JP4214246B2 - 水切れの良い織編地 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水切れ性の良い織編地、詳しくは、水着、アクアビクス、レオタード、フィットネス等、水や汗等に多量に濡れる用途に好適な織編地に関する。
【0002】
【従来の技術】
水着のように体にフィットする織編地を着用する場合、プールに入り、動いたり、泳いだりすることで、水着の生地組織及び、水着と体との間に水が滞留すると同時に水着自体が多量の水を含むため濡れによる不快感を感じる。そこで、水着の生地組織からの水の浸入を防ぐ為に、例えば特開昭55−26243号公報に於いて、生地表面に対し、全面もしくは部分的に撥水加工するという提案がなされているが、撥水加工面が表側にあるために水着と体の隙間から入った水が水着の肌側にたまり易く、実際の水切れは悪くなってしまう。
【0003】
こうした欠点を解消することを目的として、今日では、水着と体との隙間から浸入する水を防ぐハイネック型の水着などが開発され、ファブリックの改良が進んでいるが、水の浸入しないものは未だ完成されていない。
【0004】
水切れが悪いと、水中で体が重くなるために泳ぎにくく、プールなどからあがった後も濡れ感があり不快感が生じる。
【0005】
濡れ感を解消し、水切れを改良するために開発された速乾性編地としては、水着の裏側に部分撥水したものが実開平6−79786号に、また濡れ感の少ない編織物としては、特開平03−000876号などに開示されており、同様の効果を得るためにさまざまな試みがなされている。
【0006】
しかしながら、従来のこれらの試案は、撥水加工されているために、(1)風合いが硬くなる、(2)撥水性のために生地の水抜け性が低下する傾向となる、(3)繰り返しの洗濯により撥水効果が低下乃至消失する、等の欠点がある。
【0007】
また、レオタードやフィットネスウエアにおいては、多量に汗をかいた時にむれ感や濡れ感が生じるため、肌側にあたる面を疎水性繊維で編成したり、撥水加工を裏面全体、又は部分的に施すことで濡れ感を減少させるものが提案されている。このうち裏面を疎水性繊維で編成したものは、多量に汗をかいた時、繊維の毛細管現象で肌側に汗が拡散するため濡れ感は減少しない。
【0008】
また、裏面に撥水加工を施したものは、上記の撥水加工の欠点に加えて、(4)汗が撥水加工部分にたまりやすく、むれやすい、という欠点もある。
【0009】
また、生地組織により、水切れを良くしたものがあるが、柄やデザインが限定されると共に生地が厚く、重くなり、またストレッチ性にも劣るため、運動性を妨げるものとなり、かつコストも高くなるという問題点がある。
【0010】
これら種々の問題点のため、水着等に要求されるストレッチ性、薄さ、軽さ、風合、水切れ性、水抜け性を持ち、着用者が快適と感じる速乾性を、洗濯後も繰り返し持続する織編地が得られていないのが実状であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は 前述のような従来技術からなる織編地による水着、フィットネスウエア等の欠点を解消し、プールなどの水から上がった時の身体の水切れや濡れ感、更には多量に汗をかいた時の濡れ感やムレ感を軽減し、着用者の不快感を取り除くと共に、水着、アクアビクス、レオタード、フィットネス等に必要とされる生地のストレッチ性、薄さ、軽さ、洗濯耐久性、風合をも満足し得る織編地を低コストで提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を克服するべく鋭意研究を重ねた結果、水切れがよく濡れ感を減少させることができる、特に水着、アクアビクス、レオタード、フィットネスウエアに好適な新規な織編地に到達し、茲に本発明を完成するに至ったものである。
【0013】
即ち本発明は、合成繊維マルチフィラメント糸条により織編されていて伸長率がタテ,ヨコともに少なくとも70%の基布を備えており、前記基布は、水着、アクアビクス、レオタード、フィットネスに使用され、ポリエステル又はポリアミドからなる単繊維繊度が0.01〜1デニールのマルチフィラメント糸条と、ポリウレタン弾性糸とをそれぞれ1種類用いて織編された2ウェイトリコット経織地からなり、かつ肌との接触面側の片面のみに、吸水加工部と未加工部とを備え、前記吸水加工部は、面積比で30〜60%を占めるように形成されていることを特徴とする水切れのよい織編地に係る。
【0015】
また吸水加工は、吸水加工部を基布の片面、好ましくは肌との接触面側に略々全面に亘って分散させるために、点及び/又は線を構成要素とする任意の模様状、例えばストライブ柄、格子柄、円状柄等に施されている。
【0016】
吸水加工には、例えば吸水性ポリアミド樹脂または、吸水性ポリエステル樹脂のいずれか1種を主成分とする吸水剤が濃度及び粘度等を適宜調整して適用される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態を添付図面に基づき説明する。図1は本発明織編地の概略を説明するための部分平面図であり、1は織編地からなる基布、2は吸水加工部、3は吸水加工が施されていない未加工部を示している。
【0019】
基布1はポリアミド系、ポリエステル系、ポリプロピレン系などの合成繊維マルチフィラメント糸条を用いて製編織される。合成繊維の糸形態としてマルチフィラメントを用いるのは、モノフィラメントに比べ肌触り及び着用感に優れるからである。
【0020】
マルチフィラメントのフィラメント数は特に制限はないが、通常は5〜100フィラメント程度が好ましく、また単繊維繊度としては、0.01〜4デニール、特に0.01〜1デニールが好ましい。0.01デニールよりも細くなると、強度、染色性などの問題が発生するため、好ましくない。
【0021】
また、単繊維の断面形状は特に限定されず、丸断面、三角等の角断面、十字断面、中空断面などの異形断面を用いることができる。
【0022】
織物の種類としては、平織、綾織、朱子織があるが、いずれでも使用できる。その中でも特に平織が適当である。
【0023】
編物の種類としては、丸編地であるシングル丸編、ダブル丸編、経編地であるトリコット、ラッセルのいずれでも使用できる。
【0024】
基布1は、運動時に身体の動きを妨げることがないように、タテ,ヨコともに少なくとも70%の伸長率を有していることが必要であり、通常は70〜250%程度の伸長率を有している。
【0025】
合成繊維マルチフィラメント糸条から基布1を製編織するに際し、基布1の伸長性向上を目的として、ポリウレタン弾性糸と交編織してもよい。ポリウレタン弾性糸の合成繊維マルチフィラメント糸条に対する混率は、50%以下、例えば5〜40%、好ましくは20〜30%程度の範囲内から適宜選択される。
【0026】
吸水加工は、基布1の片面、好ましくは肌との接触面側に施され、他の片面、例えば肌との非接触面側には施されない。吸水加工により形成される吸水加工部2の片面に占める割合は、面積比で5〜60%程度が適当である。吸水加工部2の占める割合が60%を越えると吸水性には優れるものの、肌側で水分が拡散するために水や汗が肌側に残りやすく、濡れ感は減少しない。逆に5%に満たない場合は、吸水効果が不十分となるだけでなく、加工が難しく実用性にかけることになる。
【0027】
吸水加工部2と吸水加工が施されていない未加工部3とは、水に濡れたときに視覚を通じて明確に区別できる。従って吸水加工部2を、基布1の肌との接触面側に加え肌との非接触面側にも施すと、水着として着用したときに非接触面側(外表面側)に於いて、例えば吸水加工部2が目につき、審美性に劣るものとなり、好ましくない。吸水加工部2を片面、特に肌との接触面側に形成するときは、裏側に隠れてしまい、審美性への悪影響はない。
【0028】
吸水加工に使用する吸水剤としては、公知の各種の吸水剤を用いることができ、とりわけ、吸水性ポリアミド樹脂又は吸水性ポリエステル樹脂を主成分とするものが適当である。ポリアミド系吸水剤としては、一般に使用されているラノゲンTNT−1(高松油脂(株)製、商品名)、その他ブレビオールAFM(ヘンケルジャパン(株)製、商品名)、リケンレジンNSR−506(三木理研(株)製、商品名)、LUROTEX A−25(三井BASF製、商品名)、MULTIMA SRC−101(バイエルジャパン(株)製、商品名)等を例示できる。またポリエステル系吸水剤としては、SR−1000(高松油脂(株)製、商品名)、クラミカル RX−10(京浜化成(株)製、商品名)、ナイスポール PR−333・PR−86(日華化学(株)製、商品名)、ファインテックス135−SR(大日本インキ(株)製、商品名)、メイカフィニッシュSRM−35(明成化学(株)製、商品名)、ユニコンPSR−1(ユニオン化成(株)製、商品名)、リケンレジンNP−26(三木理研(株)製、商品名)などを例示できる。
【0029】
基布1の片面に吸水加工部2を略々全面に分散するように形成するために、吸水剤が線状及び/又は点状に塗布し付着される。塗布手段としては、一般的に工業化されているプリント処方を用いればよく、そのための装置としては、ローラー捺染機、オートスクリーン捺染機、ハンドスクリーン捺染機などを用いることができる。捺染機によるプリント形状としては、線(破線、ドットライン等を含む)を構成要素とするストライブ柄、格子状柄、円状柄等を例示でき、その他点を構成要素とする水玉模様等であってもよい。吸水剤を塗布し付着させた後は、後処理を通常の吸水加工処理法に準じて行えばよい。基布1の吸水加工面の表面形状としては、平滑形状、梨地形状、凹凸形状、起毛形状等のいずれであってもよい。
【0030】
吸水加工に際し、基布1の片面に塗布し付着された吸水剤は他の片面に向けて浸透する。吸水剤の浸透が他の片面の表面まで達すると、実質的に両面に吸水加工を施したことになり好ましくない。そこで吸水剤の塗布付着に際しては、吸水成分の濃度、吸水剤の粘度及び塗布量などを調整し、浸透深さを制御し、吸水加工部2を片面の範囲内に止める。
【0031】
基布1の片面に施された吸水加工部2は、吸水加工が施されていない未加工部3との表面張力の差により、水をすばやく吸収する。吸収された水は基布1の繊維組織内を浸透しつつ他の片面側の表面層部分に拡散されて行き、よって吸水加工部2が形成された片面、例えば肌との接触面側には、水はほとんど残らなくなる。因みに、吸水加工を基布1の両面に施した場合には、肌側でも水分が拡散するため、水,汗等の水分が肌側に残りやすくなり、好ましくない。
【0032】
次に、下記実施例における伸長率、5分後の残留水分量、水切れ性、裏面保水率、濡れ感の評価方法について述べる。
【0033】
〔伸長率〕
JIS L 1018法に準じて行い、定速伸長法のカットストリップ法で行った。測定手順としては、2.5cm×16cmの評価サンプルをタテ方向、ヨコ方向にそれぞれ3枚ずつ採取する。自記装置付定速伸長形引張試験機を用い、上下つかみとも表側は、2.54cm×2.54cm、裏側は2.54cm×5.08cmのものを取付け、つかみの間隔を10cmとして評価サンプルのたるみや、張力を除いて、つかみに固定する。引張り速度30cm/分で1.0kg加重時まで引き伸ばし、その時のつかみ間隔L1を計り、次式により伸長率を求め、3枚の平均値で表す。
【0034】
伸長率L(%)=((L1−L2)/L2)×100
ここに、L2はつかみ間隔(mm)、L1は1.0kg加重時まで引き伸ばした時のつかみ間隔(mm)を表す。この伸長率L(%)が大きいほど水着で着用した場合、身体にフィットして泳ぎやすいことを意味する。
【0035】
〔水切れ性〕(図2参照)
1.タテ18cm×ヨコ32.8cmの試料aの重量(M)とポリ容器bの重量(P)を測定する。
【0036】
2.該試料aが外表になるように筒状に縫い合わせ、ポリ容器bに20%伸長になるようセットする。(この時、試料aの生地の下端がポリ容器bの最下部にくるようにする。)n=3
3.試料aをスタンドcに取り付けて、天秤dにセットする。この際、スタンドcの重量(S)を予め測定しておく。
【0037】
4.試料aは、セットしたポリ容器bごと水容器e内の水に浸漬し、スタンドcに吊り下げて、水から上げて5分後の重量(N)を読み取る。
【0038】
(N−S)が水分を含んだ試料aとポリ容器bの重量となる。
【0039】
5分後の残留水分量R(g)=N−(S+P+M)
これは、プールなどから上がった時からその後の、水着の重量変化を想定した評価方法であり、残留水分量が少ない程、水着が乾きやすいことを意味する。
【0040】
〔水抜け性〕(図3参照)
10cm×10cmの評価サンプルa1を、10平方cmの円形の穴b11を開けたガラス板b1にサンプルa1裏面が上になるようにはさみ、その下に200mlのシリンダーc1を置く。
【0041】
次に、蒸留水200mlを入れたボトルd1からサンプルa1上に蒸留水を流出させ、該蒸留水が完全に流出するまでの時間t(秒)を測定して、3枚の平均値で表す。
【0042】
この水抜けまでに要する時間T(秒)が小さい程、泳いだ時、水着と身体の間に浸入した水が抜け易くなり、泳ぎ易いことを意味する。かつ、疲労感の軽減にもつながる。
【0043】
〔裏面保水率〕(参照図面なし)
10cm×10cmの評価サンプルの重量(E)を計量し、蒸留水に浸漬した後、サンプルを取り出し、ガラス板上にサンプル裏面を下にして置く。サンプルの表面の上に10cm×10cmの吸い取り紙を1枚を置き、5g/cm2の加重下で10秒間放置した後、編地重量(E1)を計量する。さらにそのサンプルの両面を10cm×10cmの吸い取り紙で挟み、同様の加重下で60秒間放置した後、裏面に置いた吸い取り紙の水分量(F)を計量する。次式により裏面保水率(G)を求め、3枚の平均値で表す。
【0044】
裏面保水率G(%)=(F/(E1−E))×100
これは、プールからあがりタオル等で拭いた時や、多量に汗をかいてタオル等で拭いたときの状態を想定した評価方法であり、この裏面保水率G(%)が、小さい程、水着やフィットネスウエアーなどで着用した場合、身体の冷感が少なく快適であることを意味する。
【0045】
〔ぬれ感(サーモラボ法)〕(図4参照)
1.6.5cm×6.5cmの試料a2を7枚採取し、BT BOXb2(熱板)、T BOXc2(熱源板)、試料台d2の温度と環境条件を次の通り設定する。
【0046】
BT BOX(熱板):35℃
T BOX(熱源板):35℃
試料台:20℃
環境条件:温度20℃、湿度65%RH
2.試料台d2に試料a2を肌側が上になるようにのせ、30秒以上放置する。その後,T BOXc2を試料a2の上にのせ、その時のq max(水付与前の最大熱移動量)を読み取る。
【0047】
3.試料台d2に試料a2の肌側が上になるように0.5cmの両面テープ2本で試料a2を貼り付け、20±1℃の水を0.9g試料a2に付与する。そのまま10分間放置した後、T BOXc2を試料a2の上にのせ、その時のq max(水付与後の最大熱移動量)を読み取る。
【0048】
4.7つのデータの中から最大値と最小値を除いた5つのデータの平均値を求める。
【0049】
水付与前のq max平均値(A)
水付与後のq max平均値(B)
5.湿潤感予測値を次の式で計算し求める。
【0050】
Y=−62.309X+4.9312
X=水付与後のq max平均値(B)−水付与前のq max平均値(A)
Y=湿潤感予測値
この湿潤感予測値をもとに、図5のグラフで級数を求める。この級数が大きい程、多量に汗をかいたり、泳いだりした場合、体温による乾燥速度が速く、快適なことを意味する。
【0051】
以下、実施例により、本発明について具体的に説明する。
【0052】
〔実施例〕
実施例における着用乾燥性、動き易さ、風合、肌触り、ムレ感、洗濯耐久性、総合評価の判定基準は、次の通りである。
【0053】
(着用乾燥性)
◎:よく乾く、○:乾く、△:あまり乾かない、×:全く乾かない
(動き易さ)
◎:非常に動き易い、○:動き易い、△:やや動き難い、×:動き難い
(風合(柔らかさ))
◎:非常に柔らかい、○:柔らかい、△:やや硬い、×:硬い
(肌触り)
◎:非常に良い、○:良い、△:やや悪い、×:悪い
(むれ感)
◎:非常にむれない、○:むれない、△:ややむれる、×:非常にむれる
(洗濯耐久性)50回
○:ある、×:ない
(総合評価)
◎:水切れの良い織編地として非常に優れている。
【0054】
○:水切れの良い織編地として優れている。
【0055】
×:水切れの良い織編地として不適当である。
【0056】
〔実施例1〕
50デニール48フィラメントのポリエステルフィラメント糸条と40デニールのポリウレタン弾性糸を使用し、28ゲージのシングルトリコット機で2枚筬にて、、フロント筬ポリエルテル糸条、バック筬にポリウレタン弾性糸を配してハーフ組織を編成した。各糸条の混率はポリエステル80%、ポリウレタン20%にした。編成後、通常の染色法に基づき黒色に染色した編地を得、これを基布1とした。このモデル図を図6に示す。
【0057】
この基布1の片面にラノゲンTNT(ポリアミド系吸水剤)10重量部、DKSファインガムSP−150(10%Sol)60重量部、水30重量部からなる吸水加工溶液を、吸水加工部2が基布1片面の面積に対し、5%が格子状になるようにハンドスクリーン(100メッシュ)で付着し、100℃で5分間乾燥してから、150℃で2分の固着処理を行い、流水で水洗し、乾燥した。この時の捺染糊の付着量は80〜100g/m2であった。
【0058】
吸水加工部2と未加工(疎水性)部3の形状,大きさはスクリーンの形状、大きさを変えて得た。このモデル図を図7に示す。得られた本発明編物は、伸長率タテ200%、ヨコ170%、5分後の残留水分量26g、水抜け性1.5秒、裏面保水率35%、濡れ感3.5級であった。
【0059】
この本発明品にて水着を試作し、女性10名による着用評価を行った結果、着用乾燥性、泳ぎによる動き易さ、風合い、ムレ感などの着用性も満足するものであった。評価結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
Figure 0004214246
【0061】
〔実施例2〕
実施例1で得た同一の基布を用い、同一手法で基布片面の面積に対し、吸水加工部2が30%になるようにプリントし、実施例1と同様の乾燥処理を行った。
【0062】
このモデル図を図8に示す。得られた本発明編地は、伸長率タテ210%、ヨコ165%、5分後の残留水分量21g、水抜け性1.0秒、裏面保水率31%、濡れ感3.9級であった。
【0063】
実施例1と同様に着用評価結果は、問題のないものであった。評価結果を表1に併せて示す。
【0064】
〔実施例3〕
実施例1で得た同一の基布を用い、同一手法で基布片面の面積に対し、吸水加工部2が60%になるようにプリントし、実施例1と同様の乾燥処理を行った。
【0065】
このモデル図を図9に示す。得られた本発明編地は、伸長率タテ212%、ヨコ168%、5分後の残留水分量25g、水抜け性1.0秒、裏面保水率35%、濡れ感3.5級であった。
【0066】
実施例1と同様に着用評価結果は、問題のないものであった。評価結果を表1に併せて示す。
【0067】
〔実施例4〕
使用原糸に50デニール18フィラメントのポリエステルフィラメント糸条と40デニールのポリウレタン弾性糸を用いた他は、実施例1と同一手法で基布1片面の面積に対し、吸水加工部2が30%になるようにプリントした。このモデル図は図8と同一である。得られた本発明編地は、伸長率タテ176%、ヨコ83%、5分後の残留水分量27g、水抜け性2.2秒、裏面保水率36%、濡れ感3.6級であった。
【0068】
実施例1と同様に着用評価結果は、問題のないものであった。評価結果を表1に併せて示す。
【0069】
〔実施例5〕
使用原糸に40デニール34フィラメントのナイロンフィラメント糸条と40デニールのポリウレタン弾性糸を用いた他は、実施例1と同一手法で基布1片面の面積に対し、吸水加工部2が30%になるようにプリントした。このモデル図は図8と同一である。得られた本発明編地は、伸長率タテ211%、ヨコ145%、5分後の残留水分量22g、水抜け性0.9秒、裏面保水率32%、濡れ感3.8級であった。
【0070】
実施例1と同様に着用評価結果は、問題のないものであった。評価結果を表1に併せて示す。
【0071】
〔実施例6〕
実施例1で用いたポリエステル糸100%を使い両面丸編み機32ゲージにて、スムース組織を編成した他は、実施例1と同一手法で基布1片面の面積に対し、吸水加工部2が30%になるようにプリントした。このモデル図は図8と同一である。得られた本発明編地は、伸長率タテ75%、ヨコ90%、5分後の残留水分量23g、水抜け性5秒、裏面保水率30%、濡れ感3.7級であった。
【0072】
実施例1と同様に着用評価結果は、問題のないものであった。評価結果を表1に併せて示す。
【0073】
〔実施例7〕
実施例4で用いた同じポリエステル糸条とポリウレタン弾性糸を使い、28ゲージのシングルトリコット機で3枚筬にて、フロント筬とミドル筬にポリエステル糸条、バック筬にポリウレタン弾性糸を配し、挿入三層組織を編成した他は、実施例1と同一手法で基布1片面の面積に対し、吸水加工部2が30%になるようにプリントした。モデル図は、図8と同一である。得られた本発明編地は、伸長率タテ105%、ヨコ75%、5分後の残留水分量30g、水抜け性10秒、裏面保水率42%、濡れ感3.5級であった。
【0074】
実施例1と同様に着用評価結果は、問題のないものであった。評価結果を表1に併せて示す。
【0075】
〔比較例1〕
実施例1で作製した基布1は吸水剤の付着の全くないものであり、通常の水着用の編地である(図6参照)。目付190g/m2、伸長率はタテ200%、ヨコ170%、5分後の残留水分量42g、水抜け性2秒、裏面保水率60%、濡れ感1.8級であった。
【0076】
着用評価結果は、5分後の残留水分量、裏面保水率が高く、濡れ感があるため、プールなどから上がったあとや多量に汗をかいたあとの冷感が激しいものであった。評価結果を表2に示す。
【0077】
【表2】
Figure 0004214246
【0078】
〔比較例2〕
実施例1と同一手法で基布1片面の面積に対し、吸水加工部2が80%を占めるようにプリントした。このモデル図を図10に示す。得られた比較編地は、伸長率はタテ205%、ヨコ168%、5分後の残留水分量35g、水抜け性1.5秒、裏面保水率50%、濡れ感3.1級であった。
【0079】
着用評価結果は、5分後の残留水分量、裏面保水率が高く、濡れ感があるため、プールなどから上がったあとや多量の汗をかいたあとの冷感が激しいものであった。評価結果を表2に併せて示す。
【0080】
〔比較例3〕
実施例1と同一手法で基布1片面全面に吸水剤が付着するようにプリントした。このモデル図を図11に示す。得られた比較編地は、伸長率はタテ210%、ヨコ165%、5分後の残留水分量39g、水抜け性1秒、裏面保水率58%、濡れ感2級であった。
【0081】
着用評価結果は、5分後の残留水分量、裏面保水率が高く、濡れ感があるため、プールなどから上がったあとや多量に汗をかいたあとの冷感が激しいものであった。評価結果を表2に併せて示す。
【0082】
〔比較例4〕
実施例7と同一手法にて作製した基布1片面に、吸水加工部2が30%を占めるようにプリントした。このモデル図は図8と同一である。得られた比較編地は、伸長率はタテ60%、ヨコ40%、5分後の残留水分量50g、水抜け性10秒、裏面保水率46%、濡れ感3.5級であった。
【0083】
着用評価結果は、目付が重すぎ、かつ、伸長率が40〜60%と本発明に比し低すぎるために、泳ぎ難く、疲労感の増大するものであった。評価結果を表2に併せて示す。
【0084】
〔比較例5〕
実施例1と同一基布1の片面にハンドスクリーン捺染機によって、吸水加工する替わりにフッ素系撥水剤を基布1片面の面積に対し、撥水剤2′が70%付着するようにプリントした。このモデル図を図12に示す。得られた比較編地は、伸長率はタテ192%、ヨコ135%、5分後の残留水分量22g、水抜け性20秒、裏面保水率35%、濡れ感3.8級であった。
【0085】
着用評価結果は、風合いが硬く、肌触りが良くないのと、ムレ感があるため良くない結果であった。洗濯50回後の撥水プリントの耐久性もよくない結果であった。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、表1から明らかなように、水抜け性、裏面保水率、濡れ感はもとより、着用感、具体的には着用乾燥性、動き安さ、風合い、肌触り、ムレ感洗濯耐久性のいずれもを満足し得る、特に水着、アクアビクス、レオタード、フィットネス等、水や汗等に多量に濡れる用途に好適な織編地を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を概略的に示す部分平面図である。
【図2】水切れ性評価法の説明図である。
【図3】水抜け性評価法の説明図である。
【図4】濡れ感(サーモラボ法)評価法の説明図である。
【図5】同、濡れ感級数評価のためのグラフである。
【図6】実施例1に於ける基布の部分平面図である。
【図7】実施例1のモデル図である。
【図8】実施例2のモデル図である。
【図9】実施例3のモデル図である。
【図10】比較例2のモデル図である。
【図11】比較例3のモデル図である。
【図12】比較例5のモデル図である。
【符号の説明】
1 基布
2 吸水加工部
3 未加工部

Claims (3)

  1. 合成繊維マルチフィラメント糸条により織編されていて伸長率がタテ,ヨコともに少なくとも70%の基布を備えており、
    前記基布は、水着、アクアビクス、レオタード、フィットネスに使用され、ポリエステル又はポリアミドからなる単繊維繊度が0.01〜1デニールのマルチフィラメント糸条と、ポリウレタン弾性糸とをそれぞれ1種類用いて織編された2ウェイトリコット経織地からなり、かつ肌との接触面側の片面のみに、吸水加工部と未加工部とを備え、
    前記吸水加工部は、面積比で30〜60%を占めるように形成されていることを特徴とする水切れのよい織編地。
  2. 吸水加工が基布の片面の略々全面に分散するように、点及び/又は線を構成要素とする模様状に施されていることを特徴とする請求項1に記載の織編地。
  3. 吸水加工が、吸水性ポリアミド樹脂または、吸水性ポリエステル樹脂のいずれか1種を主成分とする吸水剤を用いて施されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の織編地。
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