JP4188544B2 - 画像情報記録方法および装置並びに画像情報読取方法および装置 - Google Patents

画像情報記録方法および装置並びに画像情報読取方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線や光などの電磁波の照射を受けることにより電荷を発生する光導電体を用いて、画像情報の記録や読取りを行なう方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日、アモルファス状の有機または無機の半導体物質からなる光導電体を使用し、該光導電体に電磁波を照射することにより該光導電体内に電荷対が発生する、すなわち前記光導電体が導電性を呈する性質を利用して、画像情報の記録や読取りを行なうシステムが多数提案されている(例えば、本願出願人による特願2000-50201〜5 号、特願平11-79984号、同 10-232824号、同11-87922号、同11-89553号、米国特許 5648660号、同 5661309号、特開平9-206293号、米国特許第 4535468号、“Medical Physics,Vol.16,No.1,Jan/Feb 1989;P105-P109”など)。
【0003】
ここで画像情報の記録を行なう記録システムにおいては、光導電体を2つの電極で挟んだ積層構成とすると共に光導電体内で発生した電荷を蓄積する蓄電部を設け、前記電極間に電圧が加えられ前記光導電体に電界が印加された状態で画像情報を担持する電磁波(以下記録光ともいう)が該光導電体に照射されたときに該光導電体内に発生する電荷対のうちの潜像極性電荷を蓄電部に蓄積することにより画像情報を静電潜像として記録するようにしている。
【0004】
一方画像情報の読取りを行なう読取システムにおいては、上記記録システムと同様に前記光導電体に電界が印加された状態で被写体を透過したX線あるいは画像記録媒体としての蓄積性蛍光体シートから発せられた輝尽発光光など、画像情報を担持する電磁波が前記光導電体に照射されたときに該光導電体内に発生する電荷を検出する、換言すれば電荷発生に伴う電流を検出することにより画像情報の読取りを行なうようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光導電体にa−Seなどのアモルファス物質を用いると、光導電体の両側に配された電極間に電圧(一般には高圧)を印加してから短絡までの間には、電極から光導電体への直接電荷注入が生じ、注入された電荷が光導電体内部あるいは光導電体と電極との界面に空間電荷としてトラップされつつ、一方で空間電荷としてはトラップされずに漏れ電流として光導電体内に暗電流が流れ、記録システムにおいては、この暗電流により不要な電荷が蓄電部に蓄積する、すなわちこの不要な電荷により画像情報を担持しない暗潜像が加算されて記録されるという問題が生じ、記録の後に読取りを行なうと再生画像に暗潜像ノイズとなって現れるという問題が生じる。
【0006】
一方読取システムにおいても、光導電体内に流れる暗電流が画像信号を担持する本来の電流成分に重畳され、記録システム同様に、再生画像に暗潜像ノイズとなって現れるという問題が生じる。
【0007】
光導電体はX線に対する量子効率が低く被写体を透過したX線の直接照射により発生する電荷は微少であり、また輝尽発光光は微弱であるため該輝尽発光光の照射により発生する電荷も微少であり、これらの場合には、前記暗電流が大きいとS/N劣化が著しくなる。
【0008】
前記暗電流を小さくすれば、暗潜像ノイズの影響を少なくしてS/N劣化を防止することができるが、そのためには暗抵抗を大きくする必要がある。例えば、光導電体としての500μm厚のa−Seを有する検出器に、80KeV,100mRの放射線を1秒間照射する場合において、暗潜像の影響を無視できるようにするには、暗電流の大きさを少なくても10pA/cm以下にする必要がある。このためには、光導電体に10V/μmの電界を印加したとき、暗抵抗を少なくても1015Ω・cm以上の非常に大きな値にしなければならない。
【0009】
a−Seは、1015Ω・cm@10V/μmで用いることができるが、光導電体にX線を直接照射したり輝尽発光光を照射して記録や読取りを行なう場合、S/Nの良好な画像とするためには不十分であり、これ以上の暗抵抗が望まれ、例えば“Metaliic electrical contacts to stabilized amorphous selenium for use in X-ray image detecttors;Journal of Non-Crystalline Solids 227-230(1998)”(以下文献1という)に開示されているように適当な電極材量を選択することや、“Selenium direct converter structure for static and dynamic x-ray detection in medical imaging applications;Part of the SPIE Conference on Physcis of Medical Imaging(Feb.1998);SPIE Vol.3336”に開示されているように電極とa−Seなどの光導電体との間に適当なブロッキング膜を設けることが行なわれる。
【0010】
さらに、前記量子効率を上げたり感度を上げるためアバランシェ増幅を起こすべく電界強度を高く(通常使われる10V/μm以上に)すると、信号成分の増加以上に暗電流の増加の程度が大きくなり、逆にS/Nが悪化することもある。
【0011】
一方、暗電流としては、電界印加当初は非常に大きな瞬時充電電流が流れ、その後時間と共に徐々に減少する過渡的電流(吸収電流)が流れ、やがて一定の漏れ電流値に近づいていくという特性がある。換言すれば、電界印加直後の暗抵抗は、安定化した低い漏れ電流状態(高抵抗状態)の暗抵抗よりも小さい。この現象は、印加電圧が高いほど顕著であり、上記文献1に開示されているように、高抵抗状態に安定するまでには、電圧を印加した後比較的長い時間、例えば1〜10分場合によっては1時間程度を要する場合もあり、光導電体を高抵抗な状態で使うために長い立ち上がり時間を要するという問題もある。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、記録用電界または読取用電界を印加した状態における暗電流をより少なくすることができる画像情報記録方法および装置並びに読取方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0013】
また本発明は、記録用電界または読取用電界を印加した状態において、暗電流レベルの低い安定化した高抵抗状態に至るまでの時間を短くすることができる画像情報記録方法および装置並びに読取方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本願発明者の前記暗電流特性についてのその後の検討により、光導電体に電界を印加したときには前述のような振る舞いをする一方、電界を印加した後該電界の大きさを小さく(完全停止も含む)したときには、その当初は前記瞬時充電電流とは逆方向の大きな瞬時放電電流が流れ、その後時間と共に徐々に減少する過渡的電流(解放電流)が流れ、やがてその電界の大きさに応じた漏れ電流(完全停止のときには略ゼロ)に近づいていくということが判った。また、電流Iと時間tとの関係を示す電流応答は、I∝t-n、すなわちlogI−logtで捉えると理解しやすい関係にあり、比較的短時間で注入あるいは放出される空間電荷と比較的長時間をかけなければ注入あるいは放出されない空間電荷とが分布している、つまり、前記界面における空間電荷の振る舞いとして、時定数の比較的短いものと比較的長いものとがあると考えられる。これによれば、光導電層へ印加される電界を小さくしてから暫くの間は、一時的に暗電流レベルの非常に低い状態が生じることになる。
【0015】
本発明は、このような特性を利用し、一時的に暗電流レベルの小さな状態を作り、この間に画像情報の記録や読取りを行なう、つまり所定の大きさおよび極性の記録用あるいは読取用の電界よりも大きな電界を光導電体に一旦印加した後に、記録用電界あるいは読取用電界を印加した状態で画像情報の記録や読取りを行なうようにしたことを特徴とするものである。
【0016】
すなわち、本発明の画像情報記録方法は、アモルファス状の物質からなる、電磁波の照射を受けることにより潜像極性電荷を発生する光導電体と潜像極性電荷を蓄積する蓄電部とを有する画像記録媒体を用いて、画像情報を担持する記録用の電磁波の光導電体への照射により発生する潜像極性電荷を蓄電部に蓄積させることにより画像情報を静電潜像として蓄電部に記録する方法において、記録に先立って該記録の際に光導電体に印加される記録用電界よりも大きな電界(以下プレ電界ともいう)を該光導電体に印加するプレ印加を行ない、該プレ印加を停止した後記録用電界を該光導電体に印加した状態で記録を行なうことを特徴とするものである。
【0017】
ここで「プレ印加を停止」するとは、光導電体に印加される電界の大きさを前記記録用電界以下とすることを意味し、該電界の大きさを完全にゼロにすることだけでなく、前記記録用電界と同じレベルにすることも含む。後述する読取方法においても同様である。
【0018】
なおプレ印加を停止すると、上述のように一時的に暗電流レベルの低い状態が生じるが、この状態は長くは続かないので、本発明の画像情報記録方法においては、プレ印加を停止した後略30秒以内に記録用電界を印加した状態で記録を行なうことが望ましい。
【0019】
ここで「略30秒」としているのは、プレ印加を停止した後暗電流が安定な状態である漏れ電流値となるのに通常1〜10分程度かかるので、30秒以内であれば確実に漏れ電流値よりも低い暗電流状態で記録を行なうことができるからである。
【0020】
また、本発明の画像情報記録方法においては、前記プレ印加に先立って前記記録用電界を光導電体に印加した後にプレ印加を行なう、すなわちプレ印加を一時的に行なうようにすることもできる。この場合、プレ印加以前の前記記録用電界の印加による暗電流が定常状態(高抵抗状態)に至った後にプレ印加を開始することが望ましい。
【0021】
さらに、本発明の画像情報記録方法においては、暗潜像成分を吐き出させる空読みを行ない、該空読みを停止した後前記記録を行なうこともできる。この場合、前記プレ印加を停止させた状態、すなわちプレ印加停止後本読みの前に空読みを行なうのが好ましい。
【0022】
ここで「暗潜像」とは、これから記録しようとする画像情報を担持しない不要な電荷に起因する潜像を意味し、該暗潜像には、今回の記録前に行った読取り時に読み残した残存電荷や光導電体に電界を印加した直後に生じ得る電流に起因する成分なども含む。
【0023】
本発明の画像情報記録装置は上記記録方法を実施する装置であって、光導電体に所定の大きさおよび極性の記録用電界を印加する電界印加手段と、記録に先立って該記録の際に光導電体に印加される記録用電界よりも大きな電界を該光導電体に印加するプレ印加が行なわれ、該プレ印加を停止した後前記記録用電界が該光導電体に印加されるように、電界印加手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0024】
本発明の画像情報記録装置においては、前記制御手段を、前記プレ印加に先立って前記記録用電界を前記光導電体に印加した後に前記プレ印加が行なわれるように電界印加手段を制御するものとすることができる。
【0025】
また、本発明の画像情報記録装置においては、潜像極性電荷に対応する電荷を検出することにより画像情報の読取りを行なう読取手段をさらに有するものとすると共に、制御手段を、暗電流成分を吐き出させる空読みが行なわれ、該空読みを停止させた後前記記録が行なわれるように、電界印加手段と読取手段を制御するものとすることができる。
【0026】
本発明の画像情報読取方法は、アモルファス状の物質からなる、電磁波の照射を受けることにより電荷を発生する光導電体を用いて、画像情報を担持する電磁波の前記光導電体への照射により発生する電荷を検出することにより前記画像情報の読取りを行なう方法において、読取りに先立って、該読取りの際に光導電体に印加される読取用電界よりも大きな電界を該光導電体に印加するプレ印加を行ない、該プレ印加を停止した後、前記読取用電界を該光導電体に印加した状態で前記読取りを行なうことを特徴とするものである。
【0027】
この読取方法においても、上記記録方法の場合と同様の理由により、プレ印加を停止した後略30秒以内に読取用電界を印加した状態で読取りを行なうことが望ましい。
【0028】
また本発明の画像情報読取方法においては、プレ印加に先立って前記読取用電界を光導電体に印加した後にプレ印加を行なうこともできる。
【0029】
この場合、プレ印加以前の前記読取用電界の印加による暗電流が定常状態(高抵抗状態)に至た後に該プレ印加を開始することが望ましい。
【0030】
なお、本発明の読取方法においては、記録系とは異なり、暗潜像を担持する電荷がセンサ(検出器)内に蓄積されることはないが、プレ印加を行なうと暗電流増加分が外部に出力されノイズ源となり得る。したがって、本発明の読取方法においては、プレ印加により生じる暗電流増加分を吐き捨てる空読みを行ない、該空読みを停止した後前記読取りを行なうことが望ましい。
【0031】
本発明の画像情報読取装置は上記読取方法を実施する装置であって、光導電体に所定の大きさおよび極性の読取用電界を印加する電界印加手段と、電荷を検出することにより画像情報の読取りを行なう読取手段と、読取りに先立って該読取りの際に光導電体に印加される読取用電界よりも大きな電界を該光導電体に印加するプレ印加が行なわれ、該プレ印加を停止した後前記読取用電界が該光導電体に印加された状態で前記読取りが行なわれるように、電界印加手段および読取手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0032】
本発明の画像情報読取装置においては、制御手段を、プレ印加を停止した後30秒以内に前記読取りが行なわれるように、電界印加手段および読取手段を制御するものとすることが望ましい。
【0033】
また、本発明の画像情報読取装置においては、制御手段を、プレ印加に先立って前記読取用電界を光導電体に印加した後に前記プレ印加が行なわれるように、電界印加手段を制御するものとすることができる。
【0034】
また本発明の画像情報読取装置においては、制御手段を、プレ印加により生じる暗電流増加分を吐き捨てる空読みが行なわれ、該空読みを停止させた後読取りが行なわれるように、電界印加手段と読取手段を制御するものとすることが好ましい。
【0035】
【発明の効果】
本発明の画像情報記録方法および装置並びに読取方法および装置によれば、記録用または読取用の電界よりも大きなプレ電界を光導電体に一旦印加した後に記録用または読取用の電界を印加した状態で画像情報の記録や読取りを行なうようにしたので、プレ電界を停止した直後から暫くの間は、当初から記録用または読取用の電界のみを印加した場合よりも暗電流レベルが小さな期間が生じる。したがって、この暗電流レベルが小さな期間内に記録や読取りを行なうことにより、本来の画像信号を担持する明信号成分を実質的に落とすことなく、一方で暗電流をより少ない状態とすることができ、S/Nの良好な画像を得ることができる。
【0036】
また、プレ電界印加停止後30秒以内に記録用または読取用の電界を印加した状態で記録や読取りを行なうと、暗電流レベルが非常に小さな期間内に記録や読取りを行なうことができ、一層S/Nの良好な画像を得ることができる。
【0037】
また、記録用電界や読取用電界を印加した後暗電流が良好な状態(高抵抗状態)に至る過程において、記録用電界や読取用電界よりも大きな電界すなわちプレ電界を一時的に加えると、電極からの電荷注入と注入された電荷の空間電荷としてのトラップ(空間電荷の蓄積)が加速され、短時間で記録用電界や読取用電界にて長時間印加を実施した場合に近い空間電荷蓄積状態が実現できるので、記録用電界または読取用電界における安定した高抵抗状態に至る時間を短縮することができる。
【0038】
また、プレ印加以前の記録用電界や読取用電界の印加による暗電流が定常状態(高抵抗状態)に至った後にプレ印加を一時的に加えるようにすれば、低い暗電流状態の持続時間が長くなり、またプレ印加分の電圧増加が僅かで済むので安定性の上で都合がよい。
【0039】
なお、プレ印加を開始した当初は一時的に電流が増加するので、記録系においてはこの増加分が暗潜像として蓄積される場合があるが、暗潜像成分を吐き出させる空読みを行なうようにすれば、プレ印加による暗電流増加分の影響を受けることがなくなる。加えて、前回読取時の読残しによる残像や光起電力ノイズを軽減することができるなどの付加的な効果を得ることもできる。
【0040】
一方、読取り系においては、記録系とは異なりプレ印加により暗潜像を生じるということはないが、プレ印加を開始した当初は一時的に暗電流が増加し、この暗電流増加分が外部に出力されノイズ源となり得る。しかしながら、このプレ印加により生じる暗電流増加分を吐き捨てる空読みを行なうようにすれば、プレ印加による暗電流増加分の影響を受けることがなくなる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は本発明の画像情報記録方法を実施する装置の一態様である、第1実施形態の放射線画像撮影読取装置を示した概略図である。
【0042】
図1に示すように、この放射線画像撮影読取装置1は、画像記録媒体としての放射線固体検出器(以下単に検出器ともいう)10と、検出器10から電荷を読み出す、換言すれば検出器10から流れ出る電流を検出する電流検出回路50、読取用の電磁波としての読取光L1で検出器10を走査する読取光走査手段57、および空読み用の前露光光L2を検出器10の全面に照射する前露光光源58からなる読取部59と、放射線を被写体65に照射し該被写体を透過した透過放射線画像情報を担持する記録光Qを検出器10に入射させる放射線照射部60とを有する。また、該装置1には、検出器10に所定の電界を印加するためのスイッチ42および電源43からなる電界印加手段40と、該電界印加手段40、読取部59および放射線照射部60を制御する制御手段70とが設けられている。電源43としては、制御手段70からの制御信号C4に基づいて出力電圧を変えることができる電圧可変型のもの、例えば電圧増幅型高電圧電源を使用する。
【0043】
検出器10は、本願出願人が特願平 10-232824号などにおいて提案した直接変換且つ光読出方式の静電記録体であって、被写体を透過した記録光Qが記録光側電極層11を介して記録用光導電層12に照射されることにより記録用光導電層12内に電荷対が発生し、この発生した電荷対の内の潜像極性電荷を記録用光導電層12と電荷輸送層13との界面である蓄電部19に蓄積することにより画像記録が行なわれ、読取光L1で読取光側電極層15が走査されることにより読取用光導電層14内に電荷対が発生し前記潜像極性電荷と電荷再結合して潜像極性電荷の量に応じた電流を発生するものである。読取光側電極層15は、多数の線状電極(図中の斜線部)がストライプ状に配列されてなるものである。以下読取光側電極層15の電極をストライプ電極16といい、各線状電極をエレメント16aという。この検出器10は、読取光に対して透過性を有するガラスなどの支持体18上に読取光側電極層15を形成し、その後エッチングなどによりストライプ電極16が形成されたものである。
【0044】
読取光走査手段57は、エレメント16aの長手方向と略直交する方向に延びたライン状の読取光L1を発しながらエレメント16aの長手方向に相対的に移動して検出器10を走査露光するように構成されている。エレメント16aの長手方向が副走査方向に対応し、ライン光の延びる方向が主走査方向に対応する。
【0045】
なお、この読取光走査手段57は、例えば本願出願人が特願平 11-242876号に提案しているように、電気的走査によりライン状のEL光をエレメント16aの長手方向に順次発する面状のEL光源を用いると共に検出器10と一体化した構成としてもよい。またこの場合、ライン状の各EL光を同時に発するように制御することも可能であるので、前露光光源58と兼用させることもできる。
【0046】
読取光走査手段57および前露光光源58には、制御手段から70から制御信号C1が入力されており、制御信号C1がL(ロー)のときには前露光光源58が作動し前露光光L2を発する前露光モード、H(ハイ)のときには読取光走査手段57が作動しライン光で検出器10を走査する読取光モードとなる。制御信号C1がハイインピーダンス状態のときにはいずれもが作動しない(光照射がない)ようになっている。
【0047】
電流検出回路50は、オペアンプを主要部とする検出アンプ51を多数有している。検出器10の各エレメント16aは、それぞれ、検出アンプ51の反転入力端子(−)に接続され、検出器10の記録光側電極層11は、電界印加手段40のスイッチ42の一方の入力および電源43の負極に接続されており、電源43の正極はスイッチ42の他方の入力に接続されている。スイッチ42の出力は各検出アンプ51の非反転入力端子(+)に共通に接続されている。
【0048】
読取光走査手段57によりライン光でストライプ電極16側が走査されたとき、各検出アンプ51は各エレメント16aに流れる電流を各エレメント16aごとに同時(並列的)に検出する。
【0049】
電流検出回路50には制御手段70から制御信号C5が入力されており、この制御信号C5がLのときには上述のような電流検出を行ない、Hのときには検出アンプ51の出力電圧をリセットするなどして検出器10から流れ出る電流を吐き捨てる空読みを行なうようになっている。
【0050】
なお、検出アンプ51の構成は本発明の要旨に関係がないのでここでは詳細な説明を省略するが、周知の構成を種々適用することが可能である。検出アンプ51の構成によっては、スイッチ42および電源43並びに各エレメント16aとの接続態様が上記とは異なることもある。
【0051】
放射線照射部60は、放射線Rを発する放射線源61、放射線源61を駆動する電力を発生する高電圧発生器62、および高電圧発生器62と接続された撮影をコントロールするスイッチ63からなる。スイッチ63は、スイッチ63a,63bからなる2段スイッチとなっており、スイッチ63aがオンしなければスイッチ63bはオンしないように構成されている。
【0052】
なお、後述する各作用が、所定のタイミングで自動的に行なわれるようにするために、制御手段70には、スイッチ63a,63bからの信号S1,S2と、高電圧発生器62からのスタンバイ信号S4、記録放射線の照射終了を示す照射終了信号S5および設定された記録放射線の照射時間を示す信号S6が夫々入力され、また制御手段70からは、読取部59に向けて制御信号C1が、電界印加手段40のスイッチ42に向けて制御信号C2が、高電圧発生器62に向けて制御信号C3が、電源43に向けて電圧制御用の制御信号C4が夫々出力されるようにする。
【0053】
制御信号C2がHのときにはスイッチ42が電源43側に切り換えられ、検出器10(詳しくは記録光側電極層11の電極とストライプ電極16(以下両電極ともいう)との間)に電源43から直流電圧が印加され、光導電層12,14に電界が印加される。一方制御信号C2がLのときには、スイッチ42は記録光側電極層11側に切り換えられ、検出アンプ51を構成する不図示のオペアンプのイマジナリーショートを介して記録光側電極層11の電極とストライプ電極16とが実質的にショートされ、両電極が同電位にされる。また制御信号C2がハイインピーダンス状態のときにはスイッチ42は中点に設定され、検出器10への電圧印加が行なわれないし両電極が同電位にされることもない。高電圧発生器62は、制御信号C3としてHが入力されたときには高圧HVを放射線源61に供給し、放射線源61から放射線Rを発生させる。
【0054】
第1実施形態の装置1において静電潜像を検出器10に記録するに際しては、検出器10への記録用電圧の印加開始の前に、記録光側電極層11の電極とストライプ電極16との間へのプレ印加の開始および停止の制御あるいは空読み用の前露光光L2の照射開始および停止の制御が加わる点が従来の装置と異なる。以下、この点を中心に、上記構成の放射線画像撮影読取装置1の作用について説明する。
【0055】
図2は、第1実施形態の第1の作用を説明するタイミングチャートである。この第1の作用は、記録用電圧よりも大きなプレ印加用の電圧を検出器10に所定時間だけ印加するプレ印加を行ない、該プレ印加を停止した後、記録用電圧を検出器10に印加して静電潜像の記録を行なうようにしたものである。
【0056】
具体的には、先ず、読取部59への制御信号C1をハイインピーダンス状態として、ライン光(読取光)L4および前露光光L2の発光を停止させる。次に、制御信号C2をHにしてスイッチ42を電源43側に切り換えて両電極間に電源43から記録用電圧よりも大きなプレ印加電圧を印加して両電極を帯電させ、記録用光導電層12内の電位勾配が例えば13V/μm程度となる電界が印加されるようにする。
【0057】
このプレ印加を所定時間(例えば1秒程度)だけ行なった後に、制御信号C2をLにしてスイッチ42を記録光側電極層11側に切り換え、上述のようにオペアンプのイマジナリーショートを介して両電極を実質的にショートさせて前記プレ印加を停止する。
【0058】
次に、検出器10内の記録用光導電層12で発生した潜像極性電荷を蓄電部19に蓄積させることができるように両電極間に記録用電圧を印加した状態で、前記プレ印加の停止後所定時間(30秒好ましくは1秒)以内に、記録光側電極層11に被写体65を透過した記録用の放射線、すなわち記録光Qを照射して検出器10に静電潜像の記録を行なう。具体的には以下のようにする。
【0059】
制御信号C2を再度Hにしてスイッチ42を電源43側に切り換えて、両電極間に電源43から記録用電圧としての所定の大きさの直流電圧を印加して両電極を帯電させ、記録用光導電層12内の電位勾配が例えば10V/μm程度となる電界が印加されるようにする。この10V/μm程度の電界と前記プレ印加の際の13V/μm程度の電界の各大きさの制御は、電源43の出力電圧の大きさを制御信号C4により制御することで実現される。
【0060】
この記録用電圧の印加の後、該記録用電圧を印加した状態で、高電圧発生器62から高圧HVを放射線源61に供給させ、放射線源61から放射線Rを照射させる。この放射線Rを被写体65に***し、被写体65を透過した被写体65の放射線画像情報を担持する記録光(記録放射線)Qを設定された照射時間だけ検出器10に照射する。すると、検出器10の記録用光導電層12内で正負の電荷対が発生し、その内の負電荷が潜像極性電荷として所定の電界分布に沿ってストライプ電極16の各エレメント16aに集中せしめられ、記録用光導電層12と電荷輸送層13との界面である蓄電部19に蓄積される。
【0061】
潜像極性電荷の量は照射放射線量に略比例すると共に入射した記録光Qの強度にも比例するので、この潜像極性電荷が静電潜像を担持する。一方、記録用光導電層12内で発生する正電荷は記録光側電極層11に引き寄せられて、電源43から注入された負電荷と電荷再結合し消滅する。
【0062】
静電潜像の記録が終了したら、余分な暗電流成分が重畳されないようにするために、制御信号C2をハイインピーダンス状態として前記記録用電圧の印加を停止させる。
【0063】
図3は、光導電体に電界を印加した際および停止した際に生じる暗電流成分の基本的な時間応答特性(以下電流特性という)を示した図、図4は上記第1実施形態の記録過程における電流特性を示した図である。
【0064】
検出器10の両電極間に電圧(一般には高圧)を印加してから短絡までの間には、電極から記録用光導電層12への電荷注入が生じ、注入された電荷が空間電荷としてトラップされつつ、一方で空間電荷としてはトラップされずに漏れ電流として光導電層12内に暗電流が流れる。
【0065】
ここで、暗電流は、図3に示すように、電界(電圧)印加当初(t1)は非常に大きな瞬時充電電流となり、その後時間と共に徐々に減少する吸収電流となり、やがて一定の漏れ電流値に近づいていく。逆に、電界を完全に停止したときには、その当初(t2)は前記瞬時充電電流とは逆方向の大きな瞬時放電電流が流れ、その後時間と共に徐々に減少する解放電流が流れ、やがて略ゼロに近づいていく。すなわち、電界印加直後の暗電流レベルは、安定化した状態(安定した漏れ電流状態)の暗電流レベルよりも大きい。この現象は、印加電界が大きい(印加電圧が高い)ほど顕著であり、漏れ電流レベルに安定化するまで、例えば10分以上要する場合もある。
【0066】
このことは、時間と共に検出器が時間と共に高抵抗化している、つまり、デバイス抵抗は一定でなく、電圧を長くかけたものほど高抵抗になるということである。
【0067】
また、この現象は、光導電体の厚みにはあまり影響を受けない現象であり、界面に検出器の高抵抗化をもたらす空間電荷が蓄積していく、すなわち時間と共に界面の空間電荷状態が変化すると考えるべきである。
【0068】
これは、図3に示すように、暗電流Iと時間tとの関係を示す電流応答がI∝t-nなる関係、すなわちlogI−logtで捉えると一定の時定数のところに電流が集中しない状態となり、このことは、比較的短時間で注入あるいは放出される空間電荷と比較的長時間をかけなければ注入あるいは放出されない空間電荷とが分布している、換言すれば、電極と光導電層との界面における空間電荷の振る舞いとして、時定数の短いもの(数秒程度)と時定数の長い(1分以上)ものとがあると考えるのが適当である。
【0069】
さらに、一旦安定化したとしても、両電極を短絡してしばらくの間電界印加を休止すると、その後に再度電圧を印加した直後には暗電流レベルが元の大きさに戻る傾向を示す。したがって、電界印加直後の大レベルの暗電流による暗潜像は読取りに際しては大きなノイズ源となる。さらに、この暗潜像の量は、電圧を印加してから記録用の放射線を照射するまでの時間すなわち吸収電流期間や使用履歴と共に変化するため、暗潜像ノイズが再生画像に現れないように画像データを補正することも困難である。
【0070】
一方、検出器10の両電極間に記録用電圧よりも大きな電圧を所定の時間だけ印加するプレ印加を行なった後に記録用電界(記録用電圧)を印加して記録を行なう上記第1の作用の場合、プレ印加停止後に記録用電界を印加した時点(t3)の解放電流に記録用電界印加時の瞬時充電電流と吸収電流が加わることになるので、記録用電界印加時の瞬時充電電流および吸収電流の大きさは、図4に示すように、検出器10の両電極を長時間短絡状態としてから記録用電界を印加したとき(図中点線)に比べて低レベルになり、やがて記録用電界に応じた漏れ電流値に近づく。この状態は、記録用光導電層12内部あるいは光導電層12と電極との界面に安定化した高抵抗状態をもたらす負の空間電荷が形成された状態であり、蓄電部19には暗潜像蓄積の少ない状態が実現される。換言すれば、記録の直前に高い電圧のプレ印加を比較的短時間加えることは記録用電界を長時間印加する代わりになり、やや過剰に高いプレ印加であった場合には一時的に逆極性の暗電流が流れるため、見かけ上非常に高い高抵抗状態が生じる。
【0071】
したがってプレ印加後の短時間の間(1秒以内)に記録用電界を印加し記録を行なっても、従来のような大レベルの暗潜像ノイズが生じる虞れが軽減し、暗潜像ノイズが低減する。
【0072】
また、漏れ電流値に近づく所要時間は、吸収電流の大きさが低レベルとなる分だけ短くて済むので、安定した高抵抗状態に至るまでの時間を短くすることがでる。これにより、プレ印加停止後の比較的短時間以内(30秒以内)に記録を行なっても暗潜像の量が従来よりも安定したものとなるので、暗潜像ノイズが再生画像に現れないように画像データを補正することも簡単になる。
【0073】
次に、検出器10から静電潜像を読み取る際には、先ず制御信号C2をLにしてスイッチ42を記録光側電極層11側に切り換え、上述のようにオペアンプのイマジナリーショートを介して両電極を実質的にショートし、電荷の再配列を行なう。次にこの状態で制御信号C1をH(読取光モード)にし、読取光走査手段57によりライン光(読取光L1)で検出器10の読取光側電極層15を走査し、該走査により読取光側電極であるストライプ電極16と読取用光導電層14との界面で発生する電子とホールのペア(電荷対)による光誘起放電によって静電潜像の電気的読取りを行なう。より詳細には以下の通りである。先ずライン光による走査により副走査位置に対応するライン光が入射した読取用光導電層14内に正負の電荷対が発生し、その内の正電荷が蓄電部19に蓄積された負電荷(潜像極性電荷)に引きつけられるように電荷輸送層13内を急速に移動し、蓄電部19で潜像極性電荷と電荷再結合し消滅する。一方、読取用光導電層14に生じた負電荷は電源43からストライプ電極16に注入される正電荷と電荷再結合し消滅する。このようにして、検出器10の蓄電部19に蓄積されていた潜像極性電荷が電荷再結合により消滅し、この電荷再結合の際の電荷の移動による電流が検出器10内に生じる。この電流を各エレメント16a毎に接続された各検出アンプ51が同時に検出する。読取りの際に検出器10内を流れる電流は、潜像極性電荷すなわち静電潜像に応じたものであり、像の暗部では電流が流れず像の明部ほど大電流が流れるから、この電流を検出することにより静電潜像を表す画像信号が取得され、これにより静電潜像を読み取ることができる。なお、このように記録後に検出器10の両電極を短絡し且つ像の明部ほど大電流が流れる系をポジ型の系といい、このポジ型の系に使用される検出器をポジ型の検出器という。
【0074】
次に、上記構成の放射線画像撮影読取装置1の第2の作用について説明する。図5は、装置1の第2の作用を説明するタイミングチャートである。第1実施形態で用いている直接変換且つ光読出方式の検出器10を用いると、プレ印加を行なうことにより生じる暗電流増加分が蓄電部19に暗潜像として蓄積される。この第2の作用は、プレ印加後に暗潜像成分を吐き出させる空読みを行なって静電潜像の記録を行なうことにより、プレ印加による暗電流増加分の影響を低減するようにしたものである。以下具体的に説明する。
【0075】
先ず、第1の作用と同様にプレ印加を行ない、さらに該プレ印加を停止させた後に、前露光光源58への制御信号C1をL(前露光モード)にして、記録光側電極層11の電極とストライプ電極16とを同電位にした状態で、検出器10の読取光側電極層15に向けて前露光光L2を照射させる。これにより、蓄電部19に蓄積されている不要な電荷に応じた電流が検出器10から流れ出るので、電流検出回路50への制御信号C5をHとし、この電流を吐き捨てる空読みを電流検出回路50に行なわさせる。この後、制御信号C1をハイインピーダンス状態とし、また制御信号C5をLとして空読みを停止させる。
【0076】
空読みを停止させた後、上記第1実施形態と同様に、記録光側電極層11の電極とストライプ電極16との間に記録用電圧を印加した状態で記録光側電極層11に記録用の記録光Qを照射して、検出器10に静電潜像の記録を行なう。ここでこの第2の作用によれば、前述のように蓄電部19に蓄積されている不要な電荷を放出させることができるので、暗電流に起因する暗潜像を低減できるだけでなく、前回撮影時の読残しによる残像を低減することもできる。
【0077】
ところで、本実施形態で用いているようなポジ型の検出器は、読取光に対して透過性を有する読取光側電極層とa−Seなどからなる読取光側光導電層との界面に障壁電界が形成され、記録用の放射線の線量が0mR領域であっても、読取光の照射によって電流が流れ、いわゆる光起電力ノイズという問題を生じることが知られている。
【0078】
また、記録用電圧の印加の後読出しに先立って短絡される結果、電圧印加(一般には高圧印加)と短絡の履歴を受けた電界が前記界面に形成され、この電界下において光(読取光)が照射されるために「高圧印加履歴ノイズ」という問題がが生じることも知られている。
【0079】
一方第2の作用のように、記録光側電極層11の電極とストライプ電極16とを同電位にした状態で読取用光導電層14に前露光光L2を照射する空読みを行ない、該空読みを停止した後両電極間に記録用電圧を印加した状態で記録光Qを照射して静電潜像の記録を行なうと、前露光光L2が照射された読取用光導電層14の光入射界面(電子−ホールペア形成領域)には光疲労状態(トラップ蓄積状態)が一時的に形成されるようになり、読取光L1を照射した際に生じ得る光起電力ノイズが前記光疲労状態によって低減すると共に安定化するという効果を享受することもできる。つまり第2の作用によれば、暗潜像および残像の低減に加えて光起電力ノイズを低減することもできる。
【0080】
また、高圧印加履歴ノイズが支配的な場合でも、すなわち界面の電界として前記障壁電界よりも電極からの電荷注入およびそれが界面に空間電荷としてトラップされる結果形成される界面の電界の方が影響が大きい場合でも、前露光光により界面の空間電荷状態を低減し安定化させる、つまり高圧印加履歴ノイズを低減することもできる。
【0081】
次に本発明の画像情報記録方法および装置の第2実施形態について説明する。図6は第2実施形態の放射線画像撮影読取装置を示した概略図、図7は検出器110の素子配列に着目した回路ブロック図である。
【0082】
図6に示すように、この放射線画像撮影読取装置100は、画像記録媒体としての放射線固体検出器110と、検出器110から流れ出る電流を検出する読取手段としての電流検出回路150と、放射線照射部160とを有する。該装置100には、更に、検出器110に所定の電界を印加するためのスイッチ142および電源143からなる電界印加手段140と、スイッチ142、電源143および放射線照射部160を制御する制御手段170が設けられている。第1実施形態と同様に、電源143としては、制御手段170からの制御信号C4に基づいて出力電圧を変えることができる電圧可変型のものを使用する。放射線照射部160や制御手段170の構成は、上記第1実施形態のものと略同様である。
【0083】
電流検出回路150は、リードアウトアンプ151a、積分コンデンサ151b、およびリセットスイッチ151cからなるチャージアンプ構成の検出アンプ151を、後述するデータ信号ライン分だけ有している。なお、この電流検出回路150は、検出器110と一体的に構成されるのが一般的である。
【0084】
検出器110は、米国特許 5648660号や特開平9-206293号などに記載の直接変換且つTFT読出方式の画像記録媒体であって、X線に対して透過性を有する記録光側電極111と絶縁体112、およびX線を直接入射させたとき電荷を発生する(導電性を呈する)a−Seなどからなる光導電体113がこの順に配されている。さらに光導電体113の図中右側に、該光導電体113内で発生した電荷の内の潜像極性電荷を収集する電荷収集電極114と、収集した潜像極性電荷を蓄積する蓄電部としての信号蓄積容量115と、蓄積した潜像極性電荷を外部に読み出すためのTFT(薄膜トランジスタ)116とが画素数分だけ支持体118上に設けられ、図7に示すように、電荷収集電極114および信号蓄積容量115からなる検出素子(TFT116を検出素子に含めてもよい)を1素子として、これを列およびラインにアレイ状に2次元的に配列して構成されている。
【0085】
記録光側電極111は、スイッチ142を介して電源143の正極に接続されている。各電荷収集電極114は、それぞれ対応する信号蓄積容量115をなす一方の電極およびTFT116のソース端子Sと接続され、各信号蓄積容量115をなす他方の電極は検出器110の接地電極と共通に接続されている。なお、各電荷収集電極114と光導電体113との間には、ブロッキング層117が設けられている。
【0086】
また、図7に示すように、TFT116のゲート端子Gは、ライン毎にゲート駆動ラインとして共通に接続され、不図示のゲートドライバの各ライン出力端子に接続されている。また、TFT116のドレイン端子Dは列毎にデータライン(D1,…,Dn)として共通に接続され、リードアウトアンプ151a、積分コンデンサ151b、およびリセットスイッチ151cからなる検出アンプ151に接続されている。TFT116をオンさせて信号蓄積容量115に蓄積されている電荷を外部に読み出させ、電流検出回路150により電圧信号に変換することで画像情報の読取りが行なわれる。
【0087】
次に第2実施形態の放射線画像撮影読取装置100の作用について説明する。第2実施形態の装置100において静電潜像を検出器110に記録するに際しては、検出器110へ記録用(兼読取用)電圧を印加して静電潜像の記録を行なう前に、検出器110へのプレ印加の開始および停止の制御あるいは空読みの開始および停止の制御が加わる点が従来の装置と異なる。以下、詳細に説明する。
【0088】
図8は第2実施形態の作用を説明するタイミングチャートである。この第2実施形態では、記録用電圧よりも大きなプレ印加電圧を所定時間だけ印加するプレ印加を行ない、該プレ印加電圧を記録用電圧に落として静電潜像の記録を行なうようにしている。
【0089】
具体的には、先ず制御信号C2をHにしてスイッチ142をオンさせて検出器110に電源143から記録用電圧よりも大きなプレ印加電圧を印加し、光導電体113内の電位勾配が例えば11V/μm程度となる電界が印加されるようにする。なお、ここまでにおいては、TFT116をオン、オフいずれの状態にしておいてもよい。
【0090】
次に、このプレ印加を所定時間(例えば1秒程度)だけ行なった後、前記プレ印加電圧を前記記録用電圧に落として前記プレ印加を停止する。この10V/μm程度の記録用電界とプレ印加の際の11V/μm程度の電界の各大きさの制御は、電源143の出力電圧の大きさを制御信号C4により制御することで実現される。
【0091】
次に、前記プレ印加の停止後、すなわち検出器110への印加電圧を記録用電圧に落とした後所定時間(30秒好ましくは1秒)以内に、以下のようにして、光導電体113に記録用の放射線Qを照射して検出器110に静電潜像の記録を行なう。先ず、前記記録用電圧を印加した状態でTFT116をオフにする。そして、第1実施形態と同様にして、記録光Qを設定された照射時間だけ検出器110に照射する。すると検出器110の光導電体113内で入射した記録光Qの強度(量)に比例した量の正負の電荷対が発生し、その内の正電荷が潜像極性電荷として電荷収集電極114で収集され、収集された電荷は信号蓄積容量115に蓄積され、これにより検出器110に静電潜像が記録される。一方、光導電体113内で発生した負電荷は記録光側電極層111に引き寄せられて、絶縁体層112との界面に蓄積する。
【0092】
図9は上記第2実施形態の記録過程における電流特性を示した図である。プレ印加当初(t1)は非常に大きな瞬時充電電流が流れ、その後時間と共に徐々に減少する吸収電流が流れ、やがてプレ印加時の電圧に応じた一定の漏れ電流値に近づいていこうとするが、その途中で記録用電界に落とされるので、その時点(t2)の電流値から前記瞬時放電電流分だけ暗電流が少なくなり、その後、時間と共に徐々に増加する解放電流が流れ、やがて記録用電界に応じた漏れ電流値に近づいていく。ここで、解放電流が流れている一時的な期間は、暗電流の大きさが漏れ電流値よりも低く暗抵抗の大きな状態であり、特に記録用電界に落とした直後は暗電流レベルが非常に低く暗抵抗の非常に大きな状態となる。このとき光導電層に印加されている電界が記録用電界であることに変わりがなく、画像情報の記録を行なうと、入射放射線量に応じた量の電荷対が発生し、これにより画像情報を担持する明電流成分が流れ、この明電流成分が暗電流レベルの低い状態に加算されることとなる。信号蓄積容量115には、明電流成分と暗電流成分を加算した合計電流に応じた量の電荷が蓄積されるので、暗電流レベルが低下した分だけ暗潜像の影響を軽減することができる。
【0093】
ただし本実施形態では、プレ印加時に生じる吸収電流の分だけ暗潜像の蓄積が増えるため、プレ印加停止後にTFT116を一時的にオンさせて信号蓄積容量115に蓄積された電荷を外部に読み出す空読みを行ない、その後にTFT116をオフさせて記録を行なうようにすることが好ましい。あるいは、プレ印加の間中にTFT116をオンさせてプレ印加時に暗潜像が蓄積しないようにしてもよい。
【0094】
次に、本発明の画像情報読取方法および装置の実施形態(以下第3実施形態という)について説明する。この第3実施形態は、従来よりよく知られている、画像記録シートとしての蓄積性蛍光体シートを利用した放射線画像読取装置において、蓄積性蛍光体シートから発せられる輝尽発光光を検出する光電読取手段としてのフォトマル(光電子増倍管)を固体画像検出器に置き換えた、本願出願人が特願平11-79984号や特願2000-50201〜5 号などにおいて提案したシステムに本発明を適用したものである。図10(A)は読取装置を示す概略斜視図であり、図10(B)は該装置に使用される固体画像検出器の断面図を電流検出回路と共に示した図である。
【0095】
固体画像検出器223は、2枚の平板電極223a,223bと、該平板電極223a,223bに挟まれた、輝尽発光光L4の照射を受けることにより導電性を呈する光導電層223cとからなり、光ガイド222および励起光カットフィルタ225を介して入射する輝尽発光光L4を検出する0次元センサとして機能する。
【0096】
輝尽発光光L4が入射する側の平板電極223aは、励起光カットフィルタ225を経由して入射する輝尽発光光L4に対して透過性を持たせるべく、ITO(Indium Tin Oxide)膜等の周知の透明導電膜を使用している。一方平板電極223bは透過性を有している必要がないのでアルミ電極としている。
【0097】
光導電層223cの物質としては、500nm以下(例えば400nm近傍)の青色の輝尽発光光を発生する蓄積性蛍光体層212との組合せを考慮して、a−Seを主成分とする光導電性物質を使用する。
【0098】
この光導電層223c(a−Se光導電膜)の大きさ(検出面積)はシート211のサイズ(例えば430mm×430mm;17インチ四方)に比べて十分小さくする。例えば、50mm四方以下とする。このように、光導電膜の面積を小さくすると、過大な暗電流の発生を避けられ、また負荷容量も小さくできるために、蓄積性蛍光体層と光導電層とが略1対1に対向した検出パネルに比べて良好なS/N比を得ることができる。
【0099】
一方、光導電層223cの厚さは、輝尽発光光L4を十分に吸収し、さらにアバランシェ増幅作用が働くようにして、取り出し得る信号レベルを大きくするには1μm以上であるのが好ましく、また、分布容量を小さくして固定ノイズを抑制するにはより厚い方が好ましいが、膜厚が厚すぎると電源電圧が大きくなるデメリットがあるので、電源電圧を考慮しつつ、アバランシェ増幅効果と固定ノイズとの比が大きくなるように、例えば1μm以上100μm以下、さらに好ましくは10μm以上50μm以下に設定する。
【0100】
上述のように、光ガイド222の射出端面222bと固体画像検出器223の入射端面側の電極223aとの間には、励起光カットフィルタ225が設けられている。光ガイド222を介して画像情報を有しない赤色の励起光L3が光導電層223c内に入射すると、光導電層223cは赤色の励起光L3に対しても、若干感度を持つため、該励起光L3によって発生する微小電荷分だけのオフセット電流を発生する。一方、励起光カットフィルタ225を挿入すると、赤色光(600nm以上)を吸収させて、青色の輝尽発光光のみが光導電層223c内に入射するようにできるので、オフセット電流を抑制することができるようになる。なお、光導電層223cは波長600nm以上の赤色の励起光に対しては感度が低いのでフォトマルを用いた従来のものよりも励起光カットフィルタ225を薄くできる。
【0101】
図11は、固体画像検出器223から電荷を外部に読み出して電気信号を得る回路構成を示した図であり、固体画像検出器223と接続された電流検出回路280と電界印加手段285と制御手段270とが設けられている。
【0102】
電流検出回路280は、オペアンプ281a、積分コンデンサ281b、およびスイッチ281cから構成される検出アンプ281を有している。電極223aが、オペアンプ281aの反転入力端子(−)に接続されている。
【0103】
また、電界印加手段285は、電源282およびスイッチ283からなり、固体画像検出器223の両電極223a,223bの間に所定の電圧を印加して光導電層223cに電界を生ぜしめるものである。
【0104】
電源282の正極側は、スイッチ283を介してオペアンプ281aの非反転端子(+)に接続されている。第1および第2実施形態と同様に、電源282としては、制御手段270からの制御信号C4に基づいて出力電圧を変えることができる電圧可変型のものを使用する。なお、電源282の読取用電圧の大きさは、光導電層223c内の電位勾配が10V/μm程度となるように設定する。なおアバランシェ増幅作用が働くようにするにはさらに大きくするとよい。
【0105】
検出アンプ281は、蓄積性蛍光体層212で発生した輝尽発光光L4が光導電層223c内に入射することによって発生する電荷が外部に読み出されるときに生じる電流を検出して、蓄積性蛍光体層212に蓄積された蓄積エネルギーに応じた画像信号を得ることで画像情報を読み取る読取手段として機能する。
【0106】
画像記録シートとしての蓄積性蛍光体シート211は、図10(A)右側に拡大図を示すように、励起光の照射を受けることにより蓄積されたエネルギーに応じた量の輝尽発光光L4を生ぜしめる蓄積性蛍光体層212をベース(支持体)213上に積層して成る。
【0107】
蓄積性蛍光体層212は、600nm以上の波長の赤色の励起光で励起され、且つ500nm以下(好ましくは400nm〜450nm)の青色の輝尽発光光を生ぜしめるものであれば、どのようなものであってもよく、周知の蓄積性蛍光体シートを利用することができる。なお、図示していないが、蓄積性蛍光体層212以外に、例えば、保護層や増感層などが設けられる。
【0108】
図12は第3実施形態の作用を説明するタイミングチャートである。この第3実施形態において、画像情報が予め記録されたシート211から画像情報を読み取る際には、予め読取用電圧を印加して安定した高抵抗状態を作り、次に読取用電圧よりも大きなプレ印加電圧を所定時間だけ印加するプレ印加を行ない、該プレ印加電圧を読取用電圧に戻して画像情報の読取りを行なう。
【0109】
具体的には、先ず、制御信号C2をHにしてスイッチ283をオンさせてオペアンプ281aのイマジナリショートを介して、検出器223の両電極223a,223b間に、先ず光導電層223c内の電位勾配が10V/μm程度となる読取用電圧を印加し安定化させた後に、読取用電圧よりも大きなプレ印加電圧を印加し、光導電層223c内の電位勾配が例えば13V/μm程度となる電界が印加されるようにする。
【0110】
次に、このプレ印加を所定時間(例えば1秒程度)だけ行なった後、前記プレ印加電圧を前記読取用電圧に戻して前記プレ印加を停止する。
【0111】
次に、前記プレ印加の停止後すなわち検出器223への印加電圧を読取用電圧に戻した後所定時間(30秒好ましくは10秒)以内に、光導電層223cに読取用電界を印加したままビーム状の励起光L3でシート211の全面を走査して画像情報の読取りを行なう。具体的には以下の通りである。先ず、読取部210の所定位置にセットされた放射線画像が記録された蓄積性蛍光体シート211は、不図示の駆動手段により駆動されるエンドレスベルトなどのシート搬送手段215により矢印Y方向に搬送(副走査)される。一方、レーザー光源216から発せられた赤色光域の励起光としての光ビームL3はモータ224により駆動され矢印方向に高速回転する回転多面鏡218によって反射偏向され、fθレンズなどの集束レンズ219を通過した後、ミラー220により光路を変えてシート211に入射し副走査の方向(矢印Y方向)と略直角な矢印X方向に主走査する。シート211の光ビームL3が照射された箇所からは、蓄積記録されている放射線画像情報に応じた光量の波長400nm近傍(青色光域)の輝輝尽発光光L4が発散され、この輝尽発光光L4は光ガイド222の入射端面222aに入射し、該ガイド222内の内部を全反射を繰り返して進み、射出端面222bから射出して固体画像検出器223に入射する。上記説明から判るように、レーザー光源216、回転多面鏡218、集束レンズ219あるいは不図示の駆動手段などによって、励起光走査手段210が構成される。
【0112】
固体画像検出器223の光導電層223c内では、輝尽発光光L4の照射を受けて、輝尽発光光L4の光量に応じた量の正負の電荷対が発生する。光導電層223cに印加された読取用電界により、発生した電荷対のうち負電荷は電極223a側に移動し、正電荷は電極223b側に移動する。
【0113】
両電極223a,223b間には、オペアンプ281aが設けられており、検出アンプ281は、上述した電荷の移動による電流を検出して画像信号を得る、つまり放射線画像情報を読み取ることができる。
【0114】
図13は上記第3実施形態の読取過程における電流特性を示した図である。読取用電界を印加して安定化させた後にプレ印加を行なう第3実施形態の場合、プレ印加当初(t1)はやや大きな瞬時充電電流が流れ、その後時間と共に徐々に減少する吸収電流が流れ、やがてプレ印加時の電圧に応じた一定の漏れ電流値(定常漏れ電流値)に近づいていこうとするが、その途中で読取用電界に戻されるので、その時点(t2)の電流値から前記瞬時放電電流分だけ暗電流が少なくなり、その後、時間と共に徐々に増加する解放電流が流れ、やがて読取用電界に応じた漏れ電流値(定常漏れ電流値)に近づいていく。このときの読取用電界に戻した後の電流応答は、暗電流が一時的に低下する期間が生じ、特に読取用電界に戻した直後は非常に低い状態となるので、この暗電流が一時的に低下した期間内に読取りを行なうと暗電流ノイズを軽減することができる。
【0115】
また、プレ印加以前の読取用電界の印加による暗電流が定常状態(高抵抗状態)に至った後にプレ印加を一時的に加えているので、低い暗電流状態の持続時間が長くなり、またプレ印加分の電圧増加が僅かで済むので(前例では差分の3V/μmV)で、プレ印加による過渡的応答における変動性を小さくでき、安定性の上で都合がよい。
【0116】
なお、プレ印加を開始した当初には一時的に電流が増加するが、検出器223内に暗潜像として蓄積することはなく、積分コンデンサ281bに蓄積されノイズ源となる。この場合、励起光を照射する読取りを行なう前に制御信号C5によりスイッチ281cをオンさせて積分コンデンサ281bをリセットするなどして、積分コンデンサ281bに蓄積した分の影響を消す空読みを行なうとよい。
【0117】
なお、この第3実施形態においては、読取用電界を予め印加して検出器223を高抵抗状態にした後プレ印加を一時的に加えるようにしていたが、読取用電界を予め印加することなくプレ印加を一時的に加え、その後読取用電界を印加して読取りを行なうようにしてもよい。
【0118】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。例えば、上記各実施形態では、できるだけ暗電流レベルの低い状態で記録や読取りを行なうためにプレ印加を停止した後少なくとも10秒以内に記録や読取りを行なうようにしていたが、プレ印加を停止した後に暗電流が安定な状態である漏れ電流値となる以前、例えば略30秒以内に記録用あるいは読取用の電界を印加した状態で記録や読取りを行なってもよい。また最初に読取用電界を印加してからプレ印加を一時的に行なう第3実施形態では、このプレ印加時間を1秒以内にしていたが、これについても、略30秒以内にしてもよい。
【0119】
また第1実施形態では、直接変換且つ光読出方式の検出器を用いていたが、この検出器は、上記第1実施形態のものには限定されず、両端の電極とその内側に配設された少なくとも1層の光導電層とを有しているものであればよい。より具体的な層構成としては、例えば、第1導電体層(記録光側電極層;以下同様)/記録用光導電層/蓄電部としてのトラップ層/読取用光導電層/第2導電体層(読取光側電極層;以下同様)からなるもの(米国特許第 4435468号など)、第1導電体層/記録用兼読取用の光導電層/第2導電体層からなり光導電層と第2導電体層との界面に蓄電部が形成されるもの(Medical Physics,Vol.16,No.1,Jan/Feb 1989;P105-P109)、第1導電体層/絶縁体層/記録用兼読取用の光導電層/第2導電体層からなり絶縁体層と光導電層との界面に蓄電部が形成されるものなどがあり、これらに対しても上記第1実施形態の第1および第2の作用を同様に適用できる。
【0120】
また第3実施形態では、蓄積性蛍光体シートから発せられる輝尽発光光を検出する光電変換手段としてアモルファス状の光導電体を用いた固体画像検出器を使用して読取りを行なっていたが、この固体画像検出器は、上記第3実施形態のものには限定されず、例えば本願出願人が特願平11-79984号や同2000-50201〜5 号などにおいて提案している、長尺状の0次元検出器やラインセンサとすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示した図であって、放射線画像撮影読取装置を示した概略図
【図2】第1実施形態の第1の作用を説明するタイミングチャート
【図3】光導電体の基本的な電流特性を示した図
【図4】第1実施形態の記録過程における電流特性を示した図
【図5】第1実施形態の第2の作用を説明するタイミングチャート
【図6】本発明の第2実施形態を示した図であって、放射線画像撮影読取装置を示した概略図
【図7】検出器の素子配列に着目した回路ブロック図
【図8】第2実施形態の作用を説明するタイミングチャート
【図9】第2実施形態の記録過程における電流特性を示した図
【図10】本発明の第3実施形態を示す図であって、フォトマルを固体画像検出器に置き換えた態様の放射線画像読取装置を示す概略斜視図(A)、該装置に使用される固体画像検出器の断面図を電流検出回路と共に示した図(B)
【図11】固体画像検出器から電荷を読み出して電気信号を得る回路構成を示した図
【図12】第3実施形態の作用を説明するタイミングチャート
【図13】第3実施形態の読取過程における電流特性を示した図
【符号の説明】
1 放射線画像撮影読取装置
10 放射線固体検出器
11 記録光側電極層
12 記録用光導電層
13 電荷輸送層
14 読取用光導電層
15 読取光側電極層
40 電界印加手段
50 電流検出回路
57 読取光走査手段
58 前露光光源
59 読取部
70 制御手段
100 放射線画像撮影読取装置
110 放射線固体検出器
140 電界印加手段
150 電流検出回路(読取手段)
170 制御手段
216 レーザ光源
223 固体画像検出器
223a 電極
223b 電極
223c 光導電層
280 電流検出回路
281 検出アンプ(読取手段)
285 電界印加手段

Claims (15)

  1. アモルファス状の物質からなる、電磁波の照射を受けることにより潜像極性電荷を発生する光導電体と、前記潜像極性電荷を蓄積する蓄電部とを有する画像記録媒体を用いて、画像情報を担持する記録用の電磁波の前記光導電体への照射により発生する潜像極性電荷を前記蓄電部に蓄積させることにより画像情報を静電潜像として前記蓄電部に記録する方法において、
    前記記録に先立って該記録の際に前記光導電体に印加される記録用電界よりも大きな電界を前記光導電体に印加するプレ印加を行ない、該プレ印加を停止した後前記記録用電界を前記光導電体に印加した状態で前記記録を行なうことを特徴とする画像情報記録方法。
  2. 前記プレ印加を停止した後30秒以内に前記記録を行なうことを特徴とする請求項1記載の画像情報記録方法。
  3. 前記プレ印加に先立って前記記録用電界を前記光導電体に印加した後に前記プレ印加を行なうことを特徴とする請求項1または2記載の画像情報記録方法。
  4. 暗潜像成分を吐き出させる空読みを行ない、該空読みを停止した後前記記録を行なうことを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の画像情報記録方法。
  5. アモルファス状の物質からなる、電磁波の照射を受けることにより潜像極性電荷を発生する光導電体と前記潜像極性電荷を蓄積する蓄電部とを有する画像記録媒体を用いて、画像情報を担持する記録用の電磁波の前記光導電体への照射により発生する潜像極性電荷を前記蓄電部に蓄積させることにより画像情報を静電潜像として前記蓄電部に記録する装置において、
    前記光導電体に所定の電界を印加する電界印加手段と、
    前記記録に先立って該記録の際に前記光導電体に印加される記録用電界よりも大きな電界を前記光導電体に印加するプレ印加が行なわれ、該プレ印加を停止した後前記記録用電界が前記光導電体に印加されるように、前記電界印加手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする画像情報記録装置。
  6. 前記制御手段が、前記プレ印加に先立って前記記録用電界を前記光導電体に印加した後に前記プレ印加が行なわれるように前記電界印加手段を制御するものであることを特徴とする請求項5記載の画像情報記録装置。
  7. 前記潜像極性電荷に対応する電荷を検出することにより前記画像情報の読取りを行なう読取手段をさらに有し、
    前記制御手段が、暗潜像成分を吐き出させる空読みが行なわれ、該空読みを停止させた後前記記録が行なわれるように、前記電界印加手段と前記読取手段を制御するものであることを特徴とする請求項5または6記載の画像情報記録装置。
  8. アモルファス状の物質からなる、電磁波の照射を受けることにより電荷を発生する光導電体を用いて、画像情報を担持する電磁波の前記光導電体への照射により発生する電荷を検出することにより前記画像情報の読取りを行なう方法において、
    前記読取りに先立って、該読取りの際に前記光導電体に印加される読取用電界よりも大きな電界を前記光導電体に印加するプレ印加を行ない、該プレ印加を停止した後、前記読取用電界を前記光導電体に印加した状態で前記読取りを行なうことを特徴とする画像情報読取方法。
  9. 前記プレ印加を停止した後30秒以内に前記読取りを行なうことを特徴とする請求項8記載の画像情報読取方法。
  10. 前記プレ印加に先立って前記読取用電界を前記光導電体に印加した後に前記プレ印加を行なうことを特徴とする請求項8または9記載の画像情報読取方法。
  11. 前記プレ印加により生じる暗電流増加分を吐き捨てる空読みを行ない、該空読みを停止した後前記読取りを行なうことを特徴とする請求項8から10いずれか1項記載の画像情報読取方法。
  12. アモルファス状の物質からなる、電磁波の照射を受けることにより電荷を発生する光導電体を用いて、画像情報を担持する電磁波の前記光導電体への照射により発生する電荷を検出することにより前記画像情報の読取りを行なう装置において、
    前記光導電体に所定の電界を印加する電界印加手段と、
    前記電荷を検出することにより前記画像情報の読取りを行なう読取手段と、
    前記読取りに先立って該読取りの際に前記光導電体に印加される読取用電界よりも大きな電界を前記光導電体に印加するプレ印加が行なわれ、該プレ印加を停止した後前記読取用電界が前記光導電体に印加された状態で前記読取りが行なわれるように、前記電界印加手段および前記読取手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする画像情報読取装置。
  13. 前記制御手段が、前記プレ印加を停止した後30秒以内に前記読取りが行なわれるように、前記電界印加手段および前記読取手段を制御するものであることを請求項12記載の画像情報読取装置。
  14. 前記制御手段が、前記プレ印加に先立って前記読取用電界を前記光導電体に印加した後に前記プレ印加が行なわれるように、前記電界印加手段を制御するものであることを特徴とする請求項12または13記載の画像情報読取装置。
  15. 前記制御手段が、前記プレ印加により生じる暗電流増加分を吐き捨てる空読みが行なわれ、該空読みを停止させた後前記読取りが行なわれるように、前記電界印加手段と前記読取手段を制御するものであることを特徴とする請求項12から14いずれか1項記載の画像情報読取装置。
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