JP4193025B2 - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体洗浄剤組成物に関し、より詳しくは、洗浄効果に優れると同時に、衣料に対して柔軟効果を付与し、且つ黄変を引き起こさず、保存安定性にも優れた液体洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、洗浄力と柔軟付与効果を示す液体洗浄剤組成物として、例えば特開昭56−152898号公報、特開昭56−152899号公報、特開昭61−97396号公報、特開昭61−60796号公報、特開昭62−223299号公報、特開昭62−70498号公報、特開平7−166190号公報、特開平10−88187号公報などに開示されているように、非イオン性活性剤/アニオン界面活性剤/モノアルキルカチオン界面活性剤の配合比率を種々特定した洗浄剤組成物が知られている。しかし、これらの場合、アニオン界面活性剤の配合は製造面で煩雑となるうえ、コスト面でデメリットがあった。
【0003】
一方、特表昭63−500104号公報には、長鎖アミンを非イオン性界面活性剤と併用した洗浄力に優れる洗剤が提案されているが、衣類への柔軟性付与効果等については考慮されていなかった。
【0004】
特表平10−509468号公報には、一級アミン、三級アミン、脂肪分解酵素を含有し、特に油脂/油汚れのついた布帛をクリーニングするための前処理洗濯プロセスで用いられるときに油脂/油汚れ及びしみに対して高いクリーニング性を発揮する洗濯洗剤組成物が提案されているが、この提案の場合、通常の洗濯洗剤として使用することによって、洗浄効果のみならず、被洗物に柔軟性を付与し、且つ黄変も引き起こさないという特性を兼備し、更に、低温での優れた安定性を得るという点については考慮されていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、洗浄効果に優れると同時に、衣料等の繊維製品に対して柔軟効果を付与し、且つ黄変を引き起こさない液体洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、非イオン界面活性剤に長鎖アミン及びジ長鎖アルキル型のカチオン界面活性剤を特定の配合比で組み合わせると、洗浄効果に優れると同時に、衣料等の繊維製品に対して柔軟効果を付与し、且つ黄変を引き起こさない液体洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、(a)非イオン界面活性剤10〜50質量%と、
(b)下記一般式(II)
R3R4R5N (II)
(式中、R3は炭素数16〜25の炭化水素基、R4は1〜2の炭化水素基又は水素原子である。炭化水素基R3、R4は直鎖であっても分岐鎖であってもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、ヒドロキシル基のような置換基を任意に含んでもよい。また、R3、R4はアミド基、エステル基又はエーテル基等の連結基をその鎖中に有していてもよい。R5は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、又はEO付加モル数1〜25のポリオキシエチレン基である。)
で表わされる長鎖アミン0.5〜5質量%と、
(c)下記一般式(III)
R6R7R8R9N+ X- (III)
(式中、R6、R7は炭素数8〜10の炭化水素基である。炭化水素基R6、R7は直鎖であっても分岐鎖であってもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、ヒドロキシル基のような置換基を任意に含んでもよく、R6、R7は同じであっても異なっていてもよい。また、R6、R7はエステル基、アミド基又はエーテル基等の連結基をその鎖中に有していてもよい。R8、R9は炭素数1〜3のアルキル基、又はベンジル基である。Xはハロゲン、又はアルキル硫酸基である。)
で表わされるジ長鎖アルキル型のカチオン界面活性剤0.1〜5質量%と
を含有してなり、且つ上記(b)成分と上記(c)成分との配合量比(b)/(c)がモル比で0.5〜30であることを特徴とする液体洗浄剤組成物を提供する。
【0008】
以下、本発明をより詳細に説明すると、本発明の液体洗浄剤組成物は、(a)非イオン界面活性剤と、(b)長鎖アミンと、(c)ジ長鎖アルキル型のカチオン界面活性剤とを含有するものである。ここで、本発明における(a)成分としては、例えば下記一般式(I)で表わせる非イオン界面活性剤が好適である。
【0009】
R1−X−(EO)n(PO)m−R2 (I)
但し、上記式中、R1は炭素数8〜20、好ましくは10〜16の疎水基であり、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。疎水基としては、高級アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミドを原料とするもの等が挙げられ、−X−は−O−、−COO−、−CONH−などの官能基を表わす。
【0010】
EOはエチレンオキサイド、POはプロピレンオキサイド、n及びmは平均付加モル数を表わし、nは3〜20、好ましくは5〜15、mは0〜6、好ましくは0〜3である。R2は水素原子又は炭素数1〜6、好ましくは1〜3のアルキル基又はアルケニル基である。EO又はPOの付加モル数分布は、上記非イオン界面活性剤を製造する際の反応方法により異なるが、一般的な水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ触媒を用いて酸化エチレンや酸化プロピレンを疎水基原料に付加させた分布の比較的広いものでもよいし、特公平6−15038号公報に記載のAl3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等の特定のアルコキシル化触媒を用いて酸化エチレンや酸化プロピレンを疎水基原料に付加させた分布の狭いものでもよい。nが20を超えると、衣類への洗浄液の浸透性が劣り、すべての性能が得られない場合があり、nが3未満又はmが6を超えると組成物の高温での安定性が劣る場合がある。なお、本発明の(a)成分としては、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0011】
本発明の(a)成分として、より具体例には、例えばDiadol(炭素数13:三菱化学(株)製)等のオキソ法により得られた合成アルコールに15モル相当の酸化エチレンを付加したもの、Conol(炭素数12:新日本理化(株)製)等の天然アルコールに9モル相当の酸化エチレンを付加したもの、ブテンを3量化して得られるC12アルケンをオキソ法に共して得られるC13アルコール1モルに10モル相当の酸化エチレンを付加したもの(BASF社製、LutensolTO10)、ラウリン酸メチルエステルに15モル相当の酸化エチレンを付加したもの、ヘキサノールをガーベット反応に供して得られるC12アルコール1モルに10モル相当の酸化エチレンを付加したもの(CONDEA社製、ISOFOL12−10EO)、炭素数12〜14の第2級アルコールに9モル相当の酸化エチレンを付加したもの(日本触媒(株)製、ソフタノール90)、ラウリン酸メチルにアルコキシル化触媒を用いて15モル相当の酸化エチレンと3モル相当の酸化プロピレンを付加したもの、ラウリルアミンに9モル相当の酸化エチレンを付加したもの等が挙げられる。
【0012】
これらの中でも、炭素数13の合成アルコールに15モル相当の酸化エチレンを付加したもの、Conol等の天然アルコールに9モル相当の酸化エチレンを付加したもの、ラウリン酸メチルエステルに15モル相当の酸化エチレンを付加したものなどが洗浄力に特に優れることから、より好ましい。
【0013】
本発明の組成物における上記(a)成分の配合量は、液体洗浄剤組成物中10質量%以上50質量%以下であり、好ましくは、15〜40質量%の範囲である。10質量%未満であると、洗浄力が不充分であり、50質量%を超えると、組成物の粘度が増加し、本発明が目的とする使用性が得られない。
【0014】
本発明の(b)成分の長鎖アミンとしては、炭素鎖長が例えば8〜25、特に16〜22程度の所謂長鎖炭化水素基を有するアミンであれば、その種類は特に制限されず、また、1級アミン、2級アミン、3級アミンのいずれであってもよいが、これらの中でも、下記一般式(II)で表わされる有機アミン化合物が好適である。
【0015】
R3R4R5N (II)
但し、上記式中、R3は炭素数8〜25、特に16〜22、R4は1〜25、特に1〜2の炭化水素基又は水素原子である。炭化水素基R3、R4は直鎖であっても分岐鎖であってもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、ヒドロキシル基のような置換基を任意に含んでもよい。また、R3、R4はアミド基、エステル基又はエーテル基等の連結基をその鎖中に有していてもよい。R5は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、EO付加モル数1〜25、特に1〜5のポリオキシエチレン基である。なお、本発明の(b)成分としては、これらを1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
【0016】
本発明の(b)成分として、より具体例には、例えばラウリン酸アミドプロピルジメチルアミン、ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミン、パルミチン酸アミドプロピルジメチルアミン、ステアリン酸アミドプロピルジメチルアミン、ベヘニン酸アミドプロピルジメチルアミン、オレイン酸アミドプロピルジメチルアミンなどの長鎖アミドアルキルジアルキルアミン等が挙げられる。
【0017】
本発明の(b)成分として好適に使用される長鎖アミドアルキルジアルキルアミンは、例えば高級脂肪酸又は高級脂肪酸低級アルキルエステル、動・植物性油脂等の高級脂肪酸誘導体とジアルキルアミノアルキルアミンとを脱水縮合反応させ、その後、未反応のジアルキルアミノアルキルアミンを、減圧又は窒素ブローにて留去することにより得られる。
【0018】
ここで、上記高級脂肪酸及びその誘導体としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、エルカ酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、とうもろこし油脂肪酸、牛脂脂肪酸、パーム核油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸等の植物油又は動物油脂肪酸、又はこれらのメチルエステル、エチルエステル、グリセライドやこれらの混合物などを適宜用いることができるが、これらの中でも、特にミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等がより好適に用いられる。
【0019】
また、上記ジアルキルアミノアルキルアミンとしては、例えばジメチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノエチルアミン等が挙げられ、これらの中でも、特にジメチルアミノプロピルアミンがより好ましい。ジアルキルアミノアルキルアミンの使用量は、特に制限されるものではないが、脂肪酸又はその誘導体に対し、0.9〜2.0倍モルが好適であり、より好ましくは、1.0〜1.5倍モルである。
【0020】
反応温度は、通常、100〜220℃が好ましく、より好ましくは、150〜200℃である。100℃未満では反応が遅くなる場合があり、220℃を超えると着色が激しくなる場合がある。反応時の圧力は、常圧でも減圧でもよく、反応時に窒素等の不活性ガスを吹き込んでもよい。また、脂肪酸を使用する場合は、硫酸、p−トルエンスルホン酸等の酸触媒、脂肪酸誘導体を使用する場合は、ナトリウムメチラート等のアルカリ触媒を用いることで、低い反応温度で、より効率的に反応させることができる。長鎖アミドアルキルジアルキルアミンの場合、融点が高く、ハンドリング性を向上させるため、反応後、フレーク状又はペレット状に成形してもよい。
【0021】
本発明の(b)成分のその他の例としては、例えばラウリルアミン、ミリスチルアミン、椰子アルキルアミン、パルミチルアミン、牛脂アルキルアミン、ステアリルアミンなどの1級アミン、ラウリルジメチルアミン、ミリスチルジメチルアミン、椰子アルキルジメチルアミン、パルミチルジメチルアミン、牛脂アルキルジメチルアミン、ステアリルジメチルアミン、ステアリルジヒドロキシジエチルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミンなどの3級アミンなどが挙げられる。
【0022】
本発明の(b)成分としては、これらの中でも、パルミチン酸アミドプロピルジメチルアミン、ステアリン酸アミドプロピルジメチルアミン、オレイン酸アミドプロピルジメチルアミン、ステアリルジメチルアミン、パルミチルジメチルアミン、東邦化学(株)製のカチナールMPAS−R(パルミチン酸アミドプロピルジメチルアミンとステアリン酸アミドプロピルジメチルアミンの3/7混合物)などが柔軟付与効果が特に高いことから、より好ましい。
【0023】
本発明の組成物における上記(b)成分の配合量は、液体洗浄剤組成物中0.5〜5質量%であり、柔軟付与効果、安定性の面に最も優れるためには、好ましくは0.6〜3質量%、より好ましくは0.8〜2質量%の範囲である。0.5質量%未満であると柔軟付与効果が劣り、5質量%を超えると組成物の低温安定性が劣る。
【0024】
本発明における(c)成分としては、下記一般式(III)で表わせるジ長鎖アルキル型のカチオン界面活性剤が好適である。
【0025】
R6R7R8R9N+ X- (III)
但し、上記式中、R6、R7は炭素数8〜18、特に8〜12の炭化水素基である。炭化水素基R6、R7は直鎖であっても分岐鎖であってもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、ヒドロキシル基のような置換基を任意に含んでもよく、R6、R7は同じであっても異なっていてもよい。また、R6、R7はエステル基、アミド基又はエーテル基等の連結基をその鎖中に有していてもよい。R8、R9はメチル基、エチル基、プロピル基など炭素数1〜3のアルキル基、あるいはベンジル基が好ましい。Xは塩素などのハロゲン又はアルキル硫酸基が好ましい。なお、本発明の(c)成分としては、これらを1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
【0026】
本発明の(c)成分として、より具体例には、例えばジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ビス−オクチルアミドプロピルジメチルアンモニウムクロライドなどが挙げられ、これらの中でも、特にジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライドなどが柔軟付与効果、低温での外観安定性に優れることから、より好ましい。
【0027】
本発明の組成物における(c)成分の配合量は、液体洗浄剤組成物中0.1〜5質量%であり、好ましくは0.2〜3質量%の範囲である。0.1質量%未満であると柔軟付与効果が劣り、5質量%を超えると組成物の低温安定性が劣る。
【0028】
本発明の液体洗浄剤組成物における上記(b)成分の長鎖アミンと、上記(c)成分のジ長鎖アルキル型のカチオン界面活性剤との比率は、モル比で、(b)/(c)=0.5〜30であり、柔軟性、黄変のなさにより優れることを考慮すれば、2〜10の範囲が好適である。この比率が0.5未満の場合や30を超える場合、被洗物の黄変や低温安定性が劣る。
【0029】
本発明の液体洗浄剤組成物は、前記(a)〜(c)成分を必須成分とするものであり、更に、必要に応じて以下のような任意成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
【0030】
このような任意成分として、例えばアルコール、多価アルコール、ポリエチレン(プロピレン)グリコールアルキルエーテル、ポリエチレン(プロピレン)グリコールフェニルエーテルなどのハイドロトロープや、パラトルエンスルホン酸塩、メタキシレンスルホン酸塩、キュメンスルホン酸塩、安息香酸塩、尿素などの粘度低下剤が挙げられ、好ましい配合量は、ハイドロトロープ、粘度低下剤ともにそれぞれ3〜8質量%程度である。
【0031】
また、ポリエーテル変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーンなどの風合い改良剤が挙げられ、これらの好ましい配合量は、0.2〜3質量%程度である。更に、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼなどの酵素、防腐剤、蛍光剤、移染防止剤、ソイルリリース剤、クエン酸、クエン酸ナトリウム、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミンなどのpH調整剤、色素、香料などが挙げられる。
【0032】
色素として使用されるものの代表的な例としては、例えばアシッドレッド138、アシッドイエロー203、アシッドブルー9、青1号、青色205号、ターコイズP−GRなどが挙げられ、これらの好ましい配合量は、0.00005〜0.0005質量%程度である。
【0033】
香料として使用されるものの代表的な例としては、例えば後述する実施例において使用する香料組成物A〜Dなどが挙げられる。また、香料組成物の好ましい配合量は、0.1〜1質量%である。
【0034】
本発明の液体洗浄剤組成物の調製方法、使用方法は、特に制限されるものではなく、例えば上記必須成分及び必要に応じて上記任意成分、水を配合し、常法に準じて調製することができる。本発明の液体洗浄剤組成物は、繊維製品の洗浄剤として好適に使用することができ、例えば通常の洗濯用液体洗浄剤と同様に洗濯機の槽内の水に適宜濃度となるように溶解させ、この洗濯液中で繊維製品の洗濯を行うことによって、優れた洗浄効果が得られ、また、通常の乾燥方法によって、被洗物に柔軟性を付与することができ、更に、黄変が生じることもない。
【0035】
【発明の効果】
本発明の液体洗浄剤組成物は、洗浄力に優れるのみならず、衣類等の繊維製品に対して柔軟効果を付与し、且つ黄変を引き起こさない特徴を有し、更に低温安定性にも優れる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。以下に、実施例及び比較例で採用した評価法を述べる。
【0037】
1)洗浄処理方法
10cm角に裁断した100番手の綿平織り布に顔面の皮脂汚れを擦りつけて作成した皮脂汚れ布10枚、市販のTシャツ(綿100%、B.V.D社製)2kgを、松下電気産業(株)製、全自動洗濯機(NA−F802P)に入れ、表1〜14に示す液体洗浄剤組成物を洗濯用の水道水40リットルに対してそれぞれ53ml用い、洗浄時間10分、脱水1分、その後ためすすぎ(2回繰り返し、各5分)、脱水1分を1工程とした洗濯操作を行った。用いた水道水の温度は25℃、鉄分0.3ppmになるよう調整を行った。
【0038】
2)洗浄力の評価方法
前記洗濯操作1工程を終えた上記皮脂汚れ布、未洗浄の皮脂汚れ布、皮脂汚れを擦りつけない上記綿平織り布の反射率を日本電色(株)製の色差計(SE200型)で測定し、洗浄率(%)を以下の式で算出した。算出した洗浄率から各液体洗浄剤組成物の洗浄力を下記評価基準に従って評価した。
【0039】
洗浄率(%)=(汚染布のK/S−洗浄布のK/S)/(汚染布のK/S−未汚染布のK/S)×100
ここで、K/S=(1−R/100)2/(2R/100)、但し、Rは反射率(%)
【0040】
<評価基準>
1点:洗浄率 〜60%未満
2点:洗浄率 60%以上〜65%未満
3点:洗浄率 65%以上〜70%未満
4点:洗浄率 70%以上〜
【0041】
3)柔軟性の評価法
1)の洗濯操作1工程で処理した上記Tシャツを陰干しして12時間乾燥させた。25℃、65%RHの恒温恒湿室に2日間放置して、これを試験布として柔軟付与効果の評価に用いた。評価対照布として、実施例、比較例の液体洗浄剤組成物に代えて、非イオン界面活性剤(ラウリルアルコール1モル当たり平均15モルの酸化エチレンを付加させたアルコールエトキシレート)の20%水溶液を使用した以外は、上述の1)と同様の洗濯操作1工程で処理した上記Tシャツを用いた。柔軟付与効果の評価は、専門パネラー10人が評価対照布を対照にして1対比較を官能により行って下記の基準により評価し、10人の評点の平均値を求めることにより行った。
【0042】
<評価基準>
1点:対照布と同等
2点:対照布よりやや柔らかい
3点:対照布より柔らかい
4点:対照布より非常に柔らかい
【0043】
4)黄ばみ性の評価
1)の洗濯操作1工程で処理した上記Tシャツを陰干しして12時間乾燥させた。25℃、65%RHの恒温恒湿室に2日間放置して、これを試験布として黄ばみ性の評価に用いた。評価対照布として、実施例、比較例の液体洗浄剤組成物に代えて、非イオン界面活性剤(ラウリルアルコール1モルあたり平均15モルの酸化エチレンを付加させたアルコールエトキシレート)の20%水溶液を使用した以外は、上述の1)と同様の洗濯操作1工程で処理した上記Tシャツを用いた。黄ばみ性の評価は、専門パネラー10人が目視で観察し、評価対照布を対照にして1対比較を行なって下記の基準により評価し、10人の評点の平均値を求めることにより行った。
【0044】
<評価基準>
1点:対照布より非常に黄ばんでいる
2点:対照布より黄ばんでいる
3点:対照布よりやや黄ばんでいる
4点:対照布と同等の白さ
【0045】
5)外観安定性
液体洗浄剤組成物150mlを、直径50mm、高さ100mmの円筒ガラス瓶に取り、蓋を閉めて密封した。この状態で、5℃の恒温槽中において1ヶ月保存後、液の外観を目視で観察した。外観安定性は下記基準により評価した。
【0046】
<評価基準>
×:多量の沈殿又は分離あり
△:僅かに沈殿又は分離あり
○:僅かに微濁
◎:均一
【0047】
[実施例1〜148及び比較例1〜10]
表1〜表14に示す組成に従って、常法に準じて液体洗浄剤組成物を調製し、実施例1〜148及び比較例1〜10の液体洗浄剤組成物を得た。各液体洗浄剤組成物について、上述した評価法に従って洗浄力、柔軟性、黄ばみ性、外観安定性の評価を行った。結果を表2〜14に併記する。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】
【0053】
【表6】
【0054】
【表7】
【0055】
【表8】
【0056】
【表9】
【0057】
【表10】
【0058】
【表11】
【0059】
【表12】
【0060】
【表13】
【0061】
【表14】
【0062】
【表15】
【0063】
(※1)特開2000−186296号公報の実施例の製造例1に記載された方法によって得られたもの。(※2)特開2000−186296号公報の実施例の製造例3に記載された方法によって得られたもの。(※3)特開2000−186296号公報の実施例の製造例3に記載された方法を用い、ラウリン酸メチルの代わりにステアリン酸メチル487gを、また、エチレンオキシドを1296g導入し、得られたもの(ナロー度65%)。(※4)特開平1−164437号、特開平10−7620号、特開2000−61304号公報等に記載された方法によって得られた、特開2001−164298号にて定義されたナロー率が55%以上であるもの。
【0064】
(※5)1リットルの四つ口フラスコに、カプリル酸188gを仕込み、80℃で窒素置換を2回行った。170℃に昇温し、副生する水を留去させながら、ジメチルアミノプロピルアミン173gを2時間かけて滴下した。滴下後、170〜180℃に保持し、7時間熟成した。酸価から算出したカプリル酸の転化率は99%であった。熟成後、減圧して未反応アミンと水を除去し、化合物を得た。(※6)1リットルの四つ口フラスコに、カプリン酸224gを仕込み、80℃で窒素置換を2回行った。170℃に昇温し、副生する水を留去させながら、ジメチルアミノプロピルアミン173gを2時間かけて滴下した。滴下後、170〜180℃に保持し、7時間熟成した。酸価から算出したカプリン酸の転化率は99%であった。熟成後、減圧して未反応アミンと水を除去し、化合物を得た。
【0065】
(※7)1リットルの四つ口フラスコに、ラウリン酸261gを仕込み、80℃で窒素置換を2回行った。170℃に昇温し、副生する水を留去させながら、ジメチルアミノプロピルアミン173gを2時間かけて滴下した。滴下後、170〜180℃に保持し、7時間熟成した。酸価から算出したラウリン酸の転化率は99%であった。熟成後、減圧して未反応アミンと水を除去し、化合物を得た。(※8)1リットルの四つ口フラスコに、パルミチン酸334gを仕込み、80℃で窒素置換を2回行った。170℃に昇温し、副生する水を留去させながら、ジメチルアミノプロピルアミン173gを2時間かけて滴下した。滴下後、170〜180℃に保持し、7時間熟成した。酸価から算出したパルミチン酸の転化率は99%であった。熟成後、減圧して未反応アミンと水を除去し、化合物を得た。(※9)1リットルの四つ口フラスコに、ステアリン酸370gを仕込み、80℃で窒素置換を2回行った。170℃に昇温し、副生する水を留去させながら、ジメチルアミノプロピルアミン173gを3時間かけて滴下した。滴下後、170〜180℃に保持し、7時間熟成した。酸価から算出したステアリン酸の転化率は99%であった。熟成後、減圧して未反応アミンと水を除去し、化合物を得た。
【0066】
(※10)1リットルの四つ口フラスコに、ベヘニン酸444gを仕込み、80℃で窒素置換を2回行った。170℃に昇温し、副生する水を留去させながら、ジメチルアミノプロピルアミン173gを2時間かけて滴下した。滴下後、170〜180℃に保持し、7時間熟成した。酸価から算出したベヘニン酸の転化率は99%であった。熟成後、減圧して未反応アミンと水を除去し、化合物を得た。(※11)1リットルの四つ口フラスコに、オレイン酸368gを仕込み、80℃で窒素置換を2回行った。170℃に昇温し、副生する水を留去させながら、ジメチルアミノプロピルアミン173gを2時間かけて滴下した。滴下後、170〜180℃に保持し、7時間熟成した。酸価から算出したオレイン酸の転化率は99%であった。熟成後、減圧して未反応アミンと水を除去し、化合物を得た。
【0067】
【表16】
【0068】
【表17】
【0069】
【表18】
【0070】
【表19】
【0071】
【表20】
【0072】
【表21】
【0073】
【表22】
Claims (1)
- (a)非イオン界面活性剤10〜50質量%と、
(b)下記一般式(II)
R3R4R5N (II)
(式中、R3は炭素数16〜25の炭化水素基、R4は1〜2の炭化水素基又は水素原子である。炭化水素基R3、R4は直鎖であっても分岐鎖であってもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、ヒドロキシル基のような置換基を任意に含んでもよい。また、R3、R4はアミド基、エステル基又はエーテル基等の連結基をその鎖中に有していてもよい。R5は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、又はEO付加モル数1〜25のポリオキシエチレン基である。)
で表わされる長鎖アミン0.5〜5質量%と、
(c)下記一般式(III)
R6R7R8R9N+ X- (III)
(式中、R6、R7は炭素数8〜10の炭化水素基である。炭化水素基R6、R7は直鎖であっても分岐鎖であってもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、ヒドロキシル基のような置換基を任意に含んでもよく、R6、R7は同じであっても異なっていてもよい。また、R6、R7はエステル基、アミド基又はエーテル基等の連結基をその鎖中に有していてもよい。R8、R9は炭素数1〜3のアルキル基、又はベンジル基である。Xはハロゲン、又はアルキル硫酸基である。)
で表わされるジ長鎖アルキル型のカチオン界面活性剤0.1〜5質量%と
を含有してなり、且つ上記(b)成分と上記(c)成分との配合量比(b)/(c)がモル比で2〜10であることを特徴とする衣料用液体洗浄剤組成物。
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