JP2004271791A - 電子写真用受像シート用支持体、電子写真用受像シート及び画像形成方法 - Google Patents

電子写真用受像シート用支持体、電子写真用受像シート及び画像形成方法 Download PDF

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重久 玉川
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一仁 宮宅
Shinji Kato
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Abstract

【課題】良好な銀塩写真ライク適性(画質、色調、輝度、風合など)を備え、銀塩写真画質に近い高画質画像が得られる電子写真用受像シート及び該電子写真用受像シートを用いた画像形成方法の提供。
【解決手段】原紙の両面にポリオレフィン樹脂層を設けてなる電子写真用受像シート用支持体において、該支持体の少なくともトナー受像層を設ける側(表面側)のポリオレフィン樹脂層が、蛍光増白剤0.01〜0.5質量%と、ブルーイング剤0.01〜1.3質量%を含有する電子写真用受像シート用支持体。該支持体の少なくともトナー受像層を設ける側(表面側)のポリオレフィン樹脂層が、白色顔料を3〜30質量%含有する態様が好ましい。該電子写真用受像シート用支持体を用いた電子写真用受像シート。該電子写真用受像シートを用いた画像形成方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原紙の両面にポリオレフィン樹脂層を設けてなり、該ポリオレフィン樹脂層中における蛍光増白剤とブルーイング剤との含有量を適正化した電子写真用受像シート用支持体、該電子写真用受像シート用支持体を用いた良好な銀塩写真ライク適性(画質、色調、輝度、風合など)を備えた電子写真用受像シート及び該電子写真用受像シートを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、銀塩写真ライクの高画質を電子写真において実現するため、電子写真用受像シートの支持体として、銀塩写真プリントに用いられているレジンコート型支持体(両面ポリオレフィン樹脂コート紙)が用いられている。これにより、高い平滑性、光沢性、平坦性を有し、画質面及び取り扱い面で優れた電子写真用受像シートが得られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
しかしながら、前記従来の電子写真用受像シートは、いずれも記録画像の画質、色調、輝度、風合いなどの点で銀塩写真プリントに比べて劣っており、電子写真用受像シートにおいて銀塩写真ライクの高画質プリントを得るためには、更なる改良開発が望まれているのが現状である。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−211645号公報
【特許文献2】
特開2000−10327号公報
【特許文献3】
特開2001−56585号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、原紙の両面にポリオレフィン樹脂層を設けてなり、該ポリオレフィン樹脂層中における蛍光増白剤とブルーイング剤との含有量を適正化した電子写真用受像シート用支持体、該電子写真用受像シート用支持体を用いた良好な銀塩写真ライク適性(画質、色調、輝度、風合など)を備え、銀塩写真画質に近い高画質な電子写真プリントが得られる電子写真用受像シート及び該電子写真用受像シートを用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 原紙の両面にポリオレフィン樹脂層を設けてなる電子写真用受像シート用支持体において、該支持体の少なくともトナー受像層を設ける側(表面側)のポリオレフィン樹脂層が、蛍光増白剤0.01〜0.5質量%と、ブルーイング剤0.01〜1.3質量%を含有することを特徴とする電子写真用受像シート用支持体である。
<2> 蛍光増白剤が、スチルベン系化合物、ベンゾオキサゾリルスチルベン系化合物、クマリン系化合物、ピラゾール系化合物及びオキサゾール系化合物から選択される少なくとも1種である前記<1>に記載の電子写真用受像シート用支持体である。
<3> ブルーイング剤が、群青、コバルトブルー、酸化燐酸コバルト及びキナクドリン系顔料から選択される少なくとも1種である前記<1>から<2>のいずれかに記載の電子写真用受像シート用支持体である。
<4> ブルーイング剤が群青であり、該群青が青群青と紫群青との混合物である前記<3>に記載の電子写真用受像シート用支持体である。
<5> 支持体の少なくともトナー受像層を設ける側(表面側)のポリオレフィン樹脂層が、白色顔料を3〜30質量%含有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の電子写真用受像シート用支持体である。
<6> 白色顔料が、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、亜鉛華、カオリン、焼成カオリン、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム及び合成非晶質シリカから選択される少なくとも1種である前記<5>に記載の電子写真用受像シート用支持体である。
<7> 原紙が、JIS P8123に規定されたパルプ白色度が88%以上であるパルプ紙料を含有する前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子写真用受像シート用支持体である。
<8> 原紙の質量平均繊維長が0.45〜0.70mmであるパルプ紙料を含有する前記<1>から<7>のいずれかに記載の電子写真用受像シート用支持体である。
<9> 原紙が、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー及びエポキシ化脂肪酸アミドの少なくともいずれかを含有する前記<1>から<8>のいずれかに記載の電子写真用受像シート用支持体である。
<10> 原紙が、蛍光増白剤を0.01〜0.5質量%含有する前記<1>から<9>のいずれかに記載の電子写真用受像シート用支持体である。
<11> 支持体と、該支持体の一方の面に少なくとも一層のトナー受像層を設け、かつ該支持体の他方の面に少なくとも一層のバック層を設けてなり、前記支持体として、前記<1>から<10>のいずれかに記載の電子写真用受像シート用支持体を用いることを特徴とする電子写真用受像シートである。
<12> 加熱加圧手段と、冷却手段と、冷却剥離部とを有する冷却剥離式のベルト定着型平滑化処理機を用い、前記加熱加圧手段により、前記<11>に記載の電子写真用受像シートのトナー受像層における熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度に加熱加圧し、冷却した後、前記加熱加圧手段におけるベルト部材から剥離することを特徴とする画像形成方法である。
<13> 前記定着ベルトの表面に均一な厚さのフルオロカーボンシロキサンゴム製の層を設けてなる前記<12>に記載の画像形成方法である。
<14> 前記定着ベルトの表面に均一な厚さのシリコーンゴム製の層を有し、かつ該シリコーンゴム層の表面に均一な厚さのフルオロカーボンシロキサンゴム製の層を設けてなる前記<12>に記載の画像形成方法である。
<15> 前記フルオロカーボンシロキサンゴムが、主鎖にパーフルオロアルキルエーテル基及び/又はパーフルオロアルキル基を有する前記<13>から<14>のいずれかに記載の画像形成方法である。
【0007】
本発明の電子写真用受像シート用支持体は、原紙の両面にポリオレフィン樹脂層を設けてなり、該支持体の少なくともトナー受像層を設ける側(表面側)のポリオレフィン樹脂層が、蛍光増白剤0.01〜0.5質量%と、ブルーイング剤0.01〜1.3質量%を含有する。これにより、前記支持体のポリオレフィン樹脂層中における蛍光増白剤とブルーイング剤との含有量が適正化され、銀塩写真画質に近い高画質な電子写真プリントが得られる。
【0008】
本発明の電子写真用受像シートは、支持体と、該支持体の一方の面に少なくとも一層のトナー受像層を設け、かつ該支持体の他方の面に少なくとも一層のバック層を設けてなり、前記支持体として、前記本発明の電子写真用受像シート用支持体を用いる。これにより、画質、色調、輝度、風合などの良好な銀塩写真ライク適性を備えた高品質な電子写真プリントが得られる。
【0009】
本発明の画像形成方法は、加熱加圧手段と、冷却手段と、冷却剥離部とを有する冷却剥離式のベルト定着型平滑化処理機を用い、前記本発明の電子写真用受像シートを冷却剥離処理する。これにより、定着オイルのないオイルレス機を使用しても、定着ローラ及び定着ベルトにオフセットすることのない安定した給紙を実現できると共に、これまでにない良好な光沢性を有し、写真感覚に富む、銀塩写真画質に近い高画質画像が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(電子写真用受像シート用支持体)
本発明の電子写真用受像シート用支持体は、原紙の両面にポリオレフィン樹脂層を設けてなり、更に必要に応じてその他の層を有している。
【0011】
−原紙−
前記原紙としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、上質紙、日本写真学会編「写真工学の基礎−銀塩写真編−」、株式会社コロナ社刊(昭和54年)(223)〜(240)頁記載の紙、等が好適なものとして挙げられる。
【0012】
前記原紙(合成紙を含む)の原料としては、特に制限なく、各種の材料から適宜選択することができ、例えば、針葉樹及び広葉樹から選ばれる天然パルプ、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチック材料製の合成パルプ、或いは天然パルプと合成パルプの混合物等が挙げられる。
【0013】
前記原紙の原料として使用できるパルプとしては、原紙の表面平滑性、剛性及び寸法安定性(カール性)を同時にバランス良く、かつ十分なレベルにまで向上させる点から、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)が好ましく、更に、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹サルファイトパルプ(LBSP)等を使用することもできる。
前記パルプ繊維は、質量平均繊維長0.45〜0.70mmが好ましい。
パルプの叩解には、ビータやリファイナー等を使用できる。パルプを叩解した後に得られるパルプスラリー(以下、「パルプ紙料」と称することがある)には、必要に応じて、各種添加材、例えば、填料、乾燥紙力増強剤、サイズ剤、湿潤紙力増強剤、定着剤、pH調整剤、その他の薬剤などを添加することができる。
前記パルプ紙料におけるJIS P8123に規定されたパルプ白色度は88%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
前記パルプ白色度が88%未満であると、黄色味が目立ちやすくなり、蛍光増白剤やブルーイング剤での調整が困難となる場合がある。
【0014】
前記填料としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、白土、タルク、酸化チタン、珪藻土、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、等が挙げられる。
前記乾燥紙力増強剤としては、例えば、カチオン化澱粉、カチオン化ポリアクリルアミド、アニオン化ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
前記サイズ剤としては、例えば、脂肪酸塩、ロジン、マレイン化ロジン等のロジン誘導体、パラフィンワックス、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水琥珀酸(ASA)、エポキシ化脂肪酸アミド等の高級脂肪酸を含有する化合物、等が挙げられ、これらの中でも、アルキルケテンダイマー、エポキシ化脂肪酸アミドが好ましい。
前記湿潤紙力増強剤としては、例えば、ポリアミンポリアミドエピクロロヒドリン、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂等が挙げられる。
前記定着剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の多価金属塩、カチオン化澱粉等のカチオン性ポリマー等が挙げられる。
前記pH調整剤としては、例えば、苛性ソーダや、炭酸ソーダ等が挙げられる。
前記その他の薬剤としては、例えば、消泡剤、染料、スライムコントロール剤等が挙げられる。
更に必要に応じて、柔軟化剤等を添加することもできる。前記柔軟化剤としては、例えば、新・紙加工便覧(紙薬タイム社編)554〜555頁(1980年発行)に記載されている。
【0015】
前記表面サイズ処理に使用される処理液には、例えば、蛍光増白剤、水溶性高分子、耐水性物質、顔料、染料、などが含まれていてもよい。
【0016】
前記蛍光増白剤としては、例えば、スチルベン系化合物、クマリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、カルボスチリル系化合物、ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体、イミダゾール誘導体、クマリン誘導体、トリアゾール誘導体、カルバゾール誘導体、ピリジン誘導体、ナフタル酸誘導体、イミダゾロン誘導体、等が挙げられ、これらの中でも、スチルベン系化合物が好ましい。
なお、前記原紙における蛍光増白剤の含有量は、特に制限されないが、0.01〜0.5質量%が好ましく、0.02〜0.2質量%がより好ましい。
【0017】
前記水溶性高分子としては、例えば、カチオン化澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースサルフェート、ゼラチン、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
前記耐水性物質としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、塩化ビニリデン共重合体等のラテックス・エマルジョン類、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン挙げられる。
前記顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン等が挙げられる。
【0018】
上記のような原紙は、電子写真用受像紙の剛性及び寸法安定性(カール性)の向上を図る点で、縦方向ヤング率(Ea)と横方向ヤング率(Eb)の比(Ea/Eb)が1.5〜2.0の範囲にあることが好ましい。Ea/Eb値が1.5未満、或いは2.0を超える範囲では、電子写真用受像紙の剛性や、カール性が悪くなり易く、搬送時の走行性に支障をきたすことになるため、好ましくない。
【0019】
前記原紙のトナー受像層側表面の王研式平滑度は、210秒以上が好ましく、250秒以上がより好ましい。王研式平滑度が、210秒未満であると、トナー画像の画質が不良となり、好ましくない。なお、上限は、特に限定されるものではないが、実際上、600秒程度が好ましく、500秒程度がより好ましい。
ここで、王研式平滑度は、JAPAN TAPPI No.5 B法で規定される平滑度である。
【0020】
一般に、紙の「こし」は、叩解の様式の相違に基づいて異なることが分かっており、叩解後、抄紙してなる紙が持つ弾性力(率)を紙の「こし」の程度を表す重要な因子として用いることができる。特に、紙が持つ粘弾性体の物性を示す動的弾性率と密度との関係を利用し、これに超音波振動素子を使って紙中を伝播する音速を測定することにより、紙の弾性率を下記の式より求めることができる。
E=ρc(1−n
〔E:動的弾性率、ρ:密度、c:紙中の音速、n:ポアソン比〕
【0021】
また、通常の紙の場合、n=0.2程度であるため、下記の式で計算しても大差なく、算出することができる。
E=ρc
即ち、紙の密度、音速を測定することができれば、容易に弾性率を求めることができる。上式において、音速を測定する場合には、ソニックテスターSST−110型(野村商事(株)製)等の公知の各種機器を用いることができる。
【0022】
前記原紙の密度は、0.9g/cm以上であり、0.95g/cm以上が好ましく、0.95〜1.2g/cmがより好ましい。
前記原紙の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、通常、30〜500μmが好ましく、50〜300μmがより好ましく、100〜250μmが更に好ましい。前記原紙の坪量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、50〜250g/mが好ましく、100〜200g/mがより好ましい。
【0023】
−ポリオレフィン樹脂層−
前記ポリオレフィン樹脂層としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のα−オレフィンの単独重合体及びこれらの混合物などのポリオレフィン樹脂が用いられる。これらのポリオレフィン樹脂は、押出しコーティングが可能な範囲においては、その分子量に特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、通常は分子量20,000〜200,000の範囲のポリオレフィン樹脂が用いられる。
【0024】
前記ポリエチレン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、等が挙げられる。
例えば、裁断工程でカッター等により規定サイズに裁断した場合の裁断面が均一で綺麗である点で、メルトインデックスが5〜30g/10min、好ましくは10〜20g/10minで、かつ密度が0.945g/cm以上の高密度ポリエチレン40〜75質量部とメルトインデックスが1〜15g/10min、好ましくは2〜10g/10minで、且つ密度が0.930g/cm以下の低密度ポリエチレン25〜60質量部とを混合したポリエチレン樹脂混合物を用いるのが好ましい。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合してもよい。
【0025】
前記高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンの混合比(HDPE/LDPE)は、質量比で40〜75/60〜25の割合であることが好ましく、質量比が50〜70/50〜30の割合であることがより好ましい。前記高密度ポリエチレンが75質量部以上であり、かつ低密度ポリエチレンが25質量部未満のポリエチレン混合物を用いて塗設したポリオレフィン樹脂層を有する支持体では、裁断工程で十分な裁断特性(均一な切断面)を得ることができない場合がある。また、高密度ポリエチレンが40質量部未満であり、かつ低密度ポリエチレンが60質量部以上のポリエチレン混合物を用いて塗設したポリオレフィン樹脂層を有する支持体では、十分な裁断特性(均一な切断面)が得ることできるが、定着時に加熱ロールにより表面が部分的に溶融し、表面性の悪化、或いは走行不良によるジャミング故障を発生させる原因となるため、好ましくない。
【0026】
前記原紙の両面にポリオレフィン樹脂層が設けられる場合、その双方に上記組成のポリエチレン混合物からなるポリオレフィン樹脂層を塗設することが好ましい。また、前記ポリオレフィン樹脂層は、表面電気抵抗を調整するために界面活性剤や金属酸化物等の帯電防止剤を含有させてもよく、更に、これらを含有したポリオレフィン樹脂層と導電性層を兼ねた層として使用してもよい。
【0027】
本発明においては、前記ポリオレフィン樹脂層が単層である場合には該ポリオレフィン樹脂層中に、該ポリオレフィン樹脂層が多層である場合にはその内の少なくとも1層中に、蛍光増白剤、ブルーイング剤、更に必要に応じて二酸化チタン等の白色顔料、酸化防止剤等を含有させることができる。なお、該ポリオレフィン樹脂層が多層である場合には原紙に接する最下層に、原紙との接着性を良好にする観点から、粘着性付与剤樹脂、接着性樹脂等を含有させることもできる。
【0028】
本発明においては、前記支持体の少なくともトナー受像層を設ける側(表面側)のポリオレフィン樹脂層が、蛍光増白剤を0.01〜0.5質量%含有し、0.01〜0.2質量%含有することが好ましい。
前記蛍光増白剤の含有量が0.01質量%未満では、白色度に対する効果が不十分となる。一方、0.5質量%を超えると経時によりブリーディングが発生し、原紙とポリオレフィン樹脂層との間で接着不良が生じるおそれがある。
【0029】
前記蛍光増白剤は、近紫外部に吸収を持ち、400〜500nmに蛍光を発する化合物であれば特に制限はなく、公知の蛍光増白剤の中から使用することができ、例えば、K.VeenRataraman編“The Chemistry of Synthetic Dyes”V巻8章に記載されている化合物を挙げることができる。具体的には、スチルベン系化合物、クマリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、カルボスチリル系化合物、ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体、イミダゾール誘導体、クマリン誘導体、トリアゾール誘導体、カルバゾール誘導体、ピリジン誘導体、ナフタル酸誘導体、イミダゾロン誘導体、等が挙げられる。
また、特開平3−144447号公報に記載の蛍光増白剤を用いることもできる。その他「新版染料便覧」(有機合成化学協会編;丸善,1970)、「カラーインデックス」(The Society of Dyers and colourists)などに記載されている材料も用いることができる。
【0030】
前記蛍光増白剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、住友化学製ホワイトフルファーPSN、PHR、HCS、PCS、B;Ciba−Geigy社製UVITEX−OBなどが挙げられる。
【0031】
また、本発明においては、前記支持体のトナー受像層を設ける側(表面側)のポリオレフィン樹脂層が、上記蛍光増白剤の含有量を満たした上で、ブルーイング剤を0.01〜1.3質量%含有し、0.05〜1質量%含有することがより好ましい。
前記ブルーイング剤の含有量が0.01質量%未満では、黄色味が目立ち、銀塩写真ライク適性が低下してしまう一方、1.3質量%を超えると青色味が目立ち、銀塩写真ライク適性が低下してしまう。
【0032】
前記ブルーイング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、群青、コバルトブルー、酸化燐酸コバルト、キナクリドン系顔料、又はこれらの混合物、などが挙げられ、これらの中でも、群青がより好ましい。該群青としては、青群青と紫群青との混合物(例えば、青群青/紫群青(質量比)=1/1〜1/3)が特に好ましい。
前記ブルーイング剤の粒子径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、通常、0.3〜10μmの範囲が好ましい。
【0033】
更に、本発明においては、前記支持体の少なくともトナー受像層を設ける側(表面側)のポリオレフィン樹脂層が、白色顔料を3〜30質量%含有することが好ましく、10〜20質量%含有することがより好ましい。
前記含有量が、3質量%に満たないと、画像形成又は画像定着材料における光透過率が高くなり、一方、30質量%を超えると、ヒビ割れ、耐接着等の取り扱い性が低下する場合がある。
【0034】
前記白色顔料としては、例えば、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、亜鉛華、カオリン、焼成カオリン、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、などが挙げられ、これらの中でも二酸化チタンが画像解像力が高い点で好ましい。
【0035】
前記二酸化チタンとしては、例えば、ルチル型二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタン、含アルミナ処理、含水二酸化ケイ素処理又は酸化亜鉛処理等の無機物質による表面被覆処理をした二酸化チタン、などが挙げられる。
【0036】
前記二酸化チタンは、粒子表面がシランカップリング剤で処理されているのが好ましく、前記シランカップリング剤としては、末端がエトキシ変性又はメトキシ変性されているものが好ましい。前記シランカップリング剤の処理量としては、二酸化チタンに対し0.05〜2.5質量%が好ましく、0.5〜2.0質量%がより好ましい。前記シランカップリング剤の処理量が0.05質量%未満であると、シランカップリング剤による表面処理効果が十分でないことがあり、一方、2.5質量%を超えると二酸化チタンに対し過剰な処理となる場合がある。
【0037】
前記二酸化チタン表面には、二酸化チタン顔料の活性を抑制するため、該シランカップリング剤表面処理を実施する前に無機表面処理剤で表面処理することが好ましい。前記無機表面処理剤としては、例えば、Al及びSiOの少なくとも1つであることが好ましく、この無機表面処理剤の処理量(無水物の形で計算して)は、二酸化チタンに対して0.01〜1.8質量%が好ましく、0.2〜1.0質量%がより好ましい。
前記二酸化チタンの表面が無機表面処理されていないと、二酸化チタンの耐熱性が低く、320℃前後の押出ラミネートに使用した場合に、二酸化チタンが黄変してしまう可能性がある。また、二酸化チタンの活性が抑制されないため、二酸化チタン粒子が凝集し、押し出しラミネート出口近傍に異物の押し出しを防ぐために一般に設けられている20〜400メッシュ相当の金属製の濾網に引っかかり、押し出し機内の圧力上昇を引き起こす可能性もある。
一方、二酸化チタンに対して無機表面処理剤の処理量が1.8質量%以上となると無機表面処理剤の表面に水分が付着し易くなり、押し出しラミネートに使用すると著しくダイリップ汚れの成長が早くなる場合がある。
【0038】
前記二酸化チタンは、高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸エチル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸、ポリオレフィンワックス等を分散助剤として用い、2本ロール、3本ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、連続混練等の混練機で前記樹脂中に練り込まれる。前記分散助剤としては、ステアリン酸金属塩が好ましく、ステアリン酸亜鉛がより好ましい。こうして二酸化チタン顔料が練り込まれた前記樹脂は、ペレット形状に成形され二酸化チタン顔料のマスターバッチとして用いられる。
【0039】
前記ペレット中の二酸化チタン濃度としては、30〜75質量%程度であることが好ましい。前記ペレット中の前記分散助剤の濃度としては、0.5〜10質量%程度が好ましい。前記二酸化チタン濃度が30質量%未満となるとペレットのカサが大きくなり、逆に75質量%を超えると二酸化チタンの分散性が悪くなるとともにペレットにひび割れが生じ易くなる。また、二酸化チタンを含有するマスターバッチは、使用前に50〜90℃、2時間以上のドライ乾燥或いは真空乾燥をするのが好ましい。
前記二酸化チタンの平均一次粒子径は、0.1〜1.0μmの範囲が好ましい。
【0040】
前記粘着付与剤樹脂としては、例えば、ロジン誘導体樹脂、テルペン樹脂(例えば、高分子β−ピネン)、クマロン・インデン樹脂及び石油系炭化水素樹脂等の中から適宜選択される。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して併用してもよい。
【0041】
前記石油系炭化水素樹脂としては、例えば、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂、共重合系石油樹脂、水添系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、等が挙げられる。前記脂肪族系石油樹脂としては、特に炭素原子数5のものが好ましい。前記芳香族系石油樹脂としては、特に炭素原子数9のものが好ましい。
【0042】
前記粘着付与剤樹脂の配合量としては、前記ポリオレフィン樹脂層を構成する樹脂に対し、通常0.5〜60質量%が好ましく、10〜35質量%がより好ましい。前記粘着付与剤樹脂の配合量が、0.5質量%未満となると、接着不良となることがあり、一方、60質量%を超えると製造時のネックインが発生し易くなることがある。
【0043】
前記接着性樹脂としては、例えば、アイオノマー、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体、これらの金属塩等が挙げられる。前記接着性樹脂の配合量としては、前記ポリオレフィン樹脂層を形成する樹脂に対し、20〜500質量%が好ましく、50〜200質量%がより好ましい。なお、前記粘着付与剤樹脂と前記接着性樹脂とを併用してもよい。
【0044】
(電子写真用受像シート用支持体の製造方法)
前記ポリオレフィン系樹脂層は、加熱溶融した前記蛍光増白剤、ブルーイング剤、二酸化チタン等を含有するペレットを溶融し、必要に応じて前記ポリオレフィン樹脂層を形成する樹脂で希釈して溶融し、走行させた前記原紙上に、通常ラミネート法、逐次ラミネート法、又は、フィートブロックタイプ、マルチマニホールドタイプ、マルチスロットタイプ等の単層若しくは多層押出ダイ、ラミネーター等によるラミネート法のいずれかの方法により被覆することによって、形成される。前記単層若しくは多層押出用ダイの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、一般に、Tダイ、コートハンガーダイ等が好適に挙げられる。
【0045】
なお、前記ポリオレフィン系樹脂層を形成する樹脂を前記原紙の一方又は両方の表面に被覆する前に、前記原紙に、コロナ放電処理、火炎処理、グロー放電処理、又はプラズマ処理などの活性化処理を施すことが好ましい。
【0046】
前記支持体の画像形成層の形成される側(表面)に形成されるポリオレフィン系樹脂層の厚みとしては、10〜60μmが好ましい。一方、前記支持体の画像形成層の形成されない側(裏面)に形成されるポリオレフィン樹脂層の厚みとしては、10〜50μmが好ましい。
【0047】
前記ポリオレフィン樹脂層に用いるポリエチレン混合物において、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンの混合方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができる。例えば、混練機用押出機、加熱練りロール、バンバリーミキサー、ニーダー等を用いて、所定量の高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレン、更に必要に応じて各種添加剤を加えて溶融混合した後、これらの混合物を粉砕、或いはペレット化する方法、又は押出機を用いて単純にブレンドした状態で直接投入して、押出コーティングする方法、等を適宜採用することができる。
【0048】
なお、ポリオレフィン樹脂層の表面には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことができ、活性化処理後に特開昭61−846443号公報に記載のような下引き処理を行うこともできる。
【0049】
(電子写真用受像シート)
本発明の電子写真用受像シートは、前記電子写真受像シート用支持体と、該支持体の一方の面に少なくとも一層のトナー受像層を設け、かつ該支持体の他方の面に少なくとも一層のバック層を設けてなる。更に必要に応じて適宜選択したその他の層、例えば、表面保護層、中間層、下塗り層、クッション層、反射層、色味調製層、保存性改良層、接着防止層、アンチカール層、平滑化層などを有してなる。これらの各層は単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
【0050】
[トナー受像層]
前記トナー受像層は、カラーや黒トナーを受容し、画像を形成するためのトナー受像層である。該トナー受像層は、転写工程にて、(静)電気、圧力等にて現像ドラム或いは中間転写体より画像を形成するトナーを受容し、定着工程にて熱、圧力等にて固定化する機能を有する。
【0051】
前記トナー受像層としては、本発明の電子写真用受像シートを写真に近い感触とする点で、光透過率は78%以下の透明性の低いトナー受像層である必要があり、該光透過率は73%以下が好ましく、72%以下がより好ましい。
尚、前記光透過率は、別途ポリエチレンテレフタレートフィルム(100μm)上に厚みの同じ塗布膜を形成し、その塗布膜について、直読ヘイズメーター(スガ試験機HGM−2DP)を用いて測定することができる。
【0052】
前記トナー受像層の材質としては、熱可塑性樹脂を少なくとも含有し、必要に応じてトナー受像層の熱力学的特性を改良する目的で添加される各種添加剤、例えば、離型剤、可塑剤、着色剤、フィラー、架橋剤、帯電制御剤、乳化物、分散物等を含有する。
【0053】
−熱可塑性樹脂−
前記熱可塑性樹脂としては、定着時等の温度条件下で変形可能であり、トナーを受容し得るものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナーのバインダー樹脂と同系の樹脂が好ましく、例えば、ポリエステル樹脂、スチレン、スチレン−ブチルアクリレートなどの共重合樹脂を用いるのが好ましく、ポリエステル樹脂、スチレン、スチレン−ブチルアクリレートなどの共重合樹脂を20質量%以上含有するのがより好ましい。また、スチレン、スチレン−ブチルアクリレート共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体などもより好ましい。
【0054】
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、(イ)エステル結合を有する樹脂、(ロ)ポリウレタン樹脂等、(ハ)ポリアミド樹脂等、(ニ)ポリスルホン樹脂等、(ホ)ポリ塩化ビニル樹脂等、(ヘ)ポリビニルブチラール等、(ト)ポリカプロラクトン樹脂等、(チ)ポリオレフィン樹脂等、などが挙げられる。
【0055】
前記(イ)エステル結合を有する樹脂としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、アビエチン酸、コハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、カルボキシル基等が置換されていてもよい)と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのジエーテル誘導体(例えば、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2付加物など)、ビスフェノールS、2−エチルシクロヘキシルジメタノール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキシルジメタノール、グリセリン等のアルコール成分(これらのアルコール成分には水酸基などが置換されていてもよい)との縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル樹脂又はポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等が挙げられる。
具体的には、特開昭59−101395号公報、同63−7971号公報、同63−7972号公報、同63−7973号公報、同60−294862号公報に記載のものなどが挙げられる。
【0056】
前記ポリエステル樹脂の市販品としては、例えば、東洋紡製のバイロン290、バイロン200、バイロン280、バイロン300、バイロン103、バイロンGK−140、バイロンGK−130;花王製のタフトンNE−382、タフトンU−5、ATR−2009、ATR−2010;ユニチカ製のエリーテルUE3500、UE3210、XA−8153;日本合成化学製のポリエスターTP−220、R−188等が挙げられる。
前記アクリル樹脂の市販品としては、三菱レイヨン(株)製ダイヤナールSE−5437、SE−5102、SE−5377、SE−5649、SE−5466、SE−5482、HR−169、124、HR−1127、HR−116、HR−113、HR−148、HR−131、HR−470、HR−634、HR−606、HR−607、LR−1065、574、143、396、637、162、469、216、BR−50、BR−52、BR−60、BR−64、BR−73、BR−75、BR−77、BR−79、BR−80、BR−83、BR−85、BR−87、BR−88、BR−90、BR−93、BR−95、BR−100、BR−101、BR−102、BR−105、BR−106、BR−107、BR−108、BR−112、BR−113、BR−115、BR−116、BR−117;積水化学工業製エスレックP SE−0020、SE−0040、SE−0070、SE−0100、SE−1010、SE−1035;三洋化成工業ハイマーST95、ST120;三井化学製FM601等が挙げられる。
【0057】
前記(ホ)ポリ塩化ビニル樹脂等としては、例えば、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂、等が挙げられる。
前記(ヘ)ポリビニルブチラール等としては、例えば、ポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂、等が挙げられる。市販品としては、電気化学工業(株)製、積水化学(株)製等が挙げられる。前記ポリビニルブチラールは、ポリビニルブチラール含有量が70質量%以上、平均重合度500以上のものが好ましく、平均重合度1000以上のものがより好ましく、市販品としては、電気化学工業(株)製デンカブチラール3000−1、4000−2、5000A、6000C;積水化学(株)製エスレックBL−1、BL−2、BL−3、BL−S、BX−L、BM−1、BM−2、BM−5、BM−S、BH−3、BX−1、BX−7、等が挙げられる。
前記(ト)ポリカプロラクトン樹脂等としては、更に、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、等が挙げられる。
前記(チ)ポリオレフィン樹脂等としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体樹脂や、アクリル樹脂、等が挙げられる。
【0058】
前記熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上でもよく、これらに加えて、これらの混合物、これらの共重合体等も使用することができる。
【0059】
前記熱可塑性樹脂としては、前記トナー受像層を形成した状態で後述のトナー受像層物性を満足できるものが好ましく、樹脂単独でも前述のトナー受像層物性を満足できるものがより好ましく、前述のトナー受像層物性の異なる樹脂を2以上併用することも好ましい。
【0060】
前記熱可塑性樹脂としては、トナーに用いられている熱可塑性樹脂に比べて分子量が大きいものが好ましい。ただし、該分子量はトナーに用いられている熱可塑性樹脂と、前記トナー受像層に用いられている樹脂との熱力学的特性の関係によっては、必ずしも前述の分子量の関係が好ましいとは限らない。例えば、トナーに用いられている熱可塑性樹脂より、前記トナー受像層に用いられている樹脂の軟化温度の方が高い場合、分子量は同等か、前記トナー受像層に用いられている樹脂の方が小さいことが好ましい場合がある。
【0061】
前記熱可塑性樹脂として、同一組成の樹脂であって互いに平均分子量が異なるものの混合物を用いるのも好ましい。また、トナーに用いられている熱可塑性樹脂の分子量との関係としては、特開平8−334915号公報に開示されている関係が好ましい。
前記熱可塑性樹脂の分子量分布としては、前記トナーに用いられている熱可塑性樹脂の分子量分布よりも広いものが好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、特公平5−127413号公報、特開平8−194394号公報、特開平8−334915号公報、特開平8−334916号公報、特開平9−171265号公報、特開平10−221877号公報等に開示されている物性等を満足するものが好ましい。
【0062】
前記トナー受像層に使用される熱可塑性樹脂としては、以下の(i)〜(ii)の理由により、水可溶性樹脂、水分散性樹脂等の水系樹脂であるのが特に好ましい。
(i)塗布乾燥工程での有機溶剤の排出が無く、環境適性、作業適性に優れる。
(ii)ワックス等の離型剤は、室温では溶剤に溶解し難いものが多く、使用に際して予め溶媒(水、有機溶剤)に分散することが多い。また、水分散形態の方が安定でかつ製造工程適性優れる。更に、水系塗布の方が塗布乾燥の過程でワックスが表面にブリーディングし易く、離型剤の効果(耐オフセット性、耐接着性等)を得易い。
【0063】
前記水系樹脂としては、水溶性樹脂、水分解性樹脂であれば、その組成、結合構造、分子構造、分子量、分子量分布、形態を特定するものではない。ポリマーの水系化基の例としては、スルホン酸基、水酸基、カルボン酸基、アミノ基、アミド基、又はエーテル基等が挙げられる。
前記水溶性樹脂の例としては、リサーチ・ディスクロージャー17,643号の26頁、同18,716号の651頁、同307,105号の873〜874頁及び特開昭64−13546号公報の(71)頁〜(75)頁に記載されたものが挙げられる。
具体的には、例えば、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ビニルピロリドン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、水溶性ポリエステル、水溶性アクリル、水溶性ポリウレタン、水溶性ナイロン、水溶性エポキシ樹脂を使用することができる。また、ゼラチンは、種々の目的に応じて石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、カルシウム等の含有量を減らした所謂脱灰ゼラチンから選択すればよく、組み合わせて用いることも好ましい。市販品では水溶性ポリエステルとして瓦応化学工業(株)製の各種プラスコート;大日本インキ化学工業製ファインテックスESシリーズ;水溶性アクリルとして日本純薬製ジュリマーATシリーズ;大日本インキ化学工業製ファインテックス6161、K−96;星光化学工業製ハイロスNL−1189、BH−997L等が挙げられる。
【0064】
また、水分散性樹脂としては、水分散アクリル樹脂、水分散ポリエステル樹脂、水分散ポリスチレン系樹脂、水分散ウレタン樹脂等の水分散型樹脂;アクリル樹脂エマルジョン、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、SBR(スチレン・ブタジエン・ゴム)エマルジョン等のエマルジョン、上記(イ)〜(チ)の熱可塑性樹脂を水分散した樹脂やエマルジョン、或いは、これらの共重合体、混合物、及びカチオン変性のもの等の中から適宜選択し、2種以上を組み合わせることができる。
前記水分散性樹脂の市販品としては、例えば、ポリエステル系では東洋紡製バイロナールシリーズや、高松油脂製ペスレジンAシリーズ、花王製タフトンUEシリーズ、日本合成ポリエスターWRシリーズ、ユニチカ製エリエールシリーズ、アクリル系では星光化学工業製ハイロスXE、KE、PEシリーズ、日本純薬製ジュリマーETシリーズ等が挙げられる。
用いるポリマーの成膜温度(MFT)は、プリント前の保存に対しては、室温以上が好ましく、トナー粒子の定着に対しては100℃以下が好ましい。
【0065】
前記熱可塑性樹脂の含有量は、トナー受像層全量に対し50質量%以上が好ましく、50〜90質量%がより好ましい。
【0066】
上記トナー受像層の厚さは、使用されるトナーの粒子径の1/2以上、好ましくは、1倍〜3倍の厚さであることが適当である。また、トナー受像層としては、特開平5−216322号公報及び特開平7−301939号公報に開示された厚みのものが好ましい。具体的には、トナー受像層の厚みは、例えば、1〜50μmが好ましく、5〜15μmがより好ましい。
【0067】
−離型剤−
本発明の離型剤は、トナー受像層のオフセットを防ぐため、トナー受像層に配合される。本発明で使用される離型剤は、定着温度において加熱・融解し、トナー受像層表面に析出してトナー受像層表面に偏在し、更に、冷却・固化されることによってトナー受像層表面に離型剤材料の層を形成するものであれば、その種類は限定されない。
このような作用効果を奏する離型剤としては、シリコーン化合物、フッ素化合物、ワックス及びマット剤からなる群より選択される少なくとも1種以上の離型剤が挙げられる。好ましくは、シリコーンオイル、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、及びシリコーン粒子並びにポリエチレンワックス粒子からなる群より選択される少なくとも1種以上の離型剤が挙げられる。
【0068】
前記離型剤としては、例えば、幸書房「改訂 ワックスの性質と応用」や、日刊工業新聞社発行のシリコーンハンドブック記載の化合物を用いることができる。また、特公昭59−38581号、特公平4−32380号、特許第2838498号、同2949558号、特開昭50−117433号、同52−52640号、同57−148755号、同61−62056号、同61−62057号、同61−118760号、特開平2−42451号、同3−41465号、同4−212175号、同4−214570号、同4−263267号、同5−34966号、同5−119514号、同6−59502号、同6−161150号、同6−175396号、同6−219040号、同6−230600号、同6−295093号、同7−36210号、同7−43940号、同7−56387号、同7−56390号、同7−64335号、同7−199681号、同7−223362号、同7−287413号、同8−184992号、同8−227180号、同8−248671号、同8−248799号、同8−248801号、同8−278663号、同9−152739号、同9−160278号、同9−185181号、同9−319139号、同9−319143号、同10−20549号、同10−48889号、同10−198069号、同10−207116号、同11−2917号、同11−44969号、同11−65156号、同11−73049号、同11−194542号各公報に記載のトナーに用いられているシリコーン系化合物、フッ素化合物又はワックスも好ましく用いることができる。また、これら化合物を複数組み合わせて使用することもできる。
【0069】
具体的には、シリコーン系化合物としては、シリコーンオイルとして無変性シリコーンオイル(具体的には、ジメチルシロキサンオイルや、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、市販品として信越化学工業製KF−96、KF−96L、KF−96H、KF−99、KF−50、KF−54、KF−56、KF−965、KF−968、KF−994、KF−995、HIVAC F−4、F−5;東レ・ダウコーニング・シリコーン製SH200、SH203、SH490、SH510、SH550、SH710、SH704、SH705、SH7028A、SH7036、SM7060、SM7001、SM7706、SH7036、SH8710、SH1107、SH8627;東芝シリコーン製TSF400、TSF401、TSF404、TSF405、TSF431、TSF433、TSF434、TSF437、TSF450シリーズ、TSF451シリーズ、TSF456、TSF458シリーズ、TSF483、TSF484、TSF4045、TSF4300、TSF4600、YF33シリーズ、YF−3057、YF−3800、YF−3802、YF−3804、YF−3807、YF−3897、XF−3905、XS69−A1753、TEX100、TEX101、TEX102、TEX103、TEX104、TSW831、など)、アミノ変性シリコーンオイル(市販品として信越化学工業製KF−857、KF−858、KF−859、KF−861、KF−864、KF−880、東レ・ダウコーニング・シリコーン製SF8417、SM8709、東芝シリコーン製TSF4700、TSF4701、TSF4702、TSF4703、TSF4704、TSF4705、TSF4706、TEX150、TEX151、TEX154など)、カルボキシ変性シリコーンオイル(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製BY16−880、東芝シリコーン製TSF4770、XF42−A9248など)、カルビノール変性シリコーンオイル(市販品として東芝シリコーン製XF42−B0970など)、ビニル変性シリコーンオイル(市販品として東芝シリコーン製XF40−A1987など)、エポキシ変性シリコーンオイル(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製SF8411、SF8413;東芝シリコーン製TSF3965、TSF4730、TSF4732、XF42−A4439、XF42−A4438、XF42−A5041、XC96−A4462、XC96−A4463、XC96−A4464、TEX170など)、ポリエーテル変性シリコーンオイル(市販品として信越化学工業製KF−351(A)、KF−352(A)、KF−353(A)、KF−354(A)、KF−355(A)、KF−615(A)、KF−618、KF−945(A);東レ・ダウコーニング・シリコーン製SH3746、SH3771、SF8421、SF8419、SH8400、SF8410;東芝シリコーン製TSF4440、TSF4441、TSF4445、TSF4446、TSF4450、TSF4452、TSF4453、TSF4460など)、シラノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製SF8427、SF8428、東芝シリコーン製TSF4750、TSF4751、XF42−B0970など)、アルキル変性シリコーンオイル(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製SF8416、東芝シリコーン製TSF410、TSF411、TSF4420、TSF4421、TSF4422、TSF4450、XF42−334、XF42−A3160、XF42−A3161など)、フッ素変性シリコーンオイル(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製FS1265、東芝シリコーン製FQF501など)、シリコーンゴムやシリコーン微粒子(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製SH851U、SH745U、SH55UA、SE4705U、SH502UA&B、SRX539U、SE6770U−P、DY38−038、DY38−047、トレフィルF−201、F−202、F−250、R−900、R−902A、E−500、E−600、E−601、E−506、BY29−119;東芝シリコーン製トスパール105、120、130、145、240、3120など)、シリコーン変性樹脂(具体的には、オレフィン樹脂やポリエステル樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂などやこれらの共重合樹脂をシリコーン変性した化合物など、市販品として大日精化製ダイアロマーSP203V、SP712、SP2105、SP3023;日本油脂製モディパーFS700、FS710、FS720、FS730、FS770;東亜合成化学製サイマックUS−270、US−350、US−352、US−380、US−413、US−450、レゼダGP−705、GS−30、GF−150、GF−300;東レ・ダウコーニング・シリコーン製SH997、SR2114、SH2104、SR2115、SR2202、DCI−2577、SR2317、SE4001U、SRX625B、SRX643、SRX439U、SRX488U、SH804、SH840、SR2107、SR2115;東芝シリコーン製YR3370、TSR1122、TSR102、TSR108、TSR116、TSR117、TSR125A、TSR127B、TSR144、TSR180、TSR187、YR47、YR3187、YR3224、YR3232、YR3270、YR3286、YR3340、YR3365、TEX152、TEX153、TEX171、TEX172など)、反応性シリコーン化合物(具体的には、付加反応型や、過酸化物硬化型、紫外線硬化型があり、市販品として東芝シリコーン製TSR1500、TSR1510、TSR1511、TSR1515、TSR1520、YR3286、YR3340、PSA6574、TPR6500、TPR6501、TPR6600、TPR6702、TPR6604、TPR6700、TPR6701、TPR6705、TPR6707、TPR6708、TPR6710、TPR6712、TPR6721、TPR6722、UV9300、UV9315、UV9425、UV9430、XS56−A2775、XS56−A2982、XS56−A3075、XS56−A3969、XS56−A5730、XS56−A8012、XS56−B1794、SL6100、SM3000、SM3030、SM3200、YSR3022など)などが挙げられる。
【0070】
前記フッ素化合物としては、フッ素オイル(市販品としてダイキン工業製ダイフロイル#1、#3、#10、#20、#50、#100、ユニダインTG−440、TG−452、TG−490、TG−560、TG−561、TG−590、TG−652、TG−670U、TG−991、TG−999、TG−3010、TG−3020、TG−3510;トーケムプロダクツ製MF−100、MF−110、MF−120、MF−130、MF−160、MF−160E;旭硝子製サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145;三井フロロケミカル製FC−430、FC−431など)、フッ素ゴム(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製LS63Uなど)、フッ素変性樹脂(市販品として日本油脂製モディパーF200、F220、F600、F2020、F3035;大日精化製ダイアロマーFF203、FF204;旭硝子製サーフロンS−381、S−383、S−393、SC−101、SC−105、KH−40、SA−100;トーケムプロダクツ製EF−351、EF−352、EF−801、EF−802、EF−601、TFE、TFEA、TFEMA、PDFOH;住友3M製THV−200Pなど)、フッ素スルホン酸化合物(市販品としてトーケムプロダクツ製EF−101、EF−102、EF−103、EF−104、EF−105、EF−112、EF−121、EF−122A、EF−122B、EF−122C、EF−123A、EF−123B、EF−125M、EF−132、EF−135M、EF−305、FBSA、KFBS、LFBSなど)、フルオロスルホン酸、フッ素酸化合物や塩(具体的には無水フッ酸、稀フッ酸、ホウフッ酸、ホウフッ化亜鉛、ホウフッ化ニッケル、ホウフッ化錫、ホウフッ化鉛、ホウフッ化銅、ケイフッ酸、フッ化チタン酸カリウム、パーフルオロカプリル酸、パーフルオロオクタン酸アンモニウムなど)、無機フッ化物(具体的にはフッ化アルミニウム、ケイフッ化カリウム、フッ化ジルコン酸カリウム、フッ化亜鉛4水和物、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、フッ化バリウム、フッ化錫、フッ化カリウム、酸性フッ化カリウム、フッ化マグネシウム、フッ化チタン酸、フッ化ジルコン酸、六フッ化リン酸アンモニウム、六フッ化リン酸カリウムなど)などが挙げられる。
【0071】
前記ワックスとしては、例えば、合成炭化水素、変性ワックス、水素化ワックス、天然ワックスなどが挙げられる。
【0072】
前記合成炭化水素としては、ポリエチレンワックス(市販品として中京油脂製ポリロンA、393、H−481、三洋化成製サンワックスE−310、E−330、E−250P、LEL−250、LEL−800、LEL−400Pなど)、ポリプロピレンワックス(市販品として三洋化成製ビスコール330−P、550−P、660−P)、フィッシャートロプシュワックス(市販品として日本精鑞製FT100、FT−0070など)など、酸アミド化合物或いは酸イミド化合物(具体的には、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミドなど、市販品として中京油脂製セロゾール920、B−495、ハイミクロンG−270、G−110、ハイドリンD−757など)などが挙げられる。
【0073】
前記変性ワックスとしては、アミン変性ポリプロピレン(市販品として三洋化成製QN−7700)、アクリル酸変性やフッ素変性、オレフィン変性ワックス、ウレタン型ワックス(市販品として日本精鑞製NPS−6010、HAD−5090など)、アルコール型ワックス(市販品として日本精鑞製NPS−9210、NPS−9215、OX−1949、XO−020Tなど)などが挙げられる。
【0074】
前記水素化ワックスとしては、硬化ひまし油(市販品として伊藤製油製カスターワックスなど)、ヒマシ油誘導体(市販品として伊藤製油製の脱水ヒマシ油DCO、DCO Z−1、DCO Z−3、ヒマシ油脂肪酸CO−FA、リシノレイン酸、脱水ヒマシ油脂肪酸DCO−FA、脱水ヒマシ油脂肪酸エポキシエステルD−4エステル、ヒマシ油系ウレタンアクリレートCA−10、CA−20、CA−30、ヒマシ油誘導体MINERASOL S−74、S−80、S−203、S−42X、S−321、特殊ヒマシ油系縮合脂肪酸MINERASOLRC−2、RC−17、RC−55、RC−335、特殊ヒマシ油系縮合脂肪酸エステルMINERASOL LB−601、LB−603、LB−604、LB−702、LB−703、#11、L−164、など)、ステアリン酸(市販品として伊藤製油製の12−ヒドロキシステアリン酸など)、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、セバシン酸(市販品として伊藤製油製のセバシン酸など)、ウンデシレン酸(市販品として伊藤製油製のウンデシレン酸など)、ヘプチル酸(市販品として伊藤製油製のヘプチル酸など)、マレイン酸、高度マレイン化油(市販品として伊藤製油製のHIMALEIN DC−15、LN−10、00−15、DF−20、SF−20など)、吹込油(市販品として伊藤製油製のセルボノール#10、#30、#60、R−40、S−7など)、シクロペンタジエン化油(市販品として伊藤製油製のCPオイル、CPオイル−Sなど)などの合成ワックスなどが挙げられる。
【0075】
前記天然ワックスとしては、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス及び石油ワックスから選択される少なくともいずれかが好ましい。
【0076】
前記植物系ワックスとしては、例えば、カルナバワックス(市販品として日本精鑞製EMUSTAR−0413、中京油脂製セロゾール524など)、ヒマシ油(市販品として伊藤製油製精製ヒマシ油など)、ナタネ油、大豆油、木ろう、綿ろう、ライスワックス、サトウキビワックス、キャンデリラワックス、ジャパンワックス、ホホバ油、などが挙げられる。これらの中でも、特に、耐オフセット性、耐接着性、通紙性、光沢感が優れ、ひび割れが生じ難く、高画質の画像を形成可能な電子写真用受像シートを提供可能である点で、融点が70〜95℃のカルナバワックスが特に好ましい。
前記動物系ワックスとしては、例えば、ラノリン、鯨蝋、ステ蝋(鯨油)、及び、羊毛蝋、等が挙げられる。
【0077】
前記鉱物系ワックスとしては、例えば、モンタンワックス、モンタン系エステルワックス、オゾケライト、セレシン、脂肪酸エステル(市販品として新日本理化製サンソサイザーDOA、AN−800、DINA、DIDA、DOZ、DOS、TOTM、TITM、E−PS、nE−PS、E−PO、E−4030、E−6000、E−2000H、E−9000H、TCP、C−1100など)、等が挙げられる。これらの中でも、特に、耐オフセット性、耐接着性、通紙性、光沢感が優れ、ひび割れが生じ難く、高画質の画像を形成可能な電子写真用受像シートを提供可能である点で、融点が70〜95℃のカルナバワックスのモンタンワックスが特に好ましい。
【0078】
前記石油ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス(市販品として日本精鑞製パラフィンワックス155、150、140、135、130、125、120、115、HNP−3、HNP−5、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12、HNP−14G、SP−0160、SP−0145、SP−1040、SP−1035、SP−3040、SP−3035、NPS−8070、NPS−L−70、OX−2151、OX−2251、EMUSTAR−0384、EMUSTAR−0136、中京油脂製セロゾール686、428、651−A、A、H−803、B−460、E−172、866、K−133、ハイドリンD−337、E−139、日石三菱石油製125°パラフィン、125°FD、130°パラフィン、135°パラフィン、135°H、140°パラフィン、140°N、145°パラフィン、パラフィンワックスMなど)、マイクロクリスタリンワックス(市販品として日本精鑞製Hi−Mic−2095、Hi−Mic−3090、Hi−Mic−1080、Hi−Mic−1070、Hi−Mic−2065、Hi−Mic−1045、Hi−Mic−2045、EMUSTAR−0001、EMUSTAR−042X、中京油脂製セロゾール967、M、日石三菱石油製155マイクロワックス、180マイクロワックスなど)、ペトロラタム(市販品として日本精鑞製OX−1749、OX−0450、OX−0650B、OX−0153、OX−261BN、OX−0851、OX−0550、OX−0750B、JP−1500、JP−056R、JP−011Pなど)などが挙げられる。
【0079】
前記天然ワックスの前記トナー受像層(表面)における含有量(g/m)としては、0.1〜4g/mが好ましく、0.2〜2g/mが好ましい。
前記含有量が、0.1g/m未満であると、耐オフセット性、耐接着性が特に不充分となることがある一方、4g/mを超えると、ワックス量が多過ぎ、形成される画像の画質が劣ることがある。
前記天然ワックスの融点(℃)としては、特に、耐オフセット性、及び、通紙性の点で、70〜95℃が好ましく、75〜90℃がより好ましい。
【0080】
前記マット剤としては、種々の公知のものが挙げられる。マット剤として用いられる固体粒子は、無機粒子と有機粒子とに分類できる。無機マット剤の材料としては、具体的には、酸化物(例えば、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム)、アルカリ土類金属塩(例えば、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム)、ハロゲン化銀(例えば、塩化銀、臭化銀)及びガラスが挙げられる。
【0081】
前記無機マット剤としては、例えば、***特許2529321号、英国特許760775号、同1260772号、米国特許1201905号、同2192241号、同3053662号、同3062649号、同3257206号、同3322555号、同3353958号、同3370951号、同3411907号、同3437484号、同3523022号、同3615554号、同3635714号、同3769020号、同4021245号、同4029504号の各明細書に記載されたものが挙げられる。
【0082】
前記有機マット剤の材料には、デンプン、セルロースエステル(例えば、セルロースアセテートプロピオネート)、セルロースエーテル(例えば、エチルセルロース)及び合成樹脂が含まれる。合成樹脂は、水不溶性又は水難溶性であることが好ましい。水不溶性又は水難溶性の合成樹脂の例としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(例えば、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリグリシジル(メタ)アクリレート)、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニル)、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン)、ポリスチレン、ベンゾグアナミン樹脂、ホルムアルデヒド縮合ポリマー、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、フェノール樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリ塩化ビニリデン、などが挙げられる。
以上のポリマーに使用されるモノマーを組み合わせたコポリマーを用いてもよい。
【0083】
前記コポリマーの場合、少量の親水性の繰り返し単位が含まれていてもよい。親水性の繰り返し単位を形成するモノマーの例には、アクリル酸、メタクリル酸、α,β−不飽和ジカルボン酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、スルホアルキル(メタ)アクリレート及びスチレンスルホン酸が含まれる。
前記有機マット剤としては、例えば、英国特許1055713号、米国特許1939213号、同2221873号、同2268662号、同2322037号、同2376005号、同2391181号、同2701245号、同2992101号、同3079257号、同3262782号、同3443946号、同3516832号、同3539344号、同3591379号、同3754924号、同3767448号の各明細書、特開昭49−106821号公報、特開昭57−14835号公報に記載されたものが挙げられる。
また、二種類以上の固体粒子を併用してもよい。固体粒子の平均粒径は、例えば、1〜100μmが好ましく、4〜30μmがより好ましい。固体粒子の使用量は、0.01〜0.5g/mが好ましく、0.02〜0.3g/mがより好ましい。
【0084】
本発明のトナー受像層に添加される離型剤としては、これらの誘導体、酸化物、精製品、混合物を用いることもできる。また、これらは、反応性の置換基を有していてもよい。
【0085】
前記離型剤の融点(℃)としては、特に耐オフセット性、及び、通紙性の点で、70〜95℃が好ましく、75〜90℃がより好ましい。
また、前記離型剤としては、特に、前記トナー受像層の熱可塑性樹脂として水系の熱可塑性樹脂を用いた場合の相溶性等の点で、水分散型の離型剤が好ましい。
【0086】
前記離型剤の含有量は、前記トナー受像層全量に対し0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜8.0質量%がより好ましく、0.5〜5.0質量%が更に好ましい。
【0087】
−可塑剤−
前記可塑剤としては、公知の樹脂用の可塑剤を特に制限なく使用することができる。該可塑剤は、トナーを定着する時の熱及び/又は圧力によって、トナー受像層が流動又は柔軟化するのを調整する機能を有する。
前記可塑剤としては、「化学便覧」(日本化学会編、丸善)、「可塑剤−その理論と応用−」(村井孝一編著、幸書房)、「可塑剤の研究 上」「可塑剤の研究 下」(高分子化学協会編)、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等を参考にして選択することができる。
【0088】
前記可塑剤は、高沸点有機溶剤や熱溶剤などとして記載されているものもあるが、例えば、特開昭59−83154号、同59−178451号、同59−178453号、同59−178454号、同59−178455号、同59−178457号、同62−174754号、同62−245253号、同61−209444号、同61−200538号、同62−8145号、同62−9348号、同62−30247号、同62−136646号、同62−174754号、同62−245253号、同61−209444号、同61−200538号、同62−8145号、同62−9348号、同62−30247号、同62−136646号、特開平2−235694号などの各公報等に記載されているようなエステル類(例えば、フタル酸エステル類、リン酸エステル類、脂肪酸エステル類、アビエチン酸エステル類、アジピン酸エステル類、セバシン酸エステル類、アゼライン酸エステル類、安息香酸エステル類、酪酸エステル類、エポキシ化脂肪酸エステル類、グリコール酸エステル類、プロピオン酸エステル類、トリメリット酸エステル類、クエン酸エステル類、スルホン酸エステル類、カルボン酸エステル類、コハク酸エステル類、マレイン酸エステル類、フマル酸エステル類、フタル酸エステル類、ステアリン酸エステル類など)、アミド類(例えば、脂肪酸アミド類、スルホアミド類など)、エーテル類、アルコール類、ラクトン類、ポリエチレンオキシ類などの化合物が挙げられる。
前記可塑剤は、樹脂に混合して使用することができる。
【0089】
前記可塑剤としては、比較的低分子量のポリマーを用いることができる。この場合、該可塑剤の分子量としては、可塑化されるべきバインダー樹脂の分子量より低いものが好ましく、分子量は15000以下が好ましく、5000以下がより好ましい。また、ポリマー可塑剤の場合、可塑化されるべきバインダー樹脂と同種のポリマーであることが好ましい。例えば、ポリエステル樹脂の可塑化には、低分子量のポリエステルが好ましい。更にオリゴマーも可塑剤として用いることができる。上記に挙げた化合物以外にも市販品として、例えば、旭電化工業製アデカサイザーPN−170、PN−1430;C.P.HALL社製品PARAPLEX−G−25、G−30、G−40;理化ハーキュレス製品エステルガム8L−JA、エステルR−95、ペンタリン4851、FK115、4820、830、ルイゾール28−JA、ピコラスチックA75、ピコテックスLC、クリスタレックス3085等が挙げられる。
【0090】
前記可塑剤は、トナー粒子がトナー受像層に埋め込まれる際に生じる応力や歪み(弾性力や粘性などの物理的な歪み、分子やバインダー主鎖やペンダント部分などの物質収支による歪み等)を緩和するために任意に使用することができる。
前記可塑剤は、トナー受像層中において、ミクロに分散された状態でもよいし、海島状にミクロに相分離した状態でもよいし、バインダー等の他の成分と充分に混合溶解した状態でもよい。
前記可塑剤の、前記トナー受像層における含有量としては、0.001〜90質量%が好ましく、0.1〜60質量%がより好ましく、1〜40質量%が更に好ましい。
前記可塑剤は、スベリ性(摩擦力低下による搬送性向上)の調整や、定着部オフセット(定着部へのトナーや層の剥離)の改良、カールバランスの調整、帯電調整(トナー静電像の形成)等の目的で使用してもよい。
【0091】
−着色剤−
前記着色剤としては、蛍光増白剤、白色顔料、有色顔料、染料等が挙げられる。
前記蛍光増白剤は、近紫外部に吸収を持ち、400〜500nmに蛍光を発する化合物で、公知の蛍光増白剤が特に制限なく各種使用することができる。該蛍光増白剤としては、K.VeenRataraman編“The Chemistry of Synthetic Dyes”V巻8章に記載されている化合物を好適に挙げることができる。具体的には、スチルベン系化合物や、クマリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、カルボスチリル系化合物などが挙げられる。それらの例としては、住友化学製ホワイトフルファーPSN、PHR、HCS、PCS、B;Ciba−Geigy社製UVITEX−OBなどが挙げられる。
【0092】
前記白色顔料としては、後述するフィラーの項の無機顔料(例えば、酸化チタン、炭酸カルシウム他)を用いることができる。有色顔料としては、特開昭63−44653号公報等に記載されている各種顔料及びアゾ顔料(例えば、アゾレーキ;カーミン6B、レッド2B、不溶性アゾ;モノアゾイエロ、ジスアゾイエロ、ピラゾロオレンジ、バルカンオレンジ、縮合アゾ系;クロモフタルイエロ、クロモフタルレッド)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン系;銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン、シオキサジン系;ジオキサジンバイオレット、イソインドリノン系;イソインドリノンイエロ、スレン系;ペリレン、ペリノン、フラバントロン、チオインジゴ、レーキ顔料(例えば、マラカイトグリーン、ローダミンB、ローダミンG、ビクトリアブルーB)又無機顔料(例えば、酸化物、二酸化チタン、ベンガラ、硫酸塩;沈降性硫酸バリウム、炭酸塩;沈降性炭酸カルシウム、硅酸塩;含水硅酸塩、無水硅酸塩、金属粉;アルミニウム粉、ブロンズ粉、亜鉛末、カーボンブラック、黄鉛、紺青等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記顔料としては、特に酸化チタンが好ましい。
【0093】
前記染料としては、公知の種々の染料を用いることができる。
油溶性染料としては、アントラキノン系化合物、アゾ系化合物などが挙げられる。
水不溶性染料の具体例としては、C.I.Vatヴァイオレット1、C.I.Vatヴァイオレット2、C.I.Vatヴァイオレット9、C.I.Vatヴァイオレット13,C.I.Vatヴァイオレット21、C.I.Vatブルー1、C.I.Vatブルー3、C.I.Vatブルー4、C.I.Vatブルー6、C.I.Vatブルー14、C.I.Vatブルー20、C.I.Vatブルー35等の建染染料;C.I.ディスパーズヴァイオレット1、C.I.ディスパーズヴァイオレット4、C.I.ディスパーズヴァイオレット10、C.I.ディスパーズブルー3、C.I.ディスパーズブルー7、C.I.ディスパーズブルー58等の分散染料;C.I.ソルベントヴァイオレット13、C.I.ソルベントヴァイオレット14、C.I.ソルベントヴァイオレット21、C.I.ソルベントヴァイオレット27、C.I.ソルベントブルー11、C.I.ソルベントブルー12、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー55等の油溶性染料、などが挙げられる。
なお、銀塩写真で用いられているカラードカプラーも好ましく用いることができる。
【0094】
前記着色剤の、前記トナー受像層(表面)における含有量(g/m)としては、0.1〜8g/mが好ましく、0.5〜5g/mがより好ましい。
前記着色剤の含有量が0.1g/mに満たないと、トナー受像層における光透過率が高くなり、一方、着色剤の含有量が8g/mを超えると、ヒビ割れ、耐接着等の取り扱い性が悪いことがある。
【0095】
−フィラー−
前記フィラーとしては、有機又は無機のフィラーが挙げられ、バインダー樹脂用の補強剤や、充填剤、強化材として公知のものが用いることができる。該フィラーとしては、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)、「新版 プラスチック配合剤 基礎と応用」(大成社)、「フィラーハンドブック」(大成社)等を参考にして選択することができる。
また、前記フィラーとして、各種無機フィラー(又は顔料)を用いることができる。無機顔料としては、例えば、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、雲母状酸化鉄、鉛白、酸化鉛、酸化コバルト、ストロンチウムクロメート、モリブデン系顔料、スメクタイト、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、ムライト等が挙げられる。フィラーとしては、特に、シリカや、アルミナが好ましい。これらのフィラーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また前記フィラーとしては、粒径の小さいものが好ましい。粒径が大きいと、トナー受像層の表面が粗面化し易い。
【0096】
前記シリカには、球状シリカと無定形シリカが含まれる。該シリカは、乾式法、湿式法又はエアロゲル法により合成できる。疎水性シリカ粒子の表面を、トリメチルシリル基又はシリコーンで表面処理してもよい。シリカとしては、コロイド状シリカが好ましい。シリカの平均粒径としては、200〜5000nmが好ましい。
前記シリカは、多孔質であるのが好ましい。多孔質シリカの平均孔径は、4〜120nmが好ましく、4〜90nmがより好ましい。また、多孔質シリカの質量当りの平均孔容積は、0.5〜3ml/gが好ましい。
【0097】
前記アルミナには、無水アルミナ及びアルミナ水和物が含まれる。無水アルミナの結晶型としては、α、β、γ、δ、ζ、η、θ、κ、ρ又はχを用いることができる。無水アルミナよりもアルミナ水和物の方が好ましい。アルミナ水和物としては、一水和物又は三水和物を用いることできる。一水和物には、擬ベーマイト、ベーマイト及びダイアスポアが含まれる。三水和物には、ジブサイト及びバイヤライトが含まれる。前記アルミナの平均粒径としては、4〜300nmが好ましく、4〜200nmがより好ましい。アルミナは、多孔質であるのが好ましい。多孔質アルミナの平均孔径としては、50〜500nmが好ましい。多孔質アルミナの質量当りの平均孔容積としては、0.3〜3ml/g程度が好ましい。
【0098】
前記アルミナ水和物は、アルミニウム塩溶液にアンモニアを加えて沈澱させるゾルゲル法又はアルミン酸アルカリを加水分解する方法により合成できる。無水アルミナは、アルミナ水和物を加熱により脱水することで得ることができる。
前記フィラーは、添加する層のバインダーの乾燥質量に基づいて、5〜2000質量%が好ましい。
【0099】
−架橋剤−
前記架橋剤は、トナー受像層の保存安定性や、熱可塑性等を調整するために配合することができる。このような架橋剤としては、反応基としてエポキシ基、イソシアネート基、アルデヒド基、活性ハロゲン基、活性メチレン基、アセチレン基、その他公知の反応基を2個以上分子内に有する化合物が用いられる。
【0100】
前記架橋剤として、これとは別に、水素結合、イオン結合、配位結合等により結合を形成することが可能な基を2個以上有する化合物も用いることができる。
前記架橋剤としては、樹脂用のカップリング剤、硬化剤、重合剤、重合促進剤、凝固剤、造膜剤、造膜助剤等として公知の化合物を用いることができる。カップリング剤の例としては、例えば、クロロシラン類、ビニルシラン類、エポキシシラン類、アミノシラン類、アルコキシアルミニウムキレート類、チタネートカップリング剤などが挙げられる他、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等に挙げられた公知のものを用いることができる。
【0101】
−帯電制御剤−
本発明のトナー受像層には、トナーの転写や、付着等を調整したり、トナー受像層の帯電接着を防止するために、帯電調整剤を含有させることが好ましい。
前記帯電調整剤としては、従来から公知の各種帯電調整剤を使用することができる。このような帯電調整剤としては、例えば、カチオン界面活性剤や、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の界面活性剤等の他、高分子電解質、導電性金属酸化物等を使用できる。例えば、第4級アンモニウム塩や、ポリアミン誘導体、カチオン変性ポリメチルメタクリレート、カチオン変性ポリスチレン等のカチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート、アニオン系ポリマー等のアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステル、ポリエチレンオキサイド等のノニオン系帯電防止剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0102】
トナーが負電荷を有する場合、トナー受像層に配合される帯電調整剤としては、例えば、カチオンやノニオンが好ましい。
導電性金属酸化物としては、例えば、ZnO、TiO、SnO、Al、In、SiO、MgO、BaO、MoO等を挙げることができる。これらの導電性金属酸化物は、単独で使用しても良く、これらの複合酸化物で使用しても良い。また、前記金属酸化物は、異種元素を更に含有させてもよく、例えば、ZnOに対して、Al、In等、TiOに対してNb、Ta等、SnOに対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等を含有(ドーピング)させることができる。
【0103】
−−その他の添加剤−−
本発明のトナー受像層に使用され得る材料には、出力画像の安定性改良やトナー受像層自身の安定性改良のため各種添加剤を含めることができる。前記添加剤としては、種々の公知の酸化防止剤、老化防止剤、劣化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、金属錯体、光安定剤、防腐剤、防かび剤、等が挙げられる。
【0104】
前記酸化防止剤としては、例えば、クロマン化合物、クマラン化合物、フェノール化合物(例、ヒンダードフェノール)、ハイドロキノン誘導体、ヒンダードアミン誘導体、スピロインダン化合物が挙げられる。なお、酸化防止剤については、特開昭61−159644号公報などに記載されている。
【0105】
前記老化防止剤としては、例えば、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品 改訂第2版」(1993年、ラバーダイジェスト社)p76〜121に記載のものが挙げられる。
【0106】
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール化合物(米国特許3533794号明細書記載)、4−チアゾリドン化合物(米国特許3352681号明細書記載)、ベンゾフェノン化合物(特開昭46−2784号公報記載)及び紫外線吸収ポリマー(特開昭62−260152号公報記載)が挙げられる。
【0107】
前記金属錯体としては、例えば、米国特許4241155号、同4245018号、同4254195号の各明細書、特開昭61−88256号、同62−174741号、同63−199248号、特開平1−75568号、同1−74272号の各公報に記載されているものが適当である。
また、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品 改訂第2版」(1993年、ラバーダイジェスト社)p122〜137に記載の紫外線吸収剤、光安定剤も好ましく用いられる。
【0108】
なお、本発明のトナー受像層に使用され得る材料には、上述したように公知の写真用添加剤を必要に応じて添加することができる。前記写真用添加剤としては、例えば、リサーチ・ディスクロージャー誌(以下、RDと略記する)No.17643(1978年12月)、同No.18716(1979年11月)及び同No.307105(1989年11月)に記載されており、その該当箇所を下記にまとめて示す。
Figure 2004271791
【0109】
本発明のトナー受像層は、前記支持体上に、トナー受像層に用いられるポリマーを含有する塗工液をワイヤーコーター等で塗布し、乾燥することによって設けられる。本発明で使用される前記ポリマーの成膜温度は、プリント前の保存に対しては、室温以上が好ましく、トナー粒子の定着に対しては100℃以下が好ましい。
【0110】
本発明のトナー受像層は、乾燥後の塗布質量は、例えば、1〜20g/mが好ましく、4〜15g/mがより好ましい。
前記トナー受像層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、1〜30μmが好ましく、2〜20μmがより好ましい。
【0111】
〔トナー受像層の諸物性〕
前記トナー受像層は、定着部材との定着温度における180度剥離強さは、0.1N/25mm以下が好ましく、0.041N/25mm以下がより好ましい。前記180度剥離強さは、定着部材の表面素材を用い、JIS K6887に記載の方法に準拠して測定することができる。
前記トナー受像層は、白色度が高いのが好ましい。該白色度としては、JISP 8123に規定される方法で測定して、85%以上が好ましい。また、440nm〜640nmの波長域で、分光反射率が85%以上、かつ同波長域の最大分光反射率と最低分光反射率の差は5%以内が好ましい。更には、400nm〜700nmの波長域で分光反射率は85%以上が好ましく、かつ同波長域の最大分光反射率と最低分光反射率の差は5%以内がより好ましい。
前記白色度としては、具体的には、CIE 1976(L)色空間において、L値は80以上が好ましく、85以上がより好ましく、90以上が更に好ましい。また、前記白色の色味はできるだけニュートラルであるのが好ましい。白色色味としては、L空間において、(a+(bの値は50以下が好ましく、18以下がより好ましく、5以下が更に好ましい。
【0112】
前記トナー受像層としては、光沢性が高いのが好ましい。光沢度としては、トナーが無い白色から最大濃度の黒色までの全領域において、45度光沢度は60以上が好ましく、75以上がより好ましく、90以上が更に好ましい。
但し、光沢度は110以下が好ましい。110を超えると金属光沢のようになり画質として好ましくない。
尚、前記光沢度は、JIS Z 8741に基づいて測定することができる。
【0113】
前記トナー受像層は、平滑性が高いのが好ましい。該平滑度としては、トナーが無い白色から最大濃度の黒色までの全領域において、算術平均粗さ(Ra)は3μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましく、0.5μm以下が更に好ましい。
尚、算術平均粗さは、JIS B 0601、B 0651、B 0652に基づいて測定することができる。
【0114】
前記トナー受像層は、以下の項目における1項目の物性を有することが好ましく、更に好ましくは、複数の項目、最も好ましくは、全ての項目の物性を有することが適当である。
(1)トナー受像層のTm(溶融温度)が30℃以上、トナーのTm+20℃以下である。
(2)トナー受像層の粘度が1×10CPになる温度が、40℃以上であり、トナーのそれより低い。
(3)トナー受像層の定着温度における貯蔵弾性率(G’)が、1×10〜1×10Pa、損失弾性率(G”)が、1×10〜1×10Paである。
(4)トナー受像層の定着温度における損失弾性率(G”)と、貯蔵弾性率(G’)との比である損失正接(G”/G’)が、0.01〜10である。
(5)トナー受像層の定着温度における貯蔵弾性率(G’)が、トナーの定着温度における貯蔵弾性率(G”)に対して、−50〜+2500である。
(6)溶融トナーのトナー受像層上の傾斜角が、50度以下、特に40度以下である。
また、トナー受像層としては、特許第2788358号明細書、特開平7−248637号公報、同8−305067号公報、同10−239889号公報等に開示されている物性等を満足するものが好ましい。
【0115】
前記(1)の物性は、示差走査熱量測定装置(DSC)により測定することができる。前記(2)〜(3)の物性は、例えば、島津製作所製フローテスターCFT−500又は500Dを用いて測定することができる。前記(5)〜(7)の物性は、回転型レオメーター(例えば、レオメトリック社製ダイナミックアナライザーRADII)を用いて測定することができる。前記(8)の物性は、協和界面科学(株)製の接触角測定装置を用い、特開平8−334916号公報に開示した方法で測定することができる。
【0116】
前記トナー受像層としては、1×10〜1×1015Ω/cmの範囲(25℃、65%RHの条件にて)の表面電気抵抗を有するのが好ましい。
前記表面抵抗が1×10Ω/cm未満であると、トナー受像層にトナーが転写される際のトナー量が充分でなく、得られるトナー画像の濃度が低くなり易いことがある。一方、表面電気抵抗が、1×1015Ω/cmを超えると、転写時に必要以上の電荷が発生し、トナーが充分に転写されず、画像の濃度が低く、電子写真用受像シートの取り扱い中に静電気を帯びて塵埃が付着し易くなる。また、複写時にミスフィード、重送、放電マーク、トナー転写ヌケ等が発生することがある。
ここで、前記表面電気抵抗の測定は、JIS K 6911に準拠し、サンプルを温度20℃、湿度65%の環境下に8時間以上調湿し、同じ環境下で、アドバンテスト(株)製R8340を使用し、印加電圧100Vの条件で、通電して1分間経過した後に測定することで得られる。
【0117】
〔バック層〕
前記バック層は、本発明の電子写真用受像シートにおいて、裏面出力適性付与、裏面出力画質改良、カールバランス改良、機器通過性改良等の目的で、支持体に対して、トナー受像層の反対側に設けられるのが好ましい。
前記バック層の色としては、特に制限はないが、本発明の電子写真用受像シートが、裏面にも画像を形成する両面出力型受像シートの場合、バック層も白色であることが好ましい。白色度及び分光反射率は、表面と同様に85%以上が好ましい。
また、両面出力適性改良のため、バック層の構成がトナー受像層側と同様であってもよい。バック層には、上記で説明した各種の添加剤を用いることができる。このような添加剤として、特にマット剤や、帯電調整剤等を配合することが適当である。バック層は、単層構成であってもよく、2層以上の積層構成であってもよい。
また、定着時のオフセット防止のため、定着ローラ等に離型性オイルを用いている場合、バック層は、オイル吸収性としてもよい。
前記バック層の厚みは、通常、0.1〜10μmが好ましい。
【0118】
[その他の層]
前記電子写真用受像シートにおけるその他の層としては、例えば、表面保護層、密着改良層、中間層、下塗り層、クッション層、帯電調節(防止)層、反射層、色味調製層、保存性改良層、接着防止層、アンチカール層、及び、平滑化層等が挙げられる。これらの層は、単層構成であってもよく、2以上の層より構成されていてもよい。
【0119】
−表面保護層−
前記表面保護層は、本発明の電子写真用受像シートにおける表面の保護、保存性の改良、取り扱い性の改良、筆記性の付与、機器通過性の改良、アンチオフセット性の付与等の目的で、前記トナー受像層の表面に設けることができる。該表面保護層は、1層であってもよいし、2層以上の層からなっていてもよい。表面保護層には、バインダーとして各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができ、前記トナー受像層と同種の樹脂を用いるのが好ましい。但し、熱力学的特性や、静電特性等は、トナー受像層と同じである必要はなく、各々最適化することができる。
【0120】
前記表面保護層には、トナー受像層に使用可能な、前述の各種の添加剤を配合することができる。特に、前記表面保護層には、本発明で使用する離型剤と共に、他の添加剤、例えば、マット剤等を配合することができる。なお、前記マット剤としては、種々の公知のものが挙げられる。
本発明の電子写真用受像シートにおける最表面層(例えば、表面保護層が形成されている場合には、表面保護層等)としては、定着性の点で、トナーとの相溶性が良いのが好ましい。具体的には、溶融したトナーとの接触角が、例えば0〜40度であることが好ましい。
【0121】
−密着改良層等−
前記密着改良層は、本発明の電子写真用受像シートにおいて、支持体及びトナー受像層の密着性を改良する目的で、形成するのが好ましい。密着改良層には、前述の各種の添加剤を配合することができ、特に架橋剤を配合するのが好ましい。また、本発明の電子写真用受像シートには、トナーの受容性を改良するため、該密着改良層及びトナー受像層の間に、更にクッション層等を設けるのが好ましい。
【0122】
−中間層−
前記中間層は、例えば、支持体及び密着改良層の間、密着改良層及びクッション層の間、クッション層及びトナー受像層の間、トナー受像層及び保存性改良層との間等に形成することができる。もちろん、支持体、トナー受像層、及び、中間層からなる電子写真用受像シートの場合には、中間層は、例えば、支持体及びトナー受像層の間に存在させることができる。
【0123】
なお、本発明の前記電子写真用受像シートの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、50〜350μmが好ましく、100〜280μmがより好ましい。
【0124】
(トナー)
本発明の電子写真用受像シートは、印刷又は複写の際に、トナー受像層にトナーを受容させて使用される。
前記トナーは、結着樹脂と着色剤とを少なくとも含有し、必要に応じて離型剤、その他の成分を含有する。
【0125】
−トナー 結着樹脂−
前記結着樹脂としては、スチレン、パラクロルスチレンなどのスチレン類;ビニルナフタレン、塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメチレン脂肪族カルボン酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリルロニトリル、アクリルアミドなどのビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類;メタクリル酸、アクリル酸、桂皮酸などのビニルカルボン酸類などビニル系モノマーの単独重合体やその共重合体、更には各種ポリエステル類を使用することができ、各種ワックス類を併用することも可能である。
これらの樹脂の中で、特に本発明のトナー受像層に用いたものと同一系統の樹脂を用いるのが好ましい。
【0126】
−トナー 着色剤−
前記着色剤としては、通常トナーに用いられているものを制限なく使用することができ、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどの種々の顔料が挙げられる。また、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料などが挙げられる。これら着色剤は1種単独で使用してもよいし、複数種類を併せて使用してもよい。
着色剤の含有量は、2〜8質量%の範囲が好ましい。着色剤の含有量が2質量%以上であれば着色力が弱くなることもなく、一方、8質量%以下であれば、透明性が損なわれることもないので好ましい。
【0127】
−トナー 離型剤−
前記離型剤としては、原理的には、公知のワックス全てが使用可能であるが、比較的低分子量の高結晶性ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、アミドワックス、ウレタン化合物など窒素を含有する極性ワックスなどが特に有効である。ポリエチレンワックスの分子量は1000以下が好ましく、300〜1000がより好ましい。
【0128】
前記ウレタン結合を有する化合物は、低分子量であっても極性基による凝集力の強さにより、固体状態を保ち、融点も分子量のわりには高く設定できるので好適である。分子量の好ましい範囲は300〜1000である。原料は、ジイソシアン酸化合物類とモノアルコール類との組み合わせ、モノイソシアン酸とモノアルコールとの組み合わせ、ジアルコール類とモノイソシアン酸との組み合わせ、トリアルコール類とモノイソシアン酸との組み合わせ、トリイソシアン酸化合物類とモノアルコール類との組み合わせなど、種々の組み合わせを選択することができが、高分子量化させないために、多官能基と単官能基の化合物を組み合わせることが好ましく、また等価の官能基量となるようにすることが重要である。
【0129】
具体的な、原料化合物のうちモノイソシアン酸化合物としては、例えば、イソシアン酸ドデシル、イソシアン酸フェニル及びその誘導体、イソシアン酸ナフチル、イソシアン酸ヘキシル、イソシアン酸ベンジル、イソシアン酸ブチル、イソシアン酸アリルなどが挙げられる。
ジイソシアン酸化合物としては、ジイソシアン酸トリレン、ジイソシアン酸4、4’ジフェニルメタン、ジイソシアン酸トルエン、ジイソシアン酸1、3−フェニレン、ジイソシアン酸ヘキサメチレン、ジイソシアン酸4−メチル−m−フェニレン、ジイソシアン酸イソホロンなどが挙げられる。
モノアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノールなど極く一般的なアルコール類を使用することが可能である。
原料化合物のうちジアルコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチレングリコールなど多数のグリコール類;トリアルコール類としては、トリメチロールプロパン、トリエチロールプロパン、トリメタノールエタンなどが使用可能であるが、必ずしもこの範囲に限定されない。
【0130】
これらのウレタン化合物類は、通常の離型剤のように、混練時に樹脂や着色剤とともに混合して、混練粉砕型トナーとしても使用できる。また、前記の乳化重合凝集溶融法トナーに用いる場合には、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱してホモジナイザーや圧力吐出型分散機で強い剪断をかけて微粒子化し、1μm以下の離型剤粒子分散液を調製し、樹脂粒子分散液、着色剤分散液などとともに用いることができる。
【0131】
−トナー その他の成分−
また、本発明のトナーには、内添剤、帯電制御剤、無機微粒子等のその他の成分を配合することができる。内添剤としては、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、又はこれら金属を含む化合物などの磁性体を使用することができる。
【0132】
前記帯電制御剤としては、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミや、鉄、クロムなどの錯体からなる染料、トリフェニルメタン系顔料など通常使用される種々の帯電制御剤を使用することができる。なお、凝集、溶融時の安定性に影響するイオン強度の制御や、廃水汚染を減少する観点から水に溶解しにくい材料が好ましい。
【0133】
前記無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど、通常、トナー表面の外添剤を全て使用で、それらをイオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散して使用することが好ましい。
【0134】
更に、乳化重合、シード重合、顔料分散、樹脂粒子分散、離型剤分散、凝集、更には、それらの安定化などに界面活性剤を用いることができる。例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン系界面活性剤、また、ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤を併用することも効果的である。その際の分散手段としては、回転せん断型ホモジナイザーやメデイアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的なものが使用可能である。
【0135】
なお、前記トナーには、必要に応じて更に外添剤を添加してもよい。前記外添剤としては、無機粉末及び有機粒子等が挙げられる。前記無機粒子としては、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等を例示することができる。また、前記有機粒子としては、脂肪酸又はその誘導体や、これ等の金属塩等の粉末、フッ素系樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂等の樹脂粉末を用いることができる。これらの粉末の平均粒径は、例えば、0.01〜5μmが好ましく、0.1〜2μmがより好ましい。
【0136】
前記トナーの製造方法は、特に制限されないが、(i)樹脂粒子を分散させてなる分散液中で凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製する工程、(ii)前記凝集粒子分散液中に、微粒子を分散させてなる微粒子分散液を添加混合して前記凝集粒子に前記微粒子を付着させて付着粒子を形成する工程、及び(iii)前記付着粒子を加熱し融合してトナー粒子を形成する工程、とを含むトナーの製造方法により製造することが好ましい。
【0137】
−トナー物性等−
本発明のトナーの体積平均粒子径は0.5μm以上10μm以下が好ましい。
前記トナーの体積平均粒子径が小さすぎると、トナーのハンドリング(補給性、クリーニング性、流動性等)に悪影響が生じる場合があり、また、粒子生産性が低下する場合がある。一方、トナーの体積平均粒子径が大きすぎると、粒状性、転写性に起因する画質、解像度に悪影響を与える場合がある。
また、本発明のトナーは、前記トナーの体積平均粒子径範囲を満たし、かつ体積平均粒度分布指数(GSDv)は1.3以下が好ましい。
前記体積平均粒度分布指数(GSDv)と数平均粒度分布指数(GSDn)との比(GSDv/GSDn)は0.95以上が好ましい。
また、本発明のトナーは、前記トナーの体積平均粒子径範囲を満たし、かつ下記式で表される形状係数の平均値は1.00〜1.50が好ましい。
形状係数=(π×L)/(4×S)
(但し、Lはトナー粒子の最大長、Sはトナー粒子の投影面積を示す。)
トナーが上記条件を満たす場合には、画質、特に、粒状性、解像度に効果があり、また、転写に伴う抜けやブラーが生じにくく、平均粒径が小さくなくてもハンドリング性に悪影響が出にくくなる。
【0138】
なお、トナー自体の150℃における貯蔵弾性率G’(角周波数10rad/secで測定)は、10〜200Paであることが、定着工程での画質向上とオフセット性の防止の面から適当である。
【0139】
(画像形成方法)
本発明の画像形成方法は、加熱加圧処理として、加熱加圧手段と、冷却手段と、冷却剥離部とを有する冷却剥離式のベルト定着型平滑化処理機を用いることが好適である。
前記加熱加圧手段により、前記画像形成層における熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度に加熱加圧し、冷却した後、前記加熱加圧手段におけるベルト部材から剥離することが好ましい(冷却剥離処理)。
前記冷却剥離方式のベルト型平滑化処理機の加熱加圧手段としては、特に制限されないが、例えば、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせなどが挙げられる。前記冷却手段としては、特に制限されないが、例えば、冷気を送風可能であり、冷却温度等を調節可能である冷却装置、ヒートシンク、などが用いられる。
【0140】
前記画像形成材料を前記冷却剥離方式のベルト型平滑化処理機の加熱加圧手段に接触させる際には、加圧することが好ましい。この加圧の方法としては、特に制限はないが、ニップ圧を印加するのが好ましい。前記ニップ圧としては、耐水性、表面平滑性に優れ、良好な光沢を有する画像形成を行う観点から、1〜100kg/cmが好ましく、5〜30kg/cmがより好ましい。また、加熱加圧手段における加熱は、画像形成層における熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度であり、用いる熱可塑性樹脂に応じて異なるが、通常、80℃以上200℃以下が好ましい。前記冷却手段における冷却温度は、画像形成層における熱可塑性樹脂層が十分に固化する80℃以下の温度が好ましく、20〜80℃がより好ましい。
【0141】
前記定着ベルトの表面は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーン樹脂、フッ素樹脂からなる群より選択される少なくとも1種以上からなる薄膜が形成されることが好ましい。中でも、ベルト部材の表面に均一な厚さのフルオロカーボンシロキサンゴム製の層を設ける態様、前記ベルト部材の表面に均一な厚さのシリコーンゴム製の層を有し、かつ該シリコーンゴム層の表面に均一な厚さのフルオロカーボンシロキサンゴム製の層を設ける態様が好ましい。
【0142】
前記フルオロカーボンシロキサンゴムとしては、主鎖にパーフルオロアルキルエーテル基及び/又はパーフルオロアルキル基を有するものが好ましい。
このようなフルオロカーボンシロキサンゴムとしては、(A)下記一般式(1)のフルオロカーボンシロキサンを主成分とし、脂肪族不飽和基を有するフルオロカーボンポリマー、(B)1分子中に2個以上の≡SiH基を含有し、上記フルオロカーボンシロキサンゴム組成物中の脂肪族不飽和基量に対して上記≡SiH基の含有量が1〜4倍モル量であるオルガノポリシロキサン及び/又はフルオロカーボンシロキサン、(C)充填剤、(D)有効量の触媒を含有するフルオロカーボンシロキサンゴム組成物の硬化物が好適に用いられる。
【0143】
前記(A)成分のフルオロカーボンポリマーは、下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するフルオロカーボンシロキサンを主成分とし、脂肪族不飽和基を有するものである。
【0144】
【化1】
Figure 2004271791
【0145】
ここで、上記式(1)において、R10は非置換又は置換の好ましくは炭素数1〜8の一価炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数2〜3のアルケニル基であり、特にメチル基であることが好ましい。a,eはそれぞれ0又は1、b,dはそれぞれ1〜4の整数、cは0〜8の整数である。また、xは1以上の整数、好ましくは10〜30である。
【0146】
このような(A)成分としては、下記式(2)で示すものを挙げることができる。
【0147】
【化2】
Figure 2004271791
【0148】
前記(B)成分において、≡SiH基を有するオルガノポリシロキサンとしては、ケイ素原子に結合した水素原子を分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを挙げることができる。
【0149】
また、本発明で用いるフルオロカーボンシロキサンゴム組成物においては、(A)成分のフルオロカーボンポリマーが脂肪族不飽和基を有するものであるときには、硬化剤として上述したオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することができる。即ち、この場合には、フルオロカーボンシロキサン中の脂肪族不飽和基と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子との間で生ずる付加反応によって硬化物が形成されるものである。
【0150】
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、付加硬化型のシリコーンゴム組成物に使用される種々のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することができる。
【0151】
上述したオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一般にその≡SiH基の数が、(A)成分のフルオロカーボンシロキサン中の脂肪族不飽和炭化水素基1個に対して、少なくとも1個、特に1〜5個となるような割合で配合することが好適である。
【0152】
また、≡SiH基を有するフルオロカーボンとしては、上記式(1)の単位又は式(1)においてR10がジアルキルハイドロジェンシロキシ基であり、かつ末端がジアルキルハイドロジェンシロキシ基又はシリル基等の≡SiH基であるものが好ましく、下記式(3)で示すものを挙げることができる。
【0153】
【化3】
Figure 2004271791
【0154】
前記(C)成分の充填剤としては、一般的なシリコーンゴム組成物に使用されている種々の充填剤を用いることができる。例えば、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、カーボン粉末、二酸化チタン、酸化アルミニウム、石英粉末、タルク、セリサイト及びベントナイト等の補強性充填剤、アスベスト、ガラス繊維、有機繊維等の繊維質充填剤などを例示することができる。
【0155】
前記(D)成分の触媒としては、付加反応用触媒として公知とされている塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィンとの錯体、白金黒又はパラジウムをアルミナ、シリカ、カーボンなどの担体に担持したもの、ロジウムとオレフィンとの錯体、クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒)、ロジウム(III)アセチルアセトネートなどのような周期律表第VIII族元素又はその化合物が例示されるが、これらの錯体はアルコール系、エーテル系、炭化水素などの溶剤に溶解して用いることが好ましい。
【0156】
本発明で用いるフルオロカーボンシロキサンゴム組成物においては、耐薬品性を向上させるという本発明の目的を損なわない範囲において、種々の配合剤を添加することができる。例えば、ジフェニルシランジオール、低重合度の分子鎖末端水酸基封鎖ジメチルポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザン等の分散剤、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化セリウム、オクチル酸鉄等の耐熱性向上剤、顔料等の着色剤等を必要に応じて配合することができる。
【0157】
前記本発明のベルト部材は、耐熱性樹脂製又は金属製のベルト本体の表面を上記フルオロカーボンシロキサンゴム組成物で被覆し、加熱硬化することによって得られるが、必要に応じて更に、m−キシレンヘキサフロライド、ベンゾトリフロライド等の溶剤で希釈して塗工液とし、スプレーコート、ディップコート及びナイフコート等の一般的なコーティング法によって塗布することができる。また、加熱硬化の温度、時間は適宜選定することができ、通常温度100〜500℃、時間5秒〜5時間の範囲でベルト本体の種類及び製造方法などに応じて選択される。
【0158】
前記ベルト部材の表面に形成するフルオロカーボンシロキサンゴム層の厚さは特に限定されるものではないが、通常20〜500μmが好ましく、40〜200μmがより好ましい。
【0159】
前記ベルト部材の表面粗さ〔算術平均粗さ(Ra)〕としては、特に、表面平滑性に優れ、良好な光沢を有する画像形成を行える点で、20μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、1μm以下が更に好ましい。なお、算術平均粗さは、JIS B 0601、B 0651、B 0652に基づいて測定することができる。
る。
【0160】
本発明の電子写真用受像シートに画像を形成する方法は、定着ベルトを使用した電子写真方法であれば、特に制限はなく、通常の電子写真法であれば、いずれも適用することができる。
例えば、本発明の電子写真用受像シートには、カラー画像を好ましく形成することができる。カラー画像の形成は、フルカラー画像を形成し得る電子写真装置を用いて行うことができる。通常の電子写真装置は、受像シート搬送部と、潜像形成部と、潜像形成部に近接して配設されている現像部とがあり、機種によっては、装置本体の中央に潜像形成部と受像シート搬送部に近接してトナー像中間転写部を有している。
【0161】
更に、画質の向上を図るための方法として、静電転写或いはバイアスローラ転写に代わって、或いは併用して、粘着転写又は熱支援型の転写方式が知られている。例えば、特開昭63−113576号公報及び特開平5−341666号公報にはその具体的な構造が記載されている。特に熱支援型転写方式の中間転写ベルトを用いた方法は、小粒径のトナーを使用する場合には好ましい。
【0162】
本発明の画像形成方法によれば、定着オイルのないオイルレス機を使用しても、電子写真用受像シート及びトナーの剥離性、或いは電子写真用受像シート及びトナー成分のオフセットを防止でき、安定した給紙を実現できると共に、これまでにない良好な光沢性を有し、写真感覚に富む、良好な画像を実現できる。
【0163】
図1は、本発明の電子写真装置(例えば、富士ゼロックス製フルカラーレーザープリンター(DCC−500))を示し、該電子写真装置のベルト状定着部が図2のベルト定着型平滑化処理機に改造して用いられている。図1中、100は画像形成装置、37は感光体ドラム、9は現像装置、31は中間転写ベルト、16は記録シート、25はベルト状定着部、をそれぞれ示す。
図2は、上記図1の電子写真装置(画像形成装置)100の内部に配設されるベルト式定着部25を示す。
このベルト式定着装置25は、図2に示すように、加熱ロール71と、該加熱ロール71を含む剥離ロール74、テンションロール75により回動可能に支持された無端ベルト73と、前記加熱ロール71に無端ベルト73を介して圧接する加圧ロール72とを備えている。
また、前記無端ベルト73の内面側には、加熱ロール71と剥離ロール74との間に、該無端ベルト73を強制的に冷却する冷却用のヒートシンク77が配設されており、この冷却用ヒートシンク77によって電子写真用受像シートの冷却及びシートの搬送を行う冷却・シート搬送部が構成されている。
【0164】
そして、前記ベルト式定着装置25では、図2に示すように、表面にカラートナー画像が転写・定着された電子写真用転写シートが、加熱ロール71と当該加熱ロール71に無端ベルト73を介して圧接する加圧ロール72との圧接部(ニップ部)に、カラートナー画像が加熱ロール71側に位置するようにして導入され、上記加熱ロール71と加圧ロール72との圧接部を通過する間に、カラートナー画像Tが電子写真用転写シート上に加熱溶融されて定着される。
【0165】
その後、前記加熱ロール71と加圧ロール72との圧接部において、例えば、トナーが実質的に120〜130℃程度の温度に加熱され、溶融されて、カラートナー画像が受像層に定着された電子写真用受像シートは、その表面の受像層が無端ベルト73の表面に密着したまま状態で、当該無端ベルト73と共に搬送される。その間、上記無端ベルト73は、冷却用のヒートシンク77によって強制的に冷却され、カラートナー画像及び受像層が冷却して固化した後、剥離ロール74によって電子写真用受像シート自身の腰(剛性)によって剥離される。
【0166】
なお、剥離工程が終了した後の無端ベルト73の表面は、クリーナ(図示せず)によって残留トナー等が除去され、次の定着工程に備えるようになっている。
【0167】
本発明の電子写真用受像シートに画像を形成する方法は、定着ベルトを使用した電子写真方法であれば、上記方法に制限されるものではない。通常の電子写真法であれば、いずれも適用することができる。
例えば、本発明の電子写真用受像シートには、カラー画像を好ましく形成することができる。カラー画像の形成は、フルカラー画像を形成し得る電子写真装置を用いて行うことができる。通常の電子写真装置は、受像シート搬送部と、潜像形成部と、潜像形成部に近接して配設されている現像部とがあり、機種によっては、装置本体の中央に潜像形成部と受像シート搬送部に近接してトナー像中間転写部を有している。
【0168】
更に、画質の向上を図るための方法として、静電転写或いはバイアスローラ転写に代わって、或いは併用して、粘着転写又は熱支援型の転写方式が知られている。例えば、特開昭63−113576号公報及び特開平5−341666号公報にはその具体的な構造が記載されている。特に熱支援型転写方式の中間転写ベルトを用いた方法は、小粒径のトナーを使用する場合には好ましい。
【0169】
本発明の画像形成方法によれば、定着オイルのないオイルレス機を使用しても、電子写真用受像シート及びトナーの剥離性、或いは電子写真用受像シート及びトナー成分のオフセットを防止でき、安定した給紙を実現できると共に、これまでにない良好な光沢性を有し、写真感覚に富む、良好な画像を実現できる。
【0170】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例において、「%」及び「部」は、質量基準である。
【0171】
(実施例1〜6及び比較例1〜4)
−支持体の作製−
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP;白色度90%)をディスクリファイナーで300ml(カナダ標準ろ水度、C.F.S.)まで叩解し、繊維長0.60mmに調整した。このパルプ紙料に対して、パルプの質量に基づいて、以下の割合で添加剤を添加した。
Figure 2004271791
注)前記AKDは、アルキルケテンダイマー(アルキル部分は、ベヘン酸を主体とする脂肪酸由来のものである)を意味する。前記EFAは、エポキシ化脂肪酸アミド(脂肪酸部分は、ベヘン酸を主体とする脂肪酸由来のものである)を意味する。
【0172】
得られたパルプ紙料を、長網抄紙機により絶乾燥坪量160g/mの原紙を作製した。なお、なお、長網抄紙機の乾燥ゾーンの中間でサイズプレス装置により、固形分でPVA 1.2g/m、CaCO 0.9g/mを付着した。
その後、マシンカレンダーを用いて、原紙のトナー受像層を設ける側の面(表面)に表面温度が110℃の金属ロールが接するように通紙し、カレンダー処理を行った。なお、原紙の反対側の面(裏面)は表面温度40℃の金属ロールが接するようにした。
更に、ソフトカレンダーを用いて、原紙の表面に表面温度210℃の金属ロール、裏面には表面温度40℃の樹脂ロールが接するように通紙し、カレンダー処理を行い、密度1.03g/cmの原紙を作製した。
【0173】
下記(1)〜(4)の4種類のペレットを混合して、表1に示す蛍光増白剤、群青、TiOの含有量を有する樹脂組成物を調製した。
(1)PE:100質量%
(2)ベンゾオキゾリルスチルベン系化合物:2質量%+PE:98質量%
(3)群青(青群青/紫群青=1/2(質量比)):6質量%+PE:94質量%
(4)TiO:50質量%+PE:50質量%
なお、前記(1)〜(4)におけるPEは、いずれもHDPE/LDPE=1/1(質量比)である。
【0174】
得られた各樹脂組成物を、トナー受像層を設ける側の面(表面)に塗布し、乾燥膜厚が25μmのポリエチレン樹脂層を形成した。
一方、HDPE/LDPE=1/1(質量比)からなる樹脂組成物をトナー受像層を設けない側の面(裏面)に塗布し、乾燥膜厚が20μmのポリエチレン樹脂層を形成した。
続いて、表面側にコロナ放電処理を行い、ゼラチンを0.1g/m塗布した。また、裏面にコロナ放電処理を行い、ゼラチンを0.06g/m、コロイダルシリカを0.02g/m塗布し、実施例1〜6及び比較例1〜4の支持体を作製した。
【0175】
【表1】
Figure 2004271791
*1:スチルベン系蛍光増白剤
*2:群青(青群青/紫群青=1/2(質量比))
*3:ベンゾオキゾリルスチルベン系蛍光増白剤
【0176】
−電子写真用受像シートの作製−
得られた実施例1〜6及び比較例1〜4の各支持体を用いて、下記のようにして電子写真用受像シートを作製した。
【0177】
<トナー受像層用塗布液の調製>
(二酸化チタン分散液)
下記の成分を混合し、日本精機製作所製NBK−2を用いて分散させ、二酸化チタン分散液(二酸化チタン顔料40質量%)を作製した。
二酸化チタン
(タイペーク(登録商標)A−220、石原産業製) 40.0g
PVA102 2.0g
イオン交換水 58.0g
【0178】
(トナー受像層用塗布液)
下記成分を混合し、攪拌して、トナー受像層用塗布液を調製した。
上記二酸化チタン分散液 15.5g
カルナバワックス分散液
(セロゾール524、中京油脂(株)製) 15.0g
ポリエステル樹脂水分散物
(固形分30%、KZA−7049、ユニチカ製) 100.0g
増粘剤(アルコックスE30、明成化学製) 2.0g
アニオン界面活性剤(AOT) 0.5g
イオン交換水 80ml
得られたトナー受像層用塗布液の粘度は、40mPa・sであり、表面張力は34mN/m、ポリエステル樹脂のTgは61℃であった。
【0179】
<バック層用塗布液の調製>
下記の成分を混合し、攪拌して、バック層用塗布液を調製した。
アクリル樹脂水分散物
(固形分30%、ハイロスXBH−997L、星光化学製) 100.0g
マット剤
(テクポマーMBX−12、積水化成品工業(株)製) 5.0g
離型剤(ハイドリンD337、中京油脂(株)製) 10.0g
増粘剤(CMC) 2.0g
アニオン界面活性剤(AOT) 0.5g
イオン交換水 80ml
バック層用塗布液の粘度は、35mPa・sであり、表面張力は、33mN
/mであった。
【0180】
<バック層及びトナー受像層の塗工>
得られた実施例1〜6及び比較例1〜4の各支持体の裏面に、上記バック層用塗布液をバーコーターで塗布した。次いで、支持体の表面に、上記トナー受像層用塗布液を、バック層の場合と同様に、バーコーターで塗布した。
塗布量は、バック層については、乾燥質量で9g/mであり、トナー受像層については、乾燥質量12gになるように、トナー受像層用塗布液及びバック層用塗布液を塗布した。なお、トナー受像層中の熱可塑性樹脂の含有量は、トナー受像層の全質量の64質量%であった。
バック層及びトナー受像層は、塗布後、オンラインで熱風により乾燥した。乾燥は、バック面及びトナー受像面ともに塗布後2分以内に乾燥するように、乾燥風量及び温度を調整した。乾燥点は、塗布表面温度が乾燥風の湿球温度と同じ温度となる点とした。
乾燥後、ソフトカレンダー処理を行った。ソフトカレンダー処理は、ソフトカレンダーを用い、トナー受像層面に表面温度55℃の金属ローラが接するように通紙して行い、ニップ圧235kN/mにて行った。
【0181】
<評価>
得られた電子写真用受像シートを、A4に裁断し、女の人のポートレイト画像をプリント用画像とした。使用したプリンターは、図1に示した富士ゼロックス製フルカラーレーザープリンター(DCC−500)の定着部を、図2に示したベルト状定着部に改造した画像形成装置(ベルト及び冷却条件は下記のとおりである)を用いた。
−ベルト−
ベルトの支持体:ポリイミド(PI)フイルム、幅=50cm、
厚み=80μm
ベルトの離型層素材:フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体であるSIFEL610を加硫硬化してフルオロカーボンシロキサンゴム50μmの膜厚に形成した。
−冷却条件−
冷却器:ヒートシンク長=80mm
速度:53mm/sec
【0182】
<官能画質評価>
得られた実写画像サンプルについて、比較的写真の画質の評価に長けている者により銀塩写真ライク適性としての画質、色調、及び輝度を下記基準で評価した。結果を表2に示す。
[評価基準]
A:銀塩写真同等の画質である。
B:銀塩写真に近い画質であり、写真として許容できる。
C:銀塩写真とは異なる画質であるが、写真としてある程度許容できる。
D:銀塩写真から明らかに画質が劣り、写真として許容できない。
E:全く画質が許容できない。
【0183】
【表2】
Figure 2004271791
【0184】
【発明の効果】
本発明によると、原紙の両面にポリオレフィン樹脂層を設けてなり、該ポリオレフィン樹脂層中における蛍光増白剤とブルーイング剤との含有量を適正化した電子写真用受像シート用支持体が得られる。
また、本発明によると、該電子写真用受像シート用支持体を用いた良好な銀塩写真ライク適性(画質、色調、輝度、風合など)を備え、銀塩写真画質に近い高画質な電子写真プリントが得られる電子写真用受像シートを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の電子写真装置の一例を示す概略図である。
【図2】図2は、図1の定着部で用いられる冷却剥離式のベルト定着型平滑化処理機の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
25 ベルト式定着装置
71 加熱ロール
72 加圧ロール
74 剥離ロール
75 テンションロール
73 無端ベルト
77 冷却ヒートシンク
100 画像形成装置

Claims (15)

  1. 原紙の両面にポリオレフィン樹脂層を設けてなる電子写真用受像シート用支持体において、該支持体の少なくともトナー受像層を設ける側(表面側)のポリオレフィン樹脂層が、蛍光増白剤0.01〜0.5質量%と、ブルーイング剤0.01〜1.3質量%を含有することを特徴とする電子写真用受像シート用支持体。
  2. 蛍光増白剤が、スチルベン系化合物、ベンゾオキサゾリルスチルベン系化合物、クマリン系化合物、ピラゾール系化合物及びオキサゾール系化合物から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の電子写真用受像シート用支持体。
  3. ブルーイング剤が、群青、コバルトブルー、酸化燐酸コバルト及びキナクドリン系顔料から選択される少なくとも1種である請求項1から2のいずれかに記載の電子写真用受像シート用支持体。
  4. ブルーイング剤が群青であり、該群青が青群青と紫群青との混合物である請求項3に記載の電子写真用受像シート用支持体。
  5. 支持体の少なくともトナー受像層を設ける側(表面側)のポリオレフィン樹脂層が、白色顔料を3〜30質量%含有する請求項1から4のいずれかに記載の電子写真用受像シート用支持体。
  6. 白色顔料が、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、亜鉛華、カオリン、焼成カオリン、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム及び合成非晶質シリカから選択される少なくとも1種である請求項5に記載の電子写真用受像シート用支持体。
  7. 原紙が、JIS P8123に規定されたパルプ白色度が88%以上であるパルプ紙料を含有する請求項1から6のいずれかに記載の電子写真用受像シート用支持体。
  8. 原紙の質量平均繊維長が0.45〜0.70mmであるパルプ紙料を含有する請求項1から7のいずれかに記載の電子写真用受像シート用支持体。
  9. 原紙が、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー及びエポキシ化脂肪酸アミドの少なくともいずれかを含有する請求項1から8のいずれかに記載の電子写真用受像シート用支持体。
  10. 原紙が、蛍光増白剤を0.01〜0.5質量%含有する請求項1から9のいずれかに記載の電子写真用受像シート用支持体。
  11. 支持体と、該支持体の一方の面に少なくとも一層のトナー受像層を設け、かつ該支持体の他方の面に少なくとも一層のバック層を設けてなり、前記支持体として、請求項1から10のいずれかに記載の電子写真用受像シート用支持体を用いることを特徴とする電子写真用受像シート。
  12. 加熱加圧手段と、冷却手段と、冷却剥離部とを有する冷却剥離式のベルト定着型平滑化処理機を用い、前記加熱加圧手段により、請求項11に記載の電子写真用受像シートのトナー受像層における熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度に加熱加圧し、冷却した後、前記加熱加圧手段におけるベルト部材から剥離することを特徴とする画像形成方法。
  13. 前記定着ベルトの表面に均一な厚さのフルオロカーボンシロキサンゴム製の層を設けてなる請求項12に記載の画像形成方法。
  14. 前記定着ベルトの表面に均一な厚さのシリコーンゴム製の層を有し、かつ該シリコーンゴム層の表面に均一な厚さのフルオロカーボンシロキサンゴム製の層を設けてなる請求項12に記載の画像形成方法。
  15. 前記フルオロカーボンシロキサンゴムが、主鎖にパーフルオロアルキルエーテル基及び/又はパーフルオロアルキル基を有する請求項13から14のいずれかに記載の画像形成方法。
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JP2008129544A (ja) * 2006-11-24 2008-06-05 Ricoh Co Ltd 画像形成装置、及び画像形成方法
JP2008522241A (ja) * 2004-11-30 2008-06-26 イーストマン コダック カンパニー カルボン酸ポリマーを有する電子写真媒体
JP2009209289A (ja) * 2008-03-05 2009-09-17 Fujifilm Corp インク組成物、インクジェット記録方法及び印刷物

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