半径は、包囲されるべき連結区分の半径よりも僅かに大きい。このようにして、連結区分は、接合され且つ締め付けられた連結エレメントとともに、傾斜移動の制限を行う。
【0022】
図5乃至図8は、以上説明した連結エレメントの別の図を示す。図5による開放状態の図では、両保持カラーが開放しており且つ両ねじボルトが装着位置で示してある。しかしながら、実際には、多くの場合、連結を解放するために必要とされるのは、一方の保持カラーを開放することだけである。このため、例えば図5による、又は図8による構成では、ナット8を緩めたとき、圧縮コイルばねを備えていないねじボルト6を図示のように横方向に傾けて上保持カラーから外れる程度に解放する。適当な場合には、ナット8' を同様に解放でき、その場合には、圧縮コイルばねにより、二つの保護構造カラーを互いから離間し且つねじボルトをその位置に保持する力が作用する。
【0023】
図6では、閉鎖状態において、端区分10a及び10bを互いに係合させたところを特に明瞭に示す。
図9乃至図13は、二つの保持カラーを持つ連結エレメントの一実施例に関する。しかしながら、各保持カラーは、3つのセグメント9a、9b、9c及び3つのねじボルト6を含む。これらのセグメントは、各場合において、内壁13が同様に円を形成し、各セグメントは、120°の区分をカバーする。
【0024】
全部で3本のねじボルトのうち、2本だけに圧縮コイルばね16が設けられている。これにより、図12及び図13からわかるように、これらのねじボルトの場合には、開放時にそれらの位置に止まり、継手ベアリングを形成する。開放を行うためには、圧縮コイルばねを備えていないねじボルト6を横方向に完全に引き抜くか或いは好ましくは、一方の保持カラーを開放するため、一方の側に傾けて外す。
【0025】
残りの設計エレメントは、全て、図1乃至図8の実施例と同じであり、従って、これらの再び詳細に説明することは行わない。これは、特に、端区分10a10b、等の形体にも適用される。かくして、この実施例の形体でも、全ての個々のセグメントは全く同じに形成されており、積極的嵌合によって互いに接合するため、これらの接合は、互いに横方向に互い違いに連結することだけが必要とされる。
【0026】
図17は、連結エレメントが3つのセグメント9a、9b、9cからなる単一の保持カラー5だけを含む、本発明の変形例を示す。第2保持カラーの代わりにカウンターベアリングエレメント(counter bearing element) 17が設けられており、このエレメントは、例えばポンプや回転式エバポレータ等のフラスコネック案内体の、実験装置の直接的な構成要素である。ねじボルト19は、カウンターベアリングエレメントに接合取り付けされており、二つのセグメント9a及び9bの開口部11内に係合するように矢印方向bに枢動できる。これらのセグメントは、例えばチューブ連結ピース22を包囲し、連結ピースは、これによって、カウンターベアリングエレメント17に密封をなして押し付けられる。勿論、この変形例では、クリーニングを行う目的で連結エレメント全体を完全に分解できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】二つのセグメントの各々が開放状態にある含む連結エレメントの斜視図である。
【図2】図1による連結エレメントの閉鎖状態での斜視図である。
【図3】図1による連結エレメントの、開放状態の側面図である。
【図4】図3による連結エレメントの平面図である。
【図5】図1による連結エレメントを幾分異なる方向から見た斜視図である。
【図6】図1による閉鎖状態の連結エレメントの側面図である。
【図7】図6による連結エレメントの平面図である。
【図8】図2による閉鎖状態の連結エレメントを幾分異なる方向から見た斜視図である。
【図9】三つのセグメントを含む連結エレメントの開放状態での斜視図である。
【図10】図9による連結エレメントの閉鎖状態での斜視図である。
【図11】図9による開放状態の連結エレメントの側面図である。
【図12】図11による連結エレメントの平面図である。
【図13】図9による開放状態の連結エレメントを幾分異なる方向から見た斜視図である。
【図14】図10による閉鎖状態の連結エレメントの平面図である。
【図15】図14による連結エレメントの側面図である。
【図16】図10による閉鎖状態の連結エレメントを幾分異なる方向から見た斜視図である。
【図17】分離可能なセグメントを持つ保持カラーを1つだけ備えた連結エレメントの斜視図である。
【符号の説明】
1 連結エレメント
2、2' 連結区分
5、5' 保持カラー
6、6' ファスニングエレメント
9a、9b セグメント
10a、10b、10a' 、10b' 端区分
11 開口部
16 圧縮コイルばね
Claims (7)
- チューブ及び/又は容器の開口部の、特に実験装置の、隣接した連結区分(2、2' )を連結するための連結エレメント(1)であって、前記連結区分を包囲する好ましくは二つの保持カラー(5、5' )と、前記保持カラーを解放自在に連結し且つ互いに対して押し付けるため、前記保持カラーの周囲と係合する少なくとも二つのファスニングエレメントとを有し、前記保持カラーの少なくとも一方が、互いに分離可能な少なくとも二つのセグメント(9a、9b)を含む、連結エレメント(1)において、前記セグメントは、閉鎖位置では、一方のファスニングエレメントを解放することによって、前記保持カラーのうちの少なくとも一方を、連結区分を互いに分離可能に大きく開放できるように、前記二つのファスニングエレメント(6、6' )によって互いに保持されており、
隣接したセグメント(9a、9b)は、相互に重なった端区分(10a、10b、又は10a ' 、10b ' )を有し、前記端区分には、各場合において、ファスニングエレメントを接合するための開口部(11)が設けられ、重なった端区分の開口部は、閉鎖状態では、合致して延在し、
前記ファスニングエレメントは、前記保持カラーを貫通するねじボルト(6、5)で構成され、前記ボルトには少なくとも一つのねじナットが設けられており、
前記重なった端区分の開口部(11)は、外側に向かって半径方向に連続的に形成され、前記ねじボルトは、ねじを完全に外さなくても横方向に案内して出すことができ、
前記重なった端区分は、前記端区分に対向した前記ねじボルトを案内して外した後、前記隣接したセグメント(9a、9b)が残りのねじボルトの軸線を中心として大きく枢動して開かれ、これにより、連結区分が保持カラーの一方の側で開放された開口部を通して挿入され又は取り出されることができるように、継手によって互いに係合していることを特徴とする、連結エレメント。 - 少なくとも一つのねじボルトは、前記保持カラー(5、5')間に、圧縮コイルばね(16)を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の連結エレメント。
- 前記重なった端区分は、前記開口部(11)の領域において、外側及び/又は内側にポケット穴(12)を備えていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の連結エレメント。
- 個々のセグメントの前記端区分は、同じであるが横方向で逆に互いに接合されたセグメントがそれらの重なった端区分を積極的に嵌合させて互いに嵌合するように、反対方向に対称に形成されていることを特徴とする、請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の連結エレメント。
- 前記保持カラー(3)は、好ましくは、同じに形成されたセグメント(9a、9b、9c)を有し、前記セグメントは、三つのファスニングエレメントによって互いに保持されていることを特徴とする、請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の連結エレメント。
- 二つの同じに形成された保持カラー(5、5' )を有することを特徴とする、請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の連結エレメント。
- 分離可能なセグメント(9a、9b、9c)を有する保持カラー(5)を一つだけ備え、前記ファスニングエレメント用のカウンターベアリングは、剛性カウンターベアリングエレメント(17)であることを特徴とする、請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の連結エレメント。
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