JP4211556B2 - 長繊維不織布及びこれを用いた繊維製品 - Google Patents

長繊維不織布及びこれを用いた繊維製品 Download PDF

Info

Publication number
JP4211556B2
JP4211556B2 JP2003345726A JP2003345726A JP4211556B2 JP 4211556 B2 JP4211556 B2 JP 4211556B2 JP 2003345726 A JP2003345726 A JP 2003345726A JP 2003345726 A JP2003345726 A JP 2003345726A JP 4211556 B2 JP4211556 B2 JP 4211556B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
fiber
adhesive
long
adhesive component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003345726A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004197291A (ja
Inventor
義実 辻山
尚伸 南澤
淳治 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
JNC Fibers Corp
Original Assignee
Chisso Polypro Fiber Co Ltd
Chisso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chisso Polypro Fiber Co Ltd, Chisso Corp filed Critical Chisso Polypro Fiber Co Ltd
Priority to JP2003345726A priority Critical patent/JP4211556B2/ja
Publication of JP2004197291A publication Critical patent/JP2004197291A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4211556B2 publication Critical patent/JP4211556B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Carpets (AREA)

Description

本発明は、フィット性を有する長繊維不織布に関する。更に詳細にはフィット性とアンチブロッキング性とのバランスが良好で、優れた風合を有し、燃焼時の有害ガス発生がなく、かつリサイクル可能である、繊維製品としての用途に最適な長繊維不織布及びこれを用いた繊維製品に関する。
従来から、カーペット、マット等にスリップ防止性を付与する方法として、これらの裏側全面に粘着性成分をコーティングする方法や付着する方法が知られている。しかしながらこれらの方法で得られた製品は、粘着性成分が全面を被覆しているため、裏側面同士でブロッキングを生じる問題と、触感が悪いといった問題がある。
また、水素添加ブロック共重合体繊維とポリオレフィン繊維とを混繊したメルトブロー不織布からなる滑り止め材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この水素添加ブロック共重合体は、主として芳香族ビニル化合物から構成された重合体ブロックAを少なくとも2個有し、主として共役ジエン化合物から構成された重合体ブロックBを少なくとも2個有し、かつ、少なくとも1個の重合体ブロックBがポリマー鎖の末端にあり、全体の数平均分子量が30000から65000の範囲にあり、芳香族ビニル化合物の含有量が、15〜40重量%であるブロック共重合体を水素添加して得られる。前記水素添加ブロック共重合体繊維を含むメルトブロー不織布は、滑り止め効果があり、触感も改善されているものの、ブロッキングが酷いという問題は残されている。
また、弾性重合体に非弾性重合体を添加したメルトブロー不織布からなる滑り止めシートが提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、これも、滑り止め効果はあるものの、ブロッキングが酷く、製品ロールを繰出す段階で製品として使用できない場合があり、解決が望まれていた。
特開平06−17355号公報(第2〜4頁) 特開平11−18908号公報(第2〜3頁)
本発明の課題は、フィット性とアンチブロッキング性とのバランスが良好で、かつ風合の優れた長繊維不織布及びこれを用いた繊維製品を提供することである。具体的には、粘着性成分を用いながらもアンチブロッキング性が良好な長繊維不織布、すなわち、ある程度の粘着性を持ちながらブロッキング現象を抑えた長繊維不織布及びこれを用いた繊維製品を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、下記の構成を有する長繊維不織布が、前記課題を解決できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
本発明は以下によって構成される。
[1]粘着性繊維と非粘着性繊維とが30/70重量%〜95/5重量%の比率で混繊しており、かつ下記特性を満足することを特徴とする長繊維不織布。
・静摩擦係数:0.40以上(25℃、相対湿度65%)
・剥離強度(長繊維不織布同士を重ね合わせた時):3N/25mm以下(25℃、相対湿度65%)
[2]非粘着性繊維の平均繊維径(Cd)が1〜10μmであり、粘着性繊維の平均繊維径(Dd)が5〜30μmであることを特徴とする前記[1]項記載の長繊維不織布。
[3]非粘着性繊維の平均繊維径(Cd)と粘着性繊維の平均繊維径(Dd)とがCd≦Ddの関係にあることを特徴とする前記[1]項または前記[2]項記載の長繊維不織布。
[4]粘着性繊維が下記(1)〜(5)からなる粘着性成分の群から選ばれる少なくとも1種で構成されることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1項記載の長繊維不織布。
(1)主として芳香族ビニル化合物から構成される重合体ブロック(A)を少なくとも1個有し、主として共役ジエン化合物から構成される重合体ブロック(B)を少なくとも1個有し、かつ共役ジエン由来部分の二重結合が80%以上飽和したスチレンブロック共重合体。
(2)共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのランダム共重合体の共役ジエン由来部分の二重結合が80%以上飽和した水添スチレンジエン共重合体。
(3)エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体またはプロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体。
(4)共役ジエン重合体を水素添加して得られたオレフィン重合体。
(5)アモルファス・ポリプロピレン。
[5]粘着性繊維を構成する粘着性成分が下記(1)である前記[1]〜[3]のいずれか1項記載の長繊維不織布。
(1)主として芳香族ビニル化合物から構成される重合体ブロック(A)を少なくとも1個有し、主として共役ジエン化合物から構成される重合体ブロック(B)を少なくとも1個有し、かつ共役ジエン由来部分の二重結合が80%以上飽和したスチレンブロック共重合体。
[6]粘着性繊維を構成する粘着性成分が下記(2)である前記[1]〜[3]のいずれか1項記載の長繊維不織布。
(2)共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのランダム共重合体の共役ジエン由来部分の二重結合が80%以上飽和した水添スチレンジエン共重合体。
[7]粘着性繊維を構成する粘着性成分が下記(3)である前記[1]〜[3]のいずれか1項記載の長繊維不織布。
(3)エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体またはプロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体。
[8]粘着性繊維を構成する粘着性成分が下記(4)である前記[1]〜[3]のいずれか1項記載の長繊維不織布。
(4)共役ジエン重合体を水素添加して得られたオレフィン重合体。
[9]粘着性繊維を構成する粘着性成分が下記(5)である前記[1]〜[3]のいずれか1項記載の長繊維不織布。
(5)アモルファス・ポリプロピレン。
[10]非粘着性繊維がポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂及びポリアミド樹脂からなる非粘着性成分の群から選ばれる少なくとも1種で構成されていることを特徴とする前記[1]〜[9]のいずれか1項記載の長繊維不織布。
[11]粘着性繊維と非粘着性繊維とが50/50重量%〜95/5重量%で混繊している長繊維不織布であって、該長繊維不織布が、下記特性を満足する前記[1]〜[10]のいずれか1項記載の長繊維不織布。
・静摩擦係数:0.60以上(25℃、相対湿度65%)
・剥離強度(長繊維不織布同士を重ね合わせた時):2N/25mm以下(25℃、相対湿度65%)
[12]長繊維不織布が、メルトブロー不織布である前記[1]〜[11]のいずれか1項記載の長繊維不織布。
[13]長繊維不織布が、スパンボンド不織布である前記[1]〜[11]のいずれか1項記載の長繊維不織布。
[14]前記[1]〜[13]のいずれか1項記載の長繊維不織布に、該長繊維不織布以外のフィルム、不織布、ウェブ、織物、編物、紙、繊維束から選ばれる少なくとも1種を積層してなる積層不織布。
[15]前記[1]〜[13]のいずれか1項記載の長繊維不織布または前記[14]項記載の積層不織布を用いた繊維製品。
本発明の長繊維不織布は、粘着性繊維と非粘着性繊維とが30/70重量%〜95/5重量%の重量比率で混繊していることで、不織布の表面に露出する粘着性繊維が非粘着性繊維によって適度な比率に覆われ、フィット性とアンチブロッキング性とのバランスが良好になり、かつ優れた風合になる。また、粘着性成分として特定の樹脂を使用することで、燃焼時の有害ガス発生がなく、かつリサイクルが可能である。また、本発明の長繊維不織布及び積層不織布は、これらの特性を利用した繊維製品に好適に利用できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、滑り止め性と密着性を併せて、フィット性という。フィット性に優れた不織布とは、滑り止め性と密着性に優れた不織布をいう。この性能には、繊維の粘着性成分が大きく関与しているが、粘着性成分を用いると不織布の取り扱いの際にブロッキング現象が起こるため、本発明では、粘着性成分を含む粘着性繊維と、これを含まない非粘着性繊維とから長繊維不織布を構成させる。具体的には、本発明の長繊維不織布は、粘着性繊維と非粘着性繊維とを30/70重量%〜95/5重量%の比率で混繊した構成である。更に前記長繊維不織布は、静摩擦係数が0.40以上(25℃、相対湿度65%)であり、剥離強度(長繊維不織布同士を重ね合わせ、重ね合わせた2枚の長繊維不織布を剥がすときの強度)が3N/25mm以下(25℃、相対湿度65%)である特性を満足することが必要である。これらの構成と特性を満足させた長繊維不織布は、フィット性とアンチブロッキング性とのバランスが良好になる。
なお、本発明の長繊維不織布は、長繊維から構成される。具体的には、300mmを超える繊維長の繊維が好ましい。したがって、カード法によるウェブ状態を経て不織布化される短繊維不織布は含まれない。
本発明の粘着性繊維は、下記(1)〜(5)からなる粘着性成分の群から選ばれる少なくとも1種から製造することができる。これらの樹脂成分を用いることで、粘着性と紡糸性とが良好になる。
(1)主として芳香族ビニル化合物から構成される重合体ブロック(A)を少なくとも1個有し、主として共役ジエン化合物から構成される重合体ブロック(B)を少なくとも1個有し、かつ共役ジエン由来部分の二重結合が80%以上飽和したスチレンブロック共重合体。
(2)共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのランダム共重合体の共役ジエン由来部分の二重結合が80%以上飽和した水添スチレンジエン共重合体。
(3)エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体またはプロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体。
(4)共役ジエン重合体を水素添加して得られたオレフィン重合体。
(5)アモルファス・ポリプロピレン。
粘着性成分(1)は、主として芳香族ビニル化合物から構成される重合体ブロック(A)を少なくとも1個有し、主として共役ジエン化合物から構成される重合体ブロック(B)を少なくとも1個有し、かつ共役ジエン由来部分の二重結合が80%以上飽和したスチレンブロック共重合体である。なお、主としてとは、重合体ブロックを構成する化合物が、重合体ブロックの少なくとも50重量%を占めることを示す。
前記スチレンブロック共重合体を構成する芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン等が例示され、特にスチレンが好ましい。これら芳香族ビニル化合物は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記スチレンブロック共重合体を構成する共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が例示され、特にブタジエン及びイソプレンが好ましい。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記スチレンブロック共重合体は、化合物の安定性、紡糸性等の点から共役ジエン由来部分の二重結合の80%以上が水素添加されていることが好ましい。具体的には、スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレンブチレン−オレフィン結晶ブロック共重合体(SEBC)等のブロック共重合体が挙げられる。より具体的には、クレイトンポリマージャパン(株)製「KRATON G」、クラレ(株)製「SEPTON」、JSR(株)製「JSR DYNARON」(「」内は、いずれも商品名)等が挙げられる。
粘着性成分(2)は、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのランダム共重合体の共役ジエン由来部分の二重結合が80%以上飽和した水添スチレンジエン共重合体である。前記スチレンジエン共重合体を構成する共役ジエン化合物のモノマーとしては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,2−ジメチルブタジエン、3−エチルブタジエン等が挙げられる。好ましくは1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンであり、更に好ましくは1,3−ブタジエンである。また、前記スチレンジエン共重合体を構成する芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられる。好ましくはスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレンであり、更に好ましくはスチレンである。水添スチレンジエン共重合体は、少なくとも1種の共役ジエンと3〜50重量%の芳香族ビニル化合物との共重合体であって、分子量分布(Mw/Mn=重量平均分子量/数平均分子量)が10以下であり、かつ前記共重合体を構成するジエン部のビニル結合含有率が10〜90重量%である共重合体のオレフィン性不飽和結合の少なくとも80%が水素添加された共重合体である。より具体的には、JSR(株)製「JSR DYNARON」(「」内は、商品名)等が挙げられる。
粘着性成分(3)は、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体またはプロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体である。
前記α−オレフィンとは、例えばプロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等が挙げられる。前記α−オレフィンの中では、特に1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。これらのα−オレフィンは、1種単独または2種以上を組合せて用いることができる。本発明では、これらを組合わせたエチレン−オクテン共重合体、エチレン−ブテン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましく利用できる。また本発明に用いられるエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体またはプロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体は、曳糸性の点から1.5〜4の分子量分布(Mw/Mn)であることが好ましい。具体的には、デュポンダウエラストマージャパン(株)製「エンゲージ」、三井化学(株)製「タフマー」(「」内はいずれも商品名))が例示される。また本発明で用いられるオレフィン共重合体はメタロセン触媒によって製造された共重合体であってもよい。なお、α−オレフィンに架橋用ジエンモノマーを加えた三元共重合体も含まれ、具体的には、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−ブテン−ジエンゴムが例示できる。
粘着性成分(4)は、共役ジエン重合体を水素添加して得られたオレフィン重合体である。前記オレフィン重合体を構成する共役ジエン重合体のモノマーとしては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,2−ジメチルブタジエン、3−エチルブタジエン等が挙げられる。好ましくは1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンであり、更に好ましくは1,3−ブタジエンである。また、粘着性成分(4)には、CEBCと呼ばれるオレフィン結晶−エチレンブチレン−オレフィン結晶ブロック共重合体のようなブロックタイプも含まれる。
粘着性成分(5)は、アモルファス・ポリプロピレンである。前記アモルファス・ポリプロピレンとは、その結晶化度が約65J/gまたはそれ以下を持つものを示す。結晶化度または融解熱(ΔHf)は、米国試験材料学会(ASTM)D−3417に従ったDSCにより測定できる。
本発明では、米国特許第5,948,720号、米国特許第5,723,546号、欧州特許第0475307B1号及び欧州特許第0475306B1号に記載されているプロピレンベースのアモルファスポリマーが好ましく利用できる。具体的には、アモルファス・ポリプロピレンとしては、アモルファス・エチレン−プロピレンコポリマー、アモルファス・プロピレンホモポリマー、アモルファス・ブチレン−プロピレンコポリマー等が例示できる。これらの重合体は、約0.87g/cmから0.89g/cmの密度を持ち、張力係数が約3.44Pa(ASTM D−638)未満、及び/または、伸び(%)が約900より大きいことが必要である。しかし、これら以外の様々なアモルファス・プロピレンコポリマーを本発明に用いても構わない。この点については、ステレオブロックポリマーが、本発明の実施のために特に好ましい態様である。「ステレオブロックポリマー」の用語は、目標とする結晶化度を達成するために制御された領域立体規則性または立体配列を持つポリマー材料を言う。重合中に立体配列を制御することにより、アタクチック・イソタクチック・ステレオブロックを達成することが可能である。ポリオレフィン・ステレオブロックポリマーを生成する方法は、従来技術で既知であり、以下の論文に記載されている。サイエンス誌267号(1995年1月)の217〜219ページに記載のG.コーテス及びR.ウェイマス著「振動立体制御:熱可塑性エラストマー・ポリプロピレン合成の戦略」、及び、サイエンス誌267号(1995年1月)の191ページに記載のK.ワゲナー著「振動触媒:プラスチックの新しい展開」である。また、ステレオブロックポリマー及びそれらの製造方法は、米国特許第5,549,080号、及び、米国特許第5,208,304号に記載されている。上記の通り、アルファオレフィンの結晶化度を制御することにより、独特の張力係数、及び/または、伸びの特性を示すポリマーが可能になる。例えば市販の好適なポリマーには、ハンツマン・コーポレーション製レクスフレックス・フレキシブル・ポリオレフィンズがある。
本発明で用いられる非粘着性繊維は、公知の非粘着性成分を用いることができるが、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂及びポリアミド樹脂からなる非粘着性成分の群から選ばれる少なくとも1種からなる繊維が好ましい。非粘着性成分は、それ自体には粘着性がなく、特にメルトブロー法で紡糸しやすい成形が容易な樹脂である。なかでもポリオレフィン樹脂は、得られる不織布が良好な風合と滑り性を有し、コストと成形性の点からも好ましく利用できる。それらのなかでも特にポリプロピレン、ポリエチレンが好ましく利用できる。
本発明で用いられる非粘着性成分には、本発明の効果を阻害しない範囲で付加的な添加剤が必要に応じて配合されていてもよい。添加剤としては、例えば紫外線吸収剤、増粘分岐剤(ここでいう、増粘分岐剤は、非粘着性成分の粘性を増すが、粘着性を付与しない)、艶消剤、着色剤、柔軟性付与剤、老化防止剤、熱安定剤、耐候剤、金属不活性剤、光安定剤、銅害防止剤、防菌・防黴剤、分散剤、軟化剤、可塑剤、結晶核剤、難燃剤、発泡剤、発泡助剤、酸化チタン、マイカ、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、カオリン、ポリオレフィンワックス、セルロースパウダー、低分子量ポリマー等が挙げられる。ただし、非粘着性成分には、粘着性の付与されるような添加物は加えてはならない。
特に屋外で使用される用途においては、従来から用いられている紫外線吸収剤のいずれかを使用でき、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシ−ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジt−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、p−オクチルフェニルサリチレート、ドデシルサリチレート等のサリチル酸エステル系紫外線吸収剤、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等を挙げることができる。
また、本発明に用いられる粘着性成分にも、非粘着性成分と同様に上記の添加剤が配合されていてもよい。更に粘着性成分には、本発明の効果であるフィット性とアンチブロッキング性のバランスを阻害することのない範囲で粘着性付与剤が添加されていてもよい。粘着性付与剤としては、種々添加剤が使用可能であるが、温度安定性が高い水素添加炭化水素樹脂が好ましく利用できる。
長繊維不織布を製造する方法としては、例えば、溶融した熱可塑性樹脂を紡糸し、延伸、開繊、捕集及び絡合を行って不織布を形成するスパンボンド法、溶融した熱可塑性樹脂を高温高圧空気と共に噴射し開繊配列して不織布を形成するメルトブロー法、熱可塑性樹脂の長繊維束を延伸し、捲縮付与後に開繊及び拡幅を行って不織布を形成するトウ開繊法等が挙げられる。なかでも、生産性、製造コスト、生産の容易性、風合の点からスパンボンド法とメルトブロー法が好ましく、メルトブロー法が特に好ましい。
本発明の長繊維不織布を製造するための方法を具体的に例示する。スパンボンド法による粘着性繊維と非粘着性繊維とを混合した不織布の製造方法は、特開2002−242069公報に記載された、異種の樹脂が流れ出す紡糸孔が一列交互に配列した構造の紡糸口金を利用することができる。この口金を使用することで、粘着性繊維と非粘着性繊維とが均一に混繊されたウェブが得られる。また、粘着性繊維用の紡糸口金と非粘着性繊維用の紡糸口金とを併用し、それぞれの紡糸口金で得られる粘着性繊維ウェブと非粘着性繊維ウェブとを積層し、この積層物にニードルパンチ等で交絡処理をし、繊維同士を混繊する方法でもよい。また、粘着性成分と非粘着性成分とに割り当てる紡糸孔の数を変更することや、それぞれの成分の押出量を変更することで、スパンボンド不織布中の各繊維の混繊量を変更することができる。また、それぞれの成分の紡糸孔当たりの押出量を変更して紡糸することや、それぞれの成分の孔径が異なった口金を用いて紡糸することにより、繊度の異なる混合物が得られる。また、粘着性繊維は繊維表面に粘着性成分が完全被覆していることが好ましく、例えば鞘芯構造の繊維断面で芯成分/鞘成分が非粘着性成分/粘着性成分となった構造の繊維を用いてもよい。また、非粘着性繊維は繊維表面に非粘着性成分が完全被覆していることが好ましく、例えば鞘芯構造の断面で芯成分/鞘成分が粘着性成分/非粘着性成分となった構造の繊維も本発明で用いることができる。
メルトブロー法による粘着性繊維と非粘着性繊維とを混合した不織布の製造方法は、米国特許第3981650公報に記載された、異種の樹脂が流れ出す紡糸孔が交互に一列に並んだ構造の紡糸口金を利用することができる。この口金を使用することで、粘着性繊維と非粘着性繊維とが均一に混繊されたウェブが得られる。また、粘着性繊維用の紡糸口金と非粘着性繊維用の紡糸口金とを併用し、それぞれの紡糸口金で得られる粘着性繊維ウェブと非粘着性繊維ウェブとを積層し、この積層物にニードルパンチ等で交絡処理をして、繊維同士を混繊する方法でもよい。より均一な混繊状態のウエブを得るためには、特開平7−102408号公報に記載された紡糸口金を利用することが好ましい。粘着性成分と非粘着性成分とに割り当てる紡糸孔の数を変更することや、それぞれの成分の押出量を変更することで、メルトブロー不織布中の各繊維の混繊量を変更することができる。また、それぞれの成分の紡糸孔当たりの押出量を変更して紡糸することや、それぞれの成分の孔径が異なった口金を用いて紡糸することにより、繊度の異なる混合物が得られる。また、粘着性繊維は繊維表面に粘着性成分が完全被覆していることが好ましく、例えば鞘芯構造の繊維断面で芯成分/鞘成分が非粘着性成分/粘着性成分となった構造の繊維を用いてもよい。また、非粘着性繊維は繊維表面に非粘着性成分が完全被覆していることが好ましく、例えば鞘芯構造の断面で芯成分/鞘成分が粘着性成分/非粘着性成分となった構造の繊維も本発明で用いることができる。
本発明の粘着性繊維と非粘着性繊維の不織布中の重量割合は、粘着性繊維/非粘着性繊維=30/70重量%〜95/5重量%である。粘着性繊維が30重量%以上のとき、フィット性は非常に良好となる。また、非粘着性繊維が5重量%以上のとき、アンチブロッキング性が非常に良好となる。更に好ましくは、粘着性繊維/非粘着性繊維=40/60重量%〜95/5重量%であり、より好ましくは、50/50重量%〜90/10重量%である。上記の重量比率で混繊していることで、本発明の長繊維不織布は、不織布の表面に露出する粘着性繊維が、非粘着性繊維によって適度な比率に覆われるため、フィット性とアンチブロッキング性とのバランスが良好になり、かつ優れた風合になる。
本発明の長繊維不織布を構成する繊維の繊維径は、非粘着性繊維の平均繊維径(Cd)が1〜10μmであり、粘着性繊維の平均繊維径(Dd)が5〜30μmであることが好ましい。更に非粘着性繊維の平均繊維径(Cd)と粘着性繊維の平均繊維径(Dd)とがCd≦Ddの関係にあることが好ましい。非粘着性繊維の平均繊維径(Cd)が小さいほど、非粘着性繊維の表面積が増加するため、不織布中に同じ重量で含有されていても、不織布表面に露出する非粘着性繊維の面積が増加するので、風合とアンチブロッキング性を良好にできる。また、粘着性繊維の平均繊維径(Dd)が大きいほど、粘着性繊維の表面積が減少するため、不織布中に同じ重量で含有されていても、不織布表面に露出する粘着性繊維の面積が減少するので、アンチブロッキング性が良好になる。更に繊維径が大きくなることで繊維強度が強くなるために毛羽立ち性が良好となり好ましい。このため、本発明では、より繊維径の細い繊維を製造できるメルトブロー法が、これらの効果を充分に発揮させることができるため、特に好ましく利用できる。
本発明の長繊維不織布を構成する繊維は、少なくとも粘着性繊維と非粘着性繊維の2種類を上記比率で含有していれば、種類の異なる粘着性成分からなる繊維または種類の異なる非粘着性成分からなる繊維を加えた3種類、4種類、またはそれ以上であっても構わないが、製造コストまた生産性の点から2種類の混繊である場合が最も好ましい態様である。
本発明の長繊維不織布を構成する繊維の断面形状は、紡糸性を損なわなければ、特に限定されない。具体的には、丸断面、異形(非円形)断面、中空断面等が挙げられる。
本発明の長繊維不織布の静摩擦係数は0.40以上(25℃.相対湿度65%)である。静摩擦係数は、JIS P 8147「紙及び板紙の摩擦係数試験方法」の3.2傾斜方法を用いて測定した。これによって算出された静摩擦係数が0.40より小さいと、例えば、カーペット下敷きに用いた場合、人間の歩行の際に容易にカーペットが滑ってしまいフィット性効果が不充分になる。本発明の長繊維不織布の静摩擦係数は、好ましくは0.60以上である。
本発明の長繊維不織布同士を重ね合わせ、重ね合わせた2枚の長繊維不織布を剥がす時の強度(以下、剥離強度という)は3N/25mm(25℃、相対湿度65%)以下である。本発明は、粘着性繊維と非粘着性繊維とが不織布中に混在することで、本発明の効果が充分に発揮される。本発明において、非粘着性繊維の主な役割は、アンチブロッキング性の向上である。粘着性繊維の重量比率が増し、その表面積が増加するとフィット性(静摩擦係数及び密着性)が増大し、非粘着性繊維の重量比率が増し、その表面積が増加するとアンチブロッキング性が良好となる。
アンチブロッキング性は、剥離強度が小さいほど優れ、3N/25mm以下(25℃、相対湿度65%)である必要がある。更に好ましくは、剥離強度が2.5N/mm以下(25℃、相対湿度65%)であり、最も好ましくは、2N/25mm以下(25℃、相対湿度65%)である。剥離強度が小さければ、ロール状に捲かれた不織布を更に製品に加工する際の繰出性が良好となる。逆に剥離強度が大きいと繰出す際に、強い力が必要になる。また、ブロッキングが顕著な場合には、剥離時に不織布の破断が生じる恐れがあり、たとえ破断が生じなくても剥離時に不織布が伸長してしまい、その後の加工に使用できなくなる。特に、アンチブロッキング性が悪いと、夏場の保管時に高温と積載によって繊維間に膠着が発生しやすくなり、ロール状に捲かれた不織布を繰出す際の操作性が悪くなるという問題が発生する。
本発明の長繊維不織布の目付は、特に限定されないが、1〜300g/mが好ましく、より好ましくは3〜200g/m、更に好ましくは5〜150g/mである。また目的に応じて熱処理加工しても構わない。一般に、熱処理は、使用される粘着性成分の軟化点と非粘着性成分の軟化点との間の温度で行われる。熱処理の方法としては、加熱エンボスロールによる熱圧着法、加熱空気によるスルーエアー法、赤外線ランプによる方法等の公知の方法が使用できる。また、ソニックボンド加工、ウォータージェット加工、ニードルパンチ加工、レジンボンド加工のいずれか一つ以上の加工を行っても構わない。
本発明においては、得られた長繊維不織布に、該長繊維不織布以外のフィルム、不織布、ウェブ、織物、編物、紙、繊維束から選ばれる少なくとも1種を積層して積層不織布として用いることができる。積層に使用される材料は、特に限定はなく、目的によっていずれの材料とも積層可能である。一例として、穴あけ加工不織布、メルトブロー不織布、スパンレース不織布、エアーレイド不織布、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、エラストマーフィルム、スパンボンドポイントボンド不織布、スルーエアー不織布等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明の長繊維不織布または積層不織布を用いた繊維製品としては、例えば手袋、テーブルクロス、玄関マットの裏材、家具の防滑材、食品搬送用下敷き布、カーペットの裏材、マスク、フェースマスク、靴カバー、マウスパッド、ハンガー、衣類、ヘッドレストカバー、椅子カバー、包装材、床カバー、ロープ、シフトカバー、ノブカバー、蒲団シーツ、ベッドシーツ、肘置シート、医療用テープ、包帯、花むしろ、ござ、医療用布、自動車用シート、ハウスラップ用シート、屋根下地材等を挙げることができるが、用途はこれらに限定されるものではない。
以下、本発明を実施例及び比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例における測定結果は下記の方法で行った。
(剥離強度)
長繊維不織布の任意の箇所から縦100mm、横100mmのサイズに複数枚切り取り、これを試験片として用いる。前記試験片を2枚重ね合わせ、その上に縦100mm、横100mmのアルミ板を載せ、更にその上に合計5kgとなる様に荷重を掛け、50℃のオーブン中に放置する。これを24時間放置後、25℃/相対湿度65%の室内に取り出し、幅25mmに切り、不織布同士を長尺方向の一端から50mmの長さまで、手で剥がす。(株)島津製作所製オートグラフAG−G(商品名)を用い、チャック間50mmに設定した上下のチャックに不織布の剥がれたそれぞれ両端を固定した。引張速度100mm/分で不織布同士が完全に剥がれきるまで引張り、強度を測定し、その平均値を剥離強度(N/25mm)とした(N=5)。剥離強度が小さいほどアンチブロッキング性が良好であると判断した。
(静摩擦係数)
JIS P 8147「紙及び板紙の摩擦係数試験方法」の3.2傾斜方法を用いた。
(平均繊維径)
長繊維不織布の任意5ヶ所から縦10mm、横10mmの不織布片(合計5枚)を切り取り、日本電子工業(株)製走査型電子顕微鏡で表面を観察した。1枚の不織布片から20本の繊維径を測定し、これを5枚の不織布片について測定し、合計100本の繊維径の平均値を算出し平均繊維径(D)とした。その後、粘着性繊維だけが溶出する下記溶媒の何れかを用い、ソックスレー抽出装置によって粘着性繊維のみを除いた後の不織布を上記同様の方法で非粘着性繊維の平均繊維径(Ad)を測定した。
予め、粘着性繊維/非粘着性繊維の重量比を求め、その後、構成する樹脂の密度をJIS L 1015(密度勾配管法)に準拠して求めた。これらから粘着性繊維/非粘着性繊維の重量比を体積率へと変換した。その後、下記式で粘着性繊維の平均繊維径(Bd)を算出した。
非粘着性繊維密度:Aρ
粘着性繊維密度:Bρ
非粘着性繊維/粘着性繊維の重量比:Aw/Bw
非粘着性繊維体積率Av:
Av=(Aw/Aρ)/((Bw/Bρ)+(Aw/Aρ))
粘着性繊維体積率Bv:
Bv=(Bw/Bρ)/((Bw/Bρ)+(Aw/Aρ))
粘着性繊維の繊維径Bd:
Bd=(D−Ad×Av)/Bv
抽出溶媒としては、以下の溶媒が利用できる。
ポリウレタンエラストマー:濃塩酸
ポリスチレンエラストマー:トルエン
ポリオレフィンエラストマー:トルエン
ポリアミドエラストマー:アニリン
ポリエステルエラストマー:濃硫酸
(毛羽立ち)
縦150mm、横65mmの長繊維不織布を用意し、専用治具のテーブルに両面テープで貼り付ける。縦×横が30mm×30mmの大きさで表面特性:Ra2.0μm、Rmax15.5μm(MITSUTOYO suftest−401で測定)のアルミ板を用い、長繊維不織布に対し、1.09×10Pa(111gf/cmの換算値)の荷重がかかるように調整する。長繊維不織布の表面上を100mm/分の速度で100mm移動させ操作を3回行い表面の毛羽状態を観察する。毛羽が出た場合を×、毛羽が出ない場合を○として評価した。
本発明において使用した非粘着性成分(原料樹脂)の略号と内容は以下の通りである。
A−1:ポリプロピレン、チッソポリプロCS3300((商品名)、チッソ(株)製)。
A−2:ポリエチレンテレフタレート、K101((商品名)、カネボウ(株)製)
A−3:ナイロン6、UBE NYLON 1011FB((商品名)、宇部興産(株)製)。
A−4:ポリエチレン、チッソポリエチS6900((商品名)、チッソ(株)製)。
本発明において使用した粘着性成分(原料樹脂)の略号と内容は以下の通りである。
B−1:スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体、DYNARON 8600P((商品名)、JSR(株)製)。
B−2:水添スチレンジエン共重合体、DYNARON 2324P((商品名)、JSR(株)製)。
B−3:エチレン−オクテン共重合体、エンゲージ8401((商品名)、デュポンダウエラストマージャパン(株)製)
B−4:水添ジエン共重合体、DYNARON 6200P((商品名)、JSR(株)製)
B−5:アモルファス・エチレン−プロピレンコポリマー、レクスフレックス・フレキシブル・ポリオレフィンズ W201((商品名)、ハンツマン・コーポレーション製)。メルトフローレート19g/10分、張力係数6、密度0.88g/cm
B−6:ポリエステルエラストマー、グリラックスE−200LV((商品名)、大日本インキ化学工業(株)製)。
B−7:ポリアミドエラストマー、ペバックス2533((商品名)、アトフィナ・ジャパン(株)製)。
B−8:熱可塑製ポリウレタンポリマー、パンデックスT−1180((商品名)、DIC−Bayer(株)製)。
実施例1
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−1をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。スクリュー(30mm径)、加熱体及びギアポンプを有する2機の押出機、混繊用紡糸口金(孔径0.3mm、異なる成分の繊維が交互に吐出するために、一列に並んだ紡糸孔、孔数501ホール、有効幅500mm)、圧縮空気発生装置、空気加熱機、ポリエステル製ネットを備えた捕集コンベアー、巻取機からなる装置を用いてメルトブロー不織布の製造を行った。それぞれの押出機に非粘着性成分と粘着性成分をそれぞれ投入し、加熱体により非粘着性成分を270℃、粘着性成分を230℃で加熱溶融させ、非粘着性成分/粘着性成分の比率(重量%)が30/70となるようにギアポンプを設定し、紡糸口金から単孔当たりA−1を0.08g/分、B−1を0.18g/分の紡糸速度で吐出させ、吐出した繊維を400℃に加熱した98kPa(ゲ−ジ圧)の圧縮空気によって、走行速度2m/分で走行しているポリエステル製ネットの捕集コンベアー上に吹き付けた。捕集コンベアーは、紡糸口金から25cmの距離に設置した。吹き付けた空気は捕集コンベアーの裏側に設けた吸引装置で除去した。捕集コンベアーで搬送された不織布を巻取機でロール状に巻取り、目付61g/mのメルトブロー不織布とした。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
また、実施例1で得られたメルトブロー不織布をテーブルクロスとして用いた。実際にテーブルに被せその上に食器を載せた。テーブルを角度30°傾けたが、食器,テーブルクロス共動くことはなく、優れたフィット性を示した。
また、実施例1で得られたメルトブロー不織布を玄関マットの下に敷いて用いた。1ヶ月間使用したが、玄関マットは移動することもなく、優れたフィット性を示した。
また、事前に目付50g/mのポリエチレンとポリプロピレンとからなる複合スパンボンド不織布を用意した。そして実施例1のメルトブロー不織布を製造する過程で、前記の複合スパンボンド不織布を挿入し、その上に実施例1のメルトブロー不織布を積層させた。このときのコンベアー速度は、20m/分とし、積層されるメルトブロー不織布の目付を6g/mとした。更にこの不織布の積層物に圧着面積率24%の一対のエンボスロールを備えたポイントボンド加工機で加工を行った。得られた積層不織布は、風合が良好であった。また、この積層不織布のフィット面を蒲団側に向けてシーツとして用いたところ、シーツは寝返りにより移動することなく優れたフィット性を示し、人間の肌側に接触する複合スパンボンド不織布は風合が良好であった。なお、ここでいうフィット面とは、実施例1で得られたメルトブロー不織布側の面をいう。
また、事前に目付100g/mのレーヨンからなるスパンレース不織布を用意した。そして実施例1のメルトブロー不織布を製造する過程で、前記のレーヨンスパンレース不織布を挿入し、その上に実施例1のメルトブロー不織布を積層させた。この時のコンベアー速度は、20m/分とし積層されるメルトブロー不織布の目付を6g/mとした。更にこの不織布の積層物に圧着面積率24%の一対のエンボスロールを備えたポイントボンド加工機で加工を行った。得られた積層不織布のレーヨン層にスキンローションを含浸させた美容用のフェースマスクを作製した。得られたフェースマスクのフィット面を肌側に向けて顔にあてて使用したところ、顔へのフィット性が良好で、良好な風合であった。なお、ここでいうフィット面とは、実施例1で得られたメルトブロー不織布側の面をいう。
また、メルトブロー装置の上流側に、スクリュー(40mm径)、加熱体、及びギアポンプを有する2機の押出機、複合タイプ紡糸口金(孔径0.4mm、120孔)、エアーサッカー、帯電法開繊機、ポリエステル製ネットを備えた捕集コンベアー等を備えた複合スパンボンド装置を設置したラインにて積層不織布を作製した。鞘側に高密度ポリエチレンを使用し、芯側にポリプロピレンを使用し鞘芯比50/50(重量%)にて紡糸し、1.8dtexの繊維からなる目付40g/mのウェブがコンベアー上に得られた。そして実施例1のメルトブロー不織布を製造するコンベアーに該ウェブを直接挿入し、その上に実施例1のメルトブロー不織布を積層させた。このときの複合スパンボンド装置及びメルトブロー装置のコンベアー速度は、共に20m/分とした(目付40g/mの複合スパンボンドウェブ、目付6g/mのメルトブロー不織布)。更にこの不織布の積層物に圧着面積率24%の一対のエンボスロールを備えたポイントボンド加工機で加工を行い、得られた積層不織布を巻取機でロール状に巻取った。この積層不織布は、風合が良好であった。また、この積層不織布のフィット面を蒲団側に向けてシーツとして用いたところ、シーツは寝返りにより移動することなく優れたフィット性を示し、人間の肌側に接触する複合スパンボンド不織布の風合が良好であった。なお、ここでいうフィット面とは、実施例1で得られたメルトブロー不織布側の面をいう。
また、事前に目付100g/mのコットンからなるスパンレース不織布を用意した。そして実施例1のメルトブロー不織布を製造する過程で、前記のコットンスパンレース不織布を挿入し、その上に実施例1のメルトブロー不織布を積層させた。このときのコンベアー速度は、20m/分とし、積層されるメルトブロー不織布の目付を6g/mとした。更にこの不織布の積層物に圧着面積率24%の一対のエンボスロールを備えたポイントボンド加工機で加工を行った。得られた積層不織布をフィット面をテーブル側とし、採血時に肘の下に敷く肘置シートに使用したところ、シートはテーブルから移動することなく安全に採血ができた。また、肌側は風合が良好で採血者に不快をあたえるものではなった。なお、ここでいうフィット面とは、実施例1で得られたメルトブロー不織布側の面をいう。
実施例2
実施例1と同様の原料樹脂を用い、非粘着性成分/粘着性成分の比率(重量%)が20/80となるようにギアポンプを設定し、紡糸口金から単孔当たりA−1を0.05g/分、B−1を0.20g/分の紡糸速度で吐出させ、実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を有していた。
また、実施例2で得られたメルトブロー不織布に時前に用意したポリプロピレンスパンボンド不織布(目付50g/m)を重ね合わせ、圧着面積率17%のポイントボンド加工を行い積層不織布を製造した。得られた積層不織布は、フィット性とアンチブロッキング性が良好であることに加え、ポリプロピレンスパンボンド不織布により腰のあるものであった。更に、得られた積層不織布のフィット面を床側に向けてカーペットとして用いたところ、カーペットは移動することがなく、優れたフィット性を示した。なお、ここでいうフィット面とは、実施例2で得られたメルトブロー不織布側の面をいう。
また、実施例2で得られたメルトブロー不織布を用い、超音波ミシンにより手袋を作製した。この手袋を着用し、ビール瓶の持ち運びに使用したところ、ビール瓶が握った手から落下しにくく、安全に持ち運ぶことができ、優れたフィット性を示した。
また、事前に目付100g/mのポリエステルからなるスパンレース不織布を用意した。そして実施例2のメルトブロー不織布を製造する過程で、前記のポリエステルスパンレース不織布を挿入し、その上に実施例2のメルトブロー不織布を積層させた。このときのコンベアー速度は、20m/分とし積層されるメルトブロー不織布の目付を6g/mとした。更にこの不織布の積層物に圧着面積率24%の一対のエンボスロールを備えたポイントボンド加工機で加工を行った。得られた積層不織布をフィット面をテーブル側とし、採血時に肘の下に敷く肘置シートに使用したところ、シートはテーブルから移動することなく安全に採血ができた。また、肌に接触する側は風合が良好で採血者に不快をあたえるものではなった。なお、ここでいうフィット面とは、実施例2で得られたメルトブロー不織布側の面をいう。
また、事前に目付13g/mのポリプロピレンからなるSMS不織布を用意した。このSMS不織布は、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布の三層からなり、それぞれの目付は、5g/m、3g/m、5g/mである。そして実施例2のメルトブロー不織布を製造する過程で、前記SMS不織布を挿入し、その上に実施例2のメルトブロー不織布を積層させた。このときのコンベアー速度は、20m/分とし積層されるメルトブロー不織布の目付を6g/mとした。更にこの不織布の積層物に圧着面積率24%の一対のエンボスロールを備えたポイントボンド加工機で加工を行った。得られた積層不織布は、風合が良好で、フィット面を椅子側に敷いた椅子カバーとして用いたところ、カバーは人の動きにより移動することなく優れたフィット性を示し、カバーの上に水を溢しても椅子を汚す事がなく良好であった。なお、ここでいうフィット面とは、実施例2で得られたメルトブロー不織布側の面をいう。
また、事前に目付30g/mのポリエチレンとポリプロピレンからなるESC032SDL((商品名)、チッソ(株)製)のスルーエアー不織布を用意した。そして実施例2のメルトブロー不織布を製造する過程で、前記のスルーエアー不織布を挿入し、その上に実施例2のメルトブロー不織布を積層させた。このときのコンベアー速度は、20m/分とし積層されるメルトブロー不織布の目付を6g/mとした。更にこの不織布の積層物に圧着面積率24%の一対のエンボスロールを備えたポイントボンド加工機で加工を行った。得られた積層不織布は、風合が良好で、フィット面を蒲団側に向けてシーツとして用いたところ、シーツは寝返りにより移動することなく優れたフィット性を示し、人間の肌側に接触するスルーエアー不織布は風合が良好であった。なお、ここでいうフィット面とは、実施例2で得られたメルトブロー不織布側の面をいう。
また、メルトブロー装置の上流側にウェブを作製するカード機とスルーエアー機を設置したラインにて積層不織布を作成した。ポリエチレンとポリプロピレンからなるESC032SDL((商品名、チッソ(株)製)のステープルファイバーをカード機に供給し目付20g/mのカードウェブを作製し、スルーエアー機によって135℃の熱風処理によりスルーエアー不織布を作成した。そして、実施例2のメルトブロー不織布を製造するコンベアーに該スルーエアー不織布を直接挿入し、その上に実施例2のメルトブロー不織布を積層させた。この時のカード機とスルーエアー機及びメルトブロー装置のコンベアー速度は、全て20m/分とした(目付20g/mのスルーエアー不織布、目付6g/mのメルトブロー不織布)。更にこの不織布の積層物に圧着面積率24%の一対のエンボスロールを備えたポイントボンド加工機で加工を行い、加工後の不織布を巻取機にてロール状に巻取った。得られた積層不織布は、風合が良好で、フィット面を蒲団側に向けてシーツとして用いたところ、シーツは寝返りにより移動することなく優れたフィット性を示し、人間の肌側に接触するスルーエアー不織布は風合が良好であった。なお、ここでいうフィット面とは、実施例2で得られたメルトブロー不織布側の面をいう。
実施例3
実施例1と同様の原料樹脂を用い、非粘着性成分/粘着性成分の比率(重量%)が10/90となるようにギアポンプを設定し、紡糸口金から単孔当たりA−1を0.03g/分、B−1を0.23g/分の紡糸速度で吐出させ、実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
実施例4
実施例1と同様の原料樹脂を用い、非粘着性成分/粘着性成分の比率(重量%)が5/95となるようにギアポンプを設定し、紡糸口金から単孔当たりA−1を0.01g/分、B−1を0.24g/分の紡糸速度で吐出させ、実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
実施例5
実施例1と同様の原料樹脂を用い、非粘着性成分/粘着性成分の比率(重量%)が50/50となるようにギアポンプを設定し、紡糸口金から単孔当たりA−1を0.13g/分、B−1を0.13g/分の紡糸速度で吐出させ、実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
参考例1
実施例1と同様の原料樹脂を用い、非粘着性成分/粘着性成分の比率(重量%)が70/30となるようにギアポンプを設定し、紡糸口金から単孔当たりA−1を0.18g/分、B−1を0.08g/分の紡糸速度で吐出させ、実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
実施例7
非粘着性成分としてA−2、粘着性成分としてB−1をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。加熱体により非粘着性成分を300℃、粘着性成分を230℃で加熱溶融させ、非粘着性成分/粘着性成分の比率(重量%)が30/70となるようにギアポンプを設定し、紡糸口金から単孔当たりA−2を0.08g/分、B−1を0.18g/分の紡糸速度で吐出させた以外は実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
実施例8
非粘着性成分としてA−3、粘着性成分としてB−1をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。加熱体により非粘着性成分を290℃、粘着性成分を230℃で加熱溶融させ、非粘着性成分/粘着性成分の比率(重量%)が30/70となるようにギアポンプを設定し、紡糸口金から単孔当たりA−3を0.08g/分、B−1を0.18g/分の紡糸速度で吐出させた以外は実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
実施例9
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−2をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。加熱体により非粘着性成分を270℃、粘着性成分を230℃で加熱溶融させ、非粘着性成分/粘着性成分の比率(重量%)が30/70となるようにギアポンプを設定し、紡糸口金から単孔当たりA−1を0.08g/分、B−2を0.18g/分の紡糸速度で吐出させた以外は実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
実施例10
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−3をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
実施例11
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−4をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
実施例12
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−5をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
実施例13
非粘着成分としてA−1、粘着成分としてB−1をスパンボンド不織布の原料樹脂として用いた。スクリュー(40mm径)、加熱体、及びギアポンプを有する2機の押出機、混繊タイプ紡糸口金(孔径0.4mm、120孔)、エアーサッカー、帯電法開繊機、ポリエステル製ネットを備えた捕集コンベアー、ポイントボンド加工機及び巻取機からなる装置を用いてスパンボンド不織布の製造を行った。それぞれの押出機に非粘着性成分と粘着性成分をそれぞれ投入し、加熱体により非粘着性成分を270℃、粘着性成分を230℃で原料樹脂を加熱溶融させ、構成比率の非粘着性成分/粘着性成分が30重量%/70重量%となるようにギアポンプを設定し、紡糸口金から単孔当たりA−1を0.17g/分、B−1を0.4g/分の紡糸速度で吐出させ、吐出した繊維をエアーサッカーに導入し直後に帯電法開繊機によって開繊させ捕集コンベアー上に捕集した。エアーサッカーの空気圧は、196kPa(ゲージ圧)になるように調節した。捕集コンベアー上のウェブを上下ロール温度90℃に加熱したポイントボンド加工機(圧着面積率15%)に投入し、加工後の不織布を巻取機にてロール状に巻取り、目付60g/mのスパンボンド不織布を得た。得られたスパンボンド不織布の物性測定結果を表1に示す。このスパンボンド不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
参考例2
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−6をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。粘着性樹脂を220℃で加熱溶融させた以外は実施例6に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
参考例3
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−7をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。粘着性樹脂を200℃で加熱溶融させた以外は実施例6に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
参考例4
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−8をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。粘着性樹脂を200℃で加熱溶融させた以外は実施例6に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
実施例17
非粘着性成分としてA−4、粘着性成分としてB−1をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。非粘着性樹脂を220℃で加熱溶融させた以外は実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表1に示す。このメルトブロー不織布は、良好なフィット性とアンチブロッキング性を示した。
比較例1
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−1をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。非粘着性成分/粘着性成分の比率(重量%)が1/99となるようにギアポンプを設定し、紡糸口金から単孔当たりA−1を0.003g/分、B−1を0.252g/分の紡糸速度で吐出させ、コンベアー速度を2m/分とした以外は実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表2に示す。このメルトブロー不織布は、非粘着性成分が1重量%であるため剥離強度が3.5N/25mmと高く満足する性能ではなかった。
比較例2
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−1をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。押出機投入前に非粘着性成分/粘着性成分の比率(重量%)が10/90(重量%)となるようにA−1とB−2の樹脂同士を予め混合(ブレンド)し、270℃で溶融させ、単孔当り0.13g/分の紡糸速度で吐出させた以外は実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表2に示す。このメルトブロー不織布は、非粘着性成分が10重量%ではあるが樹脂を混合しているため剥離強度が3.5N/25mmと高く満足する性能ではなかった。
比較例3
原料樹脂に粘着性成分B−1のみを用い、比較例2に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表2に示す。このメルトブロー不織布は、非粘着性成分が含まれていないため剥離強度が4N/25mmと高く満足する性能ではなかった。
比較例4
非粘着性成分としてA−1、粘着性成分としてB−1をメルトブロー不織布の原料樹脂として用いた。非粘着性成分/粘着性成分の比率(重量%)が80/20となるようにギアポンプを設定し、紡糸口金から単孔当たりA−1を0.20g/分、B−1を0.05g/分の紡糸速度で吐出させた以外は比較例1に準拠した加工条件及び製造装置によりメルトブロー不織布を製造した。得られたメルトブロー不織布の物性の測定結果を表2に示す。このメルトブロー不織布は、粘着性成分が20重量%であるため静摩擦係数が0.36と低く満足する性能ではなかった。
Figure 0004211556
Figure 0004211556

Claims (9)

  1. 粘着性繊維と粘着性がない非粘着性成分を用いて得られている非粘着性繊維とが40/60重量%〜95/5重量%の比率で混繊されてなる長繊維不織布であり該不織布を構成している粘着性繊維及び非粘着性繊維の断面形状が丸断面であり、非粘着性繊維の平均繊維径(Cd:単位μm)と粘着性繊維の平均繊維径(Dd:単位μm)とが、Cd+4.3≦Ddの関係にあり、かつ下記特性を満足する、メルトブロー法またはスパンボンド法で製造されたことを特徴とする長繊維不織布。
    ・静摩擦係数:0.40以上(25℃、相対湿度65%)
    ・剥離強度(長繊維不織布同士を重ね合わせた時):3N/25mm以下(25℃、相対湿度65%)
  2. 非粘着性繊維の平均繊維径(Cd:単位μm)と粘着性繊維の平均繊維径(Dd:単位μm)とが、Cd+4.3≦Dd≦Cd+12.0の関係にあることを特徴とする請求項1記載の長繊維不織布。
  3. 粘着性繊維の平均繊維径(Dd:単位μm)が5〜30μmであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の長繊維不織布。
  4. 非粘着性繊維の平均繊維径(Cd)が1〜10μmであり、粘着性繊維の平均繊維径(Dd)が5〜30μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の長繊維不織布。
  5. 粘着性繊維が下記(1)〜(5)からなる粘着性成分の群から選ばれる少なくとも1種で構成されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の長繊維不織布。
    (1)主として芳香族ビニル化合物から構成される重合体ブロック(A)を少なくとも1個有し、主として共役ジエン化合物から構成される重合体ブロック(B)を少なくとも1個有し、かつ共役ジエン由来部分の二重結合が80%以上飽和したスチレンブロック共重合体。
    (2)共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのランダム共重合体の共役ジエン由来部分の二重結合が80%以上飽和した水添スチレンジエン共重合体。
    (3)エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体またはプロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体。
    (4)共役ジエン重合体を水素添加して得られたオレフィン重合体。
    (5)アモルファス・ポリプロピレン。
  6. 非粘着性繊維がポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂及びポリアミド樹脂からなる非粘着性成分の群から選ばれる少なくとも1種で構成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の長繊維不織布。
  7. 粘着性繊維と非粘着性繊維とが50/50重量%〜95/5重量%で混繊している長繊維不織布であって、該長繊維不織布が、下記特性を満足する請求項1〜のいずれか1項記載の長繊維不織布。
    ・静摩擦係数:0.60以上(25℃、相対湿度65%)
    ・剥離強度(長繊維不織布同士を重ね合わせた時):2N/25mm以下(25℃、相対湿度65%)
  8. 請求項1〜のいずれか1項記載の長繊維不織布に、該長繊維不織布以外のフィルム、不織布、ウェブ、織物、編物、紙、繊維束から選ばれる少なくとも1種を積層してなる積層不織布。
  9. 請求項1〜のいずれか1項記載の長繊維不織布または請求項記載の積層不織布を用いた繊維製品。
JP2003345726A 2002-12-04 2003-10-03 長繊維不織布及びこれを用いた繊維製品 Expired - Fee Related JP4211556B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003345726A JP4211556B2 (ja) 2002-12-04 2003-10-03 長繊維不織布及びこれを用いた繊維製品

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002352157 2002-12-04
JP2003345726A JP4211556B2 (ja) 2002-12-04 2003-10-03 長繊維不織布及びこれを用いた繊維製品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004197291A JP2004197291A (ja) 2004-07-15
JP4211556B2 true JP4211556B2 (ja) 2009-01-21

Family

ID=32775030

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003345726A Expired - Fee Related JP4211556B2 (ja) 2002-12-04 2003-10-03 長繊維不織布及びこれを用いた繊維製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4211556B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105231523A (zh) * 2015-10-08 2016-01-13 天津理工大学 一种以摩擦电纳米发电机为过滤层的高效防护口罩

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4779497B2 (ja) * 2004-11-09 2011-09-28 Jnc株式会社 伸縮性不織布およびそれを用いた繊維製品
CN101432478B (zh) 2006-05-31 2012-01-04 三井化学株式会社 无纺布层叠体及其制造方法
US8129298B2 (en) 2006-05-31 2012-03-06 Mitsui Chemicals, Inc. Nonwoven laminates and process for producing the same
JP4901392B2 (ja) * 2006-09-21 2012-03-21 株式会社東芝 マイカテープ巻回性評価方法および装置
US20100093244A1 (en) 2007-03-02 2010-04-15 Mitsui Chemicals, Inc. Mixed-fiber nonwoven fabric laminate
KR101340201B1 (ko) 2007-03-02 2013-12-10 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 부직포 적층체
EP2190658B1 (en) * 2007-09-07 2012-10-24 Invista Technologies S.à.r.l. Multilayer variable stretch nonwoven fabric composites
JP5201532B2 (ja) 2008-03-19 2013-06-05 Jnc株式会社 伸縮性積層シート
CN102859061B (zh) 2010-04-15 2015-11-25 三井化学株式会社 纺粘非织造布、其制造方法及其用途
JP6415402B2 (ja) * 2015-06-30 2018-10-31 ユニ・チャーム株式会社 吸収性シート
CN105506863A (zh) * 2016-01-26 2016-04-20 芜湖环瑞汽车内饰件有限公司 一种防静电吸音棉及其制备方法
EP3848491A4 (en) 2018-10-12 2022-07-06 Mitsui Chemicals, Inc. NONWOVEN LAMINATE, STRETCH NONWOVEN LAMINATE, FIBER PRODUCT, ABSORBENT ARTICLE AND HYGIENE MASK
EP4081675A1 (en) * 2019-12-23 2022-11-02 3M Innovative Properties Company Core-sheath filaments including blowing agent

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105231523A (zh) * 2015-10-08 2016-01-13 天津理工大学 一种以摩擦电纳米发电机为过滤层的高效防护口罩

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004197291A (ja) 2004-07-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4596286B2 (ja) 弾性不織布及びこれを用いた繊維製品
JP4155042B2 (ja) 弾性長繊維不織布及びこれを用いた繊維製品
JP4341325B2 (ja) 弾性不織布及びこれを用いた繊維製品
JP4211556B2 (ja) 長繊維不織布及びこれを用いた繊維製品
JP6231481B2 (ja) 多層不織布及びその製造方法
KR101551554B1 (ko) 부직포 적층체
US20200015649A1 (en) Nonwoven Tack Cloth for Wipe Applications
JP2001226865A (ja) 不織布、その製造方法および衛生材料
JP2006112025A (ja) 弾性不織布及びこれを用いた繊維製品
JP4193686B2 (ja) 伸縮性不織布およびそれを用いた繊維製品
JP4779497B2 (ja) 伸縮性不織布およびそれを用いた繊維製品
JP5159267B2 (ja) 伸縮性積層体
JP5172217B2 (ja) 積層不織布およびその製造方法
JP5133604B2 (ja) 伸縮性不織布
JP4810924B2 (ja) 熱バインダー不織布及びこれらを用いた積層物
JP2000328420A (ja) 柔軟性不織布積層体
JP3844390B2 (ja) 不織布積層体
JP2003129330A (ja) 弾性繊維,弾性不織布及びこれらを用いた繊維製品
JP2005015990A (ja) 熱接着性複合繊維及びそれを用いた不織布
JP2003250879A (ja) 貼付材基布及びこれを用いた貼付材
JP2007277778A (ja) 弾性不織布及びこれを用いた繊維製品
JP4081669B2 (ja) 長繊維不織布およびこれを用いた繊維製品
JP2006152525A (ja) バインダー不織布及びそれを用いた積層物
JP3801913B2 (ja) メルトブロー不織布
JP3790459B2 (ja) 熱接着性複合繊維とその製造方法、及びこれを用いた不織布および合繊紙

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060511

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080331

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080430

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080624

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081007

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081020

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4211556

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111107

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107

Year of fee payment: 4

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107

Year of fee payment: 4

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107

Year of fee payment: 4

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107

Year of fee payment: 4

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121107

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131107

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees