JP4190323B2 - 土間の気密構造及び土間の気密構造形成方法 - Google Patents

土間の気密構造及び土間の気密構造形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上部に設備機器を設置するコンクリートの土間と床スラブとの間の気密をはかることが出来る土間の気密構造と、該土間の気密構造を形成する方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
住宅では、断熱層の室内側に気密層を形成することが主に行われている。このように建物の屋内側に気密層を形成する場合、内部空間を囲むように気密シートが貼り付けられる(例えば特許文献1参照)。また住宅の内部空間の気密性を確保する場合、外壁の内側、1階の床スラブ上側、天井下面等に沿って気密シートを配置すると共に配置された気密シートの重ね部を互いに密着させて接合することで連続した気密層を形成することが行われる。そして床断熱の住宅では、耐久性上換気を充分にとることが求められ、床下の空間は通気層としての機能を発揮する。
【0003】
一方、住宅にユニットバスやエレベーターを設置することが行われている。住宅内ではバリアフリーの観点から、床段差が0mm〜3mmであることが求められる。例えばユニットバスを設置する場合、洗い場の床は隣接する洗面所床と同等の位置に設定され、浴槽を支え、洗い場となる床パンの下面にはユニットバスに対する給湯配管,給水配管や排水管等の配管類が配管されるため、該ユニットバスの設置面は床面よりも低い位置に設定される。またエレベーターを設置する場合であっても、ケージの構造材及びケージの下部に設けるクッションや配線等を設置するために、該エレベーターの設置面は床面よりも低い位置に設定される。
【0004】
ユニットバスを設置した場合、床パンの下面に設けられた各種配管は定期的な点検や問題発生時の点検が必要であり、且つ交換等を行うこともある。このため、ユニットバスの床パンの下方は空間を形成した状態で保持されると共に、床或いは他の部位から作業員が作業し得るように構成されている。即ち、ユニットバスを設置した土間は床下空間と連続した状態で形成されている。
【0005】
エレベーターを設置する場合、該エレベーターの設置面積が小さいため、設置面に対応する部位を取り囲むような凹状の土間を形成している。しかし、構造上必要な基礎ではないため、施工上,コスト上問題がある。このため、土間は床下空間と連続した空間として形成されることも見受けられる。
【0006】
上記の如く、ユニットバス或いはエレベーター等の設備機器を設置した土間は床下空間と連続して構成されるため、建物の内部に設けた気密層と連続した気密層を形成することが困難であるという問題が生じている。特に、ユニットバスの場合、床面が、隣接する床又は壁の気密層と連続していない構造であり、メーカーによって形状が異なり、且つ多数の品揃えがあるため、統一的な納まりで対応出来ないという問題がある。
【0007】
このため、ユニットバス,エレベーター等の設備機器の設置空間全体を屋内に設定される気密ラインの外側に設定することも行われている。即ち、建物の気密ラインを前記設備機器の室内側の壁を気密ラインとして気密層を形成することで、床下空間と接続されたユニットバス,エレベーターの設置空間を屋外扱い(住宅の気密空間外)として住宅の気密を保持し得るように構成している。
【0008】
【特許文献1】
特開平07−279268号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く、ユニットバスやエレベーター等の設備機器の設置空間を屋外扱いの空間として認識して気密層を形成することで、気密性を保持した住宅を構成することが可能である。しかし、これらの設備機器の設置空間では気密層を外壁に沿って形成するのではなく、設備機器空間の室内側の壁,天井に沿って形成するなど、作業が煩雑となるという問題が生じる虞がある。
【0010】
このため、設備の点検等の目的で床下空間と連続せざるを得ない土間や、設備等の設置に必要な面積が小さくて床下空間から遮断された土間を形成することが出来ずに床下空間と連続せざるを得ない土間等を簡単な施工で確実に床との間の気密を発揮し得る構造の開発が望まれているのが実情である。
【0011】
本発明の目的は、設備機器設置空間を屋内の気密空間と連続させるために、通常であれば床下空間と連続せざるを得ない土間と床スラブとの間の気密性を発揮させることが出来る土間の気密構造、と該土間の気密構造を形成する方法とを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る土間の気密構造は、端部に気密処理を施された床スラブの側方であって該床スラブよりも低い位置に気密性を有する土間が形成され、該床スラブと土間との間には、土間面と床スラブ下方の床下空間とを連続させるべく土間面と床スラブの下面とにわたって形成される開口部と、該開口部を全面にわたって遮蔽して土間面と床下空間との連続を遮蔽する硬質プラスチック系断熱材からなる気密性断熱材とが設けられ、前記気密性断熱材の上端部は、前記床スラブ端部との間で気密処理を施された状態とされると共に、前記気密性断熱材の下端部は前記土間に気密処理を施された状態で接続されているものである。
【0013】
上記土間の気密構造において、前記床スラブは、軽量気泡コンクリートパネルからなる床パネルを備えていることが好ましい。
【0014】
また上記いずれかの土間の気密構造において、前記気密性断熱材に穴を形成し、該穴には、該穴を形成するときに当該気密性断熱材から切り抜いた片がはめ込まれていることが好ましい。
【0015】
上記土間の気密構造では、床スラブと土間面との間に直接気密性断熱材を配置し、或いは床梁等の躯体を介して間接的に配置して土間面と床下空間とが連続した面で遮蔽すると共に、気密性断熱材の周縁を気密テープ或いはシーリング材によって気密処理することで、土間面と床スラブにわたって気密層を形成することが出来る。
【0016】
このため、土間面と床スラブとの間が気密性を持って接続することとなり、設備機器毎に形状に応じた特有の気密層を形成する必要がない。即ち、設備機器の設置空間を該機器の形状ではなく、設置空間を箱型の形状として捉えて気密層を成形することが出来るため、気密層の施工が容易で且つ設備機器の形状の如何に関わらず床下空間と土間を分離することが出来、更に、施工の標準化をはかることが出来る。
【0017】
このような土間の気密構造では、土間面と床スラブの気密ラインが連続して構成されており、土間面が床スラブよりも低い位置にあるにも関わらず、気密ラインの上では床スラブの延長線として認識することが出来る。
【0018】
従って、床スラブのレベルと土間面のレベルとの異なるレベルを持った面が形成されている場合であってっも、このレベルの違いに関わらず連続した気密ラインを構成することが出来る。
【0019】
特に、ユニットバスのようにメーカー及び商品毎に異なる気密構造材の形状を必要とするような設備機器であっても、土間面と床スラブの気密ラインを接続すれば良く、土間を構成するコンクリートを打設した時点で気密ラインの施工を行うことが出来る。このため、作業性が向上すると共に施工の標準化をはかることが出来る。
【0020】
また本発明に係る土間の気密構造形成方法は、端部に気密処理を施された床スラブの側方であって該床スラブよりも低い位置に気密性を有する土間を設け、該床スラブと土間との間に、土間面と床スラブ下方の床下空間とを連続させるべく土間面と床スラブの下面とにわたる開口部を形成し、該開口部を、前記土間面に起立する硬質プラスチック系断熱材からなる気密性断熱材により遮蔽し、前記気密性断熱材の上端部と前記床スラブ端部との間に気密処理を施すと共に、前記気密性断熱材の下端部と前記土間にわたって気密処理を施して土間面と床下空間との連続を遮蔽することを特徴とするものである。
【0021】
上記土間の気密構造形成方法において、前記床スラブ下方の床下空間側から気密性断熱材を切り抜いて人が作業し得る程度の穴を形成し、該穴を利用して前記土間面上方での所定の作業を行った後、前記穴を前記気密性断熱材と同一の材料からなる片で閉鎖することが好ましく、前記片は、前記穴から切り抜いたものであることがさらに好ましい。
【0022】
上記いずれかの土間の気密構造形成方法において、前記片で閉鎖した後に、前記穴及び片の周縁を気密処理することが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る好ましい土間の気密構造と、該土間の気密構造を形成する方法の実施形態について説明する。本発明の土間の気密構造は、床スラブよりも低いレベルに構成され、且つ床下空間と連続して構成された土間面の気密性を確保するためのものであり、特に、土間面と連続した床下空間が通気層としての機能を発揮し得るように構成された場合に有利である。
【0024】
本発明に於ける土間は、ユニットバスやエレベーター等のように、設置レベルが住宅の床スラブよりも低く設定されている設備機器を設置するために利用されるものであり、これらの設備機器の底面積に応じた面積と略等しいか或いは大きい面積を持って形成される。この土間は基礎グリッドの間にコンクリートを打設することで施工されるが、基礎グリッドの全面積にわたる必要はなく、目的の設備機器を設置するのに充分な面積であれば良い。
【0025】
ユニットバスのように、設置面積が大きいものの設置後に床パンの下側に設けた配管類の点検や補修を行う必要がある設備機器では、前記点検や補修が行えるように、作業員が床下空間から床パンの下側の空間で作業が可能なような構造とすることが必要となる。このため、土間面を構成する少なくとも一辺が基礎と接続されることなく、床下空間に連続する。
【0026】
上記の如く、土間面と床スラブとの間には設備機器に応じたレベル差が形成されることになり、該土間面の少なくとも一辺と床スラブとの間に、レベル差に応じた高さと辺の寸法とに応じた面積の開口部が形成されて、土間面と床下空間とが連続している。
【0027】
従って、本発明では、上記開口部を気密性断熱材によって遮断することによって土間の気密構造を実現するものである。そして設備機器の点検,保守を行う場合は、作業員が気密性断熱材の一部を取り除いて開口部を形成した後、該開口部を利用して所定の作業を行うことが可能である。また所定の作業が終了した後、前記開口部を同一の気密性断熱材で閉鎖すると共に該開口部の周縁を気密処理することによって、初期の気密性と断熱性を回復することが可能である。特に、開口部を形成する際に、気密性断熱材を厚さ方向に断面が台形になるように切込みを入れることによって、取り外した部分を開口部に嵌め込むことが可能であり、周縁を気密処理することで初期の気密性と断熱性を回復することが可能である。
【0028】
床スラブの構成は特に限定するものではなく、コンクリートを打設して構成した床スラブや、軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)からなる床パネルを基礎梁の上部に敷き込んで構成した床スラブ等であって良い。この床スラブは端部が土間面の上方で、該土間面に設置すべき設備機器に必要な寸法を規定する位置まで配置されており、これにより、設備機器の設置空間の面積を規定している。床スラブをALCパネルによって構成した場合、設備空間を規定する端部にはH形鋼からなる梁が配置されることもある。
【0029】
土間面と床スラブとの間に形成された開口部を遮蔽するように配置される気密性断熱材としては、適度な硬度と充分に高い気密性と断熱性を有することが好ましい。このような気密性断熱材として、特に材料を限定するものではないが、硬質ウレタンフォームや押出発泡ポリスチレン或いはフェノール樹脂発泡体等の成形体や発泡体を含む硬質プラスチック系断熱材があり、前記何れも利用することが可能である。
【0030】
例えば、硬質ウレタンフォームや押出発泡ポリスチレンでは、厚さを選択することによって、住宅として充分な断熱性能と気密性能を発揮させることが可能であり、且つ土間面に起立して床スラブとの間に形成された開口部を遮蔽するのに充分に耐え得る硬度を有している。しかし、硬質ウレタンフォームでは、経時的な断熱性能の低下や、火災時に爆燃性を有することや有毒ガスを発生するという課題を有し、発泡ポリスチレンでは、耐薬品性に劣るため、気密処理材が限定されることや燃え易いという課題も有する。
【0031】
またフェノール樹脂発泡体からなる断熱材としては、本件出願人が開発して既に国際出願(特願2000−558158)した技術(ネオマフォーム(登録商標))があり、断熱材として好ましく使用することが可能で、且つ気密材としても好ましく使用することが可能である。
【0032】
上記技術に係るフェノール樹脂発泡体は、フェノール樹脂基体部と、多数の微細気泡から形成される機能部とを有する密度が10kg/m3 〜100kg/m3 のフェノールフォームであり、前記微細気泡が炭化水素を含有し且つ平均気泡径が5μm〜200μmの範囲にあり、大部分の微細気泡の気泡壁が滑らかなフェノール樹脂基体面で構成されている。
【0033】
上記フェノール樹脂発泡体では、高い断熱性と気密性とを有し、且つこれらの性能を長期間維持し得る性質を有している。またこのフェノール樹脂発泡体は高い耐燃焼性を有しており、火炎が作用したとき、表面が炭化することで、着火することがなく且つガスが発生することがない。
【0034】
上記フェノール樹脂発泡体からなる断熱材では、押出発泡ポリスチレンや硬質ウレタンフォームの約2/3の厚さで略同等の断熱性能を発揮することが可能である。
【0035】
フェノール樹脂発泡体は、比較的脆い材料であるため、少なくとも片面にクラフト紙や不織布からなる保護層を設けている。このように、フェノール樹脂発泡体の表面に保護層を設けることで、該保護層を介して貼着テープや貼着シートを貼り付けることが可能である。

【0036】
本発明に於いて、気密性断熱材は土間面に起立して上端部分が床パネルに直接、或いは梁等の部材を介して間接的に接続され、且つ気密性断熱材の周縁は気密処理がなされる。気密処理を行うための気密材としては、金属フィルムや合成樹脂フィルムの一方の面に接着剤或いは粘着材を塗布して形成された気密テープや、ゴム系或いは合成樹脂系の不定形な材として形成されたシーリング材を用いることが可能である。更に、土間と気密性断熱材との間の気密性をはかる場合、モルタル処理しても良い。
【0037】
気密テープは気密性断熱材と梁等の金属面とを接着して気密性を発揮させる機能を有するものであり、シーリング材は気密性断熱材と土間面との間に充填されて両者を接着すると共に気密性を発揮させるためのものである。
【0038】
土間面は気密性を有することが必要であり、この条件が満たされていれば打設されたコンクリートの表面が露出された状態であって良い。また土間面に気密性と共に断熱性をさせることが好ましい場合があり、このような土間面では、表面に気密性断熱材を敷き込んでおくこともある。即ち、本発明に於いて、土間面とは、コンクリート表面が露出した土間面、及びコンクリート表面にフェノール樹脂発泡体を含む硬質プラスチック系断熱材を敷き込んだ土間面を含むものである。
【0039】
床スラブは気密性を有することが好ましく、気密性を持った床スラブと土間面との間に形成された開口部を気密性断熱材によって遮蔽すると共に両者を接続することで、床スラブと土間とを連続した気密ラインとして構成することが可能となる。
【0040】
また外壁も気密性を有することが好ましく、土間の立上り部が外壁部の基礎を共有している場合、土間面と外壁とを連続した気密ラインとして構成することが可能となる。
【0041】
更に、床スラブ及び外壁が気密性を有する場合、床スラブ,土間面,外壁を連続した気密ラインとして構成することが可能となり、床スラブよりも低い位置に構成された土間を含めて一連の気密ラインを持った住宅を構成することが可能となる。
【0042】
次に、上記土間の気密構造の好ましい実施例について図を用いて説明する。図1は第1実施例に係る土間の気密構造を説明する斜視図である。図2は第2実施例に於ける土間と床スラブ及び外壁との関係を説明する図である。図3は第2実施例に於いて土間にユニットバスを設置したときの例を示す模式図である。
【0043】
先ず、図1により、第1実施例に係る土間の気密構造について説明する。図に示すように、土間Aは基礎Bのグリッドの一部に形成されている。土間Aは基礎Bの基礎梁1の屋内側に打設されたコンクリートによって構成された土間面2を有している。
【0044】
土間面2の天面2aから基礎Bの基礎梁1の天端1aまでの距離(土間Aの深さ)は、土間Aに設置される設備機器に応じて適宜設定されており、同様に土間面2の平面寸法も該土間Aに設置される設備機器に応じて適宜設定されている。特に、土間面2は目的の設備機器に必要な設置面積よりも多少広めに形成されており、この広い部分が床スラブ3と重なるように配置されている。
【0045】
床スラブ3は、土間Aに設定された面の縁部にまで到達して形成されており、基礎梁1の天端1aによって支持されている。床スラブ3の構成については特に限定するものではないが、本実施例ではALCパネルからなる床パネル4を基礎梁1に載置すると共に隣接する床パネル4を互いに接続して床スラブ3を構成している。
【0046】
土間面2の上方であって土間Aを規定する部位にはH形鋼からなる梁5が配置されており、床スラブ3の端部が梁5の上フランジ5aに載置された状態で支持されている。尚、梁5は必須ではなく、床スラブ3の端部によって土間Aを規定することも可能である。
【0047】
床スラブ3と土間面2との間に、高さ寸法が土間面2の天端2aと床スラブ3の下面3aとの間隔で、幅方向の寸法が基礎梁1の間隔となる開口部6が形成され、該開口部6によって土間Aと床下Cが連続している。
【0048】
開口部6には全面にわたって硬質プラスチック系断熱材からなる気密性断熱材7が配置されており、該気密性断熱材7の周縁が気密処理されている。即ち、開口部6は1枚或いは複数枚の気密性断熱材によって遮蔽されており、配置された気密性断熱材7は周縁と、該周縁に隣接する物体、例えば隣接して配置された気密性断熱材7,土間面2,床スラブ3或いは梁5とが気密処理されている。
【0049】
気密性断熱材7の周縁の気密処理は、隣接する物体の性質に応じて、金属フィルムや合成樹脂フィルムの一方の面に接着剤や粘着材を塗布して構成された気密テープ或いは不定形のシーリング材を選択的に用いている。即ち、気密テープは、気密性断熱材7と良好な接着性と平坦な表面を有する金属とを気密処理する際に用いて有利であり、シーリング材は、気密性断熱材7と表面が粗で良好な接着性を有することのないコンクリート面とを気密処理する際に用いて有利である。
【0050】
本実施例では、気密性断熱材7とH形鋼からなる梁5との当接部位では、両者の当接部に土間A側から気密テープ8を貼り付けることで気密処理し、気密性断熱材7と土間面2,基礎梁1との当接部位では、両者の当接部にシーリング材9を充填して気密処理している。
【0051】
上記の如く、土間Aと床下空間Cとを連続する開口部6を気密性断熱材7によって遮蔽すると共に、遮蔽した気密性断熱材7の周縁を気密テープ8及びシーリング材9によって気密処理することで、土間Aと床下空間Cとの間を気密性を保持して遮蔽すると共に断熱処理することが可能である。
【0052】
次に、図2により第2実施例に係る土間の気密構造について説明する。尚、図に於いて前述の第1実施例と同一の部分及び同一の機能を有する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
図に於いて、床スラブ3の上面には発泡ポリエチレンシート等の気密シート、好ましくはフェノール樹脂発泡体を含む硬質プラスチック系断熱材からなるシート状或いは板状の気密性断熱材11が敷き込まれており、該気密性断熱材11の端部は隣接する部材との関係で最適な気密処理がなされることで、気密性と断熱性とが付与されている。
【0054】
上記の如く、床スラブ3が気密性を持って構成される場合、床下空間Cは建物の通気をはかる通気層としての機能を有するのが一般的であり、床下空間Cに通気層としての機能を発揮させることで、床下空間の湿気排出を促進し、耐久性上好ましい状況を得ることが可能となる。
【0055】
床スラブ3の土間Aに対応する端部では、床パネル4の長辺側の端部がH形鋼からなる梁5の上フランジ5aに載置された状態となっているため、気密性断熱材11の上面から床パネル4の小口面を経て梁5の上フランジ5aに気密テープ12が貼り付けられており、この気密テープ12によって床スラブ3の土間Aに対向する端部が気密処理されている。
【0056】
また前述したように、梁5には土間面2との間に配置された気密性断熱材7の上端部が当接し、気密テープ8或いはシーリング材によって貼り付けられることで気密処理されている。従って、床スラブ3の気密層と床スラブ3と土間面2との間の気密層とが梁5を介して連続することとなり、更に、土間面2を構成するコンクリートを介して基礎梁1と連続する。
【0057】
上記の如く、床スラブ3よりも低い位置に形成した土間面2を有する土間Aであっても、床スラブ3の気密層と連続した気密層を形成することが可能である。
【0058】
基礎梁1の天端1aの上方にALCパネルからなる外壁パネル13が配置され、夫々図示しない建物の躯体に取り付けられている。この外壁パネル13の屋内側には該外壁パネル13に対し所定寸法離隔してフェノール樹脂発泡体を含む硬質プラスチック系断熱材からなる板状の気密性断熱材14が配置され、夫々図示しない手段で取り付けられている。
【0059】
外壁パネル13の屋内側の面に沿って配置された気密性断熱材14と基礎梁1との間にはシーリング材15が充填され、これにより、外壁と基礎Bとが気密処理されている。
【0060】
上記の如く、基礎梁1と外壁パネル13の屋内側に配置された気密性断熱材14とが気密性を保持して接続されることで、外壁と土間Aとが連続した気密層を形成することとなる。従って、床スラブ3と土間面2とを気密性断熱材7を介して気密層を連続させると共に、基礎Bと外壁を気密性を保持して接続することで、床スラブ3よりも低い位置に形成された土間面2を有する住宅であっても、該土間Aを含んで気密層を連続させることが可能となる。
【0061】
次に、図3により、上記の如く構成された土間AにユニットバスDを設置したときの構成について簡単に説明する。図に示すように、ユニットバスDの床パン21の下面には複数の排水管22、複数の給湯管23,複数の吸水管(図示せず)が配管されている。これらの配管22,23は、土間Aから気密性断熱材7を貫通して床下空間Cを通り、夫々屋内或いは屋外に設置した図示しない排水主管や給湯器或いはヘッダー等に接続されている。
【0062】
床パン21の下面に配管された配管22,23は定期的に保守,点検を受け、不具合が生じた場合、更新等の作業がなされる。このような作業を行う場合、ユニットバスDそのものを撤去することは不可能であるため、作業員が床下空間Cに侵入し、該床下空間C側から気密性断熱材7をナイフ或いは鋸によって切り抜いて人が作業し得る程度の穴を形成し、この穴を利用して目的の作業を行うことが可能である。そして目的の作業が終了したとき、前記穴に、該穴から切り抜いた片を嵌め込んで気密テープで貼り付けることで気密性を損なうことなく、回復させることが可能である。
【0063】
上記の如く、土間AにユニットバスDを設置する場合、配管22,23を予め設定された位置に設置された排水主管やボイラー或いはヘッダー等に接続するために床下空間Cを通して配管することが必要であり、且つこれらの配管22,23の保守,点検を行う際にも床下空間Cでの作業が必要となる。このため、土間Aと床下空間Cとの間を連通させておくことが必要であり、本発明はこのような場合に有利である。
【0064】
また土間Aにエレベーターのような設備機器を設置する場合であって、土間Aの面積が基礎グリッドの面積よりも小さく、このため、土間面2の周囲に基礎梁1と同様の立上り部分を形成することが困難な場合に適用しても有利である。
【0065】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明に係る土間の気密構造では、床スラブと土間面との間に配置して土間面と床下空間とが連続した面を遮蔽し、且つ気密性断熱材の周縁を気密テープ或いはシーリング材によって気密処理することで、土間面と床スラブとの間に気密層を形成することが出来る。即ち、土間面と床スラブとの間に形成された空間を左官等の職種を必要とせず、通常の断熱,気密工事として、しかも乾式工法で施工することが出来る。このため、工程の管理が容易となる。
【0066】
また土間面と床スラブとの間が気密性を持って接続することとなり、設備機器毎に形状に応じた特有の気密層を形成する必要がない。即ち、設備機器の設置空間を該機器の形状ではなく、設置空間を箱型の形状として捉えて気密層を成形することが出来るため、気密層の施工が容易で且つ設備機器の形状の如何に関わらず作業の標準化及び工法の標準化をはかることが出来る。このため、施工品質を一定の水準に維持することが出来る。
【0067】
また土間に設置した設備機器は一般に10数年の耐用年限であり、確実に発生する更新の際にも気密性能に影響を与えることがない。
【0068】
また床スラブが気密性を保持しており、該床スラブの気密ラインと土間面とが気密性断熱材を介して連続した気密ラインで接続されている場合、土間面と床スラブの気密ラインが連続することとなり、土間面が床スラブよりも低い位置にあるにも関わらず、気密ラインの上では床スラブの延長線として認識することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る土間の気密構造を説明する斜視図である。
【図2】第2実施例に於ける土間と床スラブ及び外壁との関係を説明する図である。
【図3】第2実施例に於いて土間にユニットバスを設置したときの例を示す模式図である。
【符号の説明】
A 土間
B 基礎
C 床下空間
D ユニットバス
1 基礎梁
1a 天端
2 土間面
2a 天端
3 床スラブ
3a 下面
4 床パネル
5 梁
5a 上フランジ
6 開口部
7 気密性断熱材
8 気密テープ
9 シーリング材
11 気密性断熱材
12 気密テープ
13 外壁パネル
14 気密性断熱材
15 シーリング材
21 床パン
22 排水管
23 給湯,給水管

Claims (7)

  1. 端部に気密処理を施された床スラブの側方であって該床スラブよりも低い位置に気密性を有する土間が形成され、
    該床スラブと土間との間には、土間面と床スラブ下方の床下空間とを連続させるべく土間面と床スラブの下面とにわたって形成される開口部と、該開口部を全面にわたって遮蔽して土間面と床下空間との連続を遮蔽する硬質プラスチック系断熱材からなる気密性断熱材とが設けられ、
    前記気密性断熱材の上端部は、前記床スラブ端部との間で気密処理を施された状態とされると共に、前記気密性断熱材の下端部は前記土間に気密処理を施された状態で接続されていることを特徴とする土間の気密構造。
  2. 前記床スラブは、軽量気泡コンクリートパネルからなる床パネルを備えていることを特徴とする請求項1に記載の土間の気密構造。
  3. 前記気密性断熱材に穴を形成し、該穴には、該穴を形成するときに当該気密性断熱材から切り抜いた片がはめ込まれていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の土間の気密構造。
  4. 端部に気密処理を施された床スラブの側方であって該床スラブよりも低い位置に気密性を有する土間を設け、
    該床スラブと土間との間に、土間面と床スラブ下方の床下空間とを連続させるべく土間面と床スラブの下面とにわたる開口部を形成し、
    該開口部を、前記土間面に起立する硬質プラスチック系断熱材からなる気密性断熱材により遮蔽し、前記気密性断熱材の上端部と前記床スラブ端部との間に気密処理を施すと共に、前記気密性断熱材の下端部と前記土間にわたって気密処理を施して土間面と床下空間との連続を遮蔽することを特徴とする土間の気密構造形成方法。
  5. 前記床スラブ下方の床下空間側から気密性断熱材を切り抜いて人が作業し得る程度の穴を形成し、
    該穴を利用して前記土間面上方での所定の作業を行った後、
    前記穴を前記気密性断熱材と同一の材料からなる片で閉鎖する
    ことを特徴とする請求項4に記載の土間の気密構造形成方法。
  6. 前記片は、前記穴から切り抜いたものであることを特徴とする請求項5に記載の土間の気密構造形成方法。
  7. 前記片で閉鎖した後に、前記穴及び片の周縁を気密処理することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の土間の気密構造形成方法。
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