JP4209629B2 - あぶらとりシート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はあぶらとりシートに関する。特には、人体の脂を取るためのあぶらとりシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
肌の余分な皮脂や汗を取る材料としては、昔からあぶらとり紙が良く知られている。このあぶらとり紙は、雁皮紙(ふるや紙)とも呼ばれ、金箔を作成するときに副産物としてできる「箔打ち紙」を転用したものである。現在は、雁皮、みつまた、麻などの繊維を原料とした和紙、あるいはパルプを原料とした洋紙を、金箔打ち製法と称して何度も叩くか、圧延工程を経ることにより製造されている。これらの和紙又は洋紙からなるあぶらとり紙は、肌の余分な皮脂を良く吸収するものの、風合が硬く、ゴワゴワ、或いはごつごつした触感であるために、肌に直接触れる材料として、優れているとはいい難いものであった。
【0003】
別のあぶら吸着材として、オイルキャッチャーと呼ばれるポリオレフィン繊維からなるメルトブロー法により製造された嵩高の不織布(ポリオレフィン不織布)が良く知られている。このポリオレフィン不織布は繊維径が比較的細く親油性であるため、水上や海上に漂うあぶら成分を選択的に良く吸着することのできるものであった。しかしながら、ポリオレフィン不織布の強度が十分でなく、破断伸度が大きくて伸びやすい、などの取り扱い上の問題があった。
【0004】
また、前記ポリオレフィン不織布を肌の余分な皮脂や汗を取るシートとして使用しようとしても、肌表面の微細な凹凸面に存在するわずかなあぶら成分(皮脂成分)を吸着除去することはできないものであった。そのため、皮脂を吸着除去できるようにするためには、目付を低くしかつ圧延処理して見掛密度を高めて肌への密着性を良くすると共に、皮脂を吸着しやすいように孔径を小さくする必要がある。しかし、そのような加工処理を行ったとしても、地合の均一性が悪く、皮脂の吸着性にムラのあるものであった。また、オイルキャッチャーとして使用した場合と同様に、不織布の引張り強度が十分でなく、破断伸度が大きくて伸びやすいなどの取り扱い上の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は十分かつ均一なあぶらの除去性能があり、柔らかく、均質な触感であり、加えて引張り強度が優れ、しかも伸びにくい、取り扱い性の優れるあぶらとりシートを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のあぶらとりシートは、「繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以下の延伸されている極細繊維のみから構成される極細繊維分散不織布からなり、前記極細繊維は互いに融点が相違する2種類以上の成分から構成されているか、または融点が相違する2種類以上の極細繊維を含んでいて、融点の低い方の極細繊維が融着しており、この極細繊維分散不織布の平均繊維径が4μm以下であることを特徴とするあぶらとりシート」からなる。このように本発明のあぶらとりシートは、極細繊維を含んでいることによって孔径が小さく、地合いが優れているため、結果としてあぶらを十分かつ均一に除去できるものである。また、極細繊維を含む極細繊維分散不織布であることにより、風合が柔らかく、均質な触感を有するものである。更に、極細繊維は延伸されているため、この極細繊維を含む極細繊維分散不織布は引張り強度が優れ、しかも伸びにくい、取り扱い性の優れるものである。
【0007】
本発明の別のあぶらとりシートは、「平均粒子径が30μm以下の粉体と、繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以下の延伸されている極細繊維のみから構成される粉体含有極細繊維分散不織布からなり、前記極細繊維は互いに融点が相違する2種類以上の成分から構成されているか、または融点が相違する2種類以上の極細繊維を含んでいて、融点の低い方の極細繊維が融着しており、この粉体含有極細繊維分散不織布を構成する繊維の平均繊維径が4μm以下であることを特徴とするあぶらとりシート」からなる。このあぶらとりシートは、極細繊維を含んでいることに加えて粉体を含有していることによって更に孔径が小さく、地合いが優れているため、結果としてあぶらを十分かつ均一に除去できるものである。また、極細繊維と粉体とを含む粉体含有極細繊維分散不織布であることにより、風合が柔らかく、均質な触感を有するものである。更に、極細繊維は延伸されているため、この極細繊維と粉体とを含む粉体含有極細繊維分散不織布は引張り強度が優れ、しかも伸びにくい、取り扱い性の優れるものである。また、粉体を含有していることによって、粉体固有の特性を付与することができるという効果も奏する。例えば、あぶらや汗の吸着又は吸収性に優れる粉体を含んでいることによるあぶらや汗の吸着又は吸収特性の向上、カオリン、アロフェン、ベントナイトなどの粉体を含んでいることによる触感向上、タルクや滑石などの粉体を含んでいることによる肌のすべすべ感向上、コラーゲンや絹フィブロインなどの粉体を含んでいることによる美顔や保湿効果の付与、香料含有粉体を含んでいることによる香りの付与、或いは隠蔽性の高い粉体を含んでいることによるあぶら除去状態の視認性向上、などの効果を奏する。
【0008】
本発明のあぶらとりシートを構成する繊維の単位目付あたりにおける引張り強さが0.9N/5cm幅以上であると、実用上の強度があり取り扱いやすい。
【0009】
本発明のあぶらとりシートの伸度が25%以下であると、伸びにくいため取り扱いやすい。
【0010】
本発明のあぶらとりシートの地合い指数が1.1394×W−0.5803(W:あぶらとりシートの目付(g/m))以下であると、あぶらとりシートの目付、厚さ、及び見掛密度のバラツキが小さく、地合が非常に均一であるため、微細な凹凸を有する箇所(特には肌表面)のあぶら(特には皮脂)をムラなく、効率良く除去できる。
【0011】
本発明のあぶらとりシートにおける付着物の付着率が0.5mass%以下であると、紙などに添加されている糊剤、界面活性剤、或いは余分な添加物の付着率が非常に少ないため、あぶら保持物からあぶら除去した後にあぶら保持物に付着物を残留させる可能性が少ない。また、あぶらとりシートを皮脂を除去するために使用した場合、敏感な肌に余計な刺激やアレルギー反応を与えないという効果を奏する。
【0012】
本発明のあぶらとりシートの平均流量細孔径が0.1〜5μmであると、あぶら保持物(特に肌表面)との密着性に優れ、また毛管現象によるあぶらの吸収除去性能が優れている。
【0013】
本発明のあぶらとりシートを構成する極細繊維がポリオレフィン系樹脂から構成されていると、あぶらとの親和性に富むため、あぶら(特に皮脂)を吸収除去しやすい。
【0014】
本発明のあぶらとりシートを構成する極細繊維が融着していると、ほつれにくく、十分な強度を有する。
【0015】
本発明のあぶらとりシートが人体の脂を取るためのあぶらとりシートであると、柔らかく、肌への密着性に優れ、また均一な孔径を有する地合いの均一なものであるため、微細な凹凸を有する肌表面のわずかな皮脂を効率良く吸着除去できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の1つのあぶらとりシート(以下、「第1あぶらとりシート」と表記する)は、繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以下の延伸されている極細繊維を含む極細繊維分散不織布からなり、この極細繊維分散不織布の平均繊維径が4μm以下であることを特徴とする。
【0017】
本発明の第1あぶらとりシートを構成する極細繊維は孔径を小さくし、均一な地合いであるように、また柔らかい触感であるように、繊維径が4μm以下である。この極細繊維の繊維径が小さければ小さい程、前記効果に優れているため、極細繊維の繊維径は3μm以下であるのが好ましく、2.5μm以下であるのがより好ましく、2μm以下であるのが更に好ましい。なお、極細繊維の繊維径の下限は特に限定するものではないが、0.01μm程度が適当である。
【0018】
本発明における「繊維径」は、繊維の横断面形状が円形である場合には、その直径をいい、繊維の横断面形状が非円形である場合には、横断面積と面積の同じ円の直径をいう。
【0019】
本発明の第1あぶらとりシート、つまり極細繊維分散不織布を構成する極細繊維の繊維長は、極細繊維の分散性に優れているように3mm以下である。より好ましい繊維長は2mm以下であり、更に好ましい繊維長は1mm以下である。極細繊維の繊維長の下限は特に限定するものではないが、0.1mm程度が適当である。また、繊維長が均一であるように、切断された極細繊維であるのが好ましい。
【0020】
本発明における「繊維長」は、JIS L 1015(化学繊維ステープル試験法)B法(補正ステープルダイヤグラム法)により得られる長さをいう。
【0021】
本発明の第1あぶらとりシート、つまり極細繊維分散不織布を構成する極細繊維は延伸されているため、引張り強度が十分で、破断伸度が小さく伸びにくく、取り扱い性に優れている。なお、本発明における「延伸されている」とは、紡糸工程とは別の延伸工程(例えば、延伸ねん糸機による延伸工程)により延伸されていることをいい、例えば、メルトブロー法のように溶融押し出した樹脂に対して熱風を吹き付けて繊維化した繊維は、紡糸工程と延伸工程とが同じであるため延伸されているとはみなさない。なお、延伸工程は、常温で実施されていても良いし、加熱下で実施されていても良い。
【0022】
本発明の極細繊維はどのような成分から構成されていても良く、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂など)、ポリスチレン系樹脂(例えば、結晶性ポリスチレン、非晶性ポリスチレンなど)、芳香族ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂などの有機成分、ガラス、炭素、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、ホウ酸アルミニウム、ワラストナイトなどの無機成分から構成することができる。これらの中でも、あぶら保持物との密着性に優れているように、また人体の皮脂をとるために使用する場合には、触感が優れているように、有機成分から構成されているのが好ましく、特にあぶらとの親和性に富んでおり、あぶら(特に皮脂)を吸収除去しやすく、皮脂を取る場合にはアレルギー反応が少ないため、ポリオレフィン系樹脂から構成されているのが好ましい。
【0023】
なお、極細繊維が融着していると、極細繊維分散不織布(第1あぶらとりシート)はほつれにくく、十分な強度を有するため好適である。この融着可能な極細繊維は、極細繊維の表面を構成する成分の少なくとも一部が熱可塑性樹脂から構成されていれば良い。例えば、極細繊維の表面を構成する成分が、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂など)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、結晶性ポリスチレン系樹脂などの結晶性の熱可塑性樹脂、或いはポリ塩化ビニル系樹脂、非晶性ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂などの非晶性の熱可塑性樹脂で構成されていれば良い。あぶらとの親和性及び皮脂を取る場合のアレルギー反応が少ない点から、極細繊維の表面を構成する成分の少なくとも一部がポリオレフィン系樹脂からなるのが好ましく、極細繊維の表面を構成する成分全てがポリオレフィン系樹脂からなるのが更に好ましい。
【0024】
この融着可能な極細繊維が2種類以上の成分から構成されていると、1種類の成分が融着したとしても、少なくとも1種類の成分によって繊維形態を維持することができるため好適である。この2種類以上の成分から構成されている場合の極細繊維の横断面形状は、例えば、芯鞘型(偏芯型を含む)、海島型、サイドバイサイド型、多重バイメタル型、オレンジ型であることができ、特に融着に関与できる成分量の多い芯鞘型又は海島型であるのが好ましい。したがって、ポリオレフィン系樹脂を鞘成分又は海成分とする融着可能な極細繊維が最も好ましい。
【0025】
本発明の極細繊維は極細繊維分散不織布(第1あぶらとりシート)の地合いが優れているように、個々の極細繊維の直径が繊維軸方向において、実質的に同じであるのが好ましい。このような直径が繊維軸方向において実質的に同じである極細繊維は、例えば、紡糸口金部で海成分中に口金規制して島成分を押し出して複合する複合紡糸法で得た海島型繊維の海成分を除去して得ることができる。
【0026】
なお、本発明の極細繊維分散不織布(第1あぶらとりシート)は、繊維径、繊維長、及び/又は成分の点で相違する極細繊維を2種類以上含んでいても良い。
【0034】
本発明の極細繊維分散不織布(第1あぶらとりシート)においては、孔径が小さく、地合いが優れ、しかも風合が柔らかく、均質な触感を有するように、個々の極細繊維が分散している状態にある。例えば、極細繊維が束状となっていると、太い繊維が分散している状態と大差ないため、前記特性が劣っている。
【0035】
本発明の極細繊維分散不織布(第1あぶらとりシート)は基本的に前述のような極細繊維のみからなるが、十分かつ均一なあぶら除去性、柔軟性、及び均質な触感に優れているように、極細繊維分散不織布(第1あぶらとりシート)の平均繊維径は4μm以下である。極細繊維分散不織布(第1あぶらとりシート)の好ましい平均繊維径は3μm以下であり、より好ましくは2.5μm以下である。なお、下限は特に限定されないが0.1μmが適当である。
【0036】
本発明における「平均繊維径」は次のようにして得られる値をいう。
(1)第1あぶらとりシート又は後述の第2あぶらとりシートを構成する繊維の中で、繊維径及び/又は比重の異なる繊維ごとに分類する。
(2)前記繊維径及び/又は比重の異なる繊維を、それぞれX繊維(繊維径:径dμm、比重:ρg/cm、目付あたりにおけるX繊維の質量:Zg/m)、X繊維(繊維径:dμm、比重:ρg/cm、目付あたりにおけるX繊維の質量:Zg/m)、・・・、X繊維(繊維径:径dμm、比重:ρg/cm、目付あたりにおけるX繊維の質量:Zg/m)とする。
(3)第1あぶらとりシート又は第2あぶらとりシートの目付あたりにおける全繊維の全体積(Vt(cm))を次の式により算出する。
Vt=Z/ρ+Z/ρ+・・+Z/ρ
(4)第1あぶらとりシート又は第2あぶらとりシートの目付あたりにおける全繊維の総繊維長(Lt(cm))を次の式により算出する。
Lt=4×10×(1/π)×(N+N+・・+N
ここで、N=Z/(d ・ρ)、N=Z/(d ・ρ)、N=Z/(d ・ρ)をそれぞれ意味する。
(5)前記(3)及び(4)の結果をもとに、繊維の単位長さあたりの平均断面積(Sav(cm))を次の式により算出する。
Sav=Vt/Lt
(6)前記(5)の結果をもとに、平均繊維径(dav(μm))を次の式により算出する。
dav=2×10×√(S/π)
【0038】
本発明の第1あぶらとりシートは上述のような極細繊維分散不織布からなり、別のあぶらとりシート(以下、「第2あぶらとりシート」と表記する)は前述のような極細繊維に加えて、平均粒子径が30μm以下の粉体を含む粉体含有極細繊維分散不織布からなり、この粉体含有極細繊維分散不織布を構成する繊維の平均繊維径が4μm以下のものからなる。つまり、前述のような極細繊維分散不織布中に平均粒子径が30μm以下の粉体を含む粉体含有極細繊維分散不織布からなる。そのため、粉体を含んでいること以外は前述の極細繊維分散不織布と全く同じであるため、粉体についてのみ説明する。
【0039】
このような粉体含有極細繊維分散不織布からなる第2あぶらとりシートは、極細繊維を含んでいることに加えて粉体を含有していることによって更に孔径が小さく、地合いが優れているため、結果としてあぶらを十分かつ均一に除去できる。また、極細繊維と粉体とを含む粉体含有極細繊維分散不織布(第2あぶらとりシート)であることにより、風合が柔らかく、均質な触感を有する。更に、極細繊維は延伸されているため、この極細繊維と粉体とを含む粉体含有極細繊維分散不織布(第2あぶらとりシート)は引張り強度が優れ、しかも伸びにくい、取り扱い性にも優れている。
【0040】
この粉体の平均粒子径は、極細繊維の繊維径と比較して大きすぎると、あぶら保持物との密着性が損なわれる場合があり、また厚さが10〜40μm程度の厚さの薄い第2あぶらとりシートを形成する場合、第2あぶらとりシートの厚さに対して粉体の粒子径が大き過ぎて、薄くて厚さの均一な第2あぶらとりシートを形成しにくいため、30μm以下であり、20μm以下であることが好ましく、15μm以下であるのがより好ましい。下限は特に限定されるものではないが、0.1μm程度が適当である。本発明における粉体の「平均粒子径」は、コールターカウンター法により得られる値をいう。
【0041】
本発明の粉体含有極細繊維分散不織布(第2あぶらとりシート)を構成する粉体は有機粉体、無機粉体、或いは金属粉体など種類は特に限定されず、一種類あるいは2種類以上の粉体を使用できる。
【0042】
また、粉体を含有していることによって、粉体固有の特性を付与することができるという効果も奏する。例えば、あぶらや汗の吸着又は吸収性に優れる粉体を含んでいることによるあぶらや汗の吸着又は吸収特性の向上、カオリン、アロフェン、ベントナイトなどの粉体を含んでいることによる触感向上、タルクや滑石などの粉体を含んでいることによる肌のすべすべ感向上、コラーゲンや絹フィブロインなどの粉体を含んでいることによる美顔や保湿効果の付与、香料含有粉体を含んでいることによる香りの付与、或いは隠蔽性の高い粉体を含んでいることによるあぶら除去状態の視認性向上、殺菌性、抗菌性、或いは制菌性を有する粉体を含んでいることによる前記性能の付与、などの特性を付与することができる。また、染料や顔料などにより着色した粉体を使用することによって、意匠性やあぶら除去状態の視認性を向上させることができる。
【0043】
より具体的には、粉体として、カオリン、ハロイサイト、蝋石、タルク、セリサイト、アロフェン、ゼオライト、モンモリナイト、ベントナイト、焼成ケイソウ土、アルミナ、ホワイトカーボン、超微粒子状無水シリカ、酸化チタン、亜鉛華、胡粉、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、トルマリン、などの無機粉体、キチン、キトサン、コラーゲン、絹フィブロイン、デンプン、小麦粉、ビタミン、結晶セルロース、マイクロカプセル、ナイロン粉体、アクリル粉体、エポキシ粉体、ポリエステル粉体、ポリエチレン粉体、メタクリル樹脂粉体、などの有機粉体、金、銀、銅などの金属粉体あるいは金属微粉体を表面に担持した粉体などを含んでいることができる。
【0044】
なお、皮脂を取り除くために第2あぶらとりシートを使用する場合には、医薬品や化粧品材料として使用されているもの(上記粉体の中の無機粉体及び有機粉体や銀微粒子を担持させたセラミック粉体)や、比較的肌に過剰な刺激やアレルギー反応を起こしにくい粉体を使用するのが好ましい。
【0045】
このような粉体の粉体含有極細繊維分散不織布(第2あぶらとりシート)中における含有量はあぶらの種類、粉体の種類、第2あぶらとりシートのグレード、極細繊維の種類、空隙率等によって異なるため、特に限定するものではないが、(粉体の容積):(第2あぶらとりシートを構成する繊維の容積)=1〜99:99〜1であることができ、第2あぶらとりシートの強度や粉体の機能を考慮すると、(粉体の容積):(第2あぶらとりシートを構成する繊維の容積)=1〜80:99〜20であるのが好ましく、(粉体の容積):(第2あぶらとりシートを構成する繊維の容積)=1〜50:99〜50であるのがより好ましい。
【0046】
本発明のあぶらとりシート(第1あぶらとりシート及び第2あぶらとりシート、以下単に「あぶらとりシート」と表記する場合は第1あぶらとりシートと第2あぶらとりシートの両方を指す)は強度的に優れ、使用時に強度が低下しないように、あぶらとりシートを構成する繊維の単位目付あたりにおける引張り強さが0.9N/5cm幅以上であるのが好ましく、1.0N/5cm幅以上であるのがより好ましい。
【0047】
この「あぶらとりシートを構成する繊維の単位目付あたりにおける引張り強さ」は、次のようにして得られる値をいう。
(1)幅5cm、長さ200mmに切断したあぶらとりシートを、チャック間距離100mmに設定されたテンシロン試験機により、速度100mm/min.で引張った時の引張り強度の最大値(N/5cm幅)を測定する。
(2)前記(1)で測定した最大値を目付(g/m)で割った値を「あぶらとりシートを構成する繊維の単位目付あたりにおける引張り強さ」とする。なお、第2あぶらとりシートの場合、粉体は第2あぶらとりシートの強度向上に実質的に関与しないため、第2あぶらとりシートの場合は粉体を除いた繊維のみの単位目付で前記(1)で測定した最大値を割る。
【0048】
本発明における「目付」はJIS L1085:1998.6.2に規定された方法で測定した単位面積あたりの質量をいう。
【0049】
本発明のあぶらとりシートは伸びにくく、取り扱い性に優れるように、伸度は25%以下であるのが好ましく、20%以下であるのがより好ましく、10%以下であるのが更に好ましい。この「伸度」は、前述の「あぶらとりシートを構成する繊維の単位目付あたりにおける引張り強さ」を測定する際に得られた引張り強度の最大値を与える時の伸びた量のチャック間距離(100mm)に対する百分率をいう。つまり、引張り強度の最大値を与える時の伸びた量をA(単位:mm)とした時に、次の式から得られる値をいう。
伸度=(A/100)×100=A
【0050】
本発明のあぶらとりシートは極細繊維が均一に分散しており、孔径が小さく、地合いが優れるものである結果、十分かつ均一なあぶら除去性能を有するように、地合い指数が1.1394×W−0.5803(W:あぶらとりシートの目付(g/m))以下であるのが好ましい。
【0051】
この地合い指数は次の手順により得られる値をいう。
(1)あぶらとりシートの任意の75mm角の領域について、分解能400dpiの精度のページスキャナを用いてスキャンし、各画素における反射光の輝度情報を0〜255の階調で取得する。
(2)測定した75mm角の領域を、1.5mmピッチの格子状に分割した画像サイズ1.5mm角の2500区画について、各区画内の画素の輝度を平均して輝度値とし、画像サイズ1.5mm角の輝度値群G1.5=(g1.5−1,g1.5−2,・・・,g1.5−2500)を得る。
(3)輝度値群の標準偏差を平均値で除して、主変動係数CV1.5を得る。
(4)同様にして、3.0mm角、6.0mm角、12.0mm角の画像サイズにおける輝度値群G、G、G12を得て、各輝度値群ごとに、主変動係数CV、CV、CV12をそれぞれ算出する。
(5)次の4つの座標(X、Y)をX−Y平面にプロットする。
(1,CV1.5)、(2,CV)、(3,CV)、(4,CV12
(6)これら4点を最小二乗法により一次直線に回帰することにより、その傾きの絶対値を地合い指数とする。
【0052】
これら一連の計算の作業は、パソコンを使用し統計ソフト、表計算ソフトなどを適用して行なうことができる。
【0053】
このようにして求められる地合い指数は、地合の均一性や粗さを客観的に評価する手段として優れているが、同一繊維を用いて同一製法で、同一見掛密度のあぶらとりシートであったとしても、目付が変動することにより地合い指数が変わるという特性があるため、目付による変動を考慮し、補正するために前述のような関係式を採用している。
【0054】
本発明のあぶらとりシートは付着物の付着率が0.5mass%以下であるのが好ましい。このように付着物量が少ないことによって、あぶら保持物のあぶら(特に肌表面の皮脂)を効率良く吸着又は吸収して除去することができるためである。また、第2あぶらとりシートの場合、界面活性剤や糊剤などの付着物によって粉体が被覆されておらず、粉体本来の機能を発揮できるという効果も奏する。
【0055】
この付着物の付着率が少なければ少ない程、前記効果に優れているため、順に、0.3mass%以下、0.1mass%以下、0.08mass%以下、0.06mass%以下、0.04mass%以下、0.02mass%以下であるのが好ましく、理想的には0mass%である。
【0056】
この「付着物の付着率」は付着物の質量のあぶらとりシートの質量に対する百分率をいう。つまり、次の式により得られる値をいう。
A=(ms/mf)×100 ・・ 式(1)
ここで、Aは付着物の付着率(%)、msは付着物の付着質量(g)、mfはあぶらとりシートの質量(g)を、それぞれ意味する。また、「付着物」とは、あぶらとりシートを熱水に15分間浸漬することによって得られる抽出物と、あぶらとりシートを熱メタノール溶液に15分間浸漬することによって得られる抽出物の、両方の抽出物を意味する。前者の抽出物として、糊剤(例えば、アクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアルギン酸ソーダ、ポリエチレンオキサイド、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールなど)があり、後者の抽出物として、界面活性剤(親水基と親油基の両方を有する化合物、例えば、ノニオン系界面活性剤)がある。このように付着物量の少ないあぶらとりシートは、付着物量の少ない極細繊維、或いは粉体を使用することによって製造することができる。このような付着物量の少ない極細繊維、或いは粉体は、例えば、メタノールやエタノール、アセトンなどによって洗浄することによって得ることができる。
【0057】
本発明のあぶらとりシートは、あぶら(特に皮脂)の吸着吸収力を高めて除去性を向上させるために、孔径が小さいのが好ましく、より具体的には平均流量細孔径が0.1〜5μmであるのが好ましい。平均流量細孔径が5μmを越えるとあぶらの吸着吸収力は弱まり、除去性が悪くなる傾向があり、また平均流量細孔径が0.1μm未満であると、空隙率が低下してあぶらの吸収量が低下する傾向があるためである。
【0058】
このあぶらとりシートの「平均流量細孔径」は、PMI社(Porous Materials Inc.米国)のパームポロメーター(Automated Perm Porometer)を用い、ASTM E−1294−89に基づいて求めた値をいう。より具体的には、まず乾いたサンプルと試液で濡らしたサンプルについて、徐々に圧力を上げながら気体の透過流量と圧力の関係曲線を求め、次いで、濡れ流量曲線(wet flow curve)と乾き流量曲線(dry flow curve)の1/2の傾きの曲線(half dry curve)が交わる点の圧力を求め、これを次の方程式に代入して、平均流量細孔径(μm)を求めることができる。
d=2860γ/P
ここで、d=平均流量細孔径(μm)、γ=試液の表面張力(mN/m)、P=圧力(Pa)をそれぞれ意味する。
【0059】
本発明のあぶらとりシートの厚さは特に限定されるものではないが、あぶらとりシートの厚さは5〜60μmであるのが好ましく、7〜50μmであるのがより好ましい。また、目付も特に限定されるものではないが、5〜40g/mであるのが好ましく、7〜35g/mであるのがより好ましい。更に、見掛密度も特に限定されるものではないが、0.20〜0.90g/cmであるのが好ましく、0.30〜0.80g/cmであるのがより好ましい。なお、本発明における「厚さ」はJIS L1085:1998、6.1(厚さ)に規定されているA法により得られる値をいい、「見掛密度」は、目付(g/cm)を厚さ(cm)で除した値をいう。
【0060】
本発明のあぶらとりシートは十分かつ均一なあぶら除去性能があり、柔軟で均一な触感があり、引張り強度があり、しかも低伸度で取り扱い性に優れているため、特に人体の脂を取るためのあぶらとりシートとして好適に使用できる。このあぶらとりシートはあぶらを払拭するというよりはむしろ、人体の皮膚表面、中でも顔を中心として首周り、腕、掌や指などの微細な凹凸を有する皮膚表面に押し当てることにより密着させ、余分な皮脂を吸着吸収して除去できるものである。また、春夏の季節には、余分な皮脂成分と共に汗成分も吸着吸収して除去することができる。また、第2あぶらとりシートの場合には、粉体の性質により、美顔、保湿効果、さらさら感、香り成分などによるリラックス感、或いは清涼感を使用者が感じることができる。
【0061】
本発明のあぶらとりシートは前述のような極細繊維分散不織布又は粉体含有極細繊維分散不織布からなる限り、どのように製造しても良いが、極細繊維のみからなる極細繊維分散不織布(第1あぶらとりシート)は、例えば次の方法により製造することができる。
【0062】
まず、前述のような極細繊維の集合体を用意する。この集合体は前述のような極細繊維が集合したものであり、その数は特に限定されるものではない。また、その集合状態も特に限定されるものではないが、例えば、規則正しく一定方向に極細繊維が配向した束状態、ランダムに配向した凝集状態、などを挙げることができる。これらの中でも、束状態であると、後述の圧縮気体の作用による分散性に優れているため好適である。
【0063】
なお、極細繊維が絡んだ状態にあると、後述のような圧縮気体の作用によっても、極細繊維を個々の極細繊維に開繊し、均一に分散させるのが困難になる傾向があるため、極細繊維は絡んだ状態にないのが好ましい。例えば、機械的に分割可能な分割性繊維をビーターなどによって叩解した極細繊維の集合体、ビーターなどによって叩解したパルプ、或いはフラッシュ紡糸法により得られた極細繊維は、極細繊維同士が絡んだ状態にあるため使用しないのが好ましい。なお、圧縮気体の作用によって極細繊維を発生し、極細繊維が絡んだ状態となる、極細繊維を発生可能な繊維(例えば、全芳香族ポリアミド繊維、溶剤抽出法により得られたセルロース繊維など)の集合体は使用することができる。
【0064】
また、極細繊維の集合体における付着物の付着率が0.5mass%以下(順に、0.3mass%以下、0.1mass%以下、0.08mass%以下、0.06mass%以下、0.04mass%以下、0.02mass%以下であるのが好ましい)であるのが好ましい。このように極細繊維の集合体自体の付着物の付着率が低いことによって、付着物の付着率の低い第1あぶらとりシートを製造できるためである。なお、この場合の付着率は前述の式(1)におけるあぶらとりシートの質量を極細繊維の集合体の質量とすること以外は全く同様にして得られる値をいう。
【0065】
更に、この極細繊維の集合体として、繊維径、繊維長、或いは成分の点で異なる極細繊維の集合体を組み合わせても良い。
【0066】
このような極細繊維の集合体は、例えば、複合紡糸法又は混合紡糸法により製造した海島型繊維の海成分を除去することによって、島成分からなる極細繊維を発生させて得ることができる。なお、2成分以上からなる極細繊維は海島型繊維を紡糸する際に島成分が2成分以上となるように樹脂を供給して得ることができる。また、好適である束状態の極細繊維の集合体は、複合紡糸法又は混合紡糸法により製造した海島型繊維の海成分を除去することによって、得ることができる。
【0067】
なお、海島型繊維の海成分を抽出して形成した極細繊維の集合体は付着物の付着率が0.5mass%以下の状態にあるが、この海島型繊維の海成分を抽出して形成した極細繊維の集合体であっても、アセトン、エタノール、或いはメタノールなどの溶媒によって洗浄し、付着物量を更に少なくするのが好ましい。
【0068】
このように界面活性剤や糊剤などの付着物の付着率が低いことによって、後述のノズルと極細繊維との摩擦によって静電気が発生し、極細繊維相互が反発しあって、均一に分散しやすいという効果も奏する。
【0069】
次いで、極細繊維の集合体をノズルへ供給するとともに、圧縮気体の作用によりノズルから気体中に噴出し、極細繊維の集合体から個々の極細繊維を発生させ、分散させる。
【0070】
このノズルは極細繊維の供給側から噴出側へ向かって、一定の横断面積を有するものであっても良いし、連続的に又は不連続的に横断面積が小さくなるものであっても良いし、連続的に又は不連続的に横断面積が大きくなるものであっても良いし、連続的に又は不連続的に横断面積が大きくなった後に小さくなるものであっても良いし、或いは連続的に又は不連続的に横断面積が小さくなった後に大きくなるものであっても良い。
【0071】
なお、ノズルへ供給される圧縮気体の流れが渦巻き状であると、極細繊維同士が絡み合って毛玉を発生させるなど、均一分散させることが困難になる傾向があるため、ノズルへ供給される圧縮気体の流れは実質的に層流であるのが好ましい。このように実質的に層流である圧縮気体を供給できるノズルとして、例えば、ベンチュリー管を挙げることができる。
【0072】
また、ノズルの噴出部の前方に、極細繊維の集合体及び/又は極細繊維と衝突して、個々の極細繊維の発生を促進したり、発生した極細繊維の分散を促進するために、衝突部材を設けるのが好ましい。この衝突部材はどのような形状であっても良いが、前記効果に優れるように、平板状衝突部材、釣鐘状の衝突部材、円錐状の衝突部材、釣鐘状の突起部と平板状の衝突部とが一体化した衝突部材、或いは円錐状の突起部と平板状の衝突部とが一体化した衝突部材、などを使用するのが好ましく、釣鐘状の突起部と平板状の衝突部とが一体化した衝突部材、又は円錐状の突起部と平板状の衝突部とが一体化した衝突部材がより好ましい。
【0073】
このような衝突部材は噴出された極細繊維と衝突できるように、ノズル噴出口の前方に配置されていれば良いが、極細繊維の開繊性及び分散性に優れているように、この衝突部材の平坦部(例えば、突起部と平板状の衝突部を有する衝突部材においては衝突部のノズル噴出口側表面、円錐状の衝突部材の場合は円錐の底面、釣鐘状の衝突部材の場合は釣鐘の底面)とノズル噴出口との最短距離が1〜100mmであるように設置するのが好ましく、5〜40mmであるように設置するのがより好ましく、5〜30mmであるように設置するのが更に好ましく、10〜30mmであるように設置するのが更に好ましく、10〜20mmであるように設置するのが最も好ましい。
【0074】
また、釣鐘状の衝突部材、円錐状の衝突部材、釣鐘状の突起部と平板状の衝突部とが一体化された衝突部材、或いは円錐状の突起部と平板状の衝突部とが一体化された衝突部材からなる場合、極細繊維の開繊性及び分散性に優れているように、釣鐘状、円錐状、或いは突起部の軸がノズル噴出口の中心と一致するように配置するのが好ましい。また、これら衝突部材を設置する場合には、極細繊維の開繊性及び分散性に優れているように、釣鐘状、円錐状、或いは突起部の頂点がノズル噴出口と対向するように設置するのが好ましい。
【0075】
この圧縮気体はどのような気体を利用しても良いが、空気を用いるのが製造上好適である。また、圧縮気体は極細繊維の集合体から極細繊維を発生させるとともに、極細繊維の分散を十分に行なうことができるように、ノズル噴出口における気体通過速度が100m/sec以上であるのが好ましい。同様の理由で、圧縮気体の圧力は2kg/cm以上であるのが好ましい。なお、この「気体通過速度」は、ノズルから噴出された気体の1気圧における流量(m/sec)を、ノズル噴出口における横断面積(m)で除した値をいう。
【0076】
また、ノズルから噴出された極細繊維を分散させる分散媒体としての気体は、特に限定されるものではないが、空気であるのが製造上好適である。
【0077】
次いで、この分散した極細繊維を集積して極細繊維ウエブを形成する。この極細繊維の集積は、例えば、多孔性のロールやネットなどの支持体を利用して実施することができる。なお、極細繊維は自然落下させて集積しても良いし、支持体の下方から気体を吸引して集積しても良い。
【0078】
次いで、この極細繊維ウエブを結合して極細繊維分散不織布(第1あぶらとりシート)を製造することができる。この結合方法は特に限定されるものではないが、例えば、極細繊維を融着する方法、エマルジョン、ラテックス、或いは溶液状のバインダーにより接着する方法、水流などの流体流やニードルにより絡合する方法、などを単独で、或いは併用して結合することができる。これらの中でも極細繊維を融着させる方法であると、孔径が小さく、地合いが優れており、しかも付着物量の少ない極細繊維分散不織布(第1あぶらとりシート)とすることができるため好適である。
【0079】
以上は、極細繊維分散不織布、つまり第1あぶらとりシートの基本的な製造方法であるが、極細繊維がより均一に分散しやすいように、極細繊維の集合体を圧縮気体の作用によりノズルから気体中へ噴出させる前に、ミキサーなどを利用して極細繊維の集合体をほぐすのが好ましい。
【0080】
次に、本発明の極細繊維分散不織布、つまり第1あぶらとりシートの製造方法について、本発明の極細繊維分散不織布(第1あぶらとりシート)を製造することのできる製造装置の模式的断面図である図1をもとに説明する。
【0081】
まず、極細繊維の集合体は混合装置10によって適度に解される。
【0082】
次いで、圧縮気体導入口20からノズル30へ圧縮気体を導入することによって、前記解された極細繊維の集合体はノズル30へ供給される。この解された極細繊維の集合体は圧縮気体導入口20から導入された圧縮気体の作用によって、ノズル30から勢いよく気体40へと噴出される。この気体40へ噴出される際に、ノズル30内と気体40との気圧差、噴出された圧縮気体と気体40との間に形成される乱流、圧縮気体の膨張力、或いはノズル30の噴出口前方に設けた衝突部材45との衝突、などの相互作用によって、極細繊維70を発生し、分散する。
【0083】
この気体40中に分散した極細繊維70は多孔性の支持体50上に集積して、極細繊維ウエブ80を形成する。この製造装置においては、支持体50の下方に位置する気体吸引装置60によって気体を吸引できる。
【0084】
このように形成した極細繊維ウエブ80はそのまま熱融着装置90へ供給され、この熱融着装置90の熱の作用により極細繊維が融着して極細繊維分散不織布83(第1あぶらとりシート)を形成する。そして、この極細繊維分散不織布83(第1あぶらとりシート)は巻き取り装置100により巻き取られる。
【0086】
また、粉体を含む粉体含有極細繊維分散不織布(第2あぶらとりシート)の製造方法は、前述のような極細繊維の集合体に加えて、粉体をノズルへ供給することによって製造することができる。なお、粉体の付着物の付着率も0.5mass%以下(順に、0.3mass%以下、0.1mass%以下、0.08mass%以下、0.06mass%以下、0.04mass%以下、0.02mass%以下であるのが好ましい)であるのが好ましい。このように付着物の付着率の少ない粉体はアセトン、エタノール、或いはメタノールなどの溶媒によって洗浄することによって得ることができる。また、粉体として、平均粒子径或いは成分の点で異なる粉体を組み合わせても良い。更に、粉体が融着可能である場合は、粉体も融着させるのが好ましい。
【0087】
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0088】
【実施例】
(実施例1)
ポリ乳酸からなる海成分中に、高密度ポリエチレンとポリプロピレンとからなる島成分が25個存在する、複合紡糸後の延伸工程により延伸して得た海島型繊維(繊度:1.7dtex、長さ1mmに切断されたもの)を用意した。この海島型繊維を10mass%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、海成分であるポリ乳酸を抽出除去した後、風乾して、高密度ポリエチレンとポリプロピレンとが混在した極細繊維(繊維径:2μm、切断繊維長:1mm、フィブリル化していない、延伸されている、繊維軸方向において実質的に同じ直径を有する、付着物の付着率:0.02mass%未満、断面形状:海島型)の束状集合体を得た。
【0089】
この極細繊維の束状集合体をミキサーに供給して解すとともに混合した後、噴出口における横断面形状が円形(直径:8.5mm)のベンチュリー管へ圧縮気体導入口から圧縮空気(圧力:6kg/cm、実質的に層流)を導入することにより、前記解した極細繊維の束状集合体をベンチュリー管へ供給して、前記ベンチュリー管から前記極細繊維の束状集合体を空気中に噴出(ベンチュリー管の噴出口における気体通過速度:147m/s、噴出口からの噴出量:約0.5m/min.)し、前記ベンチュリー管の噴出口前方に設けた衝突部材(円錐状の突起部と平板状の衝突部とが一体化した衝突部材、衝突部材の衝突部のノズル噴出部側表面との距離:15mm)に衝突させて、極細繊維を分散させた。
【0090】
次いで、この分散させた極細繊維を、移動する支持体(ネット)上に載置しておいたポリエチレンテレフタレート繊維からなる湿式不織布(目付:10g/m、平均繊維径:3.2μm)上に集積させ、極細繊維ウエブ−湿式不織布積層体を形成した。なお、集積させる際には、支持体の下に設置されたサクションボックスにより空気を吸引(0.7m/min.)した。
【0091】
次いで、極細繊維ウエブ−湿式不織布積層体を温度135℃に設定されたリライアントプレス機に供給し、15秒間熱処理を実施して、極細繊維の高密度ポリエチレン成分を融着させ、極細繊維融着不織布−湿式不織布複合体を製造した。
【0092】
その後、極細繊維融着不織布−湿式不織布複合体から湿式不織布を剥離した後、極細繊維融着不織布を温度80℃の熱カレンダーで圧延加工して、極細繊維分散不織布(目付:10g/m、厚さ:16μm、見掛密度:0.63g/cm、平均繊維径:2μm)を製造し、この極細繊維分散不織布を第1あぶらとりシートとした。この第1あぶらとりシートの物性は次の通りであった。
(1)付着物の付着率:0.02mass%未満
(2)単位目付あたりにおける引張り強さ:1.4N/5cm幅
(3)伸度:9%
(4)地合い指数:0.080(<0.299=1.1394×10−0.5803
(5)平均流量細孔径:1.5μm
【0093】
この第1あぶらとりシートは、従来の和紙又は洋紙からなるあぶらとり紙に比べて風合が柔らかく、触感の優れたものであった。また、実際に顔の皮脂成分を吸着除去するために使用したところ、皮脂成分の吸着除去性能に大変優れていた。また、第1あぶらとりシートにより皮脂成分を吸着除去する際に破れたり伸びるなどの問題を生じることなく、皮脂成分を除去することのできる取り扱い性の優れるものであった。
【0094】
(実施例2)
実施例1と同じ極細繊維の束状集合体と、タルク粉末(平均粒子径:4μm)とを用意した。
【0095】
次いで、この極細繊維の束状集合体とタルク粉末との質量比が85:15(容積比は94:6)となるように、ベンチュリー管へ導入したこと以外は実施例1と全く同様にして、タルク粉体含有極細繊維融着不織布−湿式不織布複合体を製造した。
【0096】
その後、タルク粉体含有極細繊維融着不織布−湿式不織布複合体から湿式不織布を剥離した後、タルク粉体含有極細繊維融着不織布を温度80℃の熱カレンダーで圧延加工して、タルク粉体含有極細繊維分散不織布(目付:12g/m、厚さ:18μm、見掛密度:0.67g/cm、平均繊維径:2μm)を製造し、このタルク粉体含有極細繊維分散不織布を第2あぶらとりシートとした。この第2あぶらとりシートの物性は次の通りであった。
(1)付着物の付着率:0.02mass%未満
(2)単位目付あたりにおける引張り強さ:1.4N/5cm幅
(3)伸度:9%
(4)地合い指数:0.11(<0.299=1.1394×10−0.5803
(5)平均流量細孔径:1.3μm
【0097】
この第2あぶらとりシートは、従来の和紙又は洋紙からなるあぶらとり紙に比べて風合が柔らかく、しかもさらっとした触感と滑り感があり、使用感の優れるものであった。また、実際に顔の皮脂成分を吸着除去するために使用したところ、皮脂成分の吸着除去性能に大変優れていた。また、第2あぶらとりシートにより皮脂成分を吸着除去する際に破れたり伸びるなどの問題を生じることなく、皮脂成分を除去することのできる取り扱い性の優れるものであった。
【0098】
(比較例)
メルトブロー法によって作成した、ポリプロピレン樹脂からなるメルトブローウエブを温度80℃の熱カレンダーで圧延加工して、メルトブロー不織布(平均繊維径:2.5μm、目付:12g/m、厚さ23μm、見掛密度:0.52g/cm、)を製造し、これをあぶらとりシートとした。このあぶらとりシートの物性は次の通りであった。
(1)付着物の付着率:0.02mass%未満
(2)単位目付あたりにおける引張り強さ:0.6N/5cm幅
(3)伸度:68%
(4)地合い指数:0.30(>0.269=1.1394×12−0.5803
(5)平均流量細孔径:2.6μm
【0099】
このあぶらとりシートは強度的に弱く、また伸びやすいため、取り扱いにくいものであった。また、地合いのムラが大きく、場所によっては皮脂の吸着除去性にムラのあるものであった。
【0100】
【発明の効果】
本発明のあぶらとりシートは、あぶらを十分かつ均一に除去できるものである。また、風合が柔らかく、均質な触感を有するものである。更に、引張り強度が優れ、しかも伸びにくい、取り扱い性の優れるものである。特に、人体の脂を取るためのあぶらとりシートとして使用すると、柔らかく、肌への密着性に優れ、微細な凹凸を有する肌表面のわずかな皮脂を効率良く吸着除去できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のあぶらとりシートを製造することのできる製造装置の模式的断面図
【符号の説明】
10 混合装置
20 圧縮気体導入口
30 ノズル
40 気体
45 衝突部材
50 支持体
60 気体吸引装置
70 極細繊維(場合により細繊維及び/又は粉体を含む)
80 極細繊維ウエブ
83 極細繊維分散不織布(あぶらとりシート)
90 熱融着装置
100 巻き取り装置

Claims (10)

  1. 繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以下の延伸されている極細繊維のみから構成される極細繊維分散不織布からなり、前記極細繊維は互いに融点が相違する2種類以上の成分から構成されているか、または融点が相違する2種類以上の極細繊維を含んでいて、融点の低い方の極細繊維が融着しており、この極細繊維分散不織布の平均繊維径が4μm以下であることを特徴とするあぶらとりシート。
  2. 平均粒子径が30μm以下の粉体と、繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以下の延伸されている極細繊維のみから構成される粉体含有極細繊維分散不織布からなり、前記極細繊維は互いに融点が相違する2種類以上の成分から構成されているか、または融点が相違する2種類以上の極細繊維を含んでいて、融点の低い方の極細繊維が融着しており、この粉体含有極細繊維分散不織布を構成する繊維の平均繊維径が4μm以下であることを特徴とするあぶらとりシート。
  3. あぶらとりシートを構成する繊維の単位目付あたりにおける引張り強さが0.9N/5cm幅以上であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のあぶらとりシート。
  4. あぶらとりシートの伸度が25%以下であることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のあぶらとりシート。
  5. あぶらとりシートの地合い指数が1.1394×W−0.5803(W:あぶらとりシートの目付(g/m))以下であることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のあぶらとりシート。
  6. あぶらとりシートにおける付着物の付着率が0.5mass%以下であることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載のあぶらとりシート。
  7. あぶらとりシートの平均流量細孔径が0.1〜5μmであることを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれかに記載のあぶらとりシート。
  8. 極細繊維がポリオレフィン系樹脂から構成されていることを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれかに記載のあぶらとりシート。
  9. 極細繊維はポリエチレン樹脂成分とポリプロピレン樹脂成分とから構成されており、前記ポリエチレン樹脂成分が融着していることを特徴とする、請求項1〜請求項8のいずれかに記載のあぶらとりシート。
  10. 人体の脂を取るためのあぶらとりシートであることを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれかに記載のあぶらとりシート。
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