JP4189148B2 - 樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする樹脂組成物に関し、更に詳しくは接着剤として用いたときに、初期接着性や耐久(煮沸繰り返し)接着性に優れた樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、水性エマルジョンやポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVAと略記することがある)のような水性高分子とイソシアネート系化合物からなる樹脂組成物は、接着剤、紙用サイジング剤、オーバーコート剤、バインダー等に用いられており、特にホルマリンを含有しない接着剤として、2液反応型の接着剤として多用されている。
そして、その接着性を向上させる目的で、各種の変性PVAを用いることが提案されている。
【0003】
例えば、▲1▼疎水基及び親水基の両方を有する変性PVA(特開昭57−190061号公報)、▲2▼エチレン変性のPVA(特開平8−259921号公報)、▲3▼アミン変性のPVA(特開平10−219218号公報)、▲4▼スルホン酸変性のPVA(特開平11−181395号公報)、▲5▼カチオン変性のPVA(特開平11−181396号公報)、▲6▼カルボン酸変性のPVA(特開平11−256130号公報や特開平11−27950号公報)などが具体的に提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最近の市場からは、より高い接着性の要求もあり、より高度な耐久性及び初期接着性が構造用接着剤等で要求され、さらなる接着性能の改良が望まれるところである。そして、水性高分子(PVA)−イソシアネート系木材接着剤においては、PVAの水酸基とイソシアネート化合物の架橋反応よりも、水とイソシアネート化合物の架橋反応の方が主反応とする報告(日本接着協会誌、Vol.23、No.10、p394−399)もあり、必ずしもイソシアネート系化合物の配合を多くすることが接着力向上に寄与するものではないことも予想され、PVAの変性種について検討する余地は充分にあるものと考えられる。
【0005】
このようなことを考慮して、上記の変性PVAについて、詳細に検討したところ、▲1▼の変性PVAでは、イソシアネート系化合物の分散性の点で未だ不充分であり、水存在下でもイソシアネート系化合物と反応できる反応性の官能基をPVA中に有していない為に、PVAが反応型分散剤として寄与しない。したがって、イソシアネート系化合物の分散性が、疎水基の量やケン化度の制約を受けやすく、初期接着強度の発現の程度にバラツキが認められる傾向が強くなるものと思われ、また▲2▼〜▲6▼の変性PVAにおいては、反応性の官能基を有していない為に初期接着性の点で不安定であり、初期接着性を充分に発現し、かつ耐久(煮沸繰り返し)接着性に優れた樹脂組成物が望まれるところである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者はかかる現況に鑑みて、PVAの変性種について鋭意検討した結果、側鎖に1,2−グリコール成分を有するポリビニルアルコール系樹脂を分散剤として含有する水性エマルジョン(A)および多価イソシアネート化合物(B)からなる樹脂組成物が、上記の目的を達成できることを見出して本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に述べる。
本発明の樹脂組成物の水性エマルジョン(A)の分散剤に用いるPVAは、側鎖に1,2−グリコール成分を有していることが特徴で、かかる1,2−グリコール成分については特に制限はないが、下記一般式(1)または(1’)で示される1,2−グリコール構造単位を含有することが好ましい。
【化5】
[但し、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素又はアルキル基]
【化6】
[但し、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素又はアルキル基]
【0008】
上記一般式(1)および(1’)において、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素又はアルキル基で、該アルキル基としては特に限定されないが、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。かかるアルキル基は必要に応じて、ハロゲン基、水酸基、エステル基、カルボン酸基、スルホン酸基等の置換基を有していてもよい。
【0009】
かかる一般式(1)の構造単位を有するPVAを得るに当たっては、特に限定されないが、1)ビニルエステル系モノマー(a)と下記一般式(2)で示されるビニルエチレンカーボネート(b)との共重合体(a−b)をケン化および脱炭酸する方法、2)ビニルエステル系モノマー(a)と下記一般式(3)で示される2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン(c)との共重合体(a−c)をケン化および脱ケタール化する方法が好ましく用いられ、また、一般式(1’)の構造単位を有するPVAを得るに当たっても特に限定されないが、3)ビニルエステル系モノマー(a)とグリセリンモノアリルエーテル(d)との共重合体(a−d)をケン化する方法が好ましく用いられる。
【化7】
[但し、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素又はアルキル基]
【化8】
[但し、R1、R2、R3、R4、R5はそれぞれ独立して水素又はアルキル基]
【0010】
以下、かかる1)〜3)の方法について説明する。
【0011】
〔1)の方法〕
本発明で用いられるビニルエステル系モノマー(a)としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられるが、経済的にみて中でも酢酸ビニルが好ましく用いられる。
【0012】
ビニルエチレンカーボネート(b)としては、上記一般式(2)で示される構造のものであれば特に限定されず、上記一般式(2)において、R1、R2、R3は上記一般式(1)と同様のものが挙げられる。中でも入手の容易さ、良好な共重合性を有する点で、R1、R2、R3が水素であるビニルエチレンカーボネートが好適である。
【0013】
かかるビニルエステル系モノマー(a)とビニルエチレンカーボネート(b)とを共重合するに当たっては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、分散重合、又はエマルジョン重合等の公知の方法を採用することができるが、通常は溶液重合が行われる。
【0014】
重合時のモノマー成分の仕込み方法としては特に制限されず、一括仕込み、分割仕込み、連続仕込み等任意の方法が採用されるが、ビニルエチレンカーボネートビネート(b)がポリビニルエステル系ポリマーの分子鎖中に均一に分布させられる点、架橋剤との反応性が向上する点等の物性面での点などから滴下重合が好ましく、特にはHANNA法(反応性比:r(ビニルエチレンカーボネート)=5.4、r(酢酸ビニル)=0.85)に基づく重合方法が好ましい。
【0015】
かかる重合で用いられる溶媒としては、通常、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコールやアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられる。
溶媒の使用量は、目的とする共重合体(a−b)の重合度に合わせて、溶媒の連鎖移動定数を考慮して適宜選択すればよく、例えば、溶媒がメタノールの時は、S(溶媒)/M(モノマー)=0.01〜10(重量比)、好ましくは0.05〜3(重量比)程度の範囲から選択される。
【0016】
共重合に当たっては重合触媒が用いられ、かかる重合触媒としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の公知のラジカル重合触媒やアゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスメトキシジメチルバレロニトリル等の低温活性ラジカル重合触媒等が挙げられ、重合触媒の使用量は、重合触媒の種類により異なり一概には決められないが、重合速度に応じて任意に選択される。例えば、アゾイソブチロニトリルや過酸化アセチルを用いる場合、ビニルエステル系モノマー(a)に対して0.01〜0.2モル%が好ましく、特には0.02〜0.15モル%が好ましい。
又、共重合反応の反応温度は40℃〜200℃、好ましくは55℃〜180℃、更に好ましくは、55℃〜常圧下の沸点(使用する溶媒による)程度とすることが好ましい。
【0017】
本発明においては、ビニルエチレンカーボネート(b)の共重合量は特に限定されないが、後述する1,2−グリコール成分の含有量に合うように調整することが好ましい。
【0018】
かくして得られたビニル系モノマー(a)とビニルエチレンカーボネート(b)との共重合体(a−b)は、次にケン化および脱炭酸される。
ケン化に当たっては、該共重合体(a−b)をアルコール又は含水アルコールに溶解し、アルカリ触媒又は酸触媒を用いて行われる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブタノール等が挙げられるが、メタノールが特に好ましく用いられる。アルコール中の共重合体(a−b)の濃度は系の粘度により適宜選択されるが、通常は10〜60重量%の範囲から選ばれ、好ましくは38%〜50%である。ケン化に使用される触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート、リチウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒、硫酸、塩酸、硝酸、メタスルフォン酸、ゼオライト、カチオン交換樹脂等の酸触媒が挙げられる。
【0019】
かかるケン化触媒の使用量については、ケン化方法、目標とするケン化度等により適宜選択されるが、アルカリ触媒を使用する場合は、通常ビニルエステル系モノマー(a)に対して0.1〜30モル%、好ましくは2〜15モル%が適当である。
また、ケン化反応の反応温度は特に限定されないが、10〜60℃が好ましく、より好ましくは20〜50℃で、更に好ましくは38〜48℃である。
【0020】
脱炭酸については、通常、ケン化後に特別な処理を施すことなく、上記ケン化条件下で該ケン化とともに脱炭酸が行われ、エチレンカーボネート環が開環することで1,2−グリコール成分に変換される。
また、一定圧力下(常圧〜100Kg/cm2)で且つ高温下(50〜200℃)でビニルエステル部分をケン化することなく、脱炭酸を行うことも可能であり、かかる場合、脱炭酸を行った後、上記ケン化を行うこともできる。
かくして側鎖に1,2−グリコール成分を含有したPVAが得られる。
【0021】
〔2)の方法〕
本発明で用いられる2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン(c)としては、上記一般式(3)で示される構造のものであれば特に限定されず、上記一般式(3)において、R1、R2、R3は上記一般式(1)と同様のものが挙げられ、R4、R5はそれぞれ独立して水素又はアルキル基であり、該アルキル基としては特に限定されないが、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。かかるアルキル基は必要に応じて、ハロゲン基、水酸基、エステル基、カルボン酸基、スルホン酸基等の置換基を有していてもよい。中でも入手の容易さ、良好な共重合性を有する点で、R1、R2、R3が水素で、R4、R5がメチル基である2,2−ジメチル−4−ビニル−1,3−ジオキソランが好適である。
【0022】
かかるビニルエステル系モノマー(a)と2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン(c)とを共重合するに当たっては、上記1)の方法と同様に行われる。
【0023】
このときの2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン(c)の共重合量も、上記と同様に後述する1,2−グリコール成分の含有量に合うように調整することが好ましい。
【0024】
かくして得られたビニル系モノマー(a)と2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン(c)との共重合体(a−c)は、次にケン化及び脱ケタール化される。
ケン化に当たっては、上記1)の方法と同様に行われる。
【0025】
上記共重合体(a−c)のケン化物の脱ケタール化については、上記ケン化がアルカリ触媒を用いて行われる場合は、ケン化した後、さらに酸触媒を用いて水系溶媒(水、水/アセトン、水/メタノール等の低級アルコール混合溶媒等)中で脱ケタール化が行われ、1,2−グリコール成分に変換される。脱ケタール化に用いられる酸触媒としては、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、メタスルフォン酸、ゼオライト、カチオン交換樹脂等が挙げられる。
また、上記ケン化が酸触媒を用いて行われる場合は、通常、ケン化後に特別な処理を施すことなく、上記ケン化条件下で該ケン化とともに脱ケタール化が行われ、1,2−グリコール成分に変換される。
かくして側鎖に1,2−グリコール成分を含有したPVAが得られるのである。
【0026】
〔3)の方法〕
かかるビニルエステル系モノマー(a)とグリセリンモノアリルエーテル(d)とを共重合するに当たっては、上記1)の方法と同様に行われる。
【0027】
このときのグリセリンモノアリルエーテル(d)の共重合量も、上記と同様に後述する1,2−グリコール成分の含有量に合うように調整することが好ましい。
【0028】
かくして得られたビニル系モノマー(a)とグリセリンモノアリルエーテル(d)との共重合体(a−d)は、次にケン化される。
ケン化に当たっては、上記1)の方法と同様に行われる。
【0029】
また、上記ケン化が酸触媒を用いて行われる場合は、通常、ケン化後に特別な処理を施すことなく、上記ケン化条件下で行われ、1,2−グリコール成分を含有するPVAが得られる。
かくして側鎖に1,2−グリコール成分を含有したPVAが得られるのである。
【0030】
本発明においては、かかるPVA中の1,2−グリコール成分の含有量は特に制限はないが、1〜15モル%(さらには2〜15モル%、特には4〜13モル%、殊に4〜8モル%)が好ましく、かかる含有量が1モル%未満では、本発明の作用効果が充分に得られないことがあり、逆に15モル%を越えてるとPVAの重合度を上げることが難しくなり樹脂組成物を接着剤に用いたときの接着力の向上への寄与が低下して好ましくない。
【0031】
また、得られたPVA中のビニルエステル部分の加水分解率(水酸基の含有量)は特に限定されないが、上記1)あるいは2)の方法で得られたPVAの場合には、85モル%以上(さらに90〜99.9モル%、特に95〜99.9モル%、殊に98モル%〜99.9モル%)であることが好ましく、かかる加水分解率が85モル%未満では、イソシアネート系化合物との反応に関与できる有効な1,2−グリコール量が不足するために接着剤に供したときの接着強度が低下する傾向にあり好ましくない。3)の方法で得られたPVAの場合には、65モル%以上(さらには80〜99.9モル%、特には85〜99.9モル%、殊に85〜99.9モル%)であることが好ましく、かかる加水分解率が65モル%未満では、PVAの凝集力が低く、またPVAによるイソシアネート系化合物の分散性やPVAの水溶性が低下する傾向にあり好ましくない。
【0032】
さらに、該PVAの平均重合度も特に限定されないが、300〜4000(更には500〜2500、特に700〜2000)であることが好ましく、かかる重合度が300未満では接着剤に供したときに充分な接着強度を得ることが困難となり、逆に4000を越えると接着剤に供したときの被着体に対する浸透性が低下して接着強度の低下を招いて好ましくない。
【0033】
かくして、本発明の樹脂組成物の水性エマルジョン(A)の分散剤に用いるPVAが得られるわけであるが、かかるPVAは、上述のビニル系モノマー(a)、ビニルエチレンカーボネート(b)または2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン(c)またはグリセリンモノアリルエーテル(d)の他に、共重合性成分としてエチレンやプロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のαーオレフィンを共重合させ、αーオレフィン−ビニルアルコール系樹脂とすることも界面活性能を制御する意味で好ましく、かかるα−オレフィンの含有量は0.1〜10モル%が好ましく、特に2〜8モル%が好ましい。
【0034】
さらに、その他の不飽和単量体を共重合性成分として共重合することもできる。
該不飽和単量体として、例えばビニレンカーボネート、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等のポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等が挙げられる。
【0035】
また、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2−アクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライド、3−ブテントリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等のカチオン基含有単量体、アセトアセチル基含有単量体等も挙げられる。
なお、重合温度を100℃以上にすることで、PVA主鎖中に1,2−グリコールを導入することも可能である。
【0036】
つぎに、本発明の水性エマルジョン(A)について説明する。かかる水性エマルジョン(A)は、上記の如き側鎖に1,2−グリコール結合を有するPVAを分散剤としたもので、このときの分散質としては、酢酸ビニル単独重合体、酢酸ビニルとアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等の不飽和酸及びこれらのエステルとの共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、α,β−不飽和カルボン酸含有エチレン−酢酸ビニル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、クロロプレン、ブチルゴム、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどを具体的に挙げることができ、中でもエチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン性不飽和単量体からなる重合体やスチレン−ブタジエン共重合体等のジエン系単量体からなる重合体を用いることが好ましい。
【0037】
上記の分散剤および分散質を用いて水性エマルジョンを作製するにあたっては、ア)1,2−グリコール成分を有するPVAを乳化剤あるいは保護コロイドとして上記の如き単量体を乳化重合する方法、イ)上記の如き分散質(合成樹脂)の溶液あるいは溶融液を1,2−グリコール成分を有するPVAの存在下で後乳化する方法、ウ)任意の方法で得られた該分散質(合成樹脂)のエマルジョンに1,2−グリコール成分を有するPVAを添加してより安定なエマルジョンを製造する方法等を挙げることができ、これらについて具体的に説明するが、これらの方法に限定されるものではない。
【0038】
〔ア)乳化重合による方法〕
水、1,2−グリコール成分を有するPVA及び重合触媒の存在下にエチレン性不飽和単量体及び/又はジエン系単量体等を一時又は連続的に添加して、加熱、撹拌する如き通常の乳化重合法や、水、1,2−グリコール成分を有するPVA及び重合触媒の存在下に、エチレン性不飽和単量体及び/又はジエン系単量体を1,2−グリコール成分を有するPVAの水溶液に混合分散した分散液(プレエマルジョン)を一時又は連続的に添加して、加熱、撹拌する如き乳化重合法が実施し得る。
【0039】
1,2−グリコール成分を有するPVAの使用量としては、エマルジョンの樹脂分等によって多少異なるが、通常乳化重合反応系のモノマー全体に対して下限を0.5重量%(更には1重量%、特には3重量%)とすることが好ましく、上限を30重量%(更には25重量%、特には20重量%)とすることが好ましい。
【0040】
かかる使用量が0.5重量%未満ではポリマー粒子の安定な乳化状態で維持することが困難となり、逆に30重量%を越えると耐水性が低下することとなり好ましくない。
【0041】
重合開始剤としては、普通過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、臭素酸カリウム等がそれぞれ単独で又は酸性亜硫酸ナトリウムと併用して、更には過酸化水素−酒石酸、過酸化水素−鉄塩、過酸化水素−アスコルビン酸−鉄塩、過酸化水素−ロンガリット、過酸化水素−ロンガリット−鉄塩等の水溶性のレドックス系の重合開始剤が用いられ、また、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等の油溶性の重合開始剤も用いることができる。
【0042】
重合開始剤の添加方法としては、特に制限はなく、初期に一括添加する方法や重合の経過に伴って連続的に添加する方法等を採用することができる。
上記の乳化重合においては、乳化分散安定剤として、水溶性高分子や非イオン性活性剤、アニオン性活性剤を併用することもできる。
【0043】
水溶性高分子としては、1,2−グリコール成分を有するPVA以外の、未変性PVA、カルボキシル基含有PVA、PVAのホルマール化物、アセタール化物、ブチラール化物、ウレタン化物、スルホン酸、カルボン酸等のとのエステル化物等のPVA、ビニルエステルとそれと共重合可能な単量体との共重合体ケン化物等が挙げられる。ビニルエステルと共重合可能な単量体としてはエチレン、ブチレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩類、アルキルビニルエーテル類、ビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
【0044】
また、上記のPVA以外の水溶性高分子として、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アミノメチルヒドロキシプロピルセルロース、アミノエチルヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体類、デンプン、トラガント、ペクチン、グルー、アルギン酸又はその塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸又はその塩ポリメタクリル酸又はその塩、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、酢酸ビニルとマレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等不飽和酸との共重合体、スチレンと上記不飽和酸との共重合体、ビニルエーテルと上記不飽和酸との共重合体及び前記共重合体の塩類又はエステル類が挙げられる。
【0045】
非イオン性活性剤としては、例えばポリオキシエチレン−アルキルエーテル型、ポリオキシエチレン−アルキルフェノール型、ポリオキシエチレン−多価アルコールエステル型、多価アルコールと脂肪酸とのエステル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
【0046】
アニオン性活性剤としては、例えば高級アルコール硫酸塩、高級脂肪酸アルカリ塩、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタリンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩等が挙げられる。
更に、フタル酸エステル、リン酸エステル等の可塑剤、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等のpH調整剤等も併用され得る。
【0047】
〔イ)後乳化による方法〕
後乳化方法によりエマルジョンを製造するに当たっては、1,2−グリコール成分を有するPVAを水に溶解し、これに溶液状のエチレン性不飽和単量体及び/又はジエン系単量体等からなる重合体を滴下し撹拌するか、溶液状態の該重合体中に該PVA水溶液を滴下し撹拌すればよい。エマルジョン化に当たり加熱等の必要は特にないが、必要であれば45〜85℃程度に加熱すればよい。乳化する物質としては上記の重合体が好ましいが、上記の重合体以外にもエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、尿素−ホルマリン初期縮合物、フェノール−ホルムアルデヒド初期縮合物、アルキッド樹脂、ケテンダイマー、ロジン、シリコン樹脂、ワックス、ポリプロピレン、ポリエチレン、アスファルト等を挙げることができる。
【0048】
1,2−グリコール成分を有するPVAの使用量としては、要求されるエマルジョンの樹脂分等によって多少異なるが、通常乳化対象物に対して0.5〜30重量%、好ましくは1〜25重量%程度の範囲から選択される。必要であれば、該樹脂と共にポリオキシエチレン−アルキルエーテル型、ポリオキシエチレン−アルキルフェノール型、多価アルコールエステル型等の非イオン性活性剤、又は高級アルキルアミン塩等のカチオン性活性剤を適宜併用することもできる。又これらの活性剤は乳化対象物の方に混合しておくことも可能である。
【0049】
必要であればポリオキシエチレン−アルキルエーテル型、ポリオキシエチレン−アルキルフェノール型、多価アルコールエステル型等の非イオン性活性剤、又は高級アルキルアミン塩等のカチオン性活性剤を始めとし、前記した乳化重合時に使用される各種界面活性剤が何れも併用可能である。又これらの活性剤は乳化対象物の方に混合しておくことも可能である。更にフタル酸エステル、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等のpH調整剤も併用され得る。
【0050】
〔ウ)後添加による方法〕
この方法は任意の方法で得られた合成樹脂のエマルジョンに1,2−グリコール成分を有するPVAを添加するもので、対象となるエマルジョンとしては、スチレン/ブタジエン系エマルジョン、シス−1,4ポリイソプレンエマルジョン、クロロプレンエマルジョン、アクリロニトリル/ブタジエンエマルジョン、ビニルピリジンエマルジョン、メチルメタクレート/ブタジエンエマルジョン、ポリウレタンエマルジョン、アクリルエステル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、エチレン/酢酸ビニル系エマルジョン、塩化ビニル系エマルジョン、ポリスチレンエマルジョン、ポリエチレンエマルジョン、シリコーンエマルジョン、ポリブテンエマルジョン、チオコールエマルジョンなどが挙げられ、中でもエチレン性不飽和単量体またはジエン系単量体の重合体のエマルジョンが好ましい。
【0051】
エマルジョンに1,2−グリコール成分を有するPVAを添加する場合、該PVAを水溶液としてから添加する時にはエマルジョンを室温にて、撹拌しながらこれに該水溶液を添加するだけでよいが、該PVAの粉末を添加する時には、エマルジョンを撹拌しながら該粉末を添加し、50〜85℃に加温すれば短時間で均一な混合が終了するので好ましい。
【0052】
1,2−グリコール成分を有するPVAの使用量は、エマルジョン固形分に対して1〜40重量%(更には2〜30重量%)程度の範囲が好ましい。
また、水性エマルジョン(A)は、上記の1,2−グリコール成分を有するPVAが保護コロイド剤として用いられたものであってもよい。
【0053】
本発明の接着剤に用いられる水性エマルジョン(A)は、上記の如く1,2−グリコール成分を有するPVAを含有するもので、水性エマルジョン(A)中の1,2−グリコール成分を有するPVAの最終的な含有割合は、特に限定されないが、固形分比で5〜99重量%(さらに5〜95重量%、特に10〜95重量%、殊に20〜80重量%)とすることが好ましく、かかる含有割合が1重量%未満では、接着剤に供したときの接着強度、耐水性が低くなり、逆に99重量%を越えると接着剤に供したときに接着層が水で膨潤しやすく、接着強度が低下する傾向にあり好ましくない。
上記のア)〜ウ)の任意の手法を用いることにより水性エマルジョン(A)を得ることは可能であるが、接着剤に供したときの接着強度、耐水性、基材への浸透性の制御の自由度点等を考慮すれば、ウ)の手法が特に好ましい。
【0054】
本発明の樹脂組成物に用いられる多価イソシアネート化合物(B)としては、芳香族系、脂肪族系、環式脂肪族系、又は脂環式ポリイソシアネート又はその混合物が挙げられ、中でも具体的には2,4−トリレンジイソシアネート又は2,6−トリレンジイソシアネート等のトリレンジイソシアネート(TDI)、及びこれらの混合物、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート(H−MDI)、ポリフェニルメタンポリイソシアネート(クルードMDI)、変性ジフェニルメタンジイソシアネート(変性MDI)、水添化キシリレンジイソシアネート(H−XDI)、トリメチロールプロパン−TDIアダクト、キシリレンジイソシアネート(XDI)、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMXDI)等の芳香族系ポリイソシアネート或いはこれらポリイソシアネートの三量体化合物、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂肪族系ポリイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、これらポリイソシアネートとポリオールの反応生成物等が挙げられ、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)が好適に用いられる。
【0055】
かくして得られた本発明の水性エマルジョン(A)および多価イソシアネート化合物(B)からなる樹脂組成物は、2液反応型の接着剤、紙用サイジング剤、オーバーコート剤、バインダー等に有用であり、特に接着剤用途に有用で、かかる用途についてさらに説明するが、これに限定されるものではない。
接着剤用途に供するにあたっては、通常、水性エマルジョン(A)と多価イソシアネート化合物(B)を混合した後、被着体に塗工して接着したりすることができる。
【0056】
かかる(A)と(B)の混合割合(固形分換算)は、(A)からなる主剤100重量部に対して(B)を1〜200重量部とすることが好ましく、さらには5〜100重量部、特には40〜80重量部である。かかる(B)がこの範囲より少ないと接着強度や耐水性が低下し、逆にこの範囲を超えるとポットライフが短くなり、作業性が低下したり、接着層中に発泡による空孔が出来たりして好ましくない。
【0057】
かかる接着剤には、さらに増量剤として、小麦粉、澱粉類、脱脂大豆粉、クレー、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン等を水性エマルジョン(A)に配合することができる。これらの増量剤は使用目的により配合量が異なるが、一般的には、水性エマルジョン(A)100重量部(固形分換算)に対して、200重量部以下が好ましく、さらに好ましくは150重量部以下、特に好ましくは100重量部以下である。
【0058】
また、かかる接着剤には、その特性を損なわない範囲で、さらにエチレングリコール、プロピレングリコール等の凍結防止剤、ノニオン系界面活性剤系の分散助剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、着色剤、溶剤、増粘剤等を水性エマルジョン(A)に適宜添加してよい。
【0059】
上記の接着剤を使用する場合には、コールドプレス(常温・圧締処理)のみで十分接着できるが、更に生産性を向上する目的で、熱プレス(加熱板で圧締処理)で加工することもできる。
【0060】
かくして得られた接着剤は、初期接着性に優れていると共に耐久接着性にも優れており、特に、木/木用接着剤(合板用接着剤、木工用接着剤、パーティクルボード用接着剤等)、木/プラスチック素材用接着剤(PVC合板用接着剤、発泡樹脂/木接着剤等)などに好適である。さらに、パッケージング用接着剤(紙/紙接着剤、紙/プラスチック接着剤、紙/アルミ箔用接着剤等)、布用接着剤(布/プラスチック接着剤、布/紙接着剤、布/木接着剤等)、建材用接着剤(コンクリート/木接着剤、木/各種ボード用接着剤等)として用いることができる。
【0061】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
なお、例中「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
【0062】
実施例1
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル(a)1300g、メタノール260g、ビニルエチレンカーボネート(b)(本文中の一般式(2)においてR1、R2、R3がいずれも水素)51.69g(3モル%)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.04モル%(対仕込み酢酸ビニルモノマー)投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ重合を行った。重合を開始して2時間後に、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.04モル%(対初期の仕込み酢酸ビニルモノマー)を添加し更に重合を続けた。その後、酢酸ビニル(a)の重合率が83.9%となった時点で、重合禁止剤を仕込んで重合を終了した。続いて、メタノール蒸気を吹き込んで未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体(a−b)のメタノール溶液を得た。
【0063】
次いで、該溶液をメタノールで希釈して濃度30%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を加えてケン化及び脱炭酸を行った。ケン化及び脱炭酸が進行すると共にケン化物が析出し、遂には粒子状となった。生成したポリビニルアルコールを濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、目的とするポリビニルアルコール系樹脂を得た。
【0064】
得られたポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、残存酢酸ビニル単位の加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ、99.2モル%であり、平均重合度は、JIS K 6726に準じて分析を行ったところ、1200であった。又、該ポリビニルアルコールの4%水溶液の粘度は、ヘプラー粘度計により測定したところ、15.4mPa・s(20℃)であり、変性量(ビニルエチレンカーボネートの共重合体割合)はNMR測定より算出したところ2.7モル%であった。
【0065】
得られたポリビニルアルコールのIRスペクトル及び1H−NMR(内部標準物質:テトラメチルシラン、溶媒:d6−DMSO)スペクトルの帰属は以下の通りであった。IRチャートを図1に、NMRチャートを図2に示す。
なお、IR測定には日立製作所社製の『270−30』、NMR測定には日本ブルカー社製『AVANCE DPX400』を用いた。
【0066】
[IR](図1参照)
3360cm-1:OH(strong)
2950、2910cm-1:メチレン(strong)
1440cm-1:メチレン(strong)
1240cm-1:メチン(weak)
1144cm-1:結晶バンド(HとOH間,strong)
1100cm-1:C−O(medium)
850cm-1 :メチレン(medium)
660cm-1 :OH(mediumu broad)
【0067】
[1H−NMR](図2参照)
1.376〜1.538ppm:メチレンプロトン
1.8ppm:残アセチル基のメチルプロトン
3.528ppm:1級メチロールのメチレンプロトン
3.849ppm:メチンプロトン
4.139〜4.668ppm:水酸基
【0068】
ついで、得られたポリビニルアルコール系樹脂を用いて、以下の接着剤を調製した。
【0069】
〔2液型接着剤の調製〕
下記の主剤[固形分43.5%の水性エマルジョン(A)]および硬化剤[多価イソシアネート化合物(B)]を調製した。
【0070】
上記で調製した2液型接着剤を混合攪拌して、以下の評価を行った。
▲1▼常態接着強度
2片の樺材柾目目版(10mm×25mm×30mm)の片面被着面に上記の接着剤を100±10g/m2となるように塗布し、塗布面同士を接着させて8kg/cm2で12時間圧締して、試験片を作製して、その時の接着強度をJIS K 6852に準拠して測定した。
【0071】
▲2▼初期接着強度
上記と同様に樺材の両面を接着させて、8kg/cm2で5分または10分圧締して、試験片を作製して、その時の接着強度をJIS K 6852に準拠して測定した。
【0072】
▲3▼耐久接着強度
上記の▲1▼と同様に接着サンプルを作製して、25℃で6日間養生後、沸騰水中に5時間浸漬し、60℃の空気中で24時間乾燥、更に煮沸水中に4時間浸漬 してから、室温の水中に冷めるまでまで放置して、水中から取り出し直後(濡れたまま)の接着強度をJIS K 6852に準拠して測定した。
【0073】
実施例2
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル(a)1300g、メタノール190g、ビニルエチレンカーボネート(B)(R1、R2、R3はいずれも水素である。)40.1g(2.28モル%)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.06モル%(対仕込み酢酸ビニルモノマー)投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、67℃で重合を開始したと同時にビニルエチレンカーボネート(b)の10.17%濃度のメタノール溶液の仕込みをHANNA法に従って開始し、重合率85.3%までに116ml仕込んだ。
【0074】
なお、ビニルエチレンカーボネート(b)は、酢酸ビニル(a)と均一に重合するように、HANNAの式[ビニルエチレンカーボネート(b)の反応性比(r)=5.4、酢酸ビニル(a)の反応性比(r)=0.85]から求めた量を重合速度に合わせて仕込んだ。
酢酸ビニル(a)の重合率が85.3%となった時点で、重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体(a−b)のメタノール溶液を得た。
【0075】
次いで、該溶液をメタノールで希釈して濃度30%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を加えてケン化及び脱炭酸を行った。ケン化及び脱炭酸が進行すると共にケン化物が析出し、遂には粒子状となった。生成したポリビニルアルコールを濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、目的物を得た。
【0076】
得られたポリビニルアルコールのケン化度は、残存酢酸ビニル単位の加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ、99.6モル%であり、平均重合度は、JIS K 6726に準して分析を行ったところ、1360であった。又、該ポリビニルアルコールの4%水溶液の粘度は、ヘプラー粘度計により測定したところ、18.5mPa・s(20℃)であり、変性量はNMR測定より算出したところ3.0モル%であった。
【0077】
得られたポリビニルアルコールのIRスペクトル、1H−NMR(内部標準物質:テトラメチルシラン、溶媒:d6−DMSO)スペクトル及び13C−NMR(内部標準物質:3-(Trimethylsilyl)propionic-2,2,3,3-d4acid,sodiumsalt、溶媒:D2O/H2O=1/1)スペクトルの帰属は以下の通りであった。13C−NMRチャートを図3及び図4(拡大図)に示す。
【0078】
[IR]
実施例1の図1と同様のスペクトルが得られた。
[1H−NMR]
実施例1の図2と同様のスペクトルが得られた。
【0079】
[13C−NMR](図3及び図4参照)
30.2〜31.0ppm:メチレン炭素
37.0〜37.2ppm:メチレン炭素
39.9〜41.1ppm:メチレン炭素
46.2〜47.4ppm:メチレン炭素
66.3〜66.7ppm:メチロールの1級炭素
67.8〜68.1ppm:メチン炭素
69.0〜69.6ppm:メチン炭素
70.5〜77.2ppm:メチン炭素
77.1〜77.4ppm:メチン炭素
【0080】
得られたポリビニルアルコールを用いて、実施例1と同様に接着剤を調製して、同様に評価を行った。
【0081】
実施例3
実施例2に準じて、ケン化度が99.1モル%、平均重合度が1250、4%水溶液の粘度が15.0mPa・s(20℃)、変性量が5.8モル%の変性PVAを得て、実施例1と同様に接着剤を調製して、同様に評価を行った。
【0082】
なお、上記で得られたポリビニルアルコールの1H−NMR(内部標準物質;テトラメチルシラン、溶媒:d6−DMSO)スペクトルの帰属は、実施例2で得られた変性PVAと同様であった。
【0083】
実施例4
実施例2に準じて、ケン化度が89.9モル%、平均重合度が1300、4%水溶液の粘度が13.8mPa・s(20℃)、変性量が4.5モル%の変性PVAを得て、実施例1と同様に接着剤を調製して、同様に評価を行った。
【0084】
なお、上記で得られたポリビニルアルコール及び1H−NMR(内部標準物質;テトラメチルシラン、溶媒:d6−DMSO)スペクトルの帰属は、実施例2で得られた変性PVAと同様であった。
【0085】
実施例5
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル(a)1300g、メタノール520g、グリセリンモノアリルエーテル(d)39.9g(2モル%)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.07モル%(対仕込み酢酸ビニルモノマー)添加し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ重合を行った。重合開始2時間後に重合開始剤を0.05モル%、5.1時間後に0.05モル%、6時間後に0.05モル%追加仕込みを行った。
なお、グリセリンモノアリルエーテル(d)の連鎖移動定数は0.017である。
酢酸ビニル(a)の重合率が70%となった時点で、重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体(a−d)のメタノール溶液を得た。
【0086】
次いで、該溶液をメタノールで希釈して濃度40%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出し、遂には粒子状となった。
かかるケン化物を濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、目的物を得た。
【0087】
得られたポリビニルアルコールのケン化度は、残存酢酸ビニル単位の加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ、99.2モル%であり、平均重合度は、JIS K 6726に準じて分析を行ったところ、860であった。又、該ポリビニルアルコールの4%水溶液の粘度は、ヘプラー粘度計により測定したところ、9.2mPa・s(20℃)であり、変性量はNMR測定より算出したところ1.7モル%であった。
【0088】
得られたポリビニルアルコールの1H−NMR(溶媒:d6−DMSO)スペクトル及び13C−NMRの帰属及びチャートは、以下の通り。
[1H−NMR](図5参照)
1.363〜1.508ppm:メチレンプロトン
1.8〜2.0ppm:残アセチル基のメチルプロトン
3.826ppm:メチンプロトン
3.98〜4ppm:1,2−グリコール由来の水酸基
4.140〜4.568ppm:水酸基
【0089】
[13C−NMR](図6参照)
43.995〜45.2ppm:メチレン炭素
63.351ppm:メチレン炭素
70.916ppm:メチロールの1級炭素及び2級炭素
65.222〜65.394ppm:メチン炭素
65.567〜66.886ppm:メチン炭素
68.277ppm:メチン炭素
【0090】
得られたポリビニルアルコールを用いて、実施例1と同様に接着剤を調製して、同様に評価を行った。
【0091】
実施例6
実施例1において、固形分50%のスチレン-ブタジエン共重合体エマルジョンに変えて、『Sumikaflex 450』(住友化学工業社製、固形分55%エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン)を用いた以外は同様に行って2液型接着剤を調製して、同様に評価を行った。
【0092】
実施例7
実施例1において、2液型接着剤の調製を以下のように変更した以外は同様に評価を行った。
〔2液型接着剤の調製〕
下記の主剤[固形分59.7%の水性エマルジョン(A)]および硬化剤[多価イソシアネート化合物(B)]を調製した。
【0093】
比較例1
実施例1において、PVAとして未変性PVA[ケン化度88モル%、平均重合度1700、4%水溶液の粘度22mPa・s(20℃)]を用いて、〔2液型接着剤の調製〕を行って、同様に評価を行った。
【0094】
実施例および比較例の評価結果を表1に示す。
【0095】
【0096】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、特定のポリビニルアルコール系樹脂を含有する水性エマルジョンと多価イソシアネート化合物からなるため、接着剤、紙用サイジング剤、オーバーコート剤、バインダー等に有用で、特に接着剤として用いたときには、初期接着性に優れていると共に耐久接着性にも優れており、木/木用接着剤(木材、合板、パーテイクルボード、ハードボード等)、木/プラスチック用接着剤、建材用接着剤(コンクリート/木接着剤、木/各種ボード用接着剤等)、パッケージング用接着剤(紙/紙接着剤、紙/プラスチック接着剤、紙/アルミ泊用接着剤等)、布用接着剤などの接着に有用である
【0097】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られたポリビニルアルコールのIRチャートである。
【図2】 実施例1で得られたポリビニルアルコールの1H−NMRチャートである。
【図3】 実施例2で得られたポリビニルアルコールの13C−NMRチャートである。
【図4】 実施例2で得られたポリビニルアルコールの13C−NMRチャートの部分的拡大図である。
【図5】 実施例5で得られたポリビニルアルコールの1H−NMRチャートである。
【図6】 実施例5で得られたポリビニルアルコールの13C−NMRチャートである。
Claims (5)
- 側鎖に1,2−グリコール成分を有するポリビニルアルコール系樹脂中の1,2−グリコール成分の含有量が、1〜15モル%であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
- 側鎖に1,2−グリコール成分を有するポリビニルアルコール系樹脂がビニルエステル系モノマー(a)とグリセリンモノアリルエーテル(d)との共重合体(a−d)をケン化して得られたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂組成物。
- 接着剤に用いることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の樹脂組成物。
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