JP4189916B2 - 電子写真用受像シート及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
<1> 支持体と、該支持体の少なくとも一面にトナー受像層を有する電子写真用受像シートにおいて、前記トナー受像層が、線状の非晶性ポリマーと線状の飽和結晶性ポリエステル樹脂との混合物と、カルナバワックスと、二酸化チタンとを含み、かつ該線状の非晶性ポリマーのガラス転移温度(Tg1)と、前記線状の飽和結晶性ポリエステル樹脂の融点(Tm)とが、次式、(Tg1−20℃)≦Tm≦(Tg1+20℃)の関係を満たすと共に、前記Tg1が40〜120℃であることを特徴とする電子写真用受像シートである。
<2> 線状の非晶性ポリマーと線状の飽和結晶性ポリエステル樹脂との混合物における混合質量比(非晶性ポリマー:飽和結晶性ポリエステル樹脂)が9:1である前記<1>に記載の電子写真用受像シートである。
<3> トナー受像層における線状の飽和結晶性ポリエステル樹脂の融点(Tm)と、該トナー受像層に受容されるトナーにおけるバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg2)とが、次式、(Tg2−30℃)≦Tm≦(Tg2+30℃)の関係を満たすと共に、前記Tg2が40〜120℃である前記<1>から<2>のいずれかに記載の電子写真用受像シートである。
<4> 線状の飽和結晶性ポリエステル樹脂の融点(Tm)が、50℃以上100℃未満である前記<3>に記載の電子写真用受像シートである。
<5> 線状の非晶性ポリマーと線状の飽和結晶性ポリエステル樹脂との混合物の含有量が、トナー受像層用組成物に対し固形分で50質量%以上である前記<1>から<4>のいずれかに記載の電子写真用受像シートである。
<6> トナー受像層が、マット剤及びワックスから選択される少なくともいずれかを含む前記<1>から<5>のいずれかに記載の電子写真用受像シートである。
<7> 支持体が、原紙の少なくとも一方の面にポリオレフィン樹脂層を形成してなる前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子写真用受像シートである。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の電子写真用受像シートにトナー画像を形成するトナー画像形成工程と、該トナー画像を加熱加圧部材と、ベルト部材と、冷却装置とを有するベルト定着型平滑化処理機を用いて加熱及び加圧し、冷却し剥離する定着平滑化工程とを有することを特徴とする画像形成方法である。
<9> ベルト部材が、ベルト支持体上にフルオロカーボンシロキサンゴム層を形成した前記<8>に記載の画像形成方法である。
<10> ベルト部材が、ベルト支持体上にシリコーンゴム層と、該シリコーンゴム層の表面にフルオロカーボンシロキサンゴム層を形成した前記<8>に記載の画像形成方法である。
<11> フルオロカーボンシロキサンゴム層におけるフルオロカーボンシロキサンゴムが、主鎖にパーフルオロアルキルエーテル基及びパーフルオロアルキル基の少なくともいずれかを有する前記<9>から<10>のいずれかに記載の画像形成方法である。
本発明の電子写真用受像シートは、支持体と、該支持体上にトナー受像層を少なくとも有し、必要に応じて適宜選択したその他の層、例えば、保護層、クッション層、帯電調節(防止)層、反射層、色味調製層、保存性改良層、接着防止層、アンチカール層、平滑化層などを有してなる。これらの各層は単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
前記トナー受像層は、カラーや黒トナーを受容し、画像を形成するためのトナー受像層である。該トナー受像層は、転写工程にて、(静)電気、圧力等にてトナーを受容し、定着工程にて熱、圧力等にて固定化する機能を有する。
ここで、前記線状の非晶性ポリマー及び線状の結晶性ポリマーとは、以下のような方法で確認されるポリマーを意味する。
まず、窒素雰囲気下において、ポリマーを室温〜320℃まで加熱し、その状態で10分間保持する。次いで室温近傍まで急冷し、直ちに示差走査熱量計(DSC)を用いて再度室温から5℃/分の昇温速度で320℃まで昇温を行い、結晶融解に基づく吸熱曲線を求める。この吸熱曲線において、結晶化に帰属される発熱ピーク(結晶化ピーク)が観察されるポリマーを線状の結晶性ポリマーとし、観察されないポリマーを線状の非晶性ポリマーとする。
前記線状の非晶性ポリマーのガラス転移温度(Tg1)と、前記線状の結晶性ポリマーの融点(Tm)とが、前記関係式を満たさない場合には、トナー受像層のシャープメルト性が損なわれ、トナー定着性と画質と耐接着性とを兼ね備えることができなくなることがある。また、定着温度にもよるが、定着後に相分離が発生する懸念があり、光沢度が低下することがある。更に、経時でも相分離が発生する懸念があり、光沢度が低下することがある。
前記トナーのバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg2)と、前記線状の結晶性ポリマーの融点(Tm)とが、前記関係式を満たさない場合には、トナー定着性と画質と耐接着性とを兼ね備えることができなくなることがある。また、定着温度にもよるが、定着後に相分離が発生する懸念があり、光沢度が低下することがある。更に、経時でも相分離が発生する懸念があり、光沢度が低下することがある。
前記トナーのバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg2)は、40〜120℃が好ましく、50〜100℃がより好ましい。
前記線状の結晶性ポリマーの融点(Tm)は、50℃以上100℃未満が好ましい。
前記非晶性ポリマーのガラス転移温度(Tg1)が、40℃未満であると、耐接着性が低下し、高温保管でシート同士が接着しやすくなることがあり、また、画像形成装置内での走行性が低下しジャミングが発生しやすいことがある。
前記結晶性ポリマーの融点(Tm)が100℃以上及び非結晶性ポリマーの(Tg2)が120℃を超えると、トナー定着性が低下し、光沢度が低下し、エッジボイドの発生等による画質の低下が生じたり、折り曲げでの画像ひび割れが生じ易くなることがある。
前記非晶性ポリマーと結晶性ポリマーとの混合物における混合質量比(非晶性ポリマー:結晶性ポリマー)は1:9〜9:1が好ましく、2:8〜8:2がより好ましい。前記非晶性ポリマーの質量比が少ない場合には、トナー密着性が低下し、表面が脆くなったり、ザラついたりすることがある。一方、前記結晶性ポリマーの質量比が少ない場合には、耐接着性が低下したり、走行性が低下することがある。
なお、前記トナー受像層におけるその他の成分としては、トナー受像層の熱力学的特性を改良する目的で添加される各種添加剤、例えば、可塑剤、着色剤、フィラー、架橋剤、帯電制御剤、その他の成分、などが挙げられる。
前記離型剤は、トナー受像層のオフセットを防ぐため、トナー受像層に配合される。前記離型剤は、定着温度において加熱・融解し、トナー受像層表面に析出してトナー受像層表面に偏在し、更に、冷却・固化されることによってトナー受像層表面に離型剤材料の層を形成するものであれば、その種類は限定されない。
このような作用効果を奏する離型剤としては、シリコーン化合物、フッ素化合物、ワックス及びマット剤から選択される少なくとも1種の離型剤が挙げられる。好ましくは、シリコーンオイル、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、及びシリコーン粒子並びにポリエチレンワックス粒子からなる群より選択される少なくとも1種以上の離型剤が挙げられる。
前記動物系ワックスとしては、例えば、ラノリン、鯨蝋、ステ蝋(鯨油)、羊毛蝋、等が挙げられる。
前記含有量が、0.1g/m2未満であると、耐オフセット性、耐接着性が特に不充分となることがある一方、4g/m2を超えると、ワックス量が多過ぎ、形成される画像の画質が劣ることがある。
前記天然ワックスの融点(℃)としては、特に、耐オフセット性、及び、通紙性の点で、70〜95℃が好ましく、75〜90℃がより好ましい。
以上のポリマーに使用されるモノマーを組み合わせたコポリマーを用いてもよい。
有機マット剤としては、例えば、英国特許1055713号、米国特許1939213号、同2221873号、同2268662号、同2322037号、同2376005号、同2391181号、同2701245号、同2992101号、同3079257号、同3262782号、同3443946号、同3516832号、同3539344号、同3591379号、同3754924号、同3767448号の各明細書、特開昭49−106821号公報、特開昭57−14835号公報に記載されたものが挙げられる。
また、二種類以上の固体粒子を併用してもよい。固体粒子の平均粒径は、例えば、1〜100μmが好ましく、4〜30μmがより好ましい。前記固体粒子の使用量は、0.01〜0.5g/m2が好ましく、0.02〜0.3g/m2がより好ましい。
また前記離型剤としては、特に、前記トナー受像層の熱可塑性樹脂として水系の熱可塑性樹脂を用いた場合の相溶性等の点で、水分散型の離型剤が好ましい。
前記可塑剤としては、公知の樹脂用の可塑剤を特に制限なく使用することができる。該可塑剤は、トナーを定着する時の熱及び/又は圧力によって、トナー受像層が流動又は柔軟化するのを調整する機能を有する。
前記可塑剤としては、「化学便覧」(日本化学会編、丸善)、「可塑剤−その理論と応用−」(村井孝一編著、幸書房)、「可塑剤の研究 上」「可塑剤の研究 下」(高分子化学協会編)、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等を参考にして選択することができる。
前記可塑剤は、トナー受像層中において、ミクロに分散された状態でもよいし、海島状にミクロに相分離した状態でもよいし、バインダー等の他の成分と充分に混合溶解した状態でもよい。
前記可塑剤の、前記トナー受像層における含有量としては、0.001〜90質量%が好ましく、0.1〜60質量%がより好ましく、1〜40質量%が更に好ましい。
前記可塑剤は、スベリ性(摩擦力低下による搬送性向上)の調整や、定着部オフセット(定着部へのトナーや層の剥離)の改良、カールバランスの調整、帯電調整(トナー静電像の形成)等の目的で使用してもよい。
前記蛍光増白剤は、近紫外部に吸収を持ち、400〜500nmに蛍光を発する化合物で、公知の蛍光増白剤が特に制限なく各種使用することができる。該蛍光増白剤としては、K.VeenRataraman編“The Chemistry of Synthetic Dyes”V巻8章に記載されている化合物を好適に挙げることができる。具体的には、スチルベン系化合物や、クマリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、カルボスチリル系化合物などが挙げられる。それらの例としては、住友化学製ホワイトフルファーPSN、PHR、HCS、PCS、B;Ciba−Geigy社製UVITEX−OBなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記顔料としては、特に酸化チタンが好ましい。
油溶性染料としては、アントラキノン系化合物、アゾ系化合物などが挙げられる。
水不溶性染料の具体例としては、C.I.Vatヴァイオレット1、C.I.Vatヴァイオレット2、C.I.Vatヴァイオレット9、C.I.Vatヴァイオレット13,C.I.Vatヴァイオレット21、C.I.Vatブルー1、C.I.Vatブルー3、C.I.Vatブルー4、C.I.Vatブルー6、C.I.Vatブルー14、C.I.Vatブルー20、C.I.Vatブルー35等の建染染料;C.I.ディスパーズヴァイオレット1、C.I.ディスパーズヴァイオレット4、C.I.ディスパーズヴァイオレット10、C.I.ディスパーズブルー3、C.I.ディスパーズブルー7、C.I.ディスパーズブルー58等の分散染料;C.I.ソルベントヴァイオレット13、C.I.ソルベントヴァイオレット14、C.I.ソルベントヴァイオレット21、C.I.ソルベントヴァイオレット27、C.I.ソルベントブルー11、C.I.ソルベントブルー12、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー55等の油溶性染料、などが挙げられる。
なお、銀塩写真で用いられているカラードカプラーも好ましく用いることができる。
前記着色剤の含有量が0.1g/m2に満たないと、トナー受像層における光透過率が高くなり、一方、着色剤の含有量が8g/m2を超えると、ヒビ割れ、耐接着等の取り扱い性が悪いことがある。
また、前記フィラーとして、各種無機フィラー(又は顔料)を用いることができる。無機顔料としては、例えば、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、雲母状酸化鉄、鉛白、酸化鉛、酸化コバルト、ストロンチウムクロメート、モリブデン系顔料、スメクタイト、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、ムライト等が挙げられる。フィラーとしては、特に、シリカや、アルミナが好ましい。これらのフィラーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また前記フィラーとしては、粒径の小さいものが好ましい。粒径が大きいと、トナー受像層の表面が粗面化し易い。
前記シリカは、多孔質であるのが好ましい。多孔質シリカの平均孔径は、4〜120nmが好ましく、4〜90nmがより好ましい。また、多孔質シリカの質量当りの平均孔容積は、0.5〜3ml/gが好ましい。
前記フィラーは、トナー受像層のバインダーの乾燥質量100質量部に基づいて、5〜2000質量部が好ましい。
前記架橋剤としては、樹脂用のカップリング剤、硬化剤、重合剤、重合促進剤、凝固剤、造膜剤、造膜助剤等として公知の化合物を用いることができる。カップリング剤の例としては、例えば、クロロシラン類、ビニルシラン類、エポキシシラン類、アミノシラン類、アルコキシアルミニウムキレート類、チタネートカップリング剤などが挙げられる他、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等に挙げられた公知のものを用いることができる。
前記帯電調整剤としては、従来から公知の各種帯電調整剤を使用することができる。このような帯電調整剤としては、例えば、カチオン界面活性剤や、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の界面活性剤等の他、高分子電解質、導電性金属酸化物等を使用できる。例えば、第4級アンモニウム塩や、ポリアミン誘導体、カチオン変性ポリメチルメタクリレート、カチオン変性ポリスチレン等のカチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート、アニオン系ポリマー等のアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステル、ポリエチレンオキサイド等のノニオン系帯電防止剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
導電性金属酸化物としては、例えば、ZnO、TiO2、SnO2、Al2O3、In2O3、SiO2、MgO、BaO、MoO3等を挙げることができる。これらの導電性金属酸化物は、単独で使用しても良く、これらの複合酸化物で使用しても良い。また、前記金属酸化物は、異種元素を更に含有させてもよく、例えば、ZnOに対して、Al、In等、TiO2に対してNb、Ta等、SnO2に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等を含有(ドーピング)させることができる。
また、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品 改訂第2版」(1993年、ラバーダイジェスト社)p122〜137に記載の紫外線吸収剤、光安定剤も好ましく用いられる。
1.増白剤 24頁 648頁右欄 868頁
2.安定剤 24頁〜25頁 649頁右欄 868〜870頁
3.光吸収剤 25頁〜26頁 649頁右欄 873頁
(紫外線吸収剤)
4.色素画像安定剤 25頁 650頁右欄 872頁
5.硬膜剤 26頁 651頁左欄 874〜875頁
6.バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁
7.可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 876頁
8.塗布助剤 26頁〜27頁 650頁右欄 875〜876頁
(界面活性剤)
9.スタチック防止剤 27頁 650頁右欄 876〜877頁
10.マット剤 878〜879頁
前記トナー受像層は、乾燥後の塗布質量は、例えば、1〜20g/m2が好ましく、4〜15g/m2がより好ましい。
前記トナー受像層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、1〜30μmが好ましく、2〜20μmがより好ましい。
また、前記白色度としては、具体的には、CIE 1976(L*a*b*)色空間において、L*値は80以上が好ましく、85以上がより好ましく、90以上が更に好ましい。また、白色の色味はできるだけニュートラルであるのが好ましい。前記白色色味としては、L*a*b*空間において、(a*)2+(b*)2の値は50以下が好ましく、18以下がより好ましく、5以下が更に好ましい。
但し、光沢度は110以下が好ましい。110を超えると金属光沢のようになり画質として好ましくない。
尚、前記光沢度は、JIS Z8741に基づいて測定することができる。
尚、前記算術平均粗さは、JIS B0601、JIS B0651、JIS B0652に基づいて測定することができる。
(1)トナー受像層のTg(ガラス転移温度)が30℃以上、トナーのTg+20℃以下である。
(2)トナー受像層のT1/2(1/2法軟化点)が、60〜200℃、好ましくは、80〜170℃。ここで、1/2法軟化点は、特定の装置を使用し、特定の条件の下で、所定の押出加重を加えながら、初期設定温度(例えば、50℃)で余熱時間、例えば、300秒後に、所定の等速昇温速度で昇温した時の各温度における流出開始時と終了時のピストンストロークの差の2分の1となる温度で評価される。
(3)トナー受像層のTfb(流出開始温度)が、40〜200℃、好ましくは、トナー受像層のTfbが、トナーのTfb+50℃以下である。
(4)トナー受像層の粘度が1×105cpになる温度が、40℃以上、トナーのそれより低い。
(5)トナー受像層の定着温度における貯蔵弾性率(G’)が、1×102〜1×105Pa、損失弾性率(G”)が、1×102〜1×105Paである。
(6)トナー受像層の定着温度における損失弾性率(G”)と、貯蔵弾性率(G’)との比である損失正接(G”/G’)が、0.01〜10である。
(7)トナー受像層の定着温度における貯蔵弾性率(G’)が、トナーの定着温度における損失弾性率(G”)に対して、−50〜+2500である。
(8)溶融トナーのトナー受像層上の傾斜角が、50度以下、特に40度以下である。
また、トナー受像層としては、特許第2788358号明細書、特開平7−248637号、同8−305067号、同10−239889号公報等に開示されている物性等を満足するものが好ましい。
前記表面抵抗が1×106Ω/cm2未満であると、トナー受像層にトナーが転写される際のトナー量が充分でなく、得られるトナー画像の濃度が低くなり易いことがある一方、表面電気抵抗が、1×1015Ω/cm2を超えると、転写時に必要以上の電荷が発生し、トナーが充分に転写されず、画像の濃度が低く、電子写真用受像シートの取り扱い中に静電気を帯びて塵埃が付着し易く、また複写時にミスフィード、重送、放電マーク、トナー転写ヌケ等が発生することがある。
前記表面電気抵抗の測定は、JIS K6911に準拠し、サンプルを温度20℃、湿度65%の環境下に8時間以上調湿し、同じ環境下で、アドバンテスト(株)製R8340を使用し、印加電圧100Vの条件で、通電して1分間経過した後に測定することで得られる。
〔支持体〕
前記支持体としては、例えば、原紙、合成紙、合成樹脂シート、コート紙、ラミネート紙、等が挙げられる。これらの支持体は、単層構成でもよく、2層以上の積層構成でもよい。これらの中でも、片面又は両面にポリオレフィン樹脂層を被覆したラミネート紙が、平滑光沢性及び伸縮性の点で好ましい。
前記原紙としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、具体的には、上質紙、例えば、日本写真学会編「写真工学の基礎−銀塩写真編−」、株式会社コロナ社刊(昭和54年)(223)〜(240)頁記載の紙等が好適なものとして挙げられる。
前記パルプの叩解には、ビータ、リファイナー等を使用できる。
前記パルプのカナダ標準濾水度は、抄紙工程において紙の収縮を制御できるため、200〜440mlC.S.F.がより好ましく、250〜380mlC.S.F.が更に好ましい。
前記パルプを叩解した後に得られるパルプスラリー(以下、「パルプ紙料」と称することがある)には、更に必要に応じて、各種添加剤、例えば、填料、乾燥紙力増強剤、サイズ剤、湿潤紙力増強剤、定着剤、pH調整剤、その他の薬剤などが添加される。
前記乾燥紙力増強剤としては、例えば、カチオン化澱粉、カチオン化ポリアクリルアミド、アニオン化ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、等が挙げられる。
前記サイズ剤としては、例えば、脂肪酸塩、ロジン、マレイン化ロジン等のロジン誘導体、パラフィンワックス、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水琥珀酸(ASA)、エポキシ化脂肪酸アミド、などが挙げられる。
前記湿潤紙力増強剤としては、例えば、ポリアミンポリアミドエピクロロヒドリン、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂、等が挙げられる。
前記定着剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の多価金属塩;カチオン化澱粉等のカチオン性ポリマー、等が挙げられる。
前記pH調整剤としては、例えば、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、等が挙げられる。
前記その他の薬剤としては、例えば、消泡剤、染料、スライムコントロール剤、蛍光増白剤、等が挙げられる。
更に必要に応じて、柔軟化剤等を添加することもできる。前記柔軟化剤としては、例えば、新・紙加工便覧(紙薬タイム社編)554〜555頁(1980年発行)などに記載のものを用いることができる。
前記水溶性高分子化合物としては、例えば、カチオン化澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースサルフェート、ゼラチン、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
前記顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン、等が挙げられる。
E=ρc2(1−n2)
〔但し、上記式において、Eは、動的弾性率を意味する。ρは密度を意味する。cは、紙中の音速を意味する。nは、ポアソン比を意味する。
E=ρc2
即ち、紙の密度、音速を測定することができれば、容易に弾性率を求めることができる。上式において、音速を測定する場合には、ソニックテスターSST−110型(野村商事(株)製)等の公知の各種機器を用いることができる。
前記合成紙は、セルロース以外のポリマー繊維を主成分とする紙であり、前記ポリマー繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、などが挙げられる。
前記合成樹脂シート(フィルム)としては、合成樹脂をシート状に成形したもの等が挙げられ、例えば、ポリプロピレンフィルム、延伸ポリエチレンフィルム、延伸ポリプロピレン、ポリエステルフィルム、延伸ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、延伸により白色にしたフィルム、白色顔料を含む白色フィルムなどが挙げられる。
前記コート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴムラテックス又は高分子材料を片面又は両面に塗工した紙であり、用途に応じて、塗工量が異なる。このようなコート紙としては、例えば、アート紙、キャストコート紙、ヤンキー紙等が挙げられる。
(ロ)エステル結合を有する熱可塑性樹脂である。例えば、ジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、カルボキシル基等が置換していてもよい)と、アルコール成分(これらのアルコール成分には水酸基などが置換されていてもよい)との縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル樹脂又はポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等が挙げられる。
具体的には、特開昭59−101395号公報、同63−7971号公報、同63−7972号公報、同63−7973号公報、同60−294862号公報などに記載のものを挙げることができる。
また、市販品としては、東洋紡製のバイロン290、バイロン200、バイロン280、バイロン300、バイロン103、バイロンGK−140、バイロンGK−130;花王製のタフトンNE−382、タフトンU−5、ATR−2009、ATR−2010;ユニチカ製のエリーテルUE3500、UE3210、XA−8153、KZA−7049、KZA−1449;日本合成化学製のポリエスターTP−220、R−188;星光化学工業社製のハイロスシリーズの各種熱可塑性樹脂、等が挙げられる。
(ニ)ポリアミド樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
(ホ)ポリスルホン樹脂等が挙げられる。
(ヘ)ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられる。
(ト)ポリビニルブチラール等の、ポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂等が挙げられる。
(チ)ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
なお、前記熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ラミネート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴム又は高分子シート又はフィルム等をラミネートした紙である。前記ラミネート材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリイミド、トリアセチルセルロース等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
尚、これらのシート又はフィルムには、白色反射性を与える処理を行ってもよい。このような処理方法としては、例えば、これらのシート又はフィルム中に酸化チタンなどの顔料を配合する方法が挙げられる。
前記その他の層としては、例えば、表面保護層、バック層、密着改良層、中間層、下塗り層、クッション層、帯電調節(防止)層、反射層、色味調製層、保存性改良層、接着防止層、アンチカール層、及び、平滑化層等が挙げられる。これらの層は、単層構成であってもよく、2以上の層より構成されていてもよい。
前記電子写真用受像シートにおける最表面層(例えば、表面保護層が形成されている場合には、表面保護層等)としては、定着性の点で、トナーとの相溶性が良いのが好ましい。具体的には、溶融したトナーとの接触角が、例えば0〜40度であることが好ましい。
前記バック層の色としては、特に制限はないが、前記電子写真用受像シートが、裏面にも画像を形成する両面出力型受像シートの場合、バック層も白色であることが好ましい。白色度及び分光反射率は、表面と同様に85%以上が好ましい。
また、両面出力適性改良のため、バック層の構成がトナー受像層側と同様であってもよい。バック層には、上記で説明した各種の添加剤を用いることができる。このような添加剤として、特にマット剤や、帯電調整剤等を配合することが適当である。バック層は、単層構成であってもよく、2層以上の積層構成であってもよい。
また、定着時のオフセット防止のため、定着ローラ等に離型性オイルを用いている場合、バック層は、オイル吸収性としてもよい。
前記電子写真用受像シートは、印刷又は複写の際に、トナー受像層にトナーを受容させて使用される。
前記トナーは、結着樹脂と着色剤とを少なくとも含有し、必要に応じて離型剤、その他の成分を含有する。
前記結着樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロルスチレンなどのスチレン類;ビニルナフタレン、塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメチレン脂肪族カルボン酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリルロニトリル、アクリルアミドなどのビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類;メタクリル酸、アクリル酸、桂皮酸などのビニルカルボン酸類などビニル系モノマーの単独重合体やその共重合体、更には各種ポリエステル類を使用することができ、各種ワックス類を併用することも可能である。
これらの樹脂の中で、特に本発明のトナー受像層に用いたものと同一系統の樹脂を用いるのが好ましい。
前記着色剤としては、通常トナーに用いられているものを制限なく使用することができ、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどの種々の顔料が挙げられる。また、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料などが挙げられる。これら着色剤は1種単独で使用してもよいし、複数種類を併せて使用してもよい。
着色剤の含有量は、2〜8質量%の範囲が好ましい。着色剤の含有量が2質量%以上であれば着色力が弱くなることもなく、一方、8質量%以下であれば、透明性が損なわれることもないので好ましい。
前記離型剤としては、原理的には、公知のワックス全てが使用可能であるが、比較的低分子量の高結晶性ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、アミドワックス、ウレタン化合物など窒素を含有する極性ワックスなどが特に有効である。ポリエチレンワックスの分子量は1000以下が好ましく、300〜1000がより好ましい。
ジイソシアン酸化合物としては、ジイソシアン酸トリレン、ジイソシアン酸4、4’ジフェニルメタン、ジイソシアン酸トルエン、ジイソシアン酸1、3−フェニレン、ジイソシアン酸ヘキサメチレン、ジイソシアン酸4−メチル−m−フェニレン、ジイソシアン酸イソホロンなどが挙げられる。
モノアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノールなど極く一般的なアルコール類を使用することが可能である。
原料化合物のうちジアルコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチレングリコールなど多数のグリコール類;トリアルコール類としては、トリメチロールプロパン、トリエチロールプロパン、トリメタノールエタンなどが使用可能であるが、必ずしもこの範囲に限定されない。
また、前記トナーには、内添剤、帯電制御剤、無機微粒子等のその他の成分を配合することができる。内添剤としては、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、又はこれら金属を含む化合物などの磁性体を使用することができる。
前記トナーの体積平均粒子径は0.5μm以上10μm以下が好ましい。
前記トナーの体積平均粒子径が小さすぎると、トナーのハンドリング(補給性、クリーニング性、流動性等)に悪影響が生じる場合があり、また、粒子生産性が低下する場合がある。一方、トナーの体積平均粒子径が大きすぎると、粒状性、転写性に起因する画質、解像度に悪影響を与える場合がある。
また、前記トナーは、前記トナーの体積平均粒子径範囲を満たし、かつ体積平均粒度分布指数(GSDv)は1.3以下が好ましい。
前記体積平均粒度分布指数(GSDv)と数平均粒度分布指数(GSDn)との比(GSDv/GSDn)は0.95以上が好ましい。
また、前記トナーは、前記トナーの体積平均粒子径範囲を満たし、かつ下記式で表される形状係数の平均値は1.00〜1.50が好ましい。
形状係数=(π×L2)/(4×S)
(但し、Lは、トナー粒子の最大長を表す。Sは、トナー粒子の投影面積を示す。)
前記トナーが上記条件を満たす場合には、画質、特に、粒状性、解像度に効果があり、また、転写に伴う抜けやブラーが生じにくく、平均粒径が小さくなくてもハンドリング性に悪影響が出にくくなる。
本発明の画像形成方法は、本発明の電子写真用受像シートにトナー画像を形成するトナー画像形成工程と、該トナー画像を加熱加圧部材と、ベルト部材と、冷却装置とを有するベルト定着型平滑化処理機を用いて加熱及び加圧し、冷却し剥離する定着平滑化工程とを有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
前記トナー画像形成工程としては、電子写真用受像シートにトナー画像を形成することができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、通常の電子写真方法で使用される方法、例えば、現像ローラ上に形成したトナー画像を電子写真用受像シートに転写する直接転写方式、或いは中間転写ベルト等に一次転写した後、電子写真用受像シートに転写する中間転写ベルト方式がある。環境安定性及び高画質化の面から、中間転写ベルト方式が好ましくは使用される。
前記定着平滑化工程は、トナー画像を加熱加圧部材と、ベルト部材と、冷却装置とを有するベルト定着型平滑化処理機を用いて加熱及び加圧し、冷却し剥離する工程である。
前記ベルト定着型平滑化処理機としては、加熱加圧部材、ベルト部材と、冷却装置と、を有し、冷却剥離部、更に必要に応じてその他の部材を備えている。
前記冷却装置としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、冷気を送風可能であり、冷却温度等を調節可能である冷却装置、ヒートシンク、などが用いられる。
前記冷却剥離部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、電子写真用受像シート自身の剛性(腰の強さ)でベルトから剥離するテンションロール近傍位置を意味する。
前記支持体フィルムとしては、耐熱性を備えていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリパラバン酸(PPA)、などが挙げられる。
前記フルオロカーボンシロキサンゴムとしては、下記(A)〜(D)成分を含有するフルオロカーボンシロキサンゴム組成物の硬化物が好適である。
(A)下記一般式(1)のフルオロカーボンシロキサンを主成分とし、脂肪族不飽和基を有するフルオロカーボンポリマー、(B)1分子中に2個以上の≡SiH基を含有し、上記フルオロカーボンシロキサンゴム組成物中の脂肪族不飽和基量に対して上記≡SiH基の含有量が1〜4倍モル量であるオルガノポリシロキサン及びフルオロカーボンシロキサンの少なくともいずれか、(C)充填剤、及び(D)有効量の触媒。
a,eは、それぞれ0又は1の整数を表す。b,dは、それぞれ1〜4の整数を表す。cは、0〜8の整数を表す。また、xは、1以上が好ましく、10〜30がより好ましい。
まず、画像形成装置(不図示)でトナー12が電子写真用受像シート1に転写される。トナー12が付着した電子写真用受像シート1は、搬送設備(不図示)でA点に運ばれ、加熱ローラ14と加圧ローラ15の間を通過し、電子写真用受像シート1のトナー受像層或いはトナー12が十分に軟化する温度(定着温度)及び圧力で加熱及び加圧される。
このように加熱及び加圧され、後に電子写真用受像シート1が、定着ベルト13により冷却装置16に運ばれる間に、トナー受像層内に離散的に存在していた離型剤(不図示)が十分に加熱されて溶融し、トナー受像層表面に移動する。移動してきた離型剤は、トナー受像層表面に離型剤の層(膜)を形成する。その後、電子写真用受像シート1は、定着ベルト13により冷却装置16に運ばれて、例えば、トナー受像層のポリマー及び/又はトナーに使用されるバインダー樹脂の軟化点以下又はガラス転移点+10℃以下の温度、好ましくは、20〜80℃、より好ましくは室温(25℃)に冷却される。これにより、トナー受像層表面に形成された離型剤の層(膜)が冷却・固化し、離型剤層を形成する。
冷却された電子写真用受像シート1は、更に定着ベルト13によりB点に運ばれ、定着ベルト13は、テンションローラ17上を移動する。従って、B点にて電子写真用受像シート1と定着ベルト13が剥離する。なお、電子写真用受像シートが自身の剛性(腰の強さ)でベルトから剥離するようにテンションロールの径を小さく設定することが好ましい。
図2中、200は画像形成装置、37は、感光体ドラム、19は、現像装置、31は、中間転写ベルト、18は、電子写真用受像シート、25は、定着ベルト部(ベルト定着装置)、をそれぞれ示す。
図3は、前記図2の画像形成装置200の内部に配設される定着ベルト部(ベルト定着装置)25を示すものである。
このベルト定着装置25は、図3に示すように、加熱ロール71と、該加熱ロール71を含む剥離ロール74、テンションロール75により回動可能に支持された無端ベルト73と、前記加熱ロール71に無端ベルト73を介して圧接する加圧ロール72とを備えている。
また、前記無端ベルト73の内面側には、加熱ロール71と剥離ロール74との間に、該無端ベルト73を強制的に冷却する冷却用のヒートシンク77が配設されており、この冷却用ヒートシンク77によって電子写真用受像シートの冷却及びシートの搬送を行う冷却・シート搬送部が構成されている。
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)をディスクリファイナーで300ml(カナダ標準ろ水度、C.S.F.)まで叩解し、繊維長0.58mmに調整した。このパルプ紙料に対して、パルプの質量に基づいて、以下の割合で添加剤を添加した。
添加剤の種類 量(%)
カチオン澱粉 1.2
アルキルケテンダイマー(AKD) 0.5
アニオンポリアクリルアミド 0.3
エポキシ化脂肪酸アミド(EFA) 0.2
ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン 0.3
注)AKDは、アルキルケテンダイマー(アルキル部分は、ベヘン酸を主体とする脂肪酸由来のものである)を意味する。EFAは、エポキシ化脂肪酸アミド(脂肪酸部分は、ベヘン酸を主体とする脂肪酸由来のものである)を意味する。
抄紙工程の最後で、ソフトカレンダーを用いて、密度を1.01g/cm3に調整した。得られた原紙において、トナー受像層が設けられる側において、金属ロールが接するように通紙し、金属ロールの表面温度は140℃であった。得られた原紙の白色度は91%、王研式平滑度は265秒、ステキヒト・サイズ度は127秒であった。
その後、表面に出力18kW、裏面に出力12kWのコロナ放電により処理した後、表面にはゼラチン下塗り層を、裏面にはコロイダルアルミナ、コロイダルシリカ、及びPVAを含有する帯電防止下塗り層とを設け、支持体を作製した。
−電子写真用受像シートの作製−
前記支持体上に、ワイヤーコーターにて、下記組成のトナー受像層用組成物を塗布し、90℃×2分間の条件で乾燥し、トナー受像層を形成した。
−−トナー受像層用組成物−−
非晶性ポリマー(表4に記載A−1〜A−5)と
結晶性ポリマー(表4に記載のB−1〜B−4)との混合物・・・100g
シリコーン系化合物(信越シリコーン株式会社製、FL−100)・・・1g
トリフェニルフォスフェート・・・9g
二酸化チタン(石原産業製、タイペーク@A−220)・・・15.5g
メチルエチルケトン・・・160g
カルナバワックス・・・5g
マット剤(架橋アクリル樹脂粒子、平均粒子径=15μm)・・・1.5g
−−バック層用組成物−−
ポリエステル樹脂分散液・・・100g
(東洋紡製、バイロナールMD−1200、固形分=34質量%)
多孔性シリカ(富士サイリシア製、サイリシア)・・・28g
マット剤(日本触媒製、エポスターL15)・・・12g
水・・・250g
実施例1において、トナー受像層用組成物からカルナバワックス及びマット剤を除いた以外は、実施例1と同様にして、実施例7の電子写真用受像シートを作製した。
具体的には、プリント用画像として、白ベタ、グレー(画像のR=G=B=50%)、黒(100%)、及び女性のポートレイト画像を使用した。電子写真装置としては、下記定着ベルトを有するベルト定着装置を用いたことを除いて、富士ゼロックス製カラーレーザープリンタ(C−2220)を用いた。
前記定着ベルトとして、ポリイミド製のベース層上にシリコーンゴム用プライマーであるDY39−115(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を塗布後、風乾30分の後、シリコーンゴム前駆体であるDY35−796AB(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)100質量部とn−ヘキサン30質量部により調整した塗布液を浸漬塗布により塗膜を形成し、120℃にて10分の一次加硫を行い、厚み40μmのシリコーンゴム層を形成した。このシリコーンゴム層上に、フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体であるSIFEL610(信越化学工業株式会社製)100質量部とフッ素系溶媒(m−キシレンヘキサフロライド、パーフロロアルカン、パーフロロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)の混合溶剤)20質量部により調整した塗布液を浸漬塗布により塗膜を形成した後、120℃にて10分の一次加硫、180℃にて4時間の二次加硫を行い、厚み20μmのフルオロカーボンシロキサンゴム層を有する定着ベルトを用いた。
なお、プリンターの印刷速度は、原則として30mm/秒とし、トナーの定着温度は
、加熱ローラの温度を155℃、加圧ローラの温度を130℃とした。この装置を使用して、電子写真用受像シートに上記ポートレイト画像及び白ベタ、グレー、黒の5cm角のパターンを転写した。なお、トナーのバインダー樹脂のガラス転移温度は52℃であった。
電子写真複写機(富士ゼロックス(株)製、DCC−500CP(ただし、定着部は図3に示すようなベルト定着装置に変更))を用い複写し、得られた複写フィルムについて全面が画像の部分(黒ベタ部分)をセロテープ剥離試験し、セロテープ剥離前後のトナー画像の光学濃度を光学濃度計(X−Rite310TR、X−Rite社製)にて測定し、下式によりトナー定着性を評価した。
所定環境(40℃、80%RH)に24時間調整した後、A4サイズに裁断した各電子写真用受像シートサンプルにおけるトナー受像層面同士を対向させて重ね合わせ、3.5cm×3.5cmにおいて500gの荷重を加え、同一環境下で7日間放置した後、サンプルを引き離した際の状態を、下記基準により評価した。なお、本発明では、○以上が実用上好ましいレベルである。
〔評価基準〕
◎:引き離した際の剥離音、接着跡共になし
○:引き離した際、軽微な剥離音や接着跡がある
△:引き離した際、接着跡が1/4未満残る
△△:引き離した際、接着跡が1/4以上1/2未満残る
×:引き離した際、接着跡が1/2以上残る
得られた各電子写真用受像シートに対し、カラーレーザープリンタC−2200(富士ゼロックス(株)製)を用い、黒色の最大濃度で均一10cmの画像を絵出しし、所定環境(10℃、15%RH)に一日間放置した。その後、1、2、3、4及び5cmφの丸棒を各々用意し、画像面が外側になるように大径の棒から順次小径の棒に巻き付け、ヒビ割れが発生しなかった最小径を記録した。なお、本発明では、直径2cm以下が実用上好ましいレベルである。
各電子写真用受像シートについて、定着ベルト方式の電子写真装置を用いて画像を形成し、以下のようにして光沢性を測定した。
前記電子写真用受像シートを、下記プリンターを用い、B/W条件で濃度を6段階(0、20、40、60、80、100%)に10cm四方で絵出しして画像を形成し、得られた各画像をJIS Z8741に準じてデジタル変角光沢度計(スガ試験機製、UGV−5G)で20度測定にて測定し、その最小値を記録した。
富士ゼロックス株式会社製カラーレーザープリンタ C−2220(但し、定着部は図3に示すベルト定着部に変更)を用い、30℃、80%RHの下で電子写真用受像シートを給紙して、定着ローラ表面に貝殻状のムラが発生しているか否かについて評価した。貝殻状のムラとは、トナー及びトナー受像層が定着ローラに部分的に付着し、定着ローラ表面があれた状態とする。このようなムラが定着ローラ表面全体に発生すると、電子写真用受像シートの巻き付きが生じ、給紙中に紙詰まりが生じることになる。
〔評価基準〕
○:貝殻状のムラがない
△:貝殻状のムラが一部に発生
×:貝殻状のムラが全体に発生
*A−1:アクリル樹脂(三洋化成(株)製、ハイマーSB−75、Tg=35℃)
*A−2:アクリル樹脂(三洋化成(株)製、TB−1000F、Tg=60℃)
*A−3:ポリエステル樹脂(花王(株)製、タフトーンB、Tg=65℃)
*A−4:ポリエステル樹脂(花王(株)製、タフトーンU−5、Tg=73℃)
*A−5:ポリカーボネート(PC)樹脂(三井石油化学(株)製、Tg=145℃)
*B−1:ポリエステル樹脂(テストサンプル−1、Tm=45℃)
*B−2:ポリエステル樹脂(テストサンプル−2、Tm=55℃)
*B−3:ポリエステル樹脂(テストサンプル−3、Tm=75℃)
*B−4:ポリエステル樹脂(テストサンプル−4、Tm=222℃)
本発明の画像形成方法によれば、簡単な処理により効率よく銀塩写真プリントに近似した高画質な画像を形成することができる。
12 トナー
13 定着ベルト
14 加熱ローラ
15 加圧ローラ
16 冷却装置
17 テンションローラ
18 電子写真用受像シート
19 現像装置
25 ベルト定着装置
31 中間転写ベルト
71 加熱ロール
72 加圧ロール
74 剥離ロール
75 テンションロール
73 無端ベルト
77 冷却ヒートシンク
200 画像形成装置
Claims (11)
- 支持体と、該支持体の少なくとも一面にトナー受像層を有する電子写真用受像シートにおいて、前記トナー受像層が、線状の非晶性ポリマーと線状の飽和結晶性ポリエステル樹脂との混合物と、カルナバワックスと、二酸化チタンとを含み、かつ該線状の非晶性ポリマーのガラス転移温度(Tg1)と、前記線状の飽和結晶性ポリエステル樹脂の融点(Tm)とが、次式、(Tg1−20℃)≦Tm≦(Tg1+20℃)の関係を満たすと共に、前記Tg1が40〜120℃であることを特徴とする電子写真用受像シート。
- 線状の非晶性ポリマーと線状の飽和結晶性ポリエステル樹脂との混合物における混合質量比(非晶性ポリマー:飽和結晶性ポリエステル樹脂)が9:1である請求項1に記載の電子写真用受像シート。
- トナー受像層における線状の飽和結晶性ポリエステル樹脂の融点(Tm)と、該トナー受像層に受容されるトナーにおけるバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg2)とが、次式、(Tg2−30℃)≦Tm≦(Tg2+30℃)の関係を満たすと共に、前記Tg2が40〜120℃である請求項1から2のいずれかに記載の電子写真用受像シート。
- 線状の飽和結晶性ポリエステル樹脂の融点(Tm)が、50℃以上100℃未満である請求項3に記載の電子写真用受像シート。
- 線状の非晶性ポリマーと線状の飽和結晶性ポリエステル樹脂との混合物の含有量が、トナー受像層用組成物に対し固形分で50質量%以上である請求項1から4のいずれかに記載の電子写真用受像シート。
- トナー受像層が、マット剤及びワックスから選択される少なくともいずれかを含む請求項1から5のいずれかに記載の電子写真用受像シート。
- 支持体が、原紙の少なくとも一方の面にポリオレフィン樹脂層を形成してなる請求項1から6のいずれかに記載の電子写真用受像シート。
- 請求項1から7のいずれかに記載の電子写真用受像シートにトナー画像を形成するトナー画像形成工程と、該トナー画像を加熱加圧部材と、ベルト部材と、冷却装置とを有するベルト定着型平滑化処理機を用いて加熱及び加圧し、冷却し剥離する定着平滑化工程とを有することを特徴とする画像形成方法。
- ベルト部材が、ベルト支持体上にフルオロカーボンシロキサンゴム層を形成した請求項8に記載の画像形成方法。
- ベルト部材が、ベルト支持体上にシリコーンゴム層と、該シリコーンゴム層の表面にフルオロカーボンシロキサンゴム層を形成した請求項8に記載の画像形成方法。
- フルオロカーボンシロキサンゴム層におけるフルオロカーボンシロキサンゴムが、主鎖にパーフルオロアルキルエーテル基及びパーフルオロアルキル基の少なくともいずれかを有する請求項9から10のいずれかに記載の画像形成方法。
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