JP2013167028A - ウェットワイパー用不織布 - Google Patents

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麻里子 石田
Masatoshi Midorikawa
正敏 緑川
Masanobu Matsuoka
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Abstract

【課題】本発明の課題は、汗拭き取りシート等の対人向けウェットワイパーに使用される不織布であって、薬液等の吸液性に優れると共に、拭き取り時にシートの変形や繊維脱落がない対人向けウェットワイパー用不織布提供することにある。
【解決手段】熱融着性バインダー繊維、JIS P 8121に準拠したカナディアンスタンダードフリーネスが300〜700mlのパルプ繊維を含有し、これらの各繊維同士が高圧柱状水流により3次元的に絡合され、且つ、熱融着性バインダー繊維の溶融により固着部位を有することを特徴とするウェットワイパー用不織布。
【選択図】なし

Description

本発明は、ウェットワイパー用不織布に関するものであり、具体的には、使い捨てのウェットティッシュや汗拭き取りシート等に好適な性能を有する対人向けウェットワイパー用不織布に関するものである。
水やアルコール等の薬液、保湿剤や吸臭パウダー等の薬剤を浸漬した汗拭き取り用に使われる対人向けウェットワイパーは良く知られている。近年、汗へのケア意識の高まりに加えて、地球温暖化の影響による夏場の記録的猛暑や東日本大震災の影響等を受けて、汗によるベタつきを除いて手軽にさっぱりとした清涼感を得られることから、対人向けウェットワイパーの使用率・使用頻度が増加している。これまでのウェットワイパーは、特に柔らかさが重要視されており、柔らかさと親水性に優れるレーヨン繊維やコットン繊維を含む水流交絡不織布や、セルロース繊維や熱融着繊維からなるエアレイド乾式不織布等が主に使われてきていた。
一方で、最近では、特に男性向けとして固い風合いで破れにくく、ごしごしと体を擦れると言う拭き取り感が求められるケースも出てきているが、前述したように、従来の対人向けウェットワイパーでは柔らかさを重要視してきたため、風合いが柔らか過ぎて物足りなかったり、ごしごしと体を擦ると破れてしまったり、拭き取り感が得られない等の問題があった。そこで、レーヨン繊維、合成繊維、熱接着性繊維からなる繊維ウェブを高圧水流により3次元的に交絡させ、熱接着性繊維のみを溶融させたワイパー用不織布が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、繊維脱落し難いワイパーを提供することはできるが、基材が柔軟過ぎるため、目的とする拭き取り感を達成できないと言う問題があった。
また、表裏面層が、一定の割合でパルプと熱融着バインダー繊維を含み、レーヨン繊維を含まない混抄紙やこの混抄紙層とパルプのみからなる中間層とを有するウェットワイパー用基材シートが提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。この方法では、パルプを主体とすることにより、ある程度は硬目の風合いを持つ不織布が得られるが、未だ不十分であり、さらには、強い圧力で体や首周りを擦った場合に、シートに破れが生じたり、髭に擦れてパルプ繊維が脱落したりする等の問題があった。
また、合成系極細繊維及び分割型複合繊維が混綿されてなる繊維シートに、殺菌、除菌、帯電防止、防曇、防汚等の機能を有する機能性含浸液を含浸させたウェットワイパーが提案されている(例えば、特許文献4参照)。この方法では、繊維脱落がなく良好であるが、分割された微細繊維を含むことから、拭き取り時に体との摩擦抵抗が増加して肌の角質を傷めてしまったり、基材が柔軟過ぎるため、目的とする拭き取り感を達成できなかったりする問題があった。
また、エアレイド法による融着繊維を含む不織布層とパルプまたはパルプを主体とする中間層とを一体的に積層させて、エンボス加工したウェットワイパー用不織布が提案されている(例えば、特許文献5参照)。この方法では、吸水性が優れ、湿潤時の強度もある程度は強くなるが、強く擦った際に、繊維脱落が生じたり、基材が柔軟過ぎるため、目的とする拭き取り感を達成できなかったりする問題があった。
このように、親水性を有すると共に適度な硬さを有し、ごしごしと体を拭き取った時にシートの変形や繊維脱落がなく、爽快な拭き取り感が得られる対人用ウェットワイパー用不織布は未だ得られていなかった。
特開2010−84297号公報 特開2009−133040号公報 特開2009−136365号公報 特開2007−29264号公報 特開2004−261449号公報
本発明の課題は、親水性を有すると共に適度な硬さを有し、強く拭き取った時にシートの変形や繊維脱落がないウェットワイパー用不織布を提供することである。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、
(1)熱融着性バインダー繊維、JIS P 8121に準拠したカナディアンスタンダードフリーネスが300〜700mlのパルプ繊維を含有し、これらの各繊維同士が高圧柱状水流により3次元的に絡合され、且つ、熱融着性バインダー繊維の溶融による固着部位を有することを特徴とするウェットワイパー用不織布、
(2)熱融着性バインダー繊維が芯鞘複合繊維である上記(1)記載のウェットワイパー用不織布、
を見出した。
本発明のウェットワイパー用不織布の適用により、親水性を有すると共に適度な硬さを有し、強く拭き取った時にシートの変形や繊維脱落がないウェットワイパー用不織布を提供することが可能となった。
以下、本発明のウェットワイパー用不織布について詳細に説明する。パルプ繊維は、木本系セルロース繊維、草本系セルロース繊維の植物性セルロースに分類される。木本系セルロース繊維としては、針葉樹材、広葉樹材の木部繊維からなるクラフトパルプ、サルファイトパルプ、サーモメカニカルパルプ、メカニカルパルプや、竹等の維管束繊維、楮、雁皮等の靱皮繊維をパルプとしたものが挙げられる。草本系セルロース繊維としては、綿繊維、麻繊維、エスパルト、ケナフ等が挙げられる。藁、古紙等から得られるパルプも含まれる。本発明では、これらの繊維から少なくとも1種以上を選択して使用できる。
本発明におけるパルプ繊維としては、対人用途である観点から、衛生面を考慮して、針葉樹材、広葉樹材の木部繊維からなるクラフトパルプや綿繊維であることが好ましい。さらには、JIS P 8121に準拠したカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)が300〜700mlであり、400〜650mlであることがより好ましく、450〜600mlであることがさらに好ましい。CSFが300〜700mlであるパルプ繊維を用いることにより、不織布に十分な強度と適度な硬さを付与することができ、体をごしごし拭いた際に、シートの変形や繊維脱落を防ぐと共に、拭き取り感を得ることができる。CSFが300ml未満の場合、パルプ繊維の繊維長が短くなり過ぎてしまい、高圧柱状水流による3次元交絡の際に、繊維長が短くなったパルプ繊維の多くが脱落してしまい、目標坪量の不織布が得られないばかりか、パルプ繊維のフィブリル化が進行することにより、シートにした際に適度な硬さが得られず、拭き取り時の実使用感に劣り、吸液性が低下し、好ましくない。一方、CSFが700mlを超える場合、パルプ繊維のフィブリル化が進行していないため、高圧柱状水流による3次元交絡の際に、パルプ繊維とパルプ繊維、パルプ繊維とその他の繊維との絡み合いが弱くなり、物理的強度に劣り、好ましくない。
本発明のパルプ繊維は、ビーター、PFIミル、シングルディスクリファイナー(SDR)、ダブルディスクリファイナー(DDR)、また、顔料等の分散や粉砕に使用するボールミル、ダイノミル等の叩解、分散設備でフィブリル化可能であり、叩解時間や回数等の叩解条件を調整することにより、目的とするCSFのパルプスラリーを得ることができる。不織布に含浸する水分によってパルプ繊維は若干膨潤し、結果、ウェットワイパー用不織布表面と人体との間のクッション的役割を果たすことになり、拭き取り時のハンドリング性を向上させ、実使用感が良好になる。
本発明のウェットワイパー用不織布において、パルプ繊維の不織布に対する総含有量は特に限定しないが、20〜80質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることがより好ましく、40〜60質量%であることがさらに好ましい。パルプ繊維の総含有量が20質量%未満では、吸液性や拭き取り時の実使用感に劣る場合があり、一方、80質量%を超えると、物理的強度が低下するだけでなく、ペーパーライクな風合いになり、実使用感に劣る場合がある。
本発明のウェットワイパー用不織布においては、熱融着性バインダー繊維を含有させて、熱融着性バインダー繊維の溶融温度以上に不織布の温度を上げる工程を製造工程に組み入れることで、ウェットワイパー用不織布の物理的強度を向上させると共に、拭き取り時の繊維脱落を防止することができる。本発明のウェットワイパー用不織布に用いる熱融着性バインダー繊維は単繊維のほか、芯鞘繊維(コアシェルタイプ)、並列繊維(サイドバイサイドタイプ)等の複合繊維が挙げられる。特に芯鞘複合繊維は、不織布表面に皮膜を形成しにくいので、不織布表面のパルプ繊維が露出した状態を保持したまま、物理的強度を向上させると共に、拭き取り時の繊維脱落を防止することができるので好ましい。熱融着性バインダー繊維としては、例えば、ポリプロピレン(芯)とポリエチレン(鞘)の組み合わせ、ポリプロピレン(芯)とエチレンビニルアルコール(鞘)の組み合わせ、高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組み合わせが挙げられる。また、ポリエチレン等の低融点樹脂のみで構成される単繊維(全融タイプ)や、ポリビニルアルコール系のような熱水可溶性バインダーは、ワイパー用不織布の乾燥工程で皮膜を形成し易いが、特性を阻害しない範囲であれば使用することができる。
本発明のウェットワイパー用不織布に用いる熱融着性バインダー繊維の繊維径は特に限定しないが、1〜30μmが好ましく、7〜25μmがより好ましく、10〜15μmがさらに好ましい。熱融着性バインダー繊維の繊維径が1μm未満の場合には物理的強度の劣る場合があり、30μmを超える場合には高圧柱状水流による3次元交絡時のパルプ繊維の脱落が多くなり、目標坪量の不織布が得られなかったり、パルプ繊維のフィブリル化が進行することにより、シートにした際に適度な硬さが得られず、拭き取り時の実使用感に劣ったり、吸液性が低下したりする場合がある。
本発明のウェットワイパー用不織布において、熱融着性バインダー繊維の不織布に対する総含有量は特に限定しないが、10〜60質量%であることが好ましく、15〜50質量%であることがより好ましく、20〜40質量%であることがさらに好ましい。熱融着性バインダー繊維の含有量が10質量%未満では、湿潤時の物理的強度や拭き取り時の繊維脱落に劣る場合があり、一方、60質量%を超えると、吸液性に劣る場合がある。
本発明のウェットワイパー用不織布には、発明の効果を阻害しない範囲で、その他の有機繊維を使用することができる。その他の有機繊維には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及びこれらのコポリマー等のポリエステル系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系繊維、ポリアクリロニトリル、モダクリル等のアクリル系繊維、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等のポリアミド系繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ウレタン繊維等の合成繊維、トリアセテート繊維、ジアセテート繊維等の半合成繊維、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、ポリノジックレーヨン、リヨセル等の再生セルロース系繊維、コラーゲン、アルギン酸、キチン質等を溶液にしたものを紡糸した再生繊維が好ましい。これらの繊維を構成するポリマーは、ホモポリマー、変性ポリマー、ブレンド、共重合体等の形でも利用できる。当然ではあるが、これら複数の材質からなる複合繊維を用いても良い。また、断面形状がT型、Y型、三角等の異形断面を有する繊維も含有できる。
本発明のウェットワイパー用不織布の坪量は、10〜120g/mの範囲が好ましく、20〜90g/mがより好ましく、30〜70g/mがさらに好ましい。10g/mより軽いと、物理的強度、吸液性が十分でなくなることがあり、一方、120g/mを超えると、風合いが必要以上に硬くなり過ぎ、実使用感に劣ることがある。
本発明のウェットワイパー用不織布は、本発明の範囲を阻害しない範囲であれば、その層構成に特に限定はない。すなわち、単層構造からなる不織布であっても良いし、2層、3層といった多層構造であっても良い。多層構造とした場合、各層の繊維配合は同じでも、変更しても構わない。また、本発明のウェットワイパー用不織布は、本発明の範囲を阻害しない範囲であれば、その表面性に特に限定はない。すなわち、実質的な開孔を有さない非開孔不織布であっても良いし、開孔不織布であっても良いし、エンボス模様やクレープ状の凹凸を有した不織布であっても良い。
次に、本発明のウェットワイパー用不織布の製造法について説明を行う。本発明の不織布は、パルプ繊維のCSFを調整する工程、ウェブを製造する工程、繊維を3次元的に絡合する工程、水分を除去(乾燥)し、熱処理により熱融着性バインダー繊維を溶融する工程により製造される。ウェブを製造した後、高圧柱状水流により繊維を3次元的に絡合させることで、繊維同士の絡み合いによって不織布に物理的強度を発現させると共に、CSFを調整する工程で生じた繊維長が短くなったパルプ繊維を高圧柱状水流で不織布内から取り除き、ウェットワイパーとしての使用時の繊維脱落を防止し、さらに熱融着性バインダー繊維を溶融させることで、不織布に物理強度をさらに発現させると共に、使用時の繊維脱落を防止させ、且つ、各繊維の交点を溶融した樹脂が固着することができ、適度に硬い風合いのウェットワイパー用不織布を得ることができる。
前述したように、パルプ繊維のCSFを調整する工程は、パルプ繊維を水中に均一に懸濁し、ビーター、PFIミル、シングルディスクリファイナー(SDR)、ダブルディスクリファイナー(DDR)、また、ボールミル、ダイノミル等の叩解、分散設備で適当な条件の下、叩解処理を行う。
ウェブを製造する工程は、カード法、エアレイ法等の乾式法、湿式抄造法等の従来公知の方法が用いられるが、本発明のウェットワイパー用不織布の製造方法としては、湿式抄造法により湿式抄造ウェブを形成する方法が最適である。パルプ繊維を水中に懸濁した状態で、ビーター、PFIミル等の設備で叩解、分散処理を行うことから、湿式抄造法の場合、水中に懸濁、分散したパルプ繊維をそのままの状態で使用できるからである。CSFを調整したパルプ繊維、熱融着性バインダー繊維、その他の有機繊維を水中に投入し、パルパー等の回転式の装置で混合し、分散を行い、濃度0.1〜3質量%程度の繊維懸濁液(水性スラリー)を調製する。次いで、懸濁液を用い、長網、短網、円網等のワイヤーを少なくとも一つ有する抄紙機で抄造し、ウェブを得る。
次に、このようにして得られたウェブを、多孔質支持体上に載せ、高圧柱状水流を噴射し、繊維を絡合させ絡合ウェブを得る。多孔質支持体とはワイヤーあるいはパンチングプレート等が好ましい。ワイヤーを例にとると、60〜150メッシュ相当のものが好ましい。高圧水流を噴射するノズルの径は10〜500μmの範囲が好ましく、ノズルの間隔は10〜1500μmが好ましい。これらのノズルは、搬送されるウェブの幅方向に亘り、少なくとも1回以上くまなく水流で加工できる範囲が必要である。絡合に用いる水圧は、2×10〜18×10Paの範囲で用いることが好ましく、さらに好ましくは4×10〜15×10Paである。2×10Paより小さいと、繊維の絡合と短繊維長のパルプ繊維の除去が不十分で、十分な物理的強度が発現しなかったり、繊維脱落が不十分だったりすることがある。一方、18×10Paより大きいと、パルプ繊維が必要以上に飛散することや、ウェブに部分的な破壊が生じることがあり、物理的強度が劣る場合がある。加工速度は3〜100m/分の範囲が好ましい。
このようにして得られた絡合ウェブは、余分な水分を吸引あるいはウェットプレス等の方法で取り除いた後、乾燥させ、さらに熱処理加工させる。乾燥及び熱処理させる装置としては、シリンダードライヤー、エアドライヤー、エアスルードライヤー、サクションドライヤー等が好ましく、水が実質上完全に除去され、且つ、バインダー繊維の溶融温度以上の温度で使用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものでない。なお、実施例中の百分率(%)、部数(部)、配合比率は特に断りのない限り質量基準である。実施例及び比較例に記載した物性の測定方法を以下に示した。
(1)保液性(単位:%):本実施例中に記載されるウェットワイパー用不織布の吸液性の指標として保液性を求めた。保液性は、同容量のエタノールと水を混合した液体をウェットワイパー用不織布に浸漬し、保持率(%)として測定した。まず、100mm×100mmの大きさの試験片について、質量W1(g)を測定する。次に、エタノールと水の混合液中に試験片を広げて浸漬し、10分間放置したのち液体中から取り出し、直ちに濾紙(アドバンテックNo.26)で挟み、軽く押さえて表面の液体を吸い取り、その試験片の質量W2(g)を測定した。質量W2から質量W1を引いた差をW1で除して、百分率を求め保持率(%)を算出した。
(2)湿潤破断強度(単位:N/50mm):JIS L 1096記載の方法に準拠して、縦方向の破断強度を測定した。ただし、試料は幅50mm、長さ200mmとして、各試料を純水中に5分間浸漬した後、取り出し、濾紙(アドバンテックNo.26)でサンプル表面に余分に付着している純水を軽く拭き取った後、測定を行った。つかみ間隔100mmでそれぞれ5本測定し、平均値であらわした。単位はN/50mmである。
(3)実使用感:25cm×25cmサイズのウェットワイパー用不織布を四つ折りにした後、同容量のエタノールと水を混合した液体を浸漬させてウェット状態とした。次に、ウェット状態におけるウェットワイパー用不織布を手で握り、首筋を中心に力を入れて擦り、その時の触感を判断した。評価は男性モニター10名によって行い、各人がそれぞれ判断した評価の最多数を評価結果とした。風合いの評価基準は以下の通りである。
○:程良くコシがあり、拭き易くて良好。
△:普通
×:柔らか過ぎて拭きにくく、実用上問題がある。
(4)繊維脱落:25cm×25cmサイズのウェットワイパー用不織布を四つ折りにした後、同容量のエタノールと水を混合した液体を浸漬させてウェット状態とした。次に、ウェット状態におけるウェットワイパー用不織布を手で握り、顎周辺を中心に力を入れて擦り、その時の繊維脱落状態を判断した。評価は、髭剃り後、約12時間経過した状態の男性モニター10名によって行い、各人がそれぞれ判断した評価の最多数を評価結果とした。風合いの評価基準は以下の通りである。
○:繊維脱落がなくて良好。
△:やや繊維脱落が見られるが、実使用上は問題がない。
×:繊維脱落が激しく、実使用上問題がある。
ダブルディスクリファイナーを用いて、NBKPシートを2回繰り返し処理し、CSFが510mlの叩解パルプ繊維(A)を調製した。
ダブルディスクリファイナーを用いて、NBKPシートを6回繰り返し処理し、CSFが220mlの叩解パルプ繊維(B)を調製した。
ダブルディスクリファイナーを用いて、NBKPシートを4回繰り返し処理し、CSFが310mlの叩解パルプ繊維(C)を調製した。
パルパー離解機を用いて、NBKPシートを2分間離解処理し、CSFが690mlの叩解パルプ繊維(D)を調製した。
パルパー離解機を用いて、NBKPシートを0.5分間離解処理し、CSFが740mlの叩解パルプ繊維(E)を調製した。
(実施例1)
叩解パルプ繊維(A)、熱融着性バインダー繊維としてポリエチレンテレフタレート(PET)/ポリエチレンテレフタレート共重合ポリマー(PET−COポリマー)芯鞘複合繊維(ユニチカ製、商品名:#4080、2.2デシテックス×10mm、鞘部融点110℃)をそれぞれ60/40とする配合で水中に順次添加混合し、1%濃度の水性スラリーを調製した。この水性スラリーを用いて、乾燥質量70g/mのウェブを円網抄紙機で抄造した。次に、このウェブを76メッシュの平織りのプラスチックワイヤー上に積載し、以下に示す3列のノズル列にて、圧力(1×10Pa)、加工速度20m/分で水流噴射して、絡合を行った。さらに、ウェブを反転し、同様の条件で水流噴射して、絡合を行った。ノズル径とノズル間隔、ノズルの配列を以下に示す。第1列目はノズル径120μm、ノズル間隔1.2mmが千鳥状に2列配列、第2列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列、第3列目はノズル径100μm、ノズル間隔0.6mmがストレートに1列である。続いて、パッダーにて水を絞った後、エアドライヤーを用い、130℃で乾燥を行うと共に熱融着性バインダー繊維を溶融固着させ、実施例1のウェットワイパー用不織布を得た。
(実施例2)
叩解パルプ繊維(A)、熱融着性バインダー繊維としてPET/PET−COポリマー芯鞘複合繊維(ユニチカ製、商品名:#4080、2.2デシテックス×10mm、鞘部融点110℃)、その他の繊維としてPET繊維(帝人ファイバー製、商品名:TA04NSD、0.6デシテックス×10mm)をそれぞれ40/40/20とする配合とした以外は実施例1と同じ方法で加工を行い、実施例2のウェットワイパー用不織布を得た。
(実施例3)
叩解パルプ繊維(C)を用いた以外は実施例2と同じ方法で加工を行い、実施例3のウェットワイパー用不織布を得た。
(実施例4)
叩解パルプ繊維(D)を用いた以外は実施例2と同じ方法で加工を行い、実施例4のウェットワイパー用不織布を得た。
(実施例5)
その他の繊維としてレーヨン繊維(ダイワボウレーヨン製、商品名:コロナ(登録商標)、0.8デシテックス×10mm)を用いた以外は実施例2と同じ方法で加工を行い、実施例5のウェットワイパー用不織布を得た。
(実施例6)
その他の繊維としてアクリル繊維(三菱レイヨン製、ボンネルM.V.P H400 0.4デシテックス×10mm)を用いた以外は実施例2と同じ方法で加工を行い、実施例6のウェットワイパー用不織布を得た。
(実施例7)
熱融着性バインダー繊維としてPET/PE芯鞘型バインダー繊維(帝人ファイバー製、商品名:TJ04EN SD、1.2デシテックス×10mm、鞘部融点130℃)を用い、高圧柱状水流絡合処理後のエアドライヤー温度を150℃とした以外は実施例2と同じ方法で加工を行い、実施例7のウェットワイパー用不織布を得た。
(実施例8)
熱融着性バインダー繊維としてPET全融型バインダー繊維(ユニチカ製、商品名:#4000、2.2デシテックス×10mm、融点110℃)を用いた以外は実施例2と同じ方法で加工を行い、実施例8のウェットワイパー用不織布を得た。
(比較例1)
叩解パルプ繊維(B)を用いた以外は実施例2と同じ方法で加工を行い、比較例1のウェットワイパー用不織布を得た。
(比較例2)
叩解パルプ繊維(E)を用いた以外は実施例2と同じ方法で加工を行い、比較例2のウェットワイパー用不織布を得た。
(比較例3)
水流絡合処理を行わず、すなわち、円網抄紙機で抄造した抄造ウェブをパッダーにて水を絞った後、エアドライヤーを用い、130℃で乾燥を行うと共に熱融着性バインダー繊維を溶融固着させた以外は実施例2と同じ方法で加工を行い、比較例3のウェットワイパー用不織布を得た。
(比較例4)
熱融着性バインダー繊維としてPET/PE芯鞘複合繊維(帝人ファイバー製、商品名:TJ04EN SD、1.2デシテックス×10mm:鞘部融点130℃)を用い、高圧柱状水流絡合処理後のエアドライヤー温度を110℃とし、熱融着性バインダー繊維を溶融固着させなかった以外は実施例2と同じ方法で加工を行い、比較例4のウェットワイパー用不織布を得た。
(比較例5)
叩解パルプ繊維を用いず、熱融着性バインダー繊維としてPET/PET−COポリマー芯鞘複合繊維(ユニチカ製、商品名:#4080、2.2デシテックス×10mm、鞘部融点110℃)、その他の繊維としてPET繊維(帝人ファイバー製、商品名:TA04NSD、0.6デシテックス×10mm)をそれぞれ60/40とする配合とした以外は実施例1と同じ方法で加工を行い、比較例5のウェットワイパー用不織布を得た。
(比較例6)
熱融着性バインダー繊維を用いず、叩解パルプ繊維(A)、その他の繊維としてPET繊維(帝人ファイバー製、商品名:TA04NSD、0.6デシテックス×10mm)をそれぞれ60/40とする配合とした以外は実施例1と同じ方法で加工を行い、比較例6のウェットワイパー用不織布を得た。
上記の実施例1〜8、比較例1〜6で得られたウェットワイパー用不織布について、上述した評価試験により評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2013167028
上記表1より、実施例1〜8に示す通り、本発明のウェットワイパー用不織布は、保液性、湿潤強度に優れるだけではなく、実使用感、使用時の繊維脱落が良好なことが判る。一方、比較例1〜6に示したように、不織布を構成する繊維の種類や配合が本発明の範囲外の場合、本発明のウェットワイパー用不織布に比べて、保液性、湿潤強度、実使用感、使用時の繊維脱落の何れかが大きく劣ることが判る。実施例2と実施例7及び8との比較から、熱融着性バインダー繊維として芯鞘複合繊維を用いた方が、全融型バインダー繊維を用いた場合よりも、保液性及び使用時の繊維脱落の評価において、より優れていることが判る。
本発明のウェットワイパー用不織布は、保液性、湿潤強度、強く体を擦った際の実使用感、繊維脱落に優れており、薬液等の吸液性に優れると共に、拭き取り時にシートの変形や繊維脱落がないことから、汗拭き取りシート等の対人向けウェットワイパー用途に用いることができる。

Claims (2)

  1. 熱融着性バインダー繊維、JIS P 8121に準拠したカナディアンスタンダードフリーネスが300〜700mlのパルプ繊維を含有し、これらの各繊維同士が高圧柱状水流により3次元的に絡合され、且つ、熱融着性バインダー繊維の溶融による固着部位を有することを特徴とするウェットワイパー用不織布。
  2. 熱融着性バインダー繊維が芯鞘複合繊維である請求項1記載のウェットワイパー用不織布。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015158032A (ja) * 2014-02-25 2015-09-03 ユニ・チャーム株式会社 複数種の繊維を含むシート用の脱水機,上記シートを脱水する方法,及びウェットティッシュ用不織布の製造方法
KR20170045309A (ko) 2014-09-30 2017-04-26 구라레 구라후렛쿠스 가부시키가이샤 와이핑 시트
JP2020519781A (ja) * 2017-05-15 2020-07-02 ヤコブ・ホルム・ウント・ソンズ・アーゲーJacob Holm & Sons Ag 水流交絡エアレイドプロセスおよび産業用ワイプ製品

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