JP4208560B2 - インピーダンス測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、四端子法によって測定対象体のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のインピーダンス測定装置として、例えば図3に示すインピーダンス測定装置51が従来から知られている。このインピーダンス測定装置51によって測定対象体Mのインピーダンスを測定する場合、まず、測定対象体Mの両端点(E点とF点)に一対のコンタクトプローブP1,P2をそれぞれ接触させると共に、測定対象体Mの2点(E点とF点との間に設定されたG点とH点)に他の一対のコンタクトプローブP3,P4をそれぞれ接触させる。次いで、一対のコンタクトプローブP1,P2を介して電流源12から測定用電流Iを供給させる。この際に、測定部13が、他の一対のコンタクトプローブP3,P4を介して測定対象体Mの2点(G点とH点)間の電圧Vを測定し、この測定した電圧Vの電圧値と供給した測定用電流Iの電流値とに基づいてインピーダンスZを算出する。この測定方法は、いわゆる四端子法であって、測定部13内で高入力インピーダンスの差動アンプ13aを使用して測定対象体Mの2点(G点とH点)間の電圧Vを測定することにより、原理的には、各コンタクトプローブP3,P4の抵抗や、各コンタクトプローブP3,P4と測定対象体Mとの間の接触抵抗による測定への影響を軽減して測定対象体MのインピーダンスZを測定することができる。この場合、インピーダンスZは、この測定した電圧Vに基づいて演算回路13bによって算出される。また、インピーダンス測定装置51によって測定対象体Mの導電率σをさらに測定する場合には、メモリ13c内に予め記憶されている測定対象体Mの2点(G点とH点)間の距離Lと、このG点およびH点の間における測定対象体Mの断面積Sと、測定したインピーダンスZとに基づいて、演算回路13bが下記(1)式に基づいて導電率σを算出する。なお、算出したインピーダンスZや導電率σは表示部14に表示される。
σ=L/(Z×S)・・・・(1)式
【0003】
しかしながら、例えば、各コンタクトプローブの先端部に設けられた白金等の導電性金属を巻き付けることによって各コンタクトプローブと電気的に接触させる必要がある固体酸化物のような測定対象体Mを測定する場合、各コンタクトプローブと固体酸化物との接触抵抗が、差動アンプ13aの入力インピーダンスに対して無視できないほど大きくなることがある。この場合、上記したインピーダンス測定装置51では、測定対象体MのG点とH点との間の電圧Vを正確に測定することができずに、測定対象体MのインピーダンスZ、ひいては測定対象体Mの導電率σを正確に算出することができなくなるという問題が生じる。さらに、このように接触抵抗が大きい場合は、測定対象体MのH点とグランドとの間に、供給する測定用電流Iの電流値と接触抵抗の積で定まる電位差が発生し、この電位差が同相電圧として差動アンプ13aに悪影響を与える。このため、差動アンプ13aの演算精度が低下することに起因して上記のインピーダンスZおよび導電率σを正確に測定することができなくなるという問題も生じる。
【0004】
このため、特開平11−38053号公報に開示のインピーダンス測定装置では、電圧検出端子対(測定対象体MのG点とH点)における同相電圧成分がほぼ一定電位になるように電流供給端子の電位を制御する制御ループを設けて、接触抵抗に起因する上記の問題を解決している。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−38053号公報(第2頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特開平11−38053号公報に開示のインピーダンス測定装置には、以下の問題点がある。すなわち、このインピーダンス測定装置では、制御ループを構成するために、差動回路やバッファや抵抗器等の多くの電子回路が必要となる。その結果、このインピーダンス測定装置には、部品点数が増加して装置コストが上昇するという問題点がある。
【0007】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、接触抵抗の影響を排除しつつ、低コストで測定対象体のインピーダンスを測定することが可能なインピーダンス測定装置を提供することを主目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく請求項1記載のインピーダンス測定装置は、第1および第2の電流供給端子に接続可能な第1および第2のコンタクトプローブと、第1および第2の電圧検出端子に接続可能な第3および第4のコンタクトプローブと、その一対の入力端子の各々が前記第1および第2の電圧検出端子にそれぞれ接続された差動アンプを備えて構成されて、測定対象体にそれぞれ接触させた前記第1のコンタクトプローブから第2のコンタクトプローブに向けて測定用電流を供給した状態において、前記測定対象体にそれぞれ接触させた前記第3および第4のコンタクトプローブを介して前記各電圧検出端子間に発生する電圧を四端子法によって測定すると共に前記測定した電圧の電圧値と前記測定用電流の電流値とに基づいて前記測定対象体のインピーダンスを測定する測定部とを備えたインピーダンス測定装置であって、前記各電流供給端子および前記各電圧検出端子と前記各コンタクトプローブとの間に配設されて当該各電流供給端子および当該各電圧検出端子と当該各コンタクトプローブとの接続状態を切り替え可能な切替部を備え、前記測定部は、前記測定対象体のインピーダンス測定に先立ち、前記切替部によって前記第3および第4のコンタクトプローブのいずれか一方に前記両電圧検出端子が接続された接続状態において、前記差動アンプが前記接続された両電圧検出端子と前記第2の電流供給端子との間の電圧を測定することによって前記いずれか一方のコンタクトプローブに誘起する同相電圧に応じて発生する誤差電圧を測定し、当該誤差電圧、および当該誤差電圧に基づいて算出されるパラメータ値のいずれか一方と、当該一方に対応して予め設定された基準値とを比較して前記第2のコンタクトプローブと前記測定対象体との間の接触抵抗の大小を判定する。
【0009】
請求項2記載のインピーダンス測定装置は、請求項1記載のインピーダンス測定装置において、前記測定部は、前記測定対象体のインピーダンス測定に先立ち、前記切替部によって前記第1の電流供給端子および前記第1の電圧検出端子が前記第3のコンタクトプローブに接続されると共に前記第2の電流供給端子および前記第2の電圧検出端子が前記第4のコンタクトプローブに接続された状態において、前記各電圧検出端子間の電圧を測定し、当該測定した電圧、および当該測定した電圧に基づいて算出されるパラメータ値のいずれか一方と、当該一方に対応して予め設定された基準値とを比較して前記第3および第4のコンタクトプローブと前記測定対象体との間の接触抵抗の大小を判定する。
【0010】
請求項3記載のインピーダンス測定装置は、請求項1または2記載のインピーダンス測定装置において、前記測定部は、前記測定したインピーダンスに基づいて前記測定対象体の導電率を算出する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るインピーダンス測定装置の好適な発明の実施の形態について説明する。なお、従来のインピーダンス測定装置51と同一の構成要素については同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0012】
最初に、本発明におけるインピーダンス測定装置1の構成について、図1を参照して説明する。
【0013】
インピーダンス測定装置1は、図1に示すように、コンタクトプローブP1(第1のコンタクトプローブ)、コンタクトプローブP2(第2のコンタクトプローブ)、コンタクトプローブP3(第3のコンタクトプローブ)、コンタクトプローブP4(第4のコンタクトプローブ)、切替ボックス(切替部)11、電流源12、測定部13および表示部14を備え、測定対象体MのインピーダンスZを四端子法によって測定(算出)し、かつ測定したインピーダンスZに基づいて導電率σを測定(算出)可能に構成されている。
【0014】
切替ボックス11は、a端子、b端子、c端子、d端子、A端子、B端子、C端子およびD端子を備え、内部の接続状態を変更する(切り替える)ことにより、少なくとも以下の3つの組み合わせで、a端子からd端子までの端子群と、A端子からD端子までの端子群とを切替え接続可能に構成されている。
(第1の組み合わせ)
a端子とA端子、b端子とC端子、c端子とC端子、d端子とD端子
(第2の組み合わせ)
a端子とB端子、b端子とB端子、c端子とC端子、d端子とC端子
(第3の組み合わせ)
a端子とA端子、b端子とB端子、c端子とC端子、d端子とD端子
【0015】
また、本実施の形態では、一例として、切替ボックス11は、a端子〜d端子の群とA端子〜D端子の群との接続を手動で切り替える構成を示して説明するが、例えば、測定部13の制御下で自動的に接続の組み合わせを切り替える構成を採用することもできる。
【0016】
コンタクトプローブP1、コンタクトプローブP2、コンタクトプローブP3およびコンタクトプローブP4(以下、区別しないときには、「コンタクトプローブP」ともいう)は、測定対象体Mに接触させる各一端側が例えば白金線で構成されると共に、各他端側が切替ボックス11のA端子、D端子、B端子およびC端子にそれぞれ接続されている。
【0017】
電流源12は、T1端子(第1の電流供給端子)およびT2端子(第2の電流供給端子)を備え、T1端子およびT2端子間に測定用電流Iを供給可能に構成されている。また、電流源12のT1端子およびT2端子は、切替ボックス11のa端子およびd端子にそれぞれ接続されている。
【0018】
測定部13は、T3端子(第1の電圧検出端子)、T4端子(第2の電圧検出端子)、差動アンプ13a、演算回路13bおよびメモリ13cを備えて構成されている。この場合、T3端子およびT4端子は、切替ボックス11のb端子およびc端子にそれぞれ接続されている。差動アンプ13aは、その一対の入力端子がT3端子およびT4端子にそれぞれ接続されて、T3端子およびT4端子間の電圧Vを差動増幅して検出する。演算回路13bは、この電圧Vの電圧値と電流源12によって供給された測定用電流Iの電流値とに基づいてインピーダンスZを算出する。また、演算回路13bは、このインピーダンスZと基準インピーダンスZr1,Zr2とに基づいて、後述するように、接触抵抗の大小を判定する。また、演算回路13bは、このインピーダンスZと、予め設定された測定対象体Mに関する断面積Sおよび端子間距離Lとに基づいて、測定対象体Mの導電率σを演算する。メモリ13cには、上記した断面積S、端子間距離L、および基準インピーダンスZr1,Zr2が予め記憶されている。
【0019】
表示部14は、例えば、CRTまたはLCDを用いて構成されて、測定部13によって測定されたインピーダンスZおよび導電率σを表示する。
【0020】
次いで、インピーダンス測定装置1を用いて、固体電解質(ジルコニアやベータアルミナ等)によって円柱状に形成された測定対象体Mの導電率σを測定する測定方法について、図2を参照して説明する。
【0021】
まず、測定対象体Mの両端点(E点とF点)に一対のコンタクトプローブP1,P2の一端側をそれぞれ接触させると共に、測定対象体Mの2点(G点とH点)に他の一対のコンタクトプローブP3,P4の一端側をそれぞれ接触させる(ステップ50)。具体的には、各コンタクトプローブP1〜P4における一端側の白金線を測定対象体Mに複数回巻き付けて電気的に接触させる。
【0022】
次に、コンタクトプローブP2についての接触抵抗の大小を判定する判定処理を行う(ステップ51)。この処理では、まず、切替ボックス11における内部の接続状態を変更する。具体的には、上記した第1の組み合わせでa端子〜d端子の端子群とA端子〜D端子の端子群とを接続する。次いで、電流源12を作動させて、測定対象体Mに対する測定用電流Iの供給を開始する。続いて、測定部13を作動させて、T3端子およびT4端子間のインピーダンスZを測定する。この場合、切替ボックス11のb端子がC端子に接続され、かつc端子がC端子に接続されて、T3端子およびT4端子同士が切替ボックス11によって短絡された状態となる。このため、差動アンプ13aでは、その両入力端子間(T3端子およびT4端子間)の電圧Vがゼロボルトになる。その一方で、差動アンプ13aは、測定対象体MにおけるH点とF点間のインピーダンス、およびコンタクトプローブP2と測定対象体Mとの接触抵抗(F点での接触抵抗)の合成インピーダンスと測定用電流Iとによって発生する同相電圧が両入力端子に誘起した(印加された)状態となる。このため、差動アンプ13aは、同相電圧に起因する誤差電圧を出力して、演算回路13bは、この誤差電圧と測定用電流Iの電流値とに基づいて等価的にインピーダンスZ(パラメータ値)を算出する。
【0023】
次いで、演算回路13bは、メモリ13cに予め記憶されている基準インピーダンスZr1と算出したインピーダンスZとを比較する。この場合、コンタクトプローブP2と測定対象体Mとの間の接触抵抗が大きいときには、同相電圧が大きくなるため、誤差電圧も大きくなって算出したインピーダンスZも大きくなる。したがって、インピーダンスZが基準インピーダンスZr1以上のときには、コンタクトプローブP2と測定対象体Mとの間の接触抵抗が大きい(接触抵抗による影響が大きい)と判定し、インピーダンスZが基準インピーダンスZr1未満のときには、その接触抵抗が小さい(接触抵抗による影響が小さい)と判定する。
【0024】
次いで、上記の判定処理の結果、接触抵抗が大きい(接触抵抗による影響が大きい)と判定したときは、ステップ52に移行して、その旨をエラー表示する。一方、接触抵抗が小さい(接触抵抗による影響が小さい)と判定したときは、ステップ53に移行する。
【0025】
このステップ53では、コンタクトプローブP3,P4についての接触抵抗の大小を判定する判定処理を実行する。この処理では、まず、切替ボックス11の内部接続状態を変更する。具体的には、上記した第2の組み合わせでa端子〜d端子の端子群とA端子〜D端子の端子群とを接続する。次いで、電流源12を作動させて、測定対象体Mに対する測定用電流Iの供給を開始する。続いて、測定部13を作動させて、T3端子およびT4端子間のインピーダンスZ(パラメータ値)を測定する。この場合、切替ボックス11のb端子とB端子とが接続されると共にc端子とC端子とが接続された状態において、a端子がB端子に接続され、かつd端子がC端子に接続されている。したがって、電流源12によって供給された測定用電流Iは、電圧検出用のコンタクトプローブP3を介して測定対象体MのG点に流入し、測定対象体MのH点からコンタクトプローブP4を介してT2端子に流入して、さらにはグランドに流入する。この場合、コンタクトプローブP3および測定対象体Mの間の接触抵抗と、G点およびH点の間の測定対象体MのインピーダンスZと、コンタクトプローブP4および測定対象体Mの間の接触抵抗との合成インピーダンスに測定用電流Iが流れることに起因する電圧Vが、T3端子およびT4端子間に発生する。
【0026】
この際に、差動アンプ13aはこの電圧Vを検出し、演算回路13bは電圧Vに基づいてインピーダンスZを算出する。この場合、各コンタクトプローブP3,P4の各接触抵抗が増加すれば、差動アンプ13aによって検出される電圧Vも増加し、それに伴って、演算回路13bによって算出されるインピーダンスZも増加する。したがって、演算回路13bは、メモリ13cに予め記憶されている基準インピーダンスZr2と算出したインピーダンスZとを比較して、インピーダンスZが基準インピーダンスZr2以上のときには、各コンタクトプローブP3,P4の接触抵抗が大きい(接触抵抗による影響が大きい)と判定し、インピーダンスZが基準インピーダンスZr2未満のときには、接触抵抗が小さい(接触抵抗による影響が小さい)と判定する。
【0027】
次いで、上記の接触抵抗の大小に関する判定処理の結果、接触抵抗が大きい(接触抵抗による影響が大きい)と判定したときは、ステップ52に移行して、その旨をエラー表示する。一方、接触抵抗が小さい(接触抵抗による影響が小さい)と判定したときは、ステップ54に移行する。
【0028】
ステップ54では、四端子法による測定対象体Mのインピーダンス測定処理を実行する。この処理では、まず、切替ボックス11の内部接続状態を変更する。具体的には、上記した第3の組み合わせでa端子〜d端子の端子群とA端子〜D端子の端子群とを接続する。次いで、電流源12を作動させて、測定対象体Mに対する測定用電流Iの供給を開始する。続いて、測定部13を作動させて、T3端子およびT4端子間のインピーダンスZを測定する。具体的には、差動アンプ13aがコンタクトプローブP3,P4を介してT3端子およびT4端子間に発生する電圧Vを検出し、演算回路13bが電圧Vに基づいてインピーダンスZを算出する。この場合、上記したステップ53における接触抵抗に関する判定処理の結果、コンタクトプローブP3,P4の接触抵抗が小さいと判定されているため、T3端子およびT4端子間の電圧Vは、主として測定対象体MのG点およびH点間のインピーダンスに起因して発生する。また、上記したステップ51における接触抵抗に関する判定処理では、コンタクトプローブP3,P4の接触抵抗が小さいと判定されている。このため、コンタクトプローブP2の接触抵抗に起因して差動アンプ13aに発生する誤差は十分に小さい状態に維持されている。したがって、このインピーダンス測定装置1では、測定対象体MのG点およびH点間のインピーダンスZが精度良く測定される。
【0029】
続いて、演算回路13bは、測定したインピーダンスZと、予め記憶されている測定対象体Mに関する断面積Sおよび端子間距離Lとに基づき、上記(1)式に従って導電率σを算出する(ステップ55)。次いで、演算回路13bは、算出した導電率σを表示部14に表示させて(ステップ56)、この導電率の測定(算出)処理を完了する。
【0030】
このように、このインピーダンス測定装置1によれば、四端子法による測定対象体Mのインピーダンス測定に先立って、コンタクトプローブP2〜P4についての接触抵抗の大小を判定し、これらの影響が小さいと判定したときにのみインピーダンスの測定を実行することにより、コンタクトプローブPの接触抵抗による影響を排除して高い精度でインピーダンスを測定することができる。したがって、測定対象体Mの導電率も精度良く算出することができる。また、構造の簡易な切替ボックス11を従来のインピーダンス測定装置51に設けるだけの簡易な構成のため、特開平11−38053号公報に記載のインピーダンス測定装置と比較して、回路部品数を十分に低減できるため、製品コストの上昇を十分に抑制することができる。また、各コンタクトプローブPの接触抵抗が大きいと判定したときには、その旨を表示部14にエラー表示させることにより、各コンタクトプローブPの接触不良についての改善を作業者に喚起することができる。したがって、コンタクトプローブPの測定対象体Mへの接触状態を再調整する機会が与えられる結果、接触抵抗が小さい正常状態でのインピーダンス測定および導電率測定を実現可能となる。
【0031】
なお、本発明は、上記した本発明の実施の形態に示した構成に限定されない。例えば、本発明の実施の形態では、コンタクトプローブP2についての接触抵抗の大小を判定した後に、コンタクトプローブP3,P4についての接触抵抗の大小を判定する例を挙げて説明したが、逆の順序で判定する構成を採用することもできるし、いずれか一方のみを判定する構成を採用することもできる。また、本発明の実施の形態では、コンタクトプローブP2についての接触抵抗の大小の判定処理において、切替ボックス11の接続状態を、c端子とC端子を接続した状態において、b端子をC端子に接続した例を挙げて説明したが、b端子とB端子を接続した状態において、c端子をB端子に接続する構成を採用することもできる。
【0032】
また、本発明における第1および第2の電流供給端子と第1および第2の電圧検出端子については、必ずしも専用の端子である必要はなく、任意の接続部位で形成することができるし、第1および第2の電流供給端子については切替ボックス11のa端子およびd端子がその機能を兼用し、第1および第2の電圧検出端子については切替ボックス11のb端子およびc端子がその機能を兼用することもできる。さらに、本発明の実施の形態では、インピーダンスZをパラメータ値として、インピーダンスZと、そのインピーダンスZに対応して予め設定された基準インピーダンスZr1,Zr2(基準値)とを比較してコンタクトプローブP2〜P4と測定対象体Mとの間の接触抵抗の大小を判定する例について説明したが、これに限定されない。例えば、差動アンプ13aによって検出された電圧V自体の大きさで各コンタクトプローブPと測定対象体Mとの間の接触抵抗の大小を判定することもできる。ただし、インピーダンスZをパラメータ値とする構成によれば、たとえ測定用電流Iの電流値が変化したとしてもインピーダンスZ自体が変化しないため、精度良く各コンタクトプローブPと測定対象体Mとの間の接触抵抗の大小を判定することができる。また、本発明の実施の形態では、測定対象体Mとして、固体電解質を例に挙げて説明したが、固体電解質以外の材料で形成されたものを測定対象体とすることができる。特に、コンタクトプローブとの接触抵抗が大きくなる可能性の高い固体電解質のような物質で構成された測定対象体MのインピーダンスZや導電率σを測定する際に、本発明を適用することによって接触抵抗の影響を有効に排除することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載のインピーダンス測定装置によれば、各電流供給端子および各電圧検出端子と各コンタクトプローブとの接続状態を切り替え可能な切替部を各電流供給端子および各電圧検出端子と各コンタクトプローブとの間に配設し、測定部が、測定対象体のインピーダンス測定に先立ち、切替部によって第3または第4のコンタクトプローブのいずれか一方に各電圧検出端子が接続された接続状態において、各電圧検出端子間の電圧を測定することによっていずれか一方のコンタクトプローブに誘起する同相電圧に応じて発生する誤差電圧を測定し、その誤差電圧、およびその誤差電圧に基づいて算出されるパラメータ値のいずれか一方と、その一方に対応して予め設定された基準値とを比較して第2のコンタクトプローブと測定対象体との間の接触抵抗の大小を判定することにより、接触抵抗が小さいと判定したときにのみ、インピーダンスの測定を実行することができる。このため、接触抵抗が大きいときのインピーダンス測定を回避できる結果、精度の高いインピーダンス測定を実行することができる。また、構造の簡単な切替部を設けるだけの簡易な構成のため、回路部品数の増加を最低限に抑えることができる結果、製品コストの上昇を抑制することができる。
【0034】
また、請求項2記載のインピーダンス測定装置によれば、測定部が、測定対象体のインピーダンス測定に先立ち、切替部によって第1の電流供給端子および第1の電圧検出端子が第3のコンタクトプローブに接続されると共に第2の電流供給端子および第2の電圧検出端子が第4のコンタクトプローブに接続された状態において、各電圧検出端子間の電圧を測定し、測定した電圧、およびその測定した電圧に基づいて算出されるパラメータ値のいずれか一方と、その一方に対応して予め設定された基準値とを比較して第3および第4のコンタクトプローブと測定対象体との間の接触抵抗の大小を判定することにより、接触抵抗が小さいと判定したときにのみ、インピーダンスの測定を実行することができる。このため、接触抵抗が大きいときのインピーダンス測定を回避できる結果、精度の高いインピーダンス測定を実行することができる。また、構造の簡単な切替部を設けるだけの簡易な構成のため、回路部品数の増加を最低限に抑えることができる結果、製品コストの上昇を抑制することができる。
【0035】
さらに、請求項3記載のインピーダンス測定装置によれば、測定誤差の原因となる接触抵抗が小さい状態において高精度で測定したインピーダンスに基づいて測定対象体の導電率を算出することにより、高い精度で導電率を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るインピーダンス測定装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】 インピーダンス測定装置1による導電率測定処理を説明するためのフローチャートである。
【図3】 従来のインピーダンス測定装置51の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 インピーダンス測定装置
11 切替ボックス
12 電流源
13 測定部
I 測定用電流I
M 測定対象体
P1,P2,P3,P4 コンタクトプローブ
T1,T2 端子(電流供給端子)
T3,T4 端子(電圧検出端子)
V 電圧
Z インピーダンス
Zr1,Zr2 基準インピーダンス
Claims (3)
- 第1および第2の電流供給端子に接続可能な第1および第2のコンタクトプローブと、第1および第2の電圧検出端子に接続可能な第3および第4のコンタクトプローブと、その一対の入力端子の各々が前記第1および第2の電圧検出端子にそれぞれ接続された差動アンプを備えて構成されて、測定対象体にそれぞれ接触させた前記第1のコンタクトプローブから第2のコンタクトプローブに向けて測定用電流を供給した状態において、前記測定対象体にそれぞれ接触させた前記第3および第4のコンタクトプローブを介して前記各電圧検出端子間に発生する電圧を四端子法によって測定すると共に前記測定した電圧の電圧値と前記測定用電流の電流値とに基づいて前記測定対象体のインピーダンスを測定する測定部とを備えたインピーダンス測定装置であって、
前記各電流供給端子および前記各電圧検出端子と前記各コンタクトプローブとの間に配設されて当該各電流供給端子および当該各電圧検出端子と当該各コンタクトプローブとの接続状態を切り替え可能な切替部を備え、
前記測定部は、前記測定対象体のインピーダンス測定に先立ち、前記切替部によって前記第3および第4のコンタクトプローブのいずれか一方に前記両電圧検出端子が接続された接続状態において、前記差動アンプが前記接続された両電圧検出端子と前記第2の電流供給端子との間の電圧を測定することによって前記いずれか一方のコンタクトプローブに誘起する同相電圧に応じて発生する誤差電圧を測定し、当該誤差電圧、および当該誤差電圧に基づいて算出されるパラメータ値のいずれか一方と、当該一方に対応して予め設定された基準値とを比較して前記第2のコンタクトプローブと前記測定対象体との間の接触抵抗の大小を判定するインピーダンス測定装置。 - 前記測定部は、前記測定対象体のインピーダンス測定に先立ち、前記切替部によって前記第1の電流供給端子および前記第1の電圧検出端子が前記第3のコンタクトプローブに接続されると共に前記第2の電流供給端子および前記第2の電圧検出端子が前記第4のコンタクトプローブに接続された状態において、前記各電圧検出端子間の電圧を測定し、当該測定した電圧、および当該測定した電圧に基づいて算出されるパラメータ値のいずれか一方と、当該一方に対応して予め設定された基準値とを比較して前記第3および第4のコンタクトプローブと前記測定対象体との間の接触抵抗の大小を判定する請求項1記載のインピーダンス測定装置。
- 前記測定部は、前記測定したインピーダンスに基づいて前記測定対象体の導電率を算出する請求項1または2記載のインピーダンス測定装置。
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