JP4185940B2 - 床基材の製造方法及び床材の製造方法 - Google Patents

床基材の製造方法及び床材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、木質繊維板を用いた床基材の製造方法、及びその床基材を用いた床材の製造方法に関するものである。
従来より、特許文献1に示されるように、合板の表面又は表裏面にMDF等の木質繊維板を貼り合わせた複合材からなる基材において、その一部を構成する木質繊維板の表面にホルマリン系樹脂を除く高分子化合物を含浸した含浸層が形成され、その含浸層上に表面化粧材が接着剤層によって貼り合わせられた化粧板が知られている。
このものでは、木質繊維板の表面にホルマリン系樹脂を除く高分子化合物を含浸し、その硬化の後に表面化粧材を接着剤によって貼り合わせるか、或いは高分子化合物の未硬化状態で接着剤層を形成して、高分子化合物の硬化と同時に接着剤層による表面化粧材の貼り合わせを行うようになされている。
特開平9−225910号公報
ところで、上記特許文献1のものでは、ホルマリン系以外の高分子化合物を木質繊維板に含浸させているものの、その高分子化合物の粘度が高いので、塗布後に加熱したとしても高分子化合物が木質繊維板の内部まで十分に浸透し難く、極く表面のみしか強化できず、どうしても大きな未強化部分が形成されるのは避けられない。その結果、その未強化部分が吸水して膨潤するという問題がある。この高分子化合物の繊維板への浸透性を高めるには、溶剤を使用して粘度を低下させる必要があるが、溶剤の使用によりコストが増大したり環境上の問題が生じたりする。
また、特許文献1のものは、MDFと合板との複合構造に関して特別な記載がなく、普通に接着剤を用いて貼り合わせていると考えられる。しかし、MDF及び合板の伸縮の大きさが互いに異なるので、これら伸縮の異なる材料同士の複合においては、接着が強固でなければ、反りによる剥離が生じることは避けられない。
さらに、近年は、資源の枯渇や自然保護による伐採の禁止等の動きにより、合板等に使用されてきた南洋材が入手難になり、循環・管理可能な植林木の活用が叫ばれている。ところが、成長の早い樹種の植林木は軽量で柔らかい材質であるため、例えば床材として使用した場合に耐傷性に劣るという問題がある。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもので、その主たる目的は、溶剤の使用によるコストアップや環境上の問題を招くことなく、また仮に軽量で柔らかい材質の植林木を基板として用いた場合でも耐傷性の高い床基材が得られるようにすることにある。
上記の目的の達成のため、請求項1の発明は、床基材の製造方法として、基板の表面に水性接着剤を介して木質繊維板を載置し、この木質繊維板の表面にイソシアネート化合物を塗布した後、上記木質繊維板を基板に対し加熱圧締により接合一体化することを特徴とする。
この発明に係る床基材の製造方法によると、接着剤により基板へ木質繊維板を貼り付ける処理と、木質繊維板にイソシアネート化合物を含浸させて強化する処理とを、加熱圧締によって一度に行うことができるので、床基材の生産性が優れたものとなる。しかも、基板と木質繊維板との間に介在している水性接着剤の水によりイソシアネート化合物が反応硬化して、木質繊維板がより強固に接着剤と結合することとなり、表面が剥離し難い床基材が得られる。
また、厚さの厚い木質繊維板は伸縮によって反りが出易いことから、薄い木質繊維板(例えば0.4mm〜1.4mm)が用いた場合、その薄い木質繊維板へイソシアネート化合物を均一に塗布するのが難しいとともに、加熱圧締時に撓み易くて、単独で加熱圧締するのが難しくなる。しかし、この発明のように、基板上に木質繊維板を載置してイソシアネート化合物を塗布し、両者を加熱圧締することで、上記の問題が生じることはない。
上記イソシアネート化合物は、低分子で溶剤等を混合しなくても粘度が低く、この低粘度のイソシアネート化合物を用いているので、その木質繊維板内部への浸透性が優れ、溶剤で薄めることなく木質繊維板内に容易に浸透し、その浸透後に木質繊維板内部の水分と反応してウレア結合し、表面だけでなく内部まで硬化して強固な高分子化合物が生成する。尚、イソシアネート化合物は常温でも反応するが、加熱すると短時間で反応が促進される。
また、イソシアネート化合物は溶剤によって粘度を低下させる必要がないので、溶剤の使用によるコストアップや環境上の問題が生じることはない。
そして、製造された床基材は、このようにイソシアネート化合物の塗布浸透によって木質繊維板が強化されると同時に、その強化された木質繊維板が木質基板表面に接合一体化されたものであり、その床基材の表面層が強化木質繊維板で構成されるので、柔らかい材質の植林木を木質基板として使用した場合でも、耐傷性に優れた床基材が得られる。また、今まで耐傷性床材として使用し難かった植林木を使用することで、資源の枯渇を防止し、地球環境に優しく持続的に木材資源の利用が可能となる。
請求項2の発明では、上記木質繊維板は、撥水剤もしくは防水剤を含有しないか又は木質繊維に対して1重量%以下を含有していることを特徴とする。
このように、撥水剤もしくは防水剤を含有しないか又は木質繊維に対して1重量%以下の含有量である木質繊維板を用いることで、木質繊維板から撥水性が無くなってイソシアネート化合物がより浸透し易くなり、撥水剤や防水剤による撥水効果以上に、木質繊維板内部まで浸透したイソシアネート化合物の水との反応による強固な高分子化合物の生成による効果が大きくなる。
請求項3の発明では、木質繊維板は、イソシアネート化合物を主成分とする接着剤を必須とするものとする。
このように木質繊維板を作る際の接着剤としてイソシアネート化合物を主成分としたものを用いると、強化のために繊維板表面に塗布されたイソシアネート化合物との親和性が良くなり、その塗布されたイソシアネート化合物がより浸透し易くなる。
請求項4の発明は床材の製造方法に係るものであり、この床材の製造方法は、請求項1〜3のいずれか1つの床基材の製造方法により製造された床基材の表面に化粧材積層することを特徴とする。
こうして床基材の表面に化粧材を積層することにより、表面化粧材として天然木突板を用いることがなく、環境に優しくて、色違い等の欠点が生じることもない床材が得られる。
以上説明したように、請求項1の発明に係る床基材の製造方法によると、基板の表面に水性接着剤を介して木質繊維板を載置し、この木質繊維板の表面にイソシアネート化合物を塗布し、この木質繊維板を基板に加熱圧締により接合一体化することにより、接着剤により基板へ木質繊維板を貼り付ける処理と、木質繊維板にイソシアネート化合物を含浸させて強化する処理とを加熱圧締によって一度に行って床基材の生産性の向上を図ることができるとともに、水性接着剤の水によるイソシアネート化合物の反応硬化により、表面の木質繊維板が剥離し難い床基材が得られる。さらには、伸縮によって反りの出難い薄い木質繊維板を用いつつ、イソシアネート化合物の均一な塗布の容易化、加熱圧締の容易化を図ることができる。また、床基材は、木質基板の表面に、イソシアネート化合物を表面に塗布浸透させて強化した木質繊維板が接合一体化されているものであるので、溶剤の使用によるコストアップや環境上の問題が生じることなく、柔らかい材質の植林木を木質基板として使用しても耐傷性、硬度及び耐水性に優れた床基材が得られるとともに、耐傷性床材として使用困難であった植林木の使用により資源の枯渇を防止して、地球環境に優しく持続的に木材資源の利用化を図ることができる。
請求項2の発明によると、木質繊維板は、撥水剤もしくは防水剤を含有しないか又は木質繊維に対して1重量%以下を含有しているものとしたことにより、木質繊維板にイソシアネート化合物がより浸透し易くなり、木質繊維板内部まで浸透したイソシアネート化合物の水との反応による強固な高分子化合物の生成による効果を高めることができる。
請求項3の発明によると、木質繊維板は、イソシアネート化合物を主成分とする接着剤を必須とするものとしたことにより、繊維板表面に塗布されたイソシアネート化合物との親和性が良く、その塗布されたイソシアネート化合物がより浸透し易くなる。
請求項4の発明に係る床材の製造方法によると、請求項1〜3のいずれか1つの製造方法により得られた床基材の表面に化粧材積層することにより、環境に優しくて色違い等の欠点が生じない床材が得られる
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
図1は本発明の実施形態に係る製造方法により得られた床材Aを示し、この床材Aは床基材1と、その床基材1の表面に積層された化粧材6とからなる。
(床基材)
上記床基材1は基板2と、該基板2の表面に水性接着剤からなる接着剤層3を介して接合一体化され、イソシアネート化合物を表面に塗布浸透させて強化した強化木質繊維板4とからなる。
(基板)
上記基板2は、例えば合板、LVL、木質繊維板、パーティクルボード、OSB等の木質板や、ケイカル板、火山性ガラス質複層板、スラグ石膏板等の無機質板が用いられる。
特に、合板は植林木を用いたものが望ましい。この植林木を例示すると、例えばファルカタ(比重0.33)、カメレレ(比重0.64)、ユーカリ(比重0.7)、ゴム(比重0.65)、エリマ(比重0.35)、ターミナリア(比重0.38)、キャンプノスペルマ(比重0.33)、アカシアマンギューム(比重0.5)、グメリナ(比重0.45)、メルクシパイン(比重0.46)、ラジアータパイン(比重0.48)、ポプラ(比重0.45)等が挙げられる。尚、括弧内の比重は平均値であり、工業製品ではないので実際は生育場所や品種、個体差により変動する値である。
その他、従来から床材として使用しているラワン、メランティ、セラヤ、アピトン、カポール等の南洋材等を用いてもよいのは勿論であり、それ以外にも、欠点があって従来使用できなかったものについても、表層に強化木質繊維板4を設けることで使用することができる。
合板の構成も特に限定されないが、表裏層に比重が高くて硬い材を、また表裏層間に位置するコア層(芯層)に比重が低くて軟らかい材をそれぞれ配置するのが好ましい。しかし、表面に強化木質繊維板4を設けるので、比重が低くて軟らかい材だけで構成してもよい。
(強化木質繊維板)
強化木質繊維板4は、例えば中密度繊維板(MDF)等からなり、その表面に、低分子のイソシアネート化合物が塗布により浸透しかつ木質繊維板4中の水分と反応して硬化した強化層4aが形成されたものである。また、上記塗布されて繊維板内に浸透したイソシアネート化合物は、繊維板中の水分との反応により硬化して上記強化層4aを形成するだけでなく、上記接着剤層3をなす水性接着剤中の水分とも反応して硬化しており、塗布されたイソシアネート化合物は上記水性接着剤と共に硬化されている。
強化木質繊維板4を形成するために使用する木質繊維板は特に限定されない。また、その含水率も通常品の5〜13重量%の範囲のものでよい。
木質繊維板の厚さは、0.4mm〜1.4mm(好ましくは0.7mm〜1.0mm)が望ましい。0.4mmよりも薄いと、硬さ性能が得られない一方、1.4mmよりも厚いと、木質繊維板4の伸縮が大きくなって反りが発生し易くなる。
基板2(合板)の表面を高比重の硬い単板とすることで強化木質繊維板4の厚さを1mm以下にすることができる。つまり、基板2の硬さが硬いときには、強化木質繊維板4の厚さを薄くしてもよく、逆に、基板2の硬さが軟らかいときには、強化木質繊維板4の厚さを厚くする必要がある。
また、強化樹脂浸透前の木質繊維板の比重は0.6〜1.0(好ましくは0.8前後)が望ましい。0.6よりも低いと、強度が低下し、逆に1.0よりも高いと、樹脂の浸透性が不十分となるからである。
そして、強化木質繊維板4の比重は1以上(望ましくは1〜1.2)であることが好ましい。
生産時にパラフィンワックス等の撥水剤及び防水剤を一定量使用したMDF(木質繊維板)は、イソシアネート化合物の浸透性が悪化するため、撥水剤もしくは防水剤を使用していないMDFか、又はこれらの添加量が原料の木質繊維に対して1.0重量%以下であるMDFを使用する必要がある。このように、撥水剤もしくは防水剤を含有しないか又は木質繊維に対して1重量%以下の含有量であるMDFを用いることで、MDFから撥水性が無くなってイソシアネート化合物がより浸透し易くなり、撥水剤や防水剤による撥水効果以上に、MDF内部まで浸透したイソシアネート化合物の水との反応による強固な高分子化合物の生成による効果が大きくなる。
さらに、生産時の木質繊維間の接着剤としてイソシアネート化合物を使用しているMDFとすれば、特にイソシアネート化合物の浸透性が良好である。つまり、このようにMDF内の接着剤としてイソシアネート化合物を主成分としたものを用いると、強化のためにMDF表面に塗布されたイソシアネート化合物との親和性が良くなり、その塗布されたイソシアネート化合物がより浸透し易くなる。
木質繊維板の表面に塗布浸透されて強化樹脂となるイソシアネート化合物(木質繊維板4中に接着剤として含まれるイソシアネート化合物も同様である)とは、1分子中に2個以上のイソシアネート基(NCO)を有するもので、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等であり、これらの粗製物でもかまわない。特に、PMDIと呼ばれる粗製ジフェニルメタンジイソシアネートが反応速度、価格、安全性の面から適している。また、イソシアネート化合物に自己乳化性を付与させたり、反応性を向上させたりしたものを用いてもよい。
これらイソシアネート化合物は、通常、粘度が30〜500mPa・sであって溶剤により分散せずとも上記MDFへの浸透性がよく、塗布直後には上記MDF中に浸透する。このため、化粧材6を接着するための接着剤をロールコーターやスプレッダーで塗布してもその機器にイソシアネート化合物は付着せず、作業性が向上する。尚、浸透性を向上させるためにイソシアネート化合物の液温度を上げてその粘度を低下させることもできるが、必須ではない。
また、イソシアネート化合物は有効成分100%であり、その乾燥工程が不要で、溶剤を含まないために、製造時の作業環境や床材Aの使用環境にも問題がない。
これらのイソシアネート化合物に反応促進剤等を混合してもかまわないが、塗布液の粘度は500mPa・s以内に抑える必要がある。また、イソシアネート化合物の塗布量は10〜500g/mが適当であり、10g/m未満ではその効果が低くなる一方、500g/mを越えると製造コストが高くなるのみでなく、加熱硬化の場合に余分の樹脂が染み出すために無駄となる。
イソシアネート化合物の硬化性の向上及び可撓性の付与のために、イソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基を30%以下になるまでプレポリマー化することが望ましい。30%を超えると効果が少なく、低くなり過ぎると粘度が高くなって浸透性が悪くなる。
また、同様にイソシアネート化合物の硬化性の向上及び可撓性の付与のために、ウレタン反応がより進んだウレタンプレポリマー(粘度3000〜20000Pa・s)をイソシアネート化合物に添加することが望ましい。このウレタンプレポリマーはイソシアネート化合物に対して10〜20重量%添加することが好ましい。10重量%未満では効果が不十分となる一方、20重量%を越えると、粘度が高くなって混ざり難くなるとともに、浸透性も悪くなる。
さらに、可撓性の付与のために可塑剤を添加してもよい。この可塑剤としては、フタル酸エステル系、アジピン酸エステル系、リン酸エステル系、トリメリット酸エステル系、クエン酸エステル系等が望ましい。
また、硬化促進のためにアミン系や金属系の触媒を添加することもできる。
さらに、ポリオキシアルキレングリコールを添加すると、イソシアネート化合物と反応して強固なウレタン結合を生成する。
(接着剤)
木質繊維板4(MDF)を基板2と貼着するための水性接着剤に用いられる樹脂の種類は、メラミン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、水性ビニルウレタン樹脂、ABS樹脂等であり、これらを混合及び変性させたものでもかまわない。
(床基材の製造方法)
上記床基材1を製造する本発明の実施形態では、上記木質繊維板の表面にイソシアネート化合物を塗布浸透して強化木質繊維板4を作り、その強化木質繊維板4を基板2に水性接着剤により接合一体化するが、その木質繊維板のイソシアネート化合物による含浸強化を、木質繊維板の基板2への接合一体化と同時に行。この製造方法について説明すると、基板2の表面に水性接着剤を介して木質繊維板を載置した後、その木質繊維板の表面にイソシアネート化合物を塗布する。そして、上記基板2に対し、その上に載置された木質繊維板を両者の加熱圧締により接合一体化する。
上記基板2と木質繊維板との加熱圧締では、100〜150℃の加熱によって短時間でイソシアネート化合物及び接着剤が硬化するために効率よく行われる。その圧力は特に限定しないが、0.49MPa以上の圧力をかけることで木質繊維板が圧密化されて密度が上がり、より表面硬度が向上する。
こうして基板2の表面に水性接着剤を介して木質繊維板を載置し、その表面にイソシアネート化合物を塗布した後に両者を加熱圧締により接合一体化する方法によれば、接着剤により基板2へ木質繊維板を貼り付ける処理と、木質繊維板にイソシアネート化合物を含浸させて強化する処理とを加熱圧締によって一度に行うことができ、床基材1の生産性が向上する。しかも、基板2と木質繊維板との間に介在している水性接着剤の水によりイソシアネートが反応硬化して、木質繊維板がより強固に接着剤と結合することとなり、表面が剥離し難い床基材1が得られる。
しかも、基板2上に水性接着剤を介して木質繊維板を載置してイソシアネート化合物を塗布し、両者を加熱圧締することで、伸縮によって反りの出難い薄い木質繊維板を用いたとしても、イソシアネート化合物の均一な塗布を容易に行い得るとともに、単独では加熱圧締し難い薄肉の木質繊維板の加熱圧締処理をも容易に行うことができる。
(床材の製造方法)
このようにして得られた床基材1の表面に、床材に一般的に使用される化粧紙、化粧シート、突板等の化粧材6を水性接着剤で貼ることで、床材Aが得られる。
上記化粧材6として化粧紙や化粧シートを用いると、色柄のムラをなくし調整することができる。
さらに、化粧材6の上から塗装を施してもよい。特に紫外線の照射により硬化するUV塗料を使用すれば、超高硬度の塗膜が得られる。
したがって、この実施形態により製造された床基材1においては、低分子で溶剤等を混合しなくても粘度の低いイソシアネート化合物が木質繊維板に塗布浸透されているので、そのイソシアネート化合物の木質繊維板内部への浸透性が優れ、溶剤で薄めることなく木質繊維板内に容易に浸透し、その浸透後に木質繊維板内部の水分と反応してウレア結合し、表面だけでなく内部まで硬化して強固な高分子化合物が生成した強化木質繊維板4が形成される。そして、この強化木質繊維板4が基板2表面に接合一体化されて床基材1が構成されているので、その床基材1の表面層が強化木質繊維板4からなり、基板2として、柔らかい材質の植林木を使用した場合でも、耐傷性に優れた床基材1が得られる。しかも、基板2を植林木とすれば、今まで耐傷性床材として使用し難かった植林木を用いることができ、資源の枯渇を防止して、地球環境に優しく持続的に木材資源の利用が可能となる。
また、イソシアネート化合物は溶剤によって粘度を低下させる必要がないので、溶剤の使用によるコストアップや環境上の問題が生じることはない。
そして、上記床基材1の表面に化粧材6を積層して塗装を施すことで床材Aが得られるので、この床材Aの表面化粧材として天然木突板を用いる必要はなく、環境に優しくて色違い等の欠点が生じることもない
次に、具体的に実施した実施例について説明する。
(実施例1)
基板として厚さ11mmの南洋材合板(ラワン)を用意し、その表面に水性接着剤として尿素メラミン接着剤を塗布して、その上に、パラフィンワックス等の撥水剤を使用していない厚さ1.0mmのMDFをセットした。このMDFの表面(上面)にイソシアネート化合物を100g/m塗布した後、温度130℃、圧力0.98MPa(10kg/cm)、時間3分の条件で加熱圧締して床基材を得た。イソシアネート化合物は、粘度200mPa・sの粗製ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)90部に、粘度5000Pa・sのウレタンプレポリマー10部を添加したものを用いた。
さらに、上記床基材の表面にエチレン酢ビ接着剤を塗布した後、化粧材として化粧紙を積層し、温度130℃、圧力0.686MPa(7kg/cm)、時間1分間の条件で加熱圧締した。その後、化粧面に高硬度のUV塗装を行い、厚さ12mmの化粧板を得た。
(実施例2)
上記実施例1における南洋材合板に代えて、表裏層がラワンでありコア層がファルカタからなる植林木合板を用いた基板とし、その他は実施例1と同様の処理を行うことによって床基材を得た。また、この床基材上に実施例1と同様の材料を用いかつ同様の処理を行って厚さ12mmの化粧板を得た。
比較例1
実施例1と同様の1.0mm厚さのMDFを用意し、そのMDFを実施例1のように基板に載置しない状態で表面上にイソシアネート化合物を100g/m塗布した後、温度130℃、圧力0.98MPa(10kg/cm)、時間3分の条件で加熱圧締して強化MDFを得た。次いで、この強化MDFを厚さ11mmの南洋材合板に接着して厚さ12mmの床基材を得た。この床基材上に実施例1と同様の材料を用いかつ同様の処理を行って厚さ12mmの化粧板を得た。
(比較例
実施例1と同様の1.0mm厚さのMDFを無処理のまま植林木合板に接着して床基材を得た。この床基材上に実施例1と同様の材料を用いかつ同様の処理を行って厚さ12mmの化粧板を得た。
比較例3
植林木であるファルカタ単板(比重0.4以下)をコア層に用い、ラワン単板(比重0.4以上)を表裏層に用いた合板を基板として用意した。また、厚さ0.8mmに調整したMDFにイソシアネート化合物を塗布浸透硬化させたものを用意した。上記前者の基板表面に後者の、イソシアネート化合物を塗布浸透したMDFを水性ビニルウレタン系接着剤を介して積層し、両者を圧締して接着硬化して床基材とした。尚、MDFはイソシアネート化合物の浸透性を良好にするために、撥水材及び防水材を添加していないものを用いた。その床基材の表面上に、化粧材としての厚さ200μmのオレフィンシートを水性ビニルウレタン系接着剤にて貼り合わせて最終的な床材とした。
(実施例
上記比較例3における合板の代わりに、全層がファルカタ単板(比重0.4以下)で構成された合板と、厚さ1.05mmに調整されたMDFとを用い、実施例1と同様の処理を行って床基材とした。比較例3と同様に、この床基材の表面上に厚さ200μmのオレフィンシートを水性ビニルウレタン系接着剤にて貼り合わせて床材とした。
(比較例
MDFにイソシアネート化合物を塗布しないということ以外は、上記比較例3と同様の処理を行って床材とした。比較例3と同様に、この床基材の表面上に厚さ200μmのオレフィンシートを水性ビニルウレタン系接着剤にて貼り合わせて床材とした。
(比較例
上記比較例3の合板のみを使用して床基材とし、化粧材としてのオレフィンシートを貼り合わせて床材とした。
(試験)
以上の実施例及び比較例に対し、表面硬度(ブリネル試験)を測定するとともに、耐水性能を比較するためのJAS2類浸漬剥離試験を行って膨潤厚み変化率を比較した。その試験結果を表1に示す。
Figure 0004185940
この試験結果について考察する。ブリネル硬度で15N/mm程度あれば、耐傷性のある床材である。そして、実施例1,2及び比較例1,2はいずれも硬度面だけ考えると耐傷性に優れている。また、実施例1,2及び比較例1は共に表面硬さに優れ、厚さ膨張が小さく、耐水性能に優れていた。
比較例1については、厚さ1.0mmのMDFにイソシアネート化合物(強化樹脂)を安定して均一な塗布することが困難であり、また加熱圧締のプレスはその薄さ故の撓みのために困難であり、生産性に劣ることから、薄物用の設備改造が必要になる難がある。しかし、比較例1は実施例2と同等の硬さ、耐水性能を持っている。
比較例は、MDFに樹脂強化をしていないために表面硬度が劣る。厚さ膨潤も大きく、表面にMDF由来のファイバー上の膨れが生じ、耐水性に劣っていた。
実施例3及び比較例3は、実用上床材の耐傷性を満足するブリネル硬度を示す。また、厚さ膨張が小さく、耐水性能に優れていた。実施例は合板が全てファルカタ材で軟らかいにも拘わらず、ブリネル硬度が高い。これは、MDFの厚さが厚いためと考えられる(比較例3では0.8mmであるのに対し、実施例では1.05mm)。
比較例はMDFが樹脂により強化されていない分だけブリネル硬度が低くなっている。
また、比較例は合板のみの床基材であるので、ブリネル硬度がかなり低い。また、2類浸漬剥離試験によって、比重の低いファルカタの導管部分が吸水して膨れ、それに伴って厚さ膨潤も大きくなっており、耐水性に劣っていた。
実施例1,2及び比較例1,2と、実施例及び比較例3〜5との間に見られる違いとしてブリネル硬度に大きな差があるが、これはMDFの厚さ、樹脂の含浸量、合板の硬さの違いと、表面仕上げの違いとに起因する(前者は化粧紙上にUV塗装したものであり、後者は化粧シートである)。
以上のことから、本発明の作用効果が有効であることが判る。
本発明は、表面に強化木質繊維板を用いた耐傷性の高い床基材及び床材が得られるので、極めて有用であり、産業上の利用可能性が高い。
図1は、本発明の実施形態に係る製造方法により得られた床材の一部を示す断面図である。
符号の説明
A 床材
1 床基材
2 基板
4 強化木質繊維板
6 化粧材

Claims (4)

  1. 基板の表面に水性接着剤を介して木質繊維板を載置し、
    上記木質繊維板の表面にイソシアネート化合物を塗布した後、
    上記木質繊維板を基板に対し加熱圧締により接合一体化することを特徴とする床基材の製造方法
  2. 請求項1の床基材の製造方法において、
    木質繊維板は、撥水剤もしくは防水剤を含有しないか又は木質繊維に対して1重量%以下を含有していることを特徴とする床基材の製造方法
  3. 請求項1又は2の床基材の製造方法において、
    木質繊維板は、イソシアネート化合物を主成分とする接着剤を必須とするものであることを特徴とする床基材の製造方法
  4. 請求項1〜3のいずれか1つの床基材の製造方法により製造された床基材の表面に化粧材積層することを特徴とする床材の製造方法
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