JP2002235268A - 粉体固着不織布、その製法、及びそれを含むシート材料 - Google Patents

粉体固着不織布、その製法、及びそれを含むシート材料

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JP2002235268A
JP2002235268A JP2001373171A JP2001373171A JP2002235268A JP 2002235268 A JP2002235268 A JP 2002235268A JP 2001373171 A JP2001373171 A JP 2001373171A JP 2001373171 A JP2001373171 A JP 2001373171A JP 2002235268 A JP2002235268 A JP 2002235268A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小粒径の粉体であっても脱落しにくく、粉体
本来の機能を発揮することのできる粉体固着不織布、そ
の製法、及び前記粉体固着不織布を含むシート材料を提
供する。 【解決手段】 粉体固着不織布は、粉体と、繊維径が4
μm以下で繊維長が3mm以下の極細短繊維とを分散し
た状態で含む、湿式法以外の方法により形成した粉体含
有繊維ウエブから形成する。製法は、極細短繊維の集合
体及び粉体を圧縮気体の作用によりノズルから気体中に
噴出させて極細短繊維に分割させ、極細短繊維及び粉体
を分散させる工程、分散した極細短繊維及び粉体を集積
して粉体含有繊維ウエブを形成する工程、及び粉体含有
繊維ウエブを結合させる工程を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉体を固着した不
織布、すなわち、粉体固着不織布、その製法、及びそれ
を含むシート材料に関する。
【0002】
【従来の技術】粉体を固着した繊維材料としては、例え
ば、特開昭63−135550号公報に、粉末状結合剤
を担持した繊維材料が記載されている。しかしながら、
この繊維材料は、ガラス繊維強化プラスチック成型品の
製造用出発材料であり、ガラス繊維として、単繊維直径
が5〜20μmで長さが4〜25mmの繊維を使用して
いるため、小粒径の粉体は振動や衝撃を与えると脱離し
やすく、しっかりと固着することのできないものであ
る。また、特開平7−313863号公報には、繊維強
化プラスチック成形品を成形する前段階の予備成形体を
製造するのに当たり、ガス流を利用して強化用繊維と粉
末状樹脂とを混合するエアーミキシング方法が記載され
ている。しかしながら、この方法において用いる強化用
繊維は、太く、しかも長い繊維であることは明らかであ
り、前記と同様の欠点を有している。
【0003】また、不織布に粉体を固着させる方法とし
ては、例えば、繊維ウエブで粉体を挟み込んだ後に、ニ
ードルパンチなどで粉体を繊維間に物理的に閉じ込めて
固定する方法や、更に固着性を高めるために、熱接着繊
維を含む繊維ウエブで粉体を挟み込んだ後に、加熱処理
により粉体と繊維や繊維間同士を接着する方法が知られ
ていた。しかしながら、平均粒径が50μm以下の小粒
径の粉体は、振動や衝撃を与えると脱離しやすく、平均
粒径が50μmを越えるような比較的粒径の大きい粉体
しか固着することができないという欠点があった。一
方、繊維ウエブに、より緻密な構造をもたせることによ
り、平均粒径が50μm以下の小粒径の粉体の保持性を
向上させる方法として、湿式法により繊維と一緒に粉体
を漉き込む方法が知られている。しかしながら、この湿
式法で使用するスラリー中には界面活性剤や糊剤が添加
されるため、これら界面活性剤や糊剤が粉体の表面を被
覆してしまい、粉体本来の機能が失われ易いという欠点
があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記のよ
うな問題点を解決するために、小粒径の粉体であっても
脱落しにくく、粉体本来の機能を発揮することのでき
る、粉体固着不織布及びその製造方法の開発を目指して
鋭意研究した結果、粉体が本来の機能を失わないように
するためには、湿式法以外の方法により形成された繊維
ウエブを使用する必要があること、及び粉体の不織布か
らの脱落を防ぐためには、一定の太さ以下かつ一定の長
さ以下の極細短繊維を分散させ、極細短繊維を粉体の周
囲に存在させる(好ましくはクモの巣状に絡ませる)こ
とにより、極細短繊維間の空隙を小さくすることによっ
て、上記の課題を解決することができることを見出し
た。本発明は、こうした知見に基づくものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、粉体
と、繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以下の極細短
繊維とを分散した状態で含む、湿式法以外の方法により
形成した粉体含有繊維ウエブから形成した粉体固着不織
布に関する。
【0006】前記の粉体固着不織布において、前記粉体
の平均粒径が50μm以下であると、粉体の機能を最大
限に発揮することができる。また、粉体固着不織布の全
質量に対する前記極細短繊維の質量比率が1〜40ma
ss%であると、粉体量が多いため、粉体の機能を最大
限に発揮することができる。更に、付着物の付着率が
0.5mass%以下であると、付着物によって粉体の
機能が阻害されない。
【0007】本発明者は、極細短繊維の集合体若しくは
それらの集合体群、及び/又は、機械的に分割して極細
短繊維を発生可能な分割性繊維、若しくはそれらの集合
体を、粉体と共に、圧縮気体の作用によりノズルから気
体中に噴出させると、前記の極細短繊維の集合体若しく
はそれらの集合体群、及び/又は、機械的に分割して極
細短繊維を発生可能な分割性繊維、若しくはそれらの集
合体などが開繊され、分散されると共に、粉体の分散も
進み、個々の粉体を極細短繊維がクモの巣状に絡合する
ことも見出した。
【0008】従って、本発明は、繊維径が4μm以下で
繊維長が3mm以下の極細短繊維の集合体若しくはそれ
らの集合体群、及び/又は、機械的に分割して繊維径が
4μm以下で繊維長が3mm以下の極細短繊維を発生可
能な分割性繊維、若しくはそれらの集合体を、粉体と共
に、圧縮気体の作用によりノズルから気体中に噴出させ
て、前記極細短繊維集合体若しくはそれらの集合体群を
極細短繊維に分割させ、及び/又は、分割性繊維若しく
はそれらの集合体を極細短繊維に分割させると共に粉体
を分散させる工程、分散した極細短繊維及び粉体を集積
して粉体含有繊維ウエブを形成する工程、及び得られた
粉体含有繊維ウエブから不織布を形成する際に、前記粉
体含有繊維ウエブ中に含まれている粉体を固着させる工
程、を含むことを特徴とする、粉体固着不織布の製造方
法にも関する。
【0009】更に、本発明は、粉体と、繊維径が4μm
以下で繊維長が3mm以下の極細短繊維とを分散した状
態で含む、湿式法以外の方法により形成した粉体含有繊
維ウエブから形成した粉体固着不織布の層少なくとも1
層を含有することを特徴とする、シート材料にも関す
る。前記シート材料は、前記粉体固着不織布層の少なく
とも片面に、粉体を含まない層(粉体不含層)、例え
ば、粉体脱落防止層を更に有することができ、この脱落
防止層により、一層確実に粉体の脱落を防止することが
できる。
【0010】更にまた、本発明は、繊維径が4μm以下
で繊維長が3mm以下の極細短繊維の集合体若しくはそ
れらの集合体群、及び/又は、機械的に分割して繊維径
が4μm以下で繊維長が3mm以下の極細短繊維を発生
可能な分割性繊維、若しくはそれらの集合体を、粉体と
共に、圧縮気体の作用によりノズルから気体中に噴出さ
せて、前記極細短繊維集合体若しくはそれらの集合体群
を極細短繊維に分割させ、及び/又は、分割性繊維若し
くはそれらの集合体を極細短繊維に分割させると共に粉
体を分散させる工程、分散した極細短繊維及び粉体を集
積して粉体含有繊維ウエブを形成する工程、及び得られ
た粉体含有繊維ウエブから不織布を形成する際に、前記
粉体含有繊維ウエブ中に含まれている粉体を固着させ、
更に、それらと同時に粉体を含まない層を結合させる工
程、を含むことを特徴とする、粉体固着不織布層含有シ
ート材料の製造方法にも関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の粉体固着不織布は粉体の
保持性に優れているように、繊維径が4μm以下の極細
短繊維を含んでいる。極細短繊維の繊維径が小さければ
小さい程、粉体の保持性に優れ、より粒径の小さい粉体
を保持できるため、極細短繊維の繊維径は3μm以下で
あるのが好ましく、2μm以下であるのがより好まし
い。なお、極細短繊維の繊維径の下限は特に限定するも
のではないが、0.01μm程度が適当である。本明細
書における「繊維径」は、繊維の横断面形状が円形であ
る場合にはその直径をいい、繊維の横断面形状が非円形
である場合には横断面積と面積の同じ円の直径をいう。
【0012】本発明の粉体固着不織布を構成する極細短
繊維は均一分散性に優れているように、その繊維長は3
mm以下である。すなわち、繊維長が3mmを越えるよ
うな極細繊維であると、極細繊維の自由度が低いため分
散性が低下する。より好ましい繊維長は2mm以下であ
る。なお、極細短繊維の繊維長の下限は特に限定するも
のではないが、0.1mm程度が適当である。また、繊
維長が均一であるように、3mm以下の繊維長に切断さ
れた極細短繊維であるのが好ましい。本明細書における
「繊維長」は、JIS L 1015(化学繊維ステー
プル試験法)B法(補正ステープルダイヤグラム法)に
より得られる長さをいう。
【0013】本発明で用いる極細短繊維は、任意の成分
(例えば、有機成分又は無機成分)から構成することが
でき、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコー
ル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリ塩化ビニル
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリロニトリル系
樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系
樹脂、ポリプロピレン系樹脂など)、ポリスチレン系樹
脂(例えば、結晶性ポリスチレン、非晶性ポリスチレン
など)、全芳香族ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹
脂などの有機成分、ガラス、炭素、チタン酸カリウム、
炭化珪素、窒化珪素、酸化亜鉛、ホウ酸アルミニウム、
ワラストナイトなどの無機成分から構成することができ
る。
【0014】一般的には、極細短繊維が有機成分からな
ると、無機成分からなる場合よりも剛性が低く、柔らか
いため、極細短繊維が絡まりやすくなり、均一に分散す
ることが困難になるので、極細短繊維を含有することの
利点を得ることが困難になるにもかかわらず、本発明の
粉体固着不織布では、極細短繊維が均一に分散している
ため、極細短繊維が有機成分からなることによる利点
(例えば、嵩高性、風合い又は弾力性)を向上させるこ
とができる。
【0015】なお、本発明による粉体固着不織布が不織
布形態を保つために、繊維同士が結合しているのが好ま
しいが、極細短繊維が融着可能であると、極細短繊維の
融着によって不織布形態を保つことができ、極細短繊維
及び粉体の脱落も生じにくいため好適である。この融着
可能な極細短繊維は、極細短繊維表面を構成する成分の
少なくとも一部が熱可塑性樹脂から構成されているのが
好ましい。例えば、極細短繊維表面を構成する成分が、
ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、
ポリプロピレン系樹脂など)、ポリ塩化ビニリデン系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、結晶性ポ
リスチレン系樹脂などの結晶性の熱可塑性樹脂、あるい
はポリ塩化ビニル系樹脂、非晶性ポリスチレン系樹脂、
ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリビニルアルコール系
樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂などの非晶性の熱可塑性樹脂
であることができる。これらの中でも、比較的融点の低
いポリエチレン系樹脂や同じく比較的融点の低いポリ酢
酸ビニル樹脂が好ましい。なお、ガラス繊維などの無機
繊維や銅繊維などの金属繊維を用いることもできる。
【0016】この融着可能な極細短繊維が2種類以上の
成分から構成されていると、1種類の成分が融着したと
しても、少なくとも1種類の成分によって繊維形態を維
持することができるため好適である。この2種類以上の
成分から構成されている場合の融着可能な極細短繊維の
横断面形状は、例えば、芯鞘型、偏芯型、海島型、サイ
ドバイサイド型、多重バイメタル型、オレンジ型である
ことができる。
【0017】本発明で用いる極細短繊維は、粉体固着不
織布の地合いが優れているように、各極細短繊維が、そ
の繊維軸方向において直径が実質的に変化しない(すな
わち、実質的に同じ直径を有している)のが好ましい。
このように、個々の極細短繊維において繊維軸方向に直
径が実質的に同一で変化していない極細短繊維は、例え
ば、紡糸口金部で海成分中に口金規制して島成分を押し
出して複合する複合紡糸法で得た海島型繊維の海成分を
除去して得ることができる。一般的に、前記の海島型繊
維の海成分を除去して極細短繊維を形成する場合は、島
成分から誘導された各極細短繊維が束状集合体として存
在して極細短繊維が相互に接近しているために絡みやす
く、均一に分散させることが困難になるので、極細短繊
維を含有することの利点を得ることが困難になるが、本
発明の粉体固着不織布では、束状の極細短繊維集合体を
使用しても、極細短繊維が束の状態で存在しておらず、
均一に分散させることができるため、極細短繊維を含有
することの利点を得ることができる。また、海島型繊維
から海成分を除去して形成した束状の極細短繊維集合体
は、一般に凝集しやすいため、分散させるのが困難であ
るが、本発明においては分散させることができるので、
極細短繊維を含有することの利点を得ることができる。
【0018】また、本発明で用いる極細短繊維は未延伸
状態であることもできるが、強度的に優れているよう
に、延伸状態にあるのが好ましい。
【0019】本発明の粉体固着不織布は、前述のような
極細短繊維が分散した繊維ウエブに、粉体が固着してい
るため、この極細短繊維によって粉体を保持して脱落を
防止することができる。なお、この繊維ウエブは湿式法
ではない方法により形成されたものであるため、湿式法
により形成した繊維ウエブのように、界面活性剤や糊剤
によって粉体が被覆されておらず、粉体本来の機能を発
揮できるものである。この湿式法ではない方法、すなわ
ち、湿式法以外の方法とは、界面活性剤及び/又は糊剤
を含むスラリーを用いて極細短繊維及び粉体を分散させ
る方法と異なるものである限り特に限定されるものでは
ないが、例えば、気体を分散媒体として繊維ウエブを形
成する方法を挙げることができる。特には、気体中に分
散させた極細短繊維を降下堆積させた後、適当な固定方
法(例えば、熱融着方法)によって固定する方法が好ま
しい。
【0020】本発明で用いる粉体は、有機粉末、無機粉
末、あるいは金属粉末、又は有機物と無機物との複合粉
末(例えば、有機樹脂被覆無機粉末)などであることが
でき、種類は特に限定されず、粉体固着不織布を適用す
る用途によって適宜選択することができる。例えば、粉
体固着不織布をオゾンを分解する用途に使用する場合に
は、前記粉体として活性炭などを使用することができ、
粉体固着不織布をイオン交換用途に使用する場合には、
イオン交換樹脂粉末などを使用することができ、粉体固
着不織布を触媒用途に使用する場合には、二酸化マンガ
ン、白金、又は酸化チタンなどの触媒粉末などを使用す
ることができ、粉体固着不織布を脱臭や消臭用途に使用
する場合には、脱臭剤粉末や消臭剤粉末などを使用する
ことができ、粉体固着不織布を繊維強化プラスチック
(FRP)やシート状プリプレグ(sheet mol
ding compound;SMC)などの用途に使
用する場合には、熱接着性樹脂粉末などを使用すること
ができ、粉体固着不織布を船や浴槽などの繊維強化プラ
スチック(オーバーレイ)などの用途に使用する場合に
は、熱硬化性樹脂粉末などを使用することができ、ある
いは粉体固着不織布を耐火ボードに使用する場合には、
無機粉末などを使用することができる。
【0021】なお、粉体として、例えば、熱融着性樹脂
粉体(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなど)、
熱硬化性樹脂粉体(例えば、熱硬化性ポリエチレンテレ
フタレート、フェノール樹脂)、無機粉体(例えば、ガ
ラス)、金属粉体(例えば、亜鉛、アルミニウム、錫な
ど)を含んでいると、これら粉体の接着作用によって粉
体を粉体固着不織布に確実に固着することができるた
め、好適である。
【0022】また、粉体自体の表面の一部として熱融着
性樹脂を含んでいると、この熱融着性樹脂によって粉体
を粉体固着不織布に確実に固着することができるため、
好適な実施態様の一つである。
【0023】本発明の粉体固着不織布においては、前述
のような極細短繊維を使用しているため、従来は脱落し
やすかった平均粒径が50μm以下の粉体であっても脱
落することなく保持することができる。この粉体は主と
して極細短繊維によって保持されているため、極細短繊
維の繊維径によって保持することのできる粉体も変化す
る。すなわち、本発明の粉体固着不織布においては、保
持すべき粉体の平均粒径に応じて、適切な繊維径を有す
る極細短繊維を選択することができる。例えば、極細短
繊維の繊維径と最適な粉体の平均粒径との関係は表1の
ようになる。
【0024】
【表1】
【0025】なお、粉体の平均粒径が50μmを越えて
いても、前述のような繊維ウエブにより粉体を保持する
ことができる。本発明における粉体の「平均粒径」は、
コールターカウンター法により得られる値をいう。
【0026】このような粉体は前述のような繊維ウエブ
によって固着された状態にあるため、粉体固着不織布か
ら粉体は脱落しない。この「固着された状態」とは、粉
体が固定された状態を意味し、例えば、粉体の周囲を主
として極細短繊維が包囲していることにより粉体を固定
した状態、極細短繊維及び/又は後述する太繊維の融着
によって粉体を固定した状態、あるいはこれら複数の要
因によって粉体を固定した状態などをいう。
【0027】本発明による粉体固着不織布において、前
述のような極細短繊維の質量比率は、粉体の平均粒径、
比重、あるいは極細短繊維の繊維径によって異なるが、
40mass%以下であれば、平均粒径50μm以下程
度の粒径の小さい粉体であっても脱落しないように保持
することができ、20mass%以下でも殆ど粉体が脱
落しない粉体固着不織布であることができ、10mas
s%以下でも実用上問題なく、かつ実用上取り扱いの際
の強度的にも問題ない粉体固着不織布であることができ
る。他方、極細短繊維の質量比率が1mass%以上で
あれば、粉体が脱落しにくく、実用的な取り扱い強度を
有するものである。
【0028】本発明の粉体固着不織布においては、少な
くとも、前述のような極細短繊維が分散しているため、
極細短繊維を含んでいることによる効果を発揮すること
ができる。この粉体固着不織布構成繊維における極細短
繊維の含有量は、極細短繊維を含んでいることによる効
果を発揮することができるように、20mass%以上
であるのが好ましく、50mass%以上であるのがよ
り好ましく、100mass%であるのが最も好まし
い。
【0029】本発明の粉体固着不織布においては、前記
の極細短繊維以外の繊維として、(1)繊維径が4μm
を越えるが繊維長が3mm以下の繊維(以下、太繊維と
称する)、(2)繊維径が4μm以下であるが繊維長が
3mmを越える繊維(以下、長繊維と称する)、あるい
は(3)繊維径が4μmを越え、しかも繊維長が3mm
を越える繊維(以下、太長繊維と称する)を使用するこ
とができる。これらの中でも、繊維長が3mmを越える
長繊維及び太長繊維は分散性が悪く、極細短繊維の分散
性を損なう場合があるため、繊維長が3mm以下の太繊
維を使用するのが好ましい。
【0030】前記の太繊維を使用する場合、繊維径の上
限は特に限定するものではないが、極細短繊維との繊維
径の差が大きすぎると、粉体固着不織布の地合いを損ね
る場合があるため、太繊維の繊維径の上限は50μm程
度であるのが好ましい。なお、前記の太繊維も分散性に
優れるように、2mm以下であるのが好ましい。下限は
特に限定するものではないが、0.1mm程度が適当で
ある。また、前記の太繊維も均一な長さであるように、
3mm以下の長さに切断されたものであるのが好まし
い。
【0031】この太繊維も極細短繊維と同様の成分から
構成することができる。すなわち、例えば、ポリアミド
系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニリ
デン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹
脂など)、ポリスチレン系樹脂(結晶性ポリスチレン、
非晶性ポリスチレンなど)、全芳香族ポリアミド系樹
脂、ポリウレタン系樹脂などの有機成分、ガラス、炭
素、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、酸化亜
鉛、ホウ酸アルミニウム、ワラストナイトなどの無機成
分から構成することができる。
【0032】なお、前記の太繊維が融着可能な場合に
は、太繊維の融着によって本発明による粉体固着不織布
の不織布形態を維持することができる。この融着可能な
太繊維は、太繊維表面を構成する成分の少なくとも一部
を熱可塑性樹脂から構成することができる。例えば、太
繊維表面を構成する成分が、ポリオレフィン系樹脂(例
えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂な
ど)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリアミド系樹脂、結晶性ポリスチレン系樹脂など
の結晶性の熱可塑性樹脂、あるいはポリ塩化ビニル系樹
脂、非晶性ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリル
系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂などの非晶性の熱
可塑性樹脂であることができる。これらの中でも、比較
的融点の低いポリエチレン系樹脂や同じく比較的融点の
低いポリ酢酸ビニル樹脂が好ましい。なお、ガラス繊維
などの無機繊維や銅繊維などの金属繊維であることもで
きる。
【0033】この融着可能な太繊維が融点の異なる2種
類以上の成分から構成されていると、1種類の成分が融
着したとしても、少なくとも1種類の他の成分によって
繊維形態を維持することができるため好適である。融着
可能な太繊維が2種類以上の成分から構成されている場
合、融着可能な太繊維の横断面形状は、例えば、芯鞘
型、偏芯型、海島型、サイドバイサイド型、多重バイメ
タル型、又はオレンジ型であることができる。また、こ
の太繊維は未延伸状態であってもよいが、強度的に優れ
ているように、延伸状態にあるのが好ましい。
【0034】本発明の粉体固着不織布に付着している付
着物(界面活性剤や糊剤など)の付着率は、粉体が付着
物によってその機能を損なうことがないように、0.5
mass%以下であるのが好ましい。この付着物の付着
率が少なければ少ない程、粉体の機能を損なわないた
め、付着率は、好ましくは0.3mass%以下、より
好ましくは0.1mass%以下、更により好ましくは
0.08mass%以下、更により好ましくは0.06
mass%以下、更により好ましくは0.04mass
%以下、更により好ましくは0.02mass%以下で
ある。このような付着物の低い付着率は、従来の湿式法
によっては得ることのできないレベルである。なお、界
面活性剤や糊剤の付着した湿式繊維ウエブ(粉体を含
む)に対して、水流などを作用させたとしても、付着物
の付着率を0.5mass%以下とすることは困難であ
る。
【0035】なお、本発明の粉体固着不織布において、
付着物の付着率が低いと、粉体固着不織布使用中に付着
物が脱離する危険性が極めて低いことによって、様々な
好ましい効果をもたらす。例えば、一般的に、通常の不
織布をフィルタとして使用した場合、濾過前の流体中に
含まれている塵埃をフィルタで物理的に除去することが
できても、フィルタ(不織布)自体が汚染物質を発生す
ると、フィルタとしての役割が半減してしまう。これに
対して、本発明の粉体固着不織布、あるいは、前記粉体
固着不織布層少なくとも1層を含有する本発明によるシ
ート材料は、付着物量が少なく、付着物が脱離する可能
性が極めて低いため、フィルタとして好適に使用するこ
とができる。
【0036】この付着物の付着率は、粉体固着不織布の
質量に対する付着物の質量の百分率をいう。すなわち、
次の式(1): A=(ms/mf)×100 (1) 〔ここで、Aは付着物の付着率(%)、msは付着物の
付着質量(g)、mfは粉体固着不織布の質量(g)
を、それぞれ意味する〕により得られる値をいう。ま
た、本明細書における「付着物」には、粉体固着不織布
を熱水(例えば、80〜100℃の水)に15分間浸漬
することによって得られる抽出物(以下、熱水抽出物と
称する)、及び粉体固着不織布を熱メタノール溶液に1
5分間浸漬することによって得られる抽出物(以下、熱
メタノール抽出物と称する)の両方が含まれる。熱水抽
出物として、糊剤(例えば、アクリルアミド、ポリアク
リル酸ソーダ、ポリアルギン酸ソーダ、ポリエチレンオ
キサイド、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコ
ールなど)があり、熱メタノール抽出物として、界面活
性剤(親水基と親油基の両方を有する化合物、例えば、
ノニオン系界面活性剤)がある。
【0037】本発明の粉体固着不織布は、この不織布を
構成している繊維(極細短繊維、太繊維など)及び/又
は粉体が融着しているのが好ましい。このように融着し
ていると、この融着によって更に粉体が脱落しにくいた
めである。
【0038】本発明の粉体固着不織布は、1層である必
要はなく、粉体が固着し、極細短繊維が分散した層を2
層以上含んでいることができる。粉体が固着し、極細短
繊維が分散した層2層以上を備えていると、様々な特性
を付与することができる。例えば、イオン交換樹脂粉末
が固着している粉体固着不織布層と脱臭剤粉末が固着し
ている粉体固着不織布層とを備えた粉体固着不織布はイ
オン交換性能と脱臭性能とを併せ持つものである。
【0039】本発明の粉体固着不織布は、前述のような
粉体が固着した粉体固着不織布層のみから構成されてい
ても、粉体が脱落しにくい十分実用的なものであるが、
粉体が微量でも脱落してはいけない場合には、前述のよ
うな粉体が固着した粉体固着不織布層の粉体が脱落して
はいけない面側(少なくとも片面)に、粉体不含層、例
えば、粉体の脱落を防止することのできる脱落防止層を
更に備えているのが好ましい。
【0040】この脱落防止層は、粉体の脱落を防止する
機能を有する限り、特に限定されるものではないが、粉
体固着不織布層を構成する極細短繊維と繊維径が同じ
か、それよりも繊維径の細い極細短繊維(すなわち、繊
維径が4μm以下)を含む繊維ウエブに由来する不織布
であるのが好ましい。もっとも、繊維径は、固着されて
いる粉体の平均粒径によっても異なる。この不織布は、
例えば、極細短繊維の融着によって不織布形態を維持し
ている。このような不織布は、例えば、後述のような粉
体固着不織布層を形成する際に、粉体を供給しない方法
により製造することができるし、極細短繊維を通常の湿
式法により繊維ウエブを形成した後、極細短繊維の融着
性を利用したり、水流などの流体流により絡合したり、
あるいはこれらを併用して製造することもできる。
【0041】また、粉体の平均粒径によっては、メルト
ブロー法により得られる不織布や、機械的に分割可能な
繊維を含む繊維ウエブを乾式法又は湿式法により形成し
た後、水流などの流体流によって絡合させた不織布など
を脱落防止層として使用することができる。
【0042】この脱落防止層の目付は脱落防止層を構成
する繊維、構造、粉体の平均粒径などによって異なるた
め、特に限定されるものではないが、目付が1g/m2
以上であれば、実用的に全く問題のない脱落防止層とな
りうる。
【0043】本発明の粉体固着不織布は、極細短繊維及
び粉体を含んでいることによる各種特性に優れているた
め、本発明の粉体固着不織布の形態で、あるいは、前記
粉体固着不織布層少なくとも1層を含むシート材料の形
態で、例えば、電子写真装置用、トイレ用脱臭用、又は
オゾン発生装置用などのオゾン分解用シート;イオン交
換水精製機などのイオン交換用シート;自動車用、又は
化学反応装置用などの触媒用シート;生活用品用、生理
用品用、フィルタ用、又は靴用などの脱臭又は消臭シー
ト;繊維強化プラスチック(FRP)やシート状プリプ
レグ(SMC);あるいは耐火ボードなどの各種用途に
使用することができる。
【0044】本発明の粉体固着不織布は、例えば次の方
法によって製造することができる。まず、前記の粉体
と、繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以下の極細短
繊維の集合体(特には、束状の集合体)若しくはそれら
の集合体群(特には、複数の束状集合体を束状で含む集
合体群)、及び/又は、機械的に分割して繊維径が4μ
m以下で繊維長が3mm以下の極細短繊維を発生可能な
分割性繊維、若しくはそれらの集合体(特には、束状の
集合体)を準備する。なお、前記極細短繊維集合体若し
くはそれらの集合体群、及び/又は、極細短繊維発生可
能分割性繊維若しくはそれらの集合体として、付着物
(界面活性剤、又は糊剤など)の付着率が0.5mas
s%以下(好ましくは0.3mass%以下、より好ま
しくは0.1mass%以下、更により好ましくは0.
08mass%以下、更により好ましくは0.06ma
ss%以下、更により好ましくは0.04mass%以
下、更により好ましくは0.02mass%以下)の前
記極細短繊維集合体若しくはそれらの集合体群、及び/
又は、極細短繊維発生可能分割性繊維若しくはそれらの
集合体を使用すると、本発明の粉体固着不織布の製造が
容易になる。
【0045】この付着物の付着率の少ない極細短繊維集
合体若しくはそれらの集合体群、又は、極細短繊維発生
可能分割性繊維若しくはそれらの集合体は、例えば、繊
維径が4μm以下で繊維長が3mm以下の市販極細短繊
維集合体若しくはそれらの集合体群、又は、極細短繊維
発生可能分割性繊維若しくはそれらの集合体を用意した
後、アセトンなどの溶媒により、付着物の付着率が0.
5mass%以下となるまで洗浄して得ることができ
る。あるいは、付着物の付着率の少ない極細短繊維集合
体若しくはそれらの集合体群は、例えば、複合紡糸法や
混合紡糸法により製造した海島型繊維又は海島型繊維の
群の海成分を、抽出除去して得ることができる。また、
海島型繊維から海成分を抽出除去した後に、アセトンな
どの溶媒により洗浄すれば、より付着物量を少なくする
ことができる。なお、付着物を除去すると、極細短繊維
表面に静電気が発生しやすくなり、極細短繊維が相互に
反発して分散しやすくなる。
【0046】なお、極細短繊維集合体若しくはそれらの
集合体群中の極細短繊維が絡んだ状態にあると、後述の
ような圧縮気体の作用によっても、極細短繊維を均一に
分散させるのが困難になる傾向があったり、圧縮気体を
何度も作用させる必要が生じるため、極細短繊維集合体
若しくはそれらの集合体群中の極細短繊維は絡んだ状態
にないのが好ましい。例えば、機械的に分割可能な分割
性繊維をビーターなどによって叩解した極細短繊維集合
体や、ビーターなどによって叩解したパルプや、あるい
はフラッシュ紡糸法により得られた極細短繊維集合体な
どは、極細短繊維同士が絡んだ状態にあるため使用しな
いのが好ましい。なお、圧縮気体の作用によって機械的
に分割して、繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以下
の極細短繊維を発生可能な極細短繊維発生可能分割性繊
維若しくはそれらの集合体(例えば、全芳香族ポリアミ
ド短繊維若しくはそれらの集合体、溶剤抽出法により得
られたセルロース短繊維若しくはそれらの集合体など)
は使用することができる。また、前記の太繊維若しくは
それらの集合体を使用する場合も、アセトン洗浄などを
予め実施して付着物の付着率の少ない状態とするのが好
ましい。
【0047】次いで、前述のような前記極細短繊維集合
体若しくはそれらの集合体群、及び/又は、極細短繊維
発生可能分割性繊維若しくはそれらの集合体(場合によ
り、更に太繊維若しくはそれらの集合体)を、前述のよ
うな粉体と共に、ノズルへ供給するとともに、それらに
圧縮気体を作用させることにより、ノズルから気体中に
噴出させ、前記極細短繊維集合体若しくはそれらの集合
体群から極細短繊維に分割し、それらの極細短繊維を分
散させ、及び/又は極細短繊維発生可能分割性繊維若し
くはそれらの集合体から極細短繊維を発生させ、それら
の極細短繊維を分散させる。なお、太繊維若しくはそれ
らの集合体を含んでいる場合には、太繊維を分散させる
か、あるいは集合体から太繊維を分割し、そして分散さ
せる。それらの分散と共に、前述のような粉体も同時に
分散させる。
【0048】ノズルへ供給する気体の流れが実質的に層
流であるのが好ましい。層流であると、極細短繊維同士
の絡みが生じにくいため、極細短繊維が分散しやすくな
る。一般的に、ノズル中を通過する繊維の繊維径が4μ
m以下(特には2μm以下)と細く、剛性が低い(柔ら
かい)場合、束状の極細短繊維集合体若しくはそれらの
集合体群(特に、海島型繊維の島成分から誘導される束
状極細短繊維集合体若しくはそれらの集合体群)の場
合、あるいは極細短繊維が有機成分からなり剛性が低い
(柔らかい)場合には、絡みやすくなる。しかし、この
ような場合でも、ノズルへ供給する気体の流れを実質的
に層流とすることによって、絡みを抑制することができ
る。なお、ノズルとしてベンチュリー管を使用すること
により、ノズルを通過する気体の流れを実質的に層流と
することができる。
【0049】このノズルは、前記粉体と、前記極細短繊
維集合体などの供給側から噴出側に向かって(流れ方向
に)、一定の横断面積を有するものであることもできる
が、流れ方向に連続的に又は不連続的に横断面積が小さ
くなるか大きくなるものであることも、流れ方向に連続
的に又は不連続的に横断面積が大きくなった後に小さく
なるように変化するものであることも、あるいは流れ方
向に連続的に又は不連続的に横断面積が小さくなった後
に大きくなるように変化するものであることもできる。
また、前記ノズル噴出口から噴出させた前記粉体、並び
に束状の極細短繊維集合体(若しくはそれらの集合体
群)及び/又は極細短繊維発生可能繊維(若しくはそれ
らの集合体)を、前記ノズル噴射口の前方に設けられた
衝突部材(例えば、邪魔板)に衝突させ、前記粉体、並
びに束状の極細短繊維集合体若しくはそれらの集合体群
及び/又は極細短繊維発生可能分割性繊維(若しくはそ
れらの集合体)からの極細短繊維の発生効率及び発生し
た極細短繊維の分散効率を向上させることができる。特
に、ノズルへ供給する気体の流れを実質的に層流とする
場合には、粉体及び極細短繊維を分割し分散させる作用
が乏しいため、衝突部材(例えば、邪魔板)を設けて分
散を促進するのが好ましい。
【0050】圧縮気体としては任意の気体を利用するこ
とができ、空気を用いるのが粉体固着不織布の製造上好
適である。また、圧縮気体は、粉体を分散させるととも
に、前記極細短繊維集合体若しくはそれらの集合体群を
充分に分散することができ、及び/又は極細短繊維発生
可能分割性繊維若しくはそれらの集合体を極細短繊維に
分割して充分に分散させることができるように、ノズル
の噴出口における気体通過速度が100m/sec以上
であるのが好ましい。この「気体通過速度」は、ノズル
から噴出された気体の1気圧における流量(m3/se
c)を、ノズル噴出口における横断面積(m2)で除し
た値をいう。また、圧縮気体の圧力は、粉体を分散させ
るとともに、前記極細短繊維集合体若しくはそれらの集
合体群を充分に分散、及び/又は極細短繊維発生可能分
割性繊維若しくはそれらの集合体を極細短繊維に分割
し、充分に分散させることができるように、2kg/c
2以上であるのが好ましい。
【0051】また、ノズルから噴出された粉体を分散さ
せるとともに、前記極細短繊維集合体若しくはそれらの
集合体群を極細短繊維に分割し、充分に分散し、及び/
又は極細短繊維発生可能分割性繊維若しくはそれらの集
合体を極細短繊維に分割し、充分に分散させる分散媒体
としての気体は、特に限定されるものではないが、空気
であるのが粉体固着不織布の製造上好適である。
【0052】なお、前記極細短繊維集合体若しくはそれ
らの集合体群、及び/又は、極細短繊維発生可能分割性
繊維若しくはそれらの集合体における付着物の付着率が
低いと、ノズルとそれらとの摩擦によって静電気が発生
しやすく、極細短繊維同士が反発しあって、より分散し
た状態で集積できる、という効果を奏する。
【0053】次いで、この分散した粉体及び分散した極
細短繊維(場合により、分散した太繊維も含む)を集積
して、粉体含有繊維ウエブを形成する。この粉体及び極
細短繊維の集積は、例えば、多孔性のロールやネットな
どの支持体を利用して実施することができる。なお、粉
体及び極細短繊維は自然落下させて集積することがで
き、あるいは支持体の下方から気体を吸引して集積する
ことができる。後者の場合、吸引力を強くすると、粉体
と極細短繊維とが密着した状態の粉体含有繊維ウエブと
することができ、吸引力を弱くすると、比較的嵩高な粉
体含有繊維ウエブとすることができる。
【0054】なお、本発明においては、この粉体含有繊
維ウエブの全質量に対する極細短繊維の質量比率を1〜
40mass%とすることができるため、粉体量が多
く、粉体の機能を十二分に発揮することができる。この
ような極細短繊維と粉体の量の調整は、粉体と極細短繊
維集合体若しくはそれらの集合体群及び/又は極細短繊
維発生可能分割性繊維若しくはそれらの集合体のノズル
への供給量を調節することにより実施することができ
る。
【0055】次いで、この粉体含有繊維ウエブ中に含ま
れている粉体を固着させて、本発明の粉体固着不織布を
製造することができる。この固着方法は特に限定される
ものではないが、例えば、繊維(極細短繊維及び/又は
太繊維)及び/又は粉体を融着させる方法を挙げること
ができる。
【0056】以上は、本発明の粉体固着不織布の基本的
な製造方法であるが、粉体及び極細短繊維が均一に分散
しやすいように、粉体と前記極細短繊維集合体若しくは
それらの集合体群、及び/又は、極細短繊維発生可能分
割性繊維の集合体を圧縮気体の作用によりノズルから気
体中へ噴出させる前に、ミキサーなどを利用してより本
数の少ない極細短繊維集合体(又は集合体群)及び/又
は、より本数の少ない極細短繊維発生可能分割性繊維の
集合体に小分けしたり、分散させたり、混合するのが好
ましい。
【0057】また、粉体含有繊維ウエブを形成した後、
粉体を固着させる前に、粉体含有繊維ウエブを、同じ又
は異なるノズルに再度供給し、粉体及び極細短繊維をノ
ズルから気体中に噴出させて再分散させ、粉体含有繊維
ウエブを形成することを繰り返し行うことができる。
【0058】なお、繊維径の点において異なる、2種類
以上の極細短繊維、及び/又は太繊維を含む粉体固着不
織布が得られるように、前記極細短繊維集合体若しくは
それらの集合体群、又は、極細短繊維発生可能分割性繊
維若しくはそれらの集合体、及び/又は太繊維集合体を
併用することができる。また、繊維径の点において異な
る極細短繊維を含む繊維集合体若しくはそれらの集合体
群、繊維径の点において異なる極細短繊維を発生可能な
分割性繊維若しくはそれらの集合体及び/又は繊維径の
点において異なる太繊維、若しくはそれらの集合体の配
合量を、連続的に又は不連続的に変化させながらノズル
へ供給することもできる。このように変化させると、繊
維径の違いによって、見掛密度の異なる層又は領域を、
厚さ方向に有する粉体固着不織布を製造することができ
る。また、平均粒径及び/又は組成の点で異なる2種類
以上の粉体の配合量を、連続的に又は不連続的に変化さ
せながらノズルへ供給することもできる。
【0059】前述のような好適である脱落防止層を備え
ている粉体固着不織布、あるいは、粉体固着不織布層と
脱落防止層とを含む本発明のシート材料は、例えば、最
初に、極細短繊維の集合体(特には、束状の集合体)若
しくはそれらの集合体群(特には、複数の束状集合体を
束状で含む集合体群)、及び/又は、機械的に分割して
前記の極細短繊維を発生可能な分割性繊維、若しくはそ
れらの集合体(特には、束状の集合体)を、粉体を含ま
ない条件下で、前述の方法と同様に圧縮気体の作用によ
りノズルから気体中に噴出させ、集積させて、極細短繊
維からなる繊維ウエブを形成した後、極細短繊維の融着
性を利用したり、水流などの流体流により絡合したり、
あるいはこれらを併用して脱落防止層である不織布を形
成した後、前述と同様の方法によって、この不織布上に
粉体及び極細短繊維を集積させた後、粉体を固着して製
造することができる。なお、粉体が固着した層の両側に
極細短繊維からなる不織布(脱落防止層)を配置する場
合には、続いて、前記脱落防止層である不織布を形成す
る方法と同様にして、粉体が固着した層の上に、脱落防
止層である不織布を形成することによって製造すること
ができる。
【0060】また、極細短繊維から通常の湿式法により
繊維ウエブを形成した後、極細短繊維の融着性を利用し
たり、水流などの流体流により絡合したり、あるいはこ
れらを併用して製造した不織布や、メルトブロー法によ
り得られる不織布や、機械的に分割可能な繊維を含む繊
維ウエブを乾式法又は湿式法により形成した後、水流な
どの流体流によって絡合させた不織布などを用意した
後、これら脱落防止層として作用する不織布の上に、前
述と同様の方法によって、この不織布上に粉体及び極細
短繊維を集積させた後、粉体を固着して製造することが
できる。なお、粉体が固着した層の両側に不織布(脱落
防止層)を配置する場合には、前記脱落防止層を構成す
る不織布と同様の不織布を積層一体化することにより製
造することができる。なお、粉体が固着した層の両側に
脱落防止層を配置する場合には、両方の脱落防止層が同
じ構造及び材料であっても、異なる構造及び材料であっ
てもよい。
【0061】なお、分散した極細短繊維及び分散した粉
体を集積して粉体含有繊維ウエブを形成する際に、分散
した極細短繊維及び分散した粉体を補強材(例えば、
糸、ネット、織物、編物、繊維ウエブ、又は通常の不織
布など)の上に集積させて、積層体を形成することもで
きる。このように積層体とすることにより、粉体固着不
織布の強度を向上させることができるため、本発明の粉
体固着不織布を強度を必要とする用途に適用することが
できる。なお、本発明による粉体固着不織布を形成した
後に、その粉体固着不織布を前記のような補強材(例え
ば、糸、ネット、織物、編物、繊維ウエブ、通常の不織
布、又はフィルムなど)と一体化して積層体とすること
によって、同様の効果を奏することができる。
【0062】次に、本発明の粉体固着不織布の製造に用
いることのできる製造装置について、その具体的態様を
示す図1に沿って説明する。なお、繊維径が4μm以下
で繊維長が3mm以下の極細短繊維の集合体(特に束状
集合体)を用いる場合について説明する。図1は、本発
明で用いる粉体固着不織布製造装置の1態様の模式的説
明図である。
【0063】まず、粉体と、繊維径が4μm以下で繊維
長が3mm以下の極細短繊維の束状集合体を、場合によ
り太繊維若しくはそれらの集合体と共に、ミキサーなど
の混合装置10に装入して、その中で束状集合体を、よ
り小さい束状集合体に分割したり、極細短繊維を分散さ
せたり、解したり、あるいは混合する。
【0064】次いで、この解したり、あるいは粉体と混
合された極細短繊維及び/又は束状の極細短繊維集合体
(場合により太繊維及び/又はその集合体も)は、混合
装置10から供給管11を介してノズル30へ供給され
る。移送には、混合装置10に設けた搬送用気体供給装
置(図示せず)から供給される適当な搬送用気体を用い
ることもできる。供給管11へは、ノズル30の手前
で、圧縮気体導入口20から圧縮気体が導入される。こ
の圧縮気体の作用によって、前記の束状の極細短繊維集
合体(場合により太繊維及び/又はその集合体も)は、
粉体と共に、混合装置10から供給管11を介してノズ
ル30へ移動し、更にノズル30から勢いよく、分散室
40内の気体40a中へと噴出される。この気体40a
へ噴出される際に、ノズル30内と気体40aとの気圧
差、及び噴出された圧縮気体と気体40aとの間に形成
される乱流などの相互作用によって、束状の極細短繊維
集合体から極細短繊維70が発生し、粉体70aと共
に、分散室40内で分散する。更に、ノズル30から噴
出した極細短繊維70及び粉体70aを分散室40の壁
部45に衝突させることによって極細短繊維70の分割
及び分散を促進し、粉体70aの分散を促進することも
できる。この場合、前記壁部45は、衝突部材として作
用することができる。また、前記ノズル30の噴出口と
前記壁部45との間に、別途に衝突部材を設けることも
できる。前記ノズル30の噴出口と衝突部材の平坦部
(衝突部)との距離は好ましくは1〜100mm、より
好ましくは5〜40mm、より好ましくは5〜30m
m、より好ましくは10〜30mm、最も好ましくは1
0〜20mmである。
【0065】分散室40内の気体40a中に分散した極
細短繊維70及び粉体70aは、分散室40内を降下
し、分散室40の底部に設けたネットからなる支持体5
0上に集積して粉体含有繊維ウエブ80を形成する。本
発明で用いる製造装置においては、図1に示すとおり、
分散室40の底部の支持体50の下方に気体吸引装置6
0を設けることができ、この気体吸引装置60によって
分散室40内の気体40aを吸引し、極細短繊維70及
び粉体70aの集積を促進することができる。分散室4
0の内部と分散室40の外側とは、気密にすることがで
きるし、気密にしないこともできる。
【0066】また、粉体含有繊維ウエブ80を集積する
支持体50はエンドレスベルト状で回転し、供給管1
2,13の方向(図1の矢印aの方向)へ粉体含有繊維
ウエブ80を搬送する。続いて、粉体含有繊維ウエブ8
0は、供給管12及び13を介して、再度、ノズル3
1,32へ供給される。図1に示す態様のように、2つ
のノズルに再供給することができるだけでなく、1つの
ノズルに再供給するか、あるいは3つ以上のノズルに再
供給することもできる。あるいは、充分な分散が行われ
ている場合には、後述する熱融着装置90へ移送して結
合工程に直接に送ることもできる。
【0067】前記の供給管12及び13においても、ノ
ズル31,32の手前で、それぞれ、圧縮気体導入口2
1,22から圧縮気体が導入されるので、この圧縮気体
の作用によって、粉体含有繊維ウエブ80から供給され
る極細短繊維(場合により太繊維も)及び粉体が、供給
管12,13を介してノズル31,32へ移動し、更に
ノズル31,32から勢いよく、分散室41,42内の
気体41a,42a中へと噴出される。この際に、同様
に極細短繊維71,72及び粉体71a,72aは均一
に分散する。更に、各ノズル31,32から噴出した極
細短繊維71,72及び粉体71a,72aを分散室4
1,42の壁部46,47に衝突させることによって分
散を促進することもできる。この場合、前記壁部46,
47は、衝突部材として作用することができる。また、
前記ノズル31,32の噴出口と前記壁部46,47と
の間に、別途に衝突部材を設けることもできる。
【0068】分散室41,42内の気体41a,42a
中に分散した極細短繊維71,72及び粉体71a,7
2aは、それぞれ分散室41,42内を降下し、分散室
41,42の底部に共通して設けたネットからなる支持
体51上に集積する。すなわち、分散室41内の気体4
1a中に分散した極細短繊維71及び粉体71aは、分
散室41内を降下して支持体51上に集積して単層粉体
含有繊維ウエブ81を形成した後、エンドレスベルト状
の支持体51と共に、分散室42の方向(図1の矢印b
の方向)へ搬送される。また、分散室42内の気体42
a中に分散した極細短繊維72及び粉体72aは、分散
室42内を降下して、支持体51上の単層粉体含有繊維
ウエブ81の上に更に集積して積層粉体含有繊維ウエブ
82を形成する。もっとも、こうして形成される積層粉
体含有繊維ウエブ82は、単層の粉体含有繊維ウエブ8
0を構成する極細短繊維を再度分散させているため、明
確な2層構造が存在するものではない。
【0069】本発明で用いる製造装置においては、図1
に示すとおり、分散室41,42の底部の支持体51の
下方にも気体吸引装置61を設けることができ、この気
体吸引装置61によって分散室41,42内の気体41
a,42aを吸引し、極細短繊維71,72及び粉体7
1a,72aの集積を促進することができる。また、支
持体51及び気体吸引装置61は、図1に示すとおり、
複数の分散室に対して共通に設けることもでき、あるい
は複数の分散室のそれぞれに対して独立に別個に設ける
こともできる。
【0070】次いで、エンドレスベルト状の支持体51
により、この積層粉体含有繊維ウエブ82を熱融着装置
90へと搬送し、この熱融着装置90にて熱の作用によ
り極細短繊維及び/又は粉体、及び場合により太繊維が
融着して粉体固着不織布83を形成することができる。
そして、この粉体固着不織布83は巻き取り装置100
により巻き取られる。
【0071】本発明によるシート材料は、前記の粉体固
着不織布層少なくとも1層を含有する。すなわち、本発
明によるシート材料は、前記の粉体固着不織布層の単独
層からなるか、あるいは前記の粉体固着不織布層1層又
はそれ以上と別の粉体脱落防止層1層又はそれ以上(好
ましくは1層又は2層)、又は、1層又はそれ以上の補
強層を含む。補強層としては、通常の糸層、ネット層、
織物層、編物層、繊維ウエブ層、又は通常の不織布層な
どを挙げることができる。前記の粉体固着不織布層と補
強層を含むシート材料は、例えば、補強層の上に粉体含
有繊維ウエブを集積し、粉体含有繊維ウエブと補強層と
を結合して粉体固着不織布層を形成すると同時に製造す
るか、あるいは補強層と粉体固着不織布層とを適当な結
合手段によって結合して製造することができる。本発明
によるシート材料は、前記の粉体固着不織布層を含有す
るので、粉体の有する各種特性を利用する分野に有利に
用いることができる。例えば、電子写真装置用、トイレ
用脱臭用、又はオゾン発生装置用などのオゾン分解用シ
ート;イオン交換水精製機などのイオン交換用シート;
自動車用、又は化学反応装置用などの触媒用シート;生
活用品用、生理用品用、フィルタ用、又は靴用などの脱
臭又は消臭シート;繊維強化プラスチック(FRP)や
シート状プリプレグ(SMC);あるいは耐火ボードな
どの各種用途に使用することができる。
【0072】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。
【実施例1】ポリ乳酸からなる海成分中に、ポリプロピ
レンからなる島成分が25個存在し、複合紡糸法により
得た海島型繊維(繊度=1.7dtex;繊維長1mm
に切断されたもの)を用意した。この海島型繊維を10
mass%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、海成
分であるポリ乳酸を加水分解により抽出除去した後、風
乾して、ポリプロピレン極細短繊維(繊維径=2μm;
繊維長=1mm;フィブリル化していない;延伸されて
いる;繊維軸方向において実質的に同じ直径を有する;
付着物の付着率=0.02mass%未満)が束状とな
った極細短繊維Aの集合体を得た。
【0073】また、ポリ乳酸からなる海成分中に、高密
度ポリエチレンとポリプロピレンとからなる島成分が2
5個存在し、複合紡糸法により得た海島型繊維(繊度=
1.7dtex;繊維長1mmに切断されたもの)を用
意した。この海島型繊維を10mass%水酸化ナトリ
ウム水溶液中に浸漬して、海成分であるポリ乳酸を加水
分解により抽出除去した後、風乾して、高密度ポリエチ
レン中にポリプロピレンが点在した海島型極細短繊維
(繊維径=2μm;繊維長=1mm;フィブリル化して
いない;延伸されている;繊維軸方向において実質的に
同じ直径を有する;付着物の付着率=0.02mass
%未満)が束状となった海島型極細短繊維Bの集合体を
得た。
【0074】更に、粉体として、平均粒径が6μmの活
性炭を用意した。
【0075】次いで、図1に示す製造装置と同様の装置
を用いて、本発明による粉体固着不織布を調製した。す
なわち、束状の極細短繊維A集合体、束状の海島型極細
短繊維B集合体、及び活性炭を、10:5:85の質量
比でミキサーに供給して、これらを解すとともに混合し
た後、噴出口における横断面形状が円形(直径=8.5
mm)のベンチュリー管〔ベンチュリー管の供給側にお
ける横断面形状=円形(直径=3mm)の円錐台状〕に
供給するとともに、ベンチュリー管の手前に設けられた
圧縮気体導入口から層流の圧縮空気(圧力=6kg/c
2)を導入して、前記ベンチュリー管から前記混合物
を空気中に噴出(ベンチュリー管の噴出口における気体
通過速度=118m/s)し、前記ベンチュリー管の噴
出口前方に設けた邪魔板に衝突させて、活性炭、並びに
ポリプロピレン極細短繊維A及び海島型極細短繊維Bを
分散させた。前記ベンチュリー管の噴出口と邪魔板との
距離は15mmであった。
【0076】次いで、この分散させた活性炭、ポリプロ
ピレン極細短繊維及び海島型極細短繊維を、ネットから
なる支持体上に載置しておいた不織布基材(目付が30
g/m2のポリエステル繊維製スパンボンド不織布)上
に集積させた。なお、集積させる際には、支持体の下に
設置されたサクションボックスにより空気を吸引(2m
3/min)した。
【0077】次いで、この粉体含有繊維ウエブを担持す
るスパンボンド不織布基材を、温度130℃に設定され
たオーブンに供給し、3分間熱処理を実施して、目付7
0g/m2、厚さ1.2mmの不織布基材積層粉体固着
不織布を製造した。この不織布基材積層粉体固着不織布
の粉体固着不織布層は、ポリプロピレン極細短繊維A及
び海島型極細短繊維Bが活性炭粉末の周囲を囲むように
絡合しているとともに、海島型極細短繊維Bを構成する
高密度ポリエチレン成分によって、ポリプロピレン極細
短繊維Aと海島型極細短繊維B、及び海島型極細短繊維
Bと活性炭粉末とが融着した状態にあった。
【0078】なお、こうして得られた不織布基材積層粉
体固着不織布から不織布基材を剥離し、粉体固着不織布
のみについて各種物性を測定したところ、目付は40g
/m 2、厚さは1.1mm、見掛密度は0.036g/
cm3で、極細短繊維A,Bの質量比率は15mass
%であった。また、この粉体固着不織布を熱水中に15
分間浸漬して抽出した付着物と、熱メタノール中に15
分間浸漬して抽出した付着物との総付着物質量の、粉体
固着不織布の質量に対する百分率(付着物の付着率)は
0.02mass%未満であった。
【0079】この不織布基材積層粉体固着不織布をプリ
ーツ加工したフィルターユニット(山高さ=20mm,
ピッチ=2mm)を作成し、トルエンを25ppmの濃
度で含む空気を面風速14cm/sec.で通過させた
ところ、フィルターユニット出口におけるトルエンの除
去率は99%以上の高い脱臭性能を示した。また振動を
与えても不織布基材積層粉体固着不織布からの活性炭の
脱落は観察されなかった。
【0080】
【実施例2】実施例1と同様にして製造した束状の極細
短繊維A集合体、束状の海島型極細短繊維B集合体を用
意した。また、粉体として電解質二酸化マンガン粉末
(平均粒径=3μm)を用意した。
【0081】次いで、実施例1と同様に、図1に示す製
造装置と同様の装置を用いて、本発明による粉体固着不
織布を調製した。すなわち、束状の極細短繊維A集合
体、束状の海島型極細短繊維B集合体、及び電解質二酸
化マンガン粉末を、6:9:85の質量比でミキサーに
供給して、これらを解すとともに混合した後、これら混
合物を、噴出口における横断面形状が円形(直径=3.
2mm)で連続的に先細りの先細ノズルに供給するとと
もに、先細ノズルの手前に設けられた圧縮気体導入口か
ら層流の圧縮空気(圧力=6kg/cm2)を導入し、
前記先細ノズルから前記混合物を分散室の空気中に噴出
(先細ノズルの噴出口における気体通過速度=1600
m/s)して、ポリプロピレン極細短繊維A、海島型極
細短繊維B及び電解質二酸化マンガン粉末を分散室内で
分散させた。
【0082】次いで、この分散させた電解質二酸化マン
ガン粉末、ポリプロピレン極細短繊維A及び海島型極細
短繊維Bを、ネットからなる支持体上に載置しておいた
不織布基材(目付が30g/m2のポリエステル繊維製
スパンボンド不織布)上に集積させ、粉体含有繊維ウエ
ブ−不織布基材複合材を形成した。なお、集積させる際
には、支持体の下に設置されたサクションボックスによ
り空気を吸引(2m3/min)した。
【0083】次いで、この粉体含有繊維ウエブ−不織布
基材複合材を、温度130℃に設定されたオーブンに供
給し、3分間熱処理を実施して、目付90g/m2、厚
さ1.0mmの不織布基材積層粉体固着不織布を製造し
た。この不織布基材積層粉体固着不織布の粉体固着不織
布層は、ポリプロピレン極細短繊維A及び海島型極細短
繊維Bが電解質二酸化マンガン粉末の周囲を囲むように
絡合しているとともに、海島型極細短繊維Bを構成する
高密度ポリエチレン成分によって、ポリプロピレン極細
短繊維Aと海島型極細短繊維B、及び海島型短繊維Bと
電解質二酸化マンガン粉末とが融着した状態にあった。
【0084】なお、不織布基材積層粉体固着不織布から
不織布基材を剥離し、粉体固着不織布のみについて各種
物性を測定したところ、目付は60g/m2、厚さは
0.9mm、見掛密度は0.067g/cm3で、極細
短繊維A,Bの質量比率は15mass%であった。ま
た、この粉体固着不織布を熱水中に15分間浸漬して抽
出した付着物と、熱メタノール中に15分間浸漬して抽
出した付着物との総付着物質量の、粉体固着不織布の質
量に対する百分率(付着物の付着率)は0.02mas
s%未満であった。
【0085】この不織布基材積層粉体固着不織布を、エ
リアカレンダー(温度=130℃)でプレス処理して厚
さを0.3mmとした後、コルゲート加工(山高さ=2
mm,ピッチ=1.5mm)し、濃度10ppmのオゾ
ンガスを通過させたところ、出口のオゾン濃度は0.1
ppm以下に低下しており、優れたオゾン分解性能を示
した。また振動を与えても不織布基材積層粉体固着不織
布からの電解質二酸化マンガン粉末の脱落は観察されな
かった。
【0086】
【実施例3】共重合ポリエステルからなる海成分中に、
結晶性ポリスチレンからなる島成分が61個存在し、複
合紡糸法により得た海島型繊維(繊度=2.3dte
x;繊維長0.5mmに切断されたもの)を用意した。
この海島型繊維を10mass%水酸化ナトリウム水溶
液中に浸漬して、海成分である共重合ポリエステルを加
水分解により抽出除去した後、風乾して、結晶性ポリス
チレン極細短繊維(繊維径=1.1μm;繊維長=0.
5mm;フィブリル化していない;延伸されている;繊
維軸方向において実質的に同じ直径を有する;付着物の
付着率=0.02mass%未満)が束状となった極細
短繊維Cの集合体を得た。
【0087】また、実施例1と同様にして製造した束状
となった極細短繊維Bの集合体、及び粉体として球状ア
ルミナ粉末(平均粒径=25μm)を用意した。
【0088】次いで、図1に示す製造装置と同様の装置
を用いて、本発明による粉体固着不織布を調製した。す
なわち、束状となった極細短繊維C集合体、束状となっ
た極細短繊維B集合体、及び球状アルミナ粉末とを、
1:1:98の質量比でミキサーに供給して、これらを
解すとともに混合した後、これら混合物を、噴出口にお
ける横断面形状が円形(直径=3.2mm)で連続的に
先細りの先細ノズルに供給するとともに、先細ノズルの
手前に設けられた圧縮気体導入口から層流の圧縮空気
(圧力=6kg/cm2)を導入し、前記先細ノズルか
ら前記混合物を分散室の空気中に噴出(先細ノズル30
の噴出口における気体通過速度=1600m/s)し
て、結晶性ポリスチレン極細短繊維C、海島型極細短繊
維B及び球状アルミナを分散室内で分散させた。
【0089】次いで、この分散させた結晶性ポリスチレ
ン極細短繊維C、海島型極細短繊維B及び球状アルミナ
を、ネットからなる支持体上に載置しておいた不織布基
材(目付が30g/m2のポリエステル繊維製スパンボ
ンド不織布)上に集積させ、粉体含有繊維ウエブ−不織
布基材複合材を形成した。なお、集積させる際には、支
持体の下に設置されたサクションボックスにより空気を
吸引(2m3/min)した。
【0090】次いで、この粉体含有繊維ウエブ−不織布
基材複合材を、温度130℃に設定されたオーブンに供
給し、3分間熱処理を実施して、目付410g/m2
厚さ0.55mmの不織布基材積層粉体固着不織布を製
造した。この不織布基材積層粉体固着不織布の粉体固着
不織布層は、結晶性ポリスチレン極細短繊維C及び海島
型極細短繊維Bが球状アルミナの周囲を囲むように絡合
しているとともに、海島型極細短繊維Bを構成する高密
度ポリエチレン成分によって、結晶性ポリスチレン極細
短繊維Cと海島型極細短繊維B、及び海島型極細短繊維
Bと球状アルミナとが融着した状態にあった。
【0091】なお、不織布基材積層粉体固着不織布から
不織布基材を剥離し、粉体固着不織布のみについて各種
物性を測定したところ、目付は380g/m2、厚さは
0.45mm、見掛密度は0.844g/cm3で、極
細短繊維の質量比率は2mass%であった。また、こ
の粉体固着不織布を熱水中に15分間浸漬して抽出した
付着物と、熱メタノール中に15分間浸漬して抽出した
付着物との総付着物質量の、粉体固着不織布の質量に対
する百分率(付着物の付着率)は0.02mass%未
満であった。
【0092】この粉体固着不織布層を4枚重ね合わせ、
温度が130℃の熱プレス機でプレス処理(圧力=50
kg/cm2)を施したところ、アルミナ充填率が高く
熱伝導性の高い柔軟なシート(目付=1520g/
2;厚さ=0.75mm;見掛密度=2.03g/c
3)が得られた。このシートはアルミナが脱落せず、
取り扱い性、強度的に優れるものであった。
【0093】
【実施例4】市販のポリエステル極細短繊維(繊維径=
3.2μm;繊維長=3.0mm;帝人製)を用意し、
この繊維表面に付着している繊維油剤をアセトン中で抽
出除去した。
【0094】また、実施例1と同様にして製造した束状
の極細短繊維A集合体と束状の極細短繊維B集合体を用
意した。更に、粉体として球状アルミナ粉末(平均粒径
=25μm)を用意した。
【0095】次いで、図1に示す製造装置と同様の装置
を用いて、ポリエステル極細短繊維、束状の極細短繊維
A集合体、束状の海島型極細短繊維B集合体、及び球状
アルミナ粉末を、2:2:4:92の質量比でミキサー
に供給して、これらを解すとともに混合した後、これら
混合物を、噴出口における横断面形状が円形(直径=
3.2mm)で連続的に先細りの先細ノズルに供給する
とともに、先細ノズルの手前に設けられた圧縮気体導入
口から層流の圧縮空気(圧力=6kg/cm2)を導入
し、前記先細ノズルから前記混合物を分散室の空気中に
噴出(先細ノズルの噴出口における気体通過速度=16
00m/s)して、ポリエステル極細短繊維、極細短繊
維A、海島型極細短繊維B、及び球状アルミナ粉末を分
散させた。
【0096】次いで、この分散させたポリエステル極細
短繊維、ポリプロピレン極細短繊維A、海島型極細短繊
維B、及び球状アルミナ粉末を、ネットからなる支持体
上に載置しておいた不織布基材(目付が30g/m2
ポリエステル繊維製スパンボンド不織布)上に集積さ
せ、粉体含有繊維ウエブ−不織布基材複合材を形成し
た。なお、集積させる際には、支持体の下に設置された
サクションボックスにより空気を吸引(2m3/mi
n)した。
【0097】次いで、この粉体含有繊維ウエブ−不織布
基材複合材を、温度130℃に設定されたオーブンに供
給し、3分間熱処理を実施して、目付450g/m2
厚さ0.65mmの不織布基材積層粉体固着不織布を製
造した。この不織布基材積層粉体固着不織布の粉体固着
不織布層は、ポリエステル極細短繊維、ポリプロピレン
極細短繊維A及び海島型極細短繊維Bが球状アルミナ粉
末の周囲を囲むように絡合しているとともに、海島型極
細短繊維Bを構成する高密度ポリエチレン成分によっ
て、極細短繊維同士、及び海島型極細短繊維Bと球状ア
ルミナとが融着した状態にあった。
【0098】なお、不織布基材積層粉体固着不織布から
不織布基材を剥離し、粉体固着不織布のみについて各種
物性を測定したところ、目付は420g/m2、厚さは
0.55mm、見掛密度は0.764g/cm3で、極
細短繊維の質量比率は8mass%であった。また、こ
の粉体固着不織布を熱水中に15分間浸漬して抽出した
付着物と、熱メタノール中に15分間浸漬して抽出した
付着物との総付着物質量の、粉体固着不織布の質量に対
する百分率(付着物の付着率)は0.02mass%未
満であった。
【0099】この粉体固着不織布を2枚重ね合わせ、温
度130℃の熱プレス機でプレス処理(圧力=50kg
/cm2)を施したところ、アルミナ充填率が高く、熱
伝導性の高い柔軟なシート(目付=840g/m2;厚
さ=0.43mm;見掛密度=1.95g/cm3)が
得られた。このシートはアルミナが脱落せず、取り扱い
性、強度的に優れるものであった。
【0100】
【実施例5】共重合ポリエステルからなる海成分中に、
ポリ−4−メチルペンテンからなる島成分が約3900
個存在し、混合紡糸法により得た海島型繊維(繊度=
8.8dtex;繊維長0.5mmに切断されたもの)
を用意した。この海島型繊維を10mass%水酸化ナ
トリウム水溶液中に浸漬して、海成分である共重合ポリ
エステルを加水分解により抽出除去した後、風乾して、
ポリ−4−メチルペンテン極細短繊維(繊維径=0.4
μm;繊維長=0.5mm;フィブリル化していない;
延伸されている;繊維軸方向において直径が変化してい
る;付着物の付着率=0.02mass%未満)が束状
となったポリ−4−メチルペンテン極細短繊維Dの集合
体を得た。
【0101】また、実施例3と同様にして製造した結晶
性ポリスチレン極細短繊維Cの集合体と、実施例1と同
様にして製造した束状となった海島型極細短繊維Bの集
合体を用意した。
【0102】次いで、図1に示す製造装置と同様の装置
を用いて、束状となったポリ−4−メチルペンテン極細
短繊維Dの集合体、結晶性ポリスチレン極細短繊維Cの
集合体、及び海島型極細短繊維Bの集合体を、40:2
0:40の質量比でミキサーに供給して、これら繊維を
解すとともに混合した後、これら混合物を、噴出口にお
ける横断面形状が円形(直径=3.2mm)で連続的に
先細りの先細ノズルに供給するとともに、先細ノズルの
手前に設けられた圧縮気体導入口から層流の圧縮空気
(圧力=6kg/cm2)を導入し、前記先細ノズルか
ら前記混合物を分散室の空気中に噴出(先細ノズルの噴
出口における気体通過速度=1600m/s)して、ポ
リ−4−メチルペンテン極細短繊維D、結晶性ポリスチ
レン極細短繊維C、及び海島型極細短繊維Bを分散させ
た。
【0103】次いで、この分散させたポリ−4−メチル
ペンテン極細短繊維D、結晶性ポリスチレン極細短繊維
C、及び海島型極細短繊維Bを、ネットからなる支持体
上に載置しておいた不織布基材(目付が30g/m2
ポリエステル繊維製スパンボンド不織布)上に集積さ
せ、極細短繊維ウエブ(脱落防止層;目付=5g/
2)−不織布基材複合材を形成した。なお、集積させ
る際には、支持体の下に設置されたサクションボックス
により空気を吸引(2m3/min)した。
【0104】次いで、前述と同様の束状となったポリ−
4−メチルペンテン極細短繊維Dの集合体、実施例3と
同様にして製造した結晶性ポリスチレン極細短繊維Cの
集合体、実施例1と同様にして製造した海島型極細短繊
維Bの集合体、及び粉体としてアナターゼ型二酸化チタ
ン粉末(平均粒径=0.2μm)を用意した。
【0105】次いで、ポリ−4−メチルペンテン極細短
繊維Dの集合体、結晶性ポリスチレン極細短繊維Cの集
合体、海島型極細短繊維Bの集合体、及びアナターゼ型
二酸化チタン粉末を、3:6:6:85の質量比でミキ
サーに供給して、これらを解すとともに混合した後、こ
れら混合物を、噴出口における横断面形状が円形(直径
=3.2mm)で連続的に先細りの先細ノズルに供給す
るとともに、先細ノズルの手前に設けられた圧縮気体導
入口から層流の圧縮空気(圧力=6kg/cm 2)を導
入し、前記先細ノズルから前記混合物を分散室の空気中
に噴出(先細ノズルの噴出口における気体通過速度=1
600m/s)して、二酸化チタン粉末、ポリ−4−メ
チルペンテン極細短繊維、結晶性ポリスチレン極細短繊
維、及び海島型極細短繊維を分散させた。
【0106】次いで、この分散させたポリ−4−メチル
ペンテン極細短繊維D、結晶性ポリスチレン極細短繊維
C、海島型極細短繊維B、及び二酸化チタン粉末を、前
述の極細短繊維ウエブ(脱落防止層;目付=5g/
2)−不織布基材複合材の極細短繊維ウエブ上で捕集
して、粉体含有繊維ウエブ−極細短繊維ウエブ−不織布
基材複合材を形成した。なお、集積させる際には、支持
体の下に設置されたサクションボックスにより空気を吸
引(2m3/min)した。
【0107】次いで、前述の方法と全く同様にして、ポ
リ−4−メチルペンテン極細短繊維Dの集合体、結晶性
ポリスチレン極細短繊維Cの集合体、及び海島型極細短
繊維Bの集合体を分散散布し、前記粉体含有繊維ウエブ
−極細短繊維ウエブ−不織布基材複合材の粉体含有繊維
ウエブ上で捕集して、極細短繊維ウエブ−粉体含有繊維
ウエブ−極細短繊維ウエブ−不織布基材複合材を形成し
た。
【0108】次いで、この極細短繊維ウエブ−粉体含有
繊維ウエブ−極細短繊維ウエブ−不織布基材複合材を、
温度130℃に設定されたオーブンに供給し、3分間熱
処理を実施して、目付270g/m2、厚さ0.42m
mの不織布基材積層粉体固着不織布を製造した。この不
織布基材積層粉体固着不織布の粉体固着不織布層は、ポ
リ−4−メチルペンテン極細短繊維D、結晶性ポリスチ
レン極細短繊維C、及び海島型極細短繊維Bが二酸化チ
タン粉末の周囲を囲むように絡合しているとともに、海
島型極細短繊維Bを構成する高密度ポリエチレン成分に
よって、極細短繊維同士及び海島型極細短繊維Bと二酸
化チタンとが融着した状態にあった。また、極細短繊維
のみからなる極細短繊維ウエブに由来する繊維層(脱落
防止層)によって、二酸化チタン粉末の脱落を防止でき
る状態にあった。
【0109】なお、不織布基材積層粉体固着不織布から
不織布基材を剥離し、三層構造粉体固着不織布のみにつ
いて各種物性を測定したところ、目付は240g/
2、厚さは0.32mm、見掛密度は0.750g/
cm3で、粉体固着不織布層における極細短繊維の質量
比率は15mass%であった。なお、この三層構造粉
体固着不織布を熱水中に15分間浸漬して抽出した付着
物と、熱メタノール中に15分間浸漬して抽出した付着
物との総付着物質量の、三層構造粉体固着不織布の質量
に対する百分率(付着物の付着率)は0.02mass
%未満であった。
【0110】この不織布基材積層粉体固着不織布をプリ
ーツ加工したフィルタユニット(山高さ=20mm;ピ
ッチ=2mm)を作成し、このフィルタユニットに対し
て紫外線を照射しながら、トルエンを100ppbの濃
度で含む空気を速度20cm/sで通過させたところ、
フィルターユニット出口におけるトルエンの除去率は8
0%に達した。また、この不織布基材積層粉体固着不織
布に対して振動を与えても、二酸化チタン粉末の脱落は
観察されなかった。
【0111】
【実施例6】実施例1と同様にして製造した束状海島型
極細短繊維Bの集合体を用意した。
【0112】次いで、この海島型極細短繊維Bの集合体
をミキサーに供給して、解した後、海島型極細短繊維B
集合体を、噴出口における横断面形状が円形(直径=
3.2mm)で連続的に先細りの先細ノズルに供給する
とともに、先細ノズルの手前に設けられた圧縮気体導入
口から層流の圧縮空気(圧力=6kg/cm2)を導入
し、前記先細ノズルから前記混合物を分散室の空気中に
噴出(先細ノズルの噴出口における気体通過速度=16
00m/s)して、海島型極細短繊維Bを分散させた。
【0113】次いで、この分散させた海島型極細短繊維
Bを、ネットからなる支持体上に載置しておいた不織布
基材(目付が30g/m2のポリエステル繊維製スパン
ボンド不織布)上に集積させ、極細短繊維ウエブ(目付
=5g/m2)−不織布基材複合材を形成した。なお、
集積させる際には、支持体の下に設置されたサクション
ボックスにより空気を吸引(2m3/min)した。
【0114】次いで、実施例1と同様にして製造した束
状となった海島型極細短繊維Bの集合体と、粉体とし
て、低密度ポリエチレン粉末(平均粒径=12μm;住
友精化(株)製)を用意した。
【0115】次いで、海島型極細短繊維B集合体と低密
度ポリエチレン粉末とを、5:95の質量比でミキサー
に供給して、解すとともに混合した後、これら混合物
を、噴出口における横断面形状が円形(直径=3.2m
m)で連続的に先細りの先細ノズルに供給するととも
に、先細ノズルの手前に設けられた圧縮気体導入口から
層流の圧縮空気(圧力=6kg/cm2)を導入し、前
記先細ノズルから前記混合物を分散室の空気中に噴出
(先細ノズルの噴出口における気体通過速度=1600
m/s)して、低密度ポリエチレン粉末及び海島型極細
短繊維Bを分散させた。
【0116】次いで、この分散させた低密度ポリエチレ
ン粉末及び海島型極細短繊維Bを、前述の極細短繊維ウ
エブ(目付=5g/m2)−不織布基材複合材の極細短
繊維ウエブ上に集積させ、粉体含有繊維ウエブ−極細短
繊維ウエブ−不織布基材複合材を形成した。なお、集積
させる際には、支持体の下に設置されたサクションボッ
クスにより空気を吸引(2m3/min)した。
【0117】次いで、この粉体含有繊維ウエブ−極細短
繊維ウエブ−不織布基材複合材を、温度107℃に設定
されたオーブンに供給し、5分間熱処理を実施して、目
付118g/m2、厚さ0.55mmの不織布基材積層
粉体固着不織布を製造した。この不織布基材積層粉体固
着不織布は海島型極細短繊維Bが低密度ポリエチレン粉
末の周囲を囲むように絡合しているとともに、海島型極
細短繊維Bを構成する高密度ポリエチレン成分と低密度
ポリエチレン粉末の一部が溶融し、海島型極細短繊維B
同士及び海島型極細短繊維Bと低密度ポリエチレン粉末
とが融着した状態にあった。また、海島型極細短繊維B
のみからなる極細短繊維ウエブに由来する繊維層(脱落
防止層)によって、低密度ポリエチレン樹脂粉末の脱落
を防止できる状態にあった。
【0118】なお、不織布基材積層粉体固着不織布から
二層構造粉体固着不織布を剥離し、二層構造粉体固着不
織布のみについて各種物性を測定したところ、目付は8
8g/m2、厚さは0.45mm、見掛密度は0.19
6g/cm3で、粉体固着不織布層における極細短繊維
の質量比率は5mass%であった。また、この二層構
造粉体固着不織布は低密度ポリエチレン粉末が脱落しな
いものであった。更に、この二層構造粉体固着不織布を
熱水中に15分間浸漬して抽出した付着物と、熱メタノ
ール中に15分間浸漬して抽出した付着物との総付着物
質量の、二層構造粉体固着不織布の質量に対する百分率
(付着物の付着率)は0.02mass%未満であっ
た。
【0119】この二層構造粉体固着不織布を125℃に
設定されたオーブン中で5分間熱処理したところ、低密
度ポリエチレン粉末が溶融してフィルム化し、その低密
度ポリエチレン中に海島型極細短繊維Bが分散した、柔
軟性と強度に優れた繊維強化プラスチック(FRP)シ
ート(目付=88g/m2;厚さ=0.14mm;見掛
密度=0.629g/cm3)となり、海島型極細短繊
維BはFRP中の骨材の役目を果たしていることが判っ
た。
【0120】
【発明の効果】本発明の粉体固着不織布は、小粒径の粉
体であっても脱落しにくく、粉体本来の機能を発揮する
ことのできるものである。前記粉体の平均粒径が50μ
m以下であると、粉体の機能を最大限に発揮することが
できる。前記極細短繊維の前記粉体が固着している層に
おける質量比率が1〜40mass%であると、粉体量
が多いため、粉体の機能を最大限に発揮することができ
る。
【0121】前記粉体が固着している層に付着している
付着物の付着率が0.5mass%以下であると、付着
物によって粉体の機能が阻害されない。前記粉体が固着
している層の少なくとも片面に、粉体の脱落を防止する
ことのできる脱落防止層を更に備えていると、より確実
に粉体の脱落を防止することができる。本発明の粉体固
着不織布の製造方法によれば、繊維径が4μm以下で繊
維長が3mm以下の極細短繊維が分散した、湿式法では
ない方法により形成された繊維ウエブに、粉体が固着し
た不織布を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粉体固着不織布を製造することのでき
る製造装置の模式的断面図である。
【符号の説明】
10・・・混合装置;11,12,13・・・供給管;
20,21,22・・・圧縮気体導入口;30,31,
32・・・ノズル;40,41,42・・・分散室;4
0a,41a,42a・・・気体;45,46,47・
・・分散室の壁部;50,51・・・支持体;60,6
1・・・気体吸引装置;70,71,72・・・極細短
繊維;70a,71a,72a・・・粉体;80・・・
繊維ウエブ;81・・・単層繊維ウエブ;82・・・積
層繊維ウエブ;83・・・熱融着不織布;90・・・熱
融着装置;100・・・巻き取り装置。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉体と、繊維径が4μm以下で繊維長が
    3mm以下の極細短繊維とを分散した状態で含む、湿式
    法以外の方法により形成した粉体含有繊維ウエブから形
    成した粉体固着不織布。
  2. 【請求項2】 前記粉体の平均粒径が50μm以下であ
    る、請求項1記載の粉体固着不織布。
  3. 【請求項3】 粉体固着不織布の全質量に対する前記極
    細短繊維の質量比率が1〜40mass%である、請求
    項1又は請求項2記載の粉体固着不織布。
  4. 【請求項4】 付着物の付着率が0.5mass%以下
    である、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の粉体固
    着不織布。
  5. 【請求項5】 前記極細短繊維が海島型繊維の海成分を
    除去して得た島成分からなる、請求項1〜4のいずれか
    一項に記載の粉体固着不織布。
  6. 【請求項6】 前記極細短繊維が有機成分からなる、請
    求項1〜5のいずれか一項に記載の粉体固着不織布。
  7. 【請求項7】 繊維径が4μm以下で繊維長が3mm以
    下の極細短繊維の集合体若しくはそれらの集合体群、及
    び/又は、機械的に分割して繊維径が4μm以下で繊維
    長が3mm以下の極細短繊維を発生可能な分割性繊維、
    若しくはそれらの集合体を、粉体と共に、圧縮気体の作
    用によりノズルから気体中に噴出させて、前記極細短繊
    維集合体若しくはそれらの集合体群を極細短繊維に分割
    させ、及び/又は、分割性繊維若しくはそれらの集合体
    を極細短繊維に分割させると共に粉体を分散させる工
    程、分散した極細短繊維及び粉体を集積して粉体含有繊
    維ウエブを形成する工程、及び得られた粉体含有繊維ウ
    エブから不織布を形成する際に、前記粉体含有繊維ウエ
    ブ中に含まれている粉体を固着させる工程、を含むこと
    を特徴とする、粉体固着不織布の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記極細短繊維の集合体が束状集合体で
    ある、請求項7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記極細短繊維の集合体若しくはそれら
    の集合体群、及び/又は、極細短繊維発生可能分割性繊
    維若しくはそれらの集合体を前記ノズルへ供給する前
    に、それらの付着物除去工程を実施する、請求項7又は
    8に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記ノズルへ供給する気体の流れが実
    質的に層流である、請求項7〜9のいずれか一項に記載
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記極細短繊維の集合体若しくはそれ
    らの集合体群、及び/又は、極細短繊維発生可能分割性
    繊維若しくはそれらの集合体を、粉体と共にノズルから
    噴出させた後、前記ノズル噴射口の前方に設けられた衝
    突部材に衝突させる、請求項7〜10のいずれか一項に
    記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 粉体と、繊維径が4μm以下で繊維長
    が3mm以下の極細短繊維とを分散した状態で含む、湿
    式法以外の方法により形成した粉体含有繊維ウエブから
    形成した粉体固着不織布の層少なくとも1層を含有する
    ことを特徴とする、シート材料。
  13. 【請求項13】 前記粉体固着不織布層の少なくとも片
    面に、粉体を含まない層を更に有する、請求項12に記
    載のシート材料。
  14. 【請求項14】 繊維径が4μm以下で繊維長が3mm
    以下の極細短繊維の集合体若しくはそれらの集合体群、
    及び/又は、機械的に分割して繊維径が4μm以下で繊
    維長が3mm以下の極細短繊維を発生可能な分割性繊
    維、若しくはそれらの集合体を、粉体と共に、圧縮気体
    の作用によりノズルから気体中に噴出させて、前記極細
    短繊維集合体若しくはそれらの集合体群を極細短繊維に
    分割させ、及び/又は、分割性繊維若しくはそれらの集
    合体を極細短繊維に分割させると共に粉体を分散させる
    工程、分散した極細短繊維及び粉体を集積して粉体含有
    繊維ウエブを形成する工程、及び得られた粉体含有繊維
    ウエブから不織布を形成する際に、前記粉体含有繊維ウ
    エブ中に含まれている粉体を固着させ、更に、それらと
    同時に粉体を含まない層を結合させる工程、を含むこと
    を特徴とする、粉体固着不織布層含有シート材料の製造
    方法。
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