JP4200358B2 - ホール素子を備えた電流検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
本発明は、ホール素子を備えた電流検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホール素子は、ここに印加される磁界に正比例した電圧即ちホール電圧を発生する。従って、ホール素子を電流通路に沿って配置すると、電流通路を流れる電流に比例して発生する磁界がホール素子に作用し、ホール素子から電流に比例した電圧を得ることができる。
【0003】
ところで、本件出願人は、電流の検出感度を向上させるために、ホール素子を含む半導体基体の上面に絶縁膜を設け、この絶縁膜の上に被検出電流の通路としての導体層を設けることをPCT/JP99/05408で提案した。この様に半導体基体上に導体層を被検出電流の通路とすれば、ホール素子の主動作領域に電流通路を近接させることが可能になり、検出感度が向上する。
しかしながら半導体基体上の導体層に例えば100Aのような大電流を流すことは困難である。
【0004】
この問題を解決するために、本件出願人は、プリント回路基板上のプリント導体から成る検出電流通路を第1及び第2の電流通路に分割し、第2の電流通路にホール素子の導体層に接続することを試みた。この方法において第1及び第2の電流通路の抵抗値の比が予め判れば、第2の電流通路の電流を検出することによって被検出電流の値を知ることができる。また、被検出電流の変化を第2の電流通路の電流検出によって知ることができる。
しかし、この方法では、第1の電流通路と第2の電流通路との間の距離が比較的長くなり、両者間に温度差が生じ易くなり、第1及び第2の電流通路の電流の
分流比が変動し、電流検出精度が悪くなった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ホ−ル素子を使用した電流検出装置には、更に、ノイズが電流検出を妨害するという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的はノイズによる妨害を抑制することができるホール素子を使用した電流検出装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し、上記目的を達成するための本発明は、電気回路の電流を検出するための装置であって、一方の主面とこの一方の主面に対向する他方の主面とを有する板状半導体から成り、前記一方の主面側にホ−ル素子構成半導体領域(26、27、28)が配置されている半導体基体(23)と、前記半導体基体(23)の前記他方の主面を被覆しているシ−ルド層(17)と、前記半導体基体(23)の前記一方の主面側に配置された被検出電流を流すための電流通路形成用導体(15)とを備えていることを特徴とするホ−ル素子を備えた電流検出装置に係わるものである。
【0008】
なお、請求項2に示すように、電気回路の電流を検出するための電流検出装置は、一方の主面とこの一方の主面に対向する他方の主面とを有する板状半導体から成り、前記一方の主面側にホ−ル素子構成半導体領域(26、27、28)が配置されている半導体基体(23)と、前記半導体基体(23)の一方の主面を被覆する絶縁膜(32a)と、前記半導体基体(23)の前記一方の主面側に配置された被検出電流を流すための電流通路形成用導体(15)と、前記電流通路形成用導体(15)と前記絶縁膜との間に配置され且つ導電性物質で形成されているシ−ルド層(50)とを備えていることが望ましい。
また、請求項3に示すように、前記半導体基体(23)の前記他方の主面側に金属板(2)が配置されていることが望ましい。
【0009】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、シ−ルド層(17)によって、半導体基体(23)の他方の主面側に作用する外部磁界をシ−ルドすることができる。
また、電流通路形成用導体(15)の電流に基づく磁界をホ−ル素子構成半導体領域(26、27、28)に良好に作用させることができる。また、電流通路形成用導体(15)の電流に基づいて生じた磁束の経路の磁気抵抗をシ−ルド層(17)の働きで低減させることができる。
また、請求項2の発明によれば、半導体基体(23)の一方の主面側に作用する外来の電界ノイズ又は電磁ノイズをシ−ルド層(50)によって抑制し、耐ノイズ性を向上させることができる。また、シ−ルド層(50)が電流通路形成用導体(15)と半導体基体(23)の一方の主面との間に配置されているので、電流通路形成用導体(15)の電圧変動に基づいてホ−ル素子に電圧が誘起することを抑制することができる。
また、請求項3の発明によれば、ホ−ル素子構成半導体領域(26、27、28)が、一方の主面側のシ−ルド層(50)と他方の主面側の金属板(2)とに挟まれ、高いシ−ルド効果を得ることができる。
【0010】
【第1の実施形態】
次に、図1〜図8を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。
図1及び図2に示す電流検出装置は、大別してホール素子1と、金属製支持板2と、第1及び第2の電流通路用端子3、4と、第1、第2、第3、第4、第5及び第6の外部リード端子6、7、8、9、10、11と、第1の電流通路形成用導体としての第1の金属ワイヤ12、第2の電流通路形成用導体としての第2及び第3の金属ワイヤ13、14及び導体層15と、絶縁板16と、シールド層17と、絶縁性外囲体としての樹脂封止体18とを備えている。
【0011】
ホール素子1は、図3及び図8に示すように平面的に見て即ちホール素子1の主面及び支持板2の主面に対して垂直な方向から見て四角形であって、第1、第2、第3及び第4の電極19、20、21、22を有している。ホール素子1を使用する時には、第1及び第2の電極19、20に周知の制御電流供給回路が接続される。第3及び第4の電極21、22には周知の増幅器が接続される。第1、第2、第3及び第4の電極19、20、21、22は、図7及び図8に示す半導体基体23の第1、第2、第3及び第4の半導体領域24、25、26、27にそれぞれ接続されている。
【0012】
半導体基体23は、平面的に見て四角形の板状のシリコンから成り、n型の第1、第2、第3及び第4の半導体領域24、25、26、27の他に、第5、第6、第7及び第8の半導体領域28、29、30、31を有する。第5の半導体領域28はn型導電型を有し、半導体基体23の大部分を占めるp型の第8の半導体領域31の中に島状に形成され、図7に示すように平面的に見て十字状のパターンを有する。第1及び第2の半導体領域24、25は第5の半導体領域28の不純物濃度よりも高い不純物濃度を有するn+型半導体領域であって、図7に示すようにY軸方向において互いに離間して対向配置され且つ第5の半導体領域28の中に島状に形成されている。この第1及び第2の半導体領域24、25には第1及び第2の電極19、20がオーミック接触している。第1及び第2の電極19、20に制御電流供給回路を接続すると、第1の半導体領域24から第2の半導体領域25に向かう方向又はこれと逆の方向性を有して第5の半導体領域28に周知の制御電流Icが流れる。従って、第1及び第2の半導体領域24、25を制御電流供給用半導体領域と呼ぶこともできる。
【0013】
第3及び第4の半導体領域26、27は、第5の半導体領域28のn型不純物濃度よりも高い不純物濃度を有するn+型半導体領域であって、第5の半導体領域28のY軸方向の中央部分の両端の近くに配置されている。この第3及び第4の半導体領域26、27の一部は第5の半導体領域28に隣接し、残部はp型半導体から成る第6及び第7の半導体領域29、30に隣接している。X軸方向において互いに対向している第3及び第4の半導体領域26、27には第3及び第4の電極21、22がオーミック接触している。第3及び第4の半導体領域26、27はホール電圧検出用半導体領域と呼ぶこともできる。p型の第6及び第7の半導体領域29、30はn+型の第3及び第4の半導体領域26、27の第5の半導体領域28に対する接触面積を制限するものである。
【0014】
第1及び第2の半導体領域24、25間に制御電流Icが流れ、この制御電流Icに対して直交するように磁界を印加すると、第3及び第4の半導体領域26、27間に周知のホール効果の原理に従ってホール電圧が得られる。従って、ホール素子1のホール電圧を発生させるための主動作領域は、第5の半導体領域28における第1及び第2の半導体領域24、25の相互間及び第3及び第4の半導体領域26、27の相互間である。しかし、概略的には第5の半導体領域28の全体をホール素子の主動作領域と呼ぶことができる。
【0015】
半導体基体23の一方の主面には例えばシリコン酸化物から成る多層絶縁膜32が設けられ、他方の主面には例えばアルミニウムから成る金属層33が設けられている。但し、この金属層33は省略することもできる。絶縁膜32は第1及び第2の絶縁膜32a、32bから成る。例えばアルミニウムから成る第1、第2、第3及び第4の電極19、20、21、22の一部は第1及び第2の絶縁膜32a、32bの間に配置され、これ等の一方の端は第1の絶縁膜32aの開口を介して第1、第2、第3及び第4の半導体領域24、25、26、27に接触している。また、第1、第2、第3及び第4の電極19、20、21、22の他端は第2の絶縁膜32bの開口を介してこの上方に導出されている。第2の電流通路形成用の導体層15は第2の絶縁膜32bの上に形成されている。
【0016】
支持板2は図5から明らかなように、この主面に垂直な方向から見て即ち平面的に見て全体的に四角形のパターンに形成され、ホール素子1よりも僅かに大きい面積を有する。この支持板2は0.5〜1.0mm程度の厚さを有する表面にニッケルメッキ層を有する銅板等から成る金属板であって、ホール素子1を機械的に支持する機能を有する他に、放熱板としての機能も有し、更に静電シールドとしても機能する。支持板2の対向する対の縁から第5及び第6の外部リード端子10、11が導出されている。この外部リード端子10、11はグランドに対する接続に使用される。第1及び第2の電流通路用端子3、4は支持板2の1つの縁に沿って配置されている。ホール素子を外部に接続するための第1〜第4の外部リード端子6〜9は支持板2から僅かに離間している。支持板2、第1及び第2の電流通路用端子3、4、第1〜第6の外部リード端子6〜11は図5で破線で示す樹脂封止体18によって被覆され、機械的に相互に連結される。
【0017】
支持板2と第1及び第2の電流通路用端子3、4とホール素子用の第1〜第6の外部リード端子6〜11とは図6に示すリードフレーム40に基づいて形成されており、同一の材料且つ同一厚みの金属板から成る。リードフレーム40は図6で左側の端子3、6、8、10を相互に連結するための第1の帯状連結部分41と、右側の端子4、7、9、11を相互に連結するための第2の帯状連結部分42と、第1及び第2の帯状連結部分41、42を連結するための第3の帯状連結部分43とを有する。図6には1個のホール素子の端子3、4、6〜11を含むリードフレーム40が示されているが、実際には1つのリードフレーム40に複数のホール素子のための多数の端子が設けられている。第1及び第2の電流通路用端子3、4及び第1〜第6の外部リード端子6〜11は樹脂封止体18が形成された後に図6の鎖線の位置で切断される。
【0018】
絶縁板16は平面形状がホール素子1よりも少し大きい四角形の例えばセラミック板であって、ホール素子1を支持板2から絶縁する機能の他に、磁性体層17及びホール素子1を機械的に支持する機能を有する。絶縁板16の上面にホール素子とほぼ同一の平面パターンを有するように形成されたシールド層17は例えば鉄、ニッケル、コバルト等の導電性を有する磁性体から成り、外部電界及び磁界をシールドする機能を有する。このシールド層17はワイヤ17aによって外部リード端子10に接続されている。このシールド層17は磁気シールド効果の他に、導体層15の電流に基づいて生じた磁束の経路の磁気抵抗を低下させる機能即ち集磁機能も有する。なお、導電体層と磁性体層との積層体をシールド層17とすることができる。また、シールド層17をCu等の非磁性導体とすることもできる。また、シ−ルド層17をフェライト等の絶縁性磁性体層とすることができる。
【0019】
シールド層17を備えた絶縁板16は、図2及び図8に示すように支持板2の主面上に絶縁性接着層34によって固着されている。ホール素子1の下面の金属層33は半田等の導電性接合材層35によってシ−ルド層17に固着されている。
【0020】
ホール素子1の例えばアルミニウムから成る第1、第2、第3及び第4の電極19、20、21、22は、図1に示すように第1、第2、第3及び第4の外部リード端子6、7、8、9に金属ワイヤ36、37、38、39によって接続されている。
【0021】
第1及び第2の電流通路用端子3、4の相互間に接続された第1の金属ワイヤ12は第1の電流通過を形成するためのアルミニウム線であって、被検出電流Isを第1及び第2の電流Is1、Is2に分流した時の第1の電流Is1を流すことができるように形成されている。
【0022】
第1の電流通路に並列接続された第2の電流通路の電流Is2に基づく磁束をホール素子1に与えるために、例えばアルミニウムから成る導体層15が半導体基体23の主面に対して垂直な方向から見て即ち平面的に見て略Ω状に形成され、ホール素子1の主動作領域としての第5の半導体領域28が導体層15の内側に配置されている。この導体層15の一端部と第1の電流通路用端子3とがアルミニウムから成る第2の金属ワイヤ13によって接続されている。また、導体層15の他端部と第2の電流通路用端子4とがアルミニウムから成る第3の金属ワイヤ14によって接続されている。第1の金属ワイヤ12の一端から他端までの抵抗値をR1 、第2の金属ワイヤ13と導体層15と第3の金属ワイヤ14との直列回路の一端から他端までの抵抗値をR2 とし、第1及び第2の電流通路用端子3、4の抵抗は無視できるほど小さいとすれば、第1及び第2の電流通路の電流Is1、Is2は次式に示す値になる。
Is1=Is{R2 /(R1 +R2 )}
Is2=Is{R1 /(R1 +R2 )}
【0023】
図1に示す電流検出装置で電流Is を検出又は測定する時には、第1及び第2の電流通路用端子3、4を電気回路に直列に接続し、且つ第1及び第2の外部リード端子6、7に周知の制御電流供給回路を接続し、制御電流Ic を第1及び第2の半導体領域24、25間に流し、第3及び第4の外部リード端子8、9に周知の増幅器を接続する。これにより、被検出電流Isの一部から成る電流Is1が導体層15に分流し、アンペアの右ネジの法則に従って図8で破線で示す向きの磁界Hが発生する。この磁界Hの向きは第5の半導体領域28の制御電流Ic の向きに垂直であるので、第3及び第4の半導体領域26、27間即ち第3及び第4の電極8、9間にホール電圧が発生する。このホール電圧は磁界Hに比例し、磁界Hは被検出電流Isに比例するので、ホール電圧によって被検出電流Isを検出することができる。
【0024】
本実施例の電流検出装置は次の利点を有する。
(1) 被検出電流Isを第1及び第2の電流Is1、Is2に分割し、この一方の電流Is2を検出するので、半導体基体23の上の導体層15に例えば100Aのような比較的大きな電流を流さずに、例えば10A程度の小さい電流を流して被検出電流Isを検出することができる。なお、R1 とR2 の比を1:9にすることによってIsが100Aの時にIs2が10Aになる。
(2) 第1の電流通路形成導体としての第1の金属ワイヤ12と、第2の電流通路形成導体としての第2及び第3の金属ワイヤ13、14及び導体層15とが同一の樹脂封止体18によって被覆された構成であるので、両者の温度差を小さくすることができ、温度変化による第1及び第2の電流Is1、Is2の比の変化が少なくなり、精度の高い電流検出が可能になる。
(3) 第1、第2及び第3の金属ワイヤ12、13、14は同一材料であるから、温度による抵抗変化率も同一となり、分流比の精度が高くなり、高精度の電流検出ができる。
(4) ホール素子1が形成されている半導体基体23の表面の絶縁膜32の上に電流通路としての導体層15を設け、この導体層15をホール素子1に隣接配置したので、電流通路をホール素子1に対して近接配置することが可能になり、電流Isの検出感度の向上を図ることができる。
(5) 電流通路としての導体層15をホール素子1の全周の3/4以上の、約95%を囲むように配置したので、平面的に見て略四角形の第5の半導体領域28の4つの辺の全ての方向から磁界即ち磁力線Hを第5の半導体領域28に作用させることができ、電流Is1の検出感度の向上を図ることができる。
(6) 樹脂封止体18でホール素子1、支持板2、第1及び第2の電流通路用端子3、4、外部リード端子6〜11、及びワイヤ12〜14、36〜39を被覆しているので、これ等の一体化及び保護を良好に達成できる。
(7) 絶縁板16を設けたので、ホール素子1と支持板2の電気的分離を良好に達成することができる。
(8) シールド層17を設けたので、磁気及び電界に基づく外来ノイズを除去することができる。
(9) 支持板2、第1及び第2の電流通路用端子3、4、第1〜第6の外部リード端子6〜11をリードフレーム40に基づいて形成することができるので、電流検出装置の製造が容易になり、このコストの低減を図ることができる。
【0025】
【第2の実施形態】
次に、図9を参照して第2の実施形態の電流検出装置を説明する。但し、図9において図8と実質的に同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。また、第2の実施形態の説明おいて、第1の実施例と共通する部分は図1〜図7を参照する。
【0026】
第2の実施形態の電流検出装置は、図8の第1の実施形態の電流検出装置から、絶縁板16、シールド層17、金属層33、絶縁 性接着層34及び導電性接合層35を省き、支持板2をAgペーストから成る導電性接合層35aによってGaAsから成る半導体基体23の下面に固着し、半導体基体23の上面側にシールド層50、集磁体(集磁器)51、第3及び第4の絶縁膜32c、32dを追加し、この他は第1の実施形態と同一に構成したものである。
【0027】
厚さ約0.1μmのモリブデン(Mo)層から成る導電性物質のシールド層50は、第2の絶縁膜32bの上に例えば蒸着又はスパッタリング又はメッキで形成されている。なお、このシールド層50は平面的に見て少なくとも第5の半導体領域28を覆うように配置され、且つグランドに接続される第4の電極22に対して電気的に接続されている。第3の絶縁膜32cは蒸着又はスパッタリングで形成され、シールド層50を覆うように配置されている。第2の電流通路を形成するための導体層15は厚さ約5〜13μmの金(Au)層から成り、第3の絶縁膜32cの上にメッキ又は蒸着又はスパッタリングで形成されている。空気よりも透磁率の高い板状磁性体(例えばフェライト、Fe,Ni等)から成る集磁体51は導体層15の上に形成された第4の絶縁膜32dの上に配置されている。なお、集磁体51は平面的に見て少なくとも第5の半導体領域28を覆うように配置され導体層15の上に絶縁性樹脂接着材から成る第4の絶縁膜32dによって固着されている。集磁体51を板状磁性体とする代りに、第4の絶縁膜32d上に蒸着、塗布等によって磁性体膜を形成し、これを集磁体とすることもできる。
【0028】
第2の実施形態の電流検出装置は第1の実施形態の上記(1)〜(6)及び(9)と同一の利点を有する他に次の利点も有する。
(1) ホール素子の第5の半導体領域28を含む主動作領域の表面側がシールド層50で覆われているので、導体層15の電圧変動に基づいてホ−ル素子に電圧が誘起し、第3及び第4の電極21、22間の電圧が変化する現象即ち誘導ノイズ、及び外来の電界ノイズ又は電磁ノイズをこのシールド層50で吸収即ち抑制することができ、ホール素子の第5の半導体領域28を含む主動作領域の耐ノイズ性を向上させることができる。
(2) 支持板2及び導電性接合層35aがホール素子の下側の誘導ノイズのシールド層として作用するので、これと上側のシールド層41とがホール素子の主動作領域を挟み込んだ状態となり、高いシールド効果を得ることができる。
(4) 集磁体51を有するので、導電層15の電流に基づいて発生した磁束を第5の半導体領域28に良好に導くことができ、電流検出感度を上げることができる。
【0029】
【変形例】
本発明は上述の実施例に限定されるものでなく、例えば次の変形が可能なものである。
(1) 半導体基体23をシリコン又はGaAs以外の3−5族化合物半導体等の別の半導体で形成することができる。3−5族化合物半導体の場合は外部磁界や誘導ノイズの影響を受け易いので、シールド層17、50の価値がより高くなる。
(2) 第1の実施例の構造の電流検出装置においても、ホール素子1の絶縁膜32の上に磁性体即ち集磁器を配置し、検出感度を高めることができる。
(3) 半導体基体23中にホール素子1の出力電圧(ホール電圧)を増幅させるための増幅器を形成することができる。
(4) 半導体基体23に複数のホール素子を形成し、複数のホール素子の組合せで電流を検出し、この検出感度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の電流検出装置を樹脂封止体を省いて示す平面図である。
【図2】図1の電流検出装置をA−A線に相当する部分で示す断面図である。
【図3】図1のホール素子を示す平面図である。
【図4】図1のシールド層を有する絶縁板を示す平面図である。
【図5】図1の支持板、第1及び第2の電流通路用端子、及び第1〜第6の外部リード端子を示す平面図である。
【図6】図1の電流検出装置のためのリードフレームの一部を示す平面図である。
【図7】図1のホール素子の半導体基体を拡大して示す平面図である。
【図8】図1のホール素子の1部を図1のB−B線によって示す拡大断面図である。
【図9】第2の実施例の電流検出装置を図8と同様に示す断面図である。
【符号の説明】
1 ホール素子
2 支持板
3、4 第1及び第2の電流通路用端子
6、7、8、9、10、11 外部リード端子
12〜14 ワイヤ
15 導体層
Claims (3)
- 電気回路の電流を検出するための装置であって、
一方の主面とこの一方の主面に対向する他方の主面とを有する板状半導体から成り、前記一方の主面側にホ−ル素子構成半導体領域(26、27、28)が配置されている半導体基体(23)と、
前記半導体基体(23)の前記他方の主面を被覆しているシ−ルド層(17)と、
前記半導体基体(23)の前記一方の主面側に配置された被検出電流を流すための電流通路形成用導体(15)と
を備えていることを特徴とするホ−ル素子を備えた電流検出装置。 - 電気回路の電流を検出するための装置であって、
一方の主面とこの一方の主面に対向する他方の主面とを有する板状半導体から成り、前記一方の主面側にホ−ル素子構成半導体領域(26、27、28)が配置されている半導体基体(23)と、
前記半導体基体(23)の一方の主面を被覆する絶縁膜(32a)と、
前記半導体基体(23)の前記一方の主面側に配置された被検出電流を流すための電流通路形成用導体(15)と、
前記電流通路形成用導体(15)と前記絶縁膜との間に配置され且つ導電性物質で形成されているシ−ルド層(50)と、
を備えていることを特徴とするホ−ル素子を備えた電流検出装置。 - 前記半導体基体(23)の前記他方の主面側に金属板(2)が配置されていることを特徴とする請求項2記載のホ−ル素子を備えた電流検出装置。
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