JP4212660B2 - 化粧板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅、建築物の内外装に使用する化粧板の製造方法に関し、特に転写法を用いた意匠性の高い化粧板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来転写法を用いた化粧板の製造方法は種々提案されているが、転写を行う下地塗膜としては、ポリイソシアネートを硬化剤としたウレタン系の塗料を用いる方法が一般的であり、より生産性の高い紫外線硬化型塗料を用いた例は少なかった。これは転写法の一般的特性として下地塗膜が完全に硬化した状態では転写層の密着性が十分得られないが、紫外線硬化型塗料の場合、塗膜の硬化状態を一定の不完全な状態に制御することが通常困難であるためである。
【0003】
このため、従来は下地塗料がまだ液状の段階で転写箔を圧着するとか、反応しない成分を添加して硬化後も接着性が残るようにする等の方法が用いられていた。しかし前者の方法によると平滑な表面が得にくいし、後者の方法によれば耐煮沸性等の物理的性能が十分でないという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこれらの課題を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、化粧板の下地塗料を、絵柄の転写の密着性が得られるほどの硬化状態とし、かつ平滑な表面であり物理的性質も十分な化粧板を容易にかつ効率的に得られるような製造方法を提供することにある。
【0005】
本発明に於いて上記課題を達成するために、請求項1において、基材の表面に、樹脂(ダイセルユーシービー(株)製:「エベクリル810」(登録商標))100部、2官能アクリル酸エステルモノマー40部、顔料(酸化チタン)80部、光開始剤(2エトキシ−2フェニルアセトフェノン)0.5部よりなる酸素により硬化阻害を生じる、ワックスが添加されていない紫外線硬化型塗料を塗布し、紫外線を照射して塗布面を硬化阻害により硬化不完全の状態とし、任意の絵柄を転写し、その上に樹脂(ダイセルユーシービー(株)製:「エベクリル810」(登録商標))100部、2官能アクリル酸エステルモノマー40部、ワックス(大日本インキ化学工業(株)製:「RS−401」(商品名))1部、光開始剤(チバガイギー(株)製:「ダロキュア#1173」(登録商標))0.5部よりなる硬化阻害を生じない紫外線硬化型塗料を塗布し、紫外線を照射して全体を完全硬化させてなることを特徴とする化粧板の製造方法を提供する。
【0006】
本発明者は、ある種の紫外線硬化型塗料が空気中の酸素により硬化阻害をおこし表面にべとつきを生じるという現象に着目し、これを利用して転写化粧板の製造ができないかと種々検討を重ねた結果完成したものであり、その特徴とするところは、酸素によって硬化阻害により不完全硬化状態とした紫外線硬化型塗料の面に絵柄層を転写し、しかる後に紫外線硬化型塗料を塗布して紫外線を照射し、全体を硬化させることを特徴とする化粧板の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態につき説明する。
本発明に於いて用いられる基材1としては、珪酸カルシウム板、石綿セメント板、石膏スラグ板等無機板状基材の表面をシーラー処理、表面研磨処理等を施したフラット基材や凹凸基材等を用いることができる。
【0008】
酸素により硬化阻害を生じる紫外線硬化型塗料3としては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリル酸エステルオリゴマーまたはメタクリル酸エステルオリゴマーに、単官能または多官能のアクリレートモノマーやメタクリレートモノマーを加えたものが使用可能である。
【0009】
前記紫外線硬化型塗料には、通常、酸素による硬化阻害を起こさないように、ワックスが添加されたものがあるが、本発明の場合は添加しないものを用いる。
また、塗装性、密着性を向上させるために、有機溶剤を添加することも好適に行われる。この際、調整される粘度は数十から数千cpsが好適である。
また、マット剤や顔料等の添加、入射光の指数関数的エネルギー減衰(Lambert−Beerの法則)等を補う為の光開始剤として2エトキシ−2フェニルアミンや3級アミン(P−ジメチルアミノベンツアルデヒド、DMABA)を添加しても良い。
塗布量は10〜300g/m2 が適当であり、通常は20〜150g/m2 が好ましい。
【0010】
紫外線の照射には通常の高圧水銀灯や、メタルハライド灯を使用できる。紫外線硬化型塗料は、酸素雰囲気中で照射し、硬化阻害を生じさせて表面に粘着性を持たせる。
紫外線硬化における酸素による硬化阻害は、通常、ラジカルと酸素の反応が(109l/mol・s )であり、ラジカルとモノマーの成長反応(103l/mol・s )の方が百万倍も速い(滝山栄一著:「ポリエステル樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社)ので、特に対応をとらないと硬化阻害を起こす。
【0011】
次に、絵柄層4を転写する。転写方法としては転写シートによる転写が可能である。転写シートの基体フィルムとしては、化粧板の表面形状や転写温度により、適宜選択すれば良い。基材表面がフラットの場合はPPラミ紙やPETフィルムを基体シートとする転写シートが使用可能である。
また、基材表面が凹凸形状を有する場合には、耐熱性ゴムロール等による転写時の熱圧着の熱により凹凸基材の表面形状に追従することが可能な熱可塑性樹脂フィルムが使用可能である。具体的には、塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムまたは、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムと塩化ビニル樹脂フィルムのラミネートフィルムがある。
【0012】
絵柄層4のインキのバインダーの樹脂系としては、要求品質により塩酢ビ樹脂系、ウレタン樹脂系、ポリビニルブチラール樹脂系等が使える。
また、転写シートの基体シートへの絵柄の印刷は、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷等の公知の方法が使用可能である。
【0013】
表面に用いる紫外線硬化型塗料5としては、酸素によって硬化阻害を生じないものを使用する。ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、シリコーンアクリレート等のアクリル酸エステルオリゴマー、またはメタクリル酸エステルオリゴマーに、単官能または多官能のアクリル酸エステルモノマーまたはメタクリル酸エステルモノマーを加えたものが使用できる。また、マット剤、表面に浮き出るワックスなどの添加剤を添加し、前記の光開始剤を添加しても良い。
また、表面に用いる紫外線硬化型塗料5は透明であれば、転写絵柄が表面からより立体的に見えるようになり、意匠的にも好ましいものとなる。
これらに溶剤を配合して数十から数千cpsに調整する。塗布量は5〜数百g/m2 が適当であり、通常は20〜150g/m2 が好ましい。
【0014】
【実施例】
<実施例1>
基材として厚さ5ミリのフラット石綿セメント板を用い、ウレタン樹脂系シーラーを施した後、硬化阻害を生じる紫外線硬化型塗料として次の処方よりなる塗料を塗布した。
【0015】
<紫外線硬化型塗料>
樹脂(ダイセルユーシービー(株)製:「エベクリル810」(登録商標))100部
2官能アクリル酸エステルモノマー 40部
顔料(酸化チタン) 80部
光開始剤(2エトキシ−2フェニルアセトフェノン) 0.5部
【0016】
前記塗料を200cpsに調整してフローコーターにて50g/m2 塗布した後、ライン速度20m/minで、120W/cmの高圧水銀灯6灯で紫外線を照射し、表面は硬化阻害で粘着性を持たせ、内部のみ硬化させた。
【0017】
転写シートの基体フィルムとして塩化ビニルフィルム(前記100重量部に対して可塑剤8重量部、厚さ80μm)にポリプロピレン樹脂を20μm押出しラミネートしたフィルムを用い、これにウレタン樹脂系のインキで絵柄を印刷して転写シートとした。
【0018】
前記転写シートの絵柄層側と紫外線硬化型塗料層を合わせてゴム硬度80度で160℃に加熱したシリコンゴムロールで線圧20kgf/cm、ライン速度10m/minで絵柄を転写した。
【0019】
次に、下記配合の紫外線硬化型塗料を40g/m2 塗布し、空気中で120W/cmの高圧水銀灯6灯で紫外線を照射して硬化させて化粧板を得た。
【0020】
<紫外線硬化型塗料>
樹脂(ダイセルユーシービー(株)製:「エベクリル810」(登録商標))100部
2官能アクリル酸エステルモノマー 40部
ワックス(大日本インキ化学工業(株)製:「RS−401」(商品名))1部
光開始剤(チバガイギー(株)製:「ダロキュア#1173」(登録商標))0.5部
【0021】
得られた化粧板は、各層が完全に密着して一体化しており、表面硬度、耐汚染性、等の諸物性に優れたものであった。
【0022】
【発明の効果】
本発明は、以上の構成であるから、下記に示すごとき効果がある。
つまり、転写絵柄層を設ける紫外線硬化型塗料の表面に紫外線照射時に硬化阻害を起こさせることにより、低温で転写してもインキ初期密着が得られる。
また、硬化阻害を起こした紫外線硬化型塗料は表面の紫外線硬化型塗料を硬化させるときに一緒に完全に硬化するため、表面の紫外線硬化型塗料の硬化収縮があっても、紫外線硬化型塗料の表面が硬化阻害で粘着性を持っているため収縮応力を緩和させてから全体が硬化するため、各層が強固な密着性を発現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る化粧板の断面の構造の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…基材 2…シーラー層
3…酸素により硬化阻害を生じる紫外線硬化型塗料
4…絵柄層 5…酸素により硬化阻害を生じない紫外線硬化型塗料
Claims (1)
- 基材の表面に、樹脂(ダイセルユーシービー(株)製:「エベクリル810」(登録商標))100部、2官能アクリル酸エステルモノマー40部、顔料(酸化チタン)80部、光開始剤(2エトキシ−2フェニルアセトフェノン)0.5部よりなる酸素により硬化阻害を生じる、ワックスが添加されていない紫外線硬化型塗料を塗布し、紫外線を照射して塗布面を硬化阻害により硬化不完全の状態とし、任意の絵柄を転写し、その上に樹脂(ダイセルユーシービー(株)製:「エベクリル810」(登録商標))100部、2官能アクリル酸エステルモノマー40部、ワックス(大日本インキ化学工業(株)製:「RS−401」(商品名))1部、光開始剤(チバガイギー(株)製:「ダロキュア#1173」(登録商標))0.5部よりなる硬化阻害を生じない紫外線硬化型塗料を塗布し、紫外線を照射して全体を完全硬化させてなること
を特徴とする化粧板の製造方法。
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JP27109095A JP4212660B2 (ja) | 1995-10-19 | 1995-10-19 | 化粧板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP27109095A JP4212660B2 (ja) | 1995-10-19 | 1995-10-19 | 化粧板の製造方法 |
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JPH09109348A JPH09109348A (ja) | 1997-04-28 |
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JP27109095A Expired - Fee Related JP4212660B2 (ja) | 1995-10-19 | 1995-10-19 | 化粧板の製造方法 |
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