JP4196955B2 - プロジェクタ及び処理ライン決定方法 - Google Patents
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Description
そして、このようなプロジェクタとしては、例えば、下記特許文献1に記載されているプロジェクタのように、撮影画像を解析し、撮影画像のうち、明るさがピークとなるピーク位置を定め、このピーク位置に応じてキーストーン補正を行うプロジェクタが挙げられる。
図5において、(A)は従来におけるプロジェクタPJの投写状態を横から示すものであり、(B)は(A)の投写状態において撮像して得られた撮影画像を示し、(C)は(B)に示す撮像画像のうち、プロジェクタPJにおける光学系の光軸と、スクリーンScと、の交点(以下、「光軸点」と呼ぶ。)Pを通る水平ラインL1に相当する位置の、各画素の輝度値の分布を模式的に示すグラフである。
図5(A)に示すように、プロジェクタPJはスクリーンScに対して仰ぐように傾いて設置されている。そして、この場合、いわゆるあおり投写の状態となり、投写表示された画像は台形に歪んでしまう。
なお、前述の水平ラインL1のように、撮影画像におけるピーク位置を定める際に参照される特定の水平ラインを、以下において「ピーク位置参照ライン」と呼ぶ。
図6において、(A)はプロジェクタPJの投写状態を横から示し、(B)は(A)の投写状態において撮像して得られた撮影画像を示し、(C)は(B)に示す撮影画像のうち、ピーク位置参照ラインに相当する位置の、各画素の輝度値の分布を模式的に示すグラフである。なお、図5(A)の実線で示すシフトレンズ10の位置及び投写領域を、図6(A)において破線で示している。また、図6において、図5と同じ箇所には同じ符合を付し、説明を省略する。
一方、上述したように、ピーク相対位置は下方にずれているので、このピーク位置参照ラインである水平ラインL2は光軸点Pを通らないことになる。
これは、図6(A)に示すように、プロジェクタPJから中心点Qまでの距離は、プロジェクタPJから光軸点Pまでの距離に比べて長くなっているので、中心点Q(水平ラインL2のピーク位置に相当)の輝度値が、光軸点P(図5(B)に示す水平ラインL1のピーク位置に相当)の輝度値よりも小さくなるためである。
従って、予めシフト量毎に、所望するライン予定位置の位置情報を記憶部に記憶させておくことで、投写レンズがシフトした場合においても、所望するラインを処理すべき所定のラインとして決定させることが可能となる。
従って、上記のような構成とすることで、画像処理部は、制御部により定められた画像ピーク位置に基づき、投写する表示画像を調整するので、投写レンズがシフトした場合においても、正確な画像ピーク位置に基づき、表示画像を調整することが可能となる。
A.実施例:
A1.プロジェクタの概要:
A2.画像投写動作の概要:
A3.ピーク位置参照ライン決定処理及びキーストーン補正処理:
A4.実施例の効果:
B.変形例:
A1.プロジェクタの概要:
図1は、本発明の一実施例としてのプロジェクタの概略構成を示す説明図である。このプロジェクタ100は、図5,図6に示した従来におけるプロジェクタPJと同様に、スクリーンに投写表示された画像を撮像し、得られた撮影画像のうち、輝度値のピーク位置を定めてキーストーン補正を行うことが可能なプロジェクタである。さらに、プロジェクタ100は、上述した従来におけるプロジェクタPJと同様に、ピーク位置を定める場合に、特定の水平ラインのピーク位置を定めることで、撮影画像におけるピーク位置を定める。
さらに、プロジェクタ100は、光学系の構成要素として、図示せざるランプやリフレクタ等から成る照明光学系112,液晶パネル114,シフトレンズ117等から成る投写光学系116を備えている。
プロジェクタ100における通常動作である画像投写動作について簡単に説明する。
図1において、ユーザがリモコン125を用いて画像投写の開始を指示すると、リモコン125は、入力されたその指示を無線通信によってリモコン制御部124に伝える。リモコン制御部124は、リモコン125からの指示を、内部バス126を介してCPU120に伝える。CPU120は、この指示に基づいて、画像処理部103をはじめとする各構成部を制御して画像投写動作を行う。
ユーザが、プロジェクタ100をスクリーンに対して仰ぐように傾けて設置した後、プロジェクタ100の電源をオンすると、図1に示す画像処理部103は、調整用パターン画像として全面白色の画像を生成する。そして、上述した画像投写動作と同様にして、この生成された調整用パターン画像がスクリーンに投写表示される。
なお、このときのプロジェクタ100の設置位置及びシフトレンズ117のシフト量は、図6(A)に示す設置位置及びシフト量と同じであるものとする。そしてこの場合、従来と同様に、この投写状態において、投写表示された調整用パターン画像は台形に歪む。
図2に示すピーク位置参照ライン決定処理が開始されると、まず、CPU120は、シフト量検出部122を用いてシフトレンズ117のシフト量を取得し、メモリ121に記憶させる(ステップS202)。
なお、図6(A)に示すような投写状態において、CPU120は、シフト量として、「80」を取得したものとする。
図3に示すように、ピーク相対位置テーブルにおいては、シフト量と、ピーク相対位置と、が予め対応付けて設定されている。
ここで、ピーク相対位置を示す各値は、投写表示された画像の高さに対する、光軸点の高さの割合(パーセンテージ)として設定されている。従って、例えば、ピーク相対位置が「50」とは、光軸点の高さが、投写表示された画像の高さの半分の高さであることを示す。
すなわち、シフトレンズ117のシフト量に応じて、スクリーンに投写表示される画像の位置はずれるが、スクリーンにおける光軸点の位置はレンズシフトによっても変わらない。それ故、レンズシフトすると、撮影画像において、投写表示された画像を基準とした光軸点の位置がずれることになる。そして、前述の投写表示された画像の位置のずれ量は、シフト量が大きくなるに従ってより大きくなるので、前述の光軸点のずれ量も、シフト量が大きくなるに従ってより大きくなるからである。
図4において、(A)はプロジェクタ100の投写状態を横から示すものであり、(B)は(A)の投写状態において撮像して得られた撮影画像を示し、(C)は(B)に示す撮影画像のうち、ピーク位置参照ラインに相当する位置の各画素の輝度値の分布を模式的に示すグラフである。
なお、図4(A)に示すプロジェクタ100の投写状態は、図6(A)に示す投写状態と同じであるので、この投写状態において得られる撮影画像は、図4(B)に示すように、図6(B)に示す撮影画像と同じとなる。
なお、このキーストーン補正は、投写表示される画像の台形歪みをキャンセルするように、予め投写する画像を台形に補正しておくことにより実行される。そして、前述の補正量とは、この補正後の台形の、各頂点の位置を示す値である。
以上説明したように、プロジェクタ100は、シフト量とピーク相対位置とを対応付けたピーク相対位置テーブルを、予め備えるようにしている。そして、CPU120は、シフト量検出部122が取得した実際のシフト量に基づき、このピーク相対位置テーブルを参照して、ピーク位置参照ラインを決定するようにしているので、光軸点を通る水平ラインをピーク位置参照ラインとして決定することができる。その結果、ピーク位置参照ラインにおいて、輝度値のピーク位置は明確になるので、正確なピーク位置を定めて正確なキーストーン補正を行うことが可能となる。
なお、本発明は、前述の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の態様において実施することが可能であり、例えば以下のような変形も可能である。
上述した実施例では、プロジェクタ100は、シフトレンズ117を最も下方にシフトした場合に、投写表示された画像の上辺に光軸点がくるように投写するものとしたが、これに限らない。最も下方にシフトした場合に、投写表示された画像の上辺よりも上方に光軸点がくるように投写するものであっても構わない。
そして、この場合、シフトレンズ117を下方にシフトしていくと、あるシフト量以下になると光軸点は投写表示された画像から上方にはみ出すことになる。そこで、ピーク相対位置テーブルにおいて、光軸点が投写表示された画像の上辺にあるときのシフト量以下のシフト量に対して、ピーク相対位置を全て「100」を設定するようにすればよい。このようにすることで、光軸点がはみ出した場合でも、光軸点により近い水平ラインである、投写表示された画像の上辺の位置の水平ラインをピーク位置参照ラインとして決定することができる。
上述した実施例では、シフト量が−100の場合に、ピーク相対位置が100であるものとしたが、これに代えて、ピーク相対位置を、例えば99や98など、100よりもわずかに小さい値とするようにしてもよい。
シフト量が−100の場合には、光軸点が投写表示された画像の上辺にあるように画像が投写表示されることになるが、撮影画像において、投写表示された画像の上辺は、画像が投写表示された明るい領域と、画像が投写表示されない暗い領域との境界に相当するため、上辺に相当する位置の画素の輝度値は、この暗い領域の輝度値の影響で、実際よりも低い輝度値となり、正確なピーク位置を定めることが困難になる可能性がある。
そこで、前述のようにしてピーク相対位置をずらすことで、ピーク位置参照ラインを上辺から少し下方にずれた水平ラインに決定し、シフト量が−100の場合においても、正確なピーク位置を定めることを可能とする。
なお、同様な理由で、シフト量100の場合に、ピーク位置を−98,−99など、−100よりもわずかに大きい値にするようにしてもよい。
上述した実施例では、ピーク位置参照ラインとして1つの水平ラインのみを決定するものとしたが、本発明はこれに限定するものではない。ピーク位置参照ライン決定処理の後に行われるキーストーン補正等の画像処理において、1以外の所定数のラインを参照するような場合には、例えば、上述した実施例のようにして決定した水平ラインの他に、この水平ラインの上下所定数のラインも合わせて、ピーク位置参照ラインとして決定するようにしてもよい。
上述した実施例では、ピーク相対位置は、ピーク相対位置テーブルを参照して決定するものとしたが、本発明はこれに限定するものではない。例えば、シフト量をパラメータとして、ピーク相対位置を導き出せることが可能な算出式を予め定めておき、CPU120は、シフト量検出部122により取得されたシフト量に基づき、この算出式を用いてピーク相対位置を導き出すようにしてもよい。
上述した実施例では、シフトエンコーダ値は0〜20のいずれかの値を取るものとしたが、シフトエンコーダ値の範囲はこれに限定するものではなく、0〜255など他の範囲であっても構わない。また、この場合、このシフトエンコーダ値に応じたシフト量と、そのシフト量に対応したピーク相対位置と、を対応付けてピーク相対位置テーブルに設定するようにすればよい。
上述した実施例においては、プロジェクタ100では、ピーク位置参照ライン決定処理で決定したピーク位置参照ラインに基づきピーク位置を定めた後、キーストーン補正を実行していたが、本発明は、キーストーン補正に限定するものではない。ズーム調整やフォーカス調整など、画像を調整するための他の画像処理についても、ピーク位置参照ラインに基づいてピーク位置を定めるような場合には、本発明を適用することが可能であり、本発明を適用することにより、より正確なピーク位置を定めてより正確な画像処理を行うことが可能となる。
上述した実施例におけるシフトレンズ117は、上下にシフトするものとしたが、これに限らず、左右にシフトするようなシフトレンズ117を備えるプロジェクタにおいても、本発明を適用することができる。この場合、ピーク相対位置は、例えば、投写表示された画像の左右の幅に対する、投写表示された画像の右辺から光軸点までの幅の割合として、ピーク相対位置テーブルに設定すればよい。
上述した実施例では、光軸点を通るラインをピーク位置参照ラインとしたが、本発明はこれに限定するものではない。各シフト量に応じて輝度値がピークとなる位置を、実験等により予め求めておき、この位置を通るラインをピーク位置参照ラインとしてもよい。この場合、実験等により予め求めた位置を、投写表示された画像に対する相対的な位置として、シフト量と対応付けてピーク相対位置テーブルに設定すればよい。
上述した実施例では、調整用パターン画像として、全面白色の画像を用いるものとしたが、これに限らず、例えば、所定の階調パターンを有する画像や、所定の記号やロゴを表す画像などを用いるようにしてもよい。
上述した実施例では、明るさを示す値として、輝度値(Y)を用いていたが、これに代えて、R,G,Bのいずれかの階調値、又はこれらの階調値の平均値を用いるようにしてもよい。
上述した実施例では、プロジェクタ100は、液晶プロジェクタであるものとしたが、DLPプロジェクタ(DLPは登録商標)であってもよい。
102...A/D変換部
103...画像処理部
104...撮像部
105...撮像制御部
106...撮影画像メモリ
107...ピーク相対位置テーブル格納部
110...液晶パネル駆動部
112...照明光学系
114...液晶パネル
116...投写光学系
117...シフトレンズ
120...CPU
121...メモリ
122...シフト量検出部
123...シフトレンズ駆動部
124...リモコン制御部
125...リモコン
126...内部バス
10...シフトレンズ
PJ...プロジェクタ
CA...撮像部
P...光軸点
Q...中心点
G...投写表示された調整用パターン画像
L1,L2,L3...水平ライン
h1,h2,H...高さ
Sc...スクリーン
Claims (5)
- 光軸に対して略垂直方向にシフト可能な投写レンズを備え、前記投写レンズを用いて投写対象物に表示画像を投写して表示させることが可能なプロジェクタであって、
少なくとも前記投写対象物に表示された前記表示画像を含む領域を撮像し、撮影画像を得る撮像部と、
前記投写レンズのシフト量を検出するシフト量検出部と、
前記撮影画像において明るさがピークとなる位置である画像ピーク位置を含む前記撮像画像における処理ラインを決定する制御部と、
前記シフト量毎に定められている、前記撮影画像に写し出された前記表示画像に対する相対的なライン予定位置を示す位置情報を、記憶する記憶部と、
を備え、
前記制御部は、前記撮影画像に基づき、前記撮影画像に写し出された前記表示画像の、前記撮影画像における表示位置を特定すると共に、
前記制御部は、前記処理ラインを決定する場合に、前記シフト量検出部を用いて前記シフト量を検出し、検出した前記シフト量に対して定められている前記位置情報を前記記憶部から読み出し、読み出した前記位置情報の示す前記ライン予定位置と、特定した前記表示位置と、に基づいて、前記処理ラインを決定することを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1に記載のプロジェクタであって、
前記制御部は前記処理ラインにおいて明るさがピークとなる位置を、前記撮影画像において明るさがピークとなる前記画像ピーク位置として定め、
前記制御部により定められた前記画像ピーク位置に基づき、投写する前記表示画像を調整することが可能な画像処理部を、更に備えることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項2に記載のプロジェクタであって、
前記画像処理部は、前記投写対象物に対して前記プロジェクタが傾いて設置されることにより生じた、前記投写対象物に表示された前記表示画像の歪みを補正するように、投写する前記表示画像を調整することを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のプロジェクタであって、
前記ライン予定位置は、前記撮影画像において、前記プロジェクタの光軸と、前記投写対象物と、の交点を通るラインの位置であることを特徴とするプロジェクタ。 - 光軸に対して略垂直方向にシフト可能な投写レンズと撮像部とを備え、前記投写レンズを用いて投写対象物に表示画像を投写して表示させ、前記撮像部を用いて、少なくとも前記投写対象物に表示された前記表示画像を含む領域を撮像し、撮影画像を得ることが可能なプロジェクタにおいて、前記撮影画像において明るさがピークとなる位置である画像ピーク位置を含む前記撮像画像における処理ラインを決定するための処理ライン決定方法であって、
前記投写レンズのシフト量と、前記シフト量に応じた、前記撮影画像に写し出された前記表示画像に対する相対的なライン予定位置を示す位置情報と、を予め対応付けておく第1の工程と、
前記投写レンズのシフト量を検出する第2の工程と、
前記撮影画像に基づき、前記撮影画像に写し出された前記表示画像の、前記撮影画像における表示位置を特定する第3の工程と、
検出された前記シフト量に対応付けられた前記位置情報の示す前記ライン予定位置と、特定された前記表示位置と、に基づいて、前記処理ラインを決定する第4の工程と、
を備える処理ライン決定方法。
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