JP4217141B2 - 車体剛性調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、衝突衝撃吸収構造の車両において衝突形態や衝突対象物に応じた適切な反力荷重を得られるように車体のフレーム等の剛性を制御する車体剛性調整装置に関するものである。
従来、車体の剛性を制御する車体剛性調整装置として、車両の左右に配設されるサイドフレームに設けた圧電アクチュエータにより、車両前方から受ける衝突荷重に抗する力や助長する力をサイドフレームに加えることで、異なる衝突形態に対応するようにサイドフレームの剛性を切り換えるものがある(特許文献1参照)。具体的に、この装置は、車体の前面が全体的に衝突する衝突形態(フルラップ衝突)ではサイドフレームの剛性を低くし、片方のサイドフレームに衝突荷重が集中する衝突形態(オフセット衝突)ではサイドフレームの剛性を高くすることで、双方の衝突形態で最適な衝撃吸収がなされる構造となっている。
また、このような車体剛性調整装置では、フルラップ衝突やオフセット衝突等の衝突形態に応じて車体の剛性を切り換えるだけでなく、衝突する対象物の大小に応じて車体の剛性を切り換えることで対象物に与える反力を制御することも可能である。
特開平11−291951号公報(段落0010〜0017、図2〜5)
しかしながら、前記の構造では衝突荷重に抗する力、すなわち衝突荷重を直接受け止める力を圧電アクチュエータで発生させるため、この圧電アクチュエータを作動させるための大きな電力が必要であった。そのため、圧電アクチュエータ自体の大型化や圧電アクチュエータに電力を供給するバッテリの大型化といった問題が生じていた。
そこで、本発明では、車体の剛性を小さな力で制御することができる車体剛性調整装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決する本発明のうち請求項1に記載の車体剛性調整装置は、衝突荷重の方向に対して平行に配設され、前記衝突荷重が一端部側から加えられる板状部材と、前記板状部材の他端部側に配設されるベース部材と、前記板状部材の上端部および下端部を覆うように前記板状部材の一端部側に配設され、かつ衝突時において前記ベース部材に対して移動自在に構成される断面略コ字形状のスライド部材と、前記板状部材の上端部および下端部を前記スライド部材の対向面に連結またはその連結を解除する連結手段と、を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、衝突の際に連結手段によりスライド部材と板状部材とを連結させない場合は、ベース部材に対して移動するスライド部材により押し潰される板状部材が一つの腹を有する一次変形モードで座屈することになり、その剛性が低くなる。また、衝突の際に連結手段によりスライド部材と板状部材とを連結した場合、例えば板状部材の上端部および下端部の複数箇所をスライド部材の対向面に連結した場合には、板状部材が複数の腹を有する多次変形モードで座屈することになり、その剛性が高くなる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車体剛性調整装置であって、前記スライド部材の対向面が、凹凸形状に形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、スライド部材の対向面が凹凸形状に形成されるので、スライド部材の剛性を高くすることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車体剛性調整装置であって、前記スライド部材の対向面が、互いに対称となるような凹凸形状に形成されるとともに、前記対向面のうち互いに近づいた部分に、前記板状部材が配設されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、板状部材が凹凸形状の対向面のうち互いに近づいた部分に配設される、すなわち板状部材の上下方向の長さが短くなるので、板状部材の剛性を更に高くすることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の車体剛性調整装置であって、前記板状部材が、形状記憶合金からなることを特徴とする。
ここで、「形状記憶合金」は、アルミ合金や鉄系材料に比べ、その座屈荷重と歪エネルギーの値が長さによって大きく異なるという性質を有している。具体的には、形状記憶合金は、その長さが所定値以上であるときはアルミ合金や鉄系材料と同じように座屈する際に座屈荷重がピークとなりその後座屈荷重は低下していく性質を有するが、その長さが所定値未満であるときは座屈した後に再び座屈荷重が上がっていく性質を有している。形状記憶合金は、二段階の応力―歪関係を有する材料(低応力にて降伏をし、一定歪だけ塑性変形を行った後に、再び弾性変形して応力が上昇し、再度降伏が現れる塑性変形を行う材料)である。そのため、長さが所定値未満であるときは、二段目の応力―歪関係が大きく影響し、座屈荷重の上昇が起きる。
そして、このような形状記憶合金を本発明に利用すると、板状部材の任意箇所をスライド部材の対向面に連結していない場合は、座屈変形する部分が最も長い状態であるため、板状部材は小さな荷重で座屈する。また、板状部材の任意箇所をスライド部材の対向面に連結することで座屈変形する部分を分割して所定値未満まで短くした場合は、座屈した後に再び座屈荷重が上がっていくので、板状部材は前記した小さな荷重よりも遥かに大きな荷重で座屈することになる。
請求項4に記載の発明によれば、板状部材が形状記憶合金からなるので、板状部材が一次変形モードで変形するときの座屈荷重と多次変形モードで変形するときの座屈荷重に大きな差を設けることができる。すなわち、板状部材の座屈荷重を広い範囲で変えることができるので、車体の剛性を広い範囲で調整することができる。
請求項1に記載の発明によれば、板状部材の上端部および下端部とスライド部材とを連結、またはその連結を解除するだけで車体の剛性を調整することができるので、従来よりも小さな力で車体の剛性を制御することができる。そのため、装置自体の小型化およびこの装置に電力を供給するバッテリ等の小型化を図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、スライド部材の対向面が凹凸形状に形成されるので、スライド部材の剛性を高くすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、板状部材の上下方向の長さが短くなるので、板状部材の剛性を更に高くすることができる。
請求項4に記載の発明によれば、板状部材が形状記憶合金からなるので、板状部材の座屈荷重を広い範囲で変えることができ、車体の剛性を広い範囲で調整することができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図1は本実施形態に係る車体剛性調整装置を備えた車両の前部を示す斜視図、図2は図1の車体剛性調整装置を示す分解斜視図である。また、図3は図2のアクチュエータ近傍の詳細を示す拡大斜視図であり、図2のA−A線に沿った断面図(a)と、図2のB−B線に沿った断面図(b)である。
図1に示すように、車両Mは、そのフロントバンパFB内に設けられる車体剛性調整装置1および衝突物検知センサ2と、衝突物検知センサ2からの検出信号に基づいて車体剛性調整装置1を制御する制御装置3を備えている。なお、以下の説明においては、便宜上、複数の衝突物検知センサ2を車両Mの右側から順に2a,2b,2c,2d,2e,2fとして説明することとする。また、以下の説明においては、車両Mの前後方向、車両Mの左右方向、車両Mの上下方向を、単に車両前後方向、車両左右方向、車両上下方向と呼ぶこととする。
図2に示すように、車体剛性調整装置1は、車両前後方向(衝突荷重の方向)に対して平行に配設される複数の隔壁(板状部材)4と、これらの隔壁4を支持するベース部材5と、断面略コ字形状のスライド部材6と、を主に備えている。また、車体剛性調整装置1は、隔壁4をスライド部材6に連結させ、またその連結を解除させるアクチュエータ(連結手段)7を備えている。
隔壁4は、形状記憶合金からなる板状部材であり、ベース部材5の長手方向に沿って略等間隔に配設されている。また、この隔壁4は、その前端部(一端部)41がスライド部材6に接合されるとともに、その後端部(他端部)42がベース部材5に接合されている。なお、本実施形態では、隔壁4をスライド部材6およびベース部材5の両方に接合することとしたが、本発明はこれに限定されず、隔壁4はスライド部材6およびベース部材5のうち少なくとも一方に接合されていればよい。
また、隔壁4は、その上端部43および下端部44が斜めに折り曲げられている。そして、この上端部43には、孔部43aが車両前後方向に二個所並んで形成されており、下端部44には、上端部43の孔部43aに対応した位置に同様の孔部44aが形成されている。すなわち、上端部43の二つの孔部43aは、下端部44の二つの孔部44aと車両前後方向において同じ位置に形成されている。
ベース部材5は、車両左右方向に延びる矩形の板状部材であり、その両面51,52(以下、「前面51」、「後面52」ともいう)が車両前後方向と直交するように、複数の隔壁4の後端部42側に配設されている。そして、ベース部材5は、その前面51に複数の隔壁4が接合された状態で、その後面52が図1に示す車両Mの前部(フロントバンパFBが取り付けられる部分)に接合されている。なお、本実施形態では、説明の便宜上ベース部材5を車両前後方向に直交する面を有する部材としたが、実際には、ベース部材の面は湾曲したバンパの取付部分に合わせるように左右対称となるほぼ円弧状に形成されている。そのため、この場合におけるベース部材は、その頂部を通る接線が車両左右方向に対して平行となるように、配設される。
スライド部材6は、隔壁4と同じく形状記憶合金からなり、上面部61、前面部62および下面部63により断面略コ字形状に形成されている。そして、このスライド部材6は、隔壁4の上端部43および下端部44を覆うように隔壁4の前端部41側に配設されるとともに、衝突時においてベース部材5に対して移動自在となるように、その上面部61と下面部63との間の最短距離(後記する内側平面部61bと内側平面部63bとの間の距離)がベース部材5の上下方向の長さよりも大きくなるように形成されている(図3(a)参照)。なお、本実施形態における上面部61と下面部63は、特許請求の範囲にいう「対向面」に相当している。
また、上面部61および下面部63は、互いに対称となるような凹凸形状に形成されている。具体的には、上面部61は、外方(上方)に位置する外側平面部61aと、この外側平面部61aよりも内方(下方)に位置する内側平面部61bと、これらの外側平面部61aと内側平面部61bとを滑らかに繋ぐ斜面部61cとにより凹凸形状に形成されている。また、下面部63も、上面部61と同様に、外方(下方)に位置する外側平面部63aと、この外側平面部63aよりも内方(上方)に位置する内側平面部63bと、これらの外側平面部63aと内側平面部63bとを滑らかに繋ぐ斜面部63cとにより凹凸形状に形成されている。
そして、上面部61および下面部63のうち互いに近づいた部分、すなわち内側平面部61b,63b近傍に、隔壁4が配設されるようになっている。また、この隔壁4の上端部43とスライド部材6の斜面部61cの間や、隔壁4の下端部44とスライド部材6の斜面部63cの間には、形状記憶合金からなる略矩形の補強部材8が配設されている。さらに、スライド部材6の斜面部61c,63cと補強部材8には、隔壁4の上端部43および下端部44にそれぞれ二つずつ形成された孔部43a,44aの位置に対応するように孔部61d,63d,8aがそれぞれ二つずつ形成されている。
アクチュエータ7は、その軸方向に進退自在となる可動ピン71と、この可動ピン71を進退させる駆動部72とで主に構成される電磁ソレノイドであり、隔壁4の各孔部43a,44aに対応して設けられている。具体的には、図3(b)に示すように、アクチュエータ7は、その可動ピン71が三部品(隔壁4、補強部材8およびスライド部材6)に形成された各孔部43a(44a),8a,61d(63d)に貫通するように配設されている。また、可動ピン71の先端には、アクチュエータ7の駆動力によって容易に脱落し、かつ通常時は前記三部品の結合に寄与する止め具73が接合されている。なお、以下の説明においては便宜上、一つの隔壁4に設けた四つのアクチュエータ7(図3(a)参照)のうち車両前側に上下一対に設けた二つのアクチュエータ7を「前側アクチュエータ7A」とも呼び、車両後側に上下一対に設けた二つのアクチュエータ7を「後側アクチュエータ7B」とも呼ぶこととする。
そして、可動ピン71が前記三部品の各孔部43a(44a),8a,61d(63d)に挿入された状態において、隔壁4の上端部43および下端部44がスライド部材6の上面部61(斜面部61c)および下面部63(斜面部63c)に連結されることとなる。また、可動ピン71が各孔部43a(44a),8a,61d(63d)から抜けた状態において、隔壁4の上端部43および下端部44とスライド部材6の上面部61および下面部63との連結が解除されることとなる。ちなみに、アクチュエータ7がOFFである場合に、可動ピン71によって前記三部品が連結されたままの状態となり、アクチュエータ7がONされた場合に、可動ピン71が後退し、その先端に接合された止め具73が脱落するとともに、前記三部品の連結が解除されるようになっている。また、アクチュエータ7は通常時(衝突が発生していないとき)において常にOFFとなっており、衝突時において後記する制御装置3によって適宜OFFの状態からONの状態に切り換えられるようになっている。
図1に示すように、衝突物検知センサ2a〜2fは、衝突対象物の硬さを検出するものである。この衝突物検知センサ2a〜2fとしては、例えば衝突対象物を画像として検知するカメラや、衝突対象物の温度を検知する赤外線センサや、衝撃時における車体の歪を検知する歪センサなどを用いることができる。また、制御装置3は、衝突物検知センサ2a〜2fからの出力(例えば、画像データ、温度、歪など)に基づいて衝突対象物の硬さを判定するとともに、この衝突対象物の硬さや図示せぬ車速センサから検出される車速などに応じて車体剛性調整装置1のアクチュエータ7を制御するものである。なお、本実施形態では、衝突物検知センサ2a〜2fを衝突対象物の硬さを検出するものとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、衝突物検知センサ2a〜2fとして、レーザや超音波等を利用して衝突対象物との距離を検知する距離センサを用いてもよい。この場合は、例えば車両のオフセット衝突やフルラップ衝突に対応するように、車体剛性調整装置1の剛性を切り替えることができる。
また、制御装置3は、例えば衝突物検知センサ2a〜2fのうち隣り合う四つ以上のセンサから検出信号が出力されていると判断した場合は、その衝突対象物が大きいと判定し、隣り合う三つ以下のセンサから検出信号が出力されていると判断した場合は、その衝突対象物が小さいと判定する。そして、この制御装置3は、前記のように判定した衝突対象物の大きさや硬さに応じて複数のアクチュエータ7のON・OFFを制御する。具体的に、この制御装置3は、図3(a)に示すように、各隔壁4に設けた前側アクチュエータ7Aや後側アクチュエータ7Bを適宜制御することで、各隔壁4の変形モードを制御している。
ここで、本実施形態における変形モードについて図4を参照して説明する。参照する図面において、図4は車体剛性調整装置の横断面の概略を示す図であり、隔壁が一次変形モードで座屈した状態を示す図(a)と、隔壁が二次変形モードで座屈した状態を示す図(b)と、隔壁が三次変形モードで座屈した状態を示す図(c)である。
本実施形態における変形モードには、図4(a)に示すような複数の隔壁4がそれぞれ一つの腹4aを有して変形する一次変形モード、図4(b)に示すような二つの腹4bを有して変形する二次変形モード、図4(c)に示すような三つの腹4cを有して変形する三次変形モードがある。具体的には、各隔壁4にそれぞれ設けた四つのアクチュエータ7(図では二つのみ図示)の全てをOFFに維持することで各隔壁4が図4(a)に示す一次変形モードで座屈し、前側アクチュエータ7Aのみ(または後側アクチュエータ7Bのみ)をONにすることで各隔壁4が図4(b)に示す二次変形モードで座屈し、四つのアクチュエータ7の全てをONにすることで各隔壁4が図4(c)に示す三次変形モードで座屈するようになっている。
なお、前記したように適宜隔壁4の変形モードを切り換えることにより、隔壁4の剛性を変化させることができる。以下に、各変形モードに応じた衝突荷重に抗する荷重について、図5を用いて、本実施形態の材料である形状記憶合金と、アルミや鉄などの形状記憶合金でない他の材料とを比較しつつ説明する。参照する図面において、図5は、各変形モードにおける隔壁の変位と衝突荷重に抗する荷重との関係を示すグラフであり、アルミなどの形状記憶合金でない材料の変位と荷重の関係を示すグラフ(a)と、形状記憶合金の変位と荷重の関係を示すグラフ(b)である。
ここで、図5(a)および(b)に示す三つの曲線をそれぞれ一次変形モード、二次変形モード、三次変形モードで表わしているが、詳しくは一次変形モードのときの座屈長さ、二次変形モードのときの座屈長さ、三次変形モードのときの座屈長さをそれぞれ示している。なお、一次変形モードのときの座屈長さとは、図3(a)に示すように、隔壁4の前端部41から後端部42までの長さをいい、二次変形モードのときの座屈長さとは、前側アクチュエータ7Aの位置から後端部42までの長さ、または前端部41から後側アクチュエータ7Bまでの長さをいう。また、三次変形モードのときの座屈長さとは、前端部41から前側アクチュエータ7Aまでの長さ、前側アクチュエータ7Aから後側アクチュエータ7Bまでの長さ、または後側アクチュエータ7Bから後端部42までの長さをいう。すなわち、各座屈長さは、一次変形モード時の座屈長さよりも二次変形モード時の座屈長さの方が短く、二次変形モード時の座屈長さよりも三次変形モード時の座屈長さの方が短くなるような関係になっている。
図5(a)および(b)に示すように、どちらの材料にも共通して言えることは、変形モードを多次変形にすればする程(座屈長さが短くなればなる程)、衝突荷重に抗する荷重、すなわち隔壁4の剛性を上げることができることである。そして、本実施形態の材料である形状記憶合金と、そうでない材料との違いは、隔壁4を三次変形モードで座屈させた場合に顕著に現れる。すなわち、図5(a)に示す形状記憶合金でない材料の方では、座屈(グラフの頂上部)後に衝突荷重に抗する荷重は下がっていくが、図5(b)に示す形状記憶合金の方では、座屈後に下がった荷重は再び上昇していく。これにより、本実施形態のように形状記憶合金を用いると、三次変形モードの際の剛性を形状記憶合金でない材料の剛性と比べて飛躍的に上げることができる。
次に、この車体剛性調整装置1の動作について図1および図4を参照して説明する。
最初に、図1を参照して車両Mが小さな対象物(例えば、電柱や小型車など)に衝突する場合について説明する。まず、車両Mが小さな衝突対象物に対して衝突しようとすると、小さな衝突対象物は衝突物検知センサ2a〜2fのうちの例えば隣接する二つの衝突物検知センサ2b,2cにより検出され、その信号が制御装置3に出力される。そして、この制御装置3において前記二つの衝突物検知センサ2b,2cから検出信号が出力されていると判断されて、衝突対象物が小型であると判定される。このように衝突対象物が小型であると判定した制御装置3は、他に車速などを参照しつつ、例えば図4(a)に示すように全てのアクチュエータ7をONにすることで、全ての隔壁4を一次変形モードで座屈させる。
続いて、図1を参照して車両Mが大きな対象物(例えば、大型車など)に衝突する場合について説明する。まず、車両Mが大きな衝突対象物に対して衝突しようとすると、大きな衝突対象物は衝突物検知センサ2a〜2fのうち例えば隣接する四つの衝突物検知センサ2a〜2dにより検出され、その信号が制御装置3に出力される。そして、この制御装置3において前記四つの衝突物検知センサ2a〜2dから検出信号が出力されていると判断されて、衝突対象物が大型であると判定される。このように衝突対象物が大型であると判定した制御装置3は、他に車速などを参照しつつ、例えば図4(c)に示すように全てのアクチュエータ7をOFFの状態に維持させることで、全ての隔壁4を三次変形モードで座屈させる。
なお、前記した説明においては、全てのアクチュエータ7をON・OFFすることで全ての隔壁4を一次変形モード・三次変形モードで座屈させたが、他にも各隔壁4に設置される前側アクチュエータ7Aや後側アクチュエータ7Bのどちらかを適宜ONさせることで、各隔壁4を図4(b)に示すような二次変形モードで座屈させることができる。また、前記したように衝突時に全ての隔壁4の変形モードを変更する必要はなく、衝突する部分に対応した隔壁4のみ(例えば右側半分の隔壁4のみなど)をその衝突対象物に適した変形モードに切り換えるように制御してもよい。
また、前記のような衝突の際には、図2に示す補強部材8も、可動ピン71の抜き差しによって、隔壁4と同様に、一次変形モード、二次変形モードまたは三次変形モードで座屈する。そのため、この補強部材8の剛性も隔壁4の剛性と同様に制御されることとなる。さらに、スライド部材6の上面部61および下面部63は、可動ピン71の抜き差しによって、その上下方向への変形が拘束または解除される。すなわち、可動ピン71を抜いた場合に、スライド部材6は前後方向にスライドするのみであるが、可動ピン71が差されたままの状態であれば、スライド部材6は隔壁4および補強部材8に接合されることとなるので、スライド部材6も同様に二次変形モードまたは三次変形モードで座屈することとなる。
さらに、前記した説明においては、衝突対象物の大きさに応じて各アクチュエータ7を制御したが、本発明はこれに限定されず、例えば衝突対象物の硬さに応じて各アクチュエータ7を制御してもよい。なお、この場合における制御装置3は、例えば、衝突物検知センサ2a〜2fで検出した衝突対象物の硬さが所定値未満であると判断したときに全てのアクチュエータ7をONにして全ての隔壁4を一次変形モードで座屈させ、衝突対象物の硬さが所定値以上であると判断したときに全てのアクチュエータ7をOFFの状態に維持して全ての隔壁4を三次変形モードで座屈させる。
以上によれば、本実施形態において、次のような効果を得ることができる。
隔壁4の上端部43および下端部44とスライド部材6の上面部61および下面部63とを連結、またはその連結を解除する、すなわち隔壁4の車両左右方向への変形を拘束、またはその拘束を解除するだけで隔壁4の剛性を調整することができるので、従来よりも小さな力で車体の剛性を制御することができる。そのため、装置自体の小型化およびこの装置に電力を供給するバッテリ等の小型化を図ることができる。
スライド部材6の上面部61および下面部63が凹凸形状に形成されるので、スライド部材6の剛性を高くすることができる。また、隔壁4が内側平面部61bと内側平面部63bとの間に配設されることにより、隔壁4の上下方向の長さ(上端部43および下端部44を除いた長さ)が短くなるので、隔壁4の剛性を更に高くすることができる。
隔壁4が形状記憶合金からなるので、例えば三次変形モードにおいては座屈後に再び衝突荷重に抗する荷重が上がるので、車体の剛性をより向上させることができる。また、補強部材8やスライド部材6も隔壁4と同様に形状記憶合金からなるので、特に三次変形モードにおいてはその剛性を極めて高くすることができる。
以上、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
本実施形態では、隔壁4が車両前後方向に平行となるように車体剛性調整装置1を配設したが、本発明はこれに限定されず、隔壁4が衝突荷重の方向に対して平行であれば車体剛性調整装置1をどのように配設してもよい。例えば、側突に対応すべく、隔壁4が車両左右方向に平行となるように、車体剛性調整装置1を車両Mの左右に配設してもよい。
本実施形態では、隔壁4、スライド部材6および補強部材8を全て形状記憶合金としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、隔壁4だけを形状記憶合金としてもよく、また、全てを形状記憶合金でない材料で形成してもよい。
本実施形態では、車体剛性調整装置1をフロントバンパFBとほぼ同じ大きさで形成したが、本発明はこれに限定されず、剛性の調整が必要な部分(例えば、フロントバンパFB内の左側部分または右側部分や図6に示すようなフロントサイドフレームFSの先端部など)にのみ車体剛性調整装置1を部分的に設けるようにしてもよい。また、本実施形態では、衝突対象物の大きさに応じてアクチュエータ7を制御することとしたが、本発明はこれに限定されず、オフセット衝突やフルラップ衝突などの衝突形態に応じてアクチュエータ7を制御するようにしてもよい。
本実施形態に係る車体剛性調整装置を備えた車両の前部を示す斜視図である。 図1の車体剛性調整装置を示す分解斜視図である。 図2のアクチュエータ近傍の詳細を示す拡大斜視図であり、図2のA−A線に沿った断面図(a)と、図2のB−B線に沿った断面図(b)である。 車体剛性調整装置の横断面の概略を示す図であり、隔壁が一次変形モードで座屈した状態を示す図(a)と、隔壁が二次変形モードで座屈した状態を示す図(b)と、隔壁が三次変形モードで座屈した状態を示す図(c)である。 各変形モードにおける隔壁の変位と衝突荷重に抗する荷重との関係を示すグラフであり、アルミなどの形状記憶合金でない材料の変位と荷重の関係を示すグラフ(a)と、形状記憶合金の変位と荷重の関係を示すグラフ(b)である。 車体剛性調整装置をフロントサイドフレーム先端に設けた構造を示す斜視図である。
符号の説明
1 車体剛性調整装置
2 衝突物検知センサ
3 制御装置
4 隔壁(板状部材)
41 前端部(一端部)
42 後端部(他端部)
43 上端部
44 下端部
5 ベース部材
6 スライド部材
61 上面部
62 前面部
63 下面部
7 アクチュエータ(連結手段)
7A 前側アクチュエータ
7B 後側アクチュエータ
8 補強部材
FB フロントバンパ
M 車両

Claims (4)

  1. 衝突荷重の方向に対して平行に配設され、前記衝突荷重が一端部側から加えられる板状部材と、
    前記板状部材の他端部側に配設されるベース部材と、
    前記板状部材の上端部および下端部を覆うように前記板状部材の一端部側に配設され、かつ衝突時において前記ベース部材に対して移動自在に構成される断面略コ字形状のスライド部材と、
    前記板状部材の上端部および下端部を前記スライド部材の対向面に連結またはその連結を解除する連結手段と、を備えることを特徴とする車体剛性調整装置。
  2. 請求項1に記載の車体剛性調整装置であって、
    前記スライド部材の対向面が、凹凸形状に形成されていることを特徴とする車体剛性調整装置。
  3. 請求項2に記載の車体剛性調整装置であって、
    前記スライド部材の対向面が、互いに対称となるような凹凸形状に形成されるとともに、
    前記対向面のうち互いに近づいた部分に、前記板状部材が配設されることを特徴とする車体剛性調整装置。
  4. 請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の車体剛性調整装置であって、
    前記板状部材が、形状記憶合金からなることを特徴とする車体剛性調整装置。
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