JP4194031B2 - 角度計付きのチャイルドシートおよび角度計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば乗用車などの車両の座席に着脱可能に設置されて、設置角度を明確に表示することができる角度計付きのチャイルドシートおよび角度計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両、たとえば乗用車などの座席は、通常、大人が着席するようにつくられていることから、この座席に装備されるシートベルトは、子供や特に乳幼児の小さな身体に適合していない。
このため、乗用車などの座席にはチャイルドシートやベビーシートと呼ばれる補助シートが装着され、このチャイルドシートに乳幼児を座らせて、シートベルトなどの乗用車が有する固定機能によって、チャイルドシートを座席に固定することで、チャイルドシートに小さな身体を固定するようにしている。
【0003】
この種のチャイルドシートの種類の中で、特に座れない乳幼児用のベビーシートと呼ばれるチャイルドシートは、乳幼児の身体を適切な姿勢で保持できるよう、座席に対して所定の角度で設置する必要が高い。このように設置作業者がチャイルドシートを座席に設置する場合に、乗用車内の狭い空間で作業を行わなければならないこともあり、チャイルドシートの設置角度が目視では分かりづらく、設置作業者が適切な設置角度でチャイルドシートを座席に対して設置することが難しい。
このため、設置角度を表示することができる角度計付きのチャイルドシートが提案されている(たとえば特許文献1、特許文献2および特許文献3。)。
【0004】
【特許文献1】
特公平8−20250号公報(第1頁乃至第3頁、図1)
【特許文献2】
特開平11−291799号公報(第7頁乃至第8頁、図15乃至図22)
【特許文献3】
特開2002−211289号公報(第4頁乃至第5頁、図2乃至図5)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来の角度計付きのチャイルドシートでは、次のような問題がある。
従来の各角度計付きのチャイルドシートは、各種の車種の乗用者の座席に対してチャイルドシートを取り付ける際に、限られた乗用車内という空間で、厳しい姿勢にならなければ装着ができず、さらにシートベルトなどを使用しなければ装着できないなど、チャイルドシートを座席に取り付けづらいことに伴って、設置作業者が角度計を的確に視認しづらく、角度計を見ながらチャイルドシートを座席に対して適切な角度で視認しながら設置することが難しい。このためにチャイルドシートは適切に設置することが難しかった。
そこで本発明は上記課題を解消し、チャイルドシートの設置作業者が、チャイルドシートの角度を的確にかつ容易に視認しながらチャイルドシートを座席に対して確実に設置することができる角度計付きのチャイルドシートおよび角度計を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、車両の座席に着脱可能に設置されるチャイルドシートであって、座席部と前記座席部を保持するベース部を有する角度計付きの前記チャイルドシートにおいて、前記座席部または前記ベース部の一方の側面には、前記チャイルドシートの設置角度を示すための角度計が設けられており、前記角度計は、中心点を有する略円形とされており、前記中心点からみて少なくとも半径方向外側部分であって、前記中心点を中心とする円周方向に拡げた領域における少なくとも両端の領域に形成されている基板側角度表示部を有する前記基板と、前記基板の前記中心点を中心に回転可能に支持する回転支持手段と、前記基板側角度表示部と略同等の範囲に形成されている可動側角度表示部とを有する回転体と、を備え、前記基板または前記回転体の一方が、前記基板または前記回転体の他方に形成された少なくとも角度表示部を透視可能な構成であることを特徴とする角度計付きのチャイルドシートである。
【0007】
上記構成によれば、チャイルドシートの角度を示すための角度計は、座席部またはベース部の一方の側面に設けられる。この角度計は、基板と回転体を備えている。
基板は、中心点を有する略円形とされている。この基板は、基板側角度表示部を有している。基板側角度表示部は、中心点から見て少なくとも半径方向外側部分であって、その角度表示部における少なくとも両側が中心点を中心とする円周方向に拡げて形成されている。
回転体は、回転指示手段と可動側角度表示部を有している。回転体の回転指示手段は、基板の中心点を中心に回転可能に支持する。回転体の各可動側角度表示部は、基板側角度表示部と略同様の範囲に形成されている。
この基板または回転体の一方が、基板または回転体の他方に形成された少なくとも角度表示部を透視可能になる構成である。
【0008】
これにより、チャイルドシートの設置作業者はチャイルドシートを座席に設置する際に、座席部またはベース部の一方の側面に設けられた角度計を簡単に見ることができる。そして、チャイルドシートの設置作業者は、回転体の可動側角度表示部と、可動側角度表示部と略同等の範囲に形成された基板側角度表示部の中心点を中心とする回転方向に関する重なり具合を視認するだけで、簡単にチャイルドシートの座席に対する設置時の角度を的確に認識することができる。つまり、設置作業者は、基板側角度表示部と、この基板側角度表示部と略同等の範囲に形成されている可動側角度表示部との重なり合いを、透視しながら確認することにより、チャイルドシートの角度を確実かつ簡単に視認することができる。このことから、設置作業者はチャイルドシートの設置を適切な角度で容易に行うことができる。
特に、基板側または可動側角度表示部を透視しながら確認可能とすると共に、その各角度表示部が外周部分であって、円周方向に拡げた領域に形成しているため、従来技術の角度計に比べ視認して調整する角度表示部の面積をより広く取ることとなり、サイン性がより強調されるという効果によって、チャイルドシートの設置角度をより確実に調整することができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記基板側角度表示部は、半径方向の外側部分の円周方向に沿った所定領域に渡って角度表示部が形成されており、前記可動側角度表示部は、前記中心点側であって前記中心点より半径方向外側に向かう内側部分と、前記半径方向外側であって、前記内側部分よりも幅広とされた角度表示部である外側部分から構成されており、前記基板側角度表示部が、前記可動側角度表示部よりも半径方向外周領域において、僅かに幅広とされていることを特徴とする。
上記構成によれば、基板側の角度表示部が、半径方向の外側部分における円周方向に沿った所定領域に渡って基板側角度表示部が形成されて、可動側角度表示部の外側部分が、基板側角度表示部よりも僅かに狭い範囲とされた可動側角度表示部とされている。
これにより、基板側角度表示部と可動側角度表示部は、それぞれ角度計の半径方向外側領域の外周に沿って形成されていることで、設置者にとっては視認性が高まり、広い範囲同士が一定の範囲内に配置されるように調整を行いやすい。
さらに、チャイルドシートに固定された基板側角度表示部側が、回動する可動側角度表示部よりも僅かに大きくされていることで、設置者による視認性がさらに高まり、確実に適切な角度による設置を行いやすい。
【0010】
第3の発明は、第1の発明の構成において、角度計付きのチャイルドシート 前記座席部または前記ベース部には、前記チャイルドシートの前記座席部の背面部と略平行な第1位置決め部が設けられ、前記基板には第2位置決め部が設けられており、前記第1位置決め部と前記第2位置決め部が一致するように、前記角度計が前記座席部の前記側面または前記ベース部の前記側面に配置され、前記基板側角度表示部の一方の端部が、前記第2位置決め部の近傍に配置されたことを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、座席部またはベース部には、チャイルドシートの座席部の背面部と略平行な第1位置決め部が設けられている。そして基板には第2位置決め部が設けられている。
この第1位置決め部と第2位置決め部が一致するようにして、角度計が座席部の側面またはベース部の側面に配置される。基板側角度表示部の一方の端部が、第2位置決め部の近傍に配置されている。
【0012】
これにより、角度計を座席部の側面またはベース部の側面に配置する際に、第1位置決め部と第2位置決め部が一致するようにすればよいので、角度計は座席部の側面またはベース部の側面に対して簡単かつ確実に位置決めして配置できる。しかも、基板側角度表示部の一方の端部が第2位置決め部の近傍に配置されている。このことから、角度計付きのチャイルドシートを製造する際に、チャイルドシートに対して角度計を配置する場合に、角度計はチャイルドシートに対して正確に回転方向に関して製造作業者の目視により確実に配置することができるのである。さらに、各位置決め部が座席部の背面部と略平行にされているため、乳幼児の背中が配置される背面部を約45゜の角度になるようチャイルドシートを設置し、調整するに当って、設置者は各位置決め部も参考とすることができる。
【0013】
第4の発明は、第1の発明の構成において、角度計付きのチャイルドシートをは、前記角度計を前記ベース部または前記座席部の一方の前記側面と他方の前記側面の少なくとも一方に対して着脱可能に配置するための着脱部を有しており、前記着脱部は、前記角度計を前記中心点を中心とする円周方向に関する配置位置をに制限して前記角度計の配置位置を確定するための配置位置確定部を有していることを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、着脱部は、角度計をベース部または座席部の一方の側面と他方の側面の少なくとも一方に対して着脱可能に配置するためのものである。この着脱部は、角度計を中心点を中心とする円周方向に関する配置位置をに制限して、角度計の配置位置を確定するための配置位置確定部を有している。
これによって、角度計はチャイルドシートに対して、回転方向に関して正しい配置位置に確実に配置することができ、角度計は回転方向に関して誤った配置位置に配置されるのを確実に防ぐことができる。
しかも、角度計は、ベース部の一方の側面または他方の側面の少なくとも一方に対して着脱部を用いて着脱可能に配置できることから、座席に対してチャイルドシートの向きに応じて、または、チャイルドシートの設置位置(たとえば乗用車における右側(運転席側)または左側(助手席側))に応じて、チャイルドシートの設置作業者はチャイルドシートの見やすい側面に角度計を付け替えることができるので、設置作業者のために角度計の視認性を上げてチャイルドシートの設置作業時における角度の設定作業を容易にすることができる。
【0015】
第5の発明は、車両の座席に着脱可能であり座席部と前記座席部を保持するベース部を有するチャイルドシートに取り付けられて、前記チャイルドシートの設置角度を示すための角度計において、前記角度計は、中心点を有する略円形とされており、前記中心点からみて少なくとも半径方向外側部分であって、前記中心点を中心とする円周方向に拡げた領域における少なくとも両端の領域に形成されている基板側角度表示部を有する前記基板と、前記基板の前記中心点を中心に回転可能に支持する回転支持手段と、前記基板側角度表示部と略同等の範囲に形成されている可動側角度表示部とを有する回転体と、を備え、前記基板または前記回転体の少なくとも一方が、前記基板または前記回転体の他方に形成された少なくとも角度表示部を透視可能になるように構成され、前記角度計の裏面には、前記角度計を前記チャイルドシートに取り付けるための取り付け手段が設けられていることを特徴とする角度計である。
【0016】
上記構成によれば、チャイルドシートの角度を示すための角度計は、座席部またはベース部の一方の側面に設けられる。この角度計は、基板と回転体を備えている。
基板は、中心点を有する略円形とされている。この基板は、基板側角度表示部を有している。基板側角度表示部は、中心点から見て少なくとも半径方向外側部分であって、その角度表示部における少なくとも両側が中心点を中心とする円周方向に拡げて形成されている。
回転体は、回転指示手段と可動側角度表示部を有している。回転体の回転指示手段は、基板の中心点を中心に回転可能に支持する。回転体の各可動側角度表示部は、基板側角度表示部と略同様の範囲に形成されている。
この基板または回転体の一方が、基板または回転体の他方に形成された少なくとも角度表示部を透視可能になる構成である。
しかも、角度計の裏面には、角度計をチャイルドシートに取り付けるための取り付け手段が設けられている。このことから、設置作業者は、角度計をチャイルドシートに対してチャイルドシートの座席に対する設置の向きに応じて角度計を取り付け手段を用いて取り付けることができる。
【0017】
これにより、チャイルドシートの設置作業者はチャイルドシートを座席に設置する際に、座席部またはベース部の一方の側面に設けられた角度計を簡単に見ることができる。そして、チャイルドシートの設置作業者は、回転体の可動側角度表示部と、可動側角度表示部と略同等の範囲に形成された基板側角度表示部の中心点を中心とする回転方向に関する重なり具合を視認するだけで、簡単にチャイルドシートの座席に対する設置時の角度を的確に認識することができる。つまり、設置作業者は、基板側角度表示部と、この基板側角度表示部と略同等の範囲に形成されている可動側角度表示部との重なり合いを、透視しながら確認することにより、チャイルドシートの角度を確実かつ簡単に視認することができる。このことから、設置作業者はチャイルドシートの設置を適切な角度で容易に行うことができる。
特に、基板側または可動側角度表示部を透視しながら確認可能とすると共に、その各角度表示部が外周部分であって、円周方向に拡げた領域に形成しているため、従来技術の角度計に比べ視認して調整する角度表示部の面積をより広く取ることとなり、サイン性がより強調されるという効果によって、チャイルドシートの設置角度をより確実に調整することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0019】
図1と図2は、本発明の角度計付きのチャイルドシートの好ましい実施形態を示している。
図1は、角度計付きのチャイルドシート10の斜め前方から見た斜視図であり、図2は、角度計付きのチャイルドシート10の斜め後方から見た斜視図である。
図1と図2に示す角度計付きのチャイルドシート10は、車両の座席、たとえば乗用車の座席に対して着脱可能に設置することができるものである。この角度計付きのチャイルドシート10は、乗用車のシートのシートベルトやその他の固定具を利用して座席に対して固定した状態で、乳幼児などを座らせて保持するためのものである。
角度計付きのチャイルドシート10は、ベース部11と、座席部13と、そして角度計20を備えている。
【0020】
ベース部11は、座席面に対して載せておく部分であり、たとえばプラスチックにより作られている。座席部13は、ベース部11の上に固定して設けられている。
角度計20は、使用状況に応じて図1と図2の実施形態ではベース部11の図1に示す第1側面11A、図2に示す第2側面11Bのいずれか一方、もしくは両方同時に固定できる。
図1では、一例として角度計20が第1側面11Aに設けられており、右側のドア側にチャイルドシート10を配置した際に見やすい位置とされており、図2では第2側面11Bに角度計20が設けられて、左側のドア側に配置した際に見やすい位置とされている例が図示されている。たとえば図1に示す第1側面11Aのみに角度計20が設けられていても良いし、図2に示すように第2側面11Bのみに角度計20が設けられていても勿論構わない。
【0021】
また、角度計20は、ベース部11に限らず、座席部13の第1側面13A、図2に示す座席13の第2側面13Bのいずれか一方もしくは両方同時に設けるようにしても勿論構わない。いずれにしても、角度計20は着脱可能で設けても良いし、一度取り付けたら取れないようにしても良い。
ベース部11は、アーム15を備えていることが好ましい。このアーム15は、角度計付きのチャイルドシート10を、設置作業者(もしくは使用者)が持ち運びできるためのアームであり、このアーム15は中心軸15Aを中心として15B方向に回転できるようになっており、アーム15の側面は座席部13の第1側面13A、第2側面13Bの一部とされている。
【0022】
図1と図2に示す座席部13は、図3と図4に示す設置例のように、たとえば乳幼児Mを座らせて保持する部分である。図3及び図4は、乗用車の後側の座席19に対して後ろ向きに向けてシートベルト19Aを用いて固定した状態を示している。図3においては、乗用車の左側のドアを開けてV1方向から座席19とチャイルドシート10を見た状態を示しているが、図4では、乗用車の右側のドアを開けてV2の方向から座席19とチャイルドシート10を見た状態を示している。
【0023】
図3と図4の座席19は、たとえば乗用車の後席である。図5(A)は、角度計付きのチャイルドシート10が、乗用車の前側の座席18(助手席)において後ろ向きの状態でシートベルト18Aを用いて固定された状態を示している。図5(B)は、図3に示すように、後ろ側の座席19に対して後ろ向きに角度計付きのチャイルドシート10が設置された状態を示している。
【0024】
図1に戻ると、座席部13は、背面部21と、肩ベルト23、バックル24、股ベルトパッド25、ロック解除レバー26および調節ベルト27などを有している。座席部13は、シートカバー28により覆われている。肩ベルト23はベルトカバー29を有している。肩ベルト23は、乳幼児の肩からかけて、この肩ベルト23はバックル24側に着脱可能に連結して、乳幼児を保持できるようになっている。
【0025】
図6と図7は、角度計の実施形態の具体的な構造を示している。
図6は、角度計20の組み立て完成状態を示しており、図7は図6の角度計20の分解斜視図である。
角度計20は、基板40と、回転体41を有しており、基板40は透明ケース43を有している。基板40は底板とも呼び、回転体41は、透明な回転盤とも呼ぶことができる。
【0026】
まず基板40について説明する。
基板40は、略円形状のものであり中央には中心点CPを有している。基板40の一方の面45には、基板側角度表示部47が形成されている。
この基板40は、たとえば金属板やプラスチック板を使用することができ、透明、半透明あるいは不透明の材質のいずれであっても構わないが、この実施形態では不透明な材質により作られている。この材質としては、たとえば鉄や真ちゅう、などの金属やプラスチックである。
【0027】
図7に示す回転体41は、略円形状の部材であり、たとえば透明の材料、一例として透明のプラスチックにより作られている。透明のプラスチックの材料としては、たとえばアクリルを使用することができる。
回転体41は、可動側角度表示部49と、中心穴51を有している。回転体41の一方の側面51Aには、おもり53が固定されている。このおもり53は、たとえば真ちゅうにより作られていて、たとえば円形で板状の部材であって、その他にも長方形などの各種形状を選択できる。円形の中心穴51は、基板40の中心点CPと対応する位置に形成されている。
なお、回転体41が透明の材料の場合は、外観に配慮しておもり53が見えないように外表面に塗装や印刷を付し、角度表示部49のみ透明で残して透視できるようにしてもよいし、回転体41に不透明な材料を用いて図7に示すように、可動側角度表示部49を透孔で形成しても同様の効果を得ることができる。つまり、少なくとも可動側角度表示部49を介して基板側角度表示部47が視認できるよう形成されている。
【0028】
透明ケース43は、基板40に対してたとえば接着により固定される部材である。透明ケース43は、円形状の正面部55と、周辺部57を有している。この周辺部57は、正面部55の周囲に沿って形成されている。透明ケース43の開口部59の外部には、回転体41が収容されるとともに、周辺部57の端部は、基板40に対してたとえば接着剤により固定されるようになっている。
なお、基板40の有する透明ケース43上に基板側角度表示部47を形成し、回転体41に設けられた可動側角度表示部49について、基板側角度表示部47を通して視認可能として構成してもよい。
【0029】
図7に示す透明ケース43の正面部55の内面側には、軸部61が突出して形成されている。
図8は、図6と図7に示す角度計20の断面構造例を示している。透明ケース43の軸部61は、図7と図8に示す中心線CLに沿って突出して形成されている。
図8に示すように、回転体41の中心穴51にはブッシュ63がはめ込んで固定されている。透明ケース43の軸部61は、このブッシュ63の穴を通り、基板40の取り付け部分65の穴に対してはめ込んで固定されている。なお、回転体41の固定、回動方式はブッシュ63を使用した形態に止まらず、各種回動係止形態を選択することができる。
これによって、回転体41は、透明ケース43と基板40の間において、中心線CLを中心として軸部61により回転可能になっている。
【0030】
図7と図8に示す回転体41のおもり53は、重力により回転方向Rに関して可動側角度表示部49が真上にくるようにするためのおもりであって、中心穴51を中心として、可動側角度表示部49の対称位置に配置されている。
上述した透明ケース43の軸部61と、回転体41のブッシュ63は、基板40の取り付け部分65とケース43に対して回転体41を中心線CLに沿って回転可能に支持するための回転支持手段71を構成している。
【0031】
図8に示すように基板40の外側の側面73は、図1に示すたとえばベース部11の第1側面11Aもしくは第2側面11Bに対して固定するための取り付け手段75を有している。この取り付け手段75は、たとえば両面テープのような接着部材または粘着部材である。これによって、角度計20は、基板40の側面73側を第1側面11Aもしくは第2側面11Bに対して貼り付けて配置することができる。
【0032】
図9と図10は、角度計20を正面側から見た図であり、図9は、チャイルドシートを座席に設置する前の状態における角度計の表示例を示しており、図10は、チャイルドシートの角度調整して座席に正しく設置した状態における角度計の角度表示例を示している。
図11は、角度計付きのチャイルドシート10のベース部11の第1側面11A側の例を示しており、図12は、第2側面11B側の例を示している。
図11では、第1側面11A側に角度計20が配置されている。図12では、第2側面11B側に角度計20が配置されている。
【0033】
図7と図9および図10を参照しながら、回転体41の可動側角度表示部49と基板40の基板側角度表示部47の形状例について説明する。
図9に示すように、基板側角度表示部47は、基板40の中心線CLを中心として、中心点CPから見て少なくとも次のような形状になっている。
すなわち、基板側角度表示部47の形状の例では、中心点CPから見て少なくとも半径方向外側部分47Aが、内側部分47Bに比べて、中心点CPを中心とする円周方向に拡げて形成されていることが特徴的である。外側部分47Aは、略扇形形状になっていて、図7と図9に示すように、その形成角度はθ1で示している。このため、中心点CPから半径方向に向かって延びる内側部分47Bの中心点CPを中心とする形成角度は、外側部分47Aの形成角度θ1よりも小さく設定されている。
【0034】
基板側角度表示部47は固定側角度表示部ともいう。これに対して、図7と図9に示すように可動側角度表示部49は、中心穴51の中心点、すなわち中心点CPを中心として中心点CPから見て少なくとも半径方向外側部分49Aが、内側部分49Bに比べて円周方向に拡げて形成されている。つまり、外側部分49Aは略扇形形状に形成されていて、その形成角度はθ2で示している。外側部分49Aの形成角度θ2に比べて、中心点CPから半径方向に向かって延びる内側部分49Bの形成角度は小さく設定されている。
【0035】
しかも、基板側角度表示部47の外側部分47Aの形成角度θ1は、可動側角度表示部49の外側部分49Aの形成角度θ2に比べてやや大きく設定されている。一例として形成角度θ1が形成角度θ2に比べて約10度の角度だけ大きくなっている。
これにより、たとえば図10に示すように、基板側角度表示部47と可動側角度表示部49が重なった状態では、左右に角度θ3の分だけ基板側角度表示部47の側部47E,47Eが可動側角度表示部49の側部49F,49Fに対して外側に位置するようになっている。この角度θ3は、たとえば各角度表示部47,49の端部からそれぞれ約5度である。
【0036】
このように、基板側角度表示部47または可動側角度表示部49の少なくとも一方となる、中心点CPから見て少なくとも半径方向外側部分47Aまたは49Aが、内側部分47B,49Bに比べて円周方向に拡げて形成され、かつ各角度表示部47,49が重なった状態では左右に角度θ3分だけのクリアランスが生じるように、一方の角度表示部47,49が幅広に構成されていれば良い。
また、図9や図10に示されるように、基板側角度表示部47の外側部分47Aは可動側角度表示部49の外側部分49Aよりも、半径方向外側に対しても僅かに大きく形成されている。
【0037】
次に、図11と図12を参照しながら、第1位置決め部91と第2位置決め部92について説明する。
第1位置決め部91は、ベース部11側のけがき線とも呼んでおり、第2位置決め部92は角度計20側の表示線とも呼んでいる。
なお、各位置決め部91,92は、けがき線や表示線ではなく、凹凸部や矢印などによる表示で構成しても良い。
第1位置決め部91と第2位置決め部92は、角度計20をベース部11に対して正しい回転方向Rの角度位置で配置して固定できるようにするための位置決め用の目印である。
このような第1位置決め部91と第2位置決め部92が設けられていることにより、チャイルドシートを製造する際に第1位置決め部91と第2位置決め部92を合わせることにより、製造作業者はたとえばベース部11の第1側面11Aあるいは第2側面11Bに対して回転方向Rに関して正しい角度位置で角度計20を配置して固定することができる。
【0038】
第1位置決め部91は、図11に示すように、座席部13の背面部21の基準線BLと所定角度を保つように略平行に形成されている。この背面部21は、ベース部11の底面部11Cに対して角度αを形成している。この角度αは、乳幼児を乗せる際に座席に対して形成される好ましい角度であり、たとえば45度である。このように、図11と図12に示すように第1位置決め部91は、背面部21に対して平行に形成されている。
【0039】
第2位置決め部92は、図7と図9に示すようにたとえば基板40の一方の側面45側に表示線として形成されている。第2位置決め部92の一方は、好ましくは基板側角度表示部47の外側部分47Aの一端部47Eに近い位置に略平行に形成されている。もう1つの第2位置決め部92は、一方の第2位置決め部92に対して中心点CPを中心として反対側に形成されている。この第2位置決め部92は基板40の直径方向に沿っている。
【0040】
また、図12に示すように、ベース部11の第2側面11Bには、第1位置決め部91が形成されているが、この第1位置決め部91は、たとえば背面部21の基準線BLとは直交する方向である。
【0041】
次に、上述した構造の角度計付きのチャイルドシート10の設置作業例について説明する。
角度計20は、たとえば図1に示すようにベース部11の第1側面11Aに対して所定の位置に配置して固定されている。図11(A)では、角度計付きのチャイルドシート10が右側の座席19に対して設置される前の状態の例を示している。
この場合には、図9に示すように、回転体41は、おもり53の作用によりおもり53が下側に位置していて、可動側角度表示部49は上側に位置している。これに対して、基板40の基板側角度表示部47は、可動側角度表示部49の中心に対して略反時計方向CW方向に関して略45度傾いた位置に位置している。この状態では、第2位置決め部92は、可動側角度表示部49の中央と中心点CPを結ぶ線上にあり、表示線である。
【0042】
設置作業者が、図11(A)に示す状態から時計方向CWに回して図11(B)に示すように角度計付きのチャイルドシート10のベース部11を後ろ側の座席19の座面に対して載せて設置しようとする場合には、図10に示すように可動側角度表示部49と基板側角度表示部47が略重なるように角度計付きのチャイルドシート10の角度を調整する。
この場合に、設置作業者は、図10に示すように可動側角度表示部49の両側の端部が、基板側角度表示部47の両側の端部に対して角度θ3ずつ開くように、つまり、基板側角度表示部47の範囲内に可動側角度表示部49が入るように、図10と図11(B)に示すように角度計付きのチャイルドシート10を設置すれば良い。
この時、各位置決め部91,92は約45度の角度となるよう配置されているため、各角度表示部47,49だけでなく、各位置決め部91,92の位置によっても正しい設置を行えているかについての確認を行うにあたっての参考することができる。
【0043】
つまり、一般にベビーシートと呼ばれるチャイルドシートは背面部の角度が路面に対して45度となるような角度で取り付けるのが好ましく、その取り付け角度の許容差を前後5度の範囲に留める事が好ましい。しかし、その設置作業者は角度計の表示部で前後5度つまり10度の範囲内での調整、言いかえれば可動板の回転範囲の1/36の範囲内に設置できるよう調整を求められることとなり、限られた姿勢で設置する作業者にとって、難易度の高い微調整が必要な印象を与える事になる。
しかし、このように、設置作業者は、可動側角度表示部49と基板側角度表示部47を視認により角度設定が的確にしかも容易に行えるので、チャイルドシートの設置作業が簡単かつ確実に行える。
しかも、基板側角度表示部47および可動側角度表示部49はともに中心点から見て少なくとも半径方向外側部分が内側部分に比べて円周方向に拡げて形成されている。このことから、設置作業者は、従来の角度計と異なり、広い表示面を側方から視認することで、基板側角度表示部47の範囲内に含まれるよう、可動側角度表示部49を配置するのみで、言い換えれば基板側角度表示部47の外側部分と、可動側角度表示部49の外側部分の間に生じる左右の隙間の角度θ3を回転体41を通じて基板40側を透視して確認するだけで済むので、図11(B)に示すように角度計付きのチャイルドシート10を設置する際の角度設定を視認しやすくなる。このことから設置作業者は、適切な角度でチャイルドシートの角度設定が行え、チャイルドシートの設置が行いやすい。
【0044】
図11に示すように、ベース部11の第1側面11Aに対して角度計20を設置すれば、たとえば図4に示すように設置作業者は右側のドアを開けてチャイルドシートを角度を視認しながらチャイルドシート10を座席19に設置しやすくなる。
また図12に示すように、ベース部11の第2側面11Bに対して角度計20を設置すれば、図5あるいは図3に示すように左側のドアを開けた状態でチャイルドシート10を角度を視認しながら的確にチャイルドシートを座席19に設置できる。
【0045】
他の実施形態
図13は、角度計の別の実施形態を示している。
図13に示す角度計20が、図8に示す角度計20の構造と異なるのは、着脱部100を備えていることである。着脱部100は、図8に示す取り付け手段75の一種であり、着脱部100は突起状の部材である。着脱部100は、第1側面11Aあるいは第2側面11Bに形成された穴11Eに対してはめ込むことにより、角度計20は着脱可能に選択的に固定するようになっている。
【0046】
図14は、この突起状の着脱部100の形成配置例を示している。
着脱部100は、基板40の外側の側面73に突出して形成されていて、たとえば3つの着脱部100が設けられている。この着脱部100は、たとえば二等辺三角形の頂点にそれぞれ配置されている。
もしも、着脱部100が正三角形の頂点に配置されていると、回転方向Rに関して取り付け角度を間違えて、穴11Eに固定してしまう恐れがある。このように図14における3つの着脱部100は、角度計20を回転方向について正しい角度位置に配置するための配置位置角度確定部を有していることになる。
配置位置角度確定部110の存在により、角度計20は、円周方向もしくは回転方向Rに関する配置位置を制限して、角度計20の配置位置を確実に確定することができる。したがって、角度計の回転方向Rに関する取り付け間違いを起こすことがなくなる。
【0047】
このような着脱部100による配置位置角度確定部の構造例としては、図15(A)と図15(B)のような構造例も採用できる。図15(A)では、着脱部100がたとえば二等辺三角形状を形成していて、この二等辺三角形上に着脱部100が配置位置角度確定部110を構成している。同様にして図15(B)では、たとえばD形状を有していて、やはりこの着脱部100は配置位置角度確定部110の機能を有している。
しかし、配置位置角度確定部110は、他の構造であってもよい。
【0048】
なお、角度計20に形成された配置位置角度確定部110に対応する、チャイルドシート10側に形成された配置位置角度確定部である穴11Eは、ベース部11または座席部13の側面11A,11B,13A,13Bのいずれかに形成されていれば良い。
また、設置位置に応じた選択性を持たせるためにも、配置位置角度確定部である穴11Eは、チャイルドシート10両側面に形成されていることが好ましい。
【0049】
図16乃至図21は、それぞれ本発明の角度計のさらに別の実施形態を示している。
図16の角度計20では、可動側角度表示部249の外側部分と、基板側角度表示部247の外側部分が、ともに略ハート型形状になっており、正しく設置された状態において、基板側角度表示部247の内周に沿って可動側角度表示部249が配置されるよう構成されている。
【0050】
また、図16(B)に示されるように、各角度表示部247,249の中央が中心点CPに向かって窪んだ窪み部247a,249aとされている。そのため、基板側角度表示部247に可動側角度表示部249が配置されたことの把握が、窪み部247a,249aによっても把握できるため、正確に角度の調整を行いやすい。さらに、図11(A)に示されるようにチャイルドシート10の設置する前の状態に配置した場合に、第2位置決め部92が可動側角度表示部249の窪み部249aに配置されたことを明確に把握することができる。
【0051】
図17に示す角度計20では、可動側角度表示部349の外側部分と基板側角度表示部347の外側部分の半径方向に関する幅が、図7の実施形態に比べるとやや小さく設定されている。また、可動側角度表示部349の外側部分であって略中央部に凹部400が形成されており、基板側角度表示部347の外側部分であって略中央部に凸部401が形成されている。この凹部400と凸部401が位置合わせできることにより、チャイルドシートの設置時の角度がより分かりやすくなる。
【0052】
図18に示す角度計20では、可動側角度表示部449が、2箇所が離間して配置されており、2つの手の平形状になっている。これに対して、基板側角度表示部447は、ハート型形状になっており、ハート型の基板側角度表示部447の領域内で膨らんだ外側部分に、手の平形状の可動側角度表示部449が配置されるように模式的に構成されている。このことから、例え離間していた場合においても、可動側角度表示部449は、中心点を中心として外側部分が円周方向に拡げて形成されている。同様にしてハート型の基板側角度表示部447についても、中心点から見て半径方向外側部分が円周方向に拡げて形成されている。
【0053】
同様に、図19に示す角度計20では、可動側角度表示部449が透明とされて、キャラクターの目と耳の輪郭を示す形状になっており、計4箇所形成されている。この時、可動側角度表示部449以外の回転体41は半透明に構成されている。
これに対して、基板側角度表示部447は、対応する目と耳の形状になっており、僅かに可動側角度表示部449よりも小さく構成されて、正しく設置された状態において、透明とされた可動側角度表示部449から見える形態とされている。
このことから、可動側角度表示部449および基板側角度表示部447ともに、中心点を中心として半径方向外側部分が円周方向に拡げて形成されていることとなる。
【0054】
図20に示す角度計20の実施形態では、可動側角度表示部549の外側部分が円周方向に拡げて形成されている。これに対して、基板側角度表示部547は、やはり中心点を中心として半径方向外側部分が略扇形に形成されているが、外側部分547Aのみが形成されている。
この時、回転体41は透明とされており、可動側角度表示部549は着色などによって基板40側が見えないよう構成されており、図20に示されるように正しく配置された状態において、基板側角度表示部547が可動側角度表示部549によって隠れる形態とされている。
図21に示す角度計20の実施形態では、図20のものと比較して、中心点CP近傍のデザインが異なる。また、基板側角度表示部547が可動側角度表示部549よりも外側のみに形成されている。各角度表示部547,549をこのような関係に配置しても、同様に優れた視認性を有し、装着を行いやすい。
【0055】
図22と図23は、角度計20のさらに別の実施形態を示している。
図22と図23に示す角度計20は、図6乃至図8に示す角度計20に比べて、次の点が異なる。
図22と図23の角度計20は、基板540が透明の材料により作られた円形状の部材になっている。これに対して、回転体541はやはり円形状の部材であるが、透明であっても不透明であっても半透明であっても構わない。回転体541の構造は図7に示す回転体41の構造と略同じであり、可動側角度表示部49を有している。
【0056】
ケース543はたとえば透明ケースであっても不透明ケースであっても半透明ケースであっても良い。ケース543と基板540の中には、回転盤541が中心線CLを中心として回転可能に回転支持手段71により支持されている。
ケース543の内側には取り付け部分565が形成されている。回転盤541はその中心に中心穴51を有している。基板540の中心には、軸部61が突出して形成されている。軸部61は回転体541の中心穴51とブッシュ263の穴を通り、取り付け部分565に挿入されていて、ブッシュ263と中心穴51が回転支持手段を形成している。
【0057】
基板側角度表示部47は、基板540に形成されている。第2位置決め部92は、基板540に形成されている。
図22に示すように取り付け手段75は、ケース543の外側の側面570に対して設けられている。この取り付け手段75は、たとえば両面テープであり、側面11Aあるいは11Bに対して角度計20を取り付けるようになっている。この例では、設置作業者は、基板540を通じて回転体541を透視することで、チャイルドシートの設置角度が的確に視認できる。つまり、基板540は基板側角度表示部47を除いて例えば半透明とされており、可動側角度表示部49の外形を外観から視認可能とされている。
【0058】
上述した各実施形態において、たとえば図7に示す基板側角度表示部47の形成角度θ1は、たとえば略90度であるのが望ましい。したがって、可動側角度表示部49の形成角度θ2は、90度より10度小さい80度であるのが望ましい。
しかし形成角度θ1,θ2の角度は、これに限らず他の角度であっても勿論構わず、この形成角度θ1は、60度乃至120度が望ましい。
形成角度θ1が60度よりも小さいと、チャイルドシートの設置時に設置角度の視認がしにくく、設置者に対して細かな調整操作が必要な印象を与えることとなる。また形成角度θ1が120度よりも大きいとやはりチャイルドシートの設置時に調整する範囲が広すぎるため、相対的な位置の把握が困難となり設置角度の視認性が下がる。
【0059】
これにより、チャイルドシートの設置作業者は、座席部またはベース部の一方の側面に設けられた角度計を簡単に見ることができる。そして、チャイルドシートの設置作業者は、回転体の可動側角度表示部と、基板の基板側角度表示部の回転方向に関する重なり具合を視認するだけで、簡単にチャイルドシートの座席に対する設置時の角度を認識することができる。
つまり、設置作業者は、基板側角度表示部と、この基板側角度表示部と略同等の範囲に形成されている可動側角度表示部との重なり合いを、広い範囲とされた表示部を透視しながら確認することにより、チャイルドシートの角度を確実かつ簡単に視認することができる。このことから、チャイルドシートの設置が適切な角度で容易に行うことができる。
【0060】
また、角度計をチャイルドシートに装着する場合、角度計を座席部の側面またはベース部の側面に配置する際に、第1位置決め部と第2位置決め部が一致するようにすればよいので、角度計は座席部の側面またはベース部の側面に対して簡単かつ確実に位置決めして配置できる。しかも、基板側角度表示部の一方の端部が第2位置決め部の近傍に配置されている。
このことから、角度計付きのチャイルドシートを製造する際に、チャイルドシートに対して角度計を配置する場合に、角度計はチャイルドシートに対して正確に回転方向に関して製造作業者の目視により確実に配置することができると共に、設置者にとっても設置時の角度の参考とすることができる。
【0061】
角度計が配置位置角度確定部を有していると、角度計は、チャイルドシートに対して、回転方向に関して正しい配置位置に確実に配置することができ、角度計は誤った配置位置に着脱可能に配置されるのを確実に防ぐことができる。
しかも、角度計は、ベース部または座席部の一方の側面または他方の側面の少なくとも一方に対して着脱部を用いて着脱可能に配置できる。このことから、座席に対してチャイルドシートの向きに応じて、チャイルドシートの設置作業者はチャイルドシートの見やすい部位に角度計を付け替えることができるので、角度計の視認性を上げてチャイルドシートの設置作業時の角度の設定作業を容易にすることができる。
【0062】
図示の例では、角度計20がベース部の第1側面11A、第2側面11Bのいずれか一方もしくは両方に配置する例を示している。しかしこれに限らず図1と図2に示すチャイルドシート10の座席部13の第1側面13Aもしくは第2側面13Bもしくはいずれの側面においても設置することも可能である。
図示例では、車両として乗用車を例に挙げているが、これに限らず、他の種類の車両、あるいは他の分野の車両の座席に対しても、本発明の角度計付きチャイルドシートは適用できる。
【0063】
本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、チャイルドシートの設置作業者が、チャイルドシートの角度を的確かつ容易に視認しながら、チャイルドシートを座席に対して確実に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の角度計付きのチャイルドシートの好ましい実施形態を示す斜め前側から見た斜視図。
【図2】図1の角度計付きのチャイルドシートの斜め後ろから見た斜視図。
【図3】角度計付きのチャイルドシートを座席部に設置した例を示す斜視図。
【図4】角度計付きのチャイルドシートを別の座席部に設置した例を示す斜視図。
【図5】角度計付きのチャイルドシートを座席部に設置した例を示す斜視図。
【図6】角度計の組み立て完成例を示す斜視図。
【図7】角度計の構造を示す分解斜視図。
【図8】角度計の断面構造を示す図。
【図9】角度計付きのチャイルドシートが座席部に設置される前の状態における表示例を示す角度計の正面図。
【図10】角度計付きのチャイルドシートが座席部に正しい設置角度で設置された状態における表示例を示す角度計の正面図。
【図11】角度計付きのチャイルドシートが座席部に設置される前と座席部に正しい設置角度で設置された状態を示す図。
【図12】図11とは反対側を示しておりチャイルドシートは座席部に設置される前の状態と座席部に正しい設置角度で設置された状態を示す図。
【図13】本発明の角度計の別の実施形態を示す断面図。
【図14】図13の角度計の着脱部の配置例を示す図。
【図15】図14とは別の着脱部の配置例を示す図。
【図16】本発明の角度計の表示例の別の実施形態を示す図。
【図17】本発明の角度計の表示例の別の実施形態を示す図。
【図18】本発明の角度計の表示例の別の実施形態を示す図。
【図19】本発明の角度計の表示例の別の実施形態を示す図。
【図20】本発明の角度計の表示例の別の実施形態を示す図。
【図21】本発明の角度計の表示例の別の実施形態を示す図。
【図22】本発明の角度計のさらに別の実施形態を示す断面図。
【図23】図22の角度計の構造例を示す分解斜視図。
【符号の説明】
10・・・角度計付きのチャイルドシート、11・・・ベース部、11A・・・ベース部の第1側面、11B・・・ベース部の第2側面、13・・・座席部、20・・・角度計、40・・・基板、41・・・回転体、43・・・透明ケース、47・・・基板側角度表示部、49・・・可動側角度表示部、53・・・おもり、71・・・回転支持手段、θ1・・・基板側角度表示部の形成角度、θ2・・・可動側角度表示部の形成角度
Claims (5)
- 車両の座席に着脱可能に設置されるチャイルドシートであって、座席部と前記座席部を保持するベース部を有する角度計付きの前記チャイルドシートにおいて、
前記座席部または前記ベース部の一方の側面には、前記チャイルドシートの設置角度を示すための角度計が設けられており、
前記角度計は、
中心点を有する略円形とされており、前記中心点からみて少なくとも半径方向外側部分であって、前記中心点を中心とする円周方向に拡げた領域における少なくとも両端の領域に形成されている基板側角度表示部を有する前記基板と、
前記基板の前記中心点を中心に回転可能に支持する回転支持手段と、前記基板側角度表示部と略同等の範囲に形成されている可動側角度表示部とを有する回転体と、を備え、
前記基板または前記回転体の一方が、前記基板または前記回転体の他方に形成された少なくとも角度表示部を透視可能な構成であることを特徴とする角度計付きのチャイルドシート。 - 前記基板側角度表示部は、半径方向の外側部分の円周方向に沿った所定領域に渡って角度表示部が形成されており、
前記可動側角度表示部は、前記中心点側であって前記中心点より半径方向外側に向かう内側部分と、前記半径方向外側であって、前記内側部分よりも幅広とされた角度表示部である外側部分から構成されており、
前記基板側角度表示部が、前記可動側角度表示部よりも半径方向外周領域において、僅かに幅広とされていることを特徴とする請求項1に記載の角度計付きチャイルドシート。 - 前記座席部または前記ベース部には、前記チャイルドシートの前記座席部の背面部と略平行な第1位置決め部が設けられ、前記基板には第2位置決め部が設けられており、
前記第1位置決め部と前記第2位置決め部が一致するように、前記角度計が前記座席部の前記側面または前記ベース部の前記側面に配置され、
前記基板側角度表示部の一方の端部が、前記第2位置決め部の近傍に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の角度計付きのチャイルドシート。 - 前記角度計を前記ベース部または前記座席部の一方の前記側面と他方の前記側面の少なくとも一方に対して着脱可能に配置するための着脱部を有しており、
前記着脱部は、前記角度計を前記中心点を中心とする円周方向に関する配置位置に制限して前記角度計の配置位置を確定するための配置位置確定部を有していることを特徴とする請求項1に記載の角度計付きのチャイルドシート。 - 車両の座席に着脱可能であり座席部と前記座席部を保持するベース部を有するチャイルドシートに取り付けられて、前記チャイルドシートの設置角度を示すための角度計において、
前記角度計は、
中心点を有する略円形とされており、前記中心点からみて少なくとも半径方向外側部分であって、前記中心点を中心とする円周方向に拡げた領域における少なくとも両端の領域に形成されている基板側角度表示部を有する前記基板と、
前記基板の前記中心点を中心に回転可能に支持する回転支持手段と、前記基板側角度表示部と略同等の範囲に形成されている可動側角度表示部とを有する回転体と、を備え、
前記基板または前記回転体の少なくとも一方が、前記基板または前記回転体の他方に形成された少なくとも角度表示部を透視可能になるように構成され、
前記角度計の裏面には、前記角度計を前記チャイルドシートに取り付けるための取り付け手段が設けられていることを特徴とする角度計。
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