JP4211556B2 - 長繊維不織布及びこれを用いた繊維製品 - Google Patents
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Description
[1]粘着性繊維と非粘着性繊維とが30/70重量%〜95/5重量%の比率で混繊しており、かつ下記特性を満足することを特徴とする長繊維不織布。
・静摩擦係数:0.40以上(25℃、相対湿度65%)
・剥離強度(長繊維不織布同士を重ね合わせた時):3N/25mm以下(25℃、相対湿度65%)
[2]非粘着性繊維の平均繊維径(Cd)が1〜10μmであり、粘着性繊維の平均繊維径(Dd)が5〜30μmであることを特徴とする前記[1]項記載の長繊維不織布。
[3]非粘着性繊維の平均繊維径(Cd)と粘着性繊維の平均繊維径(Dd)とがCd≦Ddの関係にあることを特徴とする前記[1]項または前記[2]項記載の長繊維不織布。
[4]粘着性繊維が下記(1)〜(5)からなる粘着性成分の群から選ばれる少なくとも1種で構成されることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1項記載の長繊維不織布。
(1)主として芳香族ビニル化合物から構成される重合体ブロック(A)を少なくとも1個有し、主として共役ジエン化合物から構成される重合体ブロック(B)を少なくとも1個有し、かつ共役ジエン由来部分の二重結合が80%以上飽和したスチレンブロック共重合体。
(2)共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのランダム共重合体の共役ジエン由来部分の二重結合が80%以上飽和した水添スチレンジエン共重合体。
(3)エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体またはプロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体。
(4)共役ジエン重合体を水素添加して得られたオレフィン重合体。
(5)アモルファス・ポリプロピレン。
[5]粘着性繊維を構成する粘着性成分が下記(1)である前記[1]〜[3]のいずれか1項記載の長繊維不織布。
(1)主として芳香族ビニル化合物から構成される重合体ブロック(A)を少なくとも1個有し、主として共役ジエン化合物から構成される重合体ブロック(B)を少なくとも1個有し、かつ共役ジエン由来部分の二重結合が80%以上飽和したスチレンブロック共重合体。
[6]粘着性繊維を構成する粘着性成分が下記(2)である前記[1]〜[3]のいずれか1項記載の長繊維不織布。
(2)共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのランダム共重合体の共役ジエン由来部分の二重結合が80%以上飽和した水添スチレンジエン共重合体。
[7]粘着性繊維を構成する粘着性成分が下記(3)である前記[1]〜[3]のいずれか1項記載の長繊維不織布。
(3)エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体またはプロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体。
[8]粘着性繊維を構成する粘着性成分が下記(4)である前記[1]〜[3]のいずれか1項記載の長繊維不織布。
(4)共役ジエン重合体を水素添加して得られたオレフィン重合体。
[9]粘着性繊維を構成する粘着性成分が下記(5)である前記[1]〜[3]のいずれか1項記載の長繊維不織布。
(5)アモルファス・ポリプロピレン。
[10]非粘着性繊維がポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂及びポリアミド樹脂からなる非粘着性成分の群から選ばれる少なくとも1種で構成されていることを特徴とする前記[1]〜[9]のいずれか1項記載の長繊維不織布。
[11]粘着性繊維と非粘着性繊維とが50/50重量%〜95/5重量%で混繊している長繊維不織布であって、該長繊維不織布が、下記特性を満足する前記[1]〜[10]のいずれか1項記載の長繊維不織布。
・静摩擦係数:0.60以上(25℃、相対湿度65%)
・剥離強度(長繊維不織布同士を重ね合わせた時):2N/25mm以下(25℃、相対湿度65%)
[12]長繊維不織布が、メルトブロー不織布である前記[1]〜[11]のいずれか1項記載の長繊維不織布。
[13]長繊維不織布が、スパンボンド不織布である前記[1]〜[11]のいずれか1項記載の長繊維不織布。
[14]前記[1]〜[13]のいずれか1項記載の長繊維不織布に、該長繊維不織布以外のフィルム、不織布、ウェブ、織物、編物、紙、繊維束から選ばれる少なくとも1種を積層してなる積層不織布。
[15]前記[1]〜[13]のいずれか1項記載の長繊維不織布または前記[14]項記載の積層不織布を用いた繊維製品。
本発明において、滑り止め性と密着性を併せて、フィット性という。フィット性に優れた不織布とは、滑り止め性と密着性に優れた不織布をいう。この性能には、繊維の粘着性成分が大きく関与しているが、粘着性成分を用いると不織布の取り扱いの際にブロッキング現象が起こるため、本発明では、粘着性成分を含む粘着性繊維と、これを含まない非粘着性繊維とから長繊維不織布を構成させる。具体的には、本発明の長繊維不織布は、粘着性繊維と非粘着性繊維とを30/70重量%〜95/5重量%の比率で混繊した構成である。更に前記長繊維不織布は、静摩擦係数が0.40以上(25℃、相対湿度65%)であり、剥離強度(長繊維不織布同士を重ね合わせ、重ね合わせた2枚の長繊維不織布を剥がすときの強度)が3N/25mm以下(25℃、相対湿度65%)である特性を満足することが必要である。これらの構成と特性を満足させた長繊維不織布は、フィット性とアンチブロッキング性とのバランスが良好になる。
なお、本発明の長繊維不織布は、長繊維から構成される。具体的には、300mmを超える繊維長の繊維が好ましい。したがって、カード法によるウェブ状態を経て不織布化される短繊維不織布は含まれない。
(1)主として芳香族ビニル化合物から構成される重合体ブロック(A)を少なくとも1個有し、主として共役ジエン化合物から構成される重合体ブロック(B)を少なくとも1個有し、かつ共役ジエン由来部分の二重結合が80%以上飽和したスチレンブロック共重合体。
(2)共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのランダム共重合体の共役ジエン由来部分の二重結合が80%以上飽和した水添スチレンジエン共重合体。
(3)エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体またはプロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体。
(4)共役ジエン重合体を水素添加して得られたオレフィン重合体。
(5)アモルファス・ポリプロピレン。
前記スチレンブロック共重合体を構成する芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン等が例示され、特にスチレンが好ましい。これら芳香族ビニル化合物は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記スチレンブロック共重合体を構成する共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が例示され、特にブタジエン及びイソプレンが好ましい。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記スチレンブロック共重合体は、化合物の安定性、紡糸性等の点から共役ジエン由来部分の二重結合の80%以上が水素添加されていることが好ましい。具体的には、スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレンブチレン−オレフィン結晶ブロック共重合体(SEBC)等のブロック共重合体が挙げられる。より具体的には、クレイトンポリマージャパン(株)製「KRATON G」、クラレ(株)製「SEPTON」、JSR(株)製「JSR DYNARON」(「」内は、いずれも商品名)等が挙げられる。
前記α−オレフィンとは、例えばプロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等が挙げられる。前記α−オレフィンの中では、特に1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。これらのα−オレフィンは、1種単独または2種以上を組合せて用いることができる。本発明では、これらを組合わせたエチレン−オクテン共重合体、エチレン−ブテン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましく利用できる。また本発明に用いられるエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体またはプロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体は、曳糸性の点から1.5〜4の分子量分布(Mw/Mn)であることが好ましい。具体的には、デュポンダウエラストマージャパン(株)製「エンゲージ」、三井化学(株)製「タフマー」(「」内はいずれも商品名))が例示される。また本発明で用いられるオレフィン共重合体はメタロセン触媒によって製造された共重合体であってもよい。なお、α−オレフィンに架橋用ジエンモノマーを加えた三元共重合体も含まれ、具体的には、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−ブテン−ジエンゴムが例示できる。
本発明では、米国特許第5,948,720号、米国特許第5,723,546号、欧州特許第0475307B1号及び欧州特許第0475306B1号に記載されているプロピレンベースのアモルファスポリマーが好ましく利用できる。具体的には、アモルファス・ポリプロピレンとしては、アモルファス・エチレン−プロピレンコポリマー、アモルファス・プロピレンホモポリマー、アモルファス・ブチレン−プロピレンコポリマー等が例示できる。これらの重合体は、約0.87g/cm3から0.89g/cm3の密度を持ち、張力係数が約3.44Pa(ASTM D−638)未満、及び/または、伸び(%)が約900より大きいことが必要である。しかし、これら以外の様々なアモルファス・プロピレンコポリマーを本発明に用いても構わない。この点については、ステレオブロックポリマーが、本発明の実施のために特に好ましい態様である。「ステレオブロックポリマー」の用語は、目標とする結晶化度を達成するために制御された領域立体規則性または立体配列を持つポリマー材料を言う。重合中に立体配列を制御することにより、アタクチック・イソタクチック・ステレオブロックを達成することが可能である。ポリオレフィン・ステレオブロックポリマーを生成する方法は、従来技術で既知であり、以下の論文に記載されている。サイエンス誌267号(1995年1月)の217〜219ページに記載のG.コーテス及びR.ウェイマス著「振動立体制御:熱可塑性エラストマー・ポリプロピレン合成の戦略」、及び、サイエンス誌267号(1995年1月)の191ページに記載のK.ワゲナー著「振動触媒:プラスチックの新しい展開」である。また、ステレオブロックポリマー及びそれらの製造方法は、米国特許第5,549,080号、及び、米国特許第5,208,304号に記載されている。上記の通り、アルファオレフィンの結晶化度を制御することにより、独特の張力係数、及び/または、伸びの特性を示すポリマーが可能になる。例えば市販の好適なポリマーには、ハンツマン・コーポレーション製レクスフレックス・フレキシブル・ポリオレフィンズがある。
特に屋外で使用される用途においては、従来から用いられている紫外線吸収剤のいずれかを使用でき、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシ−ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジt−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、p−オクチルフェニルサリチレート、ドデシルサリチレート等のサリチル酸エステル系紫外線吸収剤、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等を挙げることができる。
また、本発明に用いられる粘着性成分にも、非粘着性成分と同様に上記の添加剤が配合されていてもよい。更に粘着性成分には、本発明の効果であるフィット性とアンチブロッキング性のバランスを阻害することのない範囲で粘着性付与剤が添加されていてもよい。粘着性付与剤としては、種々添加剤が使用可能であるが、温度安定性が高い水素添加炭化水素樹脂が好ましく利用できる。
長繊維不織布の任意の箇所から縦100mm、横100mmのサイズに複数枚切り取り、これを試験片として用いる。前記試験片を2枚重ね合わせ、その上に縦100mm、横100mmのアルミ板を載せ、更にその上に合計5kgとなる様に荷重を掛け、50℃のオーブン中に放置する。これを24時間放置後、25℃/相対湿度65%の室内に取り出し、幅25mmに切り、不織布同士を長尺方向の一端から50mmの長さまで、手で剥がす。(株)島津製作所製オートグラフAG−G(商品名)を用い、チャック間50mmに設定した上下のチャックに不織布の剥がれたそれぞれ両端を固定した。引張速度100mm/分で不織布同士が完全に剥がれきるまで引張り、強度を測定し、その平均値を剥離強度(N/25mm)とした(N=5)。剥離強度が小さいほどアンチブロッキング性が良好であると判断した。
JIS P 8147「紙及び板紙の摩擦係数試験方法」の3.2傾斜方法を用いた。
長繊維不織布の任意5ヶ所から縦10mm、横10mmの不織布片(合計5枚)を切り取り、日本電子工業(株)製走査型電子顕微鏡で表面を観察した。1枚の不織布片から20本の繊維径を測定し、これを5枚の不織布片について測定し、合計100本の繊維径の平均値を算出し平均繊維径(D)とした。その後、粘着性繊維だけが溶出する下記溶媒の何れかを用い、ソックスレー抽出装置によって粘着性繊維のみを除いた後の不織布を上記同様の方法で非粘着性繊維の平均繊維径(Ad)を測定した。
予め、粘着性繊維/非粘着性繊維の重量比を求め、その後、構成する樹脂の密度をJIS L 1015(密度勾配管法)に準拠して求めた。これらから粘着性繊維/非粘着性繊維の重量比を体積率へと変換した。その後、下記式で粘着性繊維の平均繊維径(Bd)を算出した。
非粘着性繊維密度:Aρ
粘着性繊維密度:Bρ
非粘着性繊維/粘着性繊維の重量比:Aw/Bw
非粘着性繊維体積率Av:
Av=(Aw/Aρ)/((Bw/Bρ)+(Aw/Aρ))
粘着性繊維体積率Bv:
Bv=(Bw/Bρ)/((Bw/Bρ)+(Aw/Aρ))
粘着性繊維の繊維径Bd:
Bd=(D−Ad×Av)/Bv
抽出溶媒としては、以下の溶媒が利用できる。
ポリウレタンエラストマー:濃塩酸
ポリスチレンエラストマー:トルエン
ポリオレフィンエラストマー:トルエン
ポリアミドエラストマー:アニリン
ポリエステルエラストマー:濃硫酸
縦150mm、横65mmの長繊維不織布を用意し、専用治具のテーブルに両面テープで貼り付ける。縦×横が30mm×30mmの大きさで表面特性:Ra2.0μm、Rmax15.5μm(MITSUTOYO suftest−401で測定)のアルミ板を用い、長繊維不織布に対し、1.09×104Pa(111gf/cm2の換算値)の荷重がかかるように調整する。長繊維不織布の表面上を100mm/分の速度で100mm移動させ操作を3回行い表面の毛羽状態を観察する。毛羽が出た場合を×、毛羽が出ない場合を○として評価した。
A−1:ポリプロピレン、チッソポリプロCS3300((商品名)、チッソ(株)製)。
A−2:ポリエチレンテレフタレート、K101((商品名)、カネボウ(株)製)
A−3:ナイロン6、UBE NYLON 1011FB((商品名)、宇部興産(株)製)。
A−4:ポリエチレン、チッソポリエチS6900((商品名)、チッソ(株)製)。
B−1:スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体、DYNARON 8600P((商品名)、JSR(株)製)。
B−2:水添スチレンジエン共重合体、DYNARON 2324P((商品名)、JSR(株)製)。
B−3:エチレン−オクテン共重合体、エンゲージ8401((商品名)、デュポンダウエラストマージャパン(株)製)
B−4:水添ジエン共重合体、DYNARON 6200P((商品名)、JSR(株)製)
B−5:アモルファス・エチレン−プロピレンコポリマー、レクスフレックス・フレキシブル・ポリオレフィンズ W201((商品名)、ハンツマン・コーポレーション製)。メルトフローレート19g/10分、張力係数6、密度0.88g/cm3。
B−6:ポリエステルエラストマー、グリラックスE−200LV((商品名)、大日本インキ化学工業(株)製)。
B−7:ポリアミドエラストマー、ペバックス2533((商品名)、アトフィナ・ジャパン(株)製)。
B−8:熱可塑製ポリウレタンポリマー、パンデックスT−1180((商品名)、DIC−Bayer(株)製)。
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−1をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。スクリュー(30mm径)、加熱体及びギアポンプを有する2機の押出機、混繊用紡糸口金(孔径0.3mm、異なる成分の繊維が交互に吐出するために、一列に並んだ紡糸孔、孔数501ホール、有効幅500mm)、圧縮空気発生装置、空気加熱機、ポリエステル製ネットを備えた捕集コンベアー、巻取機からなる装置を用いてメルトブロー不織布の製造を行った。それぞれの押出機に非粘着性成分と粘着性成分をそれぞれ投入し、加熱体により非粘着性成分を270℃、粘着性成分を230℃で加熱溶融させ、非粘着性成分/粘着性成分の比率(重量%)が30/70となるようにギアポンプを設定し、紡糸口金から単孔当たりA−1を0.08g/分、B−1を0.18g/分の紡糸速度で吐出させ、吐出した繊維を400℃に加熱した98kPa(ゲ−ジ圧)の圧縮空気によって、走行速度2m/分で走行しているポリエステル製ネットの捕集コンベアー上に吹き付けた。捕集コンベアーは、紡糸口金から25cmの距離に設置した。吹き付けた空気は捕集コンベアーの裏側に設けた吸引装置で除去した。捕集コンベアーで搬送された不織布を巻取機でロール状に巻取り、目付61g/m2のメルトブロー不織布とした。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
実施例1と同様の原料樹脂を用い、非粘着性成分/粘着性成分の比率(重量%)が20/80となるようにギアポンプを設定し、紡糸口金から単孔当たりA−1を0.05g/分、B−1を0.20g/分の紡糸速度で吐出させ、実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を有していた。
実施例1と同様の原料樹脂を用い、非粘着性成分/粘着性成分の比率(重量%)が10/90となるようにギアポンプを設定し、紡糸口金から単孔当たりA−1を0.03g/分、B−1を0.23g/分の紡糸速度で吐出させ、実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
実施例1と同様の原料樹脂を用い、非粘着性成分/粘着性成分の比率(重量%)が5/95となるようにギアポンプを設定し、紡糸口金から単孔当たりA−1を0.01g/分、B−1を0.24g/分の紡糸速度で吐出させ、実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
実施例1と同様の原料樹脂を用い、非粘着性成分/粘着性成分の比率(重量%)が50/50となるようにギアポンプを設定し、紡糸口金から単孔当たりA−1を0.13g/分、B−1を0.13g/分の紡糸速度で吐出させ、実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
実施例1と同様の原料樹脂を用い、非粘着性成分/粘着性成分の比率(重量%)が70/30となるようにギアポンプを設定し、紡糸口金から単孔当たりA−1を0.18g/分、B−1を0.08g/分の紡糸速度で吐出させ、実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
非粘着性成分としてA−2、粘着性成分としてB−1をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。加熱体により非粘着性成分を300℃、粘着性成分を230℃で加熱溶融させ、非粘着性成分/粘着性成分の比率(重量%)が30/70となるようにギアポンプを設定し、紡糸口金から単孔当たりA−2を0.08g/分、B−1を0.18g/分の紡糸速度で吐出させた以外は実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
非粘着性成分としてA−3、粘着性成分としてB−1をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。加熱体により非粘着性成分を290℃、粘着性成分を230℃で加熱溶融させ、非粘着性成分/粘着性成分の比率(重量%)が30/70となるようにギアポンプを設定し、紡糸口金から単孔当たりA−3を0.08g/分、B−1を0.18g/分の紡糸速度で吐出させた以外は実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−2をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。加熱体により非粘着性成分を270℃、粘着性成分を230℃で加熱溶融させ、非粘着性成分/粘着性成分の比率(重量%)が30/70となるようにギアポンプを設定し、紡糸口金から単孔当たりA−1を0.08g/分、B−2を0.18g/分の紡糸速度で吐出させた以外は実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−3をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−4をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−5をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
非粘着成分としてA−1、粘着成分としてB−1をスパンボンド不織布の原料樹脂として用いた。スクリュー(40mm径)、加熱体、及びギアポンプを有する2機の押出機、混繊タイプ紡糸口金(孔径0.4mm、120孔)、エアーサッカー、帯電法開繊機、ポリエステル製ネットを備えた捕集コンベアー、ポイントボンド加工機及び巻取機からなる装置を用いてスパンボンド不織布の製造を行った。それぞれの押出機に非粘着性成分と粘着性成分をそれぞれ投入し、加熱体により非粘着性成分を270℃、粘着性成分を230℃で原料樹脂を加熱溶融させ、構成比率の非粘着性成分/粘着性成分が30重量%/70重量%となるようにギアポンプを設定し、紡糸口金から単孔当たりA−1を0.17g/分、B−1を0.4g/分の紡糸速度で吐出させ、吐出した繊維をエアーサッカーに導入し直後に帯電法開繊機によって開繊させ捕集コンベアー上に捕集した。エアーサッカーの空気圧は、196kPa(ゲージ圧)になるように調節した。捕集コンベアー上のウェブを上下ロール温度90℃に加熱したポイントボンド加工機(圧着面積率15%)に投入し、加工後の不織布を巻取機にてロール状に巻取り、目付60g/m2のスパンボンド不織布を得た。得られたスパンボンド不織布の物性測定結果を表1に示す。このスパンボンド不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−6をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。粘着性樹脂を220℃で加熱溶融させた以外は実施例6に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−7をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。粘着性樹脂を200℃で加熱溶融させた以外は実施例6に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−8をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。粘着性樹脂を200℃で加熱溶融させた以外は実施例6に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
非粘着性成分としてA−4、粘着性成分としてB−1をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。非粘着性樹脂を220℃で加熱溶融させた以外は実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−1をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。非粘着性成分/粘着性成分の比率(重量%)が1/99となるようにギアポンプを設定し、紡糸口金から単孔当たりA−1を0.003g/分、B−1を0.252g/分の紡糸速度で吐出させ、コンベアー速度を2m/分とした以外は実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表2に示す。このメルトブロー不織布は、非粘着性成分が1重量%であるため剥離強度が3.5N/25mmと高く満足する性能ではなかった。
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−1をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。押出機投入前に非粘着性成分/粘着性成分の比率(重量%)が10/90(重量%)となるようにA−1とB−2の樹脂同士を予め混合(ブレンド)し、270℃で溶融させ、単孔当り0.13g/分の紡糸速度で吐出させた以外は実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表2に示す。このメルトブロー不織布は、非粘着性成分が10重量%ではあるが樹脂を混合しているため剥離強度が3.5N/25mmと高く満足する性能ではなかった。
原料樹脂に粘着性成分B−1のみを用い、比較例2に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表2に示す。このメルトブロー不織布は、非粘着性成分が含まれていないため剥離強度が4N/25mmと高く満足する性能ではなかった。
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−1をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。非粘着性成分/粘着性成分の比率(重量%)が80/20となるようにギアポンプを設定し、紡糸口金から単孔当たりA−1を0.20g/分、B−1を0.05g/分の紡糸速度で吐出させた以外は比較例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表2に示す。このメルトブロー不織布は、粘着性成分が20重量%であるため静摩擦係数が0.36と低く満足する性能ではなかった。
Claims (9)
- 粘着性繊維と粘着性がない非粘着性成分を用いて得られている非粘着性繊維とが40/60重量%〜95/5重量%の比率で混繊されてなる長繊維不織布であり、該不織布を構成している粘着性繊維及び非粘着性繊維の断面形状が丸断面であり、非粘着性繊維の平均繊維径(Cd:単位μm)と粘着性繊維の平均繊維径(Dd:単位μm)とが、Cd+4.3≦Ddの関係にあり、かつ下記特性を満足する、メルトブロー法またはスパンボンド法で製造されたことを特徴とする長繊維不織布。
・静摩擦係数:0.40以上(25℃、相対湿度65%)
・剥離強度(長繊維不織布同士を重ね合わせた時):3N/25mm以下(25℃、相対湿度65%) - 非粘着性繊維の平均繊維径(Cd:単位μm)と粘着性繊維の平均繊維径(Dd:単位μm)とが、Cd+4.3≦Dd≦Cd+12.0の関係にあることを特徴とする請求項1記載の長繊維不織布。
- 粘着性繊維の平均繊維径(Dd:単位μm)が5〜30μmであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の長繊維不織布。
- 非粘着性繊維の平均繊維径(Cd)が1〜10μmであり、粘着性繊維の平均繊維径(Dd)が5〜30μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の長繊維不織布。
- 粘着性繊維が下記(1)〜(5)からなる粘着性成分の群から選ばれる少なくとも1種で構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の長繊維不織布。
(1)主として芳香族ビニル化合物から構成される重合体ブロック(A)を少なくとも1個有し、主として共役ジエン化合物から構成される重合体ブロック(B)を少なくとも1個有し、かつ共役ジエン由来部分の二重結合が80%以上飽和したスチレンブロック共重合体。
(2)共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのランダム共重合体の共役ジエン由来部分の二重結合が80%以上飽和した水添スチレンジエン共重合体。
(3)エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体またはプロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体。
(4)共役ジエン重合体を水素添加して得られたオレフィン重合体。
(5)アモルファス・ポリプロピレン。 - 非粘着性繊維がポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂及びポリアミド樹脂からなる非粘着性成分の群から選ばれる少なくとも1種で構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の長繊維不織布。
- 粘着性繊維と非粘着性繊維とが50/50重量%〜95/5重量%で混繊している長繊維不織布であって、該長繊維不織布が、下記特性を満足する請求項1〜6のいずれか1項記載の長繊維不織布。
・静摩擦係数:0.60以上(25℃、相対湿度65%)
・剥離強度(長繊維不織布同士を重ね合わせた時):2N/25mm以下(25℃、相対湿度65%) - 請求項1〜7のいずれか1項記載の長繊維不織布に、該長繊維不織布以外のフィルム、不織布、ウェブ、織物、編物、紙、繊維束から選ばれる少なくとも1種を積層してなる積層不織布。
- 請求項1〜7のいずれか1項記載の長繊維不織布または請求項8記載の積層不織布を用いた繊維製品。
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