JP2003129330A - 弾性繊維,弾性不織布及びこれらを用いた繊維製品 - Google Patents

弾性繊維,弾性不織布及びこれらを用いた繊維製品

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JP2003129330A
JP2003129330A JP2001329091A JP2001329091A JP2003129330A JP 2003129330 A JP2003129330 A JP 2003129330A JP 2001329091 A JP2001329091 A JP 2001329091A JP 2001329091 A JP2001329091 A JP 2001329091A JP 2003129330 A JP2003129330 A JP 2003129330A
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elastic
copolymer
nonwoven fabric
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JP2001329091A
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English (en)
Inventor
Yoshimi Tsujiyama
義実 辻山
Satohiko Tsutsui
聡彦 筒井
Koichi Hatada
浩一 畑田
Naonobu Minamizawa
尚伸 南澤
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JNC Corp
JNC Fibers Corp
Original Assignee
Chisso Polypro Fiber Co Ltd
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】優れた弾性と適度な応力および優れたアンチブ
ロッキング性を有し、燃焼時の有害ガスの発生がなく、
リサイクル可能な弾性繊維および弾性不織布を提供する
こと。 【解決手段】オレフィン共重合体成分(イ)25〜70
重量%、スチレンブロック共重合体(i),水添スチレ
ンジエン共重合体(ii),エラストメリックポリプロピ
レン(iii),プロピレン・エチレンブロックコポリマ
ー(iv)から選ばれる少なくとも1種である成分(ロ)
70〜25重量%および水添ジエン系共重合体成分
(ハ)5〜40重量%を含有する組成物(ただし、
(イ)、(ロ)、(ハ)の含有割合(重量%)は組成物
基準である)を用いて弾性繊維とし、該弾性繊維を用い
て不織布とし、これらを用いて繊維製品にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性繊維、これを
用いた弾性不織布および該弾性繊維もしくは弾性不織布
を用いた繊維製品に関する。さらに詳しくは優れた弾性
と適度な応力及び優れたアンチブロッキング性を有し、
燃焼時の有害ガス発生がなく、かつリサイクル可能であ
る繊維製品としての用途に最適な弾性繊維,弾性不織布
及びこれを用いた繊維製品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、弾性繊維および弾性不織布は各種
用途に用いられ、その用途が拡大してきている。特に、
身体へのフィット性を向上させる目的で、例えば使い捨
ておむつ、衣類、キャップ、包帯、テープ等に使用され
ている。それらに要求される性能は、適度なフィット
感、弾性、伸縮性である。この様な性能を満たすものと
して特にポリウレタン弾性繊維およびポリウレタン弾性
不織布が最も多く利用されている。しかしながら、かか
る弾性繊維や弾性不織布は、燃焼時の有害ガスの発生、
リサイクル不可、高価格、複雑な製造工程が必要である
などの問題があり、これらの問題の無い弾性繊維および
弾性不織布の開発が望まれている。なお、スチレン系エ
ラストマー弾性繊維(スチレン/エチレン・ブチレン/
スチレンブロック共重合体)は、リサイクル可能で、燃
焼時の有害ガスが発生しない弾性繊維として知られてい
るが、やはり高価であり、ポリウレタン弾性繊維に比べ
応力が低く、弾性も満足できるものではない。
【0003】かかる短所を改善するために、スチレン/
エチレン・ブチレン/スチレンブロック共重合体と比較
的安価なエチレン・α−オレフィン共重合体を含む組成
物をメルトブロー法で不織布としたものが提案されてい
る(特開平9−105056号公報)。しかし、比較的
粘着性のあるスチレン/エチレン・ブチレン/スチレン
ブロック共重合体と該スチレン/エチレン・ブチレン/
スチレンブロック共重合体よりさらに粘着性の強いエチ
レン・αーオレフィン共重合体を用いるため、満足する
アンチブロッキング性を有する弾性繊維は得られない。
例えば、夏場に温調装置のない倉庫内や輸送トラック内
等で梱包ベールを多段に積層した場合、繊維間に膠着が
発生しやすくなり、ユーザーで該弾性繊維を繰り出し操
作する際の繰り出し操作性が悪くなるという問題が発生
する。また、アンチブロッキング性を改善するために、
低密度ポリエチレンとスチレン/エチレン・ブチレン/
スチレンブロック共重合体とポリプロピレンを含む組成
物をメルトブロー法にて不織布としたものが提案されて
いる(特開平11−117165号公報)。しかし、ポ
リプロピレンを含むことで弾性性能が阻害され満足する
弾性をもつものにならない。また、特開平11−129
08号公報には、水添ジエン系重合体と数平均分子量2
0000以下の結晶性低分子量ポリオレフィンとを含有
する伸縮性不織布が提案されている。この伸縮性不織布
は、その製造が困難な上、破断伸度が200%未満で、
大変脆く、伸縮性が低く、かつ、伸長時の応力が極端に
高いという問題があった。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た弾性と適度な応力および優れたアンチブロッキング性
を有し、燃焼時の有害ガスの発生がなく、リサイクル可
能で複雑な製造工程を要しない安価な弾性繊維,弾性不
織布及びこれを用いた繊維製品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、オレフ
ィン共重合体成分(イ)を25〜70重量%、ビニル芳
香族化合物から構成された重合体ブロック(a)を少な
くとも2個、共役ジエン化合物から構成された重合体ブ
ロック(b)を少なくとも1個有するスチレンブロック
共重合体(i),水添スチレンジエン共重合体(ii),
エラストメリックポリプロピレン(iii)およびプロピ
レン・エチレンブロックコポリマー(iv)の中から選ば
れる少なくとも1種である成分(ロ)を70〜25重量
%および1,4−結合を含む共役ジエン重合体ブロック
(A)と、1,2−および3,4−ビニル結合を含む共
役ジエン重合体ブロック(B)とからなり共役ジエンの
二重結合が飽和された水添ジエン共重合体成分(ハ)を
5〜40重量%含有する組成物(ただし、(イ)、
(ロ)、(ハ)の含有割合(重量%)は組成物基準であ
る)からなる弾性繊維が本発明の目的を達成し得ること
を見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。
【0006】本発明は以下から構成される。 (1)オレフィン共重合体成分(イ)を25〜70重量
%、ビニル芳香族化合物から構成された重合体ブロック
(a)を少なくとも2個、共役ジエン化合物から構成さ
れた重合体ブロック(b)を少なくとも1個有するスチ
レンブロック共重合体(i),水添スチレンジエン共重
合体(ii),エラストメリックポリプロピレン(ii
i),プロピレン・エチレンブロックコポリマー(iv)
から選ばれる少なくとも1種である成分(ロ)を70〜
25重量%および1,4−結合を含む共役ジエン重合体
ブロック(A)と1,2−および3,4−結合を含む共
役ジエン重合体ブロック(B)とからなり共役ジエンの
二重結合が飽和された水添ジエン共重合体成分(ハ)を
5〜40重量%含有する組成物からなる弾性繊維。(た
だし、(イ)、(ロ)、(ハ)の含有割合(重量%)は
組成物基準である)。
【0007】(2)オレフィン共重合体成分(イ)が、
エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合
体もしくはプロピレンと炭素数4〜10α−オレフィン
との共重合体である前記第1項記載の弾性繊維。
【0008】(3)水添ジエン共重合体成分(ハ)が、
1,2−結合含量が25重量%以下であるポリブタジエ
ン重合体ブロック(A)と、共役ジエン重合体であって
共役ジエン部分の1,2−及び3,4−結合含量が50
重量%以上である重合体ブロック(B)とからなるブロ
ック共重合体であって、(A)−(B)ブロック共重合
体、(A)−(B)−(A)ブロック共重合体もしくは
該ブロック共重合体単位がカップリング剤残基を介して
延長または分岐された構造を有するブロック共重合体の
一種以上からなるブロック共重合体を水素添加し、共役
ジエン部分の二重結合が70重量%以上飽和され、数平
均分子量が4万〜70万の水添ジエン共重合体である前
記第1項もしくは第2項のいずれか1項記載の弾性繊
維。
【0009】(4)水添ジエン共重合体成分(ハ)の重
合体ブロック(B)が、共役ジエン化合物を70重量%
以上含有するビニル芳香族・共役ジエン共重合体であっ
て、共役ジエン化合物部分のビニル結合含量が25〜7
0重量%であり、該水添ジエン共重合体成分(ハ)のブ
ロック構造が(A)−(B−A)nまたは(A−B)m
(ただし、nは1以上、mは2以上の整数である)で表
される直鎖もしくは分岐状の水添ジエン共重合体である
前記第1項〜第3項のいずれか1項記載の弾性繊維。
【0010】(5)水添ジエン共重合体成分(ハ)が、
1,2−結合含量が25重量%以下であるポリブタジエ
ン重合体ブロック(A)と、共役ジエン化合物または共
役ジエン化合物を70重量%以上含有するビニル芳香族
・共役ジエン共重合体であり、かつ共役ジエン部分の
1,2−及び3,4−結合含量が25〜70重量%であ
る重合体ブロック(B)、ビニル芳香族を80重量%以
上含有する共重合体ブロック(C)とからなる(A)−
(B)−(C)ブロック共重合体、または該ブロック共
重合体単位がカップリング剤残基を介して延長または分
岐された構造を有するブロック共重合体であり、全体に
占める各ブロック(A)/(B)/(C)が5〜30重
量%/30〜80重量%/10〜35重量%のブロック
共重合体を水素添加し、共役ジエン部分の二重結合が7
0重量%以上飽和され、数平均分子量が4万〜70万の
水添ジエン共重合体である前記第1項もしくは第2項の
いずれか1項記載の弾性繊維。
【0011】(6)弾性繊維が、100%伸長時の伸長
回復率90%以上、100%伸長時の応力30〜100
cN/1000dtex、かつ同一繊維同士の剥離強度
100cN以下の物性を有する弾性繊維である前記第1
項〜第5項のいずれか1項記載の弾性繊維。
【0012】(7)前記第1項〜第6項のいずれか1項
記載の弾性繊維を用いた弾性不織布。
【0013】(8)弾性不織布が、100%伸長時の伸
長回復率90%以上、100%伸長時の応力100〜3
00cN/100g/m2/25mm、かつ同一不織布
同士の剥離強度100cN/25mm以下の物性を有す
る弾性不織布である前記第7項記載の弾性不織布。
【0014】(9)弾性不織布がメルトブロー法によっ
て得られた弾性不織布である前記第7項もしくは第8項
のいずれか1項記載の弾性不織布。
【0015】(10)前記第7項〜第9項のいずれか1
項記載の弾性不織布に、該弾性不織布以外の該弾性を阻
害しないウェッブ、不織布,フィルム,編物,織物から
選ばれた少なくとも1種をさらに積層した複合化弾性不
織布。
【0016】(11)前記第1項〜第6項のいずれか1
項記載の弾性繊維を用いた繊維製品。
【0017】(12)前記第7項〜第9項のいずれか1
項記載の弾性不織布を用いた繊維製品。
【0018】(13)前記第10項記載の複合化弾性不
織布を用いた繊維製品。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。ま
ず本発明の弾性繊維について説明する。本発明の弾性繊
維は、オレフィン共重合体成分(イ)を25〜70重量
%、ビニル芳香族化合物から構成された重合体ブロック
(a)を少なくとも2個、共役ジエン化合物から構成さ
れた重合体ブロック(b)を少なくとも1個有するスチ
レンブロック共重合体(i),水添スチレンジエン共重
合体(ii),エラストメリックポリプロピレン(iii)
およびプロピレン・エチレンブロックコポリマー(iv)
から選ばれる少なくとも1種である成分(ロ)(以下、
単に成分(ロ)と略す)を70〜25重量%および1,
4−結合を含む共役ジエン重合体ブロック(A)と1,
2−および3,4−結合を含む共役ジエン重合体ブロッ
ク(B)とからなり共役ジエンの二重結合が飽和された
水添ジエン共重合体成分(ハ)(以下、単に成分(ハ)
と略す)を5〜40重量%含有する組成物からなる弾性
繊維である。(ただし、(イ)、(ロ)、(ハ)の含有
割合(重量%)は組成物基準である)。
【0020】本発明のオレフィン共重合成分(イ)と
は、オレフィン単量体の共重合物であり、X線によって
測定される結晶化度が0〜50%で、かつ数平均分子量
(Mn)が3万〜6万であることが好ましい。一般的に
結晶化度は、弾性に影響し、結晶化度が低いほど弾性が
良好となり、結晶化度が高いと弾性は低下し、結晶性の
ものでは満足する弾性が得られない。結晶化度50%を
大きく超えると弾性が極端に低下し、かつ応力も極端に
高くなるため、結晶化度は0〜50%であることが好ま
しい。
【0021】また、数平均分子量(Mn)は、分子量を
平均化したものであり、数平均分子量(Mn)が小さけ
れば低分子量物が多く、数平均分子量(Mn)が大きけ
れば高分子量物が多いことを示している。高分子量物が
多いほど繊維の強力が強くなり、これによって構成され
る不織布も強くなって適度な締め付け力を付与できる
が、数平均分子量(Mn)が小さく低分子量物が多けれ
ば、適度な応力は得られない。しかし、数平均分子量
(Mn)が6万より大幅に大きければ樹脂の流動性が悪
化し繊維化が困難になり、逆に数平均分子量(Mn)が
3万より大幅に小さければ繊維化が困難となるうえに繊
維化できても繊維破断伸度が200%に達しない大変脆
い繊維しか製造できない。従って数平均分子量(Mn)
は3万〜6万が好ましい。
【0022】前記オレフィン系共重合体は、エチレンと
炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体もしくは
プロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重
合体である。α−オレフィンとしては、例えば、炭素数
3〜10のα−オレフィンとして、プロピレン、1−ブ
テン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペ
ンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1
−デセンなどが挙げられ、また、炭素数4〜10のα−
オレフィンとして、1−ブテン、3−メチル−1−ブテ
ン、4−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−
オクテン、1−ノネン、1−デセンなどが挙げられる。
また、これらに架橋用ジエンモノマーを加えた三元共重
合体も含まれ、代表的にはエチレン・プロピレン・ジエ
ンゴム、エチレン・ブテン・ジエンゴムが挙げられる。
前記のα−オレフィンのなかでは1−ブテン、1−ペン
テン、1−ヘキセンもしくは1−オクテンが好ましい。
これらのα−オレフィンは、1種単独で、もしくは2種
以上組合せて用いることができる。その中でもエチレン
・α−オレフィン共重合体が好ましく、更にはエチレン
・オクテン共重合体、エチレン・ブテン共重合体が好ま
しい。また、本発明に用いられる成分(イ)の分子量分
布(Mw/Mn)は、曳糸性の点から1.5〜4である
ことが好ましい。具体的には、エンゲージ(商標、デュ
ポンダウエラストマージャパン(株)製)、タフマー
(商標、三井化学(株)製)等があげられる。また本発
明のオレフィン共重合体成分はメタロセン触媒によって
製造されたものであっても構わない。
【0023】次に、本発明の成分(ロ)について説明す
る。本発明の成分(ロ)は、ビニル芳香族化合物から構
成された重合体ブロック(a)を少なくとも2個、共役
ジエン化合物から構成された重合体ブロック(b)を少
なくとも1個有するスチレンブロック共重合体(i),
水添スチレンジエン共重合体(ii),エラストメリック
ポリプロピレン(iii),プロピレン・エチレンブロッ
クコポリマー(iv)から選ばれる少なくとも1種であ
る。
【0024】ビニル芳香族化合物から構成された重合体
ブロック(a)を少なくとも2個、共役ジエン化合物か
ら構成された重合体ブロック(b)を少なくとも1個有
するスチレンブロック共重合体(i)とは、重合体ブロ
ック(a)を少なくとも2個と重合体ブロック(b)を
少なくとも1個有し、重合体ブロック(b)を挟んで重
合体ブロック(a)を両側に2個もつa−b−aのブロ
ック構造で、さらにはa−b−a−b、a−b−a−b
−a等の構造も含まれる。該スチレンブロック共重合体
(i)を構成するビニル芳香族化合物として、例えばス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t
ert−ブチルスチレン等を用いる事ができ、スチレン
が特に好ましい。これらは、単独で用いられても、2種
以上を組み合わせて用いられてもよい。また、該スチレ
ンブロック共重合体(i)を構成する共役ジエン化合物
としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、
1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブ
タジエン等を用いる事ができ、ブタジエンおよびイソプ
レンが特に好ましい。これらは、単独で用いられても、
2種以上を組み合わせて用いられてもよい。また、該ス
チレンブロック共重合体(i)は水素添加物もしくは水
素無添加物のいずれでも構わないが、安定性、紡糸性等
などから70重量%以上を水素添加したものが好まし
い。具体的には、スチレン/エチレン・ブチレン/スチ
レンブロック共重合体およびスチレン/エチレン・プロ
ピレン/スチレンブロック共重合体等のクレイトン(K
RATON)G(商標、クレイトンポリマージャパン
(株)製)、セプトン(SEPTON)(商標、クラレ
(株)製)、タフテック(商標、旭化成(株))等が挙
げられる。
【0025】前記水添スチレンジエン共重合体(ii)と
は、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合
体の共役二重結合部分が飽和された水添ジエン重合体で
ある。該共重合体(ii)に用いられる共役ジエン単量体
としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、
1,3−ペンタジエン、2,2−ジメチルブタジエン、
3−エチルブタジエンなどがあげられる。好ましくは
1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエ
ンであり、さらに好ましくは1,3−ブタジエンであ
る。また、芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルス
チレン、ビニルナフタレンなどがあげられ。好ましくは
スチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレンで
あり、さらに好ましくはスチレンである。さらに詳しく
は、少なくとも1種の共役ジエンと3〜50重量%の芳
香族ビニル化合物との共重合体であって分子量分布Mw
/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)
が10以下であり、かつ共重合体中のジエン部のビニル
結合含有率が10〜90重量%である共重合体のオレフ
ィン性不飽和結合の少なくとも70重量%を水素添加し
た水添ジエン共重合体である。具体的には、ジェイエス
ア−ルダイナロン(JSR DYNARON)(商標、
JSR(株)製)等が挙げられる。
【0026】成分(ロ)として、スチレン/エチレン・
ブチレン/スチレンブロック共重合体、スチレン/エチ
レン・プロピレン/スチレンブロック共重合体を用い、
260℃以上の押出温度で紡糸した弾性繊維および該弾
性繊維を用いた弾性不織布は、260℃未満の押出温度
で紡糸した弾性繊維および弾性不織布と比較して100
%伸長時伸長回復率が低下するのに対し、成分(ロ)と
して、水添スチレンジエン共重合体を用いた場合には、
260℃以上の押出温度で紡糸した弾性繊維および該弾
性繊維を用いた弾性不織布は、260℃未満の押出温度
で紡糸した弾性繊維および弾性不織布と比較して100
%伸長時伸長回復率が低下しない。このことから、細繊
度の弾性繊維および弾性不織布を得るためには該水添ス
チレンジエン共重合体を用いることが好ましい。特に、
より繊維径の小さい弾性不織布をメルトブロー法にて作
るには好ましい成分である。
【0027】本発明のエラストメリックポリプロピレン
(iii)とは、ポリマー鎖が結晶性のアイソタクチック
ポリプロピレンもしくはシンジオタクチックポリプロピ
レンと非晶性のアタクチックポリプロピレンから構成さ
れたステレオブロック構造のポリプロピレンのことであ
り、ハードセグメントにアイソタクチックポリプロピレ
ンもしくはシンジオタクチックポリプロピレン、ソフト
セグメントにアタクチックポリプロピレンをもつ構造で
ある。本発明で使用されるエラストメリックポリプロピ
レン(iii)は、例えば米国特許第4335225号明
細書、同第4522982号明細書、同第518876
8号明細書に記載されている。これらはホモポリマーお
よびコポリマーの両方を意味し、コポリマーはプロピレ
ン単位に加えて、分子中にプロピレン単位以外の他のオ
レフィン単位、例えば、エチレン、ブチレン、ペンテン
またはヘキセン単位を含有したものである。これらは鎖
構造中に実質的に立体規則性ブロック配列を有し、ポリ
マー鎖中に選択的に配列された例えばアイソタクチック
ポリプロピレンおよびアタクチックポリプロピレン序列
のブロックより成る。これらは、例えば、米国特許第4
335225号明細書に従って、有機Ti、Zrまたは
Hf化合物と金属酸化物、例えばAl23、TiO2
SiO2またはMgOとの反応によって得られる特殊の
触媒を用いて、プロピレンもしくは該プロピレンと他の
α−オレフィンとを重合もしくは共重合することによっ
て製造される。また、該エラストメリックポリプロピレ
ン(iii)は、例えば米国特許第4522982号明細
書と同様にメタロセン触媒をアルミノキサンと組合せた
触媒を用いてプロピレンもしくはプロピレンと他のα−
オレフィンとを重合もしくは共重合することによって製
造することもできる。さらには、米国特許第51187
68号明細書に記載のように、マグネシウム−アルコキ
シドと四価チタンの塩化物とを基礎とする触媒を用いて
特別な電子供与体の存在下にプロピレンもしくはプロピ
レンと他のα−オレフィンとを重合もしくは共重合する
ことにより製造することができる。
【0028】本発明のプロピレン・エチレンブロックコ
ポリマー(iv)とは、ポリプロピレンとポリ(エチレン
−co−プロピレン)とがブレンドの状態で存在してい
るのではなく、ポリプロピレンセグメントとポリ(エチ
レン−co−プロピレン)セグメントとが化学的に結合
した、高分子化学で定義されているような真のブロック
コポリマーを含有する国際公開番号WO00/2348
9に開示されている共重合体である。具体的には、チタ
ンおよびハロゲンもしくはチタン、マグネシウムおよび
ハロゲンからなる固体触媒成分とトリエチルアルミニウ
ム等の有機金属化合物からなるオレフィン重合触媒の存
在下に、必要に応じて電子供与性化合物を添加して、重
合反応器、好ましくは特開平9−87343号公報に例
示してあるような管型重合反応器を使用して、好ましく
は液相法で初めに短時間で重合領域(a)で所定量のポ
リプロピレンセグメントを重合した後、直ちに、後流に
ある重合領域(b)にて短時間で所定量のポリ(エチレ
ン−co−プロピレン)セグメントを合成することによ
り、ポリプロピレンセグメントとポリ(エチレン−co
−プロピレン)セグメントが化学的に結合(共有結合)
しているポリプロピレン−b−ポリ(エチレン−co−
プロピレン)を含んでなるプロピレン・エチレンブロッ
クコポリマーである。上記のようにして得られたプロピ
レン・エチレンブロックコポリマーは、重量平均分子量
(Mw)が10万以上であり、ポリ(エチレン−co−
プロピレン)セグメント含有量が5重量%〜100重量
%未満であり、かつ全エチレン含有量が2〜95重量%
である。
【0029】本発明の水添ジエン共重合体成分(ハ)
は、1,4−結合を多く含む共役ジエン重合体ブロック
(A)と、1,2−および3,4−結合を多く含む共役
ジエン重合体ブロック(B)とからなり共役ジエンの二
重結合が飽和されたものである。該重合体ブロック
(A)中の1,4−結合量は、70重量%以上が好まし
く、より好ましくは80重量%以上である。水添ジエン
共重合体(ハ)中の重合体ブロック(A)の好ましい含
量は、1〜99重量%、より好ましくは5〜65重量
%、最も好ましくは5〜50重量%である。また、重合
体ブロック(B)中の1,2−および3,4−結合量
は、25重量%を越え、より好ましくは30重量%以上
である。また、水添ジエン共重合体(ハ)中の該重合体
ブロック(B)の好ましい含量は、1〜99重量%、よ
り好ましくは30〜90重量%、さらに好ましくは35
〜90重量%である。ここで用いられる共役ジエンとし
ては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3ジメチ
ル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−
メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエ
ン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブ
チル−1,3−オクタジエン、クロロプレンなどが挙げ
られるが、工業的に利用でき、また物性の優れた水添ジ
エン共重合体を得るには、1,3−ブタジエン、イソプ
レン、1,3−ペンタジエンが好ましい。好ましくは水
添ジエン共重合体(ハ)が、1,2−結合含量が25重
量%以下であるポリブタジエン重合体ブロック(A)
と、共役ジエン部分の1,2−及び3,4−結合含量が
50重量%以上である重合体ブロック(B)とからなる
ブロック共重合体であって、(A)−(B)ブロック共
重合体、(A)−(B)−(A)ブロック共重合体、ま
たは該ブロック共重合体単位がカップリング剤残基を介
して延長もしくは分岐された構造のブロック共重合体の
一種以上からなるブロック共重合体を水素添加し、共役
ジエン部分の二重結合が70重量%以上飽和され、数平
均分子量が4万〜70万のものである。具体的には、ジ
ェイエスア−ルダイナロン(JSR DYNARON)
(商標、JSR(株)製)等が挙げられる。
【0030】また、本発明の水添ジエン共重合体(ハ)
の重合体ブロック(B)が、共役ジエン化合物を70重
量%以上含有するビニル芳香族化合物・共役ジエン共重
合体であって、共役ジエン化合物部分のビニル結合含量
が25〜70重量%であり、ブロック構造が(A)−
(B−A)nまたは(A−B)m(ただし、nは1以
上、mは2以上の整数である)で表される直鎖もしくは
分岐状のブロック共重合体も好ましい水添ジエン共重合
体(ハ)の1種である。該ビニル芳香族化合物として
は、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、N,N−
ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチ
ル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが
挙げられ、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
【0031】また、本発明の水添ジエン共重合体(ハ)
が、1,2−結合含量が25重量%以下であるポリブタ
ジエン重合体ブロック(A)と、共役ジエン化合物また
は共役ジエン化合物を70重量%以上含有するビニル芳
香族化合物・共役ジエン共重合体であり、かつ共役ジエ
ン部分の1,2−及び3,4−結合含量が25〜70重
量%である重合体ブロック(B)、ビニル芳香族化合物
を80重量%以上含有する共重合体ブロック(C)とか
らなる(A)−(B)−(C)ブロック共重合体、また
は該ブロック共重合体単位がカップリング剤残基を介し
て延長または分岐された構造のブロック共重合体であ
り、全体に占める各ブロック(A)/(B)/(C)が
5〜30重量%/30〜80重量%/10〜35重量%
のブロック共重合体を水素添加し、共役ジエン部分の二
重結合が70重量%以上飽和され、数平均分子量が4万
〜70万であるものも好ましい水添ジエン共重合体
(ハ)の1種である。該ビニル芳香族化合物としては、
スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、N,N−ジメ
チル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−
p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げ
られ、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。具体
的には、ジェイエスア−ル ダイナロン(商標、JSR
(株)製)が挙げられる。
【0032】本発明の弾性繊維は、単一糸で構成されて
いてもよいし、単繊維を数本束ねた繊維束で構成されて
いてもよい。また、本発明の弾性繊維はウェブのような
繊維集合体や不織布を構成してもよい。なお、成分
(イ)、成分(ロ)、成分(ハ)の各共重合体には、各
種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消剤、着色
剤、ゴム等の柔軟性付与剤、その他各種の改良剤等も必
要に応じて配合されていてもよい。
【0033】本発明の弾性繊維は、前記オレフィン共重
合体成分(イ)と、成分(ロ)および成分(ハ)とを含
む組成物を、該組成物中の共重合体樹脂の軟化点以上で
溶融混練し、紡糸口金より連続押出、紡糸して製造され
る。これらの成分の混合比は、オレフィン共重合体成分
(イ)25〜70重量%、成分(ロ)70〜25重量%
および成分(ハ)5〜40重量%の比率である。(ただ
し、(イ)、(ロ)、(ハ)の混合比の重量%は組成物
基準である)。本発明の組成物中のオレフィン共重合体
成分(イ)は、主として応力を付与する成分である。成
分(ロ)は、主として弾性を良好にする成分である。成
分(ハ)は、主としてアンチブロッキング性を付与する
成分であり、成分(ロ)には及ばないものの弾性を良好
にする成分でもあるが、多量に混合すると紡糸性に悪い
影響を及ぼす。
【0034】弾性繊維の断面形状は丸断面、または紡糸
性を損なわない範囲で異型断面、複合断面または中空断
面であっても良い。このとき口金吐出後の溶融樹脂を冷
風または水などの冷媒にて冷却を行う。このとき溶融樹
脂の吐出量及び引き取り速度を任意に設定し目標繊度の
繊維とする。このとき金属との摩擦抵抗を減ずるため、
または繊維間の粘着を防止するために油剤を用いてもよ
い。本発明の弾性繊維の繊度は特に限定されないが、
0.01dtexから4000dtexである。一時的
または最終的に連続繊維を得る紡糸方法では、5dte
x〜4000dtexが好ましい。ここで繊度とは、単
孔ノズルより得られる繊維の繊度を示し、繊維束で使用
する場合には単糸繊度と構成本数を掛けた値が繊維束の
総繊度となる。このようにして得た繊維を単繊維毎に巻
取り単一糸とする。また溶融樹脂口金吐出後の粘着性が
高い段階で数本の単繊維または全部を束ねた繊維束で巻
取っても良い。得られた繊維を通常の延伸設備で延伸を
行うこともできる。このとき延伸は紡糸工程からの連続
または一度巻き取った後に延伸を行う2段階のどちらで
実施しても良い。実質延伸倍率値1.0倍から2.5倍
が、繊維を高伸長で使用する場合には塑性変形を起こさ
ない点において好適である。2.5倍を大幅に超える延
伸倍率では、繊維自体の損傷が起こり延伸時または使用
時に切断が発生しやすくなる。実質延伸倍率とは、延伸
前の未延伸糸に対する延伸後の延伸糸の実測繊度比をい
い、延伸工程でのラインの倍率ではない。従って、実際
の製造工程での設定延伸倍率は実質延伸倍率以上で行う
のが好ましい。
【0035】本発明の弾性繊維は、100%伸長時の伸
長回復率が90%以上、同一繊維同士の剥離強度が10
0cN以下であることが好ましい。例えばオムツに使用
されている弾性繊維への要求は100%伸長時の伸長回
復率が90%以上である。一般的に伸長回復率が90%
以上のものが良好な弾性繊維と言われている。また、同
一繊維同士の剥離強度とは、繊維のアンチブロッキング
性を示すものであり、剥離強度が強ければアンチブロッ
キング性が不良で、ユーザーでの繰り出し時の操作性が
悪い。剥離強度が弱ければアンチブロッキング性が良好
でユーザーでの繰り出し作業に支障をきたさず、最適な
製品となる。例えば夏場に温調装置のない倉庫内や輸送
トラック内等で梱包ベールを多段に積載した場合、繊維
間に膠着が発生しやすいという問題もなくなる。したが
って、剥離強度は100cN以下が好ましい。また、本
発明の弾性繊維の100%伸長時応力は、製品にした時
の適度な締付け力が得られる点において30cN/10
00dtex〜100cN/1000dtexであるこ
とが好ましい。100%伸長時応力が30cN/100
0dtexを大きく下回ると例えば幼児用使い捨てオム
ツのサイドギャザー部分に使用した場合に***物の漏れ
の原因となる。100%伸長時応力が100cN/10
00dtexを大きく超えると例えば幼児用使い捨てオ
ムツのサイドギャザー部分に使用した場合に締付け力が
強くなりかぶれの原因となる。
【0036】次に本発明の弾性不織布について詳細に説
明する。本発明の弾性不織布は、該弾性繊維を通常のス
テープルファイバーのように一旦トウとして捕集した後
に、5mm〜60mmに切断し、カード法、エアーレイ
ド法、抄紙法により不織布化することにより得られ、ま
た、該弾性繊維を一旦巻き取ったフィラメントまたは繊
維束を空気流等によりコンベアー上に拡散させ不織布に
する事もできる。更に、不織布強度を増すためにポイン
トボンド法、ソニックボンド法、ウォータージェット
法、ニードルパンチ法、レジンボンド法にて加工するこ
ともできる。このときの不織布目付は5〜300g/m
2、好ましくは20〜200g/m2、更に好ましくは5
0〜150g/m2である。
【0037】本発明の弾性不織布は、100%伸長時の
伸長回復率が90%以上、同一不織布同士の剥離強度が
100cN/25mm以下であることが好ましい。例え
ばオムツに使用されている弾性不織布への要求は100
%伸長時の伸長回復率が90%以上である。一般的に伸
長回復率が90%以上のものを良好な弾性不織布と呼
ぶ。また、同一不織布同士の剥離強度とは、不織布のア
ンチブロッキング性を示すものであり、剥離強度が強け
ればアンチブロッキング性が不良で、ユーザーでの繰り
出し時の操作性が悪い。剥離強度が弱ければアンチブロ
ッキング性が良好でユーザーでの繰り出し作業に支障を
きたさず、最適な製品となる。例えば夏場に温調装置の
ない倉庫内や輸送トラック内等で梱包ベールを多段に積
載した場合、不織布間に膠着が発生しやすいという問題
もなくなる。したがって、剥離強度は100cN/25
mm以下が好ましい。
【0038】本発明の弾性不織布の100%伸長時応力
は、製品にした時の適度な締付け力が得られる点におい
て100cN/100g/m2/25mm〜300cN/
100g/m2/25mmであることが好ましい。10
0%伸長時応力が100cN/100g/m2/25mm
を大きく下回ると例えば幼児用使い捨てオムツのウエス
ト部分に使用した場合に***物の漏れとオムツの脱げの
原因となる。100%伸長時応力が300cN/100
g/m2/25mmを大きく超えると例えば幼児用使い
捨てオムツのウエスト部分に使用した場合に締付け力が
強くなりかぶれの原因となる。
【0039】本発明の弾性不織布の製造方法としては、
溶融混練した樹脂をノズルより押し出した後に高速の加
熱気体流と接触させて微細繊維とし、この微細繊維を多
孔質支持体に捕集して作られるメルトブロー法によって
不織布化する方法が好ましい。メルトブロー法によって
作られた弾性不織布を構成する弾性繊維は微細な繊維で
あり、微細な繊維で構成された不織布は、風合い、隠蔽
性、通気性が良好であり、好ましい。また、一工程で不
織布まで完成できる簡単な製造工程であることからも該
メルトブロ−法は好ましい。この時の弾性不織布を構成
する弾性繊維の繊度は、0.01dtexから20dt
exが好ましい。さらに好ましくは、0.1dtexか
ら10dtexである。また、不織布目付は5〜300
g/m2、好ましくは20〜200g/m2、更に好まし
くは50〜150g/m2である。また、目的に応じて
ポイントボンド加工、ソニックボンド加工、ウォーター
ジェット加工、ニードルパンチ加工のいずれか一つ以上
の加工を行っても構わない。また、本発明の弾性不織布
は、長繊維によって構成され、不織布を連続的に製造で
きるスパンボンド法によって不織布化する方法で製造し
ても構わない。
【0040】本発明の弾性不織布は、該弾性不織布の弾
性性能を出来るだけ阻害しない範囲で該弾性不織布以外
のウェブ、不織布,フィルム,編物,織物から選ばれた
少なくとも1種と積層させ、複合化弾性不織布とするこ
ともできる。弾性を阻害しない範囲とは、該弾性不織布
と積層させた複合化弾性不織布を20%伸長させた時の
伸長回復率が90%以上の性能を有するものである。例
えば、ポリスチレンエラストマー,ポリオレフィンエラ
ストマー,ポリエステルエラストマー,ポリウレタンエ
ラストマー等の熱可塑性エラストマー樹脂を用いて、メ
ルトブロー法により不織布化し、ネット化し、フィルム
化したもの等が挙げられる。また、ポリスチレンエラス
トマー,ポリオレフィンエラストマー,ポリエステルエ
ラストマー,ポリウレタンエラストマー等の熱可塑性エ
ラストマー樹脂を用い繊維化した後に編物および織物と
したものも挙げられる。また、エラストマー素材ではな
く捲縮などにより構造的弾性をもたせたウェブ、不織
布,織物,編物も挙げられる。さらに、カ−ド法もしく
はエア−レイ法によって得られたウェブをウオ−タ−ジ
ェット法で積層させたものも挙げられるがこれらに限定
されるものではない。
【0041】本発明の弾性繊維,弾性不織布もしくは複
合化弾性不織布を用いた繊維製品としては、例えば使い
捨てオムツ用伸縮性部材、オムツ用伸縮性部材、生理用
品用伸縮性部材、オムツカバー用伸縮性部材等の衛生材
料の伸縮性部材、伸縮性テープ、絆創膏、衣服用伸縮性
部材、衣料用芯地、衣料用絶縁材や保温材、防護服、帽
子、マスク、手袋、サポーター、伸縮性包帯、湿布材の
基布、スベリ止め基布、振動吸収材、指サック、クリー
ンルーム用エアフィルター、血液フィルター、油水分離
フィルターなどの各種フィルター、エレクトレット加工
をほどこしたエレクトレットフィルター、セパレータ
ー、断熱材、コーヒーバッグ、食品包装材料、自動車用
天井表皮材、防音材、基材、クッション材、スピーカー
防塵材、エア・クリーナー材、インシュレーター表皮、
バッキング材、接着不織布シート、ドアトリムなどの各
種自動車用部材、複写機のクリーニング材などの各種ク
リーニング材、カーペットの表材・裏材、農業捲布、木
材ドレーン材、スポーツシューズ表皮などの靴用部材、
カバン用部材、工業用シール材、ワイピング材、シーツ
等を挙げることができるがこれらに限定されるものでは
ない。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によって
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。なお、以下の実施例および比較例に
おける測定結果は下記の方法にしたがった。
【0043】(1)伸長回復率と応力 (i)弾性繊維の場合 長さ20cmの試験片を用意する。引張試験器オートグ
ラフAG−G(島津製作所(株))を用い、チャック間
を10cmに設定し試験片を固定した。引張速度300
mm/分で100%まで伸長させた後、同じ速度で戻
し、弾性繊維に掛かる応力付加を0とした。その直後、
再び同じ速度で100%まで伸長させ、応力付加が再び
始まる時点の伸びた長さをLmmとした。伸長回復率は
下記式にしたがって求めた。 100%伸長時の伸長回復率(%)={(100−L)
/100}×100 また、100%まで伸長させたときの応力を1000d
tex換算した値を100%伸長時の応力とした。
【0044】(ii)弾性不織布の場合 幅2.5cm長さ20cmの試験片を機械方向(MD)
と機械方向に対して垂直方向(CD)について各3枚ず
つ用意する。引張試験器オートグラフAG−G(島津製
作所(株))を用い、チャック間を10cmに設定し試
験片を固定した。引張速度300mm/分で100%ま
で伸長させた後、同じ速度で戻し、伸縮性不織布に掛か
る応力付加を0とした。その直後、再び同じ速度で10
0%まで伸長させ、応力付加が再び始まる時の伸びた長
さをLmmとした。伸長回復率は下記式にしたがって
求めた。MDの伸長回復率平均値とCDの伸長回復率平
均値を求め、さらに下記式によってMDとCDの相乗
平均を求めた。 100%伸長時の伸長回復率(%)={(100−L)/100}×100:式 (MD×CD)1/2:式 また、100%まで伸長させたときの応力を100g/
2換算した値を100%伸長時の応力とし、伸長回復
率と同様に式にてMDとCDの相乗平均を求めた。
【0045】(2)密度とメルトフローレート 密度の測定は、JIS K7112に準処し、メルトフ
ローレートの測定は、JIS K7210に準処して測
定する。
【0046】(3)剥離強度 (i)弾性繊維の場合 長さ20cmの試験片を用意する。総繊度1000dt
ex以上となるように繊維を平行に並べる(例:単繊維
50dtexの場合には50dtex×20本以上=1
000dtex以上、単繊維300dtexの場合には
300dtex×4本以上=1200dtex以上)。
また、単繊維1000dtex以上の場合には単繊維で
よい。前記繊維または繊維束を垂直に交差させ、TP7
01Sヒートシールテスター(テスター産業(株)製)
を用い80℃、58.8kPa(ゲ−ジ圧)、2秒の処
理を行った。前期処理サンプルの垂直に重ねあわせた繊
維または繊維束の剥離強度を引張試験機オートグラフA
G−G(島津製作所(株))を用い測定した(N=
5)。測定したデータを1000dtex換算した。
【0047】(ii)弾性不織布の場合 縦10cm横10cmの試験片を2枚用意する。前記試
験片を重ね合わせた上に縦10cm横10cmのアルミ
板を載せ、更にその上に重りを載せ合計5kgとなる様
に重りを調整し、50℃のオーブン中に24時間放置す
る。取り出した試験片を幅25mmに切り、幅25mm
あたりの剥離強度を引張試験機オートグラフAG−G
(島津製作所(株))にて測定した(N=5)。
【0048】(4)風合 縦10cm横10cmの不織布を用意する。10人のパ
ネラーに不織布を触ってもらい風合を判断する。10人
のパネラーが10段階評価を行い、全員の合計点数で評
価した。従って、最低0点から最高100点となる。
【0049】(5)水添ジエン共重合体に関する測定 (i)1,2−結合含量、1,4−結合含量、1,2−
及び3,4−結合含量、ビニル結合量:赤外分析法を用
い、ハンプトン法により算出した。
【0050】(6)水添率 四塩化エチレンを溶媒に用い、100MHz、H−NM
Rスペクトルから算出した。
【0051】(7)数平均分子量 トリクロルベンゼンを溶媒に用い、135℃におけるゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用
いてポリスチレン換算で求めた。
【0052】(8)結晶化度 装置:日本電子(株)製広角X線回折装置[JDX−82
00T型]。線源:CuKa線、出力:50KV−15
0mA。スキャニング速度:2θ=5°〜35°に対し
1°/分。レシービングスリット:0.2mm。
【0053】(9)紡糸性 (i)メルトブロー法以外の場合 スクリュー径が40mmの押出機を用い、孔数が60ホ
ールのノズルから単孔あたり5g/分の吐出量で樹脂組
成物を押出し繊維化した。このとき紡糸後の繊維が50
dtex以下の紡糸条件により紡糸を10分間行い、そ
の間の糸切れ回数を測定し、この結果により加工性を判
断した。紡糸繊度が50dtex以下で安定して紡糸可
能な場合に、加工性が良好と判定した。 糸切れ0回:○ 糸切れ1〜3回:△ 糸切れ4
回以上:×
【0054】(ii)メルトブロー法の場合 スクリュー(30mm径)、加熱体、及びギアポンプを
有する押出機、紡糸口金(孔径0.3mm、孔数501
ホール、有効幅500mm)、圧空発生装置及び空気加
熱機、ポリエステル製ネットを備えた捕集コンベアー、
及び巻取機からなる装置を用いて行った。押出機に原料
樹脂を投入し、加熱体により250℃で原料樹脂を加熱
溶融させ、紡糸口金から単孔当たり0.14g/分の紡
糸速度で溶融原料樹脂を吐出させ、吐出した繊維に98
kPa(ゲ−ジ圧)の圧縮空気を400℃に加熱した気
流でポリエステル製ネットの速度が1.3m/分で走行
している捕集コンベアー上に吹き付けた。捕集コンベア
ーとしては、紡糸口金から30cmの距離に設置した。
吹き付けた空気は、捕集コンベアーの裏側に設けた吸引
装置で除去した。捕集コンベアーにて搬送された不織布
を巻取機にてロール状に巻取り弾性不織布を得た。得ら
れた弾性不織布の任意の点10ヶ所から縦10mm横10
mmの不織布片(合計10枚)を切り取り、電子顕微鏡に
て表面を観察しショット(ポリマー玉)の個数を数え下
記の様に判断した。 0個:○ 1〜5個:△ 6個以上:×
【0055】(10)メルトブロー不織布を構成する弾
性繊維の繊度 メルトブロー不織布の任意5ヶ所から縦10mm横10mm
の不織布片(合計5枚)を切り取り、電子顕微鏡にて表
面を観察した。1枚の不織布片から20本の繊維径を測
定しこれを5枚の不織布片にて測定し、合計100本の
繊維径の平均値を算出した。算出した平均繊維径を繊維
の密度より繊度へ換算した。
【0056】本発明において使用した材料は以下の通り
である。 (1)オレフィン共重合体成分(イ) (i)イ−1:エチレン・オクテン共重合体、結晶化度
=5%、Mn=5000、Mw/Mn=2.0、オク
テン含量24重量%。 (ii)イ−2:エチレン・オクテン共重合体、結晶化度
=0%、Mn=50000、Mw/Mn=2.0、オク
テン含量30重量%。 (iii)イ−3:エチレン・オクテン共重合体、結晶化
度=50%、Mn=50000、Mw/Mn=2.0、
オクテン含量12重量%。 (iv)イ−4:エチレン・オクテン共重合体、結晶化度
=5%、Mn=30000、Mw/Mn=2.0、オク
テン含量24重量%。 (v)イ−5:エチレン・ブテン共重合体、結晶化度=
5%、Mn=50000、Mw/Mn=2.0、ブテン
含量24重量%。 (vi)イ−6:エチレン・オクテン共重合体、結晶化度
=5%、Mn=60000、Mw/Mn=2.0、オク
テン含量24重量%。 (vii)イ−7:エチレン・プロピレン共重合体、結晶
化度=60%、Mn=20000、Mw/Mn=2.
0、エチレン含量7重量%。 (viii)イ−8:エチレン・プロピレン共重合体、結晶
化度=62%、Mn=70000、Mw/Mn=4.
0、エチレン含量7重量%。
【0057】(2)成分(ロ) (i)ロ−1:スチレン/エチレン・ブチレン/スチレ
ンブロック共重合体、メルトフローレート(230℃
荷重21.18N)=5g/10分、スチレン含有率=
13重量%、 (ii)ロ−2:スチレン/エチレン・プロピレン/スチ
レンブロック共重合体、メルトフローレート(230℃
荷重21.18N)=2.4g/10分、スチレン含
有率=30重量%(SEPTON(商標)2007、ク
ラレ(株)製) (iii)ロ−3:水添スチレンジエン共重合体、メルト
フローレート(230℃荷重21.18N)=3.5g
/10分、スチレン含有率=10重量% ダイナロン(DYNARON)(商標)1320P、J
SR(株)製) (iv)・ロ−4:エラストメリックポリプロピレン、メ
ルトフローレート(230℃、21.18N)=3.5
g/10分、密度=0.88g/cm3。 (v)ロ−5:プロピレン・エチレンブロックコポリマ
ー、ポリ(エチレン−co−プロピレン)セグメントの
含有率=20.4%、エチレン含有率=6.8重量%、
メルトフローレート(230℃、21.18N)=1.
9g/10分、密度=0.90g/cm3
【0058】(3)水添ジエン共重合体(成分ハ)は、
表1に示す(表1中の%は重量%である)。
【表1】
【0059】(4)ポリプロピレン:プロピレン単独重
合体(チッソポリプロCS3300(チッソ(株)製、
メルトフローレート(230℃ 荷重21.18N)=
16g/10分)。
【0060】実施例1〜8(弾性繊維) オレフィン共重合体成分(イ)として、後述の表2に記
載のようにイ−1〜イ−8、成分(ロ)としてスチレン
/エチレン・ブチレン/スチレンブロック共重合体のロ
−1、成分(ハ)としてハ−1を混合比率をそれぞれ5
0重量%/30重量%/20重量%として配合し、得ら
れた各組成物を弾性繊維の原料樹脂として用いた。スク
リュー(20mm口径)、加熱体、及びギアポンプを有
する押出機、紡糸口金(孔数30ホール)及び冷却装置
を備えた紡糸機と、引取ロール(ゴデーロール)及び巻
取機からなる引取装置を用いて溶融紡糸を行った。なお
引取ロールと巻取機の間には油剤付着のためのキスロー
ルを設置した。紡糸機に原料樹脂を投入し、加熱体によ
り250℃で原料樹脂を加熱溶融させ、紡糸口金から単
孔当たり0.17g/分の紡糸速度で溶融原料樹脂を吐
出させ、吐出した繊維に冷却装置で冷却風をあて、単糸
同士が融着しないようにキスロールにより油剤を付着
し、2m/分の速度で巻取った。さらに得られた未延伸
の弾性繊維を多段ロール延伸機により室温で延伸を行い
(実質延伸倍率1.7倍)、弾性繊維を得た。得られた
弾性繊維の物性は前述の方法にて測定し、その結果を表
2に示す。いずれの実施例においても良好な弾性と応力
及びアンチブロッキング性を示す優れた弾性繊維であっ
た。実施例7と8以外では製造時の紡糸性も良好であっ
た。また、使い捨ておむつの花王(株)製「スーパーメ
リーズ」(使い捨ておむつのMサイズ)のサイドギャザ
ーに使用されているポリウレタン弾性繊維を抜き出し実
施例1で得られた弾性繊維を挿入した使い捨てオムツを
5枚用意し、5人の幼児に使用したが全員が過度の締付
けによるかぶれが無く、***物の漏れも無かった。
【0061】
【表2】
【0062】実施例9〜18(弾性繊維) オレフィン共重合体成分(イ)としてイ−1、成分
(ロ)として水添スチレンジエン共重合体のロ−3、成
分(ハ)として後述の表3に記載のようにハ−1〜ハ−
10を使用し、その混合比率をそれぞれ50重量%/3
0重量%/20重量%として配合し、得られた各組成物
を弾性繊維の原料樹脂として用いた。上記原料樹脂を用
いて、実施例1に準拠した加工条件及び製造装置によ
り、弾性繊維を製造した。得られた弾性繊維の物性は前
述の方法にて測定し、その結果を表3に示す。いずれの
実施例においても良好な弾性と応力及びアンチブロッキ
ング性を示す優れた弾性繊維であり製造時の紡糸性も良
好であった。
【0063】
【表3】
【0064】実施例19〜22(弾性繊維) オレフィン共重合体成分(イ)としてイ−1、成分
(ロ)としてスチレン/エチレン・ブチレン/スチレン
ブロック共重合体のロ−1、成分(ハ)としてハ−1を
表4に示す各混合比率にて配合し、得られた各組成物を
弾性繊維の原料樹脂として用いた。上記原料樹脂を用い
て、実施例1に準拠した加工条件及び製造装置により、
弾性繊維を製造した。得られた弾性繊維の物性は前述の
方法にて測定し、その結果を後述の表4に示す。いずれ
の実施例においても良好な弾性と応力及びアンチブロッ
キング性を示す優れた弾性繊維であり製造時の紡糸性も
良好であった。
【0065】実施例23〜25(弾性繊維) オレフィン共重合体成分(イ)としてイ−1、成分
(ロ)として実施例23ではスチレン/エチレン・プロ
ピレン/スチレンブロック共重合体のロ−2、実施例2
4ではエラストメリックポリプロピレンのロ−4、実施
例25ではプロピレン・エチレンブロックコポリマーの
ロ−5をそれぞれ用い、水添ジエン共重合体としてハ−
1を混合比率をそれぞれ50重量%/30重量%/20
重量%として配合し、得られた各組成物を弾性繊維の原
料樹脂として用いた。上記原料樹脂を用いて、実施例1
に準拠した加工条件及び製造装置により、弾性繊維を製
造した。得られた弾性繊維の物性は前述の方法にて測定
し、その結果を表4に示す。いずれの実施例においても
良好な弾性と応力及びアンチブロッキング性を示す優れ
た弾性繊維であった。
【0066】
【表4】
【0067】比較例1(弾性繊維) オレフィン共重合体成分(イ)としてイ−1、成分
(ロ)としてスチレン/エチレン・ブチレン/スチレン
ブロック共重合体のロ−1、水添ジエン共重合体成分
(ハ)を用いず、代わりにポリプロピレンを混合比率5
0重量%/40重量%/10重量%として配合し、得ら
れた組成物を弾性繊維の原料樹脂として用いた。上記原
料樹脂を用いて、実施例1と同様の加工条件及び製造装
置により、弾性繊維を製造した。得られた弾性繊維の物
性は前述の方法にて測定し、その結果を後述の表5に示
す。弾性性能を有しないポリプロピレンを10重量%含
んでいるため、100%伸長回復率が83%と低く、満
足する弾性ではなかった。
【0068】比較例2(弾性繊維) オレフィン共重合体成分(イ)としてイ−1、成分
(ロ)としてスチレン/エチレン・ブチレン/スチレン
ブロック共重合体のロ−1、成分(ハ)としてハ−1を
混合比率50重量%/49重量%/1重量%として配合
し、得られた組成物を弾性繊維の原料樹脂として用い
た。上記原料樹脂を用いて、実施例1に準拠した加工条
件及び製造装置により、弾性繊維を製造した。得られた
弾性繊維の物性は前述の方法にて測定し、その結果を後
述の表5に示す。アンチブロッキング性を良好にする成
分(ロ)が5重量%を大きく下回るため剥離強力が12
0cNと大きくなり、満足するアンチブロッキング性は
得られなかった。
【0069】比較例3(弾性繊維) オレフィン共重合体成分(イ)としてイ−1、成分
(ロ)としてスチレン/エチレン・ブチレン/スチレン
ブロック共重合体のロ−1、成分(ハ)としてハ−1の
混合比率を25重量%/25重量%/50重量%として
配合し、得られた組成物を弾性繊維の原料樹脂として用
いた。上記原料樹脂を用いて、実施例1に準拠した加工
条件及び製造装置により、弾性繊維を製造した。得られ
た弾性繊維の物性は前述の方法にて測定し、その結果を
後述の表5に示す。成分(ハ)が50重量%であるため
製造時の紡糸性が不良で満足できるものではなかった。
【0070】比較例4(弾性繊維) オレフィン共重合体成分(イ)としてイ−1、成分
(ロ)としてスチレン/エチレン・ブチレン/スチレン
ブロック共重合体のロ−1、成分(ハ)としてハ−1の
混合比率を50重量%/47重量%/3重量%として配
合し、得られた組成物を弾性繊維の原料樹脂として用い
た。上記原料樹脂を用いて、実施例1に準拠した加工条
件及び製造装置により、弾性繊維を製造した。得られた
弾性繊維の物性は前述の方法にて測定し、その結果を後
述の表5に示す。アンチブロッキング性を良好にする水
添ジエン系共重合体成分が5重量%を大きく下回るため
剥離強力が120cNと大きくなり、満足するアンチブ
ロッキング性ではなかった。
【0071】比較例5(弾性繊維) オレフィン共重合体成分(イ)としてイ−1、成分
(ロ)としてスチレン/エチレン・ブチレン/スチレン
ブロック共重合体のロ−1、成分(ハ)としてハ−1の
混合比率を75重量%/20重量%/5重量%として配
合し、得られた組成物を弾性繊維の原料樹脂として用い
た。上記原料樹脂を用いて、実施例1に準拠した加工条
件及び製造装置により、弾性繊維を製造した。得られた
弾性繊維の物性は前述の方法にて測定し、その結果を後
述の表5に示す。応力を良好にするオレフィン共重合体
成分(イ)が75重量%と70重量%を越えるため10
0%伸長時応力が105cN/1000dtexと過度
に強くなり満足できるものではなかった。また、弾性を
良好にする成分(ロ)のスチレン/エチレン・ブチレン
/スチレンブロック共重合体と成分(ハ)水添ジエン共
重合体とを合わせた成分が、20重量%と5重量%を合
わせた25重量%であるため、100%伸長弾性率が8
8%と満足できるものではなかった。
【0072】比較例6(弾性繊維) オレフィン共重合体成分(イ)としてイ−1、成分
(ロ)としてスチレン/エチレン・ブチレン/スチレン
ブロック共重合体のロ−1、成分(ハ)としてハ−1の
混合比率を20重量%/75重量%/5重量%として配
合し、得られた組成物を弾性繊維の原料樹脂として用い
た。上記原料樹脂を用いて、実施例1に準拠した加工条
件及び製造装置により、弾性繊維を製造した。得られた
弾性繊維の物性は前述の方法にて測定し、その結果を後
述の表5に示す。応力を良好にするオレフィン共重合体
成分(イ)が25重量%を下回る20重量%ため100
%伸長時応力が20cN/1000dtexと過度に弱
くなり満足できるものではなかった。
【0073】比較例7(弾性繊維) オレフィン共重合体成分(イ)としてイ−1、成分
(ロ)としてスチレン/エチレン・ブチレン/スチレン
ブロック共重合体のロ−1、成分(ハ)を使用せず混合
比率を50重量%/50重量%/0重量%として配合
し、得られた組成物を弾性繊維の原料樹脂として用い
た。上記原料樹脂を用いて、実施例1に準拠した加工条
件及び製造装置により、弾性繊維を製造した。得られた
弾性繊維の物性は前述の方法にて測定し、その結果を後
述の表5に示す。アンチブロッキング性を良好にする水
添ジエン系共重合体成分(ハ)が含まれていないため剥
離強力が125cNと大きくなり、満足するアンチブロ
ッキング性ではなかった。
【0074】
【表5】
【0075】実施例26〜33(弾性不織布) オレフィン共重合体成分(イ)として、後述の表6に記
載のようにイ−1〜イ−8、成分(ロ)としてスチレン
/エチレン・ブチレン/スチレンブロック共重合体のロ
−1、成分(ハ)としてハ−1の混合比率をそれぞれ5
0重量%/30重量%/20重量%として配合し、得ら
れた各組成物を弾性繊維の原料樹脂として用いた。スク
リュー(30mm径)、加熱体、及びギアポンプを有す
る押出機、紡糸口金(孔径0.3mm、孔数501ホー
ル、有効幅500mm)、圧縮空気発生装置及び空気加
熱機、ポリエステル製ネットを備えた捕集コンベアー、
及び巻取機からなる装置を用いて行った。押出機に原料
樹脂を投入し、加熱体により250℃で原料樹脂を加熱
溶融させ、紡糸口金から単孔当たり0.14g/分の紡
糸速度で溶融原料樹脂を吐出させ、吐出した繊維に98
kPa(ゲ−ジ圧)の圧縮空気を400℃に加熱した気
流の空気でポリエステル製ネットの速度が1.3m/分
で走行している捕集コンベアー上に吹き付けた。捕集コ
ンベアーとしては、紡糸口金から30cmの距離に設置
した。吹き付けた空気は捕集コンベアーの裏側に設けた
吸引装置で除去した。捕集コンベアーにて搬送された不
織布を巻取機にてロール状に巻取りメルトブロー弾性不
織布を得た。得られた弾性不織布の物性は前述の方法に
て測定し、その結果を表6に示す。いずれの実施例にお
いても良好な弾性、応力、アンチブロッキング性、風合
に優れた弾性不織布であった。製造時の紡糸性も実施例
32と33以外では良好であった。
【0076】また、実施例26および実施例27で得ら
れた弾性不織布をパンツ型使い捨ておむつのプロクター
・アンド・ギャンブル・ファー・イースト・インク社製
PAMPERSすくすくパンツLサイズのウエスト部分
両脇にあるネット状弾性素材を剥ぎ取り、得られた弾性
不織布を貼り付けたパンツ型使い捨てオムツを5枚用意
し、5人の幼児に使用したが全員が過度の締付けによる
かぶれおよび締め付け跡が残らなかった。また、締め付
け不足による使い捨てオムツのズレや脱げも起こらず、
***物の漏れも無かった。
【0077】また、立体捲縮ポリオレフィンステープル
ファイバーからなる目付100g/m2の伸縮性不織布
を用意し、実施例26の弾性不織布と積層してウォータ
ージェットを用いて交絡させ、複合化弾性不織布を作成
した。できた複合化弾性不織布をサポーターとして使用
した。前記サポーターを5枚作成し、5人のモニターの
膝に24時間巻いていたが、全員過度の締付けによるか
ぶれおよび締め付け跡が残らなかった。また締め付け不
足によるサポーターのズレや脱げも無かった。
【0078】
【表6】
【0079】実施例34〜43(弾性不織布) 後述の表7に示すように、オレフィン共重合体成分
(イ)としてイ−1、成分(ロ)として水添スチレンジ
エン共重合体のロ−3、成分(ハ)として、後述の表7
に記載のようにハ−1〜ハ−10を使用し、その混合比
率をそれぞれ50重量%/30重量%/20重量%とし
て配合し、得られた各組成物を弾性不織布の原料樹脂と
して用いた。上記原料樹脂を用いて、実施例26に準拠
した加工条件及び製造装置により、弾性不織布を製造し
た。得られた弾性不織布の物性は前述の方法にて測定
し、その結果を表7に示す。いずれの実施例においても
良好な弾性、応力、アンチブロッキング性、風合に優れ
た弾性不織布であった。さらに製造時の紡糸性も良好で
あった。
【0080】
【表7】
【0081】実施例44〜47(弾性不織布) オレフィン共重合体成分(イ)としてイ−1、成分
(ロ)としてスチレン/エチレン・ブチレン/スチレン
ブロック共重合体のロ−1、成分(ハ)としてハ−1を
後述の表8に記載の各混合比率にて配合し、得られた各
組成物を弾性不織布の原料樹脂として用いた。上記原料
樹脂を用いて、実施例26に準拠した加工条件及び製造
装置により、弾性不織布を製造した。得られた弾性不織
布の物性は前述の方法にて測定し、その結果を後述の表
8に示す。いずれの実施例においても良好な弾性、応
力、アンチブロッキング性、風合に優れた弾性不織布で
あった。さらに製造時の紡糸性も良好であった。
【0082】実施例48(弾性不織布) オレフィン共重合体成分(イ)としてイ−1、成分
(ロ)としてスチレン/エチレン・ブチレン/スチレン
ブロック共重合体のロ−1、成分(ハ)としてハ−1を
使用し、その混合比率をそれぞれ50重量%/30重量
%/20重量%として配合し、得られた各組成物を弾性
繊維の原料樹脂として用いた。スクリュー(40mm
径)、加熱体、及びギアポンプを有する押出機、紡糸口
金(孔数60ホール)及び冷却装置を備えた紡糸機と、
引取ロール(ゴデーロール)及び巻取機からなる引取装
置を用いて溶融紡糸を行った。なお引取ロールと巻取機
の間には油剤付着のためのキスロールを設置した。紡糸
機に原料樹脂を投入し、加熱体により250℃で原料樹
脂を加熱溶融させ、紡糸口金から単孔当たり5g/分の
紡糸速度で溶融原料樹脂を吐出させ、吐出した繊維に冷
却装置で冷却風をあて、単糸同士が融着しないようにキ
スロールにより油剤を付着し、紡糸後の繊度が50dt
exとなるような速度で巻取った。さらに得られた未延
伸の弾性繊維を多段ロール延伸機により室温で延伸を行
い(実質延伸倍率1.7倍)、押込型クリンパーにて機
械捲縮をかけ50mmにカットしたステープルファイバ
ーを得た。これをカード機に投入しウェッブとし、圧着
面積率25%の凸ロールとフラットロールを持つポイン
トボンド加工機を使用し、80℃の温度で熱圧着加工
し、100g/m2の弾性不織布とした。得られた弾性
不織布の物性は前述の方法にて測定し、その結果を後述
の表8に示す。いずれの実施例においても良好な弾性と
応力及びアンチブロッキング性を示す優れた弾性不織布
であった。
【0083】実施例49〜51(弾性不織布) オレフィン共重合体成分(イ)としてイ−1、成分
(ロ)として実施例49ではスチレン/エチレン・プロ
ピレン/スチレンブロック共重合体のロ−2、実施例5
0ではエラストメリックポリプロピレンのロ−4、実施
例50ではプロピレン・エチレンブロックコポリマーの
ロ−5を其々用い、成分(ハ)としてハ−1の混合比率
をそれぞれ50重量%/30重量%/20重量%として
配合し、得られた各組成物を弾性繊維の原料樹脂として
用いた。上記原料樹脂を用いて、実施例26に準拠した
加工条件及び製造装置により、弾性不織布を製造した。
得られた弾性不織布の物性は前述の方法にて測定し、そ
の結果を表8に示す。いずれの実施例においても良好な
弾性、応力、アンチブロッキング性、風合に優れた弾性
不織布であった。さらに製造時の紡糸性も良好であっ
た。
【0084】
【表8】
【0085】比較例8(弾性不織布) オレフィン共重合体成分(イ)としてイ−1、成分
(ロ)としてスチレン/エチレン・ブチレン/スチレン
ブロック共重合体のロ−1、成分(ハ)を用いず、代わ
りにポリプロピレンを使用し、その混合比率を50重量
%/40重量%/10重量%として配合し、得られた組
成物を弾性不織布の原料樹脂として用いた。上記原料樹
脂を用いて、実施例26に準拠した加工条件及び製造装
置により、弾性不織布を製造した。得られた弾性不織布
の物性は前述の方法にて測定し、その結果を後述の表9
に示す。弾性性能を有しないポリプロピレンを10重量
%含んでいるため100%伸長回復率が83%と低く、
満足する弾性ではなかった。
【0086】比較例9(弾性不織布) オレフィン共重合体成分(イ)としてイ−1、成分
(ロ)としてスチレン/エチレン・ブチレン/スチレン
ブロック共重合体のロ−1、成分(ハ)としてハ−1を
使用し、その混合比率を50重量%/49重量%/1重
量%として配合し、得られた組成物を弾性不織布の原料
樹脂として用いた。上記原料樹脂を用いて、実施例26
に準拠した加工条件及び製造装置により、弾性不織布を
製造した。得られた弾性不織布の物性は前述の方法にて
測定し、その結果を後述の表9に示す。アンチブロッキ
ング性を良好にする成分(ハ)が5重量%を大きく下回
るため剥離強力が130cN/25mmと大きくなり、
満足するアンチブロッキング性ではなかった。
【0087】比較例10(弾性不織布) オレフィン共重合体成分(イ)としてイ−1、成分
(ロ)としてスチレン/エチレン・ブチレン/スチレン
ブロック共重合体のロ−1、成分(ハ)としてハ−1の
混合比率を25重量%/25重量%/50重量%として
配合し、得られた組成物を弾性不織布の原料樹脂として
用いた。上記原料樹脂を用いて、実施例26に準拠した
加工条件及び製造装置により、弾性不織布を製造した。
得られた弾性不織布の物性は前述の方法にて測定し、そ
の結果を後述の表9に示す。成分(ハ)が50重量%で
あるため製造時の紡糸性は不良で満足できるものではな
かった。
【0088】比較例11(弾性不織布) オレフィン共重合体成分(イ)としてイ−1、成分
(ロ)としてスチレン/エチレン・ブチレン/スチレン
ブロック共重合体のロ−1、成分(ハ)としてハ−1の
混合比率を50重量%/47重量%/3重量%として配
合し、得られた組成物を弾性不織布の原料樹脂として用
いた。上記原料樹脂を用いて、実施例26に準拠した加
工条件及び製造装置により、弾性不織布を製造した。得
られた弾性不織布の物性は前述の方法にて測定し、その
結果を後述の表9に示す。アンチブロッキング性を良好
にする成分(ハ)が5重量%を大きく下回るため剥離強
力が125cN/25mmと大きくなり、満足するアン
チブロッキング性を有する不織布は得られなかった。
【0089】比較例12(弾性不織布) オレフィン共重合体成分(イ)としてイ−1、成分
(ロ)としてスチレン/エチレン・ブチレン/スチレン
ブロック共重合体のロ−1、成分(ハ)としてハ−1の
混合比率を75重量%/20重量%/5重量%として配
合し、得られた組成物を弾性不織布の原料樹脂として用
いた。上記原料樹脂を用いて、実施例26に準拠した加
工条件及び製造装置により、弾性不織布を製造した。得
られた弾性不織布の物性は前述の方法にて測定し、その
結果を後述の表9に示す。応力を良好にするオレフィン
系共重合体成分(イ)が75重量%と70重量%を越え
るため100%伸長時応力が320cN/100g/m
2/25mmと過度に強くなり満足できるものではなか
った。弾性を良好にする成分(ロ)スチレン/エチレン
・ブチレン/スチレンブロック共重合体と成分(ハ)水
添ジエン共重合体を合わせた成分は、20重量%と5重
量%を合わせた25重量%であるため、100%伸長回
復率が87%と満足できるものではなかった。
【0090】比較例13(弾性不織布) オレフィン共重合体成分(イ)としてイ−1、成分
(ロ)としてスチレン/エチレン・ブチレン/スチレン
ブロック共重合体のロ−1、成分(ハ)としてハ−1の
混合比率を20重量%/75重量%/5重量%として配
合し、得られた組成物を弾性不織布の原料樹脂として用
いた。上記原料樹脂を用いて、実施例26に準拠した加
工条件及び製造装置により、弾性不織布を製造した。得
られた弾性不織布の物性は前述の方法にて測定し、その
結果を後述の表9に示す。応力を良好にするオレフィン
系共重合体成分(イ)が25重量%を下回る20重量%
ため100%伸長時応力が90cN/100g/m2
25mmと過度に弱くなり満足できるものではなかっ
た。
【0091】比較例14(弾性不織布) オレフィン系共重合体成分(イ)としてイ−1、成分
(ロ)としてスチレン/エチレン・ブチレン/スチレン
ブロック共重合体のロ−1、成分(ハ)を使用せず、混
合比率を50重量%/50重量%/0重量%として配合
し、得られた組成物を弾性不織布の原料樹脂として用い
た。上記原料樹脂を用いて、実施例26に準拠した加工
条件及び製造装置により、弾性不織布を製造した。得ら
れた弾性不織布の物性は前述の方法にて測定し、その結
果を後述の表9に示す。アンチブロッキング性を良好に
する成分(ハ)が含まれていないため剥離強力が135
cN/25mmと大きくなり、満足するアンチブロッキ
ング性を有する不織布は得られなかった。
【0092】
【表9】
【0093】
【発明の効果】本発明の弾性繊維,弾性不織布,複合化
弾性不織布は、優れた弾性と適度な応力及び優れたアン
チブロッキング性を有し、燃焼時の有害ガスの発生がな
く、かつリサイクル可能である繊維製品としての用途に
最適である。そのため、本発明の弾性繊維を用いた弾性
不織布、複合化弾性不織布は、使い捨てオムツ用伸縮性
部材、オムツ用伸縮性部材、生理用品用伸縮性部材、オ
ムツカバー用伸縮性部材等の衛生材料の伸縮性部材、伸
縮性テープ、絆創膏、衣服用伸縮性部材、衣料用芯地、
衣料用絶縁材や保温材、防護服、帽子、マスク、手袋、
サポーター、伸縮性包帯、湿布材の基布、スベリ止め基
布、振動吸収材、指サック、クリーンルーム用エアフィ
ルター、血液フィルター、油水分離フィルターなどの各
種フィルター、エレクトレット加工をほどこしたエレク
トレットフィルター、セパレーター、断熱材、コーヒー
バッグ、食品包装材料、自動車用天井表皮材、防音材、
基材、クッション材、スピーカー防塵材、エア・クリー
ナー材、インシュレーター表皮、バッキング材、接着不
織布シート、ドアトリムなどの各種自動車用部材、複写
機のクリーニング材などの各種クリーニング材、カーペ
ットの表材・裏材、農業捲布、木材ドレーン材、スポー
ツシューズ表皮などの靴用部材、カバン用部材、工業用
シール材、ワイピング材、シーツ等の各種の本発明の繊
維製品としての用途に幅ひろく、好適に用いることがで
きる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 5/26 D04H 3/16 D04H 1/42 A41B 13/02 E ZAB F 3/16 (72)発明者 畑田 浩一 滋賀県守山市川田町230 チッソポリプロ 繊維株式会社繊維開発研究所内 (72)発明者 南澤 尚伸 滋賀県守山市川田町230 チッソポリプロ 繊維株式会社繊維開発研究所内 Fターム(参考) 3B029 BB02 BB07 BC02 BC07 4F100 AK01B AK03A AK03J AK07A AK11A AK11J AK28A AK28J AK62A AK64A AK66A AK73A AK73J AL01A AL02A AL05A AL06A AL09A BA02 DG03A DG06B DG12B DG13B DG15A DG15B GB66 GB72 JK02A JK06A JK07A JK08A JL00 JL16 YY00A 4L035 AA05 BB40 BB55 BB61 BB90 BB91 DD14 EE08 EE20 FF01 FF05 HH04 LA02 LA03 LA07 MA03 MA04 MA05 4L047 AA14 AA18 AA27 AB02 AB10 BA08 CA02 CA04 CA05 CA06 CB01 CB10 CC02 CC04 CC05

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オレフィン共重合体成分(イ)を25〜7
    0重量%、ビニル芳香族化合物から構成された重合体ブ
    ロック(a)を少なくとも2個、共役ジエン化合物から
    構成された重合体ブロック(b)を少なくとも1個有す
    るスチレンブロック共重合体(i),水添スチレンジエ
    ン共重合体(ii),エラストメリックポリプロピレン
    (iii)及びプロピレン・エチレンブロックコポリマー
    (iv)の中から選ばれる少なくとも1種である成分
    (ロ)を70〜25重量%および1,4−結合を含む共
    役ジエンからなる重合体ブロック(A)と、1,2−お
    よび3,4−結合を含む共役ジエンからなる重合体ブロ
    ック(B)とからなり共役ジエンの二重結合が飽和され
    た水添ジエン共重合体成分(ハ)を5〜40重量%含有
    する組成物からなる弾性繊維。(ただし、(イ)、
    (ロ)、(ハ)の含有割合(重量%)は組成物基準であ
    る)。
  2. 【請求項2】オレフィン共重合体成分(イ)が、エチレ
    ンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体もし
    くはプロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの
    共重合体である請求項1記載の弾性繊維。
  3. 【請求項3】水添ジエン共重合体成分(ハ)が、1,2
    −結合含量が25重量%以下であるポリブタジエン重合
    体ブロック(A)と、共役ジエン部分の1,2−及び
    3,4−結合含量が50重量%以上である重合体ブロッ
    ク(B)とからなるブロック共重合体であって、(A)
    −(B)ブロック共重合体、(A)−(B)−(A)ブ
    ロック共重合体、または該ブロック共重合体を1単位と
    したときに、該ブロック重合体単位がカップリング剤残
    基を介して延長もしくは分岐された構造を有するブロッ
    ク共重合体の一種以上からなるブロック共重合体を水素
    添加し、共役ジエン部分の二重結合が70重量%以上飽
    和され、数平均分子量が4万〜70万の水添ジエン共重
    合体成分である請求項1もしくは請求項2のいずれか1
    項記載の弾性繊維。
  4. 【請求項4】水添ジエン共重合体成分(ハ)中の重合体
    ブロック(B)が、共役ジエン化合物を70重量%以上
    含有するビニル芳香族・共役ジエン共重合体であって、
    共役ジエン化合物部分のビニル結合含量が25〜70重
    量%であり、水添ジエン共重合体成分(ハ)のブロック
    構造が(A)−(B−A)nまたは(A−B)m(ただ
    し、nは1以上、mは2以上の整数である)で表される
    直鎖もしくは分岐状の水添ジエン共重合体である請求項
    1〜3のいずれか1項記載の弾性繊維。
  5. 【請求項5】水添ジエン共重合体成分(ハ)が、1,2
    −結合含量が25重量%以下であるポリブタジエン重合
    体ブロック(A)と、共役ジエン化合物または共役ジエ
    ン化合物を70重量%以上含有するビニル芳香族・共役
    ジエン共重合体であり、かつ共役ジエン部分の1,2−
    及び3,4−結合含量が25〜70重量%である重合体
    ブロック(B)、ビニル芳香族化合物を80重量%以上
    含有する共重合体ブロック(C)とからなる(A)−
    (B)−(C)ブロック共重合体、または該ブロック共
    重合体単位がカップリング剤残基を介して延長または分
    岐された構造のブロック共重合体であり、全体に占める
    各ブロック(A)/(B)/(C)が5〜30重量%/
    30〜80重量%/10〜35重量%のブロック共重合
    体を水素添加し、共役ジエン部分の二重結合が70重量
    %以上飽和され、数平均分子量が4万〜70万の水添ジ
    エン共重合体である請求項1もしくは請求項2のいずれ
    か1項記載の弾性繊維。
  6. 【請求項6】弾性繊維が、100%伸長時の伸長回復率
    90%以上、100%伸長時の応力30〜100cN/
    1000dtex、かつ、該弾性繊維同士の剥離強度1
    00cN以下の物性を有する弾性繊維である請求項1〜
    5のいずれか1項記載の弾性繊維。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項に記載の弾性
    繊維を用いた弾性不織布。
  8. 【請求項8】弾性不織布が、100%伸長時の伸長回復
    率90%以上、100%伸長時の応力100〜300c
    N/100g/m2/25mmで、かつ、該弾性不織布
    同士の剥離強度が100cN/25mm以下の物性を有
    する弾性不織布である請求項7記載の弾性不織布。
  9. 【請求項9】弾性不織布がメルトブロー法によって得ら
    れた弾性不織布である請求項7もしくは請求項8記載の
    弾性不織布。
  10. 【請求項10】請求項7〜9のいずれか1項記載の弾性
    不織布に、該弾性不織布以外の該弾性を阻害しないウェ
    ッブ、不織布,フィルム,編物,織物から選ばれた少な
    くとも1種がさらに積層された複合化弾性不織布。
  11. 【請求項11】請求項1〜6のいずれか1項記載の弾性
    繊維を用いた繊維製品。
  12. 【請求項12】請求項7〜9のいずれか1項記載の弾性
    不織布を用いた繊維製品。
  13. 【請求項13】請求項10記載の複合化弾性不織布を用
    いた繊維製品。
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