JP4197820B2 - 副変速機を備えた変速機の変速制御装置 - Google Patents

副変速機を備えた変速機の変速制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、副変速機を備えた変速機の変速制御装置に関するものである。
【0002】
【関連する背景技術】
近年、乗用車のみならずバスやトラック等においても自動変速機が適用されており、この種の大型車両では伝達トルク容量の関係等からトルクコンバータを備えた自動変速機に代えて、例えば実開平3−29760号公報に記載のもののように、手動式の変速機をベースとして、変速段の切換操作及びクラッチ操作をアクチュエータで行うようにした自動変速機が搭載されている。
【0003】
又、このような自動変速機は、車重の大きい大型車両の走行性能を確保するために比較的多くの変速段を有しており、本来の変速機である主変速部に対して動力伝達上直列に副変速機としてレンジ部を設け、このレンジ部により主変速部の出力を高低2段に変速して、実質的な変速段を倍増させている。運転者は車速やアクセル操作量に基づく自動変速と、チェンジレバー操作に応じた手動変速とを任意に選択できるが、何れのモードでも、次段(目標変速段)に応じて主変速部の切換、及び必要に応じてレンジ部の切換が実行され、例えばシフトアップ時において次段を達成するためにレンジ部も切換える必要がある場合には、まず、クラッチを遮断して主変速部をギア抜きし、次いで、レンジ部をローからハイに切換え、その後に主変速部を次段に入れて、エンジン回転速度を次段に対応する回転速度に調整した後にクラッチを接続している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記したシフトアップ時において、主変速部内のクラッチディスク側(被同期側)はクラッチが遮断されると慣性で回転を継続し、その後のギア入れに伴ってシンクロ機構の作用で次段に対応する、より低回転のメインシャフト側(同期側)に同期される。
【0005】
このときのクラッチディスク側はギア入れまでに次第に回転低下してメインシャフト側の回転速度に接近することから、通常であればシンクロ機構の負荷は小さい。しかしながら、変速機の油温が低いとき等には、高粘度のミッションオイルがクラッチディスク側に大きな回転抵抗として作用し、しかも、上記のようにレンジ部の切換を伴う変速時には、その分だけギア入れのタイミングが遅れることから、結果としてクラッチディスク側の回転速度がメインシャフト側の回転速度を越えて大きく落ち込んでしまう。よって、クラッチディスク側をメインシャフト側の回転速度まで引き上げるためにシンクロ機構の負荷が増大し、同期が遅延したり、同期不能に陥ったりするという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、シフトアップ時にクラッチディスク側の回転速度の落ち込みを防止してシンクロ機構の負荷を軽減し、もって、迅速且つ確実な変速を実現することができる副変速機を備えた変速機の変速制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明では、エンジンの動力を変速して車両の駆動系に伝達する変速機と、変速機を構成し、複数の変速段をシンクロ機構の作動によって切換える主変速機部と、変速機を構成し、主変速機部と動力伝達上直列に配設されると共に高低の変速段よりなる副変速機部と、変速機とエンジンとの動力を断接するクラッチと、変速機の変速が必要なときに変速指令を発する変速指令手段と、変速指令手段の変速指令に基づきクラッチを断接制御するクラッチ制御手段と、変速指令手段のシフトアップ指令による目標変速段が副変速機部の変速を伴う場合、シフトアップ変速中にクラッチ回転速度が目標変速段相当回転速度以下となったとき、主変速機部をニュートラルに保持したままクラッチ制御手段に接信号を出力し、その後クラッチ回転速度が目標変速段相当回転速度以上となったときクラッチ制御手段に断信号を出力して、主変速機部の変速を再開する一方、シフトアップ変速中にクラッチ回転速度が目標変速段相当回転速度を超えていたとき、クラッチ制御手段に接信号を出力せずに主変速機部の変速を行う変速制御手段とを備えた。
【0008】
従って、変速指令手段からの指令による目標変速段に基づいて副変速機部の変速を伴うシフトアップが行われ、変速中にクラッチ回転速度が目標変速段相当回転速度以下となったときには、主変速機部をニュートラルに保持したまま、変速制御手段からのクラッチ接信号に基づいてクラッチが接続される。その結果、エンジンの回転によりクラッチ回転速度が上昇し、その後にクラッチ回転速度が目標変速段相当回転速度以上となると、クラッチが遮断されて主変速機部の変速が再開される。そして、このようにクラッチ回転速度を上昇させた上で、主変速機部のシンクロ機構により同期が行われるため、シンクロ機構の負荷が軽減される。
【0009】
又、請求項2の発明では、エンジンの回転速度を制御するエンジン制御手段を更に備え、変速制御手段を、クラッチ接信号出力と共にエンジン制御手段にエンジン回転速度が目標変速段相当回転速度となるように指示信号を出力するように構成したものである。従って、クラッチが接続されると、目標変速段相当回転速度に調整されたエンジン回転速度によりクラッチ回転速度が迅速に上昇されるため、シンクロ機構の負荷が一層軽減される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を大型トラックに搭載された副変速機を備えた変速機の変速制御装置に具体化した一実施形態を説明する。
図1は実施形態の副変速機を備えた変速機の変速制御装置を示す全体構成図であり、この図に示すように、変速機1はディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)2に結合されて、エンジン2からの回転を変速して図示しないプロペラシャフトを介して駆動輪側に伝達するようになっている。
【0011】
図2は変速機の詳細を示す断面図であり、この図に示すように、変速機1のケーシング3内にはインプットシャフト4とメインシャフト5が同軸上で個別に回転可能に支持され、インプットシャフト4はクラッチ6を介してエンジン2に連結されて、クラッチ6の接続時にエンジン2から回転を入力される。
インプットシャフト4にはニードルベアリング11aを介して第1のスプリッタギア11が外嵌され、メインシャフト5にはテーパローラベアリング12aを介して第2のスプリッタギア12が外嵌されている。これらの第1及び第2のスプリッタギア11,12は、メインシャフト5と平行に支持されたカウンタシャフト13上の第3及び第4のスプリッタギア14,15にそれぞれ噛合しており、第1及び第2のスプリッタギア11,12間に設けられたシンクロ機構16の切換により、インプットシャフト4が第1のスプリッタギア11に結合されたときには、第1及び第3のスプリッタギア11,14のギア比をもってカウンタシャフト13に回転が伝達され、インプットシャフト4が第2のスプリッタギア12に結合されたときには、第2及び第4のスプリッタギア12,15のギア比をもってカウンタシャフト13に回転が伝達される。従って、以上のように構成されたスプリッタ部M1により高低2段の変速が行われる。
【0012】
又、メインシャフト5上及びカウンタシャフト13上には相互に噛合する複数組の変速ギア17,18(リバースを含む)が配設され、メインシャフト5側のギア17に併設されたシンクロ機構19により各変速ギア17が選択的にメインシャフト5に結合され、その結合した組のギア比をもってカウンタシャフト13の回転がメインシャフト5に伝達される。そして、以上のように構成された主変速機部としての主変速部M2により、前進については4段の変速が行われる。
【0013】
更に、ケーシング3内のメインシャフト5の後方にはアウトプットシャフト20が同軸上に支持され、このアウトプットシャフト20の後端は前記プロペラシャフトに連結されている。アウトプットシャフト20の前部に形成されたフランジ20aには複数のプラネタリギア21(1つのみを図示)が支軸21aで支持され、これらのプラネタリギア21は、外周側に配設されたリングギア22に噛合すると共に、メインシャフト5の外周に形成されたサンギア5aに噛合している。アウトプットシャフト20にはベアリング23を介して回転リング24が外嵌され、この回転リング24の前部外周はリングギア22の内周に噛合し、リングギア22は常に回転リング24と一体で回転する。
【0014】
回転リング24の後部外周にはシンクロ機構25がスプライン結合され、実線で示すように、シンクロ機構25が前方に作動したときには、回転リング24がケーシング3内の一側3aに結合されてリングギア22の回転を規制することから、サンギア5aの回転に伴ってプラネタリギア21がリングギア22の内周を転動しながら、メインシャフト5の回転を減速してアウトプットシャフト20に伝達する。又、一点鎖線で示すように、シンクロ機構25が後方に作動したときには、回転リング24がアウトプットシャフト20上にスプライン結合された規制リング26に結合されて、リングギア22に対するプラネタリギア21の転動が規制されることから、メインシャフト5の回転がそのまま等速でアウトプットシャフト20に伝達される。従って、以上のように構成された副変速機部としてのレンジ部M3により高低2段の変速が行われる。
【0015】
そして、本実施形態では、主変速部M2において達成される前進4段の変速段に対してスプリッタ部M1の高低2段の変速が組み合わされることで、変速段は計8段に細分化され、更に、その計8段の変速段に対してレンジ部M3の高低2段の変速が組み合わされることで、元の8段の変速段の低速側に別の8段の変速段が設けられて、結果として計16段の変速段が達成される。
【0016】
従って、例えば1速−2速間の切換のように隣接する変速の際には、スプリッタ部M1の変速を伴って主変速部M2を変速し、1速−3速間の切換のように1段飛び越した変速の際には、スプリッタ部M1の変速を伴わずに主変速部M2を単独で変速する。又、8速−9速間、或いは8速−10速間のように、低速側と高速側を跨ぐ変速の際には、上記した何れかの操作(スプリッタ部M1の切換を伴う変速と伴わない変速)に加えて、レンジ部M3の変速を実行する。
【0017】
一方、図1に示すように、変速機1にはギアシフトユニット31が設けられ、ギアシフトユニット31はエアタンク32と接続されている。図示はしないが、ギアシフトユニット31は内蔵された多数の切換弁の切換に応じて、エアタンク32からの圧縮エアにより前記主変速部M2の各シンクロ機構19を選択的に作動させ、その変速段を切換える。又、エアタンク32は一対の切換弁33を介してスプリッタ用シリンダ34と接続され、スプリッタ用シリンダ34は切換弁33の切換に応じてシフトフォーク34aを介して前記スプリッタ部M1のシンクロ機構16(図2に示す)を作動させて、その変速段を切換える。同様に、エアタンク32は一対の切換弁35を介してレンジ用シリンダ36と接続され、レンジ用シリンダ36は切換弁35の切換に応じてシフトフォーク36aを介して前記レンジ部M3のシンクロ機構25を作動させて、その変速段を切換える。更に、エアタンク32は切換弁37を介してクラッチブースタ38と接続され、クラッチブースタ38は切換弁37の切換に応じてクラッチ6を断接操作する。
【0018】
一方、車室内にはエンジン制御手段としてのエンジンコントロールユニット(以下、エンジンECUという)41が設置され、エンジンECU41の入力側には、運転者によるアクセル操作量を検出するアクセルセンサ42、エンジン回転速度Neを検出するエンジン回転速度センサ43、車速を検出する車速センサ44が接続され、出力側にはエンジン2に設けられた電子ガバナ45が接続されている。エンジンECU41は各センサから入力される検出信号に基づいて、電子ガバナ45による燃料噴射量や図示しないタイマによる噴射時期を制御してエンジン2を運転する。
【0019】
又、エンジンECU41には、変速指令手段、クラッチ制御手段、変速制御手段としての変速機コントロールユニット(以下、変速機ECUという)46が相互に通信可能に接続され、この変速機ECU46の入力側には、前記ギアシフトユニット31、スプリッタ部M1の変速位置を検出するスプリッタセンサ47、レンジ部M3の変速位置を検出するレンジセンサ48、インプットシャフト4と共に回転するクラッチディスクの回転速度(以下、クラッチ回転速度という)Nc1を検出するクラッチ回転速度センサ49、前記クラッチブースタ38の操作ストロークを検出するクラッチストロークセンサ50、及び運転者にて操作されるチェンジレバーユニット51が接続されている。又、変速機ECU46の出力側には前記ギアシフトユニット31、スプリッタ部M1の切換弁33、レンジ部M3の切換弁35、クラッチ6の切換弁37が接続されている。
【0020】
前記チェンジレバーユニット51は、DレンジやMレンジ等のモードの切換、更にMレンジでは変速段の選択を指示可能に構成されており、変速機ECU46はチェンジレバーユニット51の切換状態に応じて変速機1の変速操作及びクラッチ6の断接操作を実施する。即ち、チェンジレバーユニット51がDレンジに切換えられているときには自動変速を実施して、車速やアクセル操作量からマップに従って目標変速段を決定し、又、チェンジレバーユニット51がMレンジに切換えられているときには手動変速を実施して、運転者からチェンジレバーユニット61により指示された変速段を目標変速段と見なす。そして、ギアシフトユニット31、スプリッタセンサ47、レンジセンサ48からの情報に基づいて、各切換弁33,35,37によりスプリッタ部M1、主変速部M2、レンジ部M3の変速操作を実行すると共に、これと並行してクラッチストロークセンサ50からの情報に基づいてクラッチ6の断接操作を実行し、前記した目標変速段を達成する。
【0021】
そして、本実施形態の変速機ECU46は、上記したDレンジとMレンジの何れのモードでもレンジ部M3の切換を伴ってシフトアップを実行するときには、所謂ダブルクラッチを実行して主変速部M2のシンクロ機構19の負荷の軽減を図っている。上記のようにレンジ部M3の切換を伴う変速には、同時にスプリッタ部M1を切換える場合(例えば8速−10速間)と、スプリッタ部M1を切換えない場合(例えば8速−9速間)とがあるが、ここではスプリッタ部M1の切換を伴わない場合を例に挙げて、このときの変速制御の詳細を説明する。
【0022】
図3及び図4は変速機ECUが実行する変速制御ルーチンを示すフローチャートである。まず、変速機ECU46はステップS2で現在のギア段と次段(目標変速段)との関係から変速がシフトアップか否かを判定し、ステップS4でレンジ部M3の切換を伴う変速か否かを判定する。ステップS2又はステップS4の何れかのステップSでNO(否定)の判定を下したときには、ステップS6でクラッチ6を遮断し、ステップS8で主変速部M2のギア抜きを実行し、ステップS10でギアシフトユニット31からの情報に基づいてギア抜きが完了したか否かを判定する。ギア抜き完了により判定がYES(肯定)になると、ステップS12で次段にギア入れし、ステップS14でギア入れが完了したか否かを判定する。ギア入れ完了により判定がYESになると、ステップS16でエンジンECU41に指令を出力してエンジン回転速度Neを次段に対応するクラッチ回転速度Nc2に調整させ、続くステップS18でクラッチ6を接続して、ルーチンを終了する。
【0023】
一方、前記ステップS2及びステップS4の判定が共にYESのとき、即ち、レンジ部M3の切換を伴うシフトアップのときには、ステップS20に移行してクラッチ6を遮断し、ステップS22で主変速部M2のギア抜きを実行し、ステップS24でギア抜きが完了したか否かを判定する。ギア抜き完了により判定がYESになると、ステップS26でレンジ部M3をローからハイに切換えて、ステップS28でそのレンジ部M3の切換が完了したか否かを判定する.切換完了により判定がYESになると、ステップS30でクラッチ回転速度センサ49にて検出されたクラッチ回転速度Nc1が次段に対応するクラッチ回転速度Nc2から所定値Aを減算した値未満か否かを判定する。判定がNO、つまりクラッチ回転速度Nc1がそれほど低下していないときには、前記ステップS12に移行して次段にギア入れし、ステップS14及びステップS16を経てステップS18でクラッチ6を接続する。
【0024】
又、前記ステップS30で判定がYES、つまりクラッチ回転速度Nc1が大きく低下しているときには、ステップS32に移行してクラッチ6を接続し、ステップS34で次段に対応するクラッチ回転速度Nc2に所定値Bを加算した値までエンジン回転速度Neを上昇させるように、エンジンECU41に指令を出力する。続くステップS36でクラッチ回転速度Nc1が次段に対応するクラッチ回転速度Nc2から所定値Cを減算した値未満か否かを判定する。
【0025】
当初のクラッチ回転速度Nc1はクラッチ回転速度Nc2から所定値Cを減算した値未満であることから、ステップS36の判定はYESとなるが、ステップS34での指令に基づいてエンジン回転速度Neと共にクラッチ回転速度Nc1は上昇を続けるため、程無くステップS36でNOの判定を下してステップS38でクラッチ6を遮断する。その後は上記と同様に、ステップS12で次段にギア入れし、ステップS14及びステップS16を経てステップS18でクラッチ6を接続する。
【0026】
上記のようにレンジ部M3の切換を伴ってシフトアップする場合には、主変速部M2の変速途中にレンジ部M3の切換操作(ステップS26)が加わるため、その分だけ主変速部M2のギア入れ(ステップS12)のタイミングが遅れ、その間に慣性回転中のクラッチディスクが回転低下し、特に低油温時にはクラッチディスク側にミッションオイルが大きな回転抵抗として作用するため、クラッチ回転速度Nc1が次段に対応する回転速度Nc2を越えて大きく落ち込むことがある。上記のように本実施形態の変速制御装置では、このような場合に一旦クラッチ6を接続して、エンジン回転速度Neと共にクラッチ回転速度Nc1をクラッチ回転速度Nc2付近まで上昇させた上で、次段へのギア入れを実行する。よって、クラッチディスク側(被同期側)をメインシャフト5側(同期側)に同期させる際のシンクロ機構19の負荷を大幅に軽減でき、もって、同期の遅延や同期不能の事態を未然に防止して、迅速且つ確実な変速を実現することができる。
【0027】
又、このようにエンジンECU41側に指令を出力して積極的にエンジン回転速度Neを上昇させるため、これと共にクラッチ回転速度Nc1が速やかに回転上昇されて、シンクロ機構19の負荷をより一層軽減することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、大型トラックに搭載された変速機1用の変速制御装置に具体化したが、副変速機を備えた変速機を搭載しているものであれば車種は限定されず、例えば乗用車に搭載された変速機用の変速制御装置に具体化してもよい。
【0028】
又、上記実施形態の変速機1は、変速機構として主変速部M2及びレンジ部M3に加えてスプリッタ部M1を備えたが、スプリッタ部M1は必ずしも装備する必要はなく、主変速部M2とレンジ部M3のみを備えた変速機に具体化してもよい。
更に、上記実施形態では、クラッチ接続時に積極的にエンジン回転速度Neを上昇させたが、このエンジン制御は必ずしも実行する必要はない。シフトアップ時のエンジン回転速度Neは急激に低下せず、一方、シフトアップの場合は次段に対応するクラッチ回転速度Nc2がより低い値であることから、エンジン2を制御せずにクラッチ6を接続するだけでも、クラッチ回転速度Nc1は上昇して次段に対応するクラッチ回転速度Nc2に接近することになる。特に本実施形態のような大型トラックでは、低回転域を常用する関係でシフトアップ時の次段に対応するクラッチ回転速度Nc2はかなり低く、且つ、エンジン特性の点で回転落ちが遅くてクラッチ接続の時点でアイドル回転まで落ちていない場合が多いことから、クラッチ接続によりクラッチ回転速度Nc1を上昇させてシンクロ負荷の軽減を図ることが十分に可能である。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明の副変速機を備えた変速機の変速制御装置によれば、副変速機部の変速を伴うシフトアップ時に、クラッチ回転速度が目標変速段相当回転速度以下となったときに、クラッチ接続によりクラッチ回転速度を目標変速段相当回転速度以上まで上昇させた上で、クラッチを遮断して主変速機部を変速するため、主変速機部のシンクロ機構の負荷を軽減して、同期の遅延や同期不能の事態を未然に防止し、もって、迅速且つ確実な変速を実現することができる。
【0030】
又、請求項2の発明の副変速機を備えた変速機の変速制御装置によれば、エンジン回転速度を積極的に上昇させるようにしたため、これと共にクラッチ回転速度が速やかに回転上昇されて、シンクロの負荷をより一層軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の副変速機を備えた変速機の変速制御装置を示す全体構成図である。
【図2】変速機の詳細を示す断面図である。
【図3】変速機ECUが実行する変速制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】変速機ECUが実行する変速制御ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 変速機
2 エンジン
6 クラッチ
41 エンジンECU(エンジン制御手段)
46 変速機ECU(変速指令手段、クラッチ制御手段、変速制御手段)
M2 主変速部(主変速機部)
M3 レンジ部(副変速機部)
Ne エンジン回転速度
Nc1 クラッチ回転速度

Claims (2)

  1. エンジンの動力を変速して車両の駆動系に伝達する変速機と、
    上記変速機を構成し、複数の変速段をシンクロ機構の作動によって切換える主変速機部と、
    上記変速機を構成し、上記主変速機部と動力伝達上直列に配設されると共に高低の変速段よりなる副変速機部と、
    上記変速機と上記エンジンとの動力を断接するクラッチと、
    上記変速機の変速が必要なときに変速指令を発する変速指令手段と、
    上記変速指令手段の変速指令に基づき上記クラッチを断接制御するクラッチ制御手段と、
    上記変速指令手段のシフトアップ指令による目標変速段が上記副変速機部の変速を伴う場合、同シフトアップ変速中にクラッチ回転速度が上記目標変速段相当回転速度以下となったとき、上記主変速機部をニュートラルに保持したまま上記クラッチ制御手段に接信号を出力し、その後クラッチ回転速度が上記目標変速段相当回転速度以上となったとき上記クラッチ制御手段に断信号を出力して、上記主変速機部の変速を再開する一方、同シフトアップ変速中にクラッチ回転速度が上記目標変速段相当回転速度を超えていたとき、上記クラッチ制御手段に接信号を出力せずに上記主変速機部の変速を行う変速制御手段と
    を備えたことを特徴とする副変速機を備えた変速機の変速制御装置。
  2. 上記エンジンの回転速度を制御するエンジン制御手段を更に備え、
    上記変速制御手段は、
    上記クラッチ接信号出力と共に上記エンジン制御手段にエンジン回転速度が上記目標変速段相当回転速度となるように指示信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の副変速機を備えた変速機の変速制御装置。
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