JP4196064B2 - ディスプレイパネルの点灯検査装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどのディスプレイパネルに駆動回路を組み合わせる前に、ディスプレイパネルに点灯信号を入力して表示し、画質検査を行うディスプレイパネルの点灯検査装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどのディスプレイパネルはパネルに駆動回路が実装され製品化される。製造工程では、実装工程への不良パネルの流出を防ぐため、駆動回路実装前に点灯信号を入力し、点灯検査を行っている。
【０００３】
図５は、従来のディスプレイパネルの点灯検査装置のブロック図である。ディスプレイパネルの点灯検査装置は、パネル保持部１およびパネル保持部１にセットされるディスプレイパネルを点灯させるための駆動回路２とを備えたパネル検査部３と、駆動回路２へ電源を供給する電源４と、駆動回路２へ信号を供給する信号発生装置５と、電源４および信号発生装置５を制御するパーソナルコンピュータ等の制御装置６で構成されている。
【０００４】
この種のディスプレイパネルの点灯検査装置として、検査用プローブピンを用いたもの（特許文献１参照）が知られているが、この検査用プローブピンに代えて、フレキシブルプリント回路（ＦＰＣ）に形成した電極を点灯検査用のプローブとして用いることも考えられている。
【０００５】
【特許文献１】
特許第２９５３０３９号公報
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、ディスプレイパネルは表示領域に複数本の電極を有しており、そしてその表示エリア外の端部には、前記電極を延長するとともに間隔を狭くすることにより、複数の引出し電極を有する電極端子ブロックが複数配置されている。このディスプレイパネルの引出し電極における電極のピッチは、例えば、４２型のプラズマディスプレイパネルのアドレス電極を例に挙げれば、３００μｍ程度の電極間ピッチとなる。
【０００７】
そして、ＦＰＣを点灯検査用のプローブとして用いる検査方法においては、このようなディスプレイパネルの引出し電極に、ＦＰＣからなる点灯検査用のプローブの取出し電極を接触させ、このプローブを通してディスプレイパネルに通電を行って点灯させることにより、点灯検査を行っている。
【０００８】
しかしながら、このようなＦＰＣを用いた検査方法の場合、検査対象となるディスプレイパネルの品種切り替えを行う場合、例えば、ディスプレイパネルとして品種の異なるディスプレイパネルを検査しようとする場合には、引出し電極のピッチや電極本数が異なるため、その引出し電極に合わせて、ＦＰＣからなるプローブの取出し電極のピッチや電極本数を変更する必要が生じる。
【０００９】
このとき、数十個のプローブを高い精度で位置決めする必要があるため、品種切り替え及び調整作業に３〜４時間程度必要となり、品種切り替えの頻度が多くなると、点灯検査装置の稼働率が低下し、生産性が悪化するという課題が発生していた。
【００１０】
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、ディスプレイパネルの品種切り替えに必要となる作業時間を低減し、生産性の高いディスプレイパネルの点灯検査装置を実現することを目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、複数の引出し電極を有する電極端子ブロックを周辺端部に複数配置してなるディスプレイパネルと、このディスプレイパネルを位置決め保持するためのパネル保持手段を有する本体ベースと、この本体ベースに着脱可能に配設される保持ユニットベースとを有し、前記保持ユニットベースに、前記ディスプレイパネルの引出し電極それぞれに電気的に接触する複数の取出し電極を有しかつ前記ディスプレイパネルの電極端子ブロックに対応して複数個配設した接触子、およびこの接触子にディスプレイパネルを点灯表示させるための信号を供給する点灯信号発生手段から構成されるパネル点灯ユニットと、前記保持ユニットベースに移動可能に配設されかつ前記パネル点灯ユニットの複数個の接触子を前記ディスプレイパネルの電極端子ブロックに押し付けてディスプレイパネルの引出し電極に接触子の取出し電極を接触させる１個の接続ユニットとを搭載したもので、パネル点灯ユニットを有する保持ユニットベースを、予め検査対象となるディスプレイパネルの品種に応じて複数種類準備しておき、品種切り替え時に保持ユニットベースを交換することにより、品種切り替え及び調整作業に必要となる作業時間を低減することができる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
すなわち、本発明の請求項１に記載の発明は、複数の引出し電極を有する電極端子ブロックを周辺端部に複数配置してなるディスプレイパネルと、このディスプレイパネルを位置決め保持するためのパネル保持手段を有する本体ベースと、この本体ベースに着脱可能に配設される保持ユニットベースとを有し、前記保持ユニットベースに、前記ディスプレイパネルの引出し電極それぞれに電気的に接触する複数の取出し電極を有しかつ前記ディスプレイパネルの電極端子ブロックに対応して複数個配設した接触子、およびこの接触子にディスプレイパネルを点灯表示させるための信号を供給する点灯信号発生手段から構成されるパネル点灯ユニットと、前記保持ユニットベースに移動可能に配設されかつ前記パネル点灯ユニットの複数個の接触子を前記ディスプレイパネルの電極端子ブロックに押し付けてディスプレイパネルの引出し電極に接触子の取出し電極を接触させる１個の接続ユニットとを搭載したことを特徴とする。
【００１６】
以下、本発明の一実施の形態によるディスプレイパネルの点灯検査装置について、図１〜図４の図面を用いて説明する。
【００１７】
図１に本発明の一実施の形態による点灯検査装置の全体構成を示し、図２〜図４にその要部構成を示している。図において、１０はプラズマディスプレイパネルなどのディスプレイパネルで、このディスプレイパネル１０の周辺端部には、図３に示すように、電極１０１を延長することにより形成された複数の引出し電極１０２を有する電極端子ブロック１０３が複数配置されている。
【００１８】
１１はこのディスプレイパネル１０の点灯検査を行うときにディスプレイパネル１０が配置される本体ベースで、この本体ベース１１上には、ディスプレイパネル１０を位置決め保持するためのパネル保持手段１２が配設されている。この本体ベース１１は、点灯検査装置の架台１３に回転支持部１４により保持されて取り付けられている。１５は前記回転支持部１４を回動させるための回転ハンドルであり、この回転ハンドル１５を回転させることにより、図１に示す矢印方向に本体ベース１１を回動させて、傾きを調整することができる。さらに、前記本体ベース１１上には、この本体ベース１１に着脱可能な保持ユニットベース１６が配設されている。
【００１９】
前記保持ユニットベース１６上にはパネル点灯ユニット１７が配設されているとともに、接続制御ブロック１８が前記保持ユニットベース１６に移動可能に配設されている。
【００２０】
前記パネル点灯ユニット１７は、図２、図４に示すように、保持ユニットベース１６上に、前記ディスプレイパネル１０の電極端子ブロック１０３に対応して複数個の接触子１７１をそれぞれ保持ブロック１７２により保持することにより配設し、そしてディスプレイパネル１０を点灯表示させるための点灯信号発生手段１７３を配設し、その点灯信号発生手段１７３と前記接触子１７１とを配線手段１７４を介して接続することにより構成されている。前記接触子１７１は、図３に示すように、前記ディスプレイパネル１０の引出し電極１０２それぞれに電気的に接触する複数の取出し電極１７５を有しており、絶縁性のフィルム間に銅箔などの導電性パターンを形成したフレキシブルプリント配線板により構成されている。また、前記保持ブロック１７２は、前記保持ユニットベース１６に、保持ブロック１７２の配列方向に移動可能なように取り付けられている。
【００２１】
前記接続制御ブロック１８は、図４に示すように、保持ユニットベース１６上に、ディスプレイパネル１０から離れる矢印方向に移動可能に配設したスライドベース部１８１と、このスライドベース部１８１上に搭載され、前記ディスプレイパネル１０の電極端子ブロック１０３に前記接触子１７１を押し付けてディスプレイパネル１０の引出し電極１０２に接触子１７１の取出し電極１７５を接触させる接続ユニット１８２とから構成されている。また、接続ユニット１８２は、先端部が開閉自在となるように軸１８３により軸支した押えユニット１８４および受けユニット１８５と、前記押えユニット１８４を軸１８３を中心に回動させる可動機構部１８６とにより構成されており、そしてこの接続ユニット１８２は前記スライドベース部１８１上に軸１８７により可動可能なように軸支されて搭載されている。
【００２２】
なお、図２では、ディスプレイパネル１０の一つの角を中心とした両側の辺に対応する２個所の位置にパネル点灯ユニット１７および接続制御ブロック１８を搭載した保持ユニットベース１６を配置した例を示しているが、これはディスプレイパネル１０の電極端子ブロック１０３をどの辺に設けるかによって適宜変更するものであり、電極端子ブロック１０３が配置された各辺に対応して配設される。
【００２３】
次に、上記構成の点灯検査装置の動作について説明する。
【００２４】
図１において、検査対象のディスプレイパネル１０をパネル保持手段１２に装着し、点灯検査する場合、接続制御ブロック１８においては、まず、図４に示すように、接続ユニット１８２とディスプレイパネル１０との干渉を避けるため、接続ユニット１８２を配設したスライドベース部１８１が干渉しない方向に移動する。この時、接触子１７１および点灯信号発生手段１７３は、スライドベース部１８１とは分離されて保持ユニットベース１６に設置されているため、スライドベース部１８１と一体に移動することはない。
【００２５】
ディスプレイパネル１０が装着された後、接続ユニット１８２を配設したスライドベース部１８１は、先程とは逆方向に一体に移動し、この移動後、図４に示すように、可動機構部１８６により接続ユニット１８２の押えユニット１８４が回動して、受けユニット１８５との間にディスプレイパネル１０とパネル点灯ユニット１７の接触子１７１を挟み込むことにより、ディスプレイパネル１０の引出し電極１０２と接触子１７１の取出し電極１７５が電気的に接触する。このとき、パネル載置点灯ユニット１１の接触子１７１の取出し電極１７５とディスプレイパネル１０の引出し電極１０２とは、点灯信号発生手段１７３と接触子１７１と保持ブロック１７２が移動せずに、同じ位置にあるため、設置されたディスプレイパネル１０に対して精度良く、一定の位置に位置決めされた状態で接触することとなる。
【００２６】
以上の動作後、点灯信号発生手段１７３からは、接触子１７１を介して点灯信号がディスプレイパネル１０に供給され、点灯表示が行われる。検査終了後は、上記動作とは逆の動作で、まず接続制御ブロック１８の接続ユニット１８２によるディスプレイパネル１０とパネル点灯ユニット１７との挟持状態を解除した後、ディスプレイパネル１０と接続ユニット１８２が干渉しないようにするために、スライドベース部１８１をディスプレイパネル１０から離れる方向に移動させ、ディスプレイパネル１０の取り外しが行われる。以降は、次の検査対象のディスプレイパネル１０の装着が行われ、検査が繰り返し行われる。
【００２７】
ところで、検査対象となるディスプレイパネル１０の品種切り替えを行う場合、例えば、品種の異なるディスプレイパネル１０では、電極端子ブロック１０３のピッチや電極本数等が異なるため、その電極端子ブロック１０３に合わせて、パネル載置点灯ユニット１１の接触子１７１上に形成する取出し電極１７５のピッチや電極本数を変更する必要が生じる。このため、品種変更を行う場合は、パネル載置点灯ユニット１１の接触子１７１を検査対象となるディスプレイパネル１０の電極端子部の形状に合わせて取り付け交換をする必要がある。
【００２８】
本発明の点灯検査装置では、それぞれの品種のディスプレイパネル１０の電極端子ブロック１０３の電極本数と電極ピッチ等に合わせて、接触子１７１や点灯信号発生手段１７３を有するパネル点灯ユニット１７を所定の位置に配設した保持ユニットベース１６を用意し、パネル点灯ユニット１７の接触子１７１の取り付け位置が所定の位置になるように保持ユニットベース１６の位置をあらかじめ調整しておけば、品種切り替えの際には、品種毎に調整した保持ユニットベース１６を本体ベース１１に載置すればよく、品種切り替え及び調整作業に必要となる作業時間を低減することができる。
【００２９】
以上説明したように本実施の形態によれば、ディスプレイパネル１０が載置される本体ベース１１に着脱可能に配設される保持ユニットベース１６を設け、その保持ユニットベース１６に、前記ディスプレイパネル１０の引出し電極１０２それぞれに電気的に接触する複数の取出し電極１７５を有する接触子１７１を前記ディスプレイパネル１０の電極端子ブロック１０３に対応して複数個配設して構成したパネル点灯ユニット１７と、前記保持ユニットベース１６に移動可能に配設されかつ前記ディスプレイパネル１０の電極端子ブロック１０３に前記接触子１７１を押し付けてディスプレイパネル１０の引出し電極１７５に接触子１７１の取出し電極１７５を接触させる接続制御ブロック１８とを設けたもので、そのパネル点灯ユニット１７を有する保持ユニットベース１６を、予め検査対象となるディスプレイパネル１０の品種に応じて複数種類準備しておき、品種切り替え時に保持ユニットベース１６自体を交換することにより、品種切り替え及び調整作業に必要となる作業時間を低減することができる。
【００３０】
なお、パネル保持手段１２をディスプレイパネル１０の中央付近を保持するように本体ベース１１に配置したが、保持ユニットベース１６およびその他の構造物に干渉しない位置であれば、ディスプレイパネル１０の四隅を保持するように配置してもよい。
【００３１】
また、本実施の形態においては、接触子１７１にフレキシブルプリント配線板を用いたが、ディスプレイパネル１０の引出し電極１０２と接触させる取出し電極１７５を形成する部分にリジットなプリント基板等を用い、このプリント基板とディスプレイパネル１０の引出し電極１０２とを接触させる構成としてもよい。
【００３２】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ディスプレイパネルの点灯検査において、パネル点灯ユニットを有する保持ユニットベースを、予め検査対象となるディスプレイパネルの品種に応じて複数種類準備しておき、品種切り替え時に保持ユニットベース自体を交換することにより、位置調整作業を簡略化でき、品種切り替え時間が大幅に短縮することができる。特に、本発明では、多品種少量生産等の品種切り替えを頻繁に行う必要がある場合、品種切り替え時間を大幅に短縮できることにより、装置の稼働率を向上させることができ、ディスプレイパネルの点灯検査における生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施の形態におけるディスプレイパネルの点灯検査装置の全体構成を示す正面図
【図２】同装置の要部構成を示す斜視図
【図３】同装置の要部構成を示す平面図
【図４】同装置の要部構成を示す概略構成図
【図５】従来のディスプレイパネルの点灯検査装置における概略構成を示すブロック図
【符号の説明】
１０ ディスプレイパネル
１１ 本体ベース
１６ 保持ユニットベース
１７ パネル点灯ユニット
１８ 接続制御ブロック
１０２ 引出し電極
１０３ 電極端子ブロック
１７１ 接触子
１７３ 点灯信号発生手段
１７５ 取出し電極
１８１ スライドベース部
１８２ 接続ユニット
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどのディスプレイパネルに駆動回路を組み合わせる前に、ディスプレイパネルに点灯信号を入力して表示し、画質検査を行うディスプレイパネルの点灯検査装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどのディスプレイパネルはパネルに駆動回路が実装され製品化される。製造工程では、実装工程への不良パネルの流出を防ぐため、駆動回路実装前に点灯信号を入力し、点灯検査を行っている。
【０００３】
図５は、従来のディスプレイパネルの点灯検査装置のブロック図である。ディスプレイパネルの点灯検査装置は、パネル保持部１およびパネル保持部１にセットされるディスプレイパネルを点灯させるための駆動回路２とを備えたパネル検査部３と、駆動回路２へ電源を供給する電源４と、駆動回路２へ信号を供給する信号発生装置５と、電源４および信号発生装置５を制御するパーソナルコンピュータ等の制御装置６で構成されている。
【０００４】
この種のディスプレイパネルの点灯検査装置として、検査用プローブピンを用いたもの（特許文献１参照）が知られているが、この検査用プローブピンに代えて、フレキシブルプリント回路（ＦＰＣ）に形成した電極を点灯検査用のプローブとして用いることも考えられている。
【０００５】
【特許文献１】
特許第２９５３０３９号公報
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、ディスプレイパネルは表示領域に複数本の電極を有しており、そしてその表示エリア外の端部には、前記電極を延長するとともに間隔を狭くすることにより、複数の引出し電極を有する電極端子ブロックが複数配置されている。このディスプレイパネルの引出し電極における電極のピッチは、例えば、４２型のプラズマディスプレイパネルのアドレス電極を例に挙げれば、３００μｍ程度の電極間ピッチとなる。
【０００７】
そして、ＦＰＣを点灯検査用のプローブとして用いる検査方法においては、このようなディスプレイパネルの引出し電極に、ＦＰＣからなる点灯検査用のプローブの取出し電極を接触させ、このプローブを通してディスプレイパネルに通電を行って点灯させることにより、点灯検査を行っている。
【０００８】
しかしながら、このようなＦＰＣを用いた検査方法の場合、検査対象となるディスプレイパネルの品種切り替えを行う場合、例えば、ディスプレイパネルとして品種の異なるディスプレイパネルを検査しようとする場合には、引出し電極のピッチや電極本数が異なるため、その引出し電極に合わせて、ＦＰＣからなるプローブの取出し電極のピッチや電極本数を変更する必要が生じる。
【０００９】
このとき、数十個のプローブを高い精度で位置決めする必要があるため、品種切り替え及び調整作業に３〜４時間程度必要となり、品種切り替えの頻度が多くなると、点灯検査装置の稼働率が低下し、生産性が悪化するという課題が発生していた。
【００１０】
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、ディスプレイパネルの品種切り替えに必要となる作業時間を低減し、生産性の高いディスプレイパネルの点灯検査装置を実現することを目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、複数の引出し電極を有する電極端子ブロックを周辺端部に複数配置してなるディスプレイパネルと、このディスプレイパネルを位置決め保持するためのパネル保持手段を有する本体ベースと、この本体ベースに着脱可能に配設される保持ユニットベースとを有し、前記保持ユニットベースに、前記ディスプレイパネルの引出し電極それぞれに電気的に接触する複数の取出し電極を有しかつ前記ディスプレイパネルの電極端子ブロックに対応して複数個配設した接触子、およびこの接触子にディスプレイパネルを点灯表示させるための信号を供給する点灯信号発生手段から構成されるパネル点灯ユニットと、前記保持ユニットベースに移動可能に配設されかつ前記パネル点灯ユニットの複数個の接触子を前記ディスプレイパネルの電極端子ブロックに押し付けてディスプレイパネルの引出し電極に接触子の取出し電極を接触させる１個の接続ユニットとを搭載したもので、パネル点灯ユニットを有する保持ユニットベースを、予め検査対象となるディスプレイパネルの品種に応じて複数種類準備しておき、品種切り替え時に保持ユニットベースを交換することにより、品種切り替え及び調整作業に必要となる作業時間を低減することができる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
すなわち、本発明の請求項１に記載の発明は、複数の引出し電極を有する電極端子ブロックを周辺端部に複数配置してなるディスプレイパネルと、このディスプレイパネルを位置決め保持するためのパネル保持手段を有する本体ベースと、この本体ベースに着脱可能に配設される保持ユニットベースとを有し、前記保持ユニットベースに、前記ディスプレイパネルの引出し電極それぞれに電気的に接触する複数の取出し電極を有しかつ前記ディスプレイパネルの電極端子ブロックに対応して複数個配設した接触子、およびこの接触子にディスプレイパネルを点灯表示させるための信号を供給する点灯信号発生手段から構成されるパネル点灯ユニットと、前記保持ユニットベースに移動可能に配設されかつ前記パネル点灯ユニットの複数個の接触子を前記ディスプレイパネルの電極端子ブロックに押し付けてディスプレイパネルの引出し電極に接触子の取出し電極を接触させる１個の接続ユニットとを搭載したことを特徴とする。
【００１６】
以下、本発明の一実施の形態によるディスプレイパネルの点灯検査装置について、図１〜図４の図面を用いて説明する。
【００１７】
図１に本発明の一実施の形態による点灯検査装置の全体構成を示し、図２〜図４にその要部構成を示している。図において、１０はプラズマディスプレイパネルなどのディスプレイパネルで、このディスプレイパネル１０の周辺端部には、図３に示すように、電極１０１を延長することにより形成された複数の引出し電極１０２を有する電極端子ブロック１０３が複数配置されている。
【００１８】
１１はこのディスプレイパネル１０の点灯検査を行うときにディスプレイパネル１０が配置される本体ベースで、この本体ベース１１上には、ディスプレイパネル１０を位置決め保持するためのパネル保持手段１２が配設されている。この本体ベース１１は、点灯検査装置の架台１３に回転支持部１４により保持されて取り付けられている。１５は前記回転支持部１４を回動させるための回転ハンドルであり、この回転ハンドル１５を回転させることにより、図１に示す矢印方向に本体ベース１１を回動させて、傾きを調整することができる。さらに、前記本体ベース１１上には、この本体ベース１１に着脱可能な保持ユニットベース１６が配設されている。
【００１９】
前記保持ユニットベース１６上にはパネル点灯ユニット１７が配設されているとともに、接続制御ブロック１８が前記保持ユニットベース１６に移動可能に配設されている。
【００２０】
前記パネル点灯ユニット１７は、図２、図４に示すように、保持ユニットベース１６上に、前記ディスプレイパネル１０の電極端子ブロック１０３に対応して複数個の接触子１７１をそれぞれ保持ブロック１７２により保持することにより配設し、そしてディスプレイパネル１０を点灯表示させるための点灯信号発生手段１７３を配設し、その点灯信号発生手段１７３と前記接触子１７１とを配線手段１７４を介して接続することにより構成されている。前記接触子１７１は、図３に示すように、前記ディスプレイパネル１０の引出し電極１０２それぞれに電気的に接触する複数の取出し電極１７５を有しており、絶縁性のフィルム間に銅箔などの導電性パターンを形成したフレキシブルプリント配線板により構成されている。また、前記保持ブロック１７２は、前記保持ユニットベース１６に、保持ブロック１７２の配列方向に移動可能なように取り付けられている。
【００２１】
前記接続制御ブロック１８は、図４に示すように、保持ユニットベース１６上に、ディスプレイパネル１０から離れる矢印方向に移動可能に配設したスライドベース部１８１と、このスライドベース部１８１上に搭載され、前記ディスプレイパネル１０の電極端子ブロック１０３に前記接触子１７１を押し付けてディスプレイパネル１０の引出し電極１０２に接触子１７１の取出し電極１７５を接触させる接続ユニット１８２とから構成されている。また、接続ユニット１８２は、先端部が開閉自在となるように軸１８３により軸支した押えユニット１８４および受けユニット１８５と、前記押えユニット１８４を軸１８３を中心に回動させる可動機構部１８６とにより構成されており、そしてこの接続ユニット１８２は前記スライドベース部１８１上に軸１８７により可動可能なように軸支されて搭載されている。
【００２２】
なお、図２では、ディスプレイパネル１０の一つの角を中心とした両側の辺に対応する２個所の位置にパネル点灯ユニット１７および接続制御ブロック１８を搭載した保持ユニットベース１６を配置した例を示しているが、これはディスプレイパネル１０の電極端子ブロック１０３をどの辺に設けるかによって適宜変更するものであり、電極端子ブロック１０３が配置された各辺に対応して配設される。
【００２３】
次に、上記構成の点灯検査装置の動作について説明する。
【００２４】
図１において、検査対象のディスプレイパネル１０をパネル保持手段１２に装着し、点灯検査する場合、接続制御ブロック１８においては、まず、図４に示すように、接続ユニット１８２とディスプレイパネル１０との干渉を避けるため、接続ユニット１８２を配設したスライドベース部１８１が干渉しない方向に移動する。この時、接触子１７１および点灯信号発生手段１７３は、スライドベース部１８１とは分離されて保持ユニットベース１６に設置されているため、スライドベース部１８１と一体に移動することはない。
【００２５】
ディスプレイパネル１０が装着された後、接続ユニット１８２を配設したスライドベース部１８１は、先程とは逆方向に一体に移動し、この移動後、図４に示すように、可動機構部１８６により接続ユニット１８２の押えユニット１８４が回動して、受けユニット１８５との間にディスプレイパネル１０とパネル点灯ユニット１７の接触子１７１を挟み込むことにより、ディスプレイパネル１０の引出し電極１０２と接触子１７１の取出し電極１７５が電気的に接触する。このとき、パネル載置点灯ユニット１１の接触子１７１の取出し電極１７５とディスプレイパネル１０の引出し電極１０２とは、点灯信号発生手段１７３と接触子１７１と保持ブロック１７２が移動せずに、同じ位置にあるため、設置されたディスプレイパネル１０に対して精度良く、一定の位置に位置決めされた状態で接触することとなる。
【００２６】
以上の動作後、点灯信号発生手段１７３からは、接触子１７１を介して点灯信号がディスプレイパネル１０に供給され、点灯表示が行われる。検査終了後は、上記動作とは逆の動作で、まず接続制御ブロック１８の接続ユニット１８２によるディスプレイパネル１０とパネル点灯ユニット１７との挟持状態を解除した後、ディスプレイパネル１０と接続ユニット１８２が干渉しないようにするために、スライドベース部１８１をディスプレイパネル１０から離れる方向に移動させ、ディスプレイパネル１０の取り外しが行われる。以降は、次の検査対象のディスプレイパネル１０の装着が行われ、検査が繰り返し行われる。
【００２７】
ところで、検査対象となるディスプレイパネル１０の品種切り替えを行う場合、例えば、品種の異なるディスプレイパネル１０では、電極端子ブロック１０３のピッチや電極本数等が異なるため、その電極端子ブロック１０３に合わせて、パネル載置点灯ユニット１１の接触子１７１上に形成する取出し電極１７５のピッチや電極本数を変更する必要が生じる。このため、品種変更を行う場合は、パネル載置点灯ユニット１１の接触子１７１を検査対象となるディスプレイパネル１０の電極端子部の形状に合わせて取り付け交換をする必要がある。
【００２８】
本発明の点灯検査装置では、それぞれの品種のディスプレイパネル１０の電極端子ブロック１０３の電極本数と電極ピッチ等に合わせて、接触子１７１や点灯信号発生手段１７３を有するパネル点灯ユニット１７を所定の位置に配設した保持ユニットベース１６を用意し、パネル点灯ユニット１７の接触子１７１の取り付け位置が所定の位置になるように保持ユニットベース１６の位置をあらかじめ調整しておけば、品種切り替えの際には、品種毎に調整した保持ユニットベース１６を本体ベース１１に載置すればよく、品種切り替え及び調整作業に必要となる作業時間を低減することができる。
【００２９】
以上説明したように本実施の形態によれば、ディスプレイパネル１０が載置される本体ベース１１に着脱可能に配設される保持ユニットベース１６を設け、その保持ユニットベース１６に、前記ディスプレイパネル１０の引出し電極１０２それぞれに電気的に接触する複数の取出し電極１７５を有する接触子１７１を前記ディスプレイパネル１０の電極端子ブロック１０３に対応して複数個配設して構成したパネル点灯ユニット１７と、前記保持ユニットベース１６に移動可能に配設されかつ前記ディスプレイパネル１０の電極端子ブロック１０３に前記接触子１７１を押し付けてディスプレイパネル１０の引出し電極１７５に接触子１７１の取出し電極１７５を接触させる接続制御ブロック１８とを設けたもので、そのパネル点灯ユニット１７を有する保持ユニットベース１６を、予め検査対象となるディスプレイパネル１０の品種に応じて複数種類準備しておき、品種切り替え時に保持ユニットベース１６自体を交換することにより、品種切り替え及び調整作業に必要となる作業時間を低減することができる。
【００３０】
なお、パネル保持手段１２をディスプレイパネル１０の中央付近を保持するように本体ベース１１に配置したが、保持ユニットベース１６およびその他の構造物に干渉しない位置であれば、ディスプレイパネル１０の四隅を保持するように配置してもよい。
【００３１】
また、本実施の形態においては、接触子１７１にフレキシブルプリント配線板を用いたが、ディスプレイパネル１０の引出し電極１０２と接触させる取出し電極１７５を形成する部分にリジットなプリント基板等を用い、このプリント基板とディスプレイパネル１０の引出し電極１０２とを接触させる構成としてもよい。
【００３２】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ディスプレイパネルの点灯検査において、パネル点灯ユニットを有する保持ユニットベースを、予め検査対象となるディスプレイパネルの品種に応じて複数種類準備しておき、品種切り替え時に保持ユニットベース自体を交換することにより、位置調整作業を簡略化でき、品種切り替え時間が大幅に短縮することができる。特に、本発明では、多品種少量生産等の品種切り替えを頻繁に行う必要がある場合、品種切り替え時間を大幅に短縮できることにより、装置の稼働率を向上させることができ、ディスプレイパネルの点灯検査における生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施の形態におけるディスプレイパネルの点灯検査装置の全体構成を示す正面図
【図２】同装置の要部構成を示す斜視図
【図３】同装置の要部構成を示す平面図
【図４】同装置の要部構成を示す概略構成図
【図５】従来のディスプレイパネルの点灯検査装置における概略構成を示すブロック図
【符号の説明】
１０ ディスプレイパネル
１１ 本体ベース
１６ 保持ユニットベース
１７ パネル点灯ユニット
１８ 接続制御ブロック
１０２ 引出し電極
１０３ 電極端子ブロック
１７１ 接触子
１７３ 点灯信号発生手段
１７５ 取出し電極
１８１ スライドベース部
１８２ 接続ユニット
Claims (1)
- 複数の引出し電極を有する電極端子ブロックを周辺端部に複数配置してなるディスプレイパネルと、このディスプレイパネルを位置決め保持するためのパネル保持手段を有する本体ベースと、この本体ベースに着脱可能に配設される保持ユニットベースとを有し、前記保持ユニットベースに、前記ディスプレイパネルの引出し電極それぞれに電気的に接触する複数の取出し電極を有しかつ前記ディスプレイパネルの電極端子ブロックに対応して複数個配設した接触子、およびこの接触子にディスプレイパネルを点灯表示させるための信号を供給する点灯信号発生手段から構成されるパネル点灯ユニットと、前記保持ユニットベースに移動可能に配設されかつ前記パネル点灯ユニットの複数個の接触子を前記ディスプレイパネルの電極端子ブロックに押し付けてディスプレイパネルの引出し電極に接触子の取出し電極を接触させる１個の接続ユニットとを搭載したことを特徴とするディスプレイパネルの点灯検査装置。
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