JP4190638B2 - ポリエチレン組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形加工性や、強度、耐衝撃性、剛性等の機械物性、耐熱性等に優れたポリエチレン組成物に関するものであり、射出成形、中空成形、フィルム・シート成形、ラミネート成形に適し、各種容器、蓋、瓶、パイプ、フィルム、シート、包装材、ラミネート成形体などに使用されるポリエチレン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、チグラー型触媒で製造されるエチレン共重合体である直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPEと称す)は、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(HPLDPEと称す)と比較し、強度および靱性が大きく、フィルム、シート、中空成形体、射出成形体などの種々の用途に用いられている。しかしながら、成形品の軽量化の需要が高まり、エチレン共重合体のさらなる高強度化が要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、メタロセン系触媒により、分子量分布および組成分布が非常に狭い、高強度のエチレン(共)重合体が開発された。しかしながら、これらの一般的なメタロセン系触媒によるエチレン(共)重合体には、いくつかの欠点があった。例えば、組成分布が非常に狭いため、温度に対する剛性および強度の変化が非常に急激であり、成形加工時の温度や押し出し条件等の適応範囲が狭く、また、溶融張力が低いことによる成形加工性に難があった。また、成形品としても耐熱性に劣っていた。
【0004】
このような欠点を改良するものとして、チグラー型触媒によって得られた複数種類のポリエチレン系樹脂とメタロセン系触媒による直鎖状エチレン(共)重合体とを混合してなるポリエチレン組成物が提案されている(例えば、特開平3−207736号公報、特開平3−207737号公報)。しかしながら、このポリエチレン組成物は、成形加工性は向上するものの、分子量分布が広いため、強度の向上は期待できず、かつ低融点成分および低分子量成分によって諸特性が低下するという欠点があった。また、溶融張力が改良されず、成形加工性が不十分という欠点があった。
これら欠点を改良するために、さらにHPLDPEをブレンドする方法も試みられている。
【0005】
よって、本発明の目的は、成形加工性や、強度、耐衝撃性、剛性等の機械物性、耐熱性、光学特性等が良好であるエチレン(共)重合体を含有し、さらに、成形加工性が改良されたポリエチレン組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的に沿って鋭意検討を重ねた結果、分子量分布は狭く、TREF測定による高温溶出分が一定量存在し、定ひずみ速度による伸長粘度測定の時間―伸長粘度曲線において伸長粘度の立ち上がり(ひずみ硬化)がおこる新規なエチレン(共)重合体と、高圧ラジカル法ポリエチレンとのブレンドによるポリエチレン組成物を得て、これにより上記目的を達成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明のポリエチレン組成物は、エチレンを単独重合、またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合させることにより得られ、下記(A)〜(E)の要件を満足するエチレン(共)重合体95〜30重量%と、密度が0.90〜0.95g/cm 、MFRが0.01〜100g/10分である高圧ラジカル法ポリエチレン5〜70重量%とを有することを特徴とする。
(A)密度が0.88〜0.97g/cm3
(B)メルトフローレート(MFR)が0.01〜100g/10分
(C)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.0
(D)定ひずみ速度による伸長粘度測定の時間−伸長粘度曲線において、伸長粘度の立ち上がり(ひずみ硬化)がおこること
(E)連続昇温溶出分別法(TREF)による30℃以上の溶出温度−溶出量曲線において、溶出温度90℃以上の成分の面積をS90、全ピークの面積をStotal としたときのS=100×S90/Stotal と密度d(g/cm3 )が下記式の関係を満たすこと
d<0.910のとき
S≧0.5
d≧0.910のとき
420×d−381.7≦S
【0008】
また、前記エチレン(共)重合体は、さらに下記(F)の要件を満足することが望ましい。
(F)メルトフローレート測定において、荷重を2.16kgとしたときの値と、荷重を10kgとしたときの値との比(FR=10kg荷重時の値[g/10分]/2.16kg荷重時の値[g/10分])が8以下
また、前記エチレン(共)重合体は、さらに下記(G)の要件を満足することが望ましい。
(G)連続昇温溶出分別法(TREF)による30℃以上の溶出温度−溶出量曲線のピークが複数個存在すること
また、前記エチレン(共)重合体は、さらに下記(H)の要件を満足することが望ましい。
(H)示差走査型熱量計(DSC)により測定した融点ピークが複数個存在すること
【0009】
また、前記エチレン(共)重合体は、下記(i)〜(v)の組合せによる触媒の存在下にエチレンを単独重合、またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合させることにより得られたものであることが望ましい。
(i)一般式M11 p(OR2q1 4-p-q で表される化合物(式中、R1、R2は個別に炭素数1〜24の炭化水素基、X1 はハロゲン原子、M1 はZr、TiまたはHfを示し、pおよびqはそれぞれ0≦p≦4、0≦q≦4、0≦p+q≦4である)
(ii)一般式M23 m(OR4n2 z-m-n で表される化合物(式中、R3、R4は個別に炭素数1〜24の炭化水素基、X2 はハロゲン原子、M2 は周期律表第I〜III 族元素、zはM2 の価数を示し、mおよびnはそれぞれ0<m≦z、0≦n≦zで、しかも0<m+n≦zである)
(iii)下記に示す(a)から選択される少なくとも1種、および(b)から選択される少なくとも1種の化合物
(a)一般式C55 5 で表されるシクロペンタジエンおよび/または置換シクロペンタジエン化合物(式中、R5 は個別に水素または炭素数1〜24の炭化水素基を示し、その炭化水素基の任意の2つは共同して環状炭化水素基を形成することができる)
(b)下記(b1)および/または(b2)の化合物
(b1)一般式C5n6 5-nで表される置換シクロペンタジエン化合物(式中、R6 は個別に水素またはメチル、エチル、フェニル基を示し、nは1≦n≦3を示す)
(b2)一般式C57 5 で表される2個のシクロペンタジエンまたは置換シクロペンタジエン化合物(式中、R7 は個別に水素または炭素数1〜24の炭化水素基を示し、その炭化水素基の任意の2つは共同して環状炭化水素基を形成することができる)が、アルキレン基(炭素数1〜8)、アルキリデン基(炭素数2〜8)、シリレン基またはアルキルシリレン基で架橋された化合物
(iv)Al−O−Al結合を含む有機アルミニウム化合物
(v)無機物担体および/または粒子状ポリマー担体
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
[エチレン(共)重合体]
本発明におけるエチレン(共)重合体は、エチレンの単独重合体、またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンより選ばれた一種以上との共重合体である。この炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、好ましくは炭素数3〜12のものであり、具体的にはプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられる。また、これらのα−オレフインの含有量は、合計で通常30モル%以下、好ましくは20モル%以下の範囲で選択されることが望ましい。
【0011】
本発明におけるエチレン(共)重合体の(A)密度は、0.88〜0.97g/cm3 、好ましくは0.89〜0.95g/cm3 である。さらに好ましくは、0.89〜0.940g/cm3 である。密度が0.88g/cm3 未満ではポリエチレン組成物の剛性、耐熱性が劣り、0.97g/cm3 を超えるとポリエチレン組成物の透明性、耐衝撃性が十分でない。
【0012】
本発明におけるエチレン(共)重合体の(B)メルトフローレート(JIS K6922−2 附属書 ポリエチレン試験法に準拠、以下、MFRと称す)は0.01〜100g/10分、好ましくは0.05〜50g/10分の範囲にある。MFRが0.01g/10分未満ではポリエチレン組成物の成形加工性が不良となり、100g/10分を超えるとポリエチレン組成物の耐衝撃性、引張強度等の機械強度が低下する。
【0013】
本発明におけるエチレン(共)重合体の(C)分子量分布Mw/Mnは1.5〜4.0であり、好ましくは1.8〜3.5の範囲にある。Mw/Mnが1.5未満ではポリエチレン組成物の成形加工性が劣り、4.0以上ではポリエチレン組成物の耐衝撃性が劣ったり、透明性が不十分になる。
ここで、分子量分布Mw/Mnは、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求め、これらの比Mw/Mnを算出することによって求めることができる。
【0014】
本発明におけるエチレン(共)重合体は、(D)定ひずみ速度による伸長粘度測定の時間―伸長粘度曲線において、伸長粘度の立ち上がり(ひずみ硬化)が見られる。ここで、伸長粘度の立ち上がり(ひずみ硬化)とは、図1に示すように、時間−伸長粘度曲線の緩やかな勾配が、伸長ひずみがおよそ1〜2に到達した時点で急勾配に変わる現象のことである。このひずみ硬化は伸長粘度測定の時間―伸長粘度曲線により測定される。また、図2に示すように、伸長粘度の立ち上がり(ひずみ硬化)がないエチレン(共)重合体を用いたポリエチレン組成物は、溶融張力が低 いため成形加工性に劣る。
【0015】
本発明において、エチレン(共)重合体の伸長粘度の立ち上がり(ひずみ硬化)は、以下のようにして測定する。
試料をプレス成形で幅5〜10mm、長さ55〜70mm、厚さ1〜3mmのシートとし、このシートを測定試料として用いて伸長粘度計により時間―伸長粘度曲線を測定する。測定温度は、試料が溶融する温度、通常は130℃(試料によっては150℃)とし、ひずみ速度(sec-1)は0.1から1の間とし、ひずみ7まで伸長する。その時の時間−伸長粘度曲線において伸長ひずみがおよそ1〜2に到達した時点から伸長粘度の立ち上がり(ひずみ硬化)が存在することを確認する。
【0016】
本発明におけるエチレン(共)重合体は、(E)連続昇温溶出分別法(TREF)による30℃以上の溶出温度−溶出量曲線において、溶出温度90℃以上の成分の面積をS90、全ピークの面積をStotal としたときのS=100×S90/Stotal と密度d(g/cm3 )が、d<0.910のときは、S≧0.5であり、d≧0.910のときは、420×d−381.7≦Sであることが必要である。Sがこの範囲に有ることで、融点が高くなり、成形体の耐熱性、剛性が向上する。ここで、溶出温度−溶出量曲線における面積(S90、Stotal )とは、図3に示すように、特定の温度範囲内(例えば、90℃以上)で溶出温度−溶出量曲線を積分して得られる面積のことである。
【0017】
本発明に関わるTREFの測定方法は下記の通りである。耐熱安定剤を加えた試料をオルソジクロロベンゼン(ODCB)に試料濃度が0.05重量%となるように135℃で加熱溶解する。この加熱溶液5mlを、ガラスビーズを充填したカラムに注入した後、0.1℃/分の冷却速度で25℃まで冷却し、試料をガラスビーズ表面に沈着させる。次に、このカラムにODCBを一定流量で流しながら、カラム温度を50℃/hrの一定速度で昇温し、各温度において溶液に溶解可能な試料を順次溶出させる。この際、溶剤中の試料濃度は、赤外検出器でメチレンの非対称伸縮振動の波数2925cm-1に対する吸収を測定することによって、連続的に検出される。この濃度から、溶出温度−溶出量曲線を得ることができる。
TREF分析は、極少量の試料で温度変化に対する溶出速度の変化を連続的に分析できるため、分別法では検出できない比較的細かいピークの検出が可能である。
【0018】
本発明におけるエチレン(共)重合体は、さらに(F)メルトフローレート測定において、荷重を2.16kgとしたときの値と荷重を10kgとしたときの値との比(FR=10kg荷重時の値[g/10分]/2.16kg荷重時の値[g/10分])が8以下であることが望ましい。このFRの値が8を超えると、ポリエチレン組成物の機械的強度が劣る。ここで、2.16kg荷重時のメルトフローレートおよび10kg荷重時のメルトフローレートは、JIS K6922−2 附属書 ポリエチレン試験法に準拠して測定される。
【0019】
本発明におけるエチレン(共)重合体は、さらに下記(G)の要件を満足することが望ましい。
(G)連続昇温溶出分別法(TREF)による30℃以上の溶出温度−溶出量曲線のピークが複数個存在すること
このピークが複数個存在することで、エチレン(共)重合体の融点が高くなり、また結晶化度が上昇するので、ポリエチレン組成物の耐熱性および剛性が向上する。
【0020】
本発明におけるエチレン(共)重合体は、さらに下記(H)の要件を満足することが望ましい。
(H)示差走査型熱量計(DSC)により測定した融点ピークが複数個存在すること
このピークが複数存在し、好ましくは、少なくとも110℃以上にピークもしくはショルダーが存在することにより、ポリエチレン組成物の耐熱性と透明性のバランスが良くなる。
ここで、融点ピークは、示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料約5mgをアルミパンに詰め、10℃/分で200℃まで昇温して5分間保持し、10℃/分で20℃まで降温して1分間保持した後、10℃/分で昇温した際の吸熱曲線より求めることができる。
【0021】
以下、本発明におけるエチレン(共)重合体の製造に用いられるオレフィン重合用触媒(以下、触媒と称す)について具体的に説明する。
本発明におけるエチレン(共)重合体は、前記特定の要件を満足すれば、触媒、製造方法等は特に限定されるものではないが、特に、以下に示す触媒が、優れた成形加工性を有し、良好な強度、耐衝撃性、剛性等の機械物性、耐熱性、光学特性等を有するエチレン(共)重合体を得るために好適に用いられる。
本発明におけるエチレン(共)重合体の製造に好適に用いられる触媒は、前述のとおり(i)一般式M11 p(OR2q1 4-p-q で表される化合物(以下、成分 (i)と称す)、(ii)一般式M23 m(OR4n2 z-m-n で表される化合物(以下、成分(ii)と称す)、(iii)(a)シクロペンタジエンおよび/または特定の置換シクロペンタジエン化合物から選択される化合物および(b)特定の置換シクロペンタジエン化合物および/または架橋されたシクロペンタジエンから選択される化合物(以下、成分(iii)と称す)、(iv)Al−O−Al結合を含む有機アルミニウム化合物(以下、成分(iv)と称す)、(v)無機物担体および/または粒子状ポリマー担体(以下、成分(v)と称す)を相互に接触させることにより得られる。
【0022】
上記成分(i)は、一般式M11 p(OR2q1 4-p-q で表される化合物である。式中において、R1 およびR2 は炭素数1〜24、好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜8の炭化水素基を示すものである。かかる炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、フェニルプロピル基、ネオフィル基などのアラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があってもよい。X1 はフッ素、ヨウ素、塩素および臭素のハロゲン原子、M1 はZr、TiまたはHfを示し、好ましくはZrである。p及びqはそれぞれ0≦p≦4、0≦q≦4、0≦p+q≦4であり、好ましくは0<p+q≦4である。
【0023】
上記一般式で表される化合物としては、テトラメチルジルコニウム、テトラエチルジルコニウム、テトラベンジルジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、テトラブトキシチタン、テトラブトキシハフニウムが好ましい。特に好ましくはテトラエトキシジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウムなどのZr(OR)4 化合物である。これらの化合物は2種以上混合して用いることも可能である。
【0024】
上記成分(ii)は一般式M23 m(OR4n2 z-m-n で表される化合物である。式中、M2 は周期律表第I〜III 族元素のいずれかを示し、これにはリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ホウ素、アルミニウムなどが包含される。R3 、R4 は炭素数1〜24、好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜8の炭化水素基を示し、これにはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、フェニルプロピル基、ネオフィル基などのアラルキル基などが包含される。これらは分岐があってもよい。X2 はフッ素、ヨウ素、塩素又は臭素などのハロゲンを示す。zはM2 の価数を示す。mは0<m≦z、nは0≦n≦zで、しかも0<m+n≦zである。
【0025】
成分(ii)としては、具体的には、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムが好ましい。これらの化合物は2種以上混合して用いることも可能である。
【0026】
上記成分(iii)は(a)一般式C55 5 で表されるシクロペンタジエンおよび/または置換シクロペンタジエン化合物(以下、成分(a)と称す)から選択される少なくとも1種、および(b)下記(b1)および/または(b2)の化合物から選択される少なくとも1種の化合物(以下、成分(b)と称す)である。
(b1)一般式C5n6 5-nで表される置換シクロペンタジエン化合物(以下、成分(b1)と称す)
(b2)一般式C57 5 で表される2個のシクロペンタジエンまたは置換シクロペンタジエン化合物が、アルキレン基、アルキリデン基、シリレン基またはアルキルシリレン基で架橋された化合物(以下、成分(b2)と称す)
【0027】
上記成分(a)の式中、R5 は個別に水素または炭素数1〜24、好ましく1〜12、さらに好ましくは1〜8の炭化水素基を示し、その炭化水素基の任意の2つは共同して環状炭化水素基を形成することができる。R5 としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニル基などのアリール基;ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、フェニルプロピル基、ネオフィル基などのアラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があってもよい。
【0028】
具体的には、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、エチルシクロペンタジエン、プロピルシクロペンタジエン、イソプロピルシクロペンタジエン、ブチルシクロペンタジエン、t−ブチルシクロペンタジエン、イソブチルシクロペンタジエン、sec−ブチルシクロペンタジエン、1−メチル−3−プロピルシクロペンタジエン、1−プロピル−3−メチルシクロペンタジエン、1−メチル−3−ブチルシクロペンタジエン、2−エチル−5−イソプロピルシクロペンタジエン、ヘキシルシクロペンタジエン、オクチルシクロペンタジエン、ペンタメチルシクロペンタジエンなどの置換シクロペンタジエン、インデン、2−メチルインデン、4−メチルインデン、4,7−ジメチルインデン、4,5,6,7−テトラハイドロインデンなどの置換インデンなどが挙げられる。この中で好ましい化合物としてはシクロペンタジエン、ブチルシクロペンタジエン、1−メチル−3−プロピルシクロペンタジエン、インデンなどが挙げられる。これらの化合物は2種以上混合して用いることも可能である。
【0029】
上記成分(b1)の式中、R6 は個別に水素またはメチル、エチル、フェニル基を示し、nは1≦n≦3を示す。具体的には、1,3−ジメチルシクロペンタジエン、1−メチル−3−エチルシクロペンタジエン、2−メチル−4−エチルシクロペンタジエン、1−メチル−3−フェニルシクロペンタジエン、2−メチル−4−フェニルシクロペンタジエン、1−エチル−3−フェニルシクロペンタジエン、2−エチル−4−フェニルシクロペンタジエン、1,2,3−トリメチルシクロペンタジエン、1,2,4−トリメチルシクロペンタジエン、1,2,3−トリエチルシクロペンタジエン、1,2,4−トリエチルシクロペンタジエン、1,5−ジメチル−4−エチルシクロペンタジエン、2,5−ジメチル−3−エチルシクロペンタジエンなどが挙げられる。これらの化合物の中で1,3−ジメチルシクロペンタジエン、1−メチル−3−エチルシクロペンタジエン、1−メチル−3−フェニルシクロペンタジエン、1,2,4−トリメチルシクロペンタジエンが特に好ましい。これらの化合物は2種以上混合して用いることも可能である。
【0030】
上記成分(b2)の式中、R7 は個別に水素または炭素数1〜24、好ましく1〜12、さらに好ましくは1〜8の炭化水素基を示し、その炭化水素基の任意の2つは共同して環状炭化水素基を形成することができる。具体的に、R7 はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニル基などのアリール基;ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、フェニルプロピル基、ネオフィル基などのアラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があってもよい。また炭化水素基の隣接する2つは共同して環状炭化水素基を形成することができる。
【0031】
架橋部のアルキレン基は、通常、炭素数1〜8、好ましくは1〜3であり、具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。特に、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基が好ましい。また、同じく架橋部のアルキリデン基としては、通常、炭素数2〜8、好ましくは2〜3であり、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基などが挙げられる。
また、架橋部のシリレン基およびアルキルシリレン基とは、一般式R89Siで示される基である。ここでR8、R9は個別に水素または炭素数1〜24、好ましくは1〜12、さらに好ましく1〜8のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等の炭化水素基を示す。かかる炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、フェニルプロピル基、ネオフィル基などのアラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があってもよい。
【0032】
成分(b2)としては、具体的には、エチレンビスシクロペンタジエン、エチレンビスプロピルシクロペンタジエン、エチレンビスブチルシクロペンタジエン、イソプロピリデンビスシクロペンタジエン、エチレンビスインデン、イソプロピリデンビスインデン、イソプロピリデンビスプロピルシクロペンタジエン、イソプロピリデンビスブチルシクロペンタジエン、ビスインデニルエタン、ビス(4,5,6,7−テトラハイドロ−1−インデニル)エタン、1,3−プロパンジエニルビスインデン、1,3−プロパンジエニルビス(4,5,6,7−テトラハイドロ)インデン、プロピレンビス(1−インデン)、イソプロピリデン(1−インデニル)シクロペンタジエン、ジフェニルメチレン(9−フルオレニル)シクロペンタジエン、イソプロピリデンシクロペンタジエニル−1−フルオレン、ジメチルシリレンビスシクロペンタジエン、ジメチルシリレンビスインデン、ジメチルシリレンビスプロピルシクロペンタジエン、ジメチルシリレンビスブチルシクロペンタジエン、ジフェニルシリレンビスシクロペンタジエン、ジフェニルシリレンビスインデン、ジフェニルシリレンビスプロピルシクロペンタジエン、ジフェニルシリレンビスブチルシクロペンタジエンなどが挙げられる。好ましくは、エチレンビスシクロペンタジエン、エチレンビスブチルシクロペンタジエン、イソプロピリデンビスシクロペンタジエン、エチレンビスインデン、イソプロピリデンビスインデン、ジメチルシリレンビスシクロペンタジエン、ジメチルシリレンビスインデンが挙げられる。これらの化合物は2種以上混合して用いることも可能である。
【0033】
上記成分(iv)の有機アルミニウム化合物は、分子中にAl−O−Al結合を含むものであり、その結合数は、通常1〜100、好ましくは1〜50個であることが望ましい。このような有機アルミニウム化合物は、通常有機アルミニウム化合物と水との反応することにより得られる生成物(変性有機アルミニウム化合物)である。
【0034】
変性有機アルミニウム化合物の調製に用いる有機アルミニウム化合物は、一般式R10 cAlX3 3-c (式中、R10は炭素数1〜18、好ましくは1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等の炭化水素基、X3 は水素原子またはハロゲン原子を示し、cは0<c≦3を示す)で表される化合物がいずれも使用可能であるが、好ましくは、トリアルキルアルミニウムが使用される。トリアルキルアルミニウムのアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のいずれでも差し支えないが、メチル基であることが特に好ましい。
【0035】
有機アルミニウムと水との反応は、通常、不活性炭化水素中で行われる。不活性炭化水素としてはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素及び芳香族炭化水素が使用できるが、脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素を使用することが好ましい。
水と有機アルミニウム化合物との反応比(水/Alモル比)は、0.25/1〜1.2/1、特に、0.5/1〜1/1であることが好ましく、反応温度は通常−70〜100℃、好ましくは−20〜20℃の範囲である。反応時間は通常、5〜24時間、好ましくは10〜5時間の範囲で選ばれる。反応に要する水として、単なる水のみならず、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物等に含まれる結晶水や反応系中に水が生成しうる成分も利用することもできる。
ここで、上記変性有機アルミニウム化合物のうち、アルキルアルミニウムと水とを反応させて得られるものは、通常、アルミノキサンと呼ばれ、特にメチルアルミノキサン(もしくはメチルアルミノキサンから実質的になるもの)は、本発明における触媒の成分(iv)として好適である。
【0036】
もちろん、本発明に係る触媒の成分(iv)として、上記変性有機アルミニウム化合物の2種以上を組み合わせて使用することもでき、また上記変性有機アルミニウム化合物を前述の不活性炭化水素溶媒に溶解させた溶液、または分散させた分散液としたものを用いても良い。
【0037】
上記成分(v)は、無機物担体および/または粒子状ポリマー担体である。
成分(v)の無機物担体は、本発明における触媒を調製する段階において、本来の形状を保持している限り、粉末状、粒状、フレーク状、箔状、繊維状などいずれの形状であっても差し支えないが、いずれの形状であっても、最大長は通常5〜200μm、好ましくは10〜100μmの範囲のものが適している。また、無機物担体は多孔性であることが好ましく、通常、その表面積は50〜1000m2 /g、細孔容積は0.05〜3cm3 /gの範囲である。
本発明に係る触媒の無機物担体としては、炭素質物、金属、金属酸化物、金属塩化物、金属炭酸塩またはこれらの混合物が使用可能であり、これらは通常200〜900℃で空気中または窒素、アルゴンなどの不活性ガス中で焼成して用いられる。
【0038】
該無機物担体に用いることができる好適な金属としては、鉄、アルミニウム、ニッケルなどが挙げられる。また、金属酸化物としては周期律表I〜VIII族の単独酸化物または複合酸化物が挙げられ、具体的にはSiO2 、Al23、MgO、CaO、B23、TiO2 、ZrO2 、Fe23、SiO2−Al23 、Al23−MgO、Al23−CaO、Al23−MgO−CaO、Al23−MgO−SiO2 、Al23−CuO、Al23−Fe23、Al23−NiO、SiO2−MgO などが挙げられる。ここで、酸化物で表示した上記式は分子式ではなく、組成のみを示すものである。つまり、本発明において用いられる複酸化物の構造および成分比率は、特に限定されるものではない。また、本発明において用いる金属酸化物は、少量の水分を吸着していても差し支えなく、少量の不純物を含有していても差し支えない。
【0039】
金属塩化物としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属の塩化物が好ましく、具体的にはMgCl2 、CaCl2 などが特に好適である。金属炭酸塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属の炭酸塩が好ましく、具体的には、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどが挙げられる。炭素質物質としてはたとえばカーボンブラック、活性炭などが挙げられる。
以上の無機担体は、いずれも本発明に好適に用いられることができるが、特に金属酸化物のシリカ、アルミナなどの使用が好ましい。
【0040】
一方、成分(v)の粒子状ポリマー担体としては、触媒調製時および重合反応時において、溶融などせずに固体状を保つものである限り、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれもが使用でき、その粒径は通常5〜2000μm、好ましくは10〜100μmの範囲のものが望ましい。これらの粒子状ポリマー担体の分子量は、当該ポリマーが触媒調製時および重合反応時において固体状物質として存在できる程度であれば、特に限定されることはなく、低分子量のものから超高分子量のものまで任意に使用可能である。
具体的には、粒子状のエチレン重合体、エチレン(共)重合体、プロピレン重合体または共重合体、ポリブテン−1などで代表される各種のポリオレフィン(α−オレフィンの炭素数は好ましくは2〜12)、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリノルボルネン、各種天然高分子およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0041】
上記無機物担体および/または粒子状ポリマー担体は、このまま使用することもできるが、好ましくは予備処理としてこれらの担体を有機アルミニウム化合物やAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム化合物などに接触処理させた後に成分(v)として用いることもできる。
【0042】
本発明に係るオレフィン類重合用触媒は、前述の通り、成分(i)〜成分(v)を相互に接触することにより得られるが、これらの成分の接触順序は特に限定されない。
例えば、以下の1)〜18)ような方法で各成分を接触させて本発明に係る触媒を得ることができる。
1)成分(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)を同時に加える方法。
2)成分(i)、(ii)、(iii)、(iv)を同時に接触させ、次いで成分(v)を接触させる方法。(以下、同時に接触させる場合を{}で、順次接触させる場合を→で表す。例えば、2)の場合は{(i)(ii)(iii)(iv)}→(v)となる)
3){(i)(ii)(iii)}→(iv)→(v)
4){(i)(ii)(iii)}→(v)→(iv)
5){(i)(ii)(iii)}→{(iv)(v)}
6){(i)(iii)(iv)}→(ii)→(v)
7){(i)(iii)(iv)}→(v)→(ii)
8){(i)(iii)(iv)}→{(ii)(v)}
9){(i)(v)}→{(ii)(iii)}→(iv)
10){(i)(iii)}→(ii)→(iv)→(v)
11){(i)(iii)}→(iv)→(ii)→(v)
12){(i)(iii)}→{(ii)(iv)}→(v)
13){(i)(ii)}→(iii)→(iv)→(v)
14){(i)(ii)}→(iv)→(iii)→(v)
15){(i)(ii)}→{(iv)(iii)}→(v)
16){(i)(iv)}→(ii)→(iii)→(v)
17){(i)(iv)}→(iii)→(ii)→(v)
18){(i)(iv)}→{(ii)(iii)}→(v)
これらの接触方法の中でも、3)、4)、5)、10)の方法が好ましく用いられる。なお、上記成分(iii)の成分(a)および成分(b)は、他の成分と同時に接触させてもよいし、逐次接触させてもよい。
【0043】
成分(i)〜(v)を接触させる方法としては、通常、窒素またはアルゴンなどの不活性雰囲気中、一般にベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、ヘプタン、ヘキサン、デカン、ドデカン、シクロヘキサンなどの脂肪族、あるいは脂環族炭化水素等の液状不活性炭化水素の存在下、攪拌下または非攪拌下に、成分(i)〜(v)を接触させる方法が用いられる。特に、成分(i)〜(iv)が可溶な溶媒、すなわちベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素中で行うことが好ましい。この接触は、通常、−100〜200℃、好ましくは−50〜150℃の温度にて、5分〜250時間、好ましくは30分〜24時間行うことが望ましい。
【0044】
成分(i)〜(v)の接触に際しては、上記した通り、ある種の成分が可溶な芳香族炭化水素溶媒と、ある種の成分が不溶ないしは難溶な脂肪族または脂環族炭化水素溶媒とがいずれも使用可能であるが,特に、成分(i)〜(iv)が可溶な芳香族炭化水素を溶媒として使用することが望ましい。そして、各成分同士の接触反応を段階的に行う場合にあっては、前段で用いた可溶性の芳香族炭化水素溶媒を何等除去することなく、これをそのまま後段の接触反応の溶媒に用いてもよい。また、可溶性の芳香族炭化水素溶媒を使用した前段の接触反応後、ある種の成分が不溶もしくは難溶な液状不活性炭化水素(例えば、ペンタン、ヘキサン、デカン、ドデカン、シクロヘキサンなどの脂肪族あるいは脂環族炭化水素)を添加して、所望生成物を固形物として取り出した後に、この所望生成物の後段の接触反応を、上記した不活性炭化水素溶媒のいずれかを使用して実施することもできる。本発明では各成分の接触反応を複数回行うことを妨げない。
【0045】
成分(i)〜(v)の使用割合は、成分(i)1モルに対して、成分(ii)を0.01〜1000モル、好ましくは0.1〜100モル、さらに好ましくは0.5〜50モルの割合で、成分(iii)を通常0.01〜1000モル、好ましくは0.1〜100モル、さらに好ましくは0.5〜50モルの割合で、成分(iv)を1〜10,000モル、好ましくは5〜1000モル、さらに好ましくは10〜500モルの割合で調製することが望ましい。また、成分(v)の使用割合は、成分(v)1gに対し、成分(i)が0.0001〜5ミリモル、好ましくは0.001〜0.5ミリモルさらに好ましくは0.01〜0.1ミリモルの割合とするのが望ましい。成分(iii)の(a)成分と(b)成分のモル比((a)成分/(b)成分)は、0.1〜10、好ましくは0.2〜5、さらに好ましくは0.3〜3とすることが望ましい。
【0046】
本発明におけるエチレン(共)重合体の製造方法は、気相法、スラリー法、溶液法等で製造され、一段重合法、多段重合法など特に限定されるものではないが、物性と経済性等のバランスの点から気相法で製造されることが望ましい。
【0047】
[高圧ラジカル法ポリエチレン]
本発明における高圧ラジカル法エチレン(共)重合体としては、高圧ラジカル重合法によってエチレンを単独重合させて得られるエチレン重合体またはエチレンと他のコモノマーとの共重合体が挙げられる(以下、高圧ラジカル法ポリエチレンという)。
本発明における高圧ラジカル法ポリエチレン(LDPE)の密度は、特に限定はされないが、好ましくは0.90〜0.95g/cm3 、さらに好ましくは0.91〜0.94g/cm3 の範囲である。この範囲であれば、ポリエチレン組成物の溶融張力が適切な範囲となり、成形加工性がよくなる。また、MFRは、特に限定はされないが、0.01〜100g/10分、好ましくは0.05〜50g/10分の範囲である。MFRが0.01g/10分未満では、ポリエチレン組成物の成形加工性が不良となり、100g/10分を超えるとポリエチレン組成物の耐衝撃性、引張強度等の機械強度が低下する。
上記他のコモノマーとしては、α−オレフィン、酢酸ビニル等のビニルエステル、(メタ)アクリレート等のα,β−不飽和カルボン酸またはそのエステルなどが挙げられる。
【0048】
[ポリエチレン組成物]
本発明のポリエチレン組成物における、前記エチレン(共)重合体と高圧ラジカル法ポリエチレンとの配合割合は、エチレン(共)重合体が99〜10重量%、高圧ラジカル法ポリエチレンが1〜90重量%である。好ましくは、エチレン(共)重合体が95〜30重量%、高圧ラジカル法ポリエチレンが5〜70重量%、より好ましくは、エチレン(共)重合体が95〜60重量%、高圧ラジカル法ポリエチレンが5〜40重量%である。上記配合割合で高圧ラジカル法ポリエチレンをエチレン(共)重合体に配合することによって、押出特性、成形性などが向上する。
【0049】
本発明のポリエチレン組成物を得る場合は、各重合体を種々の公知の方法、たとえばヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーミキサーなどで混合する方法、あるいは混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどで溶融混練後、造粒あるいは粉砕する方法を取り得る。
【0050】
本発明のポリエチレン組成物は、成形加工性や、強度、耐衝撃性、剛性等の機械物性、耐熱性、光学特性、脂成分の低溶出性、ヒートシール性、ホットタック性等が良好であり、特に、成形加工性に優れる。また、触媒の選択により、本発明のポリエチレン組成物は、ハロゲンフリーとすることも可能である。そして、フイルム、シート、ラミネート成形体、パイプ、中空成形体、射出成形体として用いられる際に有効なものである。
【0051】
本発明のポリエチレン組成物には、本発明の特性を本質的に損なわない範囲において、必要に応じて酸化防止剤はもちろんのこと、造核剤、滑剤、帯電防止剤、顔料、防曇剤、紫外線吸収剤、難燃剤、分散剤等の公知の添加剤を添加することができる。さらに、本発明の特性を本質的に損なわない範囲において、他の熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレンなどの他のポリオレフィンとブレンドして使用することもできる。
【0052】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0053】
[物性試験法]
本実施例にて行った試験法を以下に示す。
(密度)
JIS K6922−2 附属書 ポリエチレン試験法に準拠した。
(MFR)
JIS K6922−2 附属書 ポリエチレン試験法に準拠した。
(Mw/Mn)
GPC(ウォータース社製150C型)を用い、溶媒として135℃のODCBを使用した。カラムには東ソーのGMHHR−H(S)を使用し、検出器には示差屈折計を使用した。
【0054】
(ひずみ硬化)
エチレン(共)重合体をプレス成形で幅5〜10mm、長さ55〜70mm、厚さ1〜3mmのシートとし、このシートを測定試料として用いてRheometric Scientific社製のRME伸長粘度計により時間−伸長粘度曲線を測定した。測定温度は、試料が溶融する温度(130℃)とし、ひずみ速度(sec-1)は0.1から1の間とし、ひずみ7まで伸長した。その時の時間−伸長粘度曲線において伸長ひずみが1〜2に達した時点から伸長粘度の立ち上がり(ひずみ硬化)が存在するかどうかを確認した。
(TREF)
耐熱安定剤(BHT)を加えたエチレン(共)重合体を135℃のODCBに溶解して、0.05重量%の試料を得た。カラムを140℃に保って試料5mlを注入して0.1℃/分で25℃まで冷却し、ポリマーをガラスビーズ上に沈着させた後、カラムを下記条件にて昇温して各温度で溶出したポリマー濃度を赤外検出器で検出した。
溶媒:ODCB、流速:1ml/分、昇温速度:50℃/hr、検出器:赤外分光器(波長2925cm-1)、カラム:0.8cmφ×12cmL(ガラスビーズを充填)
【0055】
(DSCによる融点ピークの測定)
パーキンエルマー社製のDSC−7を用い、試料約5mgをアルミパンに詰め、10℃/分で200℃まで昇温して5分間保持し、10℃/分で20℃まで降温して1分間保持した後、10℃/分で昇温した際の吸熱曲線より求めた。
(常温ODCB可溶分量)
25℃におけるODCB可溶分量は、エチレン(共)重合体に含まれる高分岐度成分および低分子量成分の割合を示すものであり、耐熱性の低下や成形品表面のベタツキの原因となるため、少ないことが好ましい。
この25℃におけるODCB可溶分量は、下記の方法により測定した。
すなわち、試料0.5gを20mlのODCBに加え、135℃で2時間加熱し、試料を完全に溶解した後、25℃まで冷却した。この溶液を25℃で一週間放置後、テフロン製フィルターでろ過してろ液を採取した。赤外分光器により、試料溶液であるろ液におけるメチレンの非対称伸縮振動の波数2925cm-1付近の吸収ピーク強度を測定し、あらかじめ作成した検量線により、ろ液中の試料濃度を算出した。この値より、25℃におけるODCB可溶分量を求め、以下の基準で評価した。
○:ODCB可溶分量少ない、×:ODCB可溶分量多い
(溶融張力)
溶融させたポリエチレン組成物を一定速度で延伸したときの応力をストレインゲージにて測定することにより決定した。測定試料は造粒してペレットにしたものを用い、東洋精機製作所製MT測定装置を使用して測定した。使用するオリフィスは穴径2.09mmφ、長さ8mmであり、測定条件は樹脂温度190℃、押出速度20mm/分、巻取り速度15m/分である。
【0056】
(インフレーション成形安定性、フィルムの腰)
ポリエチレン組成物を空冷式インフレーション成形法により以下の条件でフィルムとしたときのインフレーション成形安定性、フィルムの腰を以下の基準で評価した。
<インフレーション成形安定性>
◎:バブル安定性良好、○:成形可能、×:成形不良(メルトフラクチャー等が発生)
<フィルムの腰>
◎:強い(10〜7)、○:やや強い(6〜4)、×:柔らかい(3〜1)
<成形条件>プラコー製押出機:スクリュー径55mmφ、ダイス:100mmφ、成形温度:140〜180℃、フィルム幅:314mm、ブロー比:2.0、厚み:30μm
(光学特性)
ヘイズ(曇り度)をASTM D 1003−61に準拠して測定し、以下の基準で評価した。
◎:透明性良、○:やや透明、×:不透明
【0057】
[エチレン共重合体PE1]
(固体触媒成分の調製)
300mlの三ツ口フラスコに、精製したトルエン100ml、ジルコニウムテトラプロポキシド(Zr(OPr)4 )0.65g、インデン1.8g、1,3−ジメチルシクロペンタジエン1.5gを加えて90℃に加熱した。ここに1mmol/mlのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液16mlを60分かけて加え、添加後、同温度で1時間攪拌を続けた。
その後、室温に冷却し、メチルアルモキサンのトルエン溶液(濃度2.5mmol/ml)を80ml添加し、室温で2時間攪拌した。この溶液のZr濃度は0.01mmol/mlであった。
別の300mlの三ツ口フラスコにシリカ(デビソン#952、表面積300m2 /g)10gを入れ、150℃で2時間減圧乾燥した後、精製したトルエン100mlおよび上記溶液40mlを加え、次いで室温で2時間攪拌した後、窒素ブローにて乾燥し、流動性のある触媒粉末を得た。
【0058】
(エチレン共重合体の合成)
気相重合装置として、攪はん機を備えたステンレス製オートクレーブを用い、これにブロワー、流量調節器および乾式サイクロンで形成されたループを取り付けた。オートクレーブの温度は、ジャケットに温水を流すことによって調節した。85℃に調節したオートクレーブに上記固体触媒成分およびトリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.1mmol/ml)をそれぞれ300mg/hrおよび3ml/hrの速度で供給し、また、オートクレーブ気相中の1−ブテン/エチレンモル比を0.07に、また、水素/エチレンモル比0.0002になるように調製しながら各々のガスを供給し、全圧を8kg/cm2 Gに保ちながらブロワーにより系内のガスを循環させ、生成ポリマーを間欠的に抜き出しながら24時間の連続重合を行った。
得られたエチレン共重合体(PE1)は、MFR1.7g/10分、密度0.924g/cm3 であった。エチレン共重合体(PE1)の物性を表1に示した。
【0059】
[エチレン共重合体PE2]
重合温度を80℃とし、1−ブテンの代わりに1−ヘキセンを用い、1−ヘキセン/エチレンモル比を0.03に、また水素/エチレンモル比を0.0002にした以外は、実施例1と同様に気相重合を行った。得られたエチレン共重合体(PE2)は、MFR2.0g/10分、密度0.923g/cm3 であった。エチレン共重合体(PE2)の物性を表1に示した。
【0060】
[エチレン共重合体PE3]
(固体触媒成分の調製)
300mlの三ツ口フラスコに、精製したトルエン150mlと、ビスインデニルジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(濃度1mmol/ml)2.0mlとメチルアルミノキサンのトルエン溶液(濃度1mmol/ml)200mlを加え、室温で1時間反応させた。次に窒素下で撹拌機付き1.5L三ツ口フラスコにあらかじめ400℃で5時間焼成したシリカ(デビソン#952、表面積300m2 /g)50gを加え、前記溶液の全量を添加し室温で2時間撹拌した。ついで窒素ブローにて溶媒を除去して流動性のよい固体触媒を得た。
【0061】
(エチレン共重合体の合成)
実施例1と同様の気相重合装置を用い、75℃に調節したオートクレーブに上記固体触媒成分およびトリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.1mmol/ml)をそれぞれ300mg/hrおよび3ml/hrの速度で供給し、またオートクレーブ気相中の1−ブテン/エチレンモル比を0.09に、また水素/エチレンモル比0.0003になるように調製しながら各々のガスを供給し、全圧を8kg/cm2 Gに保ちながらブロワーにより系内のガスを循環させ、生成ポリマーを間欠的に抜き出しながら24時間の連続重合を行った。
得られたエチレン共重合体(PE3)は、MFR3.0g/10分、密度0.915g/cm3 であった。エチレン共重合体(PE3)の物性を表1に示した。
【0062】
[エチレン共重合体PE4]
市販のチーグラー触媒によるLLDPE(PE4と称す、コモノマー:1−ブテン、MFR2.0g/10min、密度0.923g/cm3 )の物性を表1に示した。
【0063】
[エチレン共重合体PE5]
AFFINITY FM1570 (ダウ・ケミカル社製)を用いた。エチレン共重合体(PE5)の物性を表1に示した。
【0064】
【表1】
Figure 0004190638
【0065】
[高圧ラジカル法ポリエチレン]
以下に示す物性の高圧ラジカル法ポリエチレン(PE6、PE7)を用いた。
・高圧ラジカル法ポリエチレン(PE6):密度0.924g/cm3 、MFR1.0g/10分
・高圧ラジカル法ポリエチレン(PE7):密度0.924g/cm3 、MFR2.0g/10分
【0066】
[実施例1]
エチレン共重合体(PE1)95重量%と、高圧ラジカル法ポリエチレン(PE6)5重量%とをタンブラミキサーを用いてドライブレンドし、インフレーション成形を行った。ポリエチレン組成物のDSCによる融点、溶融張力を測定し、得られたフィルムについて、インフレ成形安定性、フィルムの腰、光学特性を評価した。結果を表2に示す。
【0067】
[実施例2〜4]
エチレン共重合体の種類と配合割合、および高圧ラジカル法ポリエチレンの種類と配合割合を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
【0068】
[比較例1]
エチレン共重合体(PE3)のみを用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
【0069】
[比較例2〜3]
エチレン共重合体の種類を変更した以外は、比較例1と同様に行った。結果を表2に示す。
【0070】
【表2】
Figure 0004190638
【0071】
表2に示した結果から、実施例1〜4のポリエチレン組成物は、通常のメタロセン系触媒によって得られたエチレン共重合体PE3(比較例1)よりも溶融張力が大きく、インフレーション成形安定性が良好であり、成形加工性に優れていた。また、耐熱性に優れ、フィルムに腰があった。
また、通常のチーグラー型触媒によって得られたエチレン共重合体PE4(比較例2)よりも溶融張力が大きく、成形加工性に優れていた。また、ODCB可溶分量が少なく、光学特性も優れていた。
また、通常のメタロセン系触媒によって得られた長鎖分岐系のエチレン共重合体PE5(比較例3)よりも耐熱性に優れ、フィルムに腰があった。
特に、高圧ラジカル法ポリエチレンのブレンド比を高めた実施例3のポリエチレン組成物は、耐熱性、フィルムの腰が若干下がるものの、成形加工性がかなり向上した。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のポリエチレン組成物は、前記(A)〜(E)の特定の要件、特に、分子量分布が狭く、TREF測定による高温溶出分が一定量存在し、定ひずみ速度による伸長粘度測定の時間―伸長粘度曲線において伸長粘度の立ち上がり(ひずみ硬化)がおこるという要件を満たしているエチレン(共)重合体99〜10重量%と、高圧ラジカル法ポリエチレン1〜90重量%を有するので、成形加工性や、強度、耐衝撃性、剛性等の機械物性、耐熱性、光学特性等が良好であり、特に、成形加工性に優れる。また、触媒の選択により、本発明のポリエチレン組成物は、ハロゲンフリーとすることも可能である。このようなポリエチレン組成物は、射出成形、中空成形、フィルム・シート成形、ラミネート成形に適し、各種容器、蓋、瓶、パイプ、フィルム、シート、包装材、ラミネート成形体などに好適に用いられる。
【0073】
また、前記エチレン(共)重合体が、さらに前記(F)の要件を満足する場合、機械的強度がさらに向上する。
また、前記エチレン(共)重合体が、さらに前記(G)〜(H)の要件を満足する場合、耐熱性および剛性が向上し、耐熱性と透明性のバランスが良くなる。また、前記(i)〜(v)の組合せによる触媒の存在下にエチレンを単独重合、またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合させることにより得られたエチレン(共)重合体を用いることによって、成形加工性や、強度、耐衝撃性、剛性等の機械物性、耐熱性、光学特性等が良好なポリエチレン組成物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ひずみ硬化のあるエチレン(共)重合体の時間−伸長粘度曲線の一例を示すグラフである。
【図2】 ひずみ硬化のないエチレン(共)重合体の時間−伸長粘度曲線の一例を示すグラフである。
【図3】 本発明におけるエチレン(共)重合体のTREFによる溶出温度−溶出量曲線の一例を示すグラフである。

Claims (5)

  1. エチレンを単独重合、またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合させることにより得られ、下記(A)〜(E)の要件を満足するエチレン(共)重合体95〜30重量%と、密度が0.90〜0.95g/cm 、MFRが0.01〜100g/10分である高圧ラジカル法ポリエチレン5〜70重量%とを有することを特徴とするポリエチレン組成物。
    (A)密度が0.88〜0.97g/cm3
    (B)メルトフローレート(MFR)が0.01〜100g/10分
    (C)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.0
    (D)定ひずみ速度による伸長粘度測定の時間−伸長粘度曲線において、伸長粘度の立ち上がり(ひずみ硬化)がおこること
    (E)連続昇温溶出分別法(TREF)による30℃以上の溶出温度−溶出量曲線において、溶出温度90℃以上の成分の面積をS90、全ピークの面積をStotal としたときのS=100×S90/Stotal と密度d(g/cm3 )が下記式の関係を満たすこと
    d<0.910のとき
    S≧0.5
    d≧0.910のとき
    420×d−381.7≦S
  2. 前記エチレン(共)重合体が、さらに下記(F)の要件を満足することを特徴とする請求項1記載のポリエチレン組成物。
    (F)メルトフローレート測定において、荷重を2.16kgとしたときの値と、荷重を10kgとしたときの値との比(FR=10kg荷重時の値[g/10分]/2.16kg荷重時の値[g/10分])が8以下
  3. 前記エチレン(共)重合体が、さらに下記(G)の要件を満足することを特徴とする請求項1または請求項2記載のポリエチレン組成物。
    (G)連続昇温溶出分別法(TREF)による30℃以上の溶出温度−溶出量曲線のピークが複数個存在すること
  4. 前記エチレン(共)重合体が、さらに下記(H)の要件を満足することを特徴とする請求項1ないし3いずれか一項に記載のポリエチレン組成物。
    (H)示差走査型熱量計(DSC)により測定した融点ピークが複数個存在すること
  5. 前記エチレン(共)重合体が、下記(i)〜(v)の組合せによる触媒の存在下にエチレンを単独重合、またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合させることにより得られたものであることを特徴とする請求項1ないし4いずれか一項に記載のポリエチレン組成物。
    (i)一般式M11 p(OR2q1 4-p-q で表される化合物(式中、R1、R2は個別に炭素数1〜24の炭化水素基、X1 はハロゲン原子、M1 はZr、TiまたはHfを示し、pおよびqはそれぞれ0≦p≦4、0≦q≦4、0≦p+q≦4である)
    (ii)一般式M23 m(OR4n2 z-m-n で表される化合物(式中、R3、R4は個別に炭素数1〜24の炭化水素基、X2 はハロゲン原子、M2 は周期律表第I〜III 族元素、zはM2 の価数を示し、mおよびnはそれぞれ0<m≦z、0≦n≦zで、しかも0<m+n≦zである)
    (iii)下記に示す(a)から選択される少なくとも1種、および(b)から選択される少なくとも1種の化合物
    (a)一般式C55 5 で表されるシクロペンタジエンおよび/または置換シクロペンタジエン化合物(式中、R5 は個別に水素または炭素数1〜24の炭化水素基を示し、その炭化水素基の任意の2つは共同して環状炭化水素基を形成することができる)
    (b)下記(b1)および/または(b2)の化合物
    (b1)一般式C5n6 5-nで表される置換シクロペンタジエン化合物(式中、R6 は個別に水素またはメチル、エチル、フェニル基を示し、nは1≦n≦3を示す)
    (b2)一般式C57 5 で表される2個のシクロペンタジエンまたは置換シクロペンタジエン化合物(式中、R7 は個別に水素または炭素数1〜24の炭化水素基を示し、その炭化水素基の任意の2つは共同して環状炭化水素基を形成することができる)が、アルキレン基(炭素数1〜8)、アルキリデン基(炭素数2〜8)、シリレン基またはアルキルシリレン基で架橋された化合物
    (iv)Al−O−Al結合を含む有機アルミニウム化合物
    (v)無機物担体および/または粒子状ポリマー担体
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