JP4201429B2 - キャップライナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は成形加工性に優れ、耐熱性および内容物の保存性に優れ、且つ実用時の開栓を容易にするキャップライナー、特に金属または樹脂製スクリューキャップのパッキング材として好適な飲料用キャップライナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、飲料用キャップのライナー材としては、例えば特開平2−57569号公報に記載されたライナー材が知られている。このライナー材は、水素添加スチレン-ブタジエンブロック共重合体、流動パラフィン、ポリプロピレンよりなる組成物であって、耐熱性の効果が認められたものの、成形加工性に劣るものであった。(溶融粘度のシェアレート依存性が高く、ダイスウェルが小さいため、シートまたは棒状に成形する場合、安定した寸法が得られない。)また、特開平3−134085号公報にはエチレン系重合体、水素添加ブロック共重合体エラストマーおよび高級脂肪酸アミドよりなる、保存性に優れ、且つ実用時の開栓性に優れるキャップライナーが提案されている。しかしながら、このキャップライナーは耐熱性に劣るという欠点を有していた。さらに、特開平7−76360号公報には水素添加スチレン-ブタジエンブロック共重合体、流動パラフィン、ポリプロピレン、ポリエチレンよりなる耐熱性および良好な開栓トルクを有するキャップライナー材用組成物が開示されている。しかしながら、この組成物の耐熱性は実質不十分であり、90℃以上での殺菌処理や60℃以上に長期間さらされると密封性が低下するという欠点を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来の技術課題を背景になされたもので、成形加工性、耐熱性、および内容物の保存性に優れ、且つ実用時の開栓を容易にするキャップライナーを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、以下の通りのものである。
1.(a)下記(a−1)および(a−2)の水添ブロック共重合体混合物100重量部、
(a−1)少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個のブタジエン重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなるブロック共重合体で、数平均分子量が150000以上、400000以下であり、重合体ブロックAが共重合体の15〜40重量%を構成する水素添加ブロック共重合体:5〜95重量部
(a−2)少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個のブタジエン重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなるブロック共重合体で、数平均分子量が30000以上、149000以下であり、重合体ブロックAが共重合体の8〜35重量%を構成する水素添加ブロック共重合体:5〜95重量部
(b)メルトフローレイトが0.1〜10g/10分のポリプロピレン系樹脂:10〜100重量部
(c)メルトフローレイトが0.1〜20g/10分のポリエチレン系樹脂:0〜70重量部
(d)炭化水素油:30〜150重量部からなるエラストマー組成物からなることを特徴とするキャップライナー。
2.ビニル芳香族化合物がスチレンであることを特徴とする上記1記載のキャップライナー。
3.炭化水素油が非芳香族系のパラフィン油であることを特徴とする上記1項記載のキャップライナー。
4.エラストマー組成物が、高級脂肪酸アミドを(a)、(b)、(c)および(d)成分総数量100重量部に対して0.1〜3.0重量部含有することを特徴とする上記1項記載のキャップライナー。
【0005】
以下、本発明に関して詳細に説明する。
本発明の(a)成分である水添ブロック共重合体を構成するビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第三ブチルスチレンなどのうちから1種または2種以上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。
【0006】
また、共役ジエン化合物としては、例えばブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうちから1種または2種以上が選択でき、中でもブタジエン、イソプレン及びこれらの組合わせが好ましい。そして、水素添加される前の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、そのブロックにおけるミクロ構造を任意に選ぶことができ、例えば、ポリブタジエンブロックの場合においては、1,2−ビニル結合構造が20〜50重量%、好ましくは25〜45重量%であり、ポリイソプレンブロックにおいては1,4−ビニル結合が80重量%以上、好ましくは90重量%以上である。
【0007】
本発明において水添ブロック共重合体は、(a−1)および(a−2)の2種類が用いられる。水添ブロック共重合体(a−1)は、数平均分子量が150000以上、400000以下、好ましくは180000以上、350000以下、さらに好ましくは200000以上、300000以下であり、重合体ブロックAが共重合体の15〜40重量%、好ましくは20〜35重量%を構成する。
【0008】
水添ブロック共重合体の数平均分子量が150000以下ではエラストマー組成物の強度、耐熱性が低下し好ましくない。一方、水添ブロック共重合体の数平均分子量が400000を超えるとエラストマー組成物の成形加工性(流動性)が低下し、また成形品の外観が悪化するので好ましくない。また、重合体ブロックAが共重合体の15重量%未満では、エラストマー組成物の強度、耐熱性が低下するので好ましくない。一方、重合体ブロックAが共重合体の40重量%を超えるとエラストマー組成物の柔軟性が低下し、また成形加工性、密封性が低下するので好ましくない。
【0009】
水添ブロック共重合体(a−2)は、数平均分子量が30000以上、149000以下、好ましくは50000以上、120000以下、さらに好ましくは60000以上、90000以下であり、重合体ブロックAが共重合体の8〜35重量%、好ましくは10〜30重量%、さらに好ましくは15〜25重量%を構成する。水添ブロック共重合体の数平均分子量が30000以下ではエラストマー組成物の強度、耐熱性が低下するので好ましくない。一方、水添ブロック共重合体の数平均分子量が149000を超えると、エラストマー組成物の成形加工性(流動性)が低下し、また成形品の外観が悪化するので好ましくない。また、重合体ブロックAが共重合体の10重量%未満ではエラストマー組成物の強度、耐熱性が低下するので好ましくない。一方、重合体ブロックAが共重合体の35重量%を超えるものを用いるとエラストマー組成物の柔軟性が低下するので好ましくない。水添ブロック共重合体(a−1)および(a−2)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)]は5以下、好ましくは2以下、さらに好ましくは1.5以下である。分子量分布が5を超えるとエラストマー組成物の強度、耐熱性が十分でなく好ましくない。
本明細書記載の分子量および分子量分布は、たとえばGPC(Gel Permeation Cromatograpy)法により測定される。GPC分析では標準ポリスチレンで作成した検量線を用い分子量を計算することができる。
【0010】
本発明で(a−1)成分として用いるられる水添ブロック共重合体は、少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなるブロック共重合体であり、例えば
A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−A、B−A−B−A−B
等の構造を有する。
【0011】
また、本発明で(a−2)成分として用いるられる水添ブロック共重合体は、少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなるブロック共重合体であり、例えば
A−B、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−A、B−A−B−A−B等の構造を有する。
【0012】
また、本発明で(a−1)または(a−2)成分として用いられる水添ブロック共重合体のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、それぞれの重合体ブロックにおけるビニル芳香族化合物または共役ジエン化合物の分布がランダムまたはテーパード(分子鎖にそってモノマー成分が増加または減少するもの)または一部ブロック状またはこれらの任意の組み合わせであってもよく、また重合体ブロックAおよびBがそれぞれ2個以上ある場合は、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であってもよく、異なる構造であってもよい。本明細書中で使用される「主体とする」という表現は、該当モノマー単位が重合体ブロックの少なくとも50重量%以上、好ましくは70%以上を占めることを意味する。
【0013】
水添ブロック共重合体(a−1)と水添ブロック共重合体(a−2)との配合比率は、水添ブロック共重合体の全量を100重量部とした場合、ブロック共重合体(a−1)が5〜95重量部、ブロック共重合体(a−2)が5〜95重量部であり、好ましくはブロック共重合体(a−1)が30〜90重量部、ブロック共重合体(a−2)が10〜70重量部、さらに好ましくはブロック共重合体(a−1)が50〜80重量部、ブロック共重合体(a−2)が20〜50重量部である。ブロック共重合体(a−1)が5重量部未満ではエラストマー組成物の強度、耐熱性が低下するので好ましくない。ブロック共重合体(a−1)が95重量部を超えるとエラストマー組成物の成形加工性(流動性)が低下し、また成形品の外観が悪化するので好ましくない。
【0014】
これらのブロック共重合体は上記した構造を有するものであれば、その製造方法を制限するものではなく、例えば、特公昭40−23798号公報に記載された方法により、リチウム触媒を用いて不活性溶媒中で水素添加前のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を合成することができる。
水素添加の方法としては、例えば、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特開昭60−220147号公報、特開昭61−33132号公報あるいは特開昭62−207303号公報の方法が挙げられる。その際の共役ジエン化合物に由来する脂肪族二重結合は、少なくとも80%、好ましくは90%以上が水素添加され、一方ビニル芳香族化合物の20%未満、好ましくは10%未満が水素添加されるように選択される。上記水素添加ブロック共重合体の水素添加率については、赤外線分光分析や核磁気共鳴分析により容易に知ることができる。
【0015】
次に本発明の(b)成分はポリプロピレン系樹脂である。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体またはプロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィンとの共重合体である(以下プロピレン系樹脂と略記する)。プロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィンとの共重合体の場合、共重合体中のα−オレフィンとしてはエチレン、ブテン−1、イソブテン、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1等があげられる。また、α−オレフィンの割合は30重量%以下のものが用いられる。これらのプロピレン系樹脂は、従来公知の方法で合成することができ、例えばチーグラー・ナッタ型触媒を用いて合成されるプロピレン単独重合体、またはランダムあるいはブロックのプロピレンとα−オレフィンとの共重合体があげられる。耐熱性、成形性の優れるエラストマー組成物を得るためには、ポリオレフィン系樹脂としてはポリプロピレン系樹脂を用いる方が好ましい。
【0016】
これらのポリオレフィン系樹脂のメルトフローレイト(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重に従って測定した値。以下MFRと略記する)は0.1〜10g/10分、好ましくは0.3〜6g/10分である。MFRが0.1g/10分未満ではエラストマー組成物の溶融粘度が高く、エラストマー組成物の成形加工性(流動性)が低下し、また成形品の外観が悪化するので好ましくない。また、MFRが10g/10分を超えるとエラストマー組成物の強度、耐熱性および成形加工性(押出し成形時のドローダウンやダイスウェルの低下)が低下するので好ましくない。
【0017】
本発明における成分(b)のポリプロピレン系樹脂の配合量は、水素添加ブロック共重合体100重量部に対し、10〜100重量部、好ましくは15〜60重量部、さらに好ましくは20〜40重量部である。ポリオレフィン系樹脂の配合量が10重量部未満では、エラストマー組成物の耐熱性、成形加工性(流動性)が低下し、また成形品の外観が悪化するので好ましくない。ポリプロピレン系樹脂の配合量が100重量部を超えるとエラストマー組成物の柔軟性、ライナーの密封性が低下するので好ましくない。
【0018】
本発明に於ける成分(c)はポリエチレン系樹脂であり、具体的にはエチレンの単独重合体および/またはエチレンとα−オレフィンとの共重合体である。プロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィンとの共重合体の場合、共重合体中のα−オレフィンとしてはエチレン、ブテン−1、イソブテン、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1等があげられる。また、α−オレフィンの割合は30重量%以下のものが用いられる。
【0019】
これらのポリエチレン系樹脂のMFRは0.1〜20g/10分、好ましくは3〜15g/10分である。MFRが0.1g/10分未満ではエラストマー組成物の溶融粘度が高く、エラストマー組成物の成形加工性(流動性)が低下し、また成形品の外観が悪化するので好ましくない。また、MFRが20g/10分を超えるとエラストマー組成物の強度、耐熱性および成形加工性(押出し成形時のドローダウンやダイスウェルの低下)が低下するので好ましくない。
【0020】
本発明における成分(c)のポリエチレン系樹脂の配合量は、水素添加ブロック共重合体100重量部に対し、0〜70重量部、好ましくは5〜50重量部、さらに好ましくは10〜45重量部である。ポリエチレン系樹脂の配合量が70重量部を超えるとエラストマー組成物の耐熱性、ライナーの密封性が低下するので好ましくない。
【0021】
本発明における成分(d)は炭化水素油であり、得られる組成物の柔軟性、加工性を改良する効果を有しており、非芳香族系の鉱物油または液状もしくは低分子量の合成軟化剤が適している。非芳香族系の鉱物油としては一般に知られているパラフィン系オイルおよびナフテン系オイルを使用することができるが、なかでも芳香族環成分が10重量%以下のパラフィン系オイルが好ましい。炭化水素油の配合量は、水素添加ブロック共重合体100重量部に対し、30〜150重量部、好ましくは40〜120重量部、さらに好ましくは50〜90重量部である。炭化水素油の配合量が150重量部を超えるとエラストマー組成物の耐熱性が低下し、またライナー材からのオイルの移行が起こるので好ましくない。
【0022】
さらに本発明における組成物は必要に応じて無機充填剤、安定剤、滑剤、着色剤、シリコンオイル、難燃剤等を添加しても良い。無機充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、タルク、水酸化マグネシウム、マイカ、硫酸バリウム、けい酸(ホワイトカーボン)、酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。安定剤としてはヒンダードフェノール系酸化防止剤、りん系熱安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系UV吸収剤等が挙げられる。
【0023】
また、本発明における組成物には開栓時のトルクを低下させるため、滑剤を添加することができるが、好ましい例としては、高級脂肪酸アミド、ステアリン酸、ステアリン酸エステル、ステアリン酸の金属塩等が挙げられるがなかでも高級脂肪酸アミドが好ましい。かかる高級脂肪酸アミドとしてはオレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウリル酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリルアミド、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスオレイルアミド、エチレンビスラウリルアミド、ステアリルオレイルアミド、N−ステアリルエルカアミド、N−オレイルパルミトアミド等が挙げられる。
【0024】
高級脂肪酸アミドを添加する場合、添加量としては(a)、(b)、(c)および(d)成分総数量100重量部に対して0.1〜3.0重量部、好ましくは0.2〜1.0重量部である。高級脂肪酸アミドの添加量が0.1重量部未満ではキャップ開栓時のトルクが高くなり好ましくない。一方、高級脂肪酸アミドの添加量が3.0重量部を越えると、高級脂肪酸アミドのブリードが起こり、また密封性も低下するので好ましくない。
【0025】
一般に、本発明におけるエラストマー組成物を製造する方法としては、重合体成分をブレンドする為に従来技術で知られているいかなる方法を使用しても良い。最も均質なブレンド物を得るためには、通常使われているミキシングロール、ニーダー、バンバリーミキサーおよび押出機のような各種の混練機を使用して溶融混練する方法が望ましい。溶融混練する前に、これらの配合物をヘンシェルミキサー、タンブラー、リボンブレンダーのような混合機を用いて予めドライブレンドし、該混合物を溶融混練することにより均質なエラストマー組成物が得られる。キャップライナーの成形方法としては、公知のライナー形成方法を用いてキャップシェル内に密着成形される。ライナー形成法としては、例えば、樹脂組成物を0.5〜1.0mm厚みのシートに成形後、キャップの形状に合った径に打ち抜きキャップ内に挿入、接着する方法、押出し機にて押出された一定量の溶融樹脂をキャップの内側へ落とし、冷却下に型押ししライナー形状にするインシェルモールド法等が挙げられる。また、本発明における組成物は熱安定性に優れるため、リサイクルが可能であるという長所を有する。
【0026】
【発明の実施の形態】
実施例、参考例および比較例において、各種の評価方法に用いられた試験法は以下の通りである。
(1)硬さ[−]:JIS K6301、Aタイプ、23℃で測定。
(2)引張強さ[kgf/cm2 ]:JIS K6301、3号ダンベル、試料は2mm厚のプレスシートを用いた。
(3)伸び[%]:JIS K6301、3号ダンベル、試料は2mm厚のプレスシートを用いた。
(4)メルトフローレイト(MFR)[g/10分]:ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重にて測定した。
(5)成形加工性: 組成物を、28mmφのポリプロピレン製キャップシェル内でインシェルモールド法により成形し、ライナーを形成して、各種試験キャップを作製した(シリンダー温度C1:180℃、C2:190℃、C3:190℃、ノズル温度:200℃)。作製した各キャップを目視にて表面状態、形状等の外観を観察し、良好なものを○、やや不良なものを△、不良なものを×とした。
(6)開栓トルク:500ccのガラスボトルに、400ccの炭酸ガスを満たし、表1に示す組成物よりなるライナーを装着したキャップを用いて、トップ・ロード270kg
f、サイド・トルク8kgf−cmで密封した。炭酸ガス水は23℃で同量の水に対し約2.5倍の体積の炭酸ガスを溶存するものを用いた。この容器を5℃で30日間保存後、トルクメーターにて開栓トルクを測定した。評価は以下のとおり実施した。
○:トルク10〜16kgf−cm
△:トルク5kgf−cm以上〜10kgf−cm未満または16kgf−cm超、20kgf−cm以下
×:トルク5kgf−cm未満または20kgf−cm超
(7)密封、保存性試験:500ccのガラスボトルに、400ccの炭酸ガスを満たし、表1に示す組成物よりなるライナーを装着したキャップを用いて、トップ・ロード270kgf、サイド・トルク8kgf−cmで密封した。炭酸ガス水は23℃で同量の水に対し約2.5倍の体積の炭酸ガスを溶存するものを用いた。このガラス容器を70℃で30日間放置後、ガス漏れを検査した。評価を次のとおり行った。
○:全てまたは大半が漏れていない。(0/10〜1/10)
×:全てまたは大半が漏れる。(6/10〜10/10)
△:上記の中間。(2/10〜5/10)
また、実施例、参考例および比較例で使用された各成分は以下のとおりである。
【0027】
成分(a−1)−1
A−B−Aの構造を有し、数平均分子量270000、分子量分布1.2、結合スチレン量31重量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が38重量%、ポリブタジエン部の水素添加率99%のスチレン/ブタジエンブロック共重合体の水素添加ブロック共重合体を特開昭60−220147号公報に記載された方法により合成した。
【0028】
成分(a−1)−2
A−B−Aの構造を有し、数平均分子量290000、分子量分布1.2、結合スチレン量28重量%、水素添加前のポリイソプレン部の1,4−結合量が94重量%、3,4−結合量が6重量%、ポリイソプレン部の水素添加率99%のスチレン/イソプレンブロック共重合体の水素添加ブロック共重合体を特開昭60−220147号公報に記載された方法により合成した。
【0029】
成分(a−1)−3
B−A−B−Aの構造を有し、数平均分子量210000、分子量分布1.2、結合スチレン量34重量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が36重量%、ポリブタジエン部の水素添加率99%のスチレン/ブタジエンブロック共重合体の水素添加ブロック共重合体を特開昭60−220147号公報に記載された方法により合成した。
【0030】
成分(a−2)−1
A−B−Aの構造を有し、数平均分子量90000、分子量分布1.10、結合スチレン量21重量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が38重量%、ポリブタジエン部の水素添加率99%のスチレン/ブタジエンブロック共重合体の水素添加ブロック共重合体を特開昭60−220147号公報に記載された方法により合成した。
【0031】
成分(a−2)−2
B−A−B−Aの構造を有し、数平均分子量65000、分子量分布1.13、結合スチレン量20重量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が36重量%、ポリブタジエン部の水素添加率99%のスチレン/ブタジエンブロック共重合体の水素添加ブロック共重合体を特開昭60−220147号公報に記載された方法により合成した。
【0032】
成分(a−2)−3
A−B−Aの構造を有し、数平均分子量55000、分子量分布1.1、結合スチレン量25重量%、水素添加前のポリイソプレン部の1,4−結合量が94重量%、3,4−結合量が6重量%、ポリイソプレン部の水素添加率99%のスチレン/イソプレンブロック共重合体の水素添加ブロック共重合体を特開昭60−220147号公報に記載された方法により合成した。
【0033】
成分(a−2)−4
A−B−Aの構造を有し、数平均分子量25000、分子量分布1.14、結合スチレン量21重量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が38重量%、ポリブタジエン部の水素添加率99%のスチレン/ブタジエンブロック共重合体の水素添加ブロック共重合体を特開昭60−220147号公報に記載された方法により合成した。
【0034】
成分(a−2)−5
B−A−B−Aの構造を有し、数平均分子量70000、分子量分布1.1、結合スチレン量39重量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が36重量%、ポリブタジエン部の水素添加率99%のスチレン/ブタジエンブロック共重合体の水素添加ブロック共重合体を特開昭60−220147号公報に記載された方法により合成した。
【0035】
成分(b)−1
JPO製、ショーアロマーSK711(ブロックタイプポリプロピレン)、
MFR:1g/10分
成分(b)−2
JPO製、ショーアロマーMK511(ブロックタイプポリプロピレン)、
MFR:15g/10分
成分(c)
JPO製、LDPE、L1850A、MFR:12g/10分。
【0036】
成分(c)
出光興産製、パラフィン系オイル。ダイアナプロセスオイルPW−90。(動粘度;90cSt)。
【0037】
[実施例1〜[参考例1〜2]
水添ブロック共重合体として(a−1)−1〜3、(a−2)−1〜3を用い、ポリプロピレン系樹脂として(b)−1を用い、ポリエチレン系樹脂として(c)−1を用い、炭化水素油として(d)を用い表1、表2、表3に示した各割合にてヘンシェルミキサーでブレンドした後、45mm径の同方向二軸押出機にて220℃の条件で溶融混練しエラストマー組成物のペレットを得た。これを上記試験法にて評価し結果を表1、表2、表3に示した。この結果より、本発明のエラストマー組成物よりなるキャップライナーは耐熱性、密封性に優れ、また開閉性や加工性も良好であることが明らかである。
【0038】
【表1】
Figure 0004201429
【0039】
【表2】
Figure 0004201429
【0040】
【表3】
Figure 0004201429
【0041】
[比較例1〜10]
水添ブロック共重合体として(a−1)−1、(a−2)−1、4、5を用い、ポリオレフィン系樹脂として(b)−1、2を用い、炭化水素油として(c)を用い表4、表5、表6に示した各割合にて、実施例1〜8、参考例1〜2の方法と同様に混練し評価した。結果を表4、表5、表6に示した。この結果から本発明の範囲外の組成物はいずれかの性能、または加工性が劣ることが明らかである。
【0042】
【表4】
Figure 0004201429
【0043】
【表5】
Figure 0004201429
【0044】
【表6】
Figure 0004201429
【0045】
【発明の効果】
本発明によって得られるエラストマー組成物製のキャップライナーは、成形加工性に優れ、耐熱性および内容物の保存性に優れ、且つ実用時の開栓を容易にするキャップライナー、特に金属または樹脂製スクリューキャップのパッキング材としての飲料用キャップライナーに好適に使用できる。

Claims (4)

  1. (a)下記(a−1)および(a−2)の水添ブロック共重合体混合物100重量部、
    (a−1)少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個のブタジエン重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなるブロック共重合体で、数平均分子量が150000以上、400000以下であり、重合体ブロックAが共重合体の15〜40重量%を構成する水素添加ブロック共重合体:5〜95重量部
    (a−2)少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個のブタジエン重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなるブロック共重合体で、数平均分子量が30000以上、149000以下であり、重合体ブロックAが共重合体の8〜35重量%を構成する水素添加ブロック共重合体:5〜95重量部
    (b)メルトフローレイトが0.1〜10g/10分のポリプロピレン系樹脂:10〜100重量部
    (c)メルトフローレイトが0.1〜20g/10分のポリエチレン系樹脂:0〜70重量部
    (d)炭化水素油:30〜150重量部からなるエラストマー組成物からなることを特徴とするキャップライナー。
  2. ビニル芳香族化合物がスチレンであることを特徴とする請求項1記載のキャップライナー。
  3. 炭化水素油が非芳香族系のパラフィン油であることを特徴とする請求項1項記載のキャップライナー。
  4. エラストマー組成物が、高級脂肪酸アミドを(a)、(b)、(c)および(d)成分総数量100重量部に対して0.1〜3.0重量部含有することを特徴とする請求項1項記載のキャップライナー。
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