JP4198896B2 - シリンダブロックのブリーザ通路構造 - Google Patents

シリンダブロックのブリーザ通路構造 Download PDF

Info

Publication number
JP4198896B2
JP4198896B2 JP2001145462A JP2001145462A JP4198896B2 JP 4198896 B2 JP4198896 B2 JP 4198896B2 JP 2001145462 A JP2001145462 A JP 2001145462A JP 2001145462 A JP2001145462 A JP 2001145462A JP 4198896 B2 JP4198896 B2 JP 4198896B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder block
breather passage
breather
wall
side wall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001145462A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002339723A (ja
Inventor
雅之 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2001145462A priority Critical patent/JP4198896B2/ja
Publication of JP2002339723A publication Critical patent/JP2002339723A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4198896B2 publication Critical patent/JP4198896B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Reciprocating Pumps (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クランクケースを一体に備えたシリンダブロックの側壁に形成したブリーザ通路の端部を、そのシリンダブロックの側壁およびジャーナル支持壁の接続部の底面に開口させたシリンダブロックのブリーザ通路構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリンダブロックの側方にブリーザ装置を備えたエンジンにおいて、クランクケースの内部空間をブリーザチャンバに連通させるブリーザ通路をシリンダブロックの側壁に形成したものが、特許第2685837号公報により公知である。このものは、シリンダブロックの側壁の厚さを増加させずにブリーザ通路の通路断面積を確保するために、シリンダブロックの側壁とジャーナル支持壁との接続部にブリーザ通路の下端を開口させている。
【発明が解決しようとする課題】
ところで、隣接する一対のジャーナル支持壁とシリンダブロックの側壁とで区画された空間にはクランクシャフトのウエイト部が配置されるため、シリンダブロックのブリーザ通路の幅をクランクシャフトの軸方向に無闇に拡大すると、ブリーザ通路を区画する通路隔壁がクランクシャフトのウエイト部と干渉してしまう問題がある。上記特許第2685837号公報に記載されたものは、ブリーザ通路の通路隔壁がシリンダブロックの側壁からジャーナル支持壁に向かって斜めに延びているため、その通路隔壁とクランクシャフトのウエイト部との間に無駄な空間が発生しており、ブリーザ通路を通路断面積を最大限に拡大しているとは言いがたい。
【0003】
このような問題は、シリンダブロックの側壁に、シリンダヘッドからクランクケースに潤滑油を戻す潤滑油戻し通路を形成する場合にも同様に発生する。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、シリンダヘッドの側壁に形成されるブリーザ通路や潤滑油戻し通路の通路断面積を最大限に拡大することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、クランクケースを一体に備えたシリンダブロックの側壁に形成したブリーザ通路の端部を、そのシリンダブロックの側壁およびジャーナル支持壁の接続部の底面に開口させたシリンダブロックのブリーザ通路構造において、前記ブリーザ通路の開口部は、シリンダブロックの側壁に沿う方向に延びる第1部分と、第1部分に直交してジャーナル支持壁の内部に延びる第2部分とを有してT字状に形成されており、前記第1部分の両端を区画するブリーザ通路隔壁は、クランクシャフトのウエイト部の移動軌跡に沿うようにシリンダブロックの側壁からジャーナル支持壁に沿う方向に延出し、前記ブリーザ通路を閉塞する底壁を貫通する複数の通孔が形成され、前記ブリーザ通路を区画するブリーザ通路隔壁の内方で、ブリーザ通路隔壁とシリンダブロックの側壁とを架橋する連結部を前記複数の通孔間に形成することを特徴とするシリンダブロックのブリーザ通路構造が提案される。
【0006】
上記構成によれば、シリンダブロックの側壁およびジャーナル支持壁の接続部の底面に開口する通路は相互に直交する第1部分および第2部分を有してT字状に形成されており、その通路のシリンダブロックの側壁に沿う方向に延びる第1部分の両端を区画するブリーザ通路隔壁が、クランクシャフトのウエイト部の移動軌跡に沿うようにシリンダブロックの側壁からジャーナル支持壁に沿う方向に延出するので、ブリーザ通路隔壁がクランクシャフトのウエイト部と干渉するのを回避しながら、またシリンダブロックの隔壁を厚くしたり膨らませたりすることなく、通路の断面積を最大限に確保することができる。
【0007】
しかもブリーザ通路を区画するブリーザ通路隔壁を連結部で架橋して補強したので、ブ リーザ通路を形成したことによるシリンダブロックの剛性低下を最小限に抑えることができるだけでなく、ブリーザ通路を閉塞する底壁を貫通する複数の通孔間に連結部を形成したので、底壁に通孔を形成する簡単な加工で連結部を形成することができ、また連結部はオイル分離壁としても作用するので、オイルの分離効果が向上する。
【0008】
また請求項2に記載された発明によれば、クランクケースを一体に備えたシリンダブロックの側壁に形成したブリーザ通路の端部を、そのシリンダブロックの側壁およびジャーナル支持壁の接続部の底面に開口させたシリンダブロックのブリーザ通路構造において、前記ブリーザ通路の開口部は、シリンダブロックの側壁に沿う方向に延びる第1部分と、第1部分に直交してジャーナル支持壁の内部に延びる第2部分とを有してT字状に形成されており、前記第1部分の両端を区画するブリーザ通路隔壁は、クランクシャフトのウエイト部と対向する位置でシリンダブロックの側壁から直交する方向に延びた後にジャーナル支持壁に連結され、前記ブリーザ通路を閉塞する底壁を貫通する複数の通孔が形成され、前記ブリーザ通路を区画するブリーザ通路隔壁の内方で、ブリーザ通路隔壁とシリンダブロックの側壁とを架橋する連結部を前記複数の通孔間に形成することを特徴とするシリンダブロックのブリーザ通路構造が提案される。
【0009】
上記構成によれば、シリンダブロックの側壁およびジャーナル支持壁の接続部の底面に開口する通路は相互に直交する第1部分および第2部分を有してT字状に形成されており、その通路のシリンダブロックの側壁に沿う方向に延びる第1部分の両端を区画するブリーザ通路隔壁が、クランクシャフトのウエイト部と対向する位置でシリンダブロックの側壁から直交する方向に延びた後にジャーナル支持壁に連結されるので、クランクシャフトのウエイト部と対向する位置のスペースを有効に活用し、通路の断面積を最大限に確保することができる。
【0010】
しかもブリーザ通路を区画するブリーザ通路隔壁を連結部で架橋して補強したので、ブリーザ通路を形成したことによるシリンダブロックの剛性低下を最小限に抑えることができるだけでなく、ブリーザ通路を閉塞する底壁を貫通する複数の通孔間に連結部を形成したので、底壁に通孔を形成する簡単な加工で連結部を形成することができ、また連結部はオイル分離壁としても作用するので、オイルの分離効果が向上する。
【0011】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記ブリーザ通路隔壁は、シリンダブロックの側壁から延びた後に、相互に接近するように湾曲して前記ジャーナル支持壁に連結することを特徴とするシリンダブロックのブリーザ通路構造が提案される。
【0012】
上記構成によれば、ブリーザ通路隔壁はシリンダブロックの側壁から延びた後に相互に接近するように湾曲してジャーナル支持壁に連結するので、ブリーザ通路隔壁がクランクシャフトのウエイト部と干渉するのを回避しながら通路断面積を最大限に確保することができる。
【0013】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記複数の通孔は、前記第1部分および第2部分の接続部と、前記側壁および前記クランクシャフトのウエイト部の間とに形成されることを特徴とするシリンダブロックのブリーザ通路構造が提案される。
【0014】
上記構成によれば、複数の通孔を、第1部分および第2部分の接続部と、側壁およびクランクシャフトのウエイト部の間とに形成したので、多くの通孔を形成してブリーザ通路の通路断面積を確保することができる。
【0015】
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、前記複数の通孔は、互いに異なる大きさに形成されることを特徴とするシリンダブロックのブリーザ通路構造が提案される。
【0016】
上記構成によれば、複数の通孔を互いに異なる大きさに形成したので、その配置の自由度を高めてブリーザ通路の通路断面積の確保が容易になる。
【0017】
また請求項6に記載された発明によれば、請求項5の構成に加えて、前記複数の通孔のうち、大径の通孔は前記第1部分および第2部分の接続部に形成され、小径の通孔は前記側壁および前記クランクシャフトのウエイト部の間に形成されることを特徴とするシリンダブロックのブリーザ通路構造が提案される。
【0018】
上記構成によれば、複数の通孔のうち、大径の通孔を第1部分および第2部分の接続部に形成し、小径の通孔を側壁および前記クランクシャフトのウエイト部の間に形成したので、ブリーザ通路隔壁がクランクシャフトのウエイト部と干渉するのを回避しながら大径および小径の通孔を合理的に配置し、通路断面積を最大限に確保することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。 図1〜図8は本発明の第1実施例を示すもので、図1はエンジンの縦断面図(図2の1−1線断面図、図2は図1の2−2線矢視図、図3は図1の3方向矢視図、図4は図2の4−4線矢視図、図5は図3の5−5線断面図、図6は図2の6−6線断面図、図7は図3の7−7線矢視図、図8は図7の8部拡大図である。
【0020】
図1に示すように、自動車用の直列4気筒エンジンEは、シリンダブロック11と、シリンダブロック11の上面に結合されたシリンダヘッド12と、シリンダヘッド12の上面に結合されたヘッドカバー13と、シリンダブロック11の下面に結合されたオイルパン14とを備える。下部にクランクケース15が一体に形成されたシリンダブロック11の上部に4個のシリンダスリーブ16…が埋め込まれており、これらシリンダスリーブ16…に摺動自在に嵌合するピストン17…がコネクティングロッド18…を介してクランクシャフト19に接続される。シリンダヘッド12に、燃焼室20…に連通する吸気ポート21…および排気ポート22…が形成されており、吸気バルブ孔および排気バルブ孔がそれぞれ吸気バルブ23…および排気バルブ24…で開閉される。
【0021】
シリンダヘッド12に、吸気カム25…を備えた吸気カムシャフト26と、吸気ロッカーアームシャフト27を介して支持された吸気ロッカーアーム28…とが設けられており、クランクシャフト19に連動して回転する吸気カム25…により揺動する吸気ロッカーアーム28…で吸気バルブ23…が駆動される。またシリンダヘッド12に、排気カム29…を備えた排気カムシャフト30と、排気ロッカーアームシャフト31を介して支持された排気ロッカーアーム32…とが設けられており、クランクシャフト19に連動して回転する排気カム29…により揺動する排気ロッカーアーム32…で排気バルブ24…が駆動される。
【0022】
シリンダブロック11の吸気側の側面にブリーザ装置33が設けられており、その外側にエンジンEのスタータ装置34が配置される。
【0023】
図2〜図6を併せて参照すると明らかなように、ブリーザ装置33は、シリンダブロック11の吸気側の側面に形成された略五角形の結合面11aに5本のボルト41で着脱自在に固定されたカバープレート42を備えており、そのカバープレート42とシリンダブロック11との間にブリーザチャンバ43が区画される。結合面11aの内側には直線状に延びる2本のリブ11b,11cと、V字状に延びる1本のリブ11d,11eとが形成されており、これらリブ11b,11c,11d,11eはカバープレート42の内面に当接することにより、ブリーザチャンバ43内にジクザグ状のラビリンスと、このラビリンスの中間部に連なる細幅の溝44とが形成される。
【0024】
ブリーザチャンバ43のラビリンスの下端はシリンダブロック11の側壁11fに形成したブリーザ通路45によりクランクケース15の内部空間に連通し、ラビリンスの上端はカバープレート42に固定した継ぎ手46に結合されたブリーザホース47および図示せぬPCVバルブを介してエンジンEの吸気系に接続される。またラビリンスの中間部に連なる細幅の溝44の上端は、通孔11gおよびシリンダブロック11の側壁11fに形成したブリーザ通路48によりシリンダヘッド12の内部空間に連通する。
【0025】
カバープレート42は金属板をプレス加工したもので、その外周部をシリンダブロック11側に折り曲げたフランジ42aと、シリンダブロック11から離反する方向に膨らむS字状の凸部42b,42c,42dと、シリンダブロック11側に窪む2本の凹部42e,42fとが形成される。ブリーザチャンバ43の容積を拡大すべく、カバープレート42の凸部42b,42c,42dはブリーザチャンバ43のジグザグのラビリンスに対応して配置される。一方の凹部42eは結合面11aの上部内面に沿うように配置され、他方の凹部42fはブリーザ通路48に連なる溝44に浅く嵌合する(図5参照)。カバープレート42をシリンダブロック11に固定するとき、シリンダブロック11の結合面11aおよびリブ11b,11c,11d,11eに液体パッキングが塗布されるが、カバープレート42の凹部42fが結合面11aおよびリブ11eに挟まれた溝44に嵌合することで、液体パッキングが溝44に流入して該溝44を閉塞するのを防止することができる。
【0026】
ブリーザ装置33の外側に配置されたスタータ装置34は、遊星歯車式の減速機および飛出式のピニオンを備えて先端部がトランスミッションTの内部に嵌合するスタータモータ49と、それに付属する電磁スイッチ50とから構成されており、スタータモータ49および電磁スイッチ50は共に概略円筒状に形成されて平行に隣接して一体化されている。スタータ装置34は、スタータモータ49に形成した取付フランジ49aを貫通する2本のボルト51,51でトランスミッションTの張出部52に固定される(図6参照)。 尚、スタータ装置34は、トランスミッションTの張出部52側から挿入される2本のボルト51,51でスタータモータ49に形成した取付フランジ49aを固定しても良く、この場合には、スタータ装置34の形状と無関係にボルト51,51を設けることができるので、ボルト孔の配置自由度が広がるとともに作業性が向上する。
【0027】
図6から明らかなように、カバープレート42の凸部42b,42c,42dのうちの中央の凸部42cは、スタータ装置34のスタータモータ49および電磁スイッチ50間に形成されてシリンダブロック11の側壁11fに対向する凹部53内に突出している。これにより、スタータ装置34をシリンダブロック11から離れた位置に配置してエンジンE全体を大型化することなく、カバープレート42の凸部42cを大きく突出させてブリーザチャンバ43の容積を最大限に確保することができる。
【0028】
図6〜図8から明らかなように、シリンダブロック11のクランクケース15の相対向する側壁11f,11fが、5個のジャーナル支持壁11h…により接続されており、これらのジャーナル支持壁11h…の下面にボルト54…で固定されるベアリングキャップ55…との間にクランクシャフト19の5個のジャーナル19a…が回転自在に支持される。ブリーザチャンバ43の底壁11iに形成した3個の通孔11j,11k,11kを介して、ブリーザチャンバ43とブリーザ通路45の上端とが連通する。そしてブリーザ通路45の上端は3個の通孔11j,11k,11k間に形成された2本の連結部11m,11mで架橋されて補強され、ブリーザ通路45を形成したことによるシリンダブロック11の剛性低下が最小限に抑えられる。しかも前記連結部11m,11mは、ブリーザチャンバ43の底壁11iに3個の通孔11j,11k,11kを加工するだけで形成されるので、その加工が極めて容易である。また連結部11m,11mはオイル分離壁としても作用するので、オイル分離効果が向上する。
【0029】
図8に最も良く示されるように、シリンダブロック11の側壁11fとジャーナル支持壁11hとの交差部に開口するブリーザ通路45は、前記側壁11fと一対のブリーザ通路隔壁56,56とによって区画される。ブリーザ通路45は、シリンダブロック11の側壁11fに沿ってクランクシャフト19の軸方向に延びる第1部分45aと、この第1部分45aに直交してジャーナル支持壁11hの内部をクランクシャフト19側に延びる第2部分45bとを有してT字状に形成される。大径の通孔11jは第1部分45aおよび第2部分45bの接続部に開口し、2個の小径の通孔11k,11kは第1部分45aの両端に開口するので、通路面積の確保が可能である。更に、小径の通孔11k,11kがシリンダブロック11の側壁11fとクランクシャフト19のウエイト部19b,19bとの間に膨出するように形成されているので、通路面積を更に増加させることができる。
【0030】
シリンダブロック11の側壁11fとジャーナル支持壁11hとを接続する一対のブリーザ通路隔壁56,56はクランク状に屈曲しており、ブリーザ通路45の第1部分45aの両端を区画する部分P,Pはシリンダブロック11の側壁11fからクランクシャフト19の軸線に直交する方向に延びている。つまり、第1部分45aの両端を区画する部分P,Pはクランクシャフト19のウエイト部19b,19bと対向する位置でシリンダブロック11の側壁11fから直交する方向に延びた後に、相互に接近するように湾曲してジャーナル支持壁11hに連結されている。
【0031】
このように、断面T字状のブリーザ通路45をシリンダブロック11の側壁11fとジャーナル支持壁11hとの交差部に形成したので、シリンダブロック11の側壁11fを特別に厚くしたり膨らみを持たせたりすることなくブリーザ通路45の通路断面積を確保し、そこを通過するブローバイガスの流速を低下させてブリーザチャンバ43に流入する潤滑油の量を減少させることができる。
【0032】
隣接するジャーナル支持壁11h…間にはクランクシャフト19のウエイト部19b,19b(図1参照)が配置されており、クランクシャフト19の回転に伴うウエイト部19b,19bの移動軌跡が図8に鎖線で示される。ブリーザ通路45の第1部分45aの両端を区画するブリーザ通路隔壁56,56の部分P,Pは、シリンダブロック11の側壁11fから直交する方向に延び、クランクシャフト19のウエイト部19b,19bの移動軌跡との間に最小限の隙間を存するように形成されているため、ブリーザ通路隔壁56,56がウエイト部19b,19bと干渉するのを回避しながらブリーザ通路45の通路断面積を最大限に確保することができる。
【0033】
尚、図6において符号61はシリンダブロック11に形成されたオイルギャラリーであり、オイルギャラリー61から油路62…を介して供給された潤滑油で、クランクシャフト19のジャーナル19a…が潤滑される。オイルギャラリー61はブリーザ装置33の最下部のリブ11cの付け根の近傍に配置される。また図8において、3個のジャーナル支持壁11h…とシリンダブロック11の側壁11fとの接続部に、シリンダヘッド12の内部空間からオイルパン14に潤滑油を戻す潤滑油戻し通路63…が形成される。
【0034】
しかして、エンジンEの運転に伴って、燃焼室20からピストン17…外周の隙間を通ってクランクケース15の内部空間に漏れたブローバイガスは、シリンダブロック11に形成したブリーザ通路45を経てブリーザ装置33のブリーザチャンバ43の下端に流入する。また吸気ポート21…から吸気バルブ23…のバルブステム外周の隙間を通ってシリンダヘッド12の内部空間に漏れたブローバイガスは、シリンダブロック11に形成したブリーザ通路48、通孔11gおよび溝44を経てブリーザ装置33のブリーザチャンバ43の中間部に流入する。ブリーザチャンバ43に流入したブローバイガスは、ブリーザチャンバ43の上端の継ぎ手46およびブリーザホース47を介してエンジンEの吸気系に吸引されるが、その際にラビリンス状に形成されたブリーザチャンバ43の内部で流速が低下したブローバイガスから分離された潤滑油が、ブリーザ通路45を介してオイルパン14に戻される。
【0035】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0036】
例えば、図9に示す第2実施例の如く、クランクシャフト19のウエイト部19b,19bの面取りを直線状とし、この面取りに対向するブリーザ通路隔壁56,56の外側面の一部を直線状としても良い
【0037】
また実施例ではブリーザチャンバ43およびブリーザ通路45間の底壁11iに3個の円形の通孔11j,11k,11kを加工することで2個の連結部11m,11mを構成しているが、連結部11m,11mを鋳抜きで形成しても良く、また連結部11m,11mおよび通孔11j,11k,11kの数や形状も適宜変更可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、シリンダブロックの側壁およびジャーナル支持壁の接続部の底面に開口する通路は相互に直交する第1部分および第2部分を有してT字状に形成されており、その通路のシリンダブロックの側壁に沿う方向に延びる第1部分の両端を区画する通路隔壁が、クランクシャフトのウエイト部の移動軌跡に沿うようにシリンダブロックの側壁からジャーナル支持壁に沿う方向に延出するので、通路隔壁がクランクシャフトのウエイト部と干渉するのを回避しながら、またシリンダブロックの隔壁を厚くしたり膨らませたりすることなく、通路の断面積を最大限に確保することができる。
【0039】
しかもブリーザ通路を区画するブリーザ通路隔壁を連結部で架橋して補強したので、ブリーザ通路を形成したことによるシリンダブロックの剛性低下を最小限に抑えることができるだけでなく、ブリーザ通路を閉塞する底壁を貫通する複数の通孔間に連結部を形成したので、底壁に通孔を形成する簡単な加工で連結部を形成することができ、また連結部はオイル分離壁としても作用するので、オイルの分離効果が向上する。
【0040】
また請求項2に記載された発明によれば、シリンダブロックの側壁およびジャーナル支持壁の接続部の底面に開口する通路は相互に直交する第1部分および第2部分を有してT字状に形成されており、その通路のシリンダブロックの側壁に沿う方向に延びる第1部分の両端を区画する通路隔壁が、クランクシャフトのウエイト部と対向する位置でシリンダブロックの側壁から直交する方向に延びた後にジャーナル支持壁に連結されるので、クランクシャフトのウエイト部と対向する位置のスペースを有効に活用し、通路の断面積を最大限に確保することができる。
【0041】
しかもブリーザ通路を区画するブリーザ通路隔壁を連結部で架橋して補強したので、ブリーザ通路を形成したことによるシリンダブロックの剛性低下を最小限に抑えることができるだけでなく、ブリーザ通路を閉塞する底壁を貫通する複数の通孔間に連結部を形成したので、底壁に通孔を形成する簡単な加工で連結部を形成することができ、また連結部は オイル分離壁としても作用するので、オイルの分離効果が向上する。
【0042】
また請求項3に記載された発明によれば、ブリーザ通路隔壁はシリンダブロックの側壁から延びた後に相互に接近するように湾曲してジャーナル支持壁に連結するので、ブリーザ通路隔壁がクランクシャフトのウエイト部と干渉するのを回避しながら通路断面積を最大限に確保することができる。
【0043】
また請求項4に記載された発明によれば、複数の通孔を、第1部分および第2部分の接続部と、側壁およびクランクシャフトのウエイト部の間とに形成したので、多くの通孔を形成してブリーザ通路の通路断面積を確保することができる。
【0044】
また請求項5に記載された発明によれば、複数の通孔を互いに異なる大きさに形成したので、その配置の自由度を高めてブリーザ通路の通路断面積の確保が容易になる。
【0045】
また請求項6に記載された発明によれば、複数の通孔のうち、大径の通孔を第1部分および第2部分の接続部に形成し、小径の通孔を側壁および前記クランクシャフトのウエイト部の間に形成したので、ブリーザ通路隔壁がクランクシャフトのウエイト部と干渉するのを回避しながら大径および小径の通孔を合理的に配置し、通路断面積を最大限に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エンジンの縦断面図(図2の1−1線断面図)
【図2】 図1の2−2線矢視図
【図3】 図1の3方向矢視図
【図4】 図2の4−4線矢視図
【図5】 図3の5−5線断面図
【図6】 図2の6−6線断面図
【図7】 図3の7−7線矢視図
【図8】 図7の8部拡大図
【図9】 本発明の第2実施例に係る、前記図8に対応する図
【符号の説明】
11 シリンダブロック
11f 側壁
11h ジャーナル支持壁
11i 底壁
11j 通孔
11k 通孔
11m 連結部
15 クランクケース
19 クランクシャフト
19b ウエイト部
45 ブリーザ通
45a 第1部分
45b 第2部分
56 ブリーザ通路隔

Claims (6)

  1. クランクケース(15)を一体に備えたシリンダブロック(11)の側壁(11f)に形成したブリーザ通路(45)の端部を、そのシリンダブロック(11)の側壁(11f)およびジャーナル支持壁(11h)の接続部の底面に開口させたシリンダブロックのブリーザ通路構造において、
    前記ブリーザ通路(45)の開口部は、シリンダブロック(11)の側壁(11f)に沿う方向に延びる第1部分(45a)と、第1部分(45a)に直交してジャーナル支持壁(11h)の内部に延びる第2部分(45b)とを有してT字状に形成されており、
    前記第1部分(45a)の両端を区画するブリーザ通路隔壁(56)は、クランクシャフト(19)のウエイト部(19b)の移動軌跡に沿うようにシリンダブロック(11)の側壁(11f)からジャーナル支持壁(11h)に沿う方向に延出し、
    前記ブリーザ通路(45)を閉塞する底壁(11i)を貫通する複数の通孔(11j,11k)が形成され、前記ブリーザ通路(45)を区画するブリーザ通路隔壁(56)の内方で、ブリーザ通路隔壁(56)とシリンダブロック(11)の側壁(11f)とを架橋する連結部(11m)を前記複数の通孔(11j,11k)間に形成することを特徴とするシリンダブロックのブリーザ通路構造。
  2. クランクケース(15)を一体に備えたシリンダブロック(11)の側壁(11f)に形成したブリーザ通路(45)の端部を、そのシリンダブロック(11)の側壁(11f)およびジャーナル支持壁(11h)の接続部の底面に開口させたシリンダブロックのブリーザ通路構造において、
    前記ブリーザ通路(45)の開口部は、シリンダブロック(11)の側壁(11f)に沿う方向に延びる第1部分(45a)と、第1部分(45a)に直交してジャーナル支持壁(11h)の内部に延びる第2部分(45b)とを有してT字状に形成されており、
    前記第1部分(45a)の両端を区画するブリーザ通路隔壁(56)は、クランクシャフト(19)のウエイト部(19b)と対向する位置でシリンダブロック(11)の側壁(11f)から直交する方向に延びた後にジャーナル支持壁(11h)に連結され
    前記ブリーザ通路(45)を閉塞する底壁(11i)を貫通する複数の通孔(11j,11k)が形成され、前記ブリーザ通路(45)を区画するブリーザ通路隔壁(56)の内方で、ブリーザ通路隔壁(56)とシリンダブロック(11)の側壁(11f)とを架橋する連結部(11m)を前記複数の通孔(11j,11k)間に形成することを特徴とするシリンダブロックのブリーザ通路構造
  3. 前記ブリーザ通路隔壁(56)は、シリンダブロック(11)の側壁(11f)から延びた後に、相互に接近するように湾曲して前記ジャーナル支持壁(11h)に連結することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のシリンダブロックのブリーザ通路構造。
  4. 前記複数の通孔(11j,11k)は、前記第1部分(45a)および第2部分(45b)の接続部と、前記側壁(11f)および前記クランクシャフト(19)のウエイト部(19b)の間とに形成されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のシリンダブロックのブリーザ通路構造。
  5. 前記複数の通孔(11j,11k)は、互いに異なる大きさに形成されることを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のシリンダブロックのブリーザ通路構造。
  6. 前記複数の通孔(11j,11k)のうち、大径の通孔(11j)は前記第1部分(45a)および第2部分(45b)の接続部に形成され、小径の通孔(11k)は前記側壁(11f)および前記クランクシャフト(19)のウエイト部(19b)の間に形成されることを特徴とする、請求項5に記載のシリンダブロックのブリーザ通路構造。
JP2001145462A 2001-05-15 2001-05-15 シリンダブロックのブリーザ通路構造 Expired - Fee Related JP4198896B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001145462A JP4198896B2 (ja) 2001-05-15 2001-05-15 シリンダブロックのブリーザ通路構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001145462A JP4198896B2 (ja) 2001-05-15 2001-05-15 シリンダブロックのブリーザ通路構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002339723A JP2002339723A (ja) 2002-11-27
JP4198896B2 true JP4198896B2 (ja) 2008-12-17

Family

ID=18991271

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001145462A Expired - Fee Related JP4198896B2 (ja) 2001-05-15 2001-05-15 シリンダブロックのブリーザ通路構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4198896B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102251873A (zh) * 2010-05-17 2011-11-23 通用汽车环球科技运作公司 汽缸盖的***与通风

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102251873A (zh) * 2010-05-17 2011-11-23 通用汽车环球科技运作公司 汽缸盖的***与通风
CN102251873B (zh) * 2010-05-17 2014-04-02 通用汽车环球科技运作公司 汽缸盖的***与通风

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002339723A (ja) 2002-11-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1659276B1 (en) Variable stroke property engine
US6834643B2 (en) Breather structure of overhead-valve internal combustion engine
JP6207725B2 (ja) エンジン
KR100339509B1 (ko) 크랭크 케이스 부재들 사이에 블로우바이 가스 통로를갖춘 엔진 크랭크 케이스 환기 시스템
JP3715214B2 (ja) エンジンのブリーザ構造
US8573176B2 (en) Crank chamber communication structure of multi-cylinder internal combustion engine
JP4198896B2 (ja) シリンダブロックのブリーザ通路構造
PL211428B1 (pl) Silnik spalinowy wewnętrznego spalania
EP2407658B1 (en) Multi-cylinder engine
JP2003227324A (ja) 振動機用エンジンの気液分離装置
JP3142609B2 (ja) エンジンのシリンダヘッド構造
JPH053692Y2 (ja)
EP1113150A2 (en) Valve operating system in internal combustion engine
JPH01147107A (ja) エンジンのブリーザ構造
JP6989318B2 (ja) エンジン
JP3211139B2 (ja) 内燃機関の潤滑通路構造
JP3736951B2 (ja) 多気筒エンジンのエンジンブロック構造
JPS6024895Y2 (ja) 頭上弁式エンジンのブリ−ザ装置
JP2511092Y2 (ja) Sohc型内燃機関
JP2506991Y2 (ja) Dohcエンジンのシリンダヘッド
JPS595131Y2 (ja) 内燃機関のブリ−ザ装置
JPS6053624A (ja) 多気筒内燃機関のクランク室連通構造
JP5549454B2 (ja) クランクケース一体型シリンダブロック
JP2004239195A (ja) 内燃機関のシリンダブロック及びその製造方法
JP2000282827A (ja) エンジンのオイル通路構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041129

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071030

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071128

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080917

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081002

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111010

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4198896

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111010

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121010

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131010

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees