JP4218447B2 - 円すいころ軸受 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トロイダル型無段変速機のパワーローラ軸受等に適用される円すいころ軸受の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
円すいころ軸受は、内外輪軌道面およびコロの円すい頂点が軸受中心上の一点で一致するよう設計されているため、コロは内外輪軌道面に対して純転がり運動をすることができる。しかしながら、内外輪の角度が異なるため、コロを円すいの底辺方向に押す力が発生する。そこで、コロ大径面に鍔を接触させ、この力を支持している。この接触部も軌道面と同様、転がり接触であり、間に油膜を形成することで金属同士が直接接触することによる損傷を防止している(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−147461号公報。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の円すいころ軸受の鍔とコロの接触部は、軌道面とは異なり、すべりが非常に大きい。通常、軌道面のすべり率(転がり速度に対するすべり速度の比)は1%以下であるが、鍔部は20%程度となる。したがって、軸受に働く荷重が大きくなり、接触部の面圧が高くなった場合や、潤滑油温が高くなり粘度が低下した場合に油膜が薄くなり、直接接触して焼付きなどの損傷を起こすという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、運転条件が過酷になり鍔とコロとの接触部の油膜が薄くなろうとしても、鍔とコロとの金属接触を防止することができる円すいころ軸受を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、
外周面に円すい体形状の軌道面を有する内輪と、内周面に円すい体形状の軌道面を有する外輪と、内輪と外輪の間に転動自在に配置された円すい台形状の複数のコロと、内輪または外輪に形成され、コロの大径端面に接触してコロを案内する鍔と、を備えた円すいころ軸受において、
前記鍔のコロと接触する面に円周方向の溝を設け、該溝の幅を、鍔とコロの接触部が形成するヘルツ接触だ円の幅よりも小さくし、鍔とコロの間に形成された油膜が薄くなる部分に溝を配置した。
【0007】
【発明の効果】
本発明の円すいころ軸受にあっては、鍔のコロと接触する面に円周方向の溝を設け、該溝の幅を、鍔とコロの接触部が形成するヘルツ接触だ円の幅よりも小さくし、鍔とコロの間に形成された油膜が薄くなる部分に溝を配置したため、溝に溜まっている油により鍔とコロとの接触部において油膜の厚みが確保されることで、運転条件が過酷になり鍔とコロとの接触部の油膜が薄くなろうとしても、鍔とコロとの金属接触を防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の円すいころ軸受を実現する実施の形態を、第1実施例〜第4実施例に基づいて説明する。
【0009】
(第1実施例)
まず、構成を説明する。
図1(a)は第1実施例の円すいころ軸受を示す断面図で、図1(b)は内輪の鍔とコロとの接触部を示す図1(a)のB部拡大断面図である。
第1実施例の円すいころ軸受A1は、図1に示すように、外周面に円すい体形状の軌道面30aを有する内輪30と、内周面に円すい体形状の軌道面31aを有する外輪31と、内輪30と外輪31の間に転動自在に配置された円すい台形状の複数のコロ32と、内輪30に形成され、コロ32の大径端面32aに接触してコロ32を案内する大鍔33(鍔)と、を備えている。
【0010】
前記内輪30は、大鍔面33aを有する大鍔33を一体に有すると共に、コロ32の小径端面32bに接触してコロ32を案内する小鍔面34aを有する小鍔34を一体に有する。前記軌道面30aは、前記コロ32の円すい周面32cに接触する。なお、大鍔33は、内輪30と別体に形成し、焼き嵌め等により内輪30と一体化結合しても良い。
【0011】
前記外輪31の軌道面31aは、前記コロ32のコロ軸方向の移動を内輪30側の大鍔面33aと小鍔面34aにより規制しているため、前記コロ32の円すい周面32cのみに接触する。
【0012】
前記コロ32は、球面(曲率半径SR)による大径端面32aと、平面による小径端面32bと、円すい面による円すい周面32cと、を有する。そして、複数のコロ32は、図外の保持器により隣接するコロ32との間隔を保ちながら転動するように設けられる。
【0013】
前記大鍔33の大鍔面33aと前記コロ32の大径端面32aとが接触する面のうち、大鍔33の大鍔面33aに周方向に溝35を設けている。この溝35の1つの溝の幅は、大鍔33とコロ32の接触部が形成するヘルツ接触だ円の幅よりも小さくし、大鍔33とコロ32の間に形成された油膜が薄くなる部分に2本の溝35,35を配置している。2本の溝35,35は、図1(b)に示すように、それぞれ接触だ円の中心位置と端部位置の中間付近に配置している。さらに、前記溝35,35の断面形状を、円弧形状の溝底を持つ形状に設定している。
【0014】
次に、作用を説明する。
【0015】
[鍔とコロとの接触部の油膜必要性]
円すいころ軸受A1に対し荷重が付加された場合、この荷重の一部を、大鍔33に形成された大鍔面33aで支持することになる。このとき、コロ32の大径端面32aと大鍔33の大鍔面32dは相対回転を行うため、両者の接触部にはすべりが発生し、このすべりによる摩擦力が、円すいころ軸受A1の損失トルクとなる。この損失トルクの大きさは、コロ32と大鍔33の接触部の摩擦係数に比例する。よって、コロ32と大鍔33の接触部の摩擦係数を低減するには、大径端面32aと大鍔面32dとの接触部に油膜を確保しておく必要がある。
【0016】
[油膜形成作用]
転がり軸受のように面圧の高い転がり接触部に形成される油膜の形状は、いわゆる、弾性流体潤滑理論(山本・兼田:「トライボロジー」理工学社(1998年発行)113頁-122頁参照)で求められる。
【0017】
図2は溝35が無い従来例における油膜厚さ分布の数値計算結果を示しているが、油の流出部に膜厚低下部が存在するため、馬蹄形状の薄膜部を持つ分布となり、最薄部は馬蹄形状の両翼部に存在する。すなわち、接触だ円の中心と接触だ円の端部との中間位置に最薄部が存在し、表面の粗さが均一であれば、この部分が最も接触しやすい。図3は転がり方向(図4)から油膜厚さ分布を見た図であり、接触だ円の中心と接触だ円の端部との中間位置に最薄部が存在することが明かである。
【0018】
これに対し、第1実施例では、この油膜が最薄となる部分に溝35,35が形成されているため、最薄部の油膜厚さが厚くなり、金属接触を防止することができる。
図4は第1実施例における油膜形状の計算結果であるが、図3の溝無しの場合には、最薄部の油膜厚さ=0.3×10-6であるのに対し、図4の溝有りの場合には、最薄部の油膜厚さ=0.35×10-6となり、最小油膜厚さが厚くなっていることがわかる。
【0019】
次に、効果を説明する。
第1実施例の円すいころ軸受にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0020】
(1) 外周面に円すい体形状の軌道面30aを有する内輪30と、内周面に円すい体形状の軌道面31aを有する外輪31と、内輪30と外輪31の間に転動自在に配置された円すい台形状の複数のコロ32と、内輪30に形成され、コロ32の大径端面32aに接触してコロ32を案内する大鍔33と、を備えた円すいころ軸受A1において、前記大鍔33と前記コロ32とが接触する面のうち、大鍔33とコロ32の少なくとも一方の面に周方向に溝35を設けたため、運転条件が過酷になり大鍔33とコロ32との接触部の油膜が薄くなろうとしても、大鍔33とコロ32との金属接触を防止することができる。
【0021】
(2) 前記大鍔33のコロ32と接触する大鍔面33aに円周方向の溝35を設け、該溝35の幅を、大鍔33とコロ32の接触部が形成するヘルツ接触だ円の幅よりも小さくし、大鍔33とコロ32の間に形成された油膜が薄くなる部分に溝35を配置したため、運転条件が過酷になり油膜が薄くなっても、金属接触をすることがない。また、大鍔33の大鍔面33aに溝35を形成したため、複数のコロ32のそれぞれに溝を形成する場合に比べ、加工が短時間ですむ。
【0022】
(3) 前記溝35を2本設け、それぞれの溝35,35を、接触だ円の中心位置と端部位置の中間付近に配置したため、平均油膜厚さが薄い条件となる位置と溝35,35の位置とが一致し、有効に最小油膜厚さを厚くすることで、確実に金属接触を防止することができる。
【0023】
(4) 前記溝35の断面形状を、円弧形状の溝底を持つ形状に設定したため、形状の急峻な変化による油膜圧力の急上昇を防止することができる。
【0024】
なお、それぞれの溝35,35は、完全に独立している必要はなく、図5の第1実施例の変形例による円すいころ軸受A1’に示すように、2つの円弧凹断面を持つ溝35,35を滑らかに連通する円弧凸断面による連通溝36により連通して連続する溝35,35としてもよい。
【0025】
(第2実施例)
第2実施例の円すいころ軸受A2は、コロと鍔との接触面のうち、コロ側に溝を設けた例である。
【0026】
すなわち、図6に示すように、前記コロ32の大鍔33と接触する大径端面32aに円周方向の2本の溝35,35を設け、該溝35,35の1つの溝幅を、大鍔33とコロ32の接触部が形成するヘルツ接触だ円の幅よりも小さくし、大鍔33とコロ32の間に形成された油膜が薄くなる部分に2本の溝35,35を配置した。なお、他の構成は第1実施例と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
【0027】
次に、作用を説明すると、第1実施例は、大鍔33の1個に溝加工を施せばよく簡単であるが、大鍔33は内輪30に一体化されているため、大鍔33の角度や内輪30の形状等によっては工具の干渉などが発生し、加工が困難となる。
【0028】
これに対し、第2実施例の円すいころ軸受A2は、コロ32の大径端面32aであれば加工に際して邪魔になる部分がなく、例えば、大径端面32aの球面加工と同時加工等により、容易に加工することができる。
【0029】
次に、効果を説明する。
第2実施例の円すいころ軸受A2にあっては、第1実施例の(1),(3),(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0030】
(5) 前記コロ32の大鍔33と接触する大径端面32aに円周方向の溝35,35を設け、該溝35,35の1つの溝幅を、大鍔33とコロ32の接触部が形成するヘルツ接触だ円の幅よりも小さくし、大鍔33とコロ32の間に形成された油膜が薄くなる部分に2本の溝35,35を配置したため、簡単な加工で、運転条件が過酷になっても、大鍔33とコロ32との金属接触を防止することができる。
【0031】
(第3実施例)
第3実施例の円すいころ軸受A3は、溝35を1本設け、その溝35を、接触だ円中心に配置した例である。
【0032】
すなわち、図7に示すように、前記溝35を1本だけ大鍔面33aに設け、その溝35を、接触だ円中心に配置した。なお、他の構成は第1実施例と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
【0033】
次に、作用を説明すると、図8(a),(b)、並びに、弾性流体潤滑(山本・兼田:トライボロジー理工学社(1998年発行)122頁参照)に記載されているように、コロ32転がり速度が高くなると油膜厚さ分布が変化し、低速時の最薄部は接触だ円の中心と端部の中間付近に2箇所存在するのに対し図8(a)、高速時の最薄部は中央部に移動する図8(b)。第3実施例は、このような運転条件において金属接触を防止できる。
【0034】
次に、効果を説明する。
第3実施例の円すいころ軸受A3にあっては、第1実施例の(1),(2),(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0035】
(6) 前記溝35を1本だけ大鍔面33aに設け、その溝35を、接触だ円の中心位置に配置したため、平均油膜厚さが厚い高速運転条件において、金属接触を防止することができる。
【0036】
(第4実施例)
第4実施例の円すいころ軸受A4は、トロイダル型無段変速機のパワーローラ軸受として適用した例である。
【0037】
まず、構成を説明する。
図9は第4実施例の円すいころ軸受A4が適用されたトロイダル型無段変速機の変速機構を示す概略図であり、エンジンからの回転駆動力は、図外のトルクコンバータおよび前後進切換え機構を介して入力軸1に入力される。
【0038】
前記入力軸1と同軸上にトルク伝達軸2が配置され、該トルク伝達軸2の両端部位置には、第1入力ディスク3と第2入力ディスク4を、軸方向移動可能にスプライン結合している。
【0039】
前記第1入力ディスク3の背面と入力軸1との間には、入力トルクに応じて軸方向推力を発生するローディングカム機構5を介装している。
【0040】
前記第2入力ディスク4の背面とトルク伝達軸2の端部に螺合されたナット6との間には、両入力ディスク3,4にプリロードを付与する皿バネ7を介装している。
【0041】
前記両入力ディスク3,4の中間位置には、トルク伝達軸2に遊装した出力ディスク8を配置している。この出力ディスク8は、2つの出力ディスクの背面を互いに合わせて一体結合したもので、出力ディスク8の外周部には出力ギア9を形成している。
【0042】
前記第1入力ディスク3の出力ディスク8側対向面と、前記第2入力ディスク4の出力ディスク8側対向面と、前記出力ディスク8の両入力ディスク3,4に対向する対向面には、それぞれトロイド状溝3a,4a,8a,8bを形成している。
【0043】
前記トロイド状溝3a,8aとの間には、左右2個の第1パワーローラ10,10を油膜せん断力により動力の受け渡しを可能に挟持している。同様に、トロイド状溝4a,8bとの間には、左右2個の第2パワーローラ11,11を油膜せん断力により動力の受け渡しを可能に挟持している。
【0044】
そして、第1入力ディスク3と出力ディスク8と第1パワーローラ10,10により第1トロイダル変速部12を構成し、第2入力ディスク4と出力ディスク8と第2パワーローラ11,11により第2トロイダル変速部13を構成している。
【0045】
上記変速機構において、各パワーローラ10,10,11,11は、後述する作動により変速比に応じた傾転角が得られるようにそれぞれ傾転され、両入力ディスク3,4の入力回転を無段階(連続的)に変速して出力ディスク8に伝達する。
【0046】
図10は第4実施例の円すいころ軸受A4が適用されたトロイダル型無段変速機の変速制御系を示す概略図で、第1パワーローラ10,10は、トラニオン14,14の一端に支持されていて、パワーローラ回転軸15,15を中心として回転自在である。このトラニオン14,14の他端部には、トラニオン14,14を軸方向に移動させて各パワーローラ10,10を傾転させる油圧アクチュエータとしてのサーボピストン16,16を設けている。なお、第2パワーローラ11,11も同様に、トラニオンの一端に支持されていて、トラニオンを軸方向に移動させて各パワーローラ11,11を傾転させる油圧アクチュエータとしてのサーボピストンを設けている。そして、4個のトラニオンは、これらが同期して動くように図外の同期ワイヤにより連結されている。
【0047】
前記サーボピストン16,16を作動制御する油圧制御系として、ピストン16a,16aにより画成されるハイ側油室16b,16bに接続されるハイ側油路17と、ロー側油室16c,16cに接続されるロー側油路18と、ハイ側油路17を接続するポート19aとロー側油路18を接続するポート19bを有する変速制御弁19とが設けられている。
【0048】
前記変速制御弁19のライン圧ポート19cには、図外のオイルポンプ及びリリーフ弁を有する油圧源からのライン圧が供給される。
【0049】
前記変速制御弁19の変速スプール19dは、トラニオン14,14の軸方向及び傾転方向を検知し、変速制御弁19にフィードバックするレバー20及びプリセスカム21と連動すると共に、ステップモータ22により軸方向に変位するように駆動される。
【0050】
前記ステップモータ22を駆動制御する電子制御系として、CVTコントロールユニット23が設けられ、このCVTコントロールユニット23には、スロットル開度センサ24、エンジン回転センサ25、入力ディスク回転センサ26、出力軸回転センサ(車速センサ)27、インヒビタースイッチ28、油温センサ29等からの入力情報が取り込まれる。
【0051】
図11は第4実施例の円すいころ軸受A4が適用されたパワーローラ10を示す断面図である。なお、パワーローラ11についても同じ構造である。
【0052】
前記パワーローラ10は、第1入力ディスク3の動力を油膜せん断力によって出力ディスク8に伝達する内輪30と、トラニオン14に対し揺動可能もしくはスライド可能に支持された外輪31と、該外輪31に対して内輪30を回転自在に支持するスラスト軸受としての円すいころ軸受A4と、前記外輪31のパワーローラシャフト部31bに内輪30を回転可能に支持するラジアル軸受37と、を有して構成している。
【0053】
前記円すいころ軸受A4は、外輪対向面に円すい体形状の軌道面30aを有する内輪30と、内輪対向面に円すい体形状の軌道面31aを有する外輪31と、内輪30と外輪31の間に転動自在に配置された円すい台形状の複数のコロ32と、外輪31に形成され、コロ32の大径端面32aに接触してコロ32を案内する大鍔33と、コロ32の小径端面32bに接触してコロ32を案内する小鍔34と、を備えている。そして、図6に示す第2実施例と同様に、前記大鍔33と前記コロ32とが接触する面のうち、コロ32の大径端面32aに周方向に2本の溝35を設けている。
【0054】
次に、作用を説明する。
【0055】
トロイダル型無段変速機の変速比制御時においては、入出力ディスク3,8との接触により内輪30から円すいころ軸受A4に対し大きなスラスト荷重が付加される。このスラスト荷重により、コロ32にはラジアル分力が発生し、このラジアル荷重を大鍔33の大鍔面33aで支持することになる。このとき、コロ32の大径端面32aと大鍔33の大鍔面32dは相対回転を行うため、両者の接触部にはすべりが発生し、このすべりによる摩擦力が、円すいころ軸受A4の損失トルクMとなり、この損失トルクMの大きさは、下記の(1)式で与えられる。M=eμFcosβ (1)
e:鍔当たり高さ
μ:摩擦係数
F:スラスト荷重
β:コロの円すい半頂角
よって、(1)式から明らかなように、摩擦係数μを小さくするほど損失トルクMが低減する。この摩擦係数μを低減するには、大径端面32aと大鍔面32dとの接触部に油膜を形成させる必要がある。特に、トロイダル型無段変速機では、大トルク伝達時にスラスト荷重Fが大きくなるため、損失トルクMを低減することが重要な課題となる。
【0056】
よって、大きなラジアル分力を受けるパワーローラ10の場合、損失トルクMを低減させるには、コロ32の大径端面32aと大鍔33の大鍔面32dとの接触部の油膜を確保し、摩擦係数μを小さくする必要がある。
【0057】
これに対し、第4実施例の円すいころ軸受A4では、油膜が最薄となる部分に溝35,35が形成されているため、第1実施例と同様に、最薄部の油膜厚さが厚くなり、大鍔33とコロ32との接触部での金属接触を防止することができ、その結果、損失トルクMが低下する。
【0058】
次に、効果を説明する。
第4実施例の円すいころ軸受A4にあっては、第1実施例の(1),(3),(4)および第2実施例の(5)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0059】
(7) 入力ディスク3と、出力ディスク8と、これら入出力ディスク3,8の対向面にそれぞれ形成されたトロイド状溝3a,8aに挟持される複数のパワーローラ10と、該パワーローラ10を傾転可能に支持するトラニオン14と、を備え、前記パワーローラ10は、第1入力ディスク3の動力を油膜せん断力によって出力ディスク8に伝達する内輪30と、トラニオン14に対し揺動可能もしくはスライド可能に支持された外輪31と、該外輪31に対して内輪30を回転自在に支持するパワーローラ軸受と、を有して構成されるトロイダル型無段変速機において、前記パワーローラ軸受として円すいころ軸受A4を適用したため、コロ32の大径端面32aと大鍔33の大鍔面32dとの接触部の油膜を確保し、摩擦係数μを小さくして、損失トルクMを小さくすることができる。
【0060】
以上、本発明の円すいころ軸受を第1実施例〜第4実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0061】
例えば、第4実施例では、円すいコロ軸受をトロイダル型無段変速機のパワーローラ軸受として適用した例を示したが、トロイダル型無段変速機以外の円すいコロ軸受が採用される様々な回転機器類に適用することができる。
【0062】
第1実施例〜第4実施例では、大鍔の大鍔面とコロの大径端面のうち、一方の面のみに溝を設ける例を示したが、例えば、一方の面に2本の溝を設け、他方の面に1本の溝を設け、コロの転がり速度が低速から高速まで油膜確保できるようにする等、油膜の確保に有効であれば、大鍔の大鍔面とコロの大径端面の両方に溝を設けるようにしても良い。
【0063】
第1実施例〜第4実施例では、溝の数が1本と2本の例を示したが、微細な溝を3本以上設けるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の円すいころ軸受を示す断面図および鍔とコロの接触部拡大断面図である。
【図2】溝の無い円すいころ軸受の鍔とコロの接触部における膜厚分布図である。
【図3】溝の無い円すいころ軸受の鍔とコロの接触部における転がり方向から視た膜厚分布図である。
【図4】第1実施例の円すいころ軸受の鍔とコロの接触部における転がり方向から視た膜厚分布図である。
【図5】第1実施例の変形例の円すいころ軸受における鍔とコロの接触部拡大断面図である。
【図6】第2実施例の円すいころ軸受における鍔とコロの接触部拡大断面図である。
【図7】第3実施例の円すいころ軸受における鍔とコロの接触部拡大断面図である。
【図8】第3実施例の円すいころ軸受の鍔とコロの接触部における転がり速度が低速時の膜厚分布図と転がり速度が高速時の膜厚分布図である。
【図9】第4実施例の円すいころ軸受が適用されたトロイダル型無段変速機の変速機構を示す概略図である。
【図10】第4実施例の円すいころ軸受が適用されたトロイダル型無段変速機の変速制御系を示す概略図である。
【図11】第4実施例の円すいころ軸受が適用されたパワーローラを示す断面図である。
【符号の説明】
A1,A2,A3,A4 円すいころ軸受
30 内輪
30a 軌道面
31 外輪
31a 軌道面
32 コロ
32a 大径端面
32b 小径端面
32c 円すい周面
33 大鍔(鍔)
33a 大鍔面
34 小鍔
34a 小鍔面
35 溝

Claims (6)

  1. 外周面に円すい体形状の軌道面を有する内輪と、内周面に円すい体形状の軌道面を有する外輪と、内輪と外輪の間に転動自在に配置された円すい台形状の複数のコロと、内輪または外輪に形成され、コロの大径端面に接触してコロを案内する鍔と、を備えた円すいころ軸受において、
    前記鍔のコロと接触する面に円周方向の溝を設け、該溝の幅を、鍔とコロの接触部が形成するヘルツ接触だ円の幅よりも小さくし、鍔とコロの間に形成された油膜が薄くなる部分に溝を配置したことを特徴とする円すいころ軸受。
  2. 外周面に円すい体形状の軌道面を有する内輪と、内周面に円すい体形状の軌道面を有する外輪と、内輪と外輪の間に転動自在に配置された円すい台形状の複数のコロと、内輪または外輪に形成され、コロの大径端面に接触してコロを案内する鍔と、を備えた円すいころ軸受において、
    前記コロの鍔と接触する面に円周方向の溝を設け、該溝の幅を、鍔とコロの接触部が形成するヘルツ接触だ円の幅よりも小さくし、鍔とコロの間に形成された油膜が薄くなる部分に溝を配置したことを特徴とする円すいころ軸受。
  3. 請求項1または請求項2に記載された円すいころ軸受において、
    前記溝を2本設け、それぞれの溝を、前記ヘルツ接触だ円の中心位置と端部位置の中間付近に配置したことを特徴とする円すいころ軸受。
  4. 請求項1または請求項2に記載された円すいころ軸受において、
    前記溝を1本設け、その溝を、前記ヘルツ接触だ円の中心位置に配置したことを特徴とする円すいころ軸受。
  5. 請求項1ないし請求項の何れか1項に記載された円すいころ軸受において、
    前記溝の断面形状を、円弧形状の溝底を持つ形状に設定したことを特徴とする円すいころ軸受。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載された円すいころ軸受において、
    入力ディスクと、出力ディスクと、これら入出力ディスクの対向面にそれぞれ形成されたトロイド状溝に挟持される複数のパワーローラと、該パワーローラを傾転可能に支持するトラニオンと、を備え、
    前記パワーローラは、入力ディスクの動力を油膜せん断力によって出力ディスクに伝達する内輪と、トラニオンに支持された外輪と、該外輪に対して内輪を回転自在に支持するパワーローラ軸受と、を有して構成されるトロイダル型無段変速機において、前記パワーローラ軸受として適用したことを特徴とする円すいころ軸受。
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